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2 0 1 7 年 度 事 業 報 告 書
( 事 業 期 間 : 2 0 1 7 年 4 月 1 日 ~ 2 0 1 8 年 3 月 3 1 日 )
認 定 N P O 法 人 大 阪 精 神 医 療 人 権 セ ン タ ー
目 次 :
第 1 事 業 の 概 要
第 2 日 本 の 精 神 医 療 の 現 状
第 3 当 セ ン タ ー が 解 決 を 目 指 す 課 題
1 精 神 科 病 院 に 入 院 中 の 方 の た め の 権 利 擁 護 シ ス テ ム が 不 十 分 で あ る こ と 2 精 神 科 病 院 の 密 室 性 、 閉 鎖 性 が 解 消 さ れ て い な い こ と
3 精 神 障 害 や 精 神 疾 患 に 対 す る 差 別 と 偏 見 が 解 消 さ れ て い な い こ と 第 4 事 業 の 実 施 状 況
1 個 別 相 談 の 実 施 状 況
2 精 神 科 病 院 へ の 訪 問 活 動 及 び 情 報 公 開 の 実 施 状 況
3 精 神 医 療 及 び 精 神 保 健 福 祉 に 係 る 政 策 提 言 活 動 の 実 施 状 況 及 び 成 果 4 そ の 他 事 業
第 5 事 業 の 成 果
1 2 0 1 7 年 度 の 個 別 相 談 活 動 の 成 果
2 2 0 1 7 年 度 の 訪 問 活 動 及 び 情 報 公 開 の 成 果 3 2 0 1 7 年 度 の 政 策 提 言 活 動 の 成 果
第 6 当 セ ン タ ー の 組 織 体 制 等
第 1 事 業 の 概 要
1 当 セ ン タ ー の 目 的 ( ビ ジ ョ ン )
当 セ ン タ ー は 、 精 神 医 療 及 び 社 会 生 活 に お け る 精 神 障 害 者 の 人 権 を 擁 護 す る 活 動 を 行 う と と も に 、 そ れ を 通 じ て 精 神 障 害 者 に 対 す る 社 会 の 理 解 を 促 進 し 、 障 害 の 有 無 に か か わ ら ず 、 誰 も が 安 心 し て 暮 ら せ る 社 会 に 一 歩 で も 前 進 さ せ る べ く 貢 献 す る こ と を 目 的 ( ビ ジ ョ ン ) と し て い ま す 。
2 当 セ ン タ ー の 3 つ の ミ ッ シ ョ ン と 活 動 内 容
当 セ ン タ ー は 、 当 セ ン タ ー の 目 的 に 賛 同 し て く れ る 個 人 や 団 体 と 協 力 、 連 携 し て 、 3 つ の ミ ッ シ ョ ン に 基 づ い た 活 動 を す る こ と に よ り 、 当 セ ン タ ー が 取 り 組 む べ き 社 会 的 課 題 の 解 決 を 目 指 し ま す 。
2 3 つ の ミ ッ シ ョ ン と 活 動 内 容 :
① 声 を き く ~ 精 神 科 病 院 に 入 院 す る 方 々 の 立 場 に た っ た 権 利 擁 護 活 動 を 実 践 す る た め に ~
入 院 中 の 方 の た め の 個 別 相 談 ( 手 紙 、 電 話 及 び 面 会 )
② 扉 を ひ ら く ~ 精 神 科 病 院 を 開 か れ た も の に す る た め に ~ 精 神 科 病 院 へ の 訪 問 活 動 及 び 情 報 公 開
③ 社 会 を か え る ~ 安 心 し て か か れ る 精 神 医 療 を 実 現 す る た め に ~ 精 神 医 療 及 び 精 神 保 健 福 祉 に 係 る 政 策 提 言
第 2 日 本 の 精 神 医 療 の 現 状 ~ 精 神 障 害 者 の 人 権 が 制 限 さ れ 、当 た り 前 に 地 域 で 生 活 し 、 必 要 な と き に 安 心 し て か か れ る 医 療 が 整 備 さ れ て い な い こ と ~
障 害 者 権 利 条 約 が 批 准 さ れ 、 障 害 者 差 別 解 消 法 が 施 行 さ れ て も 、 精 神 障 害 者 の 人 権 が 制 限 さ れ 、 当 た り 前 に 地 域 で 生 活 し 、 必 要 な と き に 安 心 し て か か れ る 医 療 が 整 備 さ れ て い ま せ ん 。
1 多 す ぎ る 入 院 者 数 、強 制 入 院 、 長 期 入 院 を 含 む 社 会 的 入 院 、 閉 鎖 処 遇 ・ 身 体 拘 束 ・ 隔 離 を 含 む 行 動 制 限 ( 2 0 1 7 年 6 月 3 0 日 時 点 )
( 1 ) 多 す ぎ る 入 院 者 数 や 強 制 入 院
日 本 の 精 神 科 病 院 に は 約 2 8 . 4 万 人 が 入 院 し て お り 、 そ の う ち 1 3 . 1 万 人
( 約 4 6 % ) が 本 人 の 意 思 に 反 し た 強 制 入 院 ( 措 置 入 院 者 が 約 1 6 0 0 人 、 医 療 保 護 入 院 者 が 約 1 3 万 人 ) と な っ て い ま す 。
( 2 ) 多 す ぎ る 長 期 入 院 や 社 会 的 入 院
約 2 8 . 4 万 人 の 入 院 者 の う ち 、 1 年 以 上 の 長 期 入 院 が 約 1 7 . 4 万 人 ( 約 6 1 % ) で あ り 、 5 年 以 上 の 長 期 入 院 が 9 . 3 万 人 ( 約 3 3 % ) で あ り 、 1 0 年 以 上 の 長 期 入 院 が 約 5 . 5 万 人 ( 約 1 9 % ) で す 。 ま た 、 医 療 観 察 法 病 棟 で は 7 3 7 名 の 入 院 者 の う ち 、 4 6 4 名 ( 約 6 3 % ) が 1 年 以 上 の 長 期 入 院 を 強 い ら れ て い ま す 。
長 期 入 院 者 の 多 さ を み れ ば 、 社 会 的 入 院 者 ( 医 療 的 に み る と 入 院 治 療 の 必 要 が な い に も か か わ ら ず 、 入 院 継 続 を 余 儀 な く さ れ て い る 方 ) が 多 く い る こ と は 明 ら か で す 。
( 3 ) 多 す ぎ る 閉 鎖 処 遇 ・ 身 体 拘 束 ・ 隔 離 を 含 む 行 動 制 限
日 本 の 精 神 科 病 床 ( 約 3 2 万 病 床 ) の う ち 、 約 2 2 万 病 床 ( 約 6 8 % ) が 終 日
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閉 鎖 の 病 棟 で あ り 、 任 意 入 院 と さ れ て い る 約 1 5 万 人 の う ち 、 約 8 . 3 万 人 ( 約 5 5 % ) が 終 日 閉 鎖 の 病 棟 で 過 ご す こ と を 余 儀 な く さ れ て い ま す 。
ま た 、 精 神 科 病 院 で は 、 身 体 拘 束 、 隔 離 、 面 会 ・ 通 信 の 制 限 、 外 出 制 限 等 の 行 動 制 限 が 幅 広 く 許 容 さ れ 、 身 体 拘 束 や 隔 離 の 数 は 増 え 続 け 、 2 0 0 4 年 か ら 2 0 1 4 年 で 身 体 拘 束 が 2 倍 近 く 増 え た と 言 わ れ て い ま す ( 精 神 保 健 福 祉 資 料 2 0 1 4 年 6 月 3 0 日 時 点 )。
ま た 、 2 0 1 7 年 4 月 こ ろ 、 神 奈 川 県 内 の 精 神 科 病 院 へ の 入 院 直 後 か ら 身 体 的 拘 束 と な り 、 肺 塞 栓 に よ っ て 亡 く な っ た ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド 人 の 男 性 の 事 件 が 大 き く 報 道 さ れ 、 日 本 の 精 神 科 病 院 に お け る 身 体 的 拘 束 の 運 用 の 是 非 が 国 際 的 に も 問 わ れ て い ま す 。
2 精 神 科 病 床 が 多 す ぎ る こ と
( 1 ) 日 本 は 、 世 界 の 5 分 の 1 の 精 神 科 病 床 ( ベ ッ ド 数 ) を 占 め て い る と 言 わ れ 、 2 0 0 4 年 に 厚 生 労 働 省 が 策 定 し た 精 神 保 健 医 療 福 祉 の 改 革 ビ ジ ョ ン で は 、 1 0 年 間 で 精 神 科 病 床 を 3 5 . 4 万 床 か ら 2 8 . 2 万 床 ( 削 減 数 : 約 7 万 床 ) に 減 ら す こ と を 目 標 と し ま し た 。
( 2 ) し か し な が ら 、 現 在 で も 精 神 科 病 床 が 約 3 2 万 病 床 ( 精 神 保 健 福 祉 資 料 ・ 2 0 1 7 年 6 月 3 0 日 時 点 ) が 存 在 し 、 上 記 改 革 ビ ジ ョ ン か ら 1 4 年 経 過 し た 現 在 で も 、 約 3 . 4 万 床 ( 目 標 値 の 約 5 0 % ) し か 削 減 で き て い ま せ ん 。
( 3 ) 精 神 科 病 床 が 多 す ぎ る と い う こ と は 、 地 域 医 療 や 地 域 福 祉 を 充 実 さ せ る た め で は な く 、 精 神 科 病 院 を 維 持 す る た め に 多 く の 予 算 が 使 わ れ る こ と に な っ て し ま い ま す 。
ま た 、 精 神 科 病 院 の 経 営 上 の 都 合 に よ り 精 神 科 病 床 を 埋 め る た め の 長 期 入 院 や 社 会 的 入 院 を 誘 引 し て し ま い ま す 。 特 に 、 認 知 症 高 齢 者 の 精 神 科 病 院 へ の 社 会 的 入 院 の 問 題 は 、 今 後 よ り 深 刻 に な っ て い く こ と が 予 想 さ れ ま す 。
( 4 ) 当 セ ン タ ー は 、 こ れ ま で 「 病 院 か ら 地 域 へ 」 を ス ロ ー ガ ン と し て 活 動 し て き ま し た が 、 精 神 科 病 床 が 多 す ぎ る と い う こ と は 、 地 域 で 暮 ら し た い と 考 え る 精 神 障 害 者 の 人 権 を 制 限 す る こ と に つ な が り ま す 。
3 家 族 の 過 重 な 負 担
2 0 1 3 年 精 神 保 健 福 祉 法 改 正 で は 、 保 護 者 制 度 が 廃 止 さ れ た も の の 、 そ れ に 代 わ っ て 「 家 族 等 の 同 意 」 が 必 要 と さ れ 、 ま た 、 民 法 7 1 4 条 ( 責 任 無 能 力 者 の 監 督 義 務 者 等 の 責 任 ) が 見 直 さ れ る こ と な く 、 存 在 し て お り 、 家 族 の 過 重 な 負 担 は 何 も 変 わ っ て い ま せ ん 。
こ の 家 族 の 過 重 の 負 担 が 社 会 的 入 院 を 生 み 出 し 、 入 院 者 本 人 だ け で な く 、 家 族
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を 苦 し め 、 精 神 障 害 者 の 人 権 を 制 限 す る こ と に つ な が り ま す 。
第 3 当 セ ン タ ー が 解 決 を 目 指 す 課 題
当 セ ン タ ー は 、 日 本 の 精 神 医 療 の 現 状 を 生 み 出 す 原 因 に つ い て 、 ① 精 神 科 病 院 に 入 院 中 の 方 の 権 利 擁 護 シ ス テ ム が 不 十 分 で あ る こ と 、 ② 精 神 科 病 院 の 密 室 性 、 閉 鎖 性 が 解 消 さ れ て い な い こ と 、 ③ 精 神 障 害 、 精 神 疾 患 に 対 す る 差 別 意 識 、 偏 見 が 解 消 さ れ て い な い こ と に あ る と 考 え 、 こ の 課 題 解 決 に 向 け て 取 り 組 み ま す 。
1 精 神 科 病 院 に 入 院 中 の 方 の た め の 権 利 擁 護 シ ス テ ム が 不 十 分 で あ る こ と
( 1 )医 療 保 護 入 院 で は 、た っ た 1 名 の 精 神 保 健 指 定 医 の 診 察 で 、「 医 療 及 び 保 護 の 必 要 性 」 と い う 漠 然 か つ 曖 昧 な 要 件 で 判 断 さ れ て い ま す 。 精 神 医 療 審 査 会 で は 、 医 療 保 護 入 院 等 に 係 る 入 院 届 や 定 期 報 告 を 審 査 し て い る も の の 、 精 神 科 病 院 か ら 一 方 的 に 届 け ら れ る 書 面 審 査 で あ り 、入 院 継 続 が 不 要 と 判 断 さ れ る 割 合 は 、ほ ぼ 0 % で す ( 2 0 1 6 年 度 行 政 衛 生 報 告 例 )。
( 2 ) ま た 、 任 意 入 院 と い っ て も 、 長 期 入 院 者 の 数 を み れ ば 、 事 実 上 、 入 院 を 強 い ら れ て い る 人 が 数 多 く い る こ と は 明 ら か で す 。
( 3 ) さ ら に 、 精 神 科 病 院 に は 約 2 8 . 4 万 人 が 入 院 し て い る に も か か わ ら ず 、 精 神 医 療 審 査 会 に 対 す る 退 院 請 求 を 利 用 し た 方 は 約 3 千 人 ( 1 % ) で 、 処 遇 改 善 請 求 を 利 用 し た 方 は 約 5 0 0 名 ( 0 . 0 1 % ) で あ り 、 代 理 人 ( 弁 護 士 ) に よ る 請 求 を 利 用 し た 方 も 合 計 2 1 9 名 ( 請 求 者 の う ち 、 0 . 7 % ) の み で す ( 2 0 1 6 年 度 行 政 衛 生 報 告 例 )。
( 4 ) そ の 一 方 で 、 日 本 精 神 科 病 院 協 会 に よ る ア ド ボ ケ ー タ ー ガ イ ド ラ イ ン が 公 表 さ れ て い ま す 。 こ の ア ド ボ ケ ー タ ー ガ イ ド ラ イ ン は 、 入 院 者 の 人 権 を 擁 護 す る と い う よ り も 、 治 療 を 受 け さ せ る こ と を 目 的 と し て お り 、 精 神 科 病 院 と は 独 立 し た 第 三 者 に よ る 権 利 擁 護 シ ス テ ム と は い え ま せ ん 。
「 ア ド ボ ケ ー タ ー 」 と い う 名 称 で 、 こ の 制 度 が 導 入 さ れ て し ま う と 、 権 利 擁 護 シ ス テ ム が 導 入 さ れ た か の よ う な 誤 っ た 印 象 を 与 え 、 権 利 擁 護 シ ス テ ム の 議 論 を 大 き く 後 退 さ せ て し ま い ま す 。 こ の ま ま で は 、 精 神 科 病 院 に 入 院 中 の 方 々 の 権 利 が 制 限 さ れ て し ま っ て い る 現 状 を さ ら に 悪 化 さ せ て し ま う こ と に な り ま す 。
( 5 ) 以 上 の と お り 、 今 で も 、 精 神 科 病 院 に 入 院 中 の 方 の た め の 権 利 擁 護 シ ス テ ム が 不 十 分 で あ り 、 精 神 障 害 者 の 人 権 が 制 限 さ れ て い ま す 。
2 精 神 科 病 院 の 密 室 性 、 閉 鎖 性 が 解 消 さ れ て い な い こ と
( 1 ) 多 す ぎ る 強 制 入 院 、 長 期 入 院 を 含 む 社 会 的 入 院 、 閉 鎖 処 遇 ・ 身 体 拘 束 ・ 隔 離 を 含 む 行 動 制 限 の 原 因 の 一 つ は 、 精 神 科 病 院 に お け る 入 退 院 や 処 遇 に つ い て 、 医 師
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の 広 範 な 裁 量 に 委 ね ら れ 、 精 神 科 病 院 と は 独 立 し た 第 三 者 に よ る 十 分 な チ ェ ッ ク 機 能 が 及 ん で い な い た め で す 。
( 2 ) ま た 、 2 0 1 7 年 か ら 精 神 保 健 福 祉 資 料 に 関 す る 調 査 方 法 が 変 更 さ れ 、 身 体 拘 束 及 び 隔 離 の 数 が 公 表 さ れ な く な り 、 精 神 科 病 院 に お け る 情 報 開 示 が 後 退 し て し ま い ま し た 。
( 3 )さ ら に 、「 こ れ か ら の 精 神 保 健 医 療 福 祉 の あ り 方 に 関 す る 検 討 会 」が 2 0 1 8 年 2 月 に ま と め た 報 告 書 で は 、 社 会 的 入 院 と い う 言 葉 が 一 切 使 わ れ な く な る と と も に 、「 重 度 か つ 慢 性 」と い う 概 念 を 用 い て 、長 期 入 院 を 許 容 す る 方 向 を 打 ち 出 し ま し た 。
「 重 度 か つ 慢 性 」 の 概 念 は 、 極 め て 曖 昧 か つ 不 明 確 で あ る と と も に 、 社 会 的 入 院 と い う 著 し い 人 権 侵 害 の 問 題 を 隠 し て し ま う も の で あ り 、精 神 科 病 院 の 密 室 性 、 閉 鎖 性 を 助 長 す る も の で す 。
( 4 ) 以 上 の と お り 、 今 で も 、 精 神 科 病 院 の 密 室 性 、 閉 鎖 性 は 解 消 さ れ て お ら ず 、 む し ろ 、 こ の ま ま で は 、 精 神 科 病 院 の 密 室 性 、 閉 鎖 性 が 助 長 さ れ て し ま い 、 精 神 障 害 者 の 人 権 が 制 限 さ れ て い ま す 。
3 精 神 障 害 や 精 神 疾 患 に 対 す る 差 別 と 偏 見 が 解 消 さ れ て い な い こ と
( 1 ) 人 間 の 尊 厳 、 個 人 の 尊 厳 の 観 点 か ら 、 強 制 入 院 や 行 動 制 限 は 、 本 来 許 さ れ な い に も か か わ ら ず 、 日 本 で は 、 精 神 障 害 者 に 対 し て 、 漠 然 か つ 不 明 確 な 要 件 で 多 く の 強 制 入 院 や 社 会 的 入 院 を 許 容 し て し ま っ て い ま す 。
( 2 ) ま た 、 精 神 科 特 例 ( 精 神 科 病 棟 で は 一 般 科 病 棟 に 比 較 し て 、 医 師 や 看 護 師 を 少 な く す る こ と を 許 容 す る ル ー ル ) は 、 い ま だ に 存 在 し て い ま す 。
( 3 ) さ ら に 、 相 模 原 障 害 者 殺 傷 事 件 を 契 機 と し 、 措 置 入 院 制 度 を 強 化 し よ う と す る 精 神 保 健 福 祉 法 改 正 案 の 議 論 は 、 精 神 医 療 を 治 安 の 道 具 と み な し 、 精 神 障 害 者 の 人 権 を 侵 害 し 、 精 神 障 害 者 に 対 す る 差 別 と 偏 見 を 助 長 す る も の で し た 。 当 該 改 正 案 は 、 廃 案 と な っ た も の の 、 法 改 正 を せ ず に 、 措 置 入 院 に 関 す る 運 用 強 化 を 行 お う と い う 動 き も あ り 、 そ の 根 底 に は 精 神 障 害 や 精 神 疾 患 に 対 す る 差 別 と 偏 見 が あ り ま す 。
( 4 ) 以 上 の と お り 、 今 で も 、 精 神 障 害 や 精 神 疾 患 に 対 す る 差 別 と 偏 見 は 解 消 さ れ て お ら ず 、 む し ろ 、 誤 っ た 差 別 と 偏 見 に 基 づ き 法 制 度 の 構 築 や 運 用 が な さ れ る 危 険 性 が 高 い 状 況 に あ り 、 精 神 障 害 者 の 人 権 が 制 限 さ れ て い ま す 。
第 4 事 業 の 実 施 状 況 1 個 別 相 談 の 実 施 状 況
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当 セ ン タ ー は 、「 声 を き く ~ 精 神 科 病 院 に 入 院 す る 方 々 の 立 場 に た っ た 権 利 擁 護 活 動 を 実 践 す る た め に ~ 」と い う ミ ッ シ ョ ン を も っ て 、「 入 院 中 の 方 の た め の 個 別 相 談( 手 紙 、電 話 及 び 面 会 )」を 行 い 、精 神 科 病 院 に 入 院 中 の 方 の た め の 権 利 擁 護 シ ス テ ム の 不 備 を 解 消 し 、 本 来 求 め ら れ る べ き 権 利 擁 護 シ ス テ ム の 構 築 を 目 指 し ま す 。
( 1 ) 個 別 相 談 の 件 数 等
精 神 科 病 院 に 入 院 す る 方 の 立 場 に 立 っ た 権 利 擁 護 活 動 を 実 践 す る た め に 、 当 セ ン タ ー で は 、 主 に 精 神 科 病 院 に 入 院 中 の 方 か ら 、 手 紙 、 F A X 、 メ ー ル 、 電 話 及 び 面 会 に よ る 個 別 相 談 を 実 施 し て い ま す 。
個 別 相 談 活 動 は 、 私 た ち の 目 的 に 賛 同 す る 市 民 の 方 々 に ボ ラ ン テ ィ ア 養 成 講 座 を 受 講 し て い た だ き 、 参 加 し て も ら っ て い ま す 。
面 会 活 動 は 、 相 談 者 の 希 望 に 従 い 、 2 名 1 組 で 行 っ て い ま す 。 個 別 相 談 活 動 に は 、 現 在 、 当 事 者 、 家 族 、 看 護 師 、 ソ ー シ ャ ル ワ ー カ ー 、 ヘ ル パ ー 、 弁 護 士 、 会 社 員 、 建 築 士 、 教 員 、 学 生 等 様 々 な 立 場 の 方 が 参 加 し て い ま す 。
≪ 相 談 件 数 ≫
2 0 1 7 年 度 2 0 1 6 年 度 2 0 1 5 年 度
① 手 紙 3 3 件 3 6 件 3 0 件
② F A X 0 件 2 件 5 件
③ メ ー ル 4 4 件 4 件 6 件
④ 電 話 8 5 4 件 8 3 0 件 6 7 9 件
⑤ 面 会 1 0 2 回
( 1 5 病 院 )
3 9 回
( 1 2 病 院 )
2 7 回
( 1 0 病 院 )
合 計 1 0 3 3 件 9 1 1 件 7 4 7 件
* 今 年 度 の 事 業 報 告 か ら 面 会 件 数 に 医 療 観 察 法 病 棟 の 訪 問 活 動 に よ る 面 会 件 数 も 追 加 し て い ま す 。
( 2 ) ボ ラ ン テ ィ ア 養 成 講 座 の 開 催
2 0 1 7 年 度 は 、日 本 財 団 助 成 事 業「 精 神 科 病 院 入 院 者 へ の 権 利 擁 護 活 動 の 様 々 な 地 域 へ の 拡 充 」 を 実 施 し 、 個 別 相 談 の 検 討 チ ー ム を 立 ち 上 げ 、 個 別 相 談 ボ ラ ン テ ィ ア 養 成 講 座 を 開 催 し 、 権 利 擁 護 の 意 義 、 個 別 相 談 の 具 体 的 な 活 動 内 容 、 手 順 や 留 意 点 を 整 理 し て き ま し た 。 ま た 、 当 セ ン タ ー の 活 動 を 大 阪 府 以 外 に も 広 め て
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も ら う た め に 、 大 阪 府 以 外 の 方 に も 参 加 し て も ら い ま し た 。
講 義 形 式 :
日 時 2 0 1 7 年 9 月 3 0 日
会 場 エ ル お お さ か 本 館 5 階 5 0 1 号 室
内 容 ① 活 動 紹 介 ・ 面 会 活 動 の 必 要 性 と 意 義 山 本 深 雪
② 人 権 と 精 神 医 療 ~ 権 利 擁 護 の た め の 面 会 活 動 を 実 践 す る ~ 細 井 大 輔
③ 入 院 し て い る 人 か ら 話 を 聴 く こ と 彼 谷 哲 志
④ 精 神 科 病 院 っ て ど ん な と こ ? 西 川 健 一
⑤ 『 退 院 で き な い 訳 』 ×『 ア プ ロ ー チ と 社 会 資 源 』 角 野 太 一 参 加 人 数 2 6 名
ロ ー ル プ レ イ ン グ 形 式 :
第 1 回 2 0 1 7 年 1 2 月 2 日
会 場 大 阪 ボ ラ ン テ ィ ア 協 会 C A N V A S 谷 町
内 容 面 会 ( 初 回 と そ の 後 ) の ロ ー ル プ レ イ と 意 見 交 換 参 加 人 数 2 2 名
第 2 回 2 0 1 8 年 2 月 2 4 日 会 場 P L P 会 館 4 階 小 会 議 室
内 容 初 回 面 会 の デ モ の 実 施 、 面 会 の ロ ー ル プ レ イ ( 全 員 )、 意 見 交 換 講 義 ① 「 面 会 の 引 き 出 し 」 彼 谷 哲 志
講 義 ② 「 退 院 で き な い 理 由 が 誰 の 理 由 な の か 考 え る 」 角 野 太 一 参 加 人 数 1 3 名
( 3 ) 精 神 障 害 者 の 権 利 擁 護 活 動 に 関 心 の あ る 他 団 体 と の 連 携 、 協 力 の 強 化 ア 大 阪 弁 護 士 会 と の 交 流
大 阪 弁 護 士 会 「 ひ ま わ り 」 の 活 動 と 権 利 擁 護 ( 中 西 基 さ ん / 弁 護 士 ・ 大 阪 弁 護 士 会 ひ ま わ り 委 員 長 ) を 掲 載 し 、 大 阪 弁 護 士 会 に お け る 退 院 請 求 及 び 処 遇 改 善 請 求 の 代 理 人 活 動 に 関 す る 取 組 を 紹 介 し ま し た ( 人 権 セ ン タ ー ニ ュ ー ス 2 0 1 7 年 8 月 号 )。
ま た 、 精 神 保 健 支 援 業 務 を 利 用 し 、 退 院 を 実 現 し た 方 の イ ン タ ビ ュ ー 記 事 ( 精 神 科 病 院 に 入 院 し て ~ 希 望 を 失 い そ う に な っ た こ と・勇 気 を 持 ち な お せ た こ と ~ ) を 掲 載 し ま し た ( 人 権 セ ン タ ー ニ ュ ー ス 2 0 1 7 年 8 月 号 )。
8 イ 福 岡 県 弁 護 士 会 へ の 視 察 と 交 流
2 0 1 7 年 8 月 1 8 日 、 精 神 保 健 当 番 弁 護 士 制 度 ( * ) を 全 国 で は じ め て 発 足 さ せ た 福 岡 県 弁 護 士 会 へ 、 大 阪 弁 護 士 会 に 所 属 す る 弁 護 士 の 有 志 と と も に 視 察 に 行 き ま し た 。
ま た 、 ボ ラ ン テ ィ ア 養 成 講 座 に は 、 オ ブ ザ ー バ ー と し て 福 岡 県 弁 護 士 会 に 所 属 す る 弁 護 士 の 方 に も 参 加 し て い た だ き 、 ま た 、 人 権 セ ン タ ー ニ ュ ー ス 2 0 1 7 年 1 2 月 号 に は 、「 福 岡 県 弁 護 士 会 精 神 保 健 当 番 弁 護 士 活 動 に つ い て 」を 寄 稿 し て い た だ き ま し た 。
* 精 神 保 健 当 番 弁 護 士 制 度 と は 精 神 科 病 院 に 入 院 中 の 方 か ら 弁 護 士 会 へ の 電 話 に よ り 、 そ の 日 の 担 当 弁 護 士 が 病 院 に 出 張 し 、 退 院 や 処 遇 改 善 の 相 談 を 受 け る 制 度 で す 。
( 4 ) 精 神 科 病 院 に 入 院 中 の 方 の 立 場 に た っ た 権 利 擁 護 シ ス テ ム の 構 築 に 向 け て ア 権 利 擁 護 シ ス テ ム 研 究 会 ( 番 外 編 )( 2 0 1 7 年 1 0 月 2 0 日 )
日 本 精 神 科 病 院 協 会 に よ る ア ド ボ ケ ー タ ー ガ イ ド ラ イ ン の 読 み 合 わ せ を 行 い 、 同 ガ イ ド ラ イ ン の 問 題 点 を 抽 出 す る と と も に 、 本 来 求 め ら れ る べ き 権 利 擁 護 シ ス テ ム の 在 り 方 に つ い て 議 論 し ま し た 。
イ 意 見 書 ~ 精 神 科 病 院 に 入 院 中 の 人 々 の た め の 権 利 擁 護 シ ス テ ム の 構 築 を 求 め 、 日 本 精 神 科 病 院 協 会 に よ る ア ド ボ ケ ー タ ー ガ イ ド ラ イ ン に 反 対 す る ~( 2 0 1 7 年 1 1 月 1 8 日 )
日 本 の 精 神 医 療 の 現 状 が 変 わ っ て い く た め に は 、 人 権 侵 害 に 対 す る 救 済 を 目 的 と す る 権 利 擁 護 シ ス テ ム が 不 可 欠 で あ り 、 と く に 精 神 科 病 院 か ら 独 立 し た 第 三 者
( 権 利 擁 護 者 ) が 必 要 で あ り 、 2 0 1 3 年 精 神 保 健 福 祉 法 改 正 で も 、 代 弁 者 制 度 を 含 む 権 利 擁 護 シ ス テ ム の 導 入 が 議 論 さ れ て い ま し た 。
し か し な が ら 、人 権 侵 害 の 救 済 で は な く 、治 療 を 受 け さ せ る こ と を 目 的 と し て 、 日 本 精 神 科 病 院 協 会 に よ る ア ド ボ ケ ー タ ー ガ イ ド ラ イ ン が 提 案 さ れ 、 本 来 求 め ら れ る べ き 権 利 擁 護 シ ス テ ム と は 異 な る 制 度 が 導 入 さ れ よ う と し て い ま す 。 こ の 動 き に 反 対 し 、 本 来 求 め ら れ る べ き 権 利 擁 護 シ ス テ ム の 導 入 に つ い て 提 言 を 行 い ま し た 。
ウ 院 内 シ ン ポ ジ ウ ム「 精 神 科 病 院 に 入 院 中 の 人 々 の た め の 権 利 擁 護 の 実 現 に 向 け て 」( 2 0 1 8 年 2 月 7 日 )( 参 加 人 数 1 3 0 名 う ち 、 国 会 議 員 3 名 、 国 会 議 員 秘 書 1 2 名 を 含 む 。)
精 神 科 病 院 に 入 院 中 の 人 々 の た め の 権 利 擁 護 の 実 現 に 向 け て 、 当 セ ン タ ー が 主
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催 と な り 、 合 計 1 4 団 体 が 後 援 団 体 と な り 、 院 内 シ ン ポ ジ ウ ム を 開 催 し ま し た 。 日 本 精 神 科 病 院 協 会 に よ る ア ド ボ ケ ー タ ー ガ イ ド ラ イ ン の 問 題 点 を 指 摘 す る と と も に 、 本 来 求 め ら れ る べ き 権 利 擁 護 シ ス テ ム の 在 り 方 を 提 言 し 、 当 事 者 、 地 域 事 業 所 、 弁 護 士 、 家 族 、 精 神 科 医 等 の 立 場 か ら 、 精 神 科 病 院 に お け る 権 利 擁 護 シ ス テ ム の 必 要 性 に つ い て 発 言 し て も ら い ま し た 。
エ 精 神 科 ア ド ボ ケ イ ト の 活 動 指 針 案 & 精 神 科 ア ド ボ ケ イ ト の 事 業 モ デ ル 案( 2 0 1 8 年 3 月 1 2 日 ) の 作 成
精 神 科 ア ド ボ ケ イ ト が 入 院 中 の 方 の 権 利 を 擁 護 す る こ と を 目 的 と し 、 ① 本 人 の 味 方 で あ る こ と 、 ② 病 院 か ら 独 立 し た 第 三 者 で あ る こ と 、 ③ 守 秘 義 務 が 保 障 さ れ て い る こ と が 基 本 姿 勢 と し て 必 要 で あ り 、 そ の 活 動 内 容 と し て 、i)病 棟 内 に 出 向 く 、ii)実 際 に 役 立 つ 支 援 を 行 う こ と が 必 要 で あ り 、iii)エ ン パ ワ メ ン ト 、iv)病 院 側 と 協 議 し 、 人 権 制 約 の 状 況 を 改 善 す る こ と が 必 要 で す 。
オ 厚 生 労 働 省 と の 意 見 交 換 会
第 1 回 2 0 1 8 年 2 月 7 日 ( 水 ) 会 場 参 議 院 議 員 会 館 2 階 会 議 室
出 席 者 厚 生 労 働 省 障 害 保 健 福 祉 部 精 神 ・ 障 害 保 健 課 課 長 補 佐 、 精 神 医 療 係 担 当 者 川 田 龍 平 議 員 、 議 員 秘 書
大 阪 精 神 医 療 人 権 セ ン タ ー 代 表 理 事 位 田 浩 、 副 代 表 山 本 深 雪 他 5 名 他 団 体 等 8 名
内 容 2 0 1 8 年 度 障 害 保 健 福 祉 部 予 算 「 意 思 決 定 支 援 等 を 行 う 者 に 対 す る 研 修 の 実 施 」( 新 規 )の 具 体 的 内 容 に つ い て の 説 明 を 受 け 、精 神 科 病 院 入 院 者 の 権 利 擁 護 の 在 り 方 に つ い て 意 見 交 換 を し ま し た 。
第 2 回 2 0 1 8 年 3 月 1 2 日 ( 月 ) 会 場 参 議 院 議 員 会 館 2 階 会 議 室
出 席 者 厚 生 労 働 省 障 害 保 健 福 祉 部 精 神 ・ 障 害 保 健 課 課 長 補 佐 、 精 神 医 療 係 担 当 者 川 田 龍 平 議 員 、 秘 書 稲 見 氏
大 阪 精 神 医 療 人 権 セ ン タ ー 副 代 表 山 本 深 雪 事 務 局 長 上 坂 紗 絵 子 他 団 体 等 6 名
内 容 当 セ ン タ ー が 行 っ て き た 精 神 科 病 院 入 院 者 に 対 す る 権 利 擁 護 活 動 を も と に 作 成 し た「 精 神 科 ア ド ボ ケ イ ト( 権 利 擁 護 者 )」の 活 動 指 針 案 と 事 業 モ デ ル 案 の 説 明 を 行 い 、 そ れ を も と に 意 見 交 換 を し ま し た 。 2 0 1 8 年 度 に 大 阪 の 取 り
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組 み に つ い て の 視 察 が 実 施 さ れ る こ と に な り ま し た 。
カ 人 権 セ ン タ ー ニ ュ ー ス に よ る 情 報 発 信
① 日 本 精 神 科 病 院 協 会 に よ る ア ド ボ ケ ー タ ー ガ イ ド ラ イ ン の 問 題 点 を 掲 載 し ま し た ( 2 0 1 7 年 6 月 号 )
② 特 集 「 精 神 科 病 院 に 入 院 中 の 人 々 の た め の 権 利 擁 護 シ ス テ ム の 構 築 を 求 め る 」
( 2 0 1 7 年 1 2 月 号 )を 掲 載 し 、意 見 書 の ポ イ ン ト を ま と め る と と も に 、Q
& A 方 式 に て 、 日 本 精 神 科 病 院 協 会 に よ る ア ド ボ ケ ー タ ー ガ イ ド ラ イ ン の 問 題 点 や 求 め ら れ る べ き 権 利 擁 護 シ ス テ ム の 内 容 を 紹 介 す る と と も に 、 福 岡 県 弁 護 士 会 の 精 神 保 健 当 番 弁 護 士 活 動 を 紹 介 し ま し た 。
③ 院 内 シ ン ポ ジ ウ ム 「 精 神 科 病 院 に 入 院 中 の 人 々 の た め の 権 利 擁 護 の 実 現 に 向 け て 」の 当 日 の 内 容 や 厚 生 労 働 省 と の 意 見 交 換 会 の 内 容 を 掲 載 し ま し た( 2 0 1 8 年 2 月 号 )。
2 精 神 科 病 院 へ の 訪 問 活 動 及 び 情 報 公 開 の 実 施 状 況
当 セ ン タ ー は 、「 扉 を ひ ら く ~ 精 神 科 病 院 を 開 か れ た も の に す る た め に ~ 」 と い う ミ ッ シ ョ ン を も っ て 、「 精 神 科 病 院 へ の 訪 問 活 動 及 び 情 報 公 開 」 を 行 い 、 精 神 科 病 院 の 密 室 性 、 閉 鎖 性 の 解 消 を 目 指 し ま す 。
( 1 ) 精 神 科 病 院 へ の 訪 問 活 動 の 実 施 状 況
ア 当 セ ン タ ー で は 、 精 神 科 病 院 に 入 院 中 の 方 の 人 権 を 擁 護 し 、 よ り 良 好 な 療 養 環 境 の 改 善 に 向 け て 、 精 神 科 病 院 の 病 棟 等 に 訪 問 ・ 視 察 を 行 い 、 入 院 中 の 方 々 か ら 聞 き 取 り を 行 う 等 、 精 神 科 病 院 へ の 訪 問 活 動 に 参 加 し て い ま す ( 2 0 0 3 年 か ら 精 神 医 療 オ ン ブ ズ マ ン 制 度 、 2 0 0 9 年 か ら 療 養 環 境 サ ポ ー タ ー 制 度 )。
イ 療 養 環 境 サ ポ ー タ ー 制 度 で は 、 当 セ ン タ ー は 、 訪 問 先 病 院 の 選 定 、 サ ポ ー タ ー の 日 程 調 整 、 報 告 書 作 成 へ の 関 与 等 、 重 要 な 役 割 を 担 っ て い ま す 。 ま た 、 2 か 月 に 1 回 開 催 さ れ る 大 阪 府 精 神 科 医 療 機 関 療 養 環 境 検 討 協 議 会 に も 当 セ ン タ ー か ら 2 名 の 委 員 が 参 加 し 、 行 政 や 病 院 関 係 者 等 と 協 議 し 、 そ の 結 果 を 人 権 セ ン タ ー の ウ ェ ブ サ イ ト に て 情 報 公 開 し て い ま す 。
≪ 訪 問 回 数 ≫
2 0 1 7 年 度 2 0 1 6 年 度 2 0 1 5 年 度
訪 問 回 数 1 2 回 1 2 回 1 2 回
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≪ 2 0 1 7 年 度 の 訪 問 日 ・ 訪 問 先 ≫
訪 問 年 月 日 医 療 機 関 名 サ ポ ー タ ー
参 加 人 数 2017 年 4 月 17 日 八 尾 こ こ ろ の ホ ス ピ タ ル 7
5月 12 日 ほ く と ク リ ニ ッ ク 病 院 4
6月 21 日 大 阪 急 性 期 ・ 総 合 医 療 セ ン タ ー 3
7月 12 日 榎 坂 病 院 7
8月 28 日 関 西 サ ナ ト リ ウ ム 5
9月 8 日 国 分 病 院 5
10 月 16 日 浅 香 山 病 院 5
11 月 6 日 新 生 会 病 院 3
12 月 15 日 ね や 川 サ ナ ト リ ウ ム 6
2018 年 1 月 29 日 大 阪 医 科 大 学 附 属 病 院 3
2月 16 日 美 喜 和 会 オ レ ン ジ ホ ス ピ タ ル 5
3月 23 日 三 国 丘 病 院 3
* 大 阪 府 精 神 科 医 療 機 関 療 養 環 境 検 討 協 議 会 の 開 催 状 況 は 別 紙 1 の と お り で す 。
( 2 ) 医 療 観 察 法 病 棟 へ の 訪 問 活 動
こ の 活 動 で は 、 法 律 専 門 職 で あ る 弁 護 士 と 当 セ ン タ ー の 職 員 が 連 携 、 協 力 し て 、 入 院 者 と 面 会 し 、 当 セ ン タ ー が 長 年 蓄 積 し て き た ノ ウ ハ ウ や 情 報 を 提 供 し 、 相 談 を 受 け る と と も に 、 法 的 観 点 か ら の 助 言 を 行 っ て い ま す 。
≪ 活 動 の 回 数 ・ 相 談 者 数 ≫
2 0 1 7 年 度 2 0 1 6 年 度 2 0 1 5 年 度
回 数 6 回 6 回 6 回
相 談 者 数
( 新 規 )
1 3 名
( 新 規 2 名 )
1 0 名
( 新 規 1 名 )
1 5 名
( 新 規 6 名 )
( 3 ) 情 報 公 開
ア 人 権 セ ン タ ー ニ ュ ー ス
以 下 の と お り 、 療 養 環 境 サ ポ ー タ ー 活 動 報 告 の 概 要 に つ い て 、 人 権 セ ン タ ー ニ ュ ー ス に 掲 載 し 、 情 報 公 開 し ま し た 。
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≪ 人 権 セ ン タ ー ニ ュ ー ス へ の 掲 載 状 況 ≫
2 0 1 7 年 度 掲 載 病 院 及 び 訪 問 活 動 に 関 す る 記 事 2 0 1 7 年 4 月 号 藍 野 病 院 / 金 岡 中 央 病 院
2 0 1 7 年 6 月 号 木 島 病 院 / 関 西 医 科 大 学 総 合 医 療 セ ン タ ー 2 0 1 7 年 8 月 号 紀 泉 病 院 / 和 泉 中 央 病 院
2 0 1 7 年 1 0 月 号 美 原 病 院 / 楓 こ こ ろ の ホ ス ピ タ ル 2 0 1 7 年 1 2 月 号 小 阪 病 院 / 浜 寺 病 院
2 0 1 8 年 2 月 号 八 尾 こ こ ろ の ホ ス ピ タ ル / ほ く と ク リ ニ ッ ク 病 院
* 療 養 環 境 サ ポ ー タ ー 活 動 の 参 加 者 ( 弘 瑛 美 子 さ ん ) か ら 、療 養 環 境 サ ポ ー タ ー 活 動 の 意 義 や 必 要 性 に つ い て 、 ご 紹 介 し て い た だ き ま し た
≪ 人 権 セ ン タ ー ニ ュ ー ス の 印 刷 部 数 ( 年 間 ) ≫
2 0 1 7 年 度 2 0 1 6 年 度 2 0 1 5 年 度 2 0 1 4 年 度 1 7 , 5 0 0 部 8 , 2 0 0 部 5 , 4 0 0 部 5 , 4 0 0 部
≪ 人 権 セ ン タ ー ニ ュ ー ス の 新 規 会 員 の 増 加 数 ≫
2 0 1 7 年 度 2 0 1 6 年 度 2 0 1 5 年 度 2 0 1 4 年 度
9 3 人 5 6 人 6 0 人 3 2 人
イ ウ ェ ブ サ イ ト
療 養 環 境 サ ポ ー タ ー 活 動 報 告 の 結 果 に つ い て 、 当 セ ン タ ー の 公 式 ウ ェ ブ サ イ ト に よ り 随 時 更 新 し て い ま す 。
ウ 扉 よ ひ ら け ⑦ 大 阪 精 神 科 病 院 事 情 あ り の ま ま 2 0 1 5
2 0 1 7 年 度 も 、「 扉 よ ひ ら け ⑦ 大 阪 精 神 科 病 院 事 情 あ り の ま ま 2 0 1 5 」を 4 1 冊 ( う ち 、 大 阪 府 以 外 の 方 が 2 0 冊 以 上 ) 購 入 し て い た だ き ま し た 。
エ 講 師 派 遣 等
当 セ ン タ ー の 副 代 表 が 登 壇 し た 日 本 精 神 保 健 福 祉 士 協 会 全 国 大 会・プ レ 企 画「 受 け 取 り つ な ぐ 人 権 擁 護 ~ 大 和 川 病 院 事 件 、 人 権 セ ン タ ー 、 退 促 、 そ し て 共 生 社 会 の 実 現 へ 」 が 企 画 さ れ 、 約 1 0 0 名 の 精 神 保 健 福 祉 士 ( P S W ) や 医 療 福 祉 係 者 の 方 々 に 精 神 科 病 院 へ の 訪 問 活 動 の 歴 史 的 経 緯 や 意 義 を 伝 え る こ と が で き ま し た 。
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3 精 神 医 療 及 び 精 神 保 健 福 祉 に 係 る 政 策 提 言 活 動 の 実 施 状 況
当 セ ン タ ー で は 、「 社 会 を か え る ~ 安 心 し て か か れ る 精 神 医 療 を 実 現 す る た め に
~ 」 と い う ミ ッ シ ョ ン を も っ て 、 ① 入 院 中 の 方 へ の 個 別 相 談 活 動 や 精 神 科 病 院 へ の 訪 問 活 動 に 、 よ り 多 く の 一 般 市 民 の 方 に 参 加 し て も ら う た め の 体 制 を 構 築 す る と と も に 、 ② 「 精 神 医 療 及 び 精 神 保 健 福 祉 に 係 る 政 策 提 言 」 を 行 い 、 精 神 障 害 や 精 神 疾 患 に 対 す る 差 別 と 偏 見 の 解 消 を 目 指 し ま す 。
( 1 ) 日 本 の 精 神 医 療 の 現 状 と 課 題 を 知 っ て も ら う た め の 取 組
ア 上 映 会 ・ 講 演 会 「 精 神 病 院 の な い 社 会 」( 2 0 1 7 年 1 0 月 2 8 日 )( 参 加 人 数 2 0 0 名 )
大 熊 一 夫 さ ん が 監 督 を 務 め る 映 画 「 精 神 病 院 の な い 社 会 」 を 関 西 で は じ め て 上 映 し 、 大 熊 一 夫 さ ん か ら 「 日 本 で も 実 現 で き る ! ! 」 と い う メ ッ セ ー ジ を い た だ く と と も に 、 カ メ ラ マ ン を 担 当 し た 西 村 き よ し さ ん ( 精 神 科 医 ) を お 招 き し 、 ド イ ツ と 日 本 の 制 度 の 違 い を 紹 介 し て い た だ き 、 目 の 前 の 状 況 が す べ て で は な い 、 目 の 前 の こ と を 「 仕 方 な い 」 と あ き ら め て は い け な い と い う メ ッ セ ー ジ を い た だ き ま し た 。
イ 大 阪 精 神 医 療 人 権 セ ン タ ー の 活 動 紹 介 リ ー フ レ ッ ト の 作 成 と セ ミ ナ ー の 実 施 大 阪 ボ ラ ン テ ィ ア 協 会 主 催 の 「 社 会 的 課 題 を 解 決 す る た め の 市 民 参 加 型 伴 走 支 援 プ ロ ジ ェ ク ト 」( 2 0 1 7 年 W A M 助 成 事 業 )に 参 加 し て 、こ れ ま で 精 神 医 療 の 問 題 に 関 わ っ て い な か っ た 市 民 の 方 を 対 象 に 、 日 本 の 精 神 医 療 の 現 状 を 分 か り や す く 伝 え 、 精 神 科 病 院 に 入 院 中 の 方 の 権 利 擁 護 活 動 の 意 義 や 内 容 を 整 理 し た リ ー フ レ ッ ト を 作 成 し 、 1 5 , 7 0 0 部 印 刷 し ま し た 。
な お 、 当 該 リ ー フ レ ッ ト の 作 成 に 伴 い 、 大 阪 ボ ラ ン テ ィ ア 協 会 に 協 力 し て い た だ き 、「 知 っ て い ま す か 、精 神 医 療 の 現 状 と 課 題 ~ 大 阪 精 神 医 療 人 権 セ ン タ ー の 取 組 ~( 2 0 1 7 年 1 2 月 1 4 日 )( 大 阪 ボ ラ ン テ ィ ア 協 会 主 催・参 加 人 数 3 5 名 )」
を 開 催 し 、 今 ま で 精 神 医 療 の 現 状 や 課 題 を 知 ら な い 人 た ち に 向 け て 、 日 本 の 精 神 医 療 の 現 状 と 課 題 を 説 明 し 、 当 セ ン タ ー の 活 動 内 容 を 伝 え ま し た 。
( 2 ) 強 制 入 院 制 度 の 抜 本 的 見 直 し ( 家 族 等 の 過 重 な 負 担 の 解 消 を 含 む 。)
ア 権 利 擁 護 シ ス テ ム 研 究 会
2 0 1 7 年 6 月 に「 権 利 擁 護 シ ス テ ム 研 究 会 」を 立 ち 上 げ ま し た 。本 研 究 会 は 、 強 制 入 院 制 度 の 抜 本 的 見 直 し と 権 利 擁 護 シ ス テ ム 制 度 を 構 築 す る た め の 理 論 的 考 察 を 行 い 、 そ の 実 践 に 向 け た 中 長 期 計 画 を 立 案 し 、 具 体 的 な 方 法 論 を 検 討 す る こ
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と を 目 的 と し て い ま す 。 コ ー デ ィ ネ ー タ ー は 竹 端 寛 さ ん が 行 い 、 テ ー マ に つ い て の 「 で き な い 理 由 探 し 」 で は な く 、 ま ず 現 状 を 知 り 、 ど う す れ ば で き る の か を 考 え る 場 に す る こ と を 大 切 に 進 め ま し た 。
2 0 1 7 年 度 の 研 究 会 参 加 メ ン バ ー は 2 6 名 で 、「 強 制 入 院 」を テ ー マ に し て 4 回 実 施 し ま し た 。毎 回 、研 究 会 の メ ン バ ー に よ る 報 告 を 行 い 、そ の 発 表 を も と に 、 グ ル ー プ ご と や 全 体 で 意 見 交 換 を 行 い ま し た 。
第 1 回 2 0 1 7 年 6 月 1 1 日 ( 日 ) 参 加 者 1 8 名 会 場 エ ル お お さ か 南 館 7 階 南 7 1 号 室
大 阪 市 中 央 区 北 浜 東 3-1 4 内 容 強 制 入 院 を 知 る
・ 増 加 し 続 け る 強 制 入 院 と 隔 離 ・ 身 体 拘 束 の 背 景 有 我 譲 慶 さ ん
・ 法 律 の 観 点 か ら 細 井 大 輔 さ ん
第 2 回 2 0 1 7 年 8 月 6 日 ( 日 ) 参 加 者 1 9 名 会 場 P L P 会 館 4 階 小 B 会 議 室
大 阪 市 北 区 天 神 橋 3 - 9 内 容 強 制 入 院 を 問 う
・ 国 連 原 則 、 障 害 者 権 利 条 約 、 日 本 国 憲 法 か ら み た 日 本 の 強 制 入 院 や そ の 要 件 に つ い て の 問 題 点 、 さ ら に 検 討 す べ き 課 題 等 里 見 和 夫 さ ん
第 3 回 2 0 1 7 年 1 2 月 1 7 日 ( 日 ) 参 加 者 1 5 名 会 場 A P 大 阪 梅 田 東 ( 最 寄 り 駅 地 下 鉄 東 梅 田 駅 )
大 阪 市 北 区 堂 山 町 3 - 3 日 本 生 命 梅 田 ビ ル 5 階 内 容 強 制 入 院 を 捉 え な お す
・ 医 療 保 護 入 院 に つ い て の 問 題 点 の 整 理 と 分 析 有 我 譲 慶 さ ん ・ 芦 田 邦 子 さ ん
・ 障 害 者 権 利 条 約 か ら み た 医 療 保 護 入 院 桐 原 尚 之 さ ん
第 4 回 2 0 1 8 年 2 月 1 1 日 ( 日 ) 参 加 者 1 9 名 会 場 新 大 阪 丸 ビ ル 「 新 館 」 3F 3 0 0 号 室
大 阪 市 東 淀 川 区 東 中 島 1 - 1 8 - 2 7 内 容 強 制 入 院 を 捉 え な お す
・ 医 療 保 護 入 院 の 同 意 と 契 約 桐 原 尚 之 さ ん ・ 東 奈 央 さ ん
・ 幸 福 追 求 権 、 自 己 決 定 権 、 権 利 擁 護 か ら み た 医 療 保 護 入 院 原 昌 平 さ ん
・ 医 療 保 護 入 院 と な っ た 要 因 ( 相 互 作 用 の 問 題 ) 藤 原 理 枝 さ ん ・ 西 川 健 一 さ ん ・ 彼
15 谷 哲 志 さ ん
イ 3 2 周 年 記 念 講 演 会 ( 2 0 1 7 年 1 1 月 1 8 日 )( 参 加 人 数 1 8 0 名 )
内 田 博 文 先 生 ( 九 州 大 学 名 誉 教 授 ) に 基 調 講 演 を お 願 い し 、 強 制 入 院 制 度 の 抜 本 的 見 直 し に 向 け て 、 理 論 的 根 拠 と と も に 、 現 状 を 変 え る た め の 短 期 ・ 中 期 ・ 長 期 の ロ ー ド マ ッ プ の 必 要 性 に つ い て 、 参 加 者 全 員 で 共 有 す る こ と が で き ま し た 。 ま た 、 当 事 者 、 医 師 、 研 修 者 の 立 場 か ら 、 改 め て 「 強 制 入 院 」 を 考 え る と い う テ ー マ で リ レ ー ト ー ク を 行 い ま し た 。
ウ 大 阪 精 神 医 療 人 権 セ ン タ ー 3 2 周 年 記 念 書 籍 「 人 間 の 尊 厳 」か ら「 強 制 入 院 」 を 考 え る ( 2 0 1 8 年 2 月 発 売 )
3 2 周 年 記 念 講 演 会 の 内 容 だ け で は な く 、 こ の 講 演 会 で は 時 間 と の 関 係 で 話 す こ と が で き な か っ た 内 容 に つ い て 、 追 補 す る と と も に 、 日 本 の 精 神 医 療 の 現 状 と 課 題 や 当 セ ン タ ー の 活 動 内 容 を わ か り や す く 説 明 し て い ま す 。
エ 人 権 セ ン タ ー ニ ュ ー ス
① 法 的 な 視 点 か ら 、 医 療 保 護 入 院 制 度 の 実 体 的 要 件 や 手 続 的 要 件 の 問 題 点 を 整 理 し ま し た ( 人 権 セ ン タ ー ニ ュ ー ス 2 0 1 7 年 8 月 号 )。
② 権 利 擁 護 シ ス テ ム 研 究 会 の コ ー デ ィ ネ ー タ ー で あ る 竹 端 寛 さ ん に よ る 連 載 企 画 や 研 究 会 の 参 加 者 の 声 / 思 い を 発 信 し ま し た ( 人 権 セ ン タ ー ニ ュ ー ス 2 0 1 7 年 4 月 号 ~ 2 0 1 8 年 4 月 号 )。
③ 基 調 講 演「 認 知 症 の 人 を 地 域 で 支 え る 」概 要( 上 野 秀 樹 さ ん / 精 神 科 医 )を 掲 載 し ま し た 。認 知 症 の 人 が 暮 ら し や す い 社 会 が 必 要 で あ り 、認 知 症 の 人 を 精 神 科 病 院 に 入 院 さ せ る こ と が 正 し い 選 択 肢 と は い え ず 、 精 神 科 病 院 に 頼 ら な い 仕 組 作 り が 必 要 で あ り 、日 本 で も で き る こ と を 伝 え ま し た( 人 権 セ ン タ ー ニ ュ ー ス 2 0 1 7 年 8 月 号 )。
④ イ タ リ ア に て ~ 日 本 で も で き る ! と 感 じ た 理 由 ~ ( 上 野 秀 樹 さ ん / 精 神 科 医 ) を 掲 載 し 、イ タ リ ア の 精 神 科 医 療 研 修 の 中 で 、精 神 障 害 者 を 管 理・隔 離 す る 現 実 を 変 え る た め に は 、「 思 考 を 変 え る 」 こ と が 必 要 で あ る と い う こ と を 伝 え て い た だ き ま し た ( 人 権 セ ン タ ー ニ ュ ー ス 2 0 1 7 年 1 0 月 号 )。
⑤ 2 0 1 7 年 8 ~ 9 月 研 究 会 内 で 医 療 保 護 入 院 の 体 験 談 を 集 め ま し た 。 集 ま っ た 2 8 事 例 を も と に 、研 究 会 メ ン バ ー の 大 西 香 代 子 さ ん 、芦 田 邦 子 さ ん 、有 我 譲 慶 さ ん が 医 療 保 護 入 院 に つ い て の 問 題 点 の 整 理 と 分 析 を 行 い 、 そ の 結 果 を 第 3 回 研 究 会 と 人 権 セ ン タ ー ニ ュ ー ス 2 0 1 8 年 2 月 号 で 報 告 し ま し た 。
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( 3 ) 措 置 入 院 を 強 化 す る 精 神 保 健 福 祉 法 「 改 正 」 の 反 対 に 向 け た 取 組
ア 精 神 保 健 福 祉 法「 改 正 」に 反 対 す る 座 り 込 み 抗 議 活 動( 2 0 1 7 年 4 月 1 1 日
~ 1 4 日 )
大 阪 精 神 障 害 者 連 絡 会 や こ ら ー る た い と う の 呼 び か け で 、 2 0 1 7 年 4 月 1 1 日 ~ 1 4 日 に 参 議 院 議 員 会 館 前 で 、 精 神 保 健 福 祉 法 「 改 正 」 に 反 対 す る 座 り 込 み 抗 議 活 動 に 参 加 し ま し た 。
イ こ ん ど の 精 神 保 健 福 祉 法「 改 正 」案 は 絶 対 に お か し い ! ! 2 0 1 7 年 4 月 2 5 日 院 内 集 会 ~ こ れ は 精 神 障 害 が あ る 人 々 へ の 、政 府 か ら の ヘ イ ト ク ラ イ ム で す ~
( 参 加 人 数 2 5 0 名 、 う ち 国 会 議 員 6 名 )
当 セ ン タ ー は 、 上 記 院 内 集 会 に 共 催 団 体 と し て 協 力 し 、 当 セ ン タ ー の 運 営 会 員 が 報 告 者 と し て 登 壇 し ま し た 。
ウ 記 念 講 演 会「 精 神 保 健 福 祉 法 改 正 を ど う み る か 」( 2 0 1 7 年 5 月 2 7 日 )( 参 加 人 数 2 1 6 名 )
原 昌 平 さ ん ( 読 売 新 聞 大 阪 本 社 編 集 委 員 ・ 精 神 保 健 福 祉 士 ) を お 招 き し 、 精 神 保 健 福 祉 法 改 正 案 の 問 題 点 を 紹 介 し て い た だ き 、 相 模 原 障 害 者 殺 傷 事 件 の 原 因 が 差 別 思 想 に あ り 、 そ の 差 別 思 想 に 対 す る 対 策 が 急 務 で あ る こ と を 伝 え ま し た 。
エ 精 神 保 健 福 祉 法 「 改 正 」 法 案 の 廃 案 を 求 め る 声 明 ( 2 0 1 7 年 5 月 2 7 日 ) 2 0 1 6 年 7 月 の 相 模 原 市 障 害 者 殺 傷 事 件 を き っ か け と し て 、 政 府 は 、 事 件 の 原 因 が 措 置 入 院 制 度 に あ っ た か の よ う に 歪 曲 な い し 矮 小 化 し 、 再 発 防 止 の た め と 称 し て 、 措 置 入 院 者 の 退 院 後 の 管 理 と 監 視 を 強 化 す る こ と を 主 た る 内 容 と す る 精 神 保 健 福 祉 法 の 改 正 を 打 ち 出 し ま し た 。
そ の た め 、 精 神 保 健 福 祉 法 改 正 に 反 対 す る 声 明 を 公 表 し 、 厚 生 労 働 大 臣 、 衆 議 院 と 参 議 院 の 厚 生 労 働 委 員 、 こ れ か ら の 精 神 保 健 医 療 福 祉 の あ り 方 に 関 す る 検 討 会 構 成 員 、 精 神 保 健 福 祉 関 係 団 体 等 ( 合 計 1 3 0 名 ) に 提 出 し ま し た 。
オ 講 師 派 遣 等
当 セ ン タ ー の 代 表 が 大 阪 精 神 障 害 者 連 絡 会 の 例 会 で 、 副 代 表 が 市 民 団 体 等 で 、 当 セ ン タ ー が 出 し た 意 見 書 ( 2 0 1 7 年 3 月 1 7 日 ) や 声 明 ( 2 0 1 7 年 5 月 2 7 日 ) を も と に 、 精 神 保 健 福 祉 法 「 改 正 」 法 案 の 問 題 点 を 解 説 し ま し た 。
カ 人 権 セ ン タ ー ニ ュ ー ス
① 特 集 ・ 精 神 保 健 福 祉 法 「 改 正 」 に 反 対 す る ! ! ( 2 0 1 7 年 4 月 号 )
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2 0 1 7 年 4 月 号 で は 、特 集・精 神 保 健 福 祉 法「 改 正 」に 反 対 す る 、を 特 集 し 、 当 セ ン タ ー の 意 見 書 の ポ イ ン ト を わ か り や す く ま と め 、 Q & A 方 式 で 紹 介 す る と と も に 、 副 代 表 の 思 い と 当 事 者 や 精 神 科 医 の 立 場 か ら い た だ い た 意 見 を 紹 介 し ま し た 。2 0 1 7 年 4 月 号 は 合 計 2 ,5 0 0 部 印 刷 し 、す べ て 配 布 し ま し た 。
② 特 集 ・ 精 神 保 健 福 祉 法 「 改 正 」 に 反 対 す る ! ! 2 ( 2 0 1 7 年 6 月 号 )
「 座 り 込 み 抗 議 活 動 」、「 こ ん ど の 精 神 保 健 福 祉 法 「 改 正 」 案 は 絶 対 に お か し い ! ! 2 0 1 7 年 4 月 2 5 日 院 内 集 会 」や「 記 念 講 演 会・精 神 保 健 福 祉 法 改 正 を ど う み る か 」の 内 容 を 詳 細 に 報 告 し 、多 く の 人 た ち に 精 神 保 健 福 祉 法 の 改 正 の 問 題 点 を 伝 え ま し た 。
③ 強 制 さ れ た 不 妊 手 術 を 体 験 し た 方 か ら 、精 神 科 病 院 の 入 院 経 験 と と も に 、強 制 不 妊 手 術 の 実 情 を 紹 介 し て い た だ き ま し た ( 2 0 1 7 年 1 2 月 号 )。
( 4 ) 医 療 観 察 法 の 廃 止
医 療 観 察 法 の 廃 止 に 向 け て 、 以 下 の 集 会 に 共 催 団 体 と し て 参 加 し ま し た 。
ア 2 0 1 7 年 7 月 2 3 日 な く そ う ! 差 別 と 拘 禁 の 医 療 観 察 法 全 国 集 会
( 9 8 名 参 加 )
医 療 観 察 法 の 問 題 点 ( 選 択 で き な い 治 療 、 治 療 の 強 制 、 一 人 で 外 出 で き な い 施 設 、 入 院 の 長 期 化 、 自 殺 者 が 多 数 出 て い る ) が 指 摘 さ れ 、 相 模 原 障 害 者 殺 傷 事 件 の 中 で 、 精 神 科 医 療 を 治 安 の 道 具 と し て 用 い る た め に 、 医 療 観 察 法 の 制 定 時 と 同 様 の 議 論 が 行 わ れ て い る こ と に つ い て 、 問 題 意 識 が 共 有 さ れ ま し た 。 当 セ ン タ ー の 副 代 表 も リ レ ー ト ー ク に 参 加 し 、 大 阪 で 実 施 し て い る 医 療 観 察 法 病 棟 の 面 会 活 動 に つ い て 報 告 し 、 在 院 日 数 の 長 期 化 や 人 権 制 約 の 多 さ の 問 題 点 を 指 摘 し ま し た 。
イ 2 0 1 7 年 1 1 月 2 6 日 な く そ う ! 差 別 と 拘 禁 の 医 療 観 察 法 全 国 集 会
( 9 0 名 参 加 )
池 原 毅 和 さ ん ( 弁 護 士 ) よ り 、 障 害 者 権 利 条 約 の 視 点 か ら 日 本 の 精 神 医 療 福 祉 の 問 題 点 に つ い て 基 調 講 演 を 行 い 、 医 療 観 察 法 も 精 神 保 健 福 祉 法 も 廃 止 す べ き で あ り 、 医 学 モ デ ル 、 社 会 モ デ ル 、 人 権 モ デ ル の 比 較 に つ い て 説 明 が あ り ま し た 。
4 そ の 他 の 事 業 実 施 し て い な い 。
18 第 5 事 業 の 成 果
1 2 0 1 7 年 度 の 個 別 相 談 活 動 の 成 果
( 1 ) 面 会 件 数 が 2 0 1 6 年 度 は 3 9 回 で し た が 、 2 0 1 7 年 度 は 1 0 2 回 ( 約 2 , 6 倍 の 6 3 件 増 ) と な り 、 面 会 活 動 の 必 要 性 を 実 証 で き ま し た 。 ま た 、 ま だ ま だ 少 な い な が ら も 、 面 会 活 動 に よ っ て 退 院 す る こ と が で き た と い う 声 を い た だ く こ と が で き ま し た 。
( 2 ) 個 別 相 談 拡 充 の た め の 検 討 チ ー ム を 中 心 と し て ボ ラ ン テ ィ ア 養 成 講 座 を 開 催 す る こ と に よ り 、 新 規 の 面 会 ボ ラ ン テ ィ ア 1 2 名 ( 大 阪 府 以 外 の 方 5 名 ) が 増 え 、 合 計 3 5 名 が 対 応 可 能 な 個 別 相 談 体 制 を 構 築 す る こ と が で き ま し た 。
( 3 ) 2 0 1 8 年 度 は 、 九 州 弁 護 士 会 連 合 会 及 び 福 岡 県 弁 護 士 会 か ら 当 セ ン タ ー の 活 動 へ の 視 察 及 び 意 見 交 換 会 を 開 催 す る 予 定 と な り ま し た 。
( 4 ) 精 神 科 病 院 に 入 院 中 の 方 の 立 場 に 立 っ た 権 利 擁 護 シ ス テ ム の 構 築 に 向 け て 、 厚 生 労 働 省 と の 意 見 交 換 会 を 2 0 1 8 年 2 月 か ら 開 始 し 、 厚 生 労 働 省 に よ る 大 阪 府 へ の 視 察 が 2 0 1 8 年 度 に 実 施 さ れ る こ と が 予 定 さ れ ま し た 。 ま た 、 厚 生 労 働 省 は 、 各 都 道 府 県 及 び 市 町 村 に 対 し 、 入 院 中 の 方 の た め の 権 利 擁 護 の 取 組 状 況 の 調 査 に お い て 、 当 セ ン タ ー の ウ ェ ブ サ イ ト 及 び リ ー フ レ ッ ト を 参 考 資 料 と し て 配 布 し ま し た 。
2 2 0 1 7 年 度 の 訪 問 活 動 及 び 情 報 公 開 の 成 果
( 1 ) 精 神 科 病 院 へ の 訪 問 活 動 に よ り 、 入 院 中 の 方 の 人 権 を 保 障 し 、 療 養 環 境 の 改 善 に 貢 献 す る こ と が で き ま し た 。 実 際 に 改 善 さ れ た 内 容 は 別 紙 2 の と お り で す 。
( 2 ) 2 0 1 7 年 度 の 人 権 セ ン タ ー ニ ュ ー ス は 合 計 1 7 , 5 0 0 部 印 刷 し ( 2 0 1 5 年 度 と 比 較 し て 、 1 2 , 1 0 0 部 、 2 0 1 6 年 度 と 比 較 し て 9 , 3 0 0 部 が 増 加 し ま し た 。)、 2 0 1 7 年 度 は 新 た に 人 権 セ ン タ ー ニ ュ ー ス を 購 読 す る 会 員 が 9 3 名 ( 大 阪 府 以 外 の 方 4 8 名 ) 増 加 し ま し た 。
3 2 0 1 7 年 度 の 政 策 提 言 活 動 の 成 果
( 1 ) 当 セ ン タ ー が 主 催 又 は 共 催 し た 講 演 会 や 集 会 等 に 合 計 1 , 0 1 1 名 が 参 加 し 、 3 2 周 年 記 念 書 籍 は 合 計 1 6 3 名 の 方 に 購 入 し て い た だ き ま し た 。 ま た 、 2 0 1 8 年 2 月 7 日 に は 、 当 セ ン タ ー 主 催 で 、 後 援 団 体 合 計 1 4 団 体 の 協 力 の も と で 、 精 神 科 病 院 に 入 院 中 の 人 々 の た め の 権 利 擁 護 シ ス テ ム の 構 築 の 必 要 性 に つ い て 、 大 阪 府 以 外 の 場 所 で も 、 1 3 0 名 の 参 加 者 ( う ち 国 会 議 員 3 名 、 議 員 秘 書 1 2 名 を 含 む 。) に 伝 え る こ と が で き ま し た 。
( 2 ) 他 団 体 と の 協 働 に よ り 、 措 置 入 院 制 度 を 強 化 す る 精 神 保 健 福 祉 法 改 正 案 は 、 2 0 1 7 年 9 月 に 衆 議 院 解 散 と と も に 廃 案 と な り 、 2 0 1 8 年 3 月 に は 厚 生 労 働 省
19
が 当 該 改 正 案 を 国 会 へ 提 出 す る こ と が 見 送 ら れ た と い う 報 道 が あ り ま し た 。
第 6 当 セ ン タ ー の 組 織 体 制 等 1 役 員 及 び 事 務 局 長
代 表 位 田 浩 ( 弁 護 士 ) 代 表 大 槻 和 夫 ( 弁 護 士 ) 副 代 表 山 本 深 雪 ( 当 事 者 )
常 務 理 事 吉 池 毅 志 ( 大 学 教 員 ・ 精 神 保 健 福 祉 士 ) 理 事 大 久 保 圭 策 ( 精 神 科 医 )
理 事 郭 春 生 ( 家 族 ・ 看 護 師 ) 理 事 里 見 和 夫 ( 弁 護 士 ) 理 事 細 井 大 輔 ( 弁 護 士 ) 監 事 竹 下 政 行 ( 弁 護 士 )
事 務 局 長 上 坂 紗 絵 子 ( 精 神 保 健 福 祉 士 )
2 会 員 数
( 1 ) 特 別 協 力 会 員 9 0 名 ( A 会 員 6 5 名 、 B 会 員 1 0 名 、 C 会 員 1 5 名 )
( 2 ) 賛 助 会 員 3 6 2 名 ( 当 事 者 会 員 6 6 名 、 個 人 会 員 2 4 1 名 、 団 体 会 員 5 5 名 )
( 3 ) 運 営 会 員 2 3 名
* 上 記 会 員 数 は 2 0 1 7 年 度 の 会 費 支 払 人 数 を 基 準 と し て い ま す 。
3 社 員 総 会 の 開 催 状 況
社 員 総 会 の 開 催 状 況 は 、 別 紙 3 の と お り で す 。
4 理 事 会 の 開 催 状 況
理 事 会 の 開 催 状 況 は 、 別 紙 4 の と お り で す 。
以 上
1
別紙1
大阪府精神科医療機関療養環境検討協議会の開催状況
開催日 報告・検討した医療機関 第1回 2017年5月26日 小阪病院
浜寺病院
第2回 2017年7月28日 八尾こころのホスピタル ほくとクリニック病院
第3回 2017年9月22日 大阪急性期・総合医療センター 榎坂病院
第4回 2017年11月24日 関西サナトリウム 国分病院
第5回 2018年1月26日 浅香山病院 新生会病院
第6回 2018年3月16日 ねや川サナトリウム 大阪医科大学附属病院
会場:大阪府こころの健康総合センター 会議室 大阪市住吉区万代東3-1-46
*2018年3月16日の検討協議会では、川田龍平国会議員秘書が傍聴に参加し、大阪 精神医療人権センターの活動を視察しました。
以上
2
別紙2
訪問した医療機関に対する検討依頼事項と改善された例
項目 検討していただきたいと伝えた事項 回答(改善された例)
隔離室のプラ イバシーにつ いて
○○病棟にある隔離室は、詰所内にあ る隔離室のモニターがカウンター越し に丸見えの場所に設置されていた。患 者のプライバシーが守られるために も、設置場所を変更するか、詰所外か ら見えなくするような工夫をしていた だきたい。
詰所外から視認できないよう改修し ました。
病室のハード 面
壁面がまだら状に剥がれ落ち、白い壁 面が露呈していた部屋が2室あった。
急性期にある患者には、不安と苦痛を 感じさせ療養環境として不適切であ り、改善が求められる。一日中この室 内で過ごすことを思うと、自分なら耐 えられないと感じた。入室している患 者らの自尊心を、深く傷つけているよ うに思われた。こうした状況が続く と、病院職員の人権感覚も麻痺してし まい、それが人権侵害を生じさせる要 因になることを危惧する。他の2室 が、少なくともペンキ塗りにより改善 されたように、壁の補修を早急に実施 していただきたい。
○月○日に塗装補修済み。
3 意見箱につい
て
病院からは、提案箱に入った意見への 回答は提案箱がある各場所にファイル を設置し、最新の3ヶ月分をファイリ ングしているという説明があった。し かし、訪問時にそのファイルの存在を 確認できたのは○病棟のみで、テレビ 台の中に置かれていた。ファイルには
「1カ月前」「2カ月前」「3カ月 前」のインデックスの用紙が付けられ ていたが、3ヶ月以内の投書に対する 回答はなく、ファイリングされていた 最新の回答は、○月○日に回収された 投書に対するものであった。回答書の ファイルは固定しておらず持ち運びが できるため、病棟であればデイルーム 付近のどこかにはあるはずとの説明だ ったが、サポーター活動中に見つける ことができなかった。投書に対してど のようにフィードバックされているの かを見たいと意識して病棟に入ってい るサポーターでも見つけることができ なかったファイルは、そういう物があ ると知らない患者にとっては、目に入 りにくいと思われる。そのため、例え ば「提案箱にいただいた意見への回答 は、病棟のデイルームにファイリング しているので、ご覧下さい」といった 掲示や、最新の回答は掲示板に掲示す る等、患者に伝わりやすくなるような 方法を検討していただきたい。
今年4月までは、直近分のみの掲示 としていました。病院機能評価受審 時の助言により、以降、ファイル化 し、3ヶ月閲覧できるように改善い たしました。運用変更が直近であっ たとはいえ、対応が不十分であった ことが事実であり、利用者様への回 答が遅くなりましたこと深く反省し ております。
今回の件を受け、運用等の周知の徹 底および運用後の状況確認などを実 施するなどの改善を行うとともに、
また、今回のご提案を参考に、以下 のとおり改めさせていただきまし た。
A案内掲示:投書箱の設置案内をお こなう。回答書類の設置場所案内を おこなう。
B:回答書類の掲示と閲覧期間:回 答書類の最新分を掲示板へ掲示す る。過去の回答書類閲覧を今後1年 間保管する。履歴ファイル位置を固 定する。CS委員会時にファイル追 加作業をおこなう。
職員の接遇に ついて
患者から「職員同士の『ほうれんそ う』(報告・連絡・相談)がきちんと 機能していない。頼み事を忘れている ことがある。看護師の交代のとき、連 絡がきちんとされていないことが多々 ある。眠剤と一緒に飲ませないといけ
そのようなことがないように、安全 管理委員会を通して病院全体に周知 徹底しました。
4 ない薬が、バラバラに渡されることが 何度もあった」「一般科みたいに薬を ダブルチェックせず渡されるせいか、
同姓の患者の薬を間違って渡されてい たことが何度かある」「薬を床に落と したのにそのまま『はい』と渡され た」との声があった。今回の患者の声 や意見箱への患者の声等を活用し、職 員の接遇の改善について検討していた だきたい。
公衆電話前の 掲示について
○病棟ではそれぞれの公衆電話の前に A「いたずら電話、無言電話やめまし ょう」B「注意!!この電話で110番 や119番へかけるイタズラ電話は、
軽犯罪法違反です(警察の業務妨害で 逮捕とテロップの入ったニュース画面 の写真付き)」との掲示があった。電 話中にずっと目に入る位置にある掲示 だが、個別患者への対応により上記の 掲示は外せるのではないだろうか。仮 に、掲示を直ちに外せない場合でも、
Bは見る側にとって非常に威圧的な感 じを与えるので、Aだけにできないだ ろうか。見る側の立場に立って検討を お願いしたい。
即、掲示を撤去いたしました。昨 年、毎日のように110番、119番 通報する特定の患者さんがおり(現 在も入院中)、大阪府警本部からの 来院による調査、指導があり、当院 も大変対応に苦慮した経緯がありま す。掲示をしたことで一定の効果が あったため、そのままになっており ました。ご指摘ありがとうございま した
隔離室の療養 環境
室内から見える位置に時計やカレンダ ーはなく、部屋の外にも置かれていな かった。室内から見える位置に時計と カレンダーを設置することを検討して いただきたい。
カレンダーの設置がなかったため、
見える位置への掲示を行いました。
また、一部時計がない隔離室もあっ たため、設置しました。
以上
5
別紙3
社員総会の開催状況
第18回定時総会 日時 2017年5月27日
場所 エルおおさか大会議室 大阪市中央区北浜東3-14 参加者 運営会員総数 23名
出席運営会員数 22名(うち委任状出席者数4名)
内容 第1号議案 2016年度事業報告書承認の件
第2号議案 2016年度収支計算書(財産目録、貸借対照表を含む)承認の件 第3号議案 2017年度事業計画承認の件
第4号議案 2017年度収支予算承認の件
以上
6
別紙4
理事会の開催状況
日時
第1回 2017年4月26日午後6時30分~
第2回 2017年5月24日午後6時30分~
第3回 2017年6月28日午後6時30分~
第4回 2017年7月26日午後6時30分~
第5回 2017年8月23日午後6時30分~
第6回 2017年9月27日午後6時30分~
第7回 2017年10月25日午後6時30分~
第8回 2017年11月29日午後6時30分~
第9回 2017年12月20日午後6時30分~
第10回 2018年1月24日午後6時30分~
第11回 2018年2月28日午後6時30分~
第12回 2018年3月28日午後6時30分~
場所 大阪精神医療人権センター&つぐみ法律事務所
大阪市北区西天満5-9-5 谷山ビル9階
内容 ・定時総会の議案の検討
・個別相談活動/訪問活動/政策提言の充実に向けた報告と検討 ・財務状況の情報共有
・支援者に向けた取組の検討
以上