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簡易振動台「ぶるる」による企業生産設備の振動実験

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4

.

簡易振動台「ぶるる」による企業生産設備の指動実験

岡田久志・曽我部博之

1 .序 大地震によって人命に危険をもたらす被害は建物の倒壊が第一に挙げられるが、負傷者の4割近く(宮城県 北部地震では49.5%、新潟県中越地震では 41.3%)が、家具、什器類の移動・転倒・落下が原因になっている。 このようなことから、生産活動を行っている企業において就業時間帯に大地震が発生しすることを想定し、建屋 が倒壊や破損しないようにしておくことは勿論のことであるが、生産設備の移動や転倒などを原因とした負傷者 を出さないように、また、生産設備の移動や転倒によって設備が破損して地震発生後の生産活動に支障が生じる ことのないような対策をしておくことが必要であろう。 本実験は、地震時における作業者の安全対策として、セル生産方式注1)における作業台の設置方法を検討す るための基本性状を把握することが目的である。 今回の実験は次のような手順で、作業台単体に対して行われる。 1.床の上の移動や転倒に関わってくる作業台の形状や重心位置、床に対する摩擦係数などの特性値を把握する。 2. 水平振動する床面上に置かれた作業台の挙動を測定し、基本性状を把握する。 3. 実地震波により水平振動させた床面上に置かれた作業台の挙動を把握する。 なお、床面の振動は簡易振動台「ぶるる」を用いる。 2.実験概要 2. 1供試体 ここでは、セルを構成する 4タイプの生産設備(以下作業台と称する)を対象とする(写真 2.1)。これらは、 あるセルの構成要素として使用されていた作業台で、いずれもの 26mmのスチール製のパイプとジョイントで 作製されている。そのうち中、 2タイプの脚はフランジ付きの脚(写真 2.2左)で、残り 2タイプの脚は、キャ スター(写真2.2右)が付いている。作業台には、加工機器等が固定されているだけでなく、部品ケースが置か れていたり、工具が吊り下げられていたり、作業台ごとに異なっている。ここで対象とした4タイプの緒元を表 2.1 フランジ付き脚 キャスター付き脚 写 真

2

.

1

供 試 体

N

o

.

1

No

.4 写 真2.2供 試 体 の 脚 の 様 子 に示す。

(2)

2.2供試体の摩擦係数 振動する床面に置かれた作業台の動 的挙動実験に先立つて、図2.1に示す 方法によって各供試体の静摩擦係数、 動摩擦係数の計測を行っている。なお、 実況にあわせるため振動台の上面には 木製ボード (12mm)が固定され、作 業台が置かれている床面の仕上げ材と 同 ー の 合 成 樹 脂 タ イ ル (600mm角) が貼り付けられている。また、振動台 の移動速度は、 5cm/sec、10cm/sec、 20cm/secの3種類としている。その 計測結果を表2.2と表2.3に示す。 NO.1供試体と NO.2供試体では、床 面の移動速度の影響を受けているよう でもあるが摩擦力に関するクーロンの 法則に従い、 5cm/sec~ 20cm/secの 平均値をそれぞれの摩擦係数とする。 ま た 、 キ ャ ス タ ー 付 き 脚 の 供 試 体 の NO.3についても同様に扱う。 2.3振動する床面に置かれた作業台の 動的挙動実験方法 作業台の動的挙動実験として2つの 実験を行っている。実験Iでは、振動 周期の影響など作業台の基本的な振動 性状を把握することを目的として行う 実験で、簡易振動台の入力振動波形を 正弦波波形(振動周期0.5秒、1.0秒、 加 速 度 振 幅20~ 400gal)を用いる。 実 験Eは、実地震動下での動的挙動を 把握するための実験である。使用した 実地震動波形は 1996年兵庫県南部地 震 ( 海 洋 気 象 台

N

S

方向)と

I

m

p

e

r

i

a

l

V

a

l

l

e

y

地 震 (El

C

e

n

t

r

o

N

S

方向)の 2波形で、加速度記録に係数を乗じて 最大加速度をそれぞれ800ga,1400gal の2種類に基準化している。 表2.1 作 業 台 の 諸 元

供試体番号

l

NO

.

l

_

l

_

NO.2

I

NO.3

I

No.4

脚の状態 フフンジイ寸き キャスター付き 重量 (kg) 41.5 17.1 40.9 24.7 向さ(Z) (mm) 1758 717 884 1070 形状寸法 幅(Y) (mm) 391 199 570 393 奥行き

(

x

)

(mm) 374 233 370 508 Z G (mm) 785 550 814 545 重心位置 YG (mm) 178 93 284 196 XG (mm) 168 71 158 249 Pタイル+木製ボード 振動台「ぶるる」 図2.1 摩 擦 係 数 の 測 定 方 法

表2.2フランジ付き脚を有する供試体NO.l、No.2の摩擦係数

速 度 5cm/sec 10cm/sec 20cm/sec 全平均値

作業台 静係摩数擦 静係摩数擦 静係摩数擦 静係摩数擦 静係摩数擦 静係摩数擦 静係摩数擦 静係摩数擦 NO.l 0.334 (0.086) 0.275 0.149 0.178 0.128 NO.2 0.268 0.094 (0.339) 0.122 0.152 0.114 NO.1 NO.3 0.349 0.123 0.223 0.127 0.264 (0.162) 平均 0.317 0.019 0.249 0.133 0.165 0.121 0.254 0.096 STD 0.043 0.113 0.340 0.014 0.059 0.010 0.075 0.075 NO.1 0.217 0.084 0.187 0.107 (0.471) 0.128 NO.2 0.165 0.081 (0.333) 0.114 0.239 0.111 NO.2 NO.3 0.174 0.079 0.275 0.108 0.227 0.115 平均 0.185 0.082 0.231 0.110 0.233 0.118 0.212 0.103 STD 0.028 0.003 0.062 0.004 0.008 0.009 0.039 0.017 注)・括弧内数値は、飛び値として除外・全平均値は飛び値を除く全データで平均 表2.3キャスター付き試験体NO.3の摩擦係数 5cm/sec 20cm/sec 平均値 作業台 静摩擦 動摩擦 静摩擦 動摩擦 静摩擦 動摩擦 イ系主主 係数 {系j量生 係数 係数 係数 No.1 (0.098) 0.040 0.052 0.035 No.2 0.049 0.028 0.061 0.038 順方向 NO.3 0.061 0.043 0.053 0.036 平均 0.055 0.037 0.055 0.036 0.055 0.037 STD 0.009 0.008 0.005 0.002 0.006 0.005 No.1 0.328 0.205 0.385 0.259 直角 NO.2 0.266 0.195 0.345 0.255 NO.3 0.268 0.201 0.475 0.251 方向 平均 0.287 0.200 0.402 0.255 0.345 0.228 STD 0.035 0.005 0.066 0.004 0.079 0.030 No.1 0.036 0.014 0.039 0.018 NO.2 0.040 0.013 0.048 0.020 フリー NO.3 0.047 0.013 0.047 0.023 平均 0.041 0.013 0.045 0.020 0.043 0.017 STD 0.005 0.001 0.005 0.003 0.005 0.004

(3)

3. 実験結果と考察 3.1 正弦波振動する床に置かれた供試体の挙動(実験1) 図3.1に床の定常時の加速度振幅が400galのケースについて、供試体NO.1、NO.2,No.4の床面に対する相対 変位量の時刻歴とその時の床面加速度(実測値)の時刻歴を示す。計測された床面加速度は、ローパスフィルター を用いて加振振動数の2倍以上の振動数をカットしている。なお、図中に示す床面加速度の破線は、加振加速度 振幅の目標を表わしている。図示したケースでは、どの供試体も床面上を移動しているが、供試体NO.1、No.4 の床面移動量は床の振動周期と同期しているのに対して、転倒した供試体NO.2は床の振動周期に同期した動き をしていないのが特徴でロッキング

k

伴って生じる床移動注2)が含まれていると考えられる。

4

ω

r

Disp.(凹 ) 3C日 200 100 力日振直角方向 100 10 15 20 600

r

Acc. (gal) 400 200 t (sec) 0 30 -200 -400 t (sec) 25 30 相対変位 600 床面の加速度 (a)供試体No.l(力日振周期O.5sec、加速度振幅400gal) 200同 凶p.(mm) n u ハ υ ー 相対変位 加振方向 400 ~ _----,,-.j 臓 直 角 方 向 巾 判t肘(s日悶叫s同凹e阿叫C吋)

20て~ ~

_-.向ザ

L

(

;

;

刈刈川

1削削~-~-~り~~~リ川仰

~m川川川川

~II川川川川

l川川川I1~日l

床面の加速度

ω

)

供試体NO.2(力日振周期O.5sec、加速度振幅400gal) 100 100 25 ;

~必\:::::::;;::;;;;;,1f川

i

i

i

;:1!川

(1日叩

l凹川

1山j世~~山山山山山~~山山山酬|山山山山目山山山山

1別明附酬酬山

~I削剛山酬

I~~明山山山

H削山山酬酬山

l目削山山酬

l目山山山[~山山l目山|目附|附剛削酬酬酬~~削川|目即j町_r~空!

7

0 ー100 -200 300 -400 “500 600 L Disp.(mm) 加振方向 相対変位

(c)供試体No.4(加 振 周 期 O.5sec、 加 速 度 振 幅400ga

l

)

図3.1 供 試 体 の 床 面 相 対 変 位 と 床 面 の 実 測 加 速 度 の 時 刻 歴 3.2すべり開始加速度、ロッキング開始加速度 水平振動する床面上に置かれた剛体に対して、運動力学に基づいて導かれるスリップにより移動開始する条件や ロッキングそ開始する条件は以下のようなもので、ある文献1)0

α

r

(

α

'

/

r

_J

>

μ

s

あるいは

1

-

/

1

/

μ

s>l

(3-1)

¥

g )

/

(a)スリップにより移動開始する条件: ここに、 αf ある時刻での床の加速度、

g:

重力加速度、 μs:静止摩擦係数

(4)

(

)

>

(

:

:

J

1

>

(

)

(

3

-

2

a

)

(

3

-

2

b

)

ここに ら、 XG 重心位置(表 2.1参照) (b)ロッキングを開始する条件: 2.00 α(均)/μs 1.50 式 (3- 2 b)

~:

ロッキング領域 スリッ 加振周期1.0sec 1.00 0.50 ハ υ n U A U 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0 IXG/ZG )/ll, 図

3

.

2

ロッキング、スリップ現象と加速度、重心高さ比の関係 図3.2は、縦軸に静止摩擦係数で無次元加速度 (αf/

g)

を除した値、横軸に重心高さ比を静止摩擦係数 で除した値をとして各供試体が床面を移動し始めたときの床面加速度と重心位置の関係をグラフ化した図であ る。 図中の×は、転倒した供試体である。また、枠は、摩擦係数のばらつきを考慮した場合のとり得る値の範囲であ る。ぱらつきを考慮、しでも、この図からスリップ開始およびロッキング開始の判別式

(

3

-

1

)

(

3

-

2

)

式は危険

η[~J/P, >1

(3-1) -側の評価を与える可能性がある。したがって、補正係数可を導入し、次式で評価することを提案する。

(~

J

>

η

(

)

1

>(

:

:

J

(

3

2

a

)

-

(

3

-

2

b

)-ロッキングを開始する条件:

(5)

今回の実験結果に基づくと安全側の評価を与える可の値としてy)=0.7が妥当と思われる。 33実地震波形で振動する床に置かれた供試体の挙動(実験II) 図 3.3~ 図 3.5 は、最大加速度を 800gal (図3.3)あるいは400gal(図3.5)に基準化した 1995年兵庫県 南部地震波 (NS方向)とエルセントロ地震波 (NS方向)で加振された各試験体の相対変位の時刻歴 (30秒間) を示したものである。供試体NO.2(図3.4)では、ロッキングの後転倒そ起こしており、転倒した時点で加振を 中止している。 また、フランジ付き脚を有する NO.1供試体について防振粘着マットならびにねじで床に固定した実験も行って いる。 NO.1供試体には工具が吊り下げられており、作業台は移動しないものの吊り下げられている工具の激し い揺れを観測している(写真3.1参照)。現実にこのような現象が生じると作業者に当たる恐れがあり、床に固 定することが必ずしも最善策とならないこと示している。 400r Disp. (mm) 400 力。振方向 加 振 方 向 200 加 振 直 角 方 向 t (sec) 10 15 20 25 3 加 振 直 角 方 向 t(sec) 10 15 20 25 30 200 800 400

200 -200 800 400 0 -400 -800 -1200 25 ハU ハU ハU ハU 4 自 句 、 J ) c e s ( t 床 面 の 加 速 度 a) 1995年兵庫県南部地震波 (NS) F1200

M

図3.3 供 試 体NO.l(フランジ付脚、 μ8:::0.265) 200 Disp. (m皿)

加 振 直 角 方 向 t (sec) 200

r

Dぉp.(mmn) 加振直角方向 2U"'"φ・ 25 一一一 "30 5LJ

15 20 25 t(sec)30 供 試 体 の 相 対 変 位 ー400 800 t (sec) 400

25 30 -400 ー200 -400L 供 試 体 の 相 対 変 位 800 400 0 400 -800 戸1200 床 面 の 加 速 度 800~ 床 面 の 加 速 度 a) 1995年兵庫県南部地震波 (NS) 一1200L b) エノレセントロ地震波 (NS) 図 3.4 供 試 体No.4 (キャスター付き脚、 μ8:::0.055) 40r Disp. (mm) 床 面 の 加 速 度 a) 1995年兵庫県南部地震波 (NS) 図 3.5 供 試 体NO.2(フランジ付き脚、 20 -200 ) C e s ( t 転 倒 20

加 振 方 向 / 加 振 直 角 方 向 5 10 羽 L 供 試 体 の 相 対 変 位 600

r

Acc. (gal) 400 200 0 -200 -400 -600 15 2 t(sec) ーー」

20 -2 600 400 t (sec) 200

15 20 t (sec) -400 床 面 開 加 速 度 15 20 -600 エノレセントロ地震波 (NS) μSニ0.227)

(6)

4.すべり挙動を生じる試験体のシミュレーション 4.1シミュレーション上の仮定 水平振動する床面上の置かれた供試体の挙動に関 して運動力学に基づいた簡単なシミュレーションを 行い、実験結果と比較する。シミュレーションにお ける仮定は、以下のとおりである。

H

共試体を剛体として扱う。 2ロッキング、転倒は生じない。 3床面は、水平振動のみで上下振動は無いものとする。 4静止摩擦係数、動摩擦係数は、速度依存は無いもの として表2.2、表2.3の平均値を用いる。 5静止状態の供試体は、静止摩擦力を超える慣性力に より滑り始め、床面を移動中は動摩擦力が働く。 6慣性力が動摩擦力以下になると床面に対して移動し なくなる。

4

.

2

シミュレーション 図4.1は、正弦波振動する床に置かれた場合につい て、また図

4

.

2

は、実地震波形による場合のシミュ レーションを行った結果と実験結果と比較した 1例 を示している。なお、床面の加速度波形は振動台の 実測加速度波形を用いている。いずれも加振方向の 移動量の時刻歴で、太線は、シミュレーション結果、 細線は実測結果である。また、図4.3は、振動周期 1.0sec加速度振幅 400galで振動台を振動させる正弦 波の原波形を用いてシュミレーションした結果(図 中細線)と振動台の実測波形を用いたシミュレーショ ン結果(図中太線)とを比較した図である。これから -200 床の実測波形と原波形との僅かな振動波形の違いに -400 よって供試体の相対変位や振動性状に大きな違いが 生じることが判る。しかし、振動台床上で計測した 加速度記録を用いてシミュレーションした結果では、 おおむね全体的な挙動の特徴は再現されていると思 われる。相対変位量については、シミュレーション 結果よりも実測結果のほうが大きく移動(スリップ) しており、シミュレーションによる評価のほうが過 白100 小評価となっている。 写真3.1 吊り下げられた 工具の挙動の様子 400 30 300 シ慨に ユ レ シ ヨ ン 、 結 果 油 開 I 下 三 口 2C日 1C日 t (sec) -100 図4.1 供 試 体 No.1のシミュレーション結果 (力日振周期O.5sec、加速度振幅400gal) 400 200 シミュレーション結果

計測結果 10 15 20 25 30 -200 t (sec) 供試体No.l (フランジ付き脚) 200 シミュレーション結果 1

/ t (sec 1凡 / 20 _一一一_lユ一一一___l0 計測結果 供試体No.4(キャスター付き脚) 図

4

.

2

兵庫県南部地震波

(

N

S

)

に対する実験結果 とシミュレーションとの比較 150 r口isp.(mm) 振 動 台 の 実 測 波 形 を 用 い た 場

/

100 50 日50

y

原波形を用いた場合 供試体No.l(力日振周期1.0呂田、加速度振幅400gal) 図 4.3 原波形と振動台の実測波形とを用い たシミュレーション結果の比較 “150

(7)

4.3 実地震波による移動量の推定 神戸地震波、エルセントロ地震波の原加速度波形を用い、最大加速度の大きさを変えながら静止摩擦係数と最 大相対変位Xmaxと総移動量(床面を滑った経路の長さ)Sの関係をシミュレーションによって求めた図が、図4.6 である。図中のKの値は、入力地震波形の最大加速度を重力加速度で無次元化した値である。実験を行ったケー スは、

k

=

0

.

8

および

k

=

O

.4に対応する。図中の⑬は、供試体

No

.4の測定結果で

k

=

0

.

8

μ

s

=

0

.

0

5

5

のシミュレー ション結果に対応する。最大相対変位は、シミュレーション結果と大きな違いがあるが総移動量では概ね一致し ている。新潟中越地震(小谷EW)の加速度記録を用いて静止摩擦係数と最大相対変位Xmaxと総移動量(床面 を滑った経路の長さ)s の関係をシミュレーションによって求めた図が (c) である。(司~ (c)を比較すると、最 大相対変位と静止摩擦係数の関係は、地震波によって大きく異なっているが、総移動量と静止摩擦係数の関係は、 地震波による違いが少ないことが判る。新潟中越地震は、兵庫県南部地震と比べ短周期が卓越しており、最大相 対変位と静止摩擦係数の関係はこのような地震動特性の影響を受けやすいが、総移動量は地震動特性の影響を受 けにくいと推察される。したがって、地震動による移動量予測には総移動量と静止摩擦係数の関係が有効である と思われる。 250 ,..Xmax (cm) 300 ,..S (cm) 200 250 200 150 150 100 100 50 50 μ s I ~..._と\ご:::--. μs

0.2 0.4 0.6 0.8 l

0.2 0.4 0.6 0.8 (a)兵庫県南部地震波 250 r Xmax (cm) 300

r

S (cm) 250 200 200 150

0.8 150 100 0.6 100 0.4 50

l

冷主主込

E μs 0.2 0.4 0.6 0.8 l 0.2 0.4 0.6 0.8 (b)エルセントロ地震波 250r Xmax (cm) 300

S (cm) 250 k=1.0 200 150 / 0.8 0.6 150 100ト ////0.4 100 50ト //// ~~"--- μs μs

ーー」 0.2 0.4 0.6 0.8

0.2 0.4 0.6 0.8 (c)新潟中越地震波(小谷 EW) 図4.6 静止摩擦係数と 最大相対変位、総移動量との関係

(8)

5.結び 本実験は、地震時における作業者の安全対策として、セル生産方式における作業台の設置方法を検討するため の基本性状を把握することが目的で行われた。 その結果、以下のような結果が得られた。 (1)現実には、床面の状態は一様でなく作業台と床との摩擦係数のばらつきも大きい。 (2)剛体運動から理論的に導かれる移動に対する判定式(3-1)式およびロッキング開始に対する判定式(3-2) 式は、危険側の判定者E与えることがある。 (3) 作業台を剛体として扱った移動に関するシミュレーションによる初期状態からの移動量については実 験結果とあまり一致しなかった。しかし、総移動量についてはほぼ一致した。 (4) 最大加速度が等しい地震波による床面総移動量(床面を移動した加振方向の軌跡の長さ)は、地震波 の種類に依らずほぼ等しくなる。 これらは、限られた実験結果とシミュレーションによる結果であるのでさらに今後実験等を行っていく必要が ある。また、今回の実験では、セルを構成する作業台単体に対する実験で、あったが、作業台を連結した状態での 実験を行い、連結方法の違いによる影響などを明らかにする必要がある。 注釈 注1) セル生産方式とは、組み立て製造業において、1人 数人の作業員が部品の取り付けから組み立て、加工、 検査までの全工程在担当する生産方式で、部品や工具を備え付けた作業台をU字型などに配置したセルと呼ば れるラインを構成して作業を行う。 注2) 静止している床面に置かれた剛体①を②のよう に傾斜させた後、開放するとロッキング現象を起こすが、 ②の状態から復原するとき、慣性モーメントによって矢 印方向に加速度が働き、スリップ現象を起こす。その結果、 ③のような位置に移動しながらロッキングを継続する。 参考文献

①初期状態 ②剛体を傾ける

-

.

.

.

.

.

.

.

③ロッキングに よる滑り 1) 望月利夫、小林計代:単体の運動から地震加速度を推定するための研究一単体の動的挙動の解析 、日本建 築学会論文報告集、第248号、 1976年 11月 2) Y.Ishiyama : Motions of Digid Bodies in Response to Earthquake Excitations, Trans. ofA.I.]., NO.314 , April1982 3) 矢騎雅彦、麻里哲広、石井祐二:岡リ体のロッキング振動と転倒条件一物体の非対称性及び壁の影響を考慮し た解析 、日本建築学会大会学術講演梗概集(関東)、 1997年9月

参照

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