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デロイト・トゥシュ・トーマツ北京事務所

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Academic year: 2021

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企業組織再編に関わる税務政策

一、企業再編を促進する新たな規定

中国企業所得税法により、企業再編を行う会社は資産又は持分の譲渡による損益に対して取 引発生時の公正価値に基づいて認識しなければならないとされている(一般性税務処理)。一方 で、特殊税務処理を適用することで、再編時点にて課税所得または損失を認識せず、損益を繰 り延べることが可能である。特殊税務処理を適用するためには、中国国内における持分又は資 産の買収(譲渡)取引において、財税[2009]59 号に定める以下の全ての要件を満たすことが必要で ある。  再編取引に合理的な事業目的があり、税額の減少、免除又は納付延期を主たる目的とし ていないこと。  買収される持分が被買収企業の全持分の 75%以上を占めること、或いは買収される資産 が譲渡企業の全資産の 75%以上を占めること。  企業再編後の連続 12 ヶ月間において、再編資産の従来の実質的経営活動が変更されな いこと。  再編取引対価の持分による支払金額が取引総額の 85%以上を占めること。  再編取引において持分による支払を受けた元の主要出資者は、再編後の連続 12 ヶ月間 において、取得した持分を譲渡しないこと。 持分譲渡における一般税務処理及び特殊税務処理について、課税関係の相違点を以下通りに 纏めてみた。 一般税務処理 特殊税務処理 課税基礎 ・持分による支払部分 譲渡持分の公正価値 ・非持分による支払部分 取得資産の公正価値 ・持分による支払部分 譲渡持分の元の課税基礎 ・非持分による支払部分 取得資産の公正価値 持分譲渡損益の 認識時点 再編取引の発生時に認識 ・持分による支払部分繰延が可能 ・非持分による支払部分対応する資産譲渡 損益は、再編取引の発生時に認識 持分譲渡損益の 計算 持分の公正価値と帳簿価 格の差額を損益として認 識 ・持分による支払部分は、譲渡損益を認識 しない ・非持分による支払部分は、下記の通り認 識する(譲渡資産の公正価値-譲渡資産の 課税基礎)×(非持分支払金額÷譲渡資産 の公正価値) 中国財政部及び国家税務総局は 2015 年 1 月 8 日に財税[2014]109 号及び 116 号の通達(以下 「109 号通達」及び「116 号通達」)を発布した。これらは、企業再編に係る特殊税務処理の適

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2 用範囲を拡大し、また、非貨幣性資産の投資によって生じる課税所得について、5 年を超えな い期間内に分割して納税することを認めるものである。これらの通達は 2014 年 1 月 1 日に遡っ て施行され、且つ通達の発布前に発生した、まだ税務処理を行っていない再編又は投資行為に も適用される。 本項では、上述政策の発布が企業再編に与える影響を整理・分析し、関連企業が実務上にお いて注意すべき事項を検討する。 ・『企業再編促進に関連する企業所得税処理問題に関する通知』(財税[2014]109 号) 上述の通り、持分又は資産の買収取引に特殊税務処理を適用するためには、買収される持分 又は資産の割合が、被買収企業の全持分又は譲渡企業の全資産の 75%以上を占める必要があっ たが、109 号通達によりその割合が 50%に引き下げられた。また、109 号通達では、居住者企業 のグループ内における持分又は資産の移転に適用される特殊税務処理についても新たに規定し ている。当該特殊税務処理は以下の要件を全て満たす場合に適用することができる。  持分又は資産の移転が 100%の直接支配関係にある居住者企業間、或いは同一又は同じ複 数の居住者企業による 100%の直接支配を受ける居住者企業間で発生したものであること。  持分又は資産の移転が帳簿価格で行われること。  再編取引に合理的な事業目的があり、税額の減少、免除又は納付延期を主たる目的とし ていないこと。  持分又は資産の移転後の連続 12 ヶ月間において、移転された持分または資産に係る従来 の実質的経営活動が変更されないこと。  移転元企業及び移転先企業がいずれも会計上の損益を認識していないこと。 要件を全て満たす取引の当事者が特殊税務処理の適用を選択する場合の取り扱いは以下通り である。  移転元企業及び移転先企業はいずれも所得を認識しない。  移転先企業が取得する持分又は資産の課税基礎(税務上の取得原価)を、持分又は資産の元 の帳簿価格に基づき確定する。  移転先企業が取得する資産は、元の帳簿価額に基づき減価償却を行う。 ・『非貨幣性資産投資にかかる企業所得税政策問題に関する通知』(財税[2014]116 号) 居住者企業が非貨幣性資産を以ってその他の居住者企業に投資する際、投資者は通常、非貨 幣性資産の公正価値からその課税基礎を控除した残額を、非貨幣性資産の譲渡所得として認識 しなければならない。116 号通達では、納税者が当該所得を 5 年超えない期間内の各年度の課 税所得に均等計上し、規定に基づき企業所得税を計算して納付することを認めている。非貨幣 性資産を投資して取得した投資先企業の持分の課税基礎も、当該所得の計上処理に合わせて相 応に調整する必要がある。これは、中国(上海)自由貿易試験区において試験的に実施されてい た政策であるが、116 号通達の発布に伴ってその適用範囲が中国全土に拡大された。 116 号通達では、企業が非貨幣性資産による投資を行い、特殊税務処理の要件を全て満たす 場合、納税者が特殊税務処理の適用を選択することも認めている。

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まとめ

109 号通達及び 116 号通達の公布は納税者にとって朗報であると言え、持分もしくは資産買 収取引において税務上の有益な取扱を受けられると考えられる。しかしながら、居住者企業グ ループ内に行われる持分もしくは資産移転に関する特殊性税務処理は、グループ内のクロスボーダ ー再編取引及び国外親会社のグループ内再編(合併、分立、清算等)による国内企業の持分譲渡 取引に適用されない。 今後、国家税務局により関連細則を発布し、関連問題(例えば、「移転」行為の定義など)に ついて明確すること見込まれる。納税者は関連規定に基づき、再編取引が特殊性税務処理等の 税金延払いを適用性を積極的に自己評価し、法規及び実務動向に注目していくことが重要であ る。

二、非居住者による間接譲渡取引に係る新たな税務規定

『非居住者企業の持分譲渡所得に係る企業所得税管理の強化に関する通知』(国税函[2009]698 号、以下「698 号通達」)の規定によれば、非居住者企業が直接又は間接に中国居住者企業の持 分を保有する中国国外の中間持株会社の持分を譲渡する場合、もし中国の税務機関がその取引 に合理的な事業目的がないと認定すれば、当該取引は中国居住者企業の持分を直接譲渡するも のとみなされ、非居住者企業に中国での企業所得税の納税義務が生じることになる。更に、中 国居住者企業の支配会社である中間持株会社が所在する国又は地域における実効税率が 12.5% 以下の場合等の形式要件を充足する場合には、課税の有無に拘らず、譲渡者は中国税務機関へ 間接譲渡を報告する義務が課せられている。 中国国家税務総局は 2015 年 2 月 6 日に「非居住者企業による財産の間接譲渡に係る企業所得 税の若干の問題に関する公告」(国税総局[2015]第 7 号、以下「7 号公告」)及びその解釈を公 布した。それによって、非居住者企業による中国居住者企業の持分等の間接譲渡に係る税務処 理について改めて規定された。 本項では、698 号通達を照らして、7 号公告の変更点を纏めた上、税務的な影響を分析する。 7 号公告の要点 ※間接譲渡に係る規制対象の拡大※ 698 号通達に定められた間接譲渡の対象資産は中国居住者企業の持分の間接譲渡のみに言及 しているが、7 号公告にはその対象資産を「中国課税財産」と総称し、以下を含むとされてい る。  中国国内の機構、場所の財産  中国国内の不動産  中国居住者企業の権益性投資資産 依って、7 号公告により中国で課税される可能性のある財産の間接譲渡の範囲は広がったこ とになる。

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4 7 号公告では、「中国課税財産」の概念についても定義している 「中国課税財産の間接譲 渡」とは、非居住者企業が直接又は間接的に中国課税財産を保有する中国国外の中間持ち株会 社(中国国外で登録された中国居住者企業を含まない、以下「中国国外企業」)の持分及びそ の他の類似の権益(以下「持分」と総称)を譲渡することにより、中国課税財産を直接譲渡し たのと同じ又は近い結果が生じる取引をいい、非居住者企業の再編によって中国国外企業の株 主が変更される場合も含む。依って、関連の取引が本公告にいう中国課税財産の間接譲渡に該 当するか否かを判断するために、当該取引の実質を分析する必要がある。 ※取引の報告※ 698 号通達にあった間接譲渡取引の報告に係る要求は、7 号公告によって大きく変更された。  義務的な報告から自主的な報告への変更 698 号通達では、一定の要件を満たす間接譲渡取引は中国の税務機関に報告しなければな らないとされていたが、7 号公告ではどのような間接譲渡取引に対してもそのような報告義 務は課せられていない。代わりに、関連の当事者は間接譲渡取引を中国の税務機関に報告す るか否かを自ら選択することができる。  取引の報告者の範囲の拡大 698 号通達では、間接譲渡を行う国外投資者(実際の支配者)、即ち譲渡者である非居住者企 業のみに対して取引の報告義務を課していたが、7 号公告の規定によれば、取引の当事者双 方及び持分が間接的に譲渡される中国居住者企業はいずれも中国の税務機関に間接譲渡取引 について報告することができる。また、7 号公告では、中国の税務機関は中国課税財産の間 接譲渡取引の当事者双方、持分を間接的に譲渡される中国居住者及び取引のプランニングに 関与したものに対して、間接譲渡取引に関する資料の提出を求めることができると規定され ている。 ※合理的な事業目的の判断※ 698 号通達と比べ、7 号公告では「合理的な事業目的」の判断に関するより詳細な指針が与 えられている。7 号公告では、「合理的な事業目的」の有無を判断する際に考慮すべき要素 を列挙し、特定の状況がある場合には直接に「合理的な事業目的がない」と認定する旨を規 定する一方、グループ内再編に適用されるセーフハーバールールについても規定している。  考慮すべき要素 合理的な商業目的の有無に対する判断は、中国課税財産の間接譲渡取引と関連する全ての 手配を全体的に考慮し、実際の状況と結び付けて以下の関連要素を総合的に分析しなければ ならない。  国外企業持分の主要な価値が直接的もしくは間接的に中国課税財産に由来しているか否 か

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5  国外企業の資産が主に直接的もしくは間接的に中国国内での投資により構成されている か否か、又はその所得収入が主に直接的もしくは間接的に中国国内を源泉としているか 否か  国外企業及び直接的もしくは間接的に中国課税財産を所持する傘下企業が実際に履行し ている機能及び引受けているリスクが企業構造に経済的な実質を有していることを証明 することができるか否か  国外企業の株主、業務形態及び関連組織構造の存続期間  中国課税財産の間接譲渡取引における国外での所得税納付状況  持分譲渡側による中国課税財産の間接投資、間接譲渡取引と中国課税財産の直接投資、 直接譲渡取引との代替可能性  中国課税財産の間接譲渡に係る所得に対して中国で適用される租税条約もしくは協定の 状況  その他の関連要素  合理的な事業目的がないと直接認定される取引 中国課税財産の間接譲渡と関連する全体のスキームが同時に以下の状況に該当している 場合、合理的な商業目的を有しないと直接に認定される。  国外企業の持分の 75%以上の価値が直接的もしくは間接的に中国課税財産に由来してい る場合。  中国課税財産の間接譲渡取引発生前 1 年のいかなる時点においても、国外企業の資産総 額(現金を含まない)の 90%以上が直接的もしくは間接的に中国国内での投資により構 成されている、又は中国課税財産の間接譲渡取引発生前 1 年以内に、国外企業の所得収 入の 90%以上が直接的もしくは間接的に中国国内を源泉としている場合。  国外企業及び直接的もしくは間接的に中国課税財産を所持する傘下企業が所在国家(地 域)で登記・登録し、法律の要求する組織形式を満たしているが、実際に履行している 機能及び引受けているリスクが限定的であり、それが経済的実質を有していると証明す るのに十分でない場合。  中国課税財産の間接譲渡取引により国外で納付する所得税の税負担が、中国課税財産の 直接譲渡取引により中国で負う可能性がある税負担を下回っている場合。 ※グループ内再編に係るセーフハーバールール※ 7 号公告には、適格のグループ内再編に係るセーフハーバールールについて規定している。 それは中国課税財産の間接譲渡が同時に以下の条件に合致している場合、合理的な商業目的 を有すると認定され、中国においては企業所得税は課さない。  取引当事者双方の持分関係が、以下のいずれかに該当する場合  持分譲渡側が直接的もしくは間接的に持分譲受側の 80%以上の持分を保有している こと。  持分譲受側が直接的もしくは間接的に持分譲渡側の 80%以上の持分を保有している こと。  持分譲渡側及び持分譲受側が同一支配者により直接的もしくは間接的に 80%以上の 持分を保有していること。

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6 国外企業の持分の 50%以上(50%を含まない)の価値が直接的もしくは間接的に中国国 内の不動産に生じたものである場合、上記持分保有割合の要件は 100%となる。  今回の間接譲渡取引の後に再度発生する可能性のある間接譲渡取引に係る中国での所得 税負担が、今回の間接譲渡取引が発生しなかった場合の同じまたは類似の間接譲渡取引 と比べて減少しないこと。  持分の譲受側が持分取引の対価を全て、自社又はこれと支配関係を有する企業の持分 (上場企業の持分を含まない)をもって支払うこと。 ※税金の源泉徴収または納付を行わない場合※ 7 号公告では、698 号通達の下で議論が生じた 2 つの問題について明らかにしている。取引 の当事者が税金の源泉徴収義務を負うか否かということと、間接譲渡に係る税金の利息をど のように計算するかということである。 7 号公告では、対価の支払者に源泉徴収義務を課している。殆どのケースにおいては、持 分譲受者が支払者となる。7 号公告の第 8 条では、「不動産の間接譲渡に係る所得或いは持 分の間接譲渡に係る所得について、本公告の規定に従って企業所得税を納付しなければなら ない場合、関連の法律規定或いは契約の約定に基づき、持分の譲渡者に対して直接に関連の 金額を支払う義務を負う組織或いは個人が源泉徴収義務者となる」と規定している。 第 8 条では同時に、源泉徴収義務者が源泉徴収をせず、持分の譲渡者も納税額を納付しな い場合、所轄税務機関は税務徴収管理法及び同実施細則の関連規定に基づき、源泉徴収義務 者の責任を追及できると規定している。即ち、源泉徴収義務者が源泉徴収すべき税額を源泉 徴収しない場合、税務機関は源泉徴収義務者に対し、未納税額の 50%以上 3 倍以下の罰金を 課すことができる。但し、第 8 条によれば、間接譲渡取引において、源泉徴収義務者が持分 譲渡契約書あるいは協議書の締結日から 30 日以内に、規定に従って取引の資料を提出した場 合には、源泉徴収義務者の責任は軽減又は免除される可能性がある。 7 号公告では、持分の譲渡者が中国課税財産の間接譲渡に係る所得に対して納付すべき税 額を期限までに納付せず、或いは不足があり、源泉徴収義務者も源泉徴収をしていない場合、 持分の譲渡者に利息を課す旨を明らかにしている。持分の譲渡者が中国国外企業の持分の譲 渡契約書或いは協議書の締結日から 30 日以内に、規定に従って取引の資料を提出するか、或 いは規定に従って申告納税を行った場合、基準利率に基づき利息が計算される。一方、規定 に従って資料を提出しないか、申告納税を行っていない場合、基準利率に 5%を加えた利率 で利息が計算される。ここでいう基準利率とは、税額の帰属する納税年度に中国人民銀行が 公布した、追加納税期間と同期間の人民元貸付の基準利率である。

まとめ

7 号公告は中国課税財産の間接譲渡に係る税務処理について、包括的な指針を提供するも のであり、間接譲渡取引に対する中国の税務機関の徴税管理実務を改善すると共に、納税者 にとっての確実性を高めるものである。中国課税財産の間接譲渡を過去に行ったが、まだ税 務処理を行っていない取引の各当事者、および中国課税財産の間接譲渡を今後行おうとして

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7 いる投資者は、本公告の内容を理解した上で、当該公告が取引に与える影響、例えば、何ら かの措置を講じる必要があるか、財務諸表での開示又は引当計上の必要性に関する検討を考 慮する必要がある。

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