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Academic year: 2021

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§6 職場のハラスメント

-だれもが安心して働ける職場-

1 職場におけるセクシュアルハラスメント(セクハラ)

(1)セクシュアルハラスメントとは、「性的嫌がらせ」を意味しますが、職場における セクシュアルハラスメントとは、「労働者の意に反する性的な言動に対するその労働 者の対応により、解雇、降格等、労働条件について不利益を受けたり、就業環境が害 されたりすること」をいいます。 事業主、上司、同僚に限らず、取引先、顧客、患者及び学校における生徒等もセク シュアルハラスメントの行為者になり得ます。同性に対するものも含まれます。 また、被害を受けた方の性的指向(恋愛・性愛に関する性別の対象)又は性自認(性 別に関する自己意識)にかかわらず、受け手の意に反する性的言動であればセクシュ アルハラスメントに該当します。職場においても、性の多様性について理解を深める ことが必要です。 職場におけるセクシュアルハラスメントの防止 セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、マタニティハラスメントなど、職場 におけるハラスメント(いじめ・嫌がらせ)が社会的に問題になっています。 こうした職場のハラスメントは、働く人たちの人格や尊厳の侵害につながる問題であ り、放置すれば、職場にも重大な影響を与える問題となっています。もし、ハラスメント を受けた時は、まずは気持ちを整理して冷静になることが必要です。次に、一人で抱え込 むことのないように信頼できる上司や先輩の方に相談し適切なアドバイスを求めること が考えられます。職場で相談できなければ、公的な機関に相談して対応策を考えましょう。 L:レズビアン(Lesbian):同性を好きになる女性 G:ゲイ(Gay):同性を好きにな る男性 B:バイセクシュアル(Bisexual):異性を好きになることもあれば、同性を好 きになることもある人 T:トランスジェンダー(Transgender):出生時に決定された 性(からだの性)とは異なる性を自認する人 ・各語の頭文字をとって「LGBT(エル・ジー・ビー・ティ)」と表現されています。 ・LGBT以外にも、「好きになる相手の性別」や「自身の性別の認識」がはっきりしな い人や揺れ動く人、あるいはそれらを持たない人もいます。 ・LGBTはこれらの人々も含む性的マイノリティ(少数者)の総称としても使われてい

性の多様性について理解を深めよう!

~性的マイノリティと LGBT~

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(2)職場におけるセクシュアルハラスメントは、労働者の個人としての尊厳を不当に傷 つける社会的に許されない行為であるとともに、労働者の能力の発揮を妨げ、また、 企業にとっても職場秩序や業務の遂行を阻害し、社会的評価に悪影響を与えかねない 問題です。 (3)事業主には、職場におけるセクシュアルハラスメントの防止に関して雇用管理上必 要な措置を講ずることが義務付けられています。 【男女雇用機会均等法第 11 条】

2 セクシュアルハラスメントの典型例

■事務所の中で事業主が労働者に対して性的な関係を要求したが、拒否されたため、 その労働者を解雇すること。 ■事務所の中で上司が労働者の腰、胸などに触ったため、その労働者が苦痛に感じて 就業意欲が低下していること。 ■事務所内にヌードポスターを掲示しているため、労働者が苦痛に感じて業務に専念 できないことなど。

3 セクシュアルハラスメントの被害にあったら

職場のセクシュアルハラスメントは、決して加害者・被害者だけの問題ではありませ ん。人権問題・職場環境の問題として捉え、行動しましょう。 ※具体的な行動例 ①できる限り、相手に対して「NO!」の意思を示す(ただし、「NO!」と言えな くても自分を責めないでください)。 ②受けたセクシュアルハラスメントの言動を記録に残す。 ③記録をもとに、まず、気持ちを整理する。 ・気持ちの整理ができないときは、無理に行動する必要はありません。 ・大切なことは、あなたが元気になることです。 ・あなたが悪い訳ではありません。自分を責めたり、 会社を辞める必要はありません。 ④信頼できる人に相談する。 ⑤社内の相談窓口に相談する。 ⑥外部の機関に相談する。

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4 セクシュアルハラスメントを起こさないために

職場のセクシュアルハラスメントを起こさないためには、まず、職場に不必要な性的 な関心・事柄を持ち込まないこと、お互いの人格を尊重し、大切な仕事のパートナーで あるという意識を持つことが求められます。また、普段からコミュニケーションを育み、 全員が風通しのよい職場環境作りを心がけることが大切です。 その上で、基本的な心構えとして、次のような点に気をつけましょう。 ⓵ セクシュアルハラスメントにあたるかどうかは、相手がどう感じるかが重要で あること。 ② 相手が拒否し、または嫌がっていると感じたら、すぐにやめること。 ③ 相手が必ず、「NO!」と言えるとは限らないこと。 ④ 自分の言動が、「相手が望まない性的なもの」にあたるかどうか判断できない場 合は、自分の大切な人(親、配偶者、兄弟姉妹、恋人等)が、同じような言動を 受けても「気にするな、たいしたことではない」と言えるかどうかを基準に考え てみましょう。

1 職場におけるパワーハラスメント(パワハラ)

職場におけるパワーハラスメントとは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位 や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体 的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為」をいいます。 【平成24 年1 月 厚生労働省 職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告】

2 パワーハラスメントの行為類型

(1)パワーハラスメントの行為類型 厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する 円卓会議ワーキング・グループ報告」では、職場のパワ ーハラスメントの行為類型として、下記の 6 種類が示さ れています。 ①身体的な攻撃 暴行・傷害 ②精神的な攻撃 脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言 職場におけるパワーハラスメントの防止

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③人間関係からの切り離し 隔離・仲間外し・無視 ④過大な要求 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害 ⑤過小な要求 業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じること、仕事 を与えないこと ⑥個の侵害 私的なことに過度に立ち入ること (2)行為類型の考え方 (1)の①は、業務の遂行に関係するものでも「業務の適正な範囲」に含まれません。 ②と③は、原則として「業務の適正な範囲」を超えると考えられます。 ④~⑥は、何が「業務の適正な範囲」を超えるかは業種や企業文化の影響を受け具体 的な判断も行為が行われた状況や行為が継続的であるかどうかによって左右される部分 があるため、各企業・職場で認識をそろえ、その範囲を明確にすることが望ましいです。

3 「これって、パワハラ?」と思ったら

悩んでいる人は、まずは、周りの人に相談しましょう。会社の人に相談しにくい場合 は、公的な機関に相談しましょう。周りの人も、パワーハラスメントを受けている人が いたら、孤立させずに声をかけてください。 ただし、あなたがイヤだと感じた上司や先輩からの言動がすべてパワーハラスメント になるということではありません。仕事を進める上で上司 や先輩からの命令や指導を受けることは普通のことです。 叱られたり、厳しい口調で指導されたりすることがあるか もしれません。そのときは、なぜ自分が叱られるのかとい うことを考えて、きちんとコミュニケーションを取りなが ら仕事をしていきましょう。

4 パワーハラスメントをなくすために

パワーハラスメントにより、労働者が仕事への意欲や自信を失ったり、心の健康の悪 化を招いたりすることがあります。トップの姿勢や上司の指導なども重要ですが、職場

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の一人ひとりの取り組みも重要です。 職場とは、好みや考え方の違う多くの人が集まって仕事を進めるところです。みんな で気持ち良く仕事をしていくことができるよう、上司、先輩、同僚など職場で働くすべ ての人たちが「人の嫌がることを『しない』『言わない』こと」を基本に、より良い人間 関係とコミュニケーション作りに努めていくことが大切です。

1 妊娠・出産、育児休業、介護休業等に関するハラスメント

妊娠・出産、育児休業、介護休業等に関するハラスメントとは、職場において行われる 上司・同僚からの言動(妊娠・出産したこと、育児休業や介護休業その他の子の養育又は 家族の介護のための制度の利用に関する言動)により、妊娠・出産した女性労働者や、育 児休業や介護休業を申出・取得した男女労働者や、その他子の養育又は家族の介護のため の制度等を申出・利用した男女労働者の就業環境が悪くなることをいいます。こうしたこ とを防止するため、法律では、事業主の雇用管理上必要な措置が規定されています。 事業主は、妊娠・出産、育児休業、介護休業等に関して、上司や同僚がハラスメント行 為を行うことがないよう、雇用管理上必要な措置を講じなければなりません。 【男女雇用機会均等法第 11 条の2、育児・介護休業法第 25 条】

2 妊娠・出産等に関するハラスメントの内容

① 制度等利用への嫌がらせ型 妊娠、出産等に関する制度又は措置の利用に関する上司や同僚の言動によって就業環境 が悪くなるもので、たとえば、「産前休業を取得したいと上司に相談したら、『休みを取る なら辞めてもらう』と言われた」、「妊婦健診のために休暇を取得したいと上司に相談した ら、『病院は休みの日に行くものだ』と休暇を請求しないように言われた。」、「『短時間勤務 を取るのは迷惑』と繰り返し言われた」など、解雇その他不利益な取り扱いを示唆するも のや、制度等の利用を阻害したり、利用したことに対して嫌がらせ等をするものがこれに あたります。 ② 状態への嫌がらせ型 妊娠又は出産に関する上司や同僚の言動により就業環境が悪くなるもので、たとえば、 妊娠・出産、育児休業、介護休業等に関するハラスメントの防止

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「妊娠したことを報告したら、上司から『正社員からパートになれ』、『他の人を雇うので 辞めてもらうしかない』と言われた」、「先輩や同僚から『就職したばかりのくせに妊娠し て、産休・育休を取ろうなんて図々しい』、『こんな忙しい時期に妊娠するなんて』と何度 も言われて就業意欲が低下した」など、解雇その他不利益な取扱いを示唆するものや、妊 娠等をしたことに対して嫌がらせ等をするものがこれにあたります。

3 育児休業、介護休業等の利用に対するハラスメントの内容

育児休業や介護休業等の制度等の利用に関する言動により就業環境が悪くなるもので、 たとえば、「『男が育児休業なんてとるのか、人事考課で減点するぞ』と言われ、制度を利 用させてもらえなかった」、「介護休業について請求する旨を周囲に伝えたところ、同僚か ら『自分なら請求しない。あなたもそうすべき。』と言われた。『でも自分は請求したい』 と再度伝えたが、再び同じような発言をされ、取得をあきらめざるを得なくなった」、「育 児による短時間勤務をしていたら、同僚から『あなたが早く帰るせいで、まわりは迷惑し ている』と何度も言われ、精神的に苦痛を感じている」など、解雇その他不利益な取扱い を示唆するものや、制度の利用申出や利用を阻害すること、制度を利用したことにより嫌 がらせ等をするものがこれにあたります。

4 妊娠・出産、育児休業、介護休業等に関するハラスメント防止のために

事業主は下記の事項を明確化し、労働者に周知・徹底する義務があります。また、ハ ラスメント事案が生じた場合には、適切に対応する必要があります。 具体的には、 ア 妊娠、出産等ハラスメントの内容およびハラスメントを防止する方針を作成する イ 行為者には厳正に対処する旨の方針と対処内容を明確にする ウ 相談窓口を設置する エ プライバシー保護、相談等を行ったことによる不利益取扱いを行わない旨を周知する また、妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント事案の解決を図るため、 「都道府県労働局長による紛争の解決の援助」や「調停会議による調停」が設けられて います。【男女雇用機会均等法第 17 条、第 18 条、育児・介護休業法第 52 条の4、 第 52 条の5】

参照

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