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図 表 18-2 就 業 者 失 業 者 数 失 業 率 の 推 移 ( 百 万 人 ) 140 失 業 者 数 ( 左 軸 ) 就 業 者 数 ( 左 軸 ) 120 失 業 率 ( 右 軸 ) % 16% 14% 12% 80 6

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第18章 労働事情

1.労働法の体系

インドネシアにおける主な労働法制としては、雇用関係については 2003 年制定の労働に 関する法律および 2000 年制定の労働組合に関する法律があり、社会保険関係については 1992年制定の労働者の社会保障に関する法律および 1992 年制定の年金基金に関する法律、 労働紛争関係については 2004 年制定の労使紛争解決法がある。

2.労働市場と雇用情勢

(1) インドネシアの労働市場 インドネシアの人口 2 億 3,760 万人(2010 年の国家統計局国勢調査)のうち、15 歳以上 の人口は 1 億 7,207 万人(約 72.4%)である。15 歳以上人口のうち、労働力人口は 1 億 1,653 万人(約 67.7%)で、さらに労働力人口のうち、就業者は 1 億 821 万人(約 92.9%)であ る(図表 18-1)。2010 年頃より日系企業の進出は大幅に増加傾向にあるものの、労働力は 依然として豊富である。2010 年の失業率は 7.1%(失業者数は 832 万人)と高いが、2005 年以降、徐々に低下している(図表 18-2)。 図表 18-1 インドネシアの労働力構成(2010 年時点) 総人口:2億3,760万人 15歳以上人口:1億7,207万人(約72.4%) 6,557万人(約27.6%)15歳未満人口: 労働力人口:1億1,653万人(約67.7%) 5,554万人(約32.3%)非労働力人口: 就業者:1億821万人(約92.9%) 失業者:832万人(約7.1%) (注) 総人口は 2010 年の暫定数字。それ以外は、2010 年 8 月時点。末尾の桁四捨五入。単位:人。 (出所)国家統計局「National Labour Force Survey 2010」より作成

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図表 18-2 就業者・失業者数、失業率の推移 11.9 10.9 10.0 9.4 9.0 8.3 108.2 104.9 102.6 99.9 95.5 94.0 7.14% 7.87% 8.39% 9.11% 11.24% 10.28% 0 20 40 60 80 100 120 140 05 06 07 08 09 10 (暦年) 0% 2% 4% 6% 8% 10% 12% 14% 16% 18% 失業者数(左軸) 就業者数(左軸) 失業率(右軸) (百万人)

(出所)国家統計局「National Labour Force Survey 2005,2006,2007,2008,2009,2010」より作成

(2) インドネシアの就業構造 就業者の産業別構成比(2011 年)をみると、農林水産業(3,933 万人)が 35.9%と最大で、 卸・小売、レストラン、ホテル業(2,340 万人、21.3%)、コミュニティー、社会・個人サー ビス業(1,556 万人、15.2%)、製造業(634 万人、13.3%)が続く(図表 18-3)。時系列で みると、農林水産業の比率が減少し、コミュニティー、社会・個人サービス業の割合がや や増加傾向にある(図表 18-4)。 図表 18-3 就業者の産業別構成(2011 年 8 月) 製造業 13.3% コミュニ ティー、社会・ 個人サービス 15.2% 卸・小売、レス トラン、ホテル 21.3% 農林水産業 35.9% 輸送・通信業 4.6% 建設業 5.8% 電力、ガス、水 道 0.2% 鉱業、採石業 1.3% 金融、保険、 不動産、ビジ ネスサービス 2.4%

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図表 18-4 産業別構成比の推移 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45% 50% 04 05 06 07 08 09 10 11 (暦年) 農林水産業 卸・小売、レストラン、ホテル コミュニティー、社会・個人サービス 製造業 建設業 輸送・通信業

(出所)国家統計局「National Labour Force Survey 2004,2005,2006,2007,2008,2009,2010,2011」より作成

(3) インドネシアの雇用情勢 インドネシアでは、労働人口は潤沢であり、一般ワーカーの採用は企業の「買い手市場」 である。一般ワーカーの採用にあたっての問題は特に生じていない。一方、優秀なエンジ ニアやスタッフの採用はそれほど容易ではない。インドネシアでは、就業人口に占める大 学卒業者の比率が 5%と低く、約 5 割が小学校で教育を終了している(中退を含む)。専門 的な基礎知識・技術を有する人材が少なく、その上、企業間での引き抜きや、より良い条 件を求めてのジョブ・ホッピングも多く、確保は容易とは言えない。 インドネシアでは新卒のスタッフ採用は一般的ではないといわれるが、日系企業へのヒ アリングでは、スタッフの採用にあたっては、大学の新卒を採用している、との声も聞か れた(採用方法については、「4. 雇用関係 (2) 従業員の採用」を参照)。また、現地スタッ フへの将来の事務移管を目指して、日本語のできる優秀な人材の採用を積極的に行う例も ある。

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図表 18-5 就業者の学歴別構成(2011 年 2 月時点) 短期専門課程 3% 職業専門高等 学校 9% 高等学校 15% 小学校(中退 者を含む) 49% 中学校 19% 大学 5% (出所)国家統計局資料(No.33, 2011, May 5)より作成

3.賃金

(1) 賃金に関する法制度 賃金に関する法令には、労働法(2003 年第 13 号)のほか、時間外労働と時間外労働手当 に関する労働移住大臣令 KEP-102/MEN/VI/2004、最低賃金の決定方法を定めた同大臣令 PER-1/MEN/1999および KEP-226/MEN/2000、最低賃金設定の根拠となる最低生活費につい て定めた同 PER-17/MEN/VIII/2005 などがある。 労働法では、同一労働に対する同一賃金の適用を定めており、性別や人種、宗教等での 賃金差別を禁止している。賃金は解雇時の解雇手当および退職金の算出の基準となり、基 本給のほか家族手当、交通費、食事手当、残業代等を含む。また、賃金のうち 75%以上が 基本給でなくてはならないことが労働法で定められている。 このほか、通貨危機後の民主化と地方分権の動きを反映して、最低賃金は地方別に決定 されることが法令で規定されており、さらにこの地方別最低賃金を基にして地方ごとの産 業分野別の最低賃金が決定される。なお、この産業別最低賃金は地方別最低賃金よりも 5% 以上高くなくてはならない。 (2) 平均的な賃金水準 2010年の全産業平均の賃金水準は月額 121 万ルピアで、全産業セクターにおいて近年上 昇傾向にある。主要産業について見ると、金融(204 万ルピア)や電気・ガス・水道(172 万ルピア)などは平均水準を大きく上回る一方、製造業(114 万ルピア)は平均水準を若干 下回り、また農林水産業(59 万ルピア)も全産業平均の半分以下の水準となっている。

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図表 18-6 主要産業における平均賃金の推移(月額) 0 5 10 15 20 25 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 (暦年) 全産業平均 農林水産業 製造業 電力・ガス・水道 金融等 (10万ルピア) (出所)労働・移住省統計より作成 (3) 周辺諸国との賃金比較 ジャカルタの賃金水準を周辺諸国の主要都市と比較してみると、ホーチミンやヤンゴン より高くバンコクやクアラルンプールより安い程度である。また、前年比ベースアップ率 (製造業)は 2011 年が 9.0%、2012 年が 9.6%と高水準で推移している。ジャカルタの賃金 上昇は、バンコクやマニラ、プノンペンと比較すると高い水準にある。一方、進出企業に とって賃金の上昇が大きな問題となっている中国(上海)や、中国同様、近年労働者の確 保が難しくなってきているベトナム(ホーチミン)と比較すると低い水準にとどまってい る。 図表 18-7 周辺諸国との平均賃金比較 (単位:月額、ドル) 2010->2011 2011->2012 香港 1,522 2,004 3,735 3.9 3.8 シンガポール 1,252 2,239 3,710 4.1 3.9 上海 311 609 1,096 12.9 11.4 ムンバイ 306 619 1,291 13.5 12.8 クアラルンプール 298 878 1,684 4.7 4.5 バンコク 263 588 1,423 5.3 6.0 マニラ 236 388 1,012 5.6 5.3 ジャカルタ 186 357 854 9.6 9.0 ホーチミン 114 265 641 16.8 17.1 プノンペン 101 363 416 7.8 6.2 ダッカ 54 125 428 14.8 10.5 ヤンゴン 41 95 238 9.9 12.2 製造業 前年比ベースアップ率(%) 都市 (一般工職)ワーカー (中堅技術者)エンジニア (課長クラス)中間管理職 (出所)第 21 回アジア・オセアニア主要都市/地域の投資関連コスト比較(2010 年 8~9 月ジェトロ実施) より作成

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4.雇用関係

(1) 労働規制 インドネシアでは、1990 年代後半から労働関連法の整備が進められている。1997 年 10 月に制定された改正労働法は、労使双方からの反対の声により施行が凍結され、2002 年 9 月に廃止された。それに代わる法律案として 2003 年 3 月に労働に関する法律が公布された。 さらに、2004 年には労使紛争解決法が制定された。 新労働法は労働民主化と評され、雇用、賃金、ストライキ、解雇、退職金などを規定し、 労働関連各法規の基本法と位置付けられている。労働者保護に重点を置いた内容となって おり、企業にとって労働問題が大きな課題となっている。2006 年 3 月に発表された「投資 環境改善のための政策パッケージ」では同年 4 月を期限に労働法改正案の国会提出が目指 された。しかし、労働法改正に向けて開催された政労使三者協議では、労働者保護に関す る規定の多くが削除されていることに労働団体側が反発。労働法改正に反対する労働団体 のデモが 3 月以降各地で頻発し、労働法改正案の国会提出は延期された。政府は、引き続 き政労使三者協議による法改正の検討を進めていく方針であるが、労働団体は、労働法の 改正は労働者の権利の縮減につながるとして、2006 年以降も継続して不参加の姿勢を示し ている。 (2) 従業員の採用 一般ワーカーの採用は、新聞広告・自社ホームページ・工場門扉での求人掲載や、人材 会社の利用、学校での求人などさまざまな方法で募集が行われている。採用形態では、当 初は契約社員として採用し、優秀な人材を社員として採用するケースが多い。なお、契約 社員としての契約更新は 1 回のみ認められており、さらに継続して雇用する場合には、正 社員として採用しなければならない。 一方、スタッフやエンジニアについては、当初から正社員として採用する企業が多い。 採用にあたっては、人材会社や自社ホームページ等での募集に加え、既存スタッフ社員か らの紹介や、閉鎖・撤退した企業のスタッフ経験者の採用などが行われている。 外資企業には原則としてインドネシア人従業員の雇用が義務付けられており、外国人の 採用には制限がある(詳しくは「9.外国人就労規制と労働許可の取得」参照)。さらに、 地域によっては、従業員の一定以上を域内居住者から採用することを求める通達が出され る場合もあるようである。

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(3) 従業員の解雇 通常、被雇用者には 3 ヵ月間の試用期間が与えられ、その期間内に不十分な点が見つか った場合は、解雇することができる。試用期間経過後の解雇の前には、書面による警告を 3 回行うことが通例である。また、窃盗やその他の犯罪のような深刻な違反が合った場合に は、警告なしで解雇することも可能である。警告は、 ①1 回目の警告後、6 ヵ月間 ②2 回目の警告後、9 ヵ月間 ③3 回目の警告後、12 ヵ月間 が経過すると無効になる。 業務の効率化のために従業員を解雇する場合、従業員は以下の退職金を受ける権利が与 えられる。ただし、自発的に退職した被雇用者には、退職金を受ける権利はない。以下の 退職金を受ける権利は、労働法に基づくものである。 退職金 = A × 2 + B + 費用 勤務期間 A B 1年未満 給料1ヵ月分 なし 1年以上2年未満 給料2ヵ月分 なし 2年以上3年未満 給料3ヵ月分 なし 3年以上4年未満 給料4ヵ月分 給料2ヵ月分 4年以上5年未満 給料5ヵ月分 給料2ヵ月分 5年以上6年未満 給料6ヵ月分 給料2ヵ月分 6年以上7年未満 給料7ヵ月分 給料3ヵ月分 7年以上8年未満 給料8ヵ月分 給料3ヵ月分 8年以上9年未満 給料9ヵ月分 給料3ヵ月分 9年以上12年未満 給料9ヵ月分 給料4ヵ月分 12年以上15年未満 給料9ヵ月分 給料5ヵ月分 15年以上18年未満 給料9ヵ月分 給料6ヵ月分 18年以上21年未満 給料9ヵ月分 給料7ヵ月分 21年以上24年未満 給料9ヵ月分 給料8ヵ月分 24年以上 給料9ヵ月分 給料10ヵ月分 費用は、以下の金額の合計となる。 (a)未消化の有給休暇分の給料 (b)従業員およびその家族が当初の勤務地に帰宅するための旅費 (c)住宅費および医療費として解雇手当(上記 A)および長期勤務手当(上記 B)の 15%に相 当する金額 (d)その他雇用契約、就業規則又は労働協約により定められた金額

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給料は、原則として過去 3 ヵ月の平均金額であるが、ボーナス等により変動する場合に は過去 12 ヵ月の平均金額となる。 インドネシアは労働法が厳しく、一旦正社員として採用すると、解雇することが容易で なく、またそのためのコストもかなり大きい。そのために、企業によっては、従業員の半 分程度を契約社員(コントラクトワーカー)として採用し、景気変動による影響を調整し ているところが多い。 契約社員の定義(雇用期間に限定がある社員)、就業可能業務、就業時間、賃金などは、 労働法(2003 年 3 月)に規定されている。2 年以内の期間で契約を結び、最長 1 年の契約 期間の変更(契約期間の変更は 1 回のみ可能である。)あるいは、最長 2 年の更新が認めら れているため、合計で最長 4 年間まで契約社員として就業することが可能である。なお、 就業可能業務や契約期間に関する規制に企業側が違反した場合、契約社員は、期間の定め がない正社員となる。

5.労働条件

インドネシアでは、労働組合と雇用者が自主的かつ自由に交渉を行い、賃金や雇用条件 に関して団体協約を結ぶことができる。このような協約は政府の認可を受けなければなら ず、最長 2 年まで有効であり、1 年間の延長も可能である。 【主要就労規制】 ①賃金: ・固定手当を含む基本給は、その地域の最低賃金を下回ってはならない。 ②就業時間: ・週 5 日の場合、1 日 8 時間以内、週 40 時間以下。 ・週 6 日の場合、1 日 7 時間以内、週 40 時間以下。 ・超過勤務は、労働者の同意を得て、1 日 3 時間以内、週 14 時間以下。 ③休日: ・法律で定める有給休暇のほか、忌引、結婚休暇、病休、出産休暇、国 民の義務や宗教的な義務を果たすための休暇。 ④解雇: ・個人解雇の場合は地方委員会、大量解雇の場合は中央委員会の許可が 必要。 ⑤退職金・慰労金等: ・勤続年数に応じた退職金、慰労金などの支払い。

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6.社会保険

インドネシアの社会保険には、以下のものがある。 ①労働者災害保険 ②死亡保険 ③老齢保険 ④健康保険 老齢保険には、本人の自己負担分(給与の 2%)と、雇主負担分(給与の 3.7%)がある が、労働者災害保険、死亡保険、健康保険は、自己負担はなく、すべて雇主が負担する。 労働者災害保険の負担率は、月給の 0.24~1.74%(業種により負担率が異なる、全額雇用 主負担)、死亡保険の負担率は、月給の 0.3%(全額雇用主負担)、健康保険の負担率は、独 身者の場合月給の 3%、既婚者の場合月給の 6%(全額雇用主負担)となっている。 企業負担分の合計は、最大で 3.7+1.74+0.3+6 で、月給の 11.74%となる。

7.労使関係

(1) 労働組合・労使紛争 インドネシアでは、長い間、労働組合の設立が規制されていたが、1998 年 6 月、政府が ILO87号条約(結社の自由および団結権の保護条約)を批准し、労働組合の設立を自由化し た。すべての従業員は、労働組合を結成し、労働組合の組合委員となる権利を有する。労 働組合は、10 名以上の労働者が加入することにより、結成することができる。その結果、 現在では SPSI(全インドネシア労働組合総連合)をはじめ、多数の労組が設立・登録され ている。 ストライキ発生件数は、最低賃金の大幅な引き上げ実施により、労働者の生活環境が改 善されたことから、経済安定化に伴って減少傾向にあった。2005 年には、発生件数は 96 件 となり、100 件を下回る水準まで低下した。しかし、最低賃金や賃上げなどの賃金に関する 事項および労働者社会保障などの福利厚生に関する事項を原因として再び増加傾向にあり、 2011年には 302 件となっている。

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<ストライキの発生件数と参加人数> 1990 1995 2000 2005 2009 2010 2011 ストライキ数(件) 61 276 273 96 149 192 302 参加人数(1,000 人) 31 127 126 56 94 126 102 (出所)労働・移住省、ILO 資料より作成 (2) その他 インドネシア国民の約 90%がイスラム教徒であり、1 日 5 回のお祈りが義務付けられて いる。そのため、就業時間内に少なくとも 2 度のお祈り時間を考慮しておく必要がある。1 回あたりのお祈りの時間は約 10~15 分である。

8.労使紛争の解決

インドネシアにおいては、2004 年に制定された労働裁判所および労働事件訴訟法に基づ き、労働関係に関する紛争は以下の 4 種類に分類される。 ①権利に関する紛争:法規、雇用契約、就業規則または労働協約の解釈および適用に関 する相違の結果として生じる、権利が認められていないことを主張する紛争 ②利害に関する紛争:雇用契約、就業規則または労働協約において定められた雇用条件 に関する理解の不一致の結果として雇用関係において生じる紛争 ③雇用契約終了に関する紛争:雇用契約の当事者の一方による雇用契約の終了に関する 理解の不一致から生じる紛争 ④労働組合間の紛争:労働組合の加入者、権利および義務に関する、労働組合間の紛争 上記の労働紛争の解決のため、労働裁判所および労働事件訴訟法は、以下の 4 つの解決 方法を規定している。 ①調停:一人または複数の中立の調停人が立ち会い紛争解決を促す。上記 4 類型すべて で利用することができる。 ②和解:調停と同様に一人または複数の中立の立会人が立ち会い紛争解決を促す。利害 に関する紛争、雇用契約終了に関する紛争および労働組合間の紛争において利用する ことができる。 ③仲裁:当事者間の書面による仲裁合意に基づき、労働裁判所外で紛争の解決が図られ る。利害に関する紛争および労働組合間の紛争において利用することができる。 ④労働裁判所による裁判:地方裁判所内に設けられた特別裁判所であり、労働関係の紛 争すべてについて判断する権限を有する。

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9.外国人就労規制と労働許可の取得

(1) 労働法(2003 年 3 月 25 日付法律第 13 号)による規制 2003年 3 月 25 日付法律第 13 号にて制定された新労働法は、第 VIII 章第 42 条から第 49 条において、インドネシアにおける外国人労働者の就労について規定している ・ インドネシアにおける外国人の就労には労働・移住大臣等の許可が必要である。 ・ 外国人の就労は特定の役職および期間(注 1)に限られること、当該の外国人には役職 規定や能力基準(注 2)を遵守することが求められる。 (注 1)外国人の就労を制限する「特定の役職および期間」、外国人労働者が守るべき「役職規定や能力基 準」については、いずれも労働・移住大臣決定で詳細を規定。 (注 2)能力基準とは専門の知識や技術のほか、インドネシア文化に対する理解も指す。 (2) 外国人労働者雇用許可および暫定居住許可の取得 外資系企業は、原則としてインドネシア人労働者を雇用する義務があり、インドネシア 人では遂行できない管理職や専門職に限り、外国人の雇用が認められている。 インドネシアに外国人社員を派遣し就労させるためには、一時滞在ビザ(ビザ区分 312) (VITAS=Visa Tinggal Terbatas)の取得が必要である。一時滞在ビザの取得のためには、投 資調整庁(BKPM)からの外資進出の認可取得により、まず現地子会社の法人設立手続きの 完了が必要である。手続きの詳細は以下の通りである。 ①外国人雇用計画書(RPTKA=Manpower Plan)の提出と許可取得 インドネシアで事業を行う外国民間企業、政府プロジェクト実行法人、インドネシアの 法律に基づき設立された法人、社会・教育・文化あるいは宗教団体、興行サービス事業の ほか、各種駐在員事務所も RPTKA 取得が必要。 RPTKAの申請は、雇用主の身分、外国人従業員の役職/ポジション・賃金・雇用総人数・ 雇用期間、就労地、外国人従業員につくインドネシア人見習いの指名、インドネシア人労 働者の教育・訓練プログラム計画などについて記す。RPTKA 申請に際して必要な書類につ いては、第 11 章「2.その他の手続きとその際の必要書類」を参照。 申請された外国人従業員の雇用が 50 人以上ならば国内労働者育成・配置総局長が、50 人 未満ならば労働者提供・雇用局長が、RPTKA 承認書を発行する。 RPTKA承認書の有効期間は最高 5 年。国内労働市場の状況により、さらに同じ期間だけ の延長を認められる。 ②派遣者用ビザの発給申請と発給 雇用主は、上記の RPTKA 承認を得た後、そのコピーを含む申請書類を以って労働移住省 労働者配置総局にあて、赴任者用のビザ発行の前提となる労働省の推薦状(TA-01)発行を 申請。通常、1 営業日で発行される。労働移住省の推薦状は、原本が法務人権省入国管理総 局に送付されるとともに、写しが該当する赴任者に交付される。

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前記の推薦状が発行された後、雇用主は、同総局に赴任者の一時滞在ビザを申請する。 同ビザの発給許可が下ると、同総局から赴任者が一時滞在ビザの発給を希望する国に所在 するインドネシア公館にビザ(VTT)許可書が電送され、それを受信後、当該公館は赴任者 に現地入国可能な一時滞在ビザを発給するので、それを受ければ派遣者のインドネシア赴 任が可能になる。 また、雇用主は、赴任者の一時滞在ビの発給後、技術能力開発基金(DPKK)を、赴任者 1名あたり月 100 ドル、1 年分の場合は計 1,200 ドルを労働移住省指定銀行へ納付する必要 がある。 上記の DPKK の納付後、労働移住省に外国人労働者雇用許可(IMTA)を、さらに赴任者 居住予定地の入国管理事務所に暫定居住許可(KITAS)を同時に申請する。IMTA は申請後、 10から 15 労働日後(規定上は 3 労働日)に許可が発行され、KITAS は赴任者の入国の後 7 日以内に入国管理事務所に出頭し、本人署名や指紋押捺、写真撮影を済ませると、数日後 には発給される、ということが原則的に定められている。 有効期限が当面 1 年(延長可能)の KITAS および IMTA の双方を取得した後、赴任者は、 インドネシアでの就労が可能になるが、付帯的に、外国人着任報告 (LKOA)の提出や、 外国人登録証(POA)・住民登録(SKTT)・警察登録証明(通称イエローカード)等の取得 も必要である。 また、ジャカルタ在住の赴任者には、上記とは多少異なる登録手続きがあるので留意が 必要である。上記の一連の手続は、申請ごとに必要提出書類も多種で、煩雑な点が多々あ るため、信頼できる現地エージェント(日系会社もあり)に手続代行させることが賢明で ある。また手続の変更等は頻繁なので、そのつど関係機関に細部を確認されたい。

図表  18-2    就業者・失業者数、失業率の推移  11.9 10.9 10.0 9.4 9.0 8.3 108.2104.9102.695.599.994.0 7.14%7.87%8.39%9.11%11.24%10.28% 0 20406080100120140 05 06 07 08 09 10 (暦年)0%2%4%6%8%10%12%14%16%失業者数(左軸)18%就業者数(左軸)失業率(右軸)(百万人)
図表  18-4    産業別構成比の推移  0%5%10%15%20%25%30%35%40%45%50% 04 05 06 07 08 09 10 11 (暦年)農林水産業卸・小売、レストラン、ホテルコミュニティー、社会・個人サービス製造業建設業輸送・通信業
図表  18-5    就業者の学歴別構成(2011 年 2 月時点)  短期専門課程 3% 職業専門高等 学校 9% 高等学校 15% 小学校(中退者を含む)49% 中学校 19% 大学5% (出所)国家統計局資料(No.33, 2011, May 5)より作成  3.賃金  (1) 賃金に関する法制度  賃金に関する法令には、労働法(2003 年第 13 号)のほか、時間外労働と時間外労働手当 に関する労働移住大臣令 KEP-102/MEN/VI/2004、最低賃金の決定方法を定めた同大臣令 PER-1
図表  18-6    主要産業における平均賃金の推移(月額)  05 10152025 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 (暦年)全産業平均農林水産業製造業電力・ガス・水道金融等(10万ルピア) (出所)労働・移住省統計より作成  (3) 周辺諸国との賃金比較  ジャカルタの賃金水準を周辺諸国の主要都市と比較してみると、ホーチミンやヤンゴン より高くバンコクやクアラルンプールより安い程度である。また、前年比ベースアップ率 (製造業)は 2011 年が 9.0%、2012 年が 9

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  NACCS を利用している事業者が 49%、 netNACCS と併用している事業者が 35%おり、 NACCS の利用者は 84%に達している。netNACCS の利用者は netNACCS