4.都市づくりの目標と方針
4-1 都市づくりの基本理念
【基本理念の意味あい】
上田市は、歴史・文化・自然・産業などに恵まれた特色ある地域から成り立っており、各地域が個性 を発揮し、連携し合い、交流を促進しながら、相乗効果により市全体の魅力へと高めていきます。 菅平、美ヶ原などの雄大な高原や山々の緑、千曲川や依田川などの河川、農地の広がる田園風景な ど美しく豊かな自然、また、上田城跡、真田氏史跡をはじめ多くの歴史・文化を後世に伝え残し、都市 の風格を守り育てていきます。 上田市を形成するこうした多彩な要素に囲まれたまちを“ふるさと”として市民全体が誇りに思い ながら、市民以外のより多くの人々に理解され、活気にあふれた交流を生み出すとともに、住みつづ けていきたい、住んでみたいと感じられる生活快適都市を実現していきます。【美ヶ原高原からの眺望】
地域の個性が輝く生活快適都市“上田”
~魅力あるふるさと 活気ある交流 風格ただようまち~
地球環境への意識の高まりや人口減少及び少子高齢社会を迎え、さまざまな生活者にとって利便性 の高い拠点集約型の都市づくりが望まれます。このため、市街地の拡散を抑制し、豊かな自然環境を 保全しながら、公共施設等の立地が集中している各地域自治センター周辺への都市機能の集積や充実 を進め、地域の特色や個性を育みながら一体的かつ持続可能な都市として土地利用を展開します。ま た、都市活動の支えとなり、地域資源を効果的に連携させ市全体の魅力を高める、広域及び地域間を つなぐ道路網の充実を進めます。こうした計画的な生活基盤づくりによる「市全体の土地利用と地域 の利便性を高める都市」を目指します。 また、自然環境を市民の財産として大切に保全するとともに、歴史・文化などの地域資源とあわせて、 上田らしさを伝え残す風格のある景観の保全と育成を図ります。これらの地域資源を活かした、観光・ 交流の場の充実と連携によって、本市を訪れた皆様が上田全体の魅力を感じていただける観光都市づ くりを推進します。こうして、恵まれた地域資源を大切にし、人々の交流と賑わいの創出を図るため、 多彩な地域資源の有効活用と相乗効果による「人々の交流を育む都市」を目指します。 更に、だれもが安全で安心して生活できるように、さまざまな災害による被害をできる限り少なく するとともに、高齢者、障がい者などすべての人々が安全・快適に移動できる公共交通や歩行空間など の充実を進めます。市民の皆様が住み心地のよさを実感できるように、豊かな自然環境や歴史・文化資 源に調和した良好な住環境の保全・形成に取り組んでいきます。それらの取組によって、豊かな自然・ 文化にふれ合える「安全・快適に暮らせる都市」を目指します。 以上のような考え方を踏まえ、新たな都市づくりに向けた目標と、それを実現していくための方針 を次のように設定します。 (1)都市づくりの目標
4-2 都市づくりの目標と方針
都市づくりの目標2(P30~)多彩な地域資源の有効活用と相乗効果による
「人々の交流を育む都市」
都市づくりの目標 1(P19~)計画的な生活基盤づくりによる
「市全体の土地利用と地域の利便性を高める都市」
都市づくりの目標 3(P38~)豊かな自然・文化にふれ合える
「安全・快適に暮らせる都市」
地
域
の
個
性
が
輝
く
生
活
快
適
都
市
“
上
田
”
基本理念(2)目標に向けた方針
〈目標に向けた方針〉 (1)恵まれた地域資源を大切にする都市づくり(P30~) ■豊かな自然環境の保全と活用 ■上田らしさと地域の個性を伝える景観の保全と育成 ■みんなで守り育てる自然と景観 (2)人々が交流し、賑わいあふれる都市づくり(P34~) ■多彩な地域資源が相乗効果を発揮する観光・交流空間の充実 ■上田市の発展を支える産業基盤の充実 ■拠点集約型都市構造の実現に向けた拠点・エリアの形成 〈目標に向けた方針〉 (1)だれもが安全で安心して生活できる都市づくり(P38~) ■地域に安全をもたらす防災力の向上 ■拠点集約型都市構造の実現に向けた公共交通の充実 ■だれもが安全に安心して利用できる施設づくり (2)住み心地の良さを実感できる都市づくり(P43~) ■地域特性に応じた良好な住環境の保全・形成 ■憩いと潤いを感じられる緑の創出 ■暮らしやすさを支え地域ニーズに対応した施設づくり 都市づくりの目標1
計画的な生活基盤づくりによる「市全体の土地利用と地域の利便性を高める都市」
〈目標に向けた方針〉 (1)地域の特色や個性を育む土地の活用(P19~) ■既存ストック(※)を活かした拠点集約型都市構造の実現 ■賑わいと活力ある中心市街地の充実 ■自然との共生に配慮した、地域特性にふさわしい土地利用 (2)市域全体の多様な都市活動を支える道路網の整備(P26~) ■都市の一体性と地域間の交流・連携を支える幹線道路網の形成 ■快適な都市活動を支える生活道路の充実 都市づくりの目標 2多彩な地域資源の有効活用と相乗効果による「人々の交流を育む都市」
都市づくりの目標3豊かな自然・文化にふれ合える「安全・快適に暮らせる都市」
※これまでに整備された都市基盤施設や公共施設、建築物などの蓄積のこと社会的動向の変化(P6 参照) 都市づくりの主要課題(P7~P9 参照) 都市の一体性と地域間の交流・連携 を支える道路ネットワークの充実 集約型の土地利用への誘導 自然環境の保全 地域資源の保全と 上田らしさを伝え残す景観形成 歩行者や自転車が安全快適に通行 でき、公共交通の利便性の高い交通 環境の整備 多彩な地域資源の連携による 観光都市づくり 良好な住環境の保全・形成 安全で安心して暮らせる 環境づくり 産業の発展を支える 環境づくり 都市計画に関する当面の課題(P10 参照) 人口減少社会 少子高齢社会 地球環境問題 低炭素社会の実現 合併による 市域の拡大 住宅や商業施設の 郊外拡散化と中心 市街地の衰退化 【国内外における変化】 【上田市における変化】 都市計画区域の見直し 用途地域の見直し より良い空間をつくる 都市計画制度の活用 都市計画道路の見直し 都市づくりの目標 1(P19~29 参照) 計画的な生活基盤づくりによる「市全体の 土地利用と地域の利便性を高める都市」 〈目標に向けた方針〉 都市づくりの目標 2(P30~P37 参照) 多彩な地域資源の有効活用と相乗効果によ る「人々の交流を育む都市」 〈目標に向けた方針〉 都市づくりの目標 3(P38~P46 参照)
豊かな自然・文化にふれ合える「安全・
快適に暮らせる都市」
〈目標に向けた方針〉 (2)市域全体の多様な都市活動を 支える道路網の整備 (1)地域の特色や個性を育む 土地の活用 (2)人々が交流し、賑わいあふれる 都市づくり (1)恵まれた地域資源を大切にする 都市づくり (2)住み心地の良さを実感できる 都市づくり (1)だれもが安全で安心して 生活できる都市づくり 【4-2-1 都市づくりの課題と目標及び方針の連関図】 【課題】 【目標及び方針】(1)都市構造の基本的な考え方~『拠点集約型都市構造』の形成~ 本市は、今日までの合併経過のなかで地形的な特性や歴史的な沿革、さまざまな住民生活の営み により、社会的、経済的、文化的な特徴を持ったさまざまな地域で形成されています。このため、 都市機能が集積している中心市街地ばかりではなく、それぞれの地域自治センター周辺にも都市機 能が集積し、地域の拠点的な役割を果たしています。 また、地球環境への配慮として、郊外の開発など市街地の拡散をできるだけ抑制し、市内に広が る山林や農地などの自然環境を保全していく必要があります。 このような状況を踏まえ、これからの都市づくりは、高齢化や人口減少社会に対応し、各地域に おける都市機能の既存ストックを活かした暮らしやすい都市機能集積拠点や生活複合拠点の形成を 進め、これらの拠点の周辺に居住を誘導することで人口密度を維持し、一体的かつ持続可能な都市 構造を目指します。 【4-3-1 拠点集約型都市構造イメージ】
4-3 将来都市構造
(2)市街地から山林を一体として、拠点や地域資源の連携・交流を促進する都市 拠点集約型都市によるまちづくりを進め、上田駅周辺の中心市街地をはじめ、丸子・塩田・真 田・武石の各地域の拠点を充実させ快適性の向上を図ります。また、拠点間や市内に数多くある 多彩な地域資源の連携・交流と広域性を強化し、ひとつひとつの個性や魅力を活かしながら市 街地から山林まで一体となった都市づくりを行い、市全体の魅力を高めていきます。 (3)都市構造における【骨格的土地利用】と【拠点】【エリア】【軸】【ネットワーク】 拠点集約型都市構造を形成するために、以下のような骨格的土地利用、拠点、エリア、軸及びネ ットワークを設定します。
■定義
① 骨格的土地利用 ② 拠点 拠点 内 容 都市機能集積拠点 上田中心市街地では、行政・業務・商業・交通結節など各種都市機能のさ らなる充実と暮らしやすい住環境の形成を進めます。また、上田城跡など の歴史・文化を活かしながら、東信地域、上田圏域の中心都市としての求 心力を高め、市民にとっても、来訪者にとっても魅力ある拠点を形成しま す。 生活複合拠点 丸子地域、塩田地域、真田地域及び武石地域の地域自治センター周辺で は、行政機能をはじめ既存の都市機能集積を活かして、地域ごとの生活の 拠点となる範囲に、地域の生活利便性の向上とともに、多様な地域活動を 行える環境整備などにより、都市機能の充実した拠点を形成します。 特に丸子地域では、これまでに形成されてきた商店街や国道沿いの商 業・サービス等の都市機能集積や生活文化の蓄積を活かして、生活利便性 の高い拠点づくりを目指します。 骨格的土地利用 内 容 市街地 既存の都市機能の集積を活かし、利便性が高く良好な居住環境を有するコ ンパクトな都市形成を進めます。 農業・集落地 農業と生活空間が共存し、自然環境に配慮した土地利用を調整します。 山林・緑地 平地部を囲む豊かな山林などの緑を保全します。 自然公園 2 つの貴重な自然環境を有する自然公園区域を位置づけます。 【骨格的土地利用】 おおむね同様な特性を有する土地利用のまとまり 【拠 点】 生活に必要な都市機能の集積を持つ地区 【 軸 】 人などが移動する基本となる流れの方向性 【ネットワーク】 地域や拠点間の連携を表したもの 【エリア】 市全体から見た、ある程度の機能集積や 特性を持つ地区③ エリア エリア 内 容 まちづくり活動 エリア 生活複合拠点ほど都市機能の集積は高くないものの、豊殿及び川西 地域自治センター周辺では、地域の生活利便性の向上を目指すととも に、まちづくり活動を行うエリアを形成します。 観光エリア 別所温泉・西塩田周辺及び丸子温泉郷周辺では、歴史ある豊かな温 泉資源、田園地帯や文化財、秀麗な山々などの自然環境を活かし、今 後更に魅力的な地域づくりを目指します。また、市内観光の拠点エリ アとして個性や機能を向上させ、地域ブランド力を高めます。 自然リゾートエリア 菅平高原、美ヶ原高原の 2 つの高原では、周囲の自然環境を効果的 に活用し、多様な交流の場を連携しながら、総合的に利用満足度の高 い地域づくりを目指します。 特に菅平高原はスポーツリゾート地としての環境の充実を図りま す。 産業・研究エリア 上田リサーチパーク周辺では、事業所や研究施設の機能充実と連携を 強化し、付近の大学や企業等との連携や交流のエリア形成を目指しま す。 ④ 軸 軸 内 容 広域・地域間交流 連携軸 広域的及び地域間の連携と交流を促進する軸として位置づけます。地 域間では特に公共交通の充実を重視し、また、アクセス道路網の強化 により、各地域への円滑な移動環境の向上を図ります。 ⑤ ネットワーク ネットワーク 内 容 歴史・文化・自然交流 ネットワーク 歴史・文化・自然などの多彩な地域資源の交流や連携のネットワーク を形成し、市域全体の魅力を高めます。
【4-3-2 将来都市構造図】 北陸新幹線 別所線 拠点 軸 エリア 高速道路・鉄道 骨格的土地利用