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北区のエネルギー施策に関する提言

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北区のエネルギー施策に関する提言 

平成 25 年 3 月 

東京都北区新エネルギー・省エネルギー 

専門研究会 

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北区のエネルギー施策に関する提言 

北区長 花川 與惣太 様

地球温暖化対策及び低炭素化の観点からの新エネルギー・省エネルギーの重要性の拡大、東日本大震 災に起因する電力不足による影響など、北区のエネルギー施策を取り巻く環境は大きく変化しています。

「東京都北区新エネルギー・省エネルギー専門研究会」は、北区においてふさわしい新エネルギー・省 エネルギー施策の考え方や具体的な取り組みを提言するため、平成24年11月より5回にわたり議論を 重ねてきました。

省エネルギー対策、新エネルギー導入は、区民・事業者・区がそれぞれの立場に応じて主体的に取り組 むことが必要です。北区では、「北区地球温暖化対策地域推進計画」(平成20年3月策定)に基づき、

新エネルギー・省エネルギー機器設置への助成、区民の行動につながる環境学習等の取り組みが進めら れています。また、本研究に際して実施した区民意識調査からは、東日本大震災後の電力不足、節電の 経験なども一つの要因として、省エネルギー対策や新エネルギー導入に対し、区民が高い意識を有して いることが把握されました。しかし、省エネルギー対策に伴う我慢、新エネルギー導入に対するコスト、

助成に関する情報の浸透不足など、新エネルギー・省エネルギー普及に向けて区民や事業者には様々な 課題があります。また、個々の家庭や事業所による行動は、新エネルギー・省エネルギー普及の基盤と して重要ですが、個々にできることには限りがあります。そのため、集合住宅等の建物、区有施設等の 公的空間など、コミュニティ、地域に取り組みを広げていくことが必要です。さらに、面積 20.59km2 の北区で得られる新エネルギーのポテンシャルには限りがあり、区外との連携にも目を向けていくこと も大切です。

また、新エネルギー・省エネルギー普及にあたっては、取り組みの主体となる対象を明確にし、実効 性のあるしくみを構築するとともに、新エネルギーと蓄電池を組み合わせ災害時にも利用できるエネル ギーを普及させるなど、取り組みを複合的に進めることも必要です。

こうした課題を踏まえ、区民の暮らしとエネルギーの良好な関係の構築をめざし、楽しみながら続け ることのできる省エネルギー対策、暮らしに根ざし、災害時にも区民生活を支えることができる新エネ ルギーの導入に着目することが、北区においては特に重要であると考えます。

これらの視点に基づき、北区の特性を踏まえた、区民・事業者・区が取り組む具体案を以下のとおり提 案します。

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テーマ 1:建物・コミュニティ単位の取り組み 

① 区民が楽しみながら続けられる省エネ対策の推進

・町会・自治会、商店街、学校などのコミュニティに着目した情報発信、楽しみながら省エネを知るこ とができる機会の創出など、省エネルギー対策、新エネルギー導入に関する情報を効果的に区民に伝 える工夫を行う。

・家電、設備機器等の使用状況や建物の特性に合わせた無駄のない調整・運転を支援する省エネチュー ニングの普及を促進する。

② 建物所有者・管理者等による建物・設備の省エネ化・新エネ導入の推進

・更新時期を迎えた空調設備の省エネ型設備への取り換え、老朽化した照明設備の取り換えに合わせた LED 化など、機器更新の必要性が高く、かつ省エネ化による効果の高い対象を絞り込んでインセン ティブを設けることで、省エネ設備の普及を促進する。

・小さな負担で区民、事業者が太陽光発電等の再生可能エネルギーを導入できるよう、再生可能エネル ギーに関するビジネスを展開する民間事業者と、機器設置が可能な建物を管理する区民、事業者のマ ッチングを支援する。

テーマ 2:公的空間・地域特性を活かした取り組み 

① 区有施設におけるエネルギーの有効利用の推進

・北区において一部実用化されている清掃工場の廃棄物発電、水再生センターの下水熱等をはじめとす る新エネルギーについて、区有施設における率先的な利用を推進する。

② 区民生活を支える街なかへの創エネ・蓄エネシステム導入の推進

・太陽光発電等の再生可能エネルギーと、電気自動車のバッテリーを含む蓄電池を組み合わせ、災害に よる停電時に非常用電源として利用できる再生可能エネルギーの普及を図る。

・北区の特性の一つである区内の河川が有する新エネルギーのポテンシャルを有効活用する。

テーマ 3:区外と連携した取り組み 

① エネルギーを通じた他都市との新たな交流の促進

・北区ではポテンシャルの低い、風力・バイオマス等の新エネルギーを中心に、多様なポテンシャルを 有する地方都市等における取り組みに区民が協力するなどの連携を進め、新エネルギーの普及に貢献 する。また、そうした連携を区民への環境啓発等につなげる仕組みを構築する。

平成25年3月

東京都北区新エネルギー・省エネルギー専門研究会 座長 小川 芳樹 研究会委員 一同 区民・事業者・区が取り組む具体案 

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北区のエネルギー施策に関する提言  目  次 

1. 提言にあたって ... 1

2. 新エネルギー・省エネルギーに係る動向 ... 2

2-1. 北区の概要 ... 2

2-2. 北区における二酸化炭素排出量とエネルギーの使用状況 ... 4

2-3. 新エネルギー・省エネルギーに関する北区の取り組み ... 11

2-4. 区民の意識 ... 14

2-5. 北区における新エネルギーのポテンシャル ... 16

2-6. 他都市における新エネルギーの動向 ... 17

2-7. 国、東京都のエネルギー施策の動向 ... 20

2-8. 課題 ... 22

3. 施策展開に向けた基本的視点 ... 23

4. 具体的な取り組み例 ... 24

4-1. 建物・コミュニティ単位の取り組み ... 25

4-2. 公的空間・地域特性を活かした取り組み ... 31

4-3. 区外と連携した取り組み ... 36

5. 取り組みの展開に向けて ... 39

【参考】 参考1 東京都北区新エネルギー・省エネルギー専門研究会 ... 40

1-1. 委員名簿及び開催経過 ... 40

1-2. 設置要綱 ... 41

参考2 区民の意識調査結果 ... 43

参考3 新エネルギーのポテンシャル調査結果 ... 54

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1.提言にあたって 

新エネルギー・省エネルギーの問題は、これまで主として地球温暖化対策として取り組まれてきまし た。しかし、平成23年3月に発生した東日本大震災を契機に、エネルギー問題は防災の視点からも重 要性がクローズアップされるようになりました。

化石燃料の使用の急激な増大が一因である地球温暖化とこれに伴う気候変動は、人々の健康や生命に も影響を及ぼし得る重大な問題であり、温室効果ガス排出削減に向けた対策として、省エネルギー対策、

新エネルギー導入に取り組むことが必要とされています。また、震災後の電力不足問題は、無駄なエネ ルギー使用を見直すこと、災害・緊急時への備えという視点から省エネルギー対策、新エネルギー導入 に取り組むことへの区民の関心を大いに高めました。

北区では、震災以前から、新エネルギー・省エネルギー機器設置への助成、区民への情報提供などの エネルギー施策に取り組んでいます。区内のエネルギー使用量は平成14年度から平成21年度までの間 に徐々に減少していますが、民生家庭部門、民生業務部門の使用量は大きく変わっていません。そのよ うな視点からも、省エネルギー対策や新エネルギー導入に関する区民、事業者の取り組みを一層促進し ていくことは、北区においては重要な課題であるといえます。

東京都北区新エネルギー・省エネルギー専門研究会は、以上の背景を踏まえ、北区においてふさわし い新エネルギー・省エネルギー施策の考え方や具体的な取り組み(案)を提案するため、平成 24 年 11 月から平成25年3月にかけて、研究会を開催し議論を重ねてきました。この議論の成果が、今後の北 区における環境保全に関する計画やエネルギー施策等の検討の一助となることを期待し、ここに提言す るものです。

(8)

2.新エネルギー・省エネルギーに係る動向 

2-1.  北区の概要 

(1)  位置と面積 

北区はその名のとおり、東京都の北東部に位置し、北は 荒川を隔てて埼玉県川口市、戸田市に、東は荒川区、隅田 川を隔てて足立区に接し、西は板橋区、南は文京区、豊島 区に接しています。形状は、東西に狭く(約2.9km)、南北 に長い(約 9.3km)という、南北に細長い形で、面積は

20.59km2(東京23区中第11位)です。

(2)  地形 

北区の地形は、広く関東平野の地形を特徴づける台地と低地の2つに大分されています。東京を南北 に走る京浜東北線の西側が山の手台地で海抜はおおむね 20m 前後です。東側の下町低地は、荒川が運 んできた土砂により形成された沖積低地で、東京低地とも呼ばれています。荒川や江戸川の氾濫によっ て形成された低湿地と自然堤防からなり、海抜はおおむね3~5mです。

(3)  気象条件 

東京(大手町)の気象観測結果によると、平成23年度(2011年度)の年間日照時間は2,056.2時間 であり、月別では、1月及び3月、4月に長く、6月及び10月、11月に短くなっています。また、年間 平均風速は2.9m/sです。

図 2-1 北区の位置及び地形

出典:北区の環境(平成23年度実績),北区都市計画マスタープラン2010

図 2-2 北区の 2011 年度における気象条件(左:月別日照時間,右:月別平均風速)

出典:国土交通省気象庁 気象統計情報

(9)

(4)  人口・世帯数 

北区の平成24年(2012年)1月1日時点の人口は、169,031世帯332,678人(うち、外国人登録人

口 15,451 人)となっています。人口は増減を繰り返しながら推移していますが、世帯数は増加を続け

ています。

年齢階層別(年少人口:0歳~14歳、生産年齢人口:15歳~64歳、高齢者人口:65歳以上)人口で みると、生産年齢人口の減少が著しく、主に高齢者人口へ移行していると考えられます。

また、利便性の高い交通網が整備されていることや高齢化の進展等を背景に、特に単身世帯の増加が 顕著にみられます。

図 2-3 北区の人口・世帯数の推移及び年齢階層別人口構成比の推移・推計

出典:北区行政資料集(平成24年度版)

図 2-4 北区の世帯類型別世帯数の推移

出典:北区住宅マスタープラン2010

3,534  5,391  2,895 

13,077  8,655  5,492 

17,930  23,173  13,801 

19,060  11,227 

27,986  9,600 

3,430  5,919  2,482 

11,898  9,031  4,993 

14,468 

21,548  10,462 

19,013  9,604 

30,603  9,398 

5,000  10,000  15,000  20,000  25,000  30,000  35,000  65歳以上

40‐65歳 40歳未満 65歳以上 40‐65 40歳未満 65歳以上 40‐65歳 30‐40歳 30歳未満 65歳以上 40‐65歳 40歳未満

2000 2005

(世帯)

親と子ども の世帯

単身世帯

夫婦のみ の世帯

その他

減少

増加

増加 増加

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2-2.  北区における二酸化炭素排出量とエネルギーの使用状況 

(1)  二酸化炭素排出状況 

北区の二酸化炭素排出量は、平成 2年度(1990年度)以降わずかな増減を繰り返しながら推移して いますが、平成14-15年度(2002-03年度)及び平成19-20年度(2007-08年度)には比較的大きな増 加がみられます。これは、同じ時期に東京電力管内の原子力発電所が停止し、二酸化炭素排出係数が増 加したことに起因しています。なお、平成 21年度(2009 年度)の排出量は1,097.3千t-CO2であり、

平成2年度の1,129.1千t-CO2を2.8%下回っています。

平成2年度と平成21 年度の部門別二酸化炭素排出状況の変化を比較すると、産業部門では大きく減

少(平成2年度比65.3%減)していますが、民生家庭部門及び民生業務部門では増加(平成2年度比 家

庭:16.7%増 業務:36.5%増)しています。また、北区と東京23 区、全国の平成21 年度(一部平成 22 年度)の部門別二酸化炭素排出割合を比較すると、全国では産業部門での排出割合が 3 割以上と大 きいのに対し、東京23区や北区では1割未満と小さくなっています。一方で、民生家庭部門及び民生 業務部門での排出割合が高く、特に、北区では民生家庭部門での排出割合が約4割と大きな割合を占め ています。

図 2-6 部門別二酸化炭素排出状況の変化及び排出割合の比較

1,129.1t-CO2

(1990年度)

1,097.3t-CO2

(2009年度)

北区   東京 23 区 全国

図 2-5 北区の二酸化炭素排出状況の推移

出典:オール東京62市区町村 みどり東京・温暖化防止プロジェクト

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(2)  エネルギー使用状況 

北区のエネルギー使用状況は、平成 9年度(1997年度)以降、緩やかな減少傾向を示しています。

平成21年度(2009年度)のエネルギー使用量は13,614.9TJです。これは、東京都全体のエネルギー 使用量の約1.9%にあたります。平成21年度(2009年度)と平成2年度(1990年度)の使用量を比較

すると、9.3%減少しています。二酸化炭素排出状況の推移とあわせてみると、排出量が増加に転じた平

成14-15年度(2002-03年度)及び平成19-20年度(2007-08年度)もエネルギー使用量は減少してい

ます。

また、部門別の平成21年度のエネルギー使用状況をみると、平成2年度比で産業部門は65.0%減、

民生家庭部門で10.0%増、民生業務部門で25.8%増、運輸部門で2.8%減となっています。

図 2-7 北区のエネルギー使用状況の推移

出典:オール東京62市区町村 みどり東京・温暖化防止プロジェクト 15,010.1TJ

(1990年度)

13,614.9TJ (2009年度)

運輸部門 2.8%減 民生業務部門 25.8%増 民生家庭部門 10.0%増 産業部門 65.0%減

(1990年度比)

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(3)  部門別のエネルギー使用量と地域特性 

① 民生家庭部門

民生家庭部門のエネルギー使用量は、増減を繰り返しながらも全体的に増加傾向(平成2年度(1990

年度)比10.0%増)にあります。また、世帯数も緩やかに増加を続けており、平成21年度(2009年度)

には 168,941 世帯となっています。しかしながら、今後は人口・世帯数ともに減少に転じると予測され

ています。一世帯あたりのエネルギー使用量では、平成2年度で0.0327TJ/世帯であったものが、平成

21年度には0.0313TJ/世帯と微減しています。また、一人あたりのエネルギー使用量は、平成2年度に

13,569.8MJであったものが、平成21年度には16,586MJに増加しています。

平成20年度(2008年度)の住戸数は164,450戸であり、そのうち約7割が集合住宅(長屋建、共同 住宅)になります。所有形態別にみると、持家は全体の約4割となる67,720 戸であり、残りは借家に なります。そのうち、民営住宅や公営住宅が多くを占めています。北区の公共賃貸住宅数は、平成 23

年3月31日現在で29,512戸(うち、都営住宅13,845戸)であり、23区の中で足立区の50,877戸(31,338

戸)、江東区の45,760戸(20,774戸)に次いで3番目に多くなっています。

住宅土地統計調査(平成20年度)による省エネルギー機器等の導入状況をみると、北区における太陽 熱温水器や太陽光発電システム、二重サッシ又は複層ガラスの導入状況は、全国や東京23区と比較して も低くなっています。また、北区に限らず、集合住宅における省エネルギー機器等の導入状況は特に低く なっています。

建築物の新築・増築時に省エネルギーをはじめとする環境配慮を求める東京都建築物環境計画書制度 の対象となる特定建築物(延床面積10,000m2:平成22年10月より5,000m2を超える新築・増築)は 北区内に50件(平成24年11月現在)あり、このうち28件が住宅用途の建築物です。さらに、その内 訳をみると、分譲住宅が12件、それ以外の住宅(賃貸住宅、その他)が16件となっています。

図 2-8 北区の民生家庭部門におけるエネルギー使用量と世帯数の推移

出典:オール東京62市区町村 みどり東京・温暖化防止プロジェクト 4,812.5TJ

147,280世帯 (1990年度)

5,294.3TJ 168,941世帯

(2009年度)

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表 2-1 北区の住宅数

住宅総数 一戸建て 長屋建 共同住宅 その他 2003年 149,510 42,890 890 105,440 290 2008年 164,450 45,050 250 118,960 190 出典:住宅土地統計調査(平成20年度)

表 2-2 所有形態別住宅数

住宅総数 持ち家 借家

公営・公団・公社 民営借家 給与住宅 小計 2003年 149,510 54,000 26,130 46,300 6,700 79,130 2008年 164,450 67,720 27,530 57,940 4,090 89,560 出典:北区行政資料集(平成24年度版)

(単位:戸)

(単位:戸)

一戸建て,  45050, 28%

長屋建て,  250, 0%

共同住宅,  118960, 

72%

その他,  190, 0%

持家,  67720, 41%

借家(公営・

公団・公 社), 27530, 

17%

借家(民 営), 57940, 

35%

借家(給与 住宅) 4090, 3%

不詳, 7170,  4%

図 2-9 北区の住宅数及び所有形態別住宅数

出典:住宅土地統計調査(平成20年度),北区行政資料集(平成24年度版)

表 2-3 北区の住宅数及び所有形態別住宅数

出典:住宅土地統計調査(平成20年度)

全国 23区 北区 全国 23区 北区 全国 23区 北区

一戸建 9.8% 1.4% 1.2% 1.9% 0.7% 0.6% 14.0% 9.5% 5.7%

長屋建 3.6% 1.3% - 1.0% 0.5% - 13.5% 10.8% -

共同住宅 0.7% 0.6% 0.1% 0.3% 0.3% 0.1% 9.9% 9.3% 3.1%

その他 6.3% 2.3% - 1.4% 0.2% - 9.5% 6.8% -

小計 8.3% 1.0% 0.7% 1.6% 0.5% 0.4% 13.3% 9.4% 4.6%

一戸建 2.3% 0.5% - 0.3% 0.1% - 5.5% 3.4% 3.6%

長屋建 0.9% 0.4% - 0.1% - - 7.2% 4.8% -

共同住宅 0.4% 0.3% 0.2% 0.1% 0.1% 0.2% 7.0% 3.4% 2.1%

その他 2.5% 0.9% - 0.6% - - 8.9% 1.2% -

小計 0.6% 0.3% 0.2% 0.1% 0.1% 0.2% 6.9% 3.5% 2.1%

太陽熱温水器 太陽光発電システム 二重サッシ又は複層ガラス

(全ての窓にあり)

持家

借家

※調査対象住宅からの回答を基にした推計値

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② 民生業務部門

民生業務部門のエネルギー使用量は、平成8年度(1996年度)にかけて増加を続け、その後はわずか な増減を繰り返しながら推移しています。延床面積は、エネルギー使用量と同様に平成10年度(1998年 度)にかけて増加を続けたものの、その後はわずかな増減を繰り返しながら推移しています。床面積(m2) あたりのエネルギー使用量では、平成2年度(1990 年度)で0.0012TJ/m2であったものが、平成21 年 度(2009年度)には0.0014TJ/m2と微増しています。

平成18年度(2006年度)の事業所数は15,767事業所であり、そのうち10人未満の比較的規模の小 さな事業所が約 8割を占めています。事業所の産業分類をみると、「卸売業,小売業」「宿泊業,飲食サー ビス業」「生活関連サービス業,娯楽業」といった事業所が多いことがわかります。

図 2-10 北区の民生業務部門におけるエネルギー使用量と世帯数の推移

出典:オール東京62市区町村 みどり東京・温暖化防止プロジェクト

1‐4人,  10,288 ,  5‐9人,  65%

2,603 , 16%

10‐19人,  1,342 , 9%

20‐29人,  445 , 3%

30人以上,  660 , 4%

その他,  429 , 3%

図 2-11 従業員規模別事業所数

出典:事業所・企業統計調査(平成18年度)

2,950.7TJ 2,372,817m2

(1990年度) 3,712.8TJ

3,712,249m2 (2009年度)

農業,林業, 3,  0%

漁業, 1, 0%

鉱業,採石業,砂利採 取業, 1, 0%

建設業,  1215, 

8% 製造業,  1400, 9%

電気・ガス・熱供 給・水道業, 9, 0%

情報通信業, 204, 1%

運輸業,郵便 業, 518, 3%

卸売業,小売業, 3755,  25%

金融業,保険業,  177, 1%

不動産業,物品賃 貸業, 1431, 10%

学術研究,専門・技術 サービス業, 646, 4%

宿泊業,飲食サー ビス業, 2218, 15%

生活関連サービス業,

娯楽業, 1266, 8%

教育,学習支援 業, 422, 3%

医療,福祉, 1060, 7%

複合サービス事 業, 45, 0%

サービス業(他に分類 されないもの), 623, 4%

公務(他に分類される ものを除く), 66, 0%

図 2-12 事業所の産業分類

出典:北区行政資料集(平成24年度)

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③ 産業部門

産業部門のエネルギー消費量は減少を続けており、平成21年度(2009年度)には平成2年度(1990 年度)比で65.0%減となっています。北区の製造品出荷額も減少傾向にあります。平成20年度(2008 年度)の産業分類別の出荷額割合をみると、出版・印刷・同関連産業が全体の約5割を占め、続いてはん 用・生産用・業務用器械製造業、化学工業と続いています。

図 2-13 製造品出荷額の推移及び産業分類別の出荷額割合

出典:北区行政資料集(平成24年度版)

(16)

(4)  東日本大震災後の電力消費量 

北区の年間電力消費量は、平成22 年度(2010年度)に電灯1791,746kWh、電力2706,037kWh、

平成23年度(2011年度)に電灯723,184kWh、電力616,811kWhとなっています。東日本大震災後の 平成23年度においては、冬季に一部増加している月があるものの、概ね2010年度の電力消費量を下回 っています。また、平成24年度(2012年度)も同様に、冬季12月の電灯で増加していますが、それ 以外は平成22年度を下回る電力消費量で推移しており、節電意識が継続していることが読み取れます。

※1電灯:一般家庭や小規模な店舗・事務所等の電灯契約の販売量

※2電力:ビル、スーパー、工場等の電力契約の販売量

図 2-14 月別販売電力量実績

出典:東京電力株式会社からの情報提供資料を基に作成

表 2-4 月別販売電力量実績

出典:東京電力株式会社からの情報提供資料を基に作成 2010年度 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 年間合計

電灯 67,084 56,948 46,596 65,484 76,445 84,172 55,175 54,883 59,154 82,410 76,478 66,917 791,746 電力 55,186 51,644 57,372 67,664 74,862 75,203 57,622 51,726 52,277 53,917 57,536 51,028 706,037 2011年度 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 年間合計 電灯 58,979 49,195 42,935 60,482 61,982 66,450 48,554 50,079 57,455 82,552 73,732 70,789 723,184 電力 46,248 42,675 47,594 57,788 59,654 60,136 49,413 46,106 47,803 51,426 55,498 52,470 616,811 2012年度 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 年間合計 電灯 56,299 52,519 44,332 50,069 67,948 68,343 51,553 50,173 64,418 76,535 582,189 電力 47,115 44,405 48,141 53,301 62,739 63,308 51,755 45,734 48,765 49,939 515,202 2011/2010 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 年間合計 電灯 -12.1% -13.6% -7.9% -7.6% -18.9% -21.1% -12.0% -8.8% -2.9% 0.2% -3.6% 5.8% -8.7%

電力 -16.2% -17.4% -17.0% -14.6% -20.3% -20.0% -14.2% -10.9% -8.6% -4.6% -3.5% 2.8% -12.6%

2012/2010 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 年間合計 電灯 -16.1% -7.8% -4.9% -23.5% -11.1% -18.8% -6.6% -8.6% 8.9% -7.1%

電力 -14.6% -14.0% -16.1% -21.2% -16.2% -15.8% -10.2% -11.6% -6.7% -7.4%

0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000 160,000 180,000

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

2010年度 2011年度 2012年度

(千kWh)

【留意事項】

・販売電力量の増減には様々な要因(例:気象条件や検針期間等による変動)が内包されており、節電効果を定量的に 把握することは困難です。

・気象条件、世帯・住居構成等のエリア特性、節電手法等の違いにより、他の自治体との単純比較はできません。

(単位:千kWh)

(17)

2-3.  新エネルギー・省エネルギーに関する北区の取り組み 

(1)  地球温暖化対策に関する計画 

北区では、「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づき、「地方公共団体実行計画」を策定してい ます。

区域の自然的社会的条件に応じて温室効果ガスの排出の抑制等を行うための施策について定める北 区地球温暖化対策地域推進計画を平成20年(2008年)3月に策定しています。

また、地方公共団体自らの事務・事業に伴い発生する温室効果ガスの排出削減等の計画を策定し、計 画期間に達成すべき目標を設定し、その目標を達成するために実施する措置の内容を定める「事務事業 編」として、平成25年(2013年)3月に第4次北区地球温暖化対策実行計画が策定されました。

表 2-5 北区地球温暖化対策地域推進計画の計画期間及び計画目標

区分 計画期間 二酸化炭素排出量目標値

(1990年度比の二酸化炭素換算値)

短 期 平成20年度(2008年度)

~平成24年度(2012年度) 5ヶ年 -2.0%

中長期 平成20年度(2008年度)

~平成29年度(2017年度) 10ヶ年 -3.0%

重点施策1:省エネルギー型ライフスタイルへの転換

○区民

・エネルギーの使い方の工夫による省エネの実践

・省エネ製品・高効率機器の積極購入

○事業者

・エネルギー管理の徹底

・チームマイナス6%の参加

○北区

・省エネ設備導入時の補助制度の運用

・省エネ型機器についての情報提供

・庁舎における省エネ活動の実践

重点施策2:新エネルギー等の導入

○区民

・新エネルギー等の利用

・高効率型給湯器の導入促進

○事業者

・新エネルギー等の導入促進

・電気・ガスなどの燃料の削減

○北区

・新エネルギー等導入支援

・区有施設における率先導入

・新エネルギーに関する情報提供

重点施策3:建築物の省エネルギー化

○区民

・ヒートアイランド対策

・緑のカーテンの実施

○事業者

・建築物の省エネルギー化

・ヒートアイランド対策

○北区

・屋上緑化・パッシブ建材などの導入支援

・区有施設における率先導入

重点施策4:環境学習の推進

○区民

・環境家計簿の利用によるエネルギー消費量等の把握

・環境学習への参加

○事業者

・率先的な環境保全活動の公表

○北区

・学校教育における環境学習の実践

・社会教育における環境学習の実践

・公園の整備事業・管理事業を利用した環境学習の実践

図 2-15 北区地球温暖化対策地域推進計画の重点施策

(18)

(2)  新エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成 

北区では、区内で発生する温室効果ガスの排出量を削減するため、新エネルギー・省エネルギー機器 等を導入する個人や事業者に対し、その一部を助成する制度を平成20年(2008年)6月から実施して います。平成21年度(2009年度)からは、新たに中小企業者等を対象とした助成メニューが追加され ています。

表 2-6 助成要件及び実績(住宅・事業者)

種類 対象機器等の要件 H21 H22 H23

太陽光発電システム 最大出力合計が10kW未満のものであり、かつ、財団法人電気安全環

境研究所(JET)の認証を受けた機器又はそれと同等と認めるもの。 97 78 127 太陽熱温水器 財団法人ベターリビング優良住宅部品(BL 部品)認定を受けた機器

又は日本工業規格(JIS)に適合した機器であること。 0 2 2 CO2冷媒ヒートポンプ

給湯器

(エコキュート)

東京都家庭用高効率給湯器認定制度による認定を受けた機器又はそれ

と同等と認めるもの。 126 120 72

潜熱回収型給湯器

(エコジョーズ)

東京都家庭用高効率給湯器認定制度による認定を受けた機器又はそれ

と同等と認めるもの。 185 269 416

ガス発電給湯器

(エコウィル)

※平成23728 をもって助成終了

定格出力が 1kW 以下のガス発電給湯器であって、ガスエンジンユニ ットのJIS基準(JIS B 8122)に基づく発電及び排熱利用の総合効率 が低位発熱量基準で 80%以上であること及び貯湯ユニットの容量が 120リットル以上であること。

7 1 0

家庭用燃料電池装置

(エネファーム)

定格出力が 1kW 級の定置用燃料電池装置であり、かつ、一般財団法

人燃料電池普及促進協会の助成対象機器であること。 6 14 41

遮熱性塗料

日射反射率50%以上を有するもの又は、環境省の環境技術実証事業ヒ ートアイランド対策技術分野(建築物外皮による空調負荷低減技術)

における実証対象技術一覧の高反射塗料であること。

27 60 50

合 計 448 544 708

表 2-7 助成要件及び実績(中小企業者)

種類 対象機器等の要件 H21 H22 H23

太陽光発電システム

最大出力合計が3kW以上、10kW未満のものであり、かつ、財団法人 電気安全環境研究所(JET)の認証を受けた機器又はそれと同等と認 めるもの。

1 3 2

CO2冷媒ヒート ポンプ給湯器

(エコキュート)

事業用途に供する部分において使用するCO2冷媒ヒートポンプ給湯器 であって、社団法人日本冷凍空調工業会のJRA4050:2007R規格に基 づく中間期エネルギー消費効率(中間期COP)が3.8以上であること。

0 1 1

潜熱回収型給湯器

(エコジョーズ)

事業用途に供する部分において使用する潜熱回収型給湯器であって、

JIS基準(JIS2109)に基づく給湯熱効率が90%以上であること。た だし、定格熱出力が35kW以上の潜熱回収型給湯器については、窒素 酸化物の排出濃度について、東京都NOX・CO2小規模燃焼機器認定要 綱第3条第1項の認定基準を満たすものであること。

0 1 0

ガス発電給湯器

(エコウィル・ジェネライト)

事業用途に供する部分において使用するガス発電給湯器であって、ガ スエンジンユニットのJIS基準(JIS B 8122)に基づく総合効率が低 位発熱量基準で80%以上であること及び貯湯ユニットの容量が90 ットル以上であること。

0 0 0

省エネルギー型 小規模燃焼機器

(ボイラー・GHP等)

事業用途に供する部分において使用する小規模燃焼機器で、東京都低 NOX・CO2小規模燃焼機器認定要綱第3条第1項の認定基準を満たす ものであること。

0 1 0

合 計 1 6 3

(19)

(3)  発電ネットワークサービス 

東京23区には、21の清掃工場と5つのその他ごみ処理センター等があります。北区には、志茂一丁 目に北清掃工場があり、年間約14万トンの可燃ごみを焼却処理しています。

北清掃工場では、ごみの焼却時に発生する熱で蒸気を作り、蒸気タービンを回して発電を行っていま す。平成22年度(2010年度)においては、年間54,416MWhを発電し、このうち26,759MWhを所内 で使用、残りの27,657MWhを売電しています。

一方、東京 23 区内の清掃工場を運営する東京二十三区清掃一部事務組合と東京ガス株式会社の共同 出資により設立された東京エコサービス株式会社では、大田・江戸川清掃工場の余剰電力を活用し、東 京23区内の小中学校等149件(北区では7件、平成25年度(2013年度)より14件)に電力供給を 行っています。また、平成25年度からは北清掃工場の余剰電力も活用されることとなっています。

図 2-16 北清掃工場における物質の流れ

出典:東京二十三区清掃一部事務組合HP

図 2-17 発電ネットワークサービス

出典:東京エコサービス株式会社HP 都市ガス 66,545m3

電気 2,541MWh 上水・工業用水 128,763m3 雨水の利用 14,660m3

可燃ごみ 139,133t (処理量) 薬剤

消石灰 476t 苛性ソーダ(48%) 433t 塩酸(35%) 70t アンモニア(25%) 216t

発電量 54,416MWh 所内使用 26,759MWh 売電 27,657MWh

熱供給 6,762GJ

灰排出量 18,222t 下水放流量 46,881m3

(20)

2-4.  区民の意識 

区民による新エネルギーの導入状況、省エネルギー化の取組状況及び今後の意向を把握することを目 的に、以下の意識調査を実施しました。調査対象は区内在住の20 歳以上の区民2,000 名(住民基本台 帳より無作為抽出)であり、平成24年(2012年)11月下旬から12月上旬にかけて実施しました。調 査票を対象者に郵送し、回答・返送いただく方法で実施し、853名(回収率:42.7%)から回答を頂きま した。

(1)  省エネルギーに対する意識 

調査結果から、日頃から家庭での省エネルギーや節電に気をつけている方が非常に多いことがわかり ました。また、電力消費量は、東日本大震災前と比較して多くの家庭で減少しており、新エネルギーの 導入に対する関心も高くなっています。これらのことから、東日本大震災をきっかけにエネルギー問題 が区民生活に大きく関わる環境問題の一つとして強く認識されるようになっていると考えられます。

省エネルギー対策の実施状況については、冷暖房機器の不必要なつけっぱなしをしないことや洗濯を する時はまとめて洗うことなどを実行している割合が高く、省エネルギーや節電への意識の高まりが行 動につながっていることがわかりました。一方、電気製品を使用しない時はコンセントからプラグを抜 くこと、緑のカーテンやすだれを設置することなど、多少手間がかかる行動についても、今後取り組み たいという意向があることがわかりました。

とても気をつけている 33%

やや気をつけている 59%

どちらでもない 4%

あまり気をつけていない 2%

気をつけていない

1% 無回答

1%

変化していない 29%

減少している 55%

増加している 2%

分からない 11%

無回答 3%

非常に関心がある 26%

ある程度関心がある 50%

どちらでもない 7%

あまり関心がない 4%

全く関心がない 1%

無回答 12%

91.0  73.3 

75.5  72.1 

89.1  71.0 

4.0  14.9  14.0  13.6 

4.5  12.4 

4.5  3.5  3.8 

3.4  2.0 

4.1  5.1  4.8  9.4 

4.0  11.6 

0% 20% 40% 60% 80% 100%

13  14  15  17 

3. 冷暖房機器は不必要なつけっぱなしをしな いように気をつける 7. 冷蔵庫は壁から適切な間隔をあけて設置する

13. シャワーはお湯を流しっぱなしにしないように気をつける 14. 温水洗浄便座を使わな い時は、ふたを閉める 15. 洗濯する時は、まとめて洗う

17. 外出時は、できるだけ電車・バスなど公共交通機関を利用する

49.1  42.6  43.5  52.8 

64.8  42.3 

36.7  38.2  31.3 

28.5  25.9  33.3 

1.0  6.8  7.4 

13.8 

11.0  4.1  3.6 

6.8  2.8  5.3 

0.8  1.1  4.3 

5.5  5.4  8.2 

3.9  5.5  6.8 

0% 20% 40% 60% 80% 100%

18  19  20 

取り組んでいる

今は取り組んでいないが、今後取り組みたい 手間がかかるから取り組みたくない 方法が分からないから取り組みたくない お金がかかるから取り組みたくない 関心がないから取り組みたくない 無回答

4.   照明は省エネ型の蛍光灯や電球型蛍光灯を使用する 6.   冷蔵庫の庫内は季節に合わせて温度調整をする 9.   煮物などの下ごしらえに電子レンジ を活用する

18. 電気製品を使わない時は、コンセントからプラグを抜き、待機時消費電力を少なく する 19. 電気、ガス、石油機器などを買う時は、省エネルギ ータイプのものを選ぶ

20. 緑のカーテンやすだれを設置する

■省エネ、節電への意識(n=853) ■東日本大震災前後の

電気使用量の変化(n=853)

■再生可能エネルギーへの関心(n=853)

■家庭での省エネルギー対策について

(取り組んでいる(左)、今後取り組みたい(右)の回答割合が高かった省エネルギー対策)

(21)

(2)  新エネ・省エネ機器の導入 

家庭への新エネ・省エネ機器の導入については、集合住宅住まいのため居住者の一存では導入できな いと考えられている設備が多いことがわかりました。また、区が実施している助成制度への認知度が低 いことも明らかとなり、区民への情報提供も重要な課題であることがわかりました。

(3)  今後の新エネルギー・省エネルギー施策について 

家庭への新エネ・省エネ機器の導入を促進するために、区民への省エネルギーや再生可能エネルギー に関する情報提供や、家庭への省エネルギー・再生可能エネルギー設備導入の補助制度の充実、公共施 設への省エネルギー・再生可能エネルギー設備の率先導入への要望が高くなっています。また、市民共 同発電への高い関心もみられます。その背景として、集合住宅住まいでこうした設備を導入できないこ とも影響していると考えられます。

5.6 

5.0 

8.6 

24.6 

2.3 

3.5  3.9 

2.9 

4.8 

3.6 

7.0 

6.2 

28.6 

5.9 

9.1  16.4 

12.9 

12.2 

12.5 

7.9 

10.8 

15.0 

7.6 

15.4  7.6 

7.7 

7.6 

8.6 

8.4 

5.5 

2.6 

8.1 

2.2  1.8 

2.2 

3.3 

4.6 

4.8 

2.6 

7.5 

44.0 

42.3 

36.5 

36.2 

32.8 

35.9 

8.1 

19.2 

3.5 

11.6 

15.2 

12.4 

15.6 

15.7 

12.4 

5.4 

26.4 

41.6 

13.6 

16.4 

17.6 

18.1 

18.3 

18.1 

14.5 

23.0 

24.3 

0% 20% 40% 60% 80% 100%

太陽光発電システム

太陽熱温水器

高効率型給湯器

家庭用燃料電池装置

遮熱性塗料・フィルム

断熱壁・窓

LED照明

省エネナビ

エコカー

59.7  49.0 

57.6  12.8 

25.3  4.3 

6.3 

0.0  20.0  40.0  60.0  80.0  100.0  区民に省エネルギー・再生可能エネルギーに関

する情報を提供する

公共施設に省エネルギー・再生可能エネルギ ー 設備を率先して導入する

家庭への省エネルギー再生可能エネルギ ー設 備導入の補助制度を充実させる 条例等で省エネルギーに関する規制を強化する 省エネルギー・再生可能エネルギー設備導入の

相談窓口を設ける

その他 無回答

(%)

非常に関心がある 14%

ある程度関心がある 48%

どちらでもない 17%

あまり関心がない 11%

全く関心がない 4%

無回答 6%

■家庭への新エネ・省エネ機器の導入について(n=853) ■新エネ・省エネ機器導入費用

一部助成制度の認知(n=853)

■市民共同発電への関心(n=853)

■家庭への省エネ・新エネ設備の導入を

促進するために必要なこと(n=853)

既に導入している 導入を検討している

価格が高いから導入するつもり はない 効果が分からないから導入するつもりはない 方法が分からないから導入するつもりはない 集合住宅住まいで一存では決められないから 導入するつもりはない

必要性を感じないから導入するつもりはない 無回答

助成内容も知っている 5%

聞いたことがある 29%

知らない 59%

無回答 7%

※市民共同発電

多くの市民が費用を出し合い、共同で 太陽光発電、風力発電等の施設を設置す るもので、賃貸住宅や集合住宅に居住し ている人でも再生可能エネルギー設備 の設置に参加・協力できる仕組み。

(22)

2-5.  北区における新エネルギーのポテンシャル 

北区における新エネルギーのおおよそのポテンシャルを把握し、提言及び具体的な取り組み(案)の 検討に反映することを目的に、以下の新エネルギーのポテンシャルの推計を実施しました。

表 2-8 ポテンシャルの推計を実施したエネルギー

エネルギーの種類 発電 熱利用

大陽エネルギー ○ ○

風力エネルギー ○ -

水力エネルギー 中小水力 ○ -

地熱エネルギー ○ -

バイオマスエネルギー1 木質(公園剪定枝) ○ -

廃棄物エネルギー2 ○ ○

温度差エネルギー 下水3 - ○

下水汚泥 - ○

北区においては、太陽エネルギーによる太陽光発電及び太陽熱利用のポテンシャルが大きく、太陽熱

利用で2,494,750GJ/年、太陽光発電で405,396GJ/年(112,610MWh/年)のポテンシャルがあることが

わかりました。また、北清掃工場で既に取り組まれているごみ焼却熱を利用した廃棄物発電も195,898 GJ/年(54,416MWh)と比較的大きなポテンシャルがあることがわかります。

一方で、風力発電は大型の風車を設置することが難しく、ポテンシャルは小さいものになっています。

また、木質バイオマス発電(公園剪定枝)も、ポテンシャルは小さいものになっています。

中小水力発電は、河川流量に関するデータが欠損しており、推計することはできませんでしたが、荒川、

新河岸川、石神井川を有する北区においては、一定程度のポテンシャルが期待できると考えられます。

※1:バイオマスエネルギーのうち、木質系(建築廃材)、食品系については発生量の正確なデータ が得られなかったため、推計を行わなかった。農業系、畜産系は、北区の産業構造から資源 の発生がほとんど見込まれないため、推計を行わなかった。

※2:北清掃工場の実績値を整理 ※3:浮間水再生センターの実績値を整理

図 2-18 北区における新エネルギーのポテンシャル 100,000  200,000  300,000  400,000  500,000  太陽光発電

太陽熱利用 風力発電 中小水力発電 地熱発電 木質バイオマス発電 廃棄物発電 廃棄物熱利用 下水熱利用 下水汚泥焼却熱利用

(GJ/年) 2,494,750 405,396(112,610)

166(46)

()

32,609 (9,058) 135 (37)

195,898 (54,416) 6,762

1,245 35,776

比較のため、発電については単位をMWh/年 からGJ/年に変換したものを用いている。

( )内は元の発電量の単位。

発電

熱利用

ポテンシャルの推計方法や推計に用い たデータ等については、54頁「新エネル ギーのポテンシャル調査結果」を参照

(23)

2-6.  他都市における新エネルギーの動向 

新エネルギーのポテンシャルの推計結果から、北区内での新エネルギー導入には限界があると考えら れます。一方、全国には種々の新エネルギーポテンシャルを有する地域が存在し、こうした地域と連携 した新エネルギーの導入も考えられます。ここでは、北区の友好都市である国内3都市における新エネ ルギーの動向を整理します。

(1)  山形県酒田市 

大正 15 年(1926年)、北区上中里に荘内館(庄内出身の学生が寄宿する学生寮)が設置されたこと をきっかけに酒田市との交流が生まれ、平成7年(1995年)10月には「災害時相互応援協定」、平成9 年(1997年)4月には「友好都市交流協定」が締結されました。

【酒田市の概要】

【エネルギーに関する取り組み 等】

○山形県エネルギー戦略(平成 24 年 3 月)

山形県では、再生可能エネルギーを中心としたエネルギー供給基盤を整備し、エネルギーの安定供給 を図るとともに、地域の中にエネルギー源を分散配置することにより、生活や産業活動に必要なエネル ギーを地域の中から生み出し、産業の振興・地域の活性化と、

より安心して暮らせる持続可能な社会を創りあげ、次世代につ ないでいくことを目指すエネルギー戦略を策定しています。

<めざすべき姿>

・再生可能エネルギーの供給基地化

・分散型エネルギー資源の開発と普及

・再生可能エネルギーの導入拡大等を通じた産業振興の実現

<庄内地域の将来イメージ>

酒田市を含む庄内地域では、特に風力エネルギーのポテンシ ャルが高く、「酒田市風力発電施設建設ガイドライン」も整備 されています。風力発電をはじめとする大規模事業のほか、小 水力やバイオマス等による分散型のエネルギー供給体制の構 築をめざしています。

面 積:602.79km2 人 口:110,794人 世帯数:41,525世帯

気 象:(年間平均気温) 12.7℃

(年間降水量) 2,361.5mm (年間日射量) 1,489.8h (年間平均風速) 3.9m/s

その他:全国で7番目に風力発電のポテンシャルの 大きな地域

図 2-19 庄内地域の将来イメージ

(24)

(2)  群馬県甘楽町 

昭和 59 年(1984年)、北区の「区民が良好な自然環境の中で、スポーツレクリエーションを楽しむ 自然休暇村構想」と東京都の紹介による甘楽町の農業活性化を図る都市の選定が合致し、昭和 61 年

(1986年)に「自然休暇村事業協定」を締結、昭和63 年(1988年)には甘楽町に宿泊施設とレクリ エーション施設を兼ね備えた「甘楽ふるさと館」が開設され、利用されています。

【甘楽町の概要】

【エネルギーに関する取り組み 等】

○甘楽-北「食」交流事業

北区の小中学校に設置した生ごみ処理機か らできたコンポストを甘楽町に運んで肥料に し、その肥料でできた野菜や果物を区内のエ コー広場館で販売しています。

○菜の花エコプロジェクト in 甘楽

地域にある資源を利用してつくったエネル ギーを地域内で使用するという資源循環型の 地域づくりをめざし、甘楽町内において休農 地に菜の花を植えてナタネを収穫、搾油して ナタネ油を製造し、ナタネ油は料理や学校給 食に使い、廃食油は回収して石けんや軽油代 替燃料にリサイクルしています。

面 積:58.57km2 人 口:13,913人 世帯数:4,692世帯

気 象:(年間平均気温) 11.7℃

(年間降水量) 1,454.5mm (年間日射量) 1,654.9h (年間平均風速) 1.0m/s

その他:首都圏に比較的近く、野菜を中心とする農産物の 栽培が盛ん

図 2-20 甘楽-北「食」交流事業

出典:甘楽町有機農業研究会

図 2-21 菜の花エコプロジェクト

出典:群馬県地域新エネルギー詳細ビジョン

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(3)  群馬県中之条町 

昭和19 年(1944年)、滝野川地区の小学生約2,000人が中之条町の四万温泉を中心に学童疎開して いたことが縁となり、昭和61年(1986年)、北区長をはじめ、当時の疎開児童250名が中之条町から 招待されました。このことが交流のきっかけとなり、昭和63年(1988年)から児童交流事業が開始さ れています。

【中之条町の概要】

【エネルギーに関する取り組み 等】

○群馬県バイオマス活用推進計画(平成 24 年 3 月)

群馬県の自然的条件及び経済・社会的条 件に即したバイオマス活用施策を効果的 に推進するため、バイオマス活用の基本的 な取組方針と利用量等の目標を示されて います。

この中で、群馬県は、平成33年度(2021 年度)までにバイオマス利用率を現状の

71%から81%にまで高めることをめざし

ています。特に、現状ではほとんど未利用 である林地残材について、切捨間伐から利 用間伐に移行し、バイオマス利用率の上昇 をめざしています。

○中之条町大規模太陽光発電事業

中之条町では、現在、町内3ヶ所への大規模太陽光発電所の設置を進めています。このうち2ヶ所は 町が事業主体となり、1ヶ所は民間事業者へのリース方式による設置となります。最大出力は5千

kW(5MW)で、年間一般家庭約1,400世帯に相当します。

面 積:439.28km2 人 口:17,920人 世帯数:6,784世帯

気 象:(年間平均気温) 11.9℃

(年間降水量) 1,575.5mm (年間日射量) 2,097.4h (年間平均風速) 1.6m/s その他:町域の約84%が山林

出典:群馬県バイオマス活用推進計画 表 2-9 バイオマス賦存量と利用量の現況

参照

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