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自動車分野特集の発刊にあたって (樋渡俊二)(249 KB)

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1 〔日 本 製 鉄 技 報 第 412 号〕  (2019)

巻頭言

日本製鉄(株)としての最初の技報を自動車分野特集として発刊することになりまし た。日本の自動車産業は周辺の様々な産業を巻き込みながら,世界の市場で競争力を強 化し,日本の発展を牽引している重要な産業の一つです。鉄鋼業も自動車産業の発展と 歩調を合わせて進化してきました。このことを踏まえると,新たな社名で発刊する技報 が自動車分野特集から再スタートするのはたいへんありがたい巡り合わせだと感じてい ます。 自動車用鋼板を一例として技術の発展を振り返ると,高度経済成長期には,自動車の 大量生産のニーズに対して,連続化を含む一貫製鉄技術の発展が量と質を両立した素材 供給で貢献しました。続くグローバル化の時代には,1990年ごろまでの北米での防錆 ニーズに対して様々な表面処理鋼板の開発で応え,さらに各地域の衝突安全厳格化およ び走行時CO2排出削減のニーズに対して様々な高強度鋼板とその利用技術を進化させ続 けています。現在,注目されている 持続可能な発展 には素材の製造からリサイクル, 廃棄までを見通した環境負荷低減も重要です。クローズドループリサイクルが可能でラ イフサイクルでのCO2排出削減に優れた鉄鋼材料で環境に貢献するためにも,車体軽量 化のソリューションを開発,提案し,主要な自動車用材料として選ばれ続けることが重 要であると考えています。 本特集では自動車の車体・足周り・駆動ユニットに関わる材料とその利用技術の研究 開発の一端を紹介します。日本のものづくりの競争力の源泉は様々な関係部門が連携し て技術の摺り合わせを行うことにあるといわれています。ここで紹介する技術も材料と 構造と工法を摺り合わせた総合的な取り組みから生まれたものです。読者の皆様には鉄 を極めることを目指した研究開発の現時点での到達点を知っていただけると幸いです。 自動車は100年に1度の大変革を迎えているといわれています。鉄のエキスパートと して,電動化,自動運転,シェアリングなど,自動車業界の大きな変革の波に対応し, クルマの未来をデザインすることを使命としてさらに進化し,貢献して参ります。引き 続きのご愛顧とご指導を賜りますようお願い申しあげます。

自動車分野特集の発刊にあたって

樋 渡 俊 二

* 鉄鋼研究所 材料ソリューション研究部長 Ph.D.

参照

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