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Zoomを用いた遠隔授業システム構築のための初期対応 : 北海道教育大学教職大学院におけるZoom導入報告

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Academic year: 2021

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(1)Title. Zoomを用いた遠隔授業システム構築のための初期対応 : 北海道教育大学 教職大学院におけるZoom導入報告. Author(s). 杉本, 任士. Citation. 北海道教育大学大学院高度教職実践専攻研究紀要 : 教職大学院研究紀要 , 11: 1-12. Issue Date. 2021-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/11673. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学大学院高度教職実践専攻研究紀要 第11号. 特集論文. Zoomを用いた遠隔授業システム構築のための初期対応 ─ 北海道教育大学教職大学院におけるZoom導入報告 ─ 杉 本 任 士*. Ⅰ 背 景 2020年4月、新型コロナウイルス感染症対策として、北海道教育大学教職大学院(以下、本院)で は、Zoom⑴を用いた遠隔授業が実施されることになった⑵。予てより本院は札幌校、旭川校、釧路校、 函館校の4キャンパスを双方向遠隔授業システム(テレビ会議システム)によるアクティブ・Eラー ニング(Active e-Learning)を実践しており、その成果と課題を学術的に示してきた(例えば、小 野寺・井門・梅村・野寺・松橋・小沼 2020;杉本・藤森・梅村・安井 2020;前田 2020等)⑶。 しかしながら、今回の取組は、最大35名の院生と主担当・副担当の教員4~7名の約40名が、それぞ れ個別にZoomミーティングにアクセスして授業を行うものであり、 本院にとって初の試みであった。 Zoomでの遠隔授業開始までのスケジュールを表1に示した。4月2日の教員会議で、院生の感染 予防と学びを保障するために、Zoomによる遠隔授業を行うことが確認された。当初の計画では、新 入生ガイダンスが4月5日で、授業開始が4月8日であったが、それぞれ4月6日と4月14日に延期 となった。新入生ガイダンスでは、院生のネットワーク環境等を確認するためにICT環境調査を行っ た。その結果に基づき、大学から貸与されているパソコンでZoomによる遠隔授業に参加する院生の ために新たに購入したWEBカメラを貸与するなどの措置を行った。そして、4月13日に接続状況の 確認を兼ねてデモンストレーションが行われた。Zoomによる遠隔授業を行うための環境整備は順調 に進んでいたが、それと同時に教員がZoomの基本的な機能を理解し、授業で使えるようにする必要 があった。表1に示した取組の具体については、次の章で述べる。 表1 授業開始までのスケジュール 月 日. 主 な 取 組. 4月2日. 教員会議でZoomを用いたオンライン授業を行うことを決定. 4月2日~. 情報図書委員会によるマニュアルの作成と授業システムの構築. 4月5日~13日. 情報図書委員会による研修会の実施 各キャンパスでの研修会の実施. 4月6日. 新入生ガイダンス(感染リスクを回避するために分散して実施) 情報環境調査. 4月7日~13日 WEBカメラ、パソコンの貸与等の情報環境の整備 4月12日~. 授業の登録(ミーティングの設定)開始. 4月13日. Zoomのデモンストレーション. 4月14日. 授業開始. ───────────────────── *. 北海道教育大学教職大学院(大学院教育学研究科高度教職実践専攻)函館. 1.

(3) 杉 本 任 士. Ⅱ Zoomによる遠隔授業開始に向けての準備と取組 1 各種マニュアルの作成 本院の教員は、Zoomを使ったことがない、または使ったことはあるがホストの経験がない者が大 半であった。また、Zoom等のテレビ会議システムを経験したことがない院生もいることから、 マニュ アルを作成する必要があった。WEBにも参考になるサイトが多数存在するが、授業で使用できる設 定にする必要があったことから、本院オリジナルのマニュアルの作成は必須であった。授業開始に向 けて著者が作成したマニュアルの一覧を表2に示した。教員向けのマニュアルは、Zoomを使ったこ とがない教員を対象とし、ソフトのダウンロードとインストール、大学から付与されたZoomアカウ ントの承認・登録、 授業の予約を行えるよう作成した。院生向けのマニュアルは、Zoomのダウンロー ドの方法や授業への参加の仕方、基本的な設定に関するものであった。マニュアルはWordもしくは PowerPointで作成したものをPDF形式で保存したものを配付した。 表2 マニュアル一覧 主な対象 教員向け. 院生向け. マニュアルの内容. 作成に使用したソフト. スライド・ページ数. アカウントの承認作業. PowerPoint. 16. アカウントの登録の仕方. PowerPoint. 11. 授業予約の方法. Word. 8(A4版). ガイダンス資料. PowerPoint. 11. 授業への参加方法. PowerPoint. 4. 2 研修会の実施 実際にZoomで授業が行えるように研修会を実施した。情報図書委員会が主催した研修会は2回、 その他、各キャンパスで自主的な研修会が3回程度実施された。研修時間は約1時間で、 研修内容は、 1)接続状況の確認(画像や音声) 、2)画面の共有、3)チャット機能、4)共同ホストの設定、5) ホストの交代、6)ブレイクアウトセッション、7)レコーディング、8)バーチャル背景、等につ いてであった。 3 授業の登録(ミーティングの設定) Zoomでの遠隔授業を行うにあたって、授業の登録すなわちミーティングの設定を行う必要があっ た。ミーティングの設定は、科目の主担当がホストとしてそれぞれ登録しなければならなかった。そ こで、著者が作成したマニュアルをメールに添付し全教員へ配付した。 マニュアルに記載した主なミー ティングの設定について表3に示した。 開催日時の指定は週ごとの定期ミーティングとし、 「トピック」には授業名、 「説明(任意) 」には 授業の主担当・副担当の名前等を入力することにした。本院の双方向遠隔授業では授業の録画を行っ ていたため、Zoomによる遠隔授業もそれに準じて録画できるようビデオ機能を許可する設定とした。 チャット機能はオンとし、ミーティング終了後自動的に保存される設定にした。待機室の機能の設定 もオンとした。Zoomはその脆弱性が指摘されており、その弱点をカバーする方法として待機室を設 定することが推奨されている。待機室の設定をオンにすることによって、ホスト(科目の主担当)以 外のメンバー(科目の副担当、受講生)は、ホスト(共同ホスト)が承認しなければミーティングに 2.

(4) Zoomを用いた遠隔授業システム構築のための初期対応. 表3 主なミーティングの設定 設 定 項 目 開催日時の指定. オン・オフ・許可・不許可・入力内容等 週ごとの定期ミーティングに設定する 「トピック」には授業名を入力する ミーティングのスケジュール 「説明(任意)」に授業の主担当・副担当の名前等を入力する ミーティングパスワード オン ビデオ ホストのみ許可 ホスト前の参加 許可 待機室 オン 入室時に参加者をミュートにする オン ミーティングを自動記録 オン、ローカルコンピュータ上 URLへのパスワードの埋め込み 許可 チャット機能はオン チャットの自動保存はオン チャット プライベートチャットは不可 ファイルの送信は許可 共同ホスト 許可 ブレイクアウトルーム 許可 事前割り当ても許可. 参加できない設定とした。そのことによって、不審者の入室を未然に防ぐようにした。授業でグルー プ討議等を行うためには、 「共同ホスト」や「ブレイクアウトセッション」の設定をオンにしておく 必要があった。アクティブ・Eラーニングを推進している本院にとっては、 大変重要な設定であった。 4 授業への参加方法 院生に授業に参加するためのZoomの招待リンクを周知する必要があったため、本院で利用してい るパーソナルポートフォリオシステム⑷のインフォメーションにリンクを作成し掲載することにした (図1参照)。招待リンクは、科目の主担当が設定したミーティングURLを著者が集約し、一括して インフォメーションに掲載した。パーソナルポートフォリオシステムは、本院の教員と院生のみが登 録されており、アクセスするためには事前に登録されているIDとパスワードを入力する必要がある。 そのため関係者以外にリンクを知られることはなく、不正アクセスの防止となった。. 図1 授業へのリンク. 3.

(5) 杉 本 任 士. 5 TAの業務 4キャンパスによる双方向遠隔システムによる授業と同様、Zoomによる遠隔授業においてもTA (Teaching Assistant)の役割は大変重要である。TAの主な業務は、1)出欠や途中退出の確認、2) 受講生の入室の許可、3)マイクのミュート、4)画面共有の停止、5)受講生の共同ホストの設定、 などであった。TAがこれらの業務を担うことによって、 教員は授業に集中して取り組むことができた。. Ⅲ 授業で用いたZoomの機能 1 待機室と名前設定 関係者以外のアクセスを未然に防ぐため、受講生は一旦待機室へ送られる設定であった。また、受 講生には、授業に参加する際、事前に配付したマニュアルに従い、本名を漢字で、括弧の中に修学校 を記入するよう設定の変更を行うことを求めた(図2参照) 。名前の設定を行うことによって、受講 生の出欠や途中退出の確認、授業での指名が容易になった。. 図2 名前の設定方法. 2 スピーカーとマイクの設定 Zoomによるオンライン授業では、スピーカーとマイクの設定が重要となる。そこで、受講生に対 して授業に参加する前に、事前に配付したマニュアルに従いスピーカーとマイクの設定を確認するこ とを求めた(図3参照) 。 3 画面共有 画面共有は、授業者や受講生が資料を提示するのに用いるため、最も頻繁に使われる機能である。 画面共有に用いられたソフトはPowerPointが多かったが、PDFやWordを用いて、画面をスクロール しながら授業を行う教員もいた。 4 チャット チャットの機能は、音声が聞こえない、画面が共有されていない、通信環境の影響からZoomから ログアウトしてしまったなどの不具合が起こった時の連絡に用いることが多かった。他方、アクティ 4.

(6) Zoomを用いた遠隔授業システム構築のための初期対応. 図3 マイクとスピーカーの設定について. ブ・Eラーニングの方法の1つとして、受講生の意見や質問を共有するためにチャットに書き込むよ う指示する教員もいた。また、ファイルの添付機能もあるので、追加の資料などを添付して送ること もあった。 5 ブレイクアウトセッション ブレイクアウトセッションは、グループ討議などを行う時に使用した。ブレイクアウトセッション でブレイクルームに振り分ける方法は、ランダムに振り分ける自動振分とメンバーを指定する手動振 分の2つの方法がある⑸。受講生が多い授業の場合、手動振分にすると振り分けるのに時間がかかる ため、受講生を一旦自動振り分けでランダムにグループに分け、 その後自分で指定されたブレイクルー ムに移動するという方法がとられた。 そのためには受講生全員を共同ホストに指定する必要があった。 主担当が一斉授業を行っている間等を利用して、ホストの権限をもっている教員がTAにホストの権 限を渡し、そのTAが受講生を共同ホストに指定するという方法をとった。やり方がよく分からない 場合や誤操作などにより指定されたブレイクルームに移動できない受講生もいたが、その際はホスト 権限を持っている者が手動で振り分けた。しかし、回数を重ねるうちにこのようなトラブルはほとん どなくなった。 6 ホワイトボード Zoomのホワイトボードの機能は、ブレイクアウトセッションでグループの意見をまとめるのに使 用した。ホワイトボードは、院生にとって使い慣れていない機能のため、グループによって活用に差 が見られた。ホワイトボードのメリットは、メンバーが同時に書き込める点にある。しかしながら、 パソコンのスペックや通信速度の影響により、WordやPowerPointのようにスムーズな書き込みがで きず、苦労する院生もいた。こうした問題を解決するには、予めWord等のソフトで作成していた文 章を、コピーアンドペーストするとよい。しかしながら、Zoomのホワイトボードの画面にポインタ を持っていって右クリックしても何も表示されない。しかし、 ショートカットキーの「Ctrl」+「V」 を用いることで、ホワイトボードに貼り付けることができる。新しい機能を覚え、使えるようになる には一定の回数と時間が必要である。したがって、ブレイクアウトセッションの時間はできるだけ長 く確保すると共に、ホワイトボードの機能を継続して使っていくことが重要である。 5.

(7) 杉 本 任 士. 図4 院生が作成したホワイトボードの一例. 7 録画機能 本院の4キャンパスを結んだ双方向遠隔授業では授業の録画を行っていたため、Zoomによる遠隔 授業もそれに準じて録画できるようビデオ機能を許可する設定とした。録画データはZoomアカウン トのクラウド上に保存することもできるが、契約プランでは1GBまでしか保存できないため、ロー カルコンピュータに保存する設定にした。. Ⅳ 院生へのアンケート調査の結果と考察 著者が主担当の科目の受講生を対象にZoomによる遠隔授業ついてアンケート調査を行った。アン ケート調査は第3週目(4月25日)の授業が終わった段階で、Googleフォームを用いて行われた。対 象者は全て1年生で、35名中27名(77.1%)の回答があった。その結果を表4に示した。 表4 Zoomによる遠隔授業についての結果 質 問 内 容 ①. Zoomでの授業に不安はありましたか? ※. ②. Zoomでの授業に慣れましたか?. ③. Zoomの授業にスムーズに入室できますか?. ④. Zoomの画面は見やすいですか?. ⑤. Zoomの音声は聞きやすいですか?. ⑥. Zoomでの授業は疲れますか? ※. とても 0名 (0.0%). 少し 0名 (0.0%). あまり 7名 (25.9%). 全く 20名 (74.1%). 4名 (15.4%) 19名 (70.4%) 10名 (37%). 20名 (76.9%) 8名 (29.6%) 13名 (48.1%). 2名 (7.7%) 0名 (0.0%) 4名 (14.8%). 0名 (0.0%) 0名 (0.0%) 0名 (0.0%). 6名 (22.2%) 8名 (29.6%). 18名 (66.7%) 16名 (59.3%). 3名 (11.1%) 2名 (7.4%). 0名 (0.0%) 1名 (3.7%) ※は逆転項目 n=27. 6.

(8) Zoomを用いた遠隔授業システム構築のための初期対応. 「Zoomでの授業に不安はありましたか?」の問いに対して、ネガティブな回答( 「あまり」と「全 く」の合計)の割合が100%であったことから、授業に不安を抱いていた院生はほとんどいなかった ことが示唆された。事前のデモンストレーションや各キャンパスでの接続テスト等が功を奏したと推 察される。「Zoomでの授業に慣れましたか」という問いに対して、 ポジティブな回答( 「とても」と「少 し」の合計)をした院生の割合は92.3%であったことから、第3週目の段階で多くの院生がZoomで の遠隔授業に慣れていたことが示唆された。 「Zoomの授業にスムーズに入室できますか?」の問いに 対して、ポジティブな回答( 「とても」と「少し」の合計)の割合が100%であったことから、パーソ ナルポートフォリオシステムのインフォメーションへのリンク掲載が上手く機能していたと考えられ る。「Zoomの画面は見やすいですか?」という問いに対するネガティブな回答( 「あまり」 )の割合は 14.8%で、 「Zoomの音声は聞きやすいですか?」という問いに対するネガティブな回答( 「あまり」 と「全く」の合計)の割合は11.1%であったことから、 何らかの改善が必要であることが示唆された。 「Zoomでの授業は疲れますか?」という問いに対するネガティブな回答( 「とても」と「少し」の合 計)の割合は88.9%であった。院生は週4科目程度履修しており、1週の授業が90分2コマで合計3 時間である。土曜日は必修の科目が2つあり、途中昼食休憩が50分あるものの、合計6時間の授業を 受けなければならない。長時間同じ姿勢でパソコンの画面を見続けると疲労が蓄積するのは必然であ り、こま目に休憩を取るなどの対策が必要であることが明らかとなった。 Zoomによる遠隔授業でのトラブルについて問いに対する結果を表5に示した。アンケート調査の 結果、接続に関するトラブル、音声に関するトラブル、画面に関するトラブルが発生していたことが 明らかとなった。また、 これらのトラブルの具体的な内容について記述を求めた結果を表6に示した。 これらのトラブルの詳細とその改善策については次の章で述べる。 表5 Zoomによる遠隔授業でのトラブルについての結果 質 問 内 容 ① 接続に関するトラブルはありましたか? ② 音声に関するトラブルはありましたか? ③ 画面に関するトラブルはありましたか?. 1度もない 16名 (59.3%) 12名 (44.4%) 21名 (77.8%). 1度だけある 3名 (11.1%) 9名 (33.3%) 2名 (7.4%). 数回ある 8名 (29.6%) 6名 (22.2%) 4名 (14.8%) n=27. Ⅴ 初期段階でのトラブルへの対応 事前の研修や各キャンパスで院生の接続状況を確認しておいたことが功を奏し、大きなトラブルは なかった。しかしながら第4節で述べた通り、院生にアンケート調査を行った結果、接続に関するト ラブル、音声に関するトラブル、画面についてのトラブルがあったことが明らかとなった。そこで本 節では、これらを含め初期段階で発生したトラブルとその改善策について述べる。 1 接続の問題 ⑴ 接続切れのケース 通信環境の影響で接続切れになった受講生がいた。受講生が接続切れとなった場合は、再度、パー ソナルポートフォリオシステムのインフォメーションに掲載されているリンクから入り直す必要があ 7.

(9) 杉 本 任 士. 表6 トラブルの具体的な内容 トラブルの内容. 具 体 的 な 内 容. 接続に関して. ・自宅Wi-Fiが原因かと思いますが、3、4回、つながりづらくなりました。 ・自宅で家族が他のネット機器や電子レンジを使った場合に接続が不安定になる。講義 の時間中は一切使用しないように家族に頼んでいるので、家庭生活に影響が出ている。 あとは、不定期で不安定になることがある。 ・途中でルームから抜けてしまうことが2、3回ありました。. 音声に関して. ・ラグがあった。本日の講義においても数回生じていたが、おそらく発言者側の通信環 境の問題かと思われる。 ・1講義に2度程 ・3、4回、完全に聞こえなくなりました。 ・音声が途切れたり、音声が飛んだりする。 ・特にブレイクアウトセッションになると音声が途切れることが2、3回ありました。 ルーターとの距離を縮めると改善されたので、自宅のネット環境によるものと思われ ます。 ・途中プツプツととぎれる。頻繁に起こる。. 画面に関して. ・共有画面のスライドが止まったままになることが、数回ありました。 ・共有画面が共有されてなかったりする。おそらく共有側の問題だと思います。 ・特にブレイクアウトセッションになると映像が途切れることが2、3回ありました。 ルーターとの距離を縮めると改善されたので、自宅のネット環境によるものと思われ ます。 ・2、3回ほど。画面共有でスライドのページが動かなかった。 ※明らかな誤字や脱字は修正した. る。大半はこれで解決される。しかしながら、再入室の場合も一旦待機室に送られるため、ログイン できなかったと勘違し何度もログインとログアウトを繰り返すというケースがあった。そうした場合 は、各キャンパスの教員もしくはTAから対象の受講生へ電話で連絡し、リンクをクリックしたらし ばらく待つように指示することで問題は解決された。 ⑵ 主担当がログインできないケース 主担当がホストとしてログインできないというケースもあった。ミーティングの予約を行ったアカ ウントでログインしていないことが原因であると考えられた。そこで、1)以前Zoomにアカウント 登録したことがある場合は、以前のアカウントをZoomからログアウトする、2)大学から付与され たミーティングの予約を行ったアカウントでログインする、3)他メールアドレス等と関連付けされ ていないか確認し、関連付けられていた場合は解除する、等を確認することによって、問題は解決さ れた。 ⑶ ミーティングを終了してしまったケース 著者がホストとしてブレイクアウトセッションを開催していた時、誤ってミーティングを終了して しまったことがあった。操作に慣れていないため、ブレイクアウトセッション終了のボタンではなく Zoomミーティングの終了のボタンを誤ってクリックしてしまったことが原因である。著者の誤操作 が原因であるが、多くの受講生は自分のPCの通信環境が原因で接続切れになったと思ったようであ る。受講生は素早くリンクからログインし直すことができたため、2分程度で授業を再開することが できた。 2 音声の問題 ⑴ 音声が聞こえない 自分の声が届かない、 相手の声が聞こえないなどの音声トラブルの主な原因は、 マイクかスピーカー 8.

(10) Zoomを用いた遠隔授業システム構築のための初期対応. の選択が間違っているケースがほとんどである。こうしたトラブルは、事前に「スピーカー&マイク テストする」(図3の①)を行い、適切なスピーカーとマイクを選択することによって回避できた。 ⑵ ノイズの問題 ノイズや音声がブチブチ切れるという現象が報告された。その反面全く気にならなかったという院 生もいたことから、おそらくネットの環境やパソコンのスペックの問題だと考えられる。パソコンは Wi-Fiでネットに接続した場合は、有線でつなぐことにより問題が解消されることがあることを共有 した。家族でWi-Fiを共有している場合は、家族がYouTubeなどを見始めた瞬間、音声が聞き取りに くくなったという報告もあった。同居する家族の理解と協力も重要であることがわかった。また、時 間帯によってネット回線が混んでいるときも不安定になった。しかし、話し手がゆっくり話すことに よって授業に支障がない範囲で聞き取れるようであった。授業を行う教員は、短い一文で、区切るよ うに、ゆっくり話すことを心がけることが確認された。 ⑶ ハウリングの問題 Zoomミーティングに2台以上の端末で参加する場合は、オーディオを有効にできる端末は1台の みで、他の端末はオーディオから退出させておく必要がある。パソコンで授業に参加し、タブレット で資料をみるケースがこれにあたる。Zoomの場合、マイクのミュートやボリュームをゼロにしても ハウリングが発生する。さらに、授業中はマイクをミュートの状態にしておくことも重要である。マ イクの性能にもよるが、生活音などがマイクに拾われ、授業の支障になることもある。 3 画面の問題 ⑴ 画面の大きさの問題 ギャラリービューでは、受講生の人数が多い時、一人あたりのサムネイル画像が小さくなるため、 モニターの大きさによっては受講生の顔がよくわからない。また、パソコンのスペックやZoomの設 定によって1つの画面では受講生全員の顔が表示されず、画面を切り替えなければならない⑹。さら に画面共有が行われると、画面に映し出される参加者の数はさらに限定されてしまう。こうした問題 を解決するには、複数のモニターを使用するとよい。 画面共有で映し出された資料の文字が小さくて見えないということもあった。4キャンパスを結ん だ双方向遠隔授業システムだと教室にある大型モニターに資料が映し出されるが、Zoomによる遠隔 授業はそれぞれが使用しているパソコンやモニターによって見え方が異なる。そのことを踏まえて資 料を作成する必要がある。PowerPointのスライドの場合は、文字の数を減らし大きくする。強調し たいところを拡大したスライドを作成するなどの工夫が必要であろう。WordやPDFを画面共有する 場合は、参加者に確認しながら適切な大きさに拡大して表示することが重要である。 ⑵ 誤って画面共有をしてしまう問題 受講者が自分の画面を誤って共有してしまうことも何度かあった。これもZoomの操作に慣れてい ないことによるミスである。画面が共有されたり、解除されたりするタイミングでZoomの画面でモ ニターが一杯になってしまうことによる誤操作である。元の画面に戻そうとして、誤って画面共有の ボタンを押してしまい、画面共有の選択肢の中にある自分が開いているソフトを共有してしまうので ある。画面共有をした本人は自分の画面が共有されていることに気がついていないことがほとんどで ある。Zoomの画面が全表示になり、他の画面が見えなくなった場合は、エスケープキー(ESC)を 押すことによって元の状態に戻すことができる。. 9.

(11) 杉 本 任 士. ⑶ 提示したい画面を共有できない問題 Zoomの操作に慣れていないと、画面の共有がうまくいかないことがある。プロジェクターを用い て発表するのと異なり、発表者が提示したい画面と実際に参加者に共有されている画面が異なること がある。こうした問題を未然に防ぐには、PowerPointの「スライドショーの設定」を「出席者とし て閲覧する」に設定するのが確実な方法である。しかしながら、モニターが一台でPowerPointの発 表者ツールを使用したい場合、この方法は使えない。それでも発表者ツールを使用したい場合は、 Zoomの「詳細」設定で「画面の部分」の機能を用いて、 発表者ツールで表示されているスライドショー の画面だけを切り取って共有するか、複数のモニターを使用する必要がある。複数のモニターを使用 する場合、PowerPointの「スライドショー」のタブの「モニター」の設定で、スライドショーの画 面が受講生のPCに共有されるように設定する必要がある(図5参照) 。. 図5 スライドショーの設定. Ⅵ 今後の展望 本稿は、2020年4月、新型コロナウイルス感染症対策として本院で行ってきたZoomによる遠隔授 業の実施へ向けての初期段階での取組について報告した。短期間の取組であったが、本院の教員、院 生、そして事務職員の理解と協力によって、何とか授業開始に漕ぎ着けることができた。その後本稿 で述べてきたようなトラブルが全く無くなったわけではないが、その都度適切な対応がとられ、その 頻度は明らかに少なくなったと思われる。また、Zoomの使い方にも慣れ、積極的にZoomの様々な機 能を試しながら、アクティブ・Eラーニングを継続して実践することもできた。 10月の後期授業より一部対面授業が実施されるようになった。しかしながら、事態は収束している わけではなく、キャンパスによって事情が異なることを考慮し、本院では後期の授業より、キャンパ スごとによる対面を基本としながらも、リモートでも参加可能なハイブリッド型双方向遠隔授業を行 うことになった。本稿を執筆している10月下旬の段階で、やっとハイブリッド型が軌道に乗り始めた ところである。今後ハイブリッド型双方向遠隔授業システムの成果と課題についても明らかにしてい きたい。 10.

(12) Zoomを用いた遠隔授業システム構築のための初期対応. 著者としては一刻も早く事態が収束し、従来通りの4キャンパスによる双方向遠隔授業システムに 復帰することを望んでいるが、残念ながらその見通しが立たない状況にある⑺。Zoomによる授業が しばらくの間継続されると考えた場合、その学修効果について検証が必要である。特にハイブリッド 型の授業が開始されたことにより、授業に対面で参加する院生とリモートで参加する院生との間で学 修効果に違いが生じないか検証する必要があるだろう。 この事態がいつまで続き、状況がどのように変化するか予想困難であるが、院生が安心して学びを 継続することができる環境整備に努めていきたい。 〈註〉 ⑴ Zoomとは、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼに本社をおくZoomビデオコミュニケーションズが提供するク ラウドコンピューティングを使用したWeb会議サービスの名称である。 ⑵ 文部科学省は、令和2年(2020年)3月24日付けの通知「令和2年度における大学等の授業の開始等について(通知) 」 (元文科高第1259号)の中で、学修時間の弾力的取扱を認めている。 ⑶ 近年の本院のアクティブ・Eラーニングの取組については、2016年(平成28)に日本教職大学院協会の年度研究大会 分科会で「北海道教育大学教職大学院の挑戦─ICT 教育・アクティブラーニングの理論と実践─」というテーマで発 表が行われている。また、2018(平成30)年度の北海道教育大学・学長戦略経費「双方向遠隔授業システムの効果的活 用方法の探究─アクティブ e-ラーニングの理論と実践─」における研究成果等を、『北海道教育大学大学院高度教職実 践専攻研究紀要 第10号』の「特集1 教職大学院における双方向遠隔授業システムの役割」(2020年2月)として公 開している。 ⑷ パーソナルポートフォリオシステムとは、株式会社ネオジャパンが提供するクラウド型グループウェア(desknet’s NEO)のことである。 ⑸ 米Zoom Video Communicationsは2020年9月21日(現地時間)に、Zoomクライアントアプリの最新版v5.3.0が公開 された。最新版では「参加者によるルーム選択を許可」の機能が追加され、参加者がブレイクアウトルームを自由に選 べるようになったことだ。 ⑹ MacまたはWindowsバージョン4.1.x.0122以降のZoomクライアントアプリでは、ギャラリービューはデフォルトで一 画面最大25名までサムネイル表示される設定となっている。しかしCPUの性能によっては、一画面に最大49名の参加者 まで表示することができる。 ⑺ 北海道教育委員会は、令和2年(2020年)11月7日付けの通知「道の「警戒ステージ」の移行に伴う感染症対策の徹 底について(通知) 」 (教健体第694号)の中で、北海道の警戒ステージが「ステージ2」から「ステージ3」に移行し たことに伴い、感染症対策の徹底について通知している。. 〈引用・参考文献〉 北海道教育委員会,2020,新型コロナウイルス感染症に関する情報サイト,http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/page. jsp?id=1289699&version=&0.21534329582872658〈閲覧日:2020年11月7日〉 北海道教育大学,2020,新型コロナウイルスに対する本学の対応について,https://www.hokkyodai.ac.jp/info_important/ honbu/detail/1860.html〈閲覧日:2020年11月7日〉 国立情報学研究,2020,「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況」,https://www.nii.ac.jp/event/other/decs/〈閲 覧日:2020年10月30日〉 桑田喜隆・石坂徹・早坂成人・小川祐紀雄,2020,「室蘭工業大学における新型コロナウイルス感染症対応のためのICT環 境 整 備 」 『SIG-KSN』 ,27,https://jsai.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_ item_ detail&item_id=10853&item_no=1&page_id=13&block_id=23〈閲覧日:2020年10月28日〉 前田輪音「課題を協働で解決する授業実践による主権者意識形成の試み─双方向遠隔授業システムを用いて─」『北海道 教育大学大学院高度教職実践専攻研究紀要』第10号,pp.25-36 松下幸司,2020,「大学の遠隔講義におけるアクティブラーニング型授業の試み」『香川大学教育実践総合研究』,41, pp.89-98.. 11.

(13) 杉 本 任 士. 文部科学省,2020,新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する対応について,https://www.mext.go.jp/a_menu/ coronavirus/index.html〈閲覧日:2020年11月7日〉 小野寺基史・井門正美・梅村武仁・野寺克美・松橋淳・小沼豊,2020,「双方向遠隔授業システムを活用した対話型授業 の構想と実践」『北海道教育大学大学院高度教職実践専攻研究紀要』第10号,pp.1-14 杉本任士・藤森宏明・梅村武仁・安井智恵「双方向遠隔授業システムにおけるキャンパス間での教員の連携に関する一考 察─科目『生きる力を育む学年・学級経営の実際と課題』の授業分析を通して─」『北海道教育大学大学院高度教職 実践専攻研究紀要』第10号,pp.15-24 田中雅人・安倍博,2020,「福井大学医学部におけるパンデミック下での新たな遠隔授業システム(F. MOCE)の開発と 運用」『医学教育』,51⑶,pp.244-246. Zoom Video Communications, 2020a, “Changing the video layout (Active Speaker View and Gallery View)” Zoom Help Center, https://support.zoom.us/hc/en-us/articles/201362323-Changing-the-video-layout-Active-Speaker-Viewand-Gallery-View-〈閲覧日:2020.10.30〉 Zoom Video Communications, 2020b, “Frequently asked questions” Zoom Help Center, https://support.zoom.us/hc/enus/articles/206175806〈閲覧日:2020.10.30〉 Zoom Video Communications, 2020b, “Frequently asked questions” Zoom Help Center, https://support.zoom.us/hc/enus/articles/206175806〈閲覧日:2020.10.30〉 Zoom Video Communications, 2020c, “Screen sharing a PowerPoint presentation” Zoom Help Center, https://support. zoom.us/hc/en-us/articles/206175806〈閲覧日:2020.10.30〉. 12.

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では、シェイク奏法(手首を細やかに動かす)を音

 英語の関学の伝統を継承するのが「子どもと英 語」です。初等教育における英語教育に対応でき

【対応者】 :David M Ingram 教授(エディンバラ大学工学部 エネルギーシステム研究所). Alistair G。L。 Borthwick