民事救済としての<忘れられる権利>について
著者 野々村 和喜
雑誌名 同志社法學
巻 68
号 7
ページ 3119‑3161
発行年 2017‑02‑28
権利 同志社法學會
URL http://doi.org/10.14988/pa.2019.0000000142
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三一一九ついて同志社法学六八巻七号九七一> に
民 事 救 済 と し て の
れ ら れ る 権 利 < 忘
い つ て > に
野 々 村 和 喜
Ⅰ は じ め に
本稿は、近時日本でも大きな関心を集め、すでにいくつか裁判例も現れているれられる権利 < 忘
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この
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( )同志社法学 六八巻七号九七二民事救済としての
れられる権利 < 忘
いつて三一二〇 > に
二〇一四年頃からは、サジェスト機能ではなく、特定の人物の名誉ないしプライバシーを害する内容を含んだウェブページへのリンクおよびリンク先の内容の一部抜粋(いわゆるスニペット)が検索結果として表示されることについて、当該人物がそのような検索結果の不表示を求めた仮処分申立について、これを認める例が続いてきている
)2
(。
このような救済に対する要求の高まりは、おそらく次のような事情が背景にあるからであろう。すなわち、一九八〇年代以降絶え間なく、かつ急速に技術進歩を続けているインターネットという情報環境は、もはや、情報の発信源から不特定多数へと向けられた一方的な情報経路にとどまらなくなっている。いまやそれは、インターネットにアクセスできる全ての人々によって、一種のデータバンクとして、日常的かつ能動的に利用されている(いわゆる
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)。人物に関するネット上の情報は、それがどのような内容であれ、その人物に対して能動的に評価を下すうえでの素材となり得、(たとえば口コミサイトの問題にとりわけ象徴されるように)3
()社会生活を営むうえでの他者との関係形成を直接左右しうる。それゆえに、自己に関するネガティブな情報がネット上に存在する、あるいは存在し続けることは、従来以上に受け入れがたいものとなっていると思われるのである。
ところで、日本の裁判例においては、この
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デー人案提則規護保タ 4)
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委員識意を性通共のと会ざ公表したEU個州せがるは欧をに年二〇二、一者後。うろ得だいな るれてい点という特にめら的求がルーロトンコ法のへを徴で見ーるいでん呼を論議出ッロパヨはすらきにと、少し前か 既面用利の報情存ろしはイバロツンテンコいーな者るれらけ付置しダプをくむ、にうよの相上、記手はでのるすと方な ム情報プラーットフォアやトィデメスマ、しかし。いな供提い者と位に側者為行(表たっ現)ネどンターイッ示板な掲 と成構てし請権求の上法るす私ことにあまり疑問を持たれてい > を(において世界に先駆けて提案され(なお同提案は、審議・修正を経て二〇一五年一二月一五日に﹁三者合意﹂の後、二〇一六年四月二七日に採択、同月五月四日に交付され )5
(、二〇一八年五月二五日からの施行が予定
( )民事救済としての
れられる権利< 忘
いて同志社法学六八巻七号九七三三一二一つ> に
C /E 46 / 95
指)令(C 6) 〇る個人データ保護に関すEなの後のそ)、るいてれさると一法四年五月には、欧州司裁身判所二、右規則提案の前が(の解釈を通じてこれを認める判断(いわゆる
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スペイン判決) )7(を下したことで、一挙に国際的関心を集めることとなったものである。
ヨーロッパにおける
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がもともと個人データ保護法制、なかでもデータ主体 )8(のデータ管理者に対する消去権の展開である一方で、日本では、類似の
利 < 権
え与成るいてれらを 9) 済構のてしと救、へ個人の人格面の事干渉に対する民 > が
(。この相違自体も興味深いが、民事法の観点からみて興味深いのは、そもそもこの種の
利 < 権
> へ
の欲求が、自己の名誉・プライバシーを侵害するインターネット上の表現それ自体ではなしに、ネット上にすでに存在し他者との関係形成に悪影響を及ぼしうる﹁情報の利用可能性﹂をコントロールすることへと向けられているという実質にある。すなわち、個人に対する法的救済・利益保護の当否の判断が、別の個人の行為およびそれを通じて追求される利益との間の衡量ではなく技術進歩とそれが利用されることの社会的意義ないし効用に直接対峙させられるという意味において、この
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> を
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うよるるあでのるれわ思に ₁₀) 明いてし在存が分部な透枠す組みに落とし込もうとる不ことについては、やや > の
(。そこで本稿では、
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スペイン判決に至るまでの»r ig ht to b e f or go tte n«
の経緯を辿り、日本の議論の状況に照らし合わせてみることで、日本で注目されつつある事救済としての忘れられる権利 < 民
検みいについて簡単なた討を加えて ₁₁) 意義 > の
(。なお本稿は、民法理論としてこの
利 < 権
構を与律法のえること意を図するものではなく成 ₁₂) 当り否を論じた、上説得力ある民法 > の
(、今後の議論の下準備として、日本における動向をやや引いた観点から観察しようというに止まる。
(
1訴付朝刊)。後に、差止請求本案訟五の控訴審(東京高判平成二六(日二) 年東京地決平成二四(二〇一二)三月月一九日(未公表、毎日新聞同二
( )同志社法学 六八巻七号九七四民事救済としての
れられる権利 < 忘
いつて三一二二 > に
〇一四)年一月一五日(未公表))において原告請求が棄却され(同紙翌日付朝刊)、現在上告審係属中である。(
( L020611ACJP80W0920例定否、後のそ。いも早最が)ン続文献番号がパいに注掲後。るいて始れ現が例定肯めり、切いたところて前記ケースを皮 tlaWeswて同告しとるあで人法国米社被索はのるいてし営運をスビーサ削検の〇除義ャジ(日六月一一年)九〇二(一二成平判地京東たし定否を務 oogleG板中人に対し、検索結果中の上等傷本文言の削除を求めた事案で、ト法記日し掲その概要とともに検索結果とがてに表、ていつ示とるれさ示こ 確の事案は、う認しる限り請、求索止差示表果結検るす対に者業事ン原告会・ネータンイるす評とどな﹂徳悪質社悪﹁を社同とるみ試を索検で名ッ 2ジ一済経本日、表公未(日九月〇年聞)四一〇二(六二成平決地京東新翌ン) エ索検なうよのこ、おな。るあ例日定肯の初最くらそおが)刊朝付で
( 90)の一覧も参照。
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( )民事救済としての
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ついて同志社法学六八巻七号九七五三一二三> に (
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( ういを)言文るいてれえら換き置で則規は分部)]。
なお、日本の個人情報保護法制は、個人情報保護法を基本法に、民間事業者による個人情報の取扱いは同法で具体的に規律し、公的部門(国の機関、独立行政法人、地方公共団体)のそれについては各別の規律を用意する点で構造上大きな違いがあるが、民間事業者に関する限りで上記各用語に日本法上の用語を対応させれば、﹁個人情報﹂(同法二条一項)、﹁本人﹂(同条六項)、﹁個人情報取扱事業者﹂(同条三項。個人情報を容易に検索できるよう体系的に構成した情報の集合物(個人情報データベース等)を事業の用に供する者)、個人情報の﹁取扱い﹂である。もっとも、EUの規律が、個人データの処理そのものを規律する仕組みであるのに対して、日本の個人情報保護法は、個人情報データベース等の利用方法を規律し、そのことを通じて間接的に﹁個人データ﹂(データベース等を構成している個人情報。個人情報保護法二条四項)の保護が図られる仕組みである点で大きく異なり、単純な比較はできない。EUデータ保護規則委員会提案に関して、日本の二〇一五年改正の動きと対比しつつ紹介するものとして、石井夏生利﹁EU一般データ保護規則提案の動向⑴~⑶﹂NBL一〇二五号三〇頁、同一〇二九号三〇頁、同一〇三一号一八頁(二〇一四年)。(
、に解釈と同様の考たとすればえ 上する﹁私法権の請求﹂を有に対個者業事扱報情人るが人本、れぞれす取旨ちが令指保ターデUEるす討検に護の(、確明された化未に行)。仮施 一項)、およ人び本の同な意条同〇三後正改法(去消・止に停し停第止利そ、し関に)項三条同(供三提の合場るいてれさ供提者用の場たれさ得合 事後(同法改正一二九条削項)、除・・加追人正訂の合場るな異と実本なのる取にしな意同の人本はたま合場い同てれわ扱り取に外的目にし容意が 9内保業事扱取、ていおに正改法護報が情人個の月九年五一〇二、おな者保のベそ、きつに)報情人個の内スータ有ーデ報情人個(ターデ人個るす)
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( の取報情人個﹁くなはでも事るす用利し有保に自独扱業﹂解。るあでうよな力有も見者ういといならた当に﹂を等人スーベターデ報情 去請求の権が受の消三項一条〇皿はで係関けうとエ個は﹁者業事ンジン索な、検しかし。よ得り > と
10) 現在のところ日本では、
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。た点からこれを論じもののがほとんどである観制、、憲法学・行政法学と法りわけ個人情報保護> は
( )同志社法学 六八巻七号九七六民事救済としての
れられる権利 < 忘
いつて三一二四 > に
なかでも先駆的な文献として、宮下紘﹁﹃忘れられる権利﹄をめぐる攻防﹂比雑四七巻四号二九頁(二〇一四年)、同﹃プライバシー権の復権︱自由と尊厳の衝突﹄(中央大学出版部、二〇一五年)を挙げる(なお、後者については、本稿執筆にあたって参照できていないことを予めお断りせねばならない)。他方、民法の観点から検討を加えるものとしては、上机美穂﹁忘れられる権利とプラバシー﹂札法二五巻二号五九頁(二〇一四年)、同﹁不法行為法と﹃忘れられる権利﹄﹂奥田喜道編著﹃ネット社会と忘れられる権利︱個人データ削除の裁判例とその法理﹄四一頁(現代人文社、二〇一五年)がみられる程度である。(
注(る介されてい(宮下・前掲 種では、この非の法的済の是他方)たま)、照参をめ年一一〇二(頁三を救ぐ相紹らかっ早もとこるす在存が違くのを場ては西洋大挟立で根本的ん ッネたれこ忘をとる上れト四の記憶﹂法研八巻六号一八︱忘権がおスンラフ(りて議え控てしと史前の論展一忘と会社報情﹁英に藤伊、はていつ却 11fohtubliotrgoite b todrig à»rten« l'oに関しても、なおラのルベレ法UE、フ) ンて発法の法内国国各他のそ、とスめじはを﹂権却忘﹁るけおにし
10)を参照)。日本における
れられる権利 < 忘
( 合とに準を照わせたい。 n«ht to be forgotteigG»roogle分析を通して的在の決判内とイ私法の枠組みとの接点を探るこンスペる野に収めべきであるが本稿では、まずは、 検で上るす討をに的括包方、はもその前史としてこれら行検討の視 > の
のこのを観念し、そにな民事救済としても 12バプから免れる自由﹂のようイラの関近最、はてしと術技の釈解法民心のシっー保護法理の再検討の流れに沿て会﹁自己像に) する権利﹂や﹁社対
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、﹂巻七六一叢論て号いつに﹄権る六利一)頁しし。どなか年以一〇二(下〇 ぐる法的な利布益の分図﹂をNめー﹄報情﹃︱義意のシバイラプ﹁LB我九部す対に性一同の像己自﹁﹃裕真曽三下六号二九頁以(二〇一〇年)、謙 野水敬三シバイラプよに表公の科前﹁)、の本山、はてしと献文の近最るーる侵=年七九九一(下害頁五一六号五以四由巻と表現自の﹂民商一一六 然と当は向方ういをくいてし出見礎定想基さ方得けづ置位に向なれうよのこ。うよ> の
れられる権利< 忘
。なでのるれわ思にうよるうりとり題問の方他界限しいな義意のあが、うそいならなに図意の稿本がの他いをのと部分光に当ててみよう 定の術決るあに後背のう技釈解たしそ、か非う是意、にか法私の合場たし注点逆たしうそ、ばえ言にどのる為益に渉しうる行干とえることができ捉 正当否ないしき当性も大な問との題ことその保護措置私る人に義務付けをえなス法の人他を﹂とこるすにろ容を易セ﹁う。例クば一定の情報へのア 法の論益開、はで脈展文が不可欠である一方で、> の