シンポジウム
「 ロシア語教育の現在 と未来」
堤 正 典
このシンポジウムは2006年
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月1 6
日に神奈川 大学横浜キャンパスで開催 された。 ロシア語教育 を多角的に討論 し、情報 を交換す る目的で、4名 による報告 とそれに対す る質疑応答 の他 に全体討 論 の時間を設 けた。報告は、 白山利信氏 (筑波大 学大学院人文社会科学研究科助教授) の 「大学間 交流 とロシア語教育 一筑波大学 の取 り組 みを事 例 として」、竹 内敦子氏 (関東 国際高等学校教諭) の 「関東 国際高校 でのロシア語教育」、本学 の大 須賀史和氏 (外国語学部特任助教授)のW e b
ベー スの授業用教材 の作成方法 と今後 の課題」、村 田 真一氏 (上智大学外国語学部教授) の 「メデ ィア によるロシア語教育 ‑ ラジオ講座で学ぶ ロシア 語」である。また、司会は堤が務めた。白山氏は、筑波大学の各学類 (学部 に相当) に おけるロシア語教育 について述べ、その中で特 に ロシア語 を専門 とす る学生 (人文学類言語学主専 攻露語学 コース) のためには、 さらにロシアのサ ンク トぺテル ブル グ大学への留学 プログラムを組 み込むことで、教員数 の不足 による授業 の多様性 の不足 などを補 っていることが報告 された (現地 で取得 した単位 を読み替 えることによ り
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年 間留 学 しなが らも4年 間で卒業 でき るように構成 され ている)。 また、筑波大学は ロシア以外 にも旧ソ 連 圏の国々の大学 とも連携 をはかってお り、学生 の留学が実施 されている。 これほど多 くの旧ソ連 圏の大学 と交流 をもっている大学は 日本で他 に見 当た らないのではないかと思 う。竹 内氏は、 日本 で唯一のロシア語専門課程 をも つ高等学校である関東 国際高校 でのロシア語教育 について報告 した (関東 国際高校 には英語 ・中国 語 ・韓 国語 の各 コースも設置 されてお り、来年度 よ り東南 アジアの言語 のコースも設置 され るとの ことであった)。 ロシア語 コ‑スの生徒 は、英語 を学ぶ とともにロシア語 を初歩か ら学び、 ロシア への5週間の留学 ・ホームステイを含 む教育 を受 けている。卒業後進学は3分 の1がロシア語 を専門 とす る大学 に進み、3分 の1がその他 の外国語 ・国
際関係 に進む とのことであった (実 は、神奈川大 学 には、毎年外 国語学部 にこの高校 か らの入学者 がお り、学部や大学 として もっと交流 を深 めてよ い高校であると考 える)。また、生徒 に 「トマティ スメソッ ド」 による聴覚 トレーニングを実施 して お り、その効果 にっいての報告 もあった。
大須賀氏の報告 は、本学言語研究センター共 同 研究 「ロシア語教材 開発 の研究」 による助成 を受 けている研究 で、本学 の外 国語科 目初級A ・B用 に
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を用 いて作成 した教材 についてであ った( Fl a s h
は動画 をあつか うソフ トであるが、 それを 応用的 に用 いて いる)。学生が使用 している書籍 の形態の教科書の各ページと同じものがコンピュー タ上 にあらわれ、文をクリックす るとその音声 を聞 くことができるようにプログラムされている。 これ は、Web
でも利用できるが、実際は著作権上の問題 もあ り、一般的な公開はしていない。私 もこのシス テムを授業で使用 しているが、シンプルで非常に使 いやすい教材である。 しかし、開発者の立場から問 題や今後の課題があることが指摘 された。それは、We b
関連技術 の特性 を必ず しも生か しているとは 言 えないこと、学生の能動的な取 り組みを支援す る形 にはな っていないこと、現行 の方法では作成 に時間 と手 間がかか ること、教科書 出版社 などがWe b
上 に提供す る供給者 とな り著作権上 の問題 を 回避す ることが必要であること、などであった。村 田氏か らは、 ラジオ講座 によるロシア語教育 について報告があった。村 田氏はNHKラジオ講座 をかつて担当 し、 また2007年度 に担当す ることに な っている。 ロシア語講座 の放送 の歴史、講師や ロシア人 ゲス トについて、入門編 ・応用編 のそれ ぞれの学習内容、 テレビ講座 との違 い (テレビ講 座 は一般 の視聴者 の中にロシア語学習 の裾野 を広 げるのがね らい) のお話があ り、 ラジオ講座 の課 題 として、入 門編 ・応用編 を効果的につなげる中 級講座がないこと、放送時間帯/時間配分の問題、
双方向性 の問題、学習 目的の明確化 の必要性、導 入部 の教授法 の改良、 の6つがあげ られ、 その解
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決についての展望が述べ られた。
全体討論では、活発な意見交換 ・情報交換が行 われた。主要なものとしては、水上則子氏 (県立 新潟女子短大) より、携帯型デジタル音楽 プレイ ヤーi
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をロシア語教育 に用 いているとの報告が あ り、近 々ホ‑ムぺ‑ジに詳細 を掲載 して くださ るとのことであった。 また、林田理恵氏 (大阪外 国語大学) からは、関西で行われているロシア語 教育研究会 に関東か らも参加 してはしいとの要請があり、実現させる方向で検討 していくことになっ た。井上幸義民 (上智大学) か らは、最近のロシ アでのロシア語教科書作成の情報があ り、語形変 化の豊富なロシア語ではテキス トがおもしろい内 容の初級教材 を作 ることが困難で (おもしろい内 容 にしようとす ると高度な文法知識が必要 となる 文章 にな って しま う)、 日本で教材 を作 っている 我 々も悩むところであるが、本国自体でもさまざ
まな苦労がなされているとのお話があった。
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