密教文化 Vol. 1958 No. 41-42 005白石 真道, 酒井 真典「初会金剛頂経降三世品の一節について P99-118」

全文

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初 会 金 剛 頂 経 降 三 世 品 の

一 節 に つ い て

1 伊 太 利 の ヂ ュセ ッペ, トゥ ッチ(GiusepPe Tucci)博 士 が ネ ポ ー ル よ り初会 の金 剛頂 経(Tattvasamgraha-tantra)の 梵 本 を将 来 され た こ とは 既 に伝 え られ てい る と ころ で あ る。 如何 な る理 由 に基 く ものか 不 明 で あ るが そ の 梵 本 の 表 題 はMahasamayakalpa-rajaな る名 が 附 され て い る と云 わ れ る。 こ の 度 ト ゥッチ博 士 の 著 書 で あ るIndo-tibetica I(1932-X1刊)に 降三 世 品 の 一 節 が デ ー バ ナー ガ リ書 体 で 出版 され, そ の イ タ リー語 訳 さえ も附 され て い る こ

とを しっ た の で あ る。 そ の 表 題 はLa lotta fra Vajrapapi e Mahadeva(金 剛 手 と大 天 との 闘 争(論 争))と な され て い る。 これ は仏 教 が 外道 を摂 化 抱 擁 した 物 語 を 取 材 と した もの で あ る。 酒井 は この デ ー バ ナ ー ガ リ書 体 の 文 とチベ ッ ト訳(邦 訳)と を 対 照 して これ が 降三 世 品 の 一 節 な る こ とを た しか め, 更 に 相 当 の漢 訳 を 附 し, 白 石 教 授 の 下 に 報 告 した。 白 石 教 授 は 以 上 の 二 種 の 訳 文 を も参 照 して 梵 文 を 校 訂 並 に 本 文 に 欠 け て い る処 等 を 補 い, 和 訳 を 示 され た の で あ る。 既 に知 ら る る通 り, 金 剛 頂 経 は 真 言 宗 の所 依 の経 典 で あ つ て 初 会 経 は 十 八 会 の 根 本 聖 典 で あ る。 真 言 宗 特 に 東 密 の 基 礎 教 理 は この 聖 典 に 基 くもの であ るか ら梵 文 の 回収 が 長 い 間 に わ た つ て 求 め られ てい た の で あ つ た。 しか して 梵 文 は 既 に 灌 滅 して し まつ た もの と思 わ れ て い た の で あっ た が 幸 に も トゥ ッチ教 授 が 将 来 され た 恩 恵 に よつ て, そ の 梵 文(ロ ー マ ナ イズ)と 和 訳 等 を 日本 の学 界 並 に 真 言 宗 徒 に初 め て報 告 し得 る こ とは 両 人 の 甚 だ光 栄 とす る処 で あ る。 繁 雑 の き らい は あ るが 先 ず 梵 文 を 示 し, 次 に そ の 和 訳, 次 に 蔵 訳 の邦 訳, 漢 訳 を 示 す こ とにす る。 梵 蔵 文 は よ く相 応 す る。 漢 訳 は 現 在 の 梵 文 よ りも更 に 古 い 原 文 に よつ て い る訳 で あ る ら しい が 宋 訳 で あ る為 に 種 々親 しみ 難 い もの が あ る。 梵文 に 於 け る頁, 行 数 は 全 てIndo-tibetica Iの もの で あ る。 尚, 凡 例, 註 記, 語 彙 等 は 白石 教 授 が 作 成 され た も の で あ る。 各 種 資料 の所 在 個 処 は 初 会 金 剛 頂 経 降 三 世 品 の 一 節 に つ い て

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-99-密

梵 文, Indo-tibetica I. ApPendilce II. 135-140PP.

(イ タ リ ー 語 訳) 同 140P445P 蔵 訳, デ ル ゲ 版 東 北 目 録479番 ha秩 50a3-53a7 北 京 影 印 版 同 目 録 112番 ha候 55a3-58b6 4Vol 240p2. 3 241p4 6 漢 訳, 大 正 蔵 同 目 録 882番 18Vol 370C14-372b27 (因みに白石教授はかつて ロイマン教授の下で梵語を修得せ られ、帰 朝後高野 山大学 の教授 となり, 現在山梨大学 の教授であ られる) 凡 例 1. 「+」 の 記 号 は 連 声 法[sandhi]に 依 つ て 結 合 し た 語 を 分 解 して 別 々 の 語 と な し た こ と を 示 す。 例: P. 138, 7: ブ ヂ ュ ラ 十 ウ ッ テ ィ シ ュ タ!〔 金 剛 杵 よ 立 ち 上 れ!〕, vajra+uttistha>vajrottistha 2. 和 訳 の 語 の 上 に あ る線 は 原 梵 文 には 存 在 せ ず, 訳 者 が 補 っ た 語 な る こ とを 示 す: 例: P. 138, 12の 和 訳:「 又 何 の益 が あ ろ う?」 原 梵 に は 「又 何 が 」 とあ る のみ。 3. ( )は ツ ッチ教 授 の 補入 を 示す。 4. . (( ))は 酒 井 並 に 白石 の補 入 を 示す。 5. 文 章 に 於 て は 各 語 を 分 解 して了 解 し易 く した。 6. 合 成 語 に 於 け る各 語 は ハ イ フ ソ又 は 符 号 に よつ て 分 離 した。 7. 母 音 の記 号 は 次 の 如 くな した。 a+a=a a+a, =a a+ a='a a, a+i, i=e a+ a=a' a, a+e=ai

II

Prof. Tutcci's Text.

*1)

p. 135, 1. atha Bhagavdn sarva-tathagata-samay' dkarsana-vajram' ndma

2. samddhim samdpady' edam I sarva-tathagata-samayailkusam'

3. nama sarva-tathagata-hrdayam sva-hrdaydn niscacdra: I

m)) tat kij jah!'

(1) サヤ マ (梵 和) さて 世 尊 ビ ル シ ャナ 如来 は 「一 切 如来 の本 誓 もて 牽 き 寄せ る ヴ ヂ ュ ナマ ヂ ラ 〔金 剛 杵 〕」 と名 つ く る 定 に 入 れ られ 了 つ て, この 「一 切 如 来 の サ マ ヤ かぎ へ み む ね 本 誓 も て 牽 き 寄 せ る 鈎 」 と名 つ く る 一 切 如 来 の 心 呪 を 自 身 の 御 心 か ら

と な hlunp tat kij jah

発 唱 え 出 され た: 『フ ー ソ ・タ ッ ト ・ キ ッ ヂ ・ヂ ャハ!』

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て, 次 の一 切 如 来 の 三 昧 耶 の 鈎 と名 つ くる一 切 如 来 の 心 呪 を 自 身 の 御 胸 よ り出 した り。hilp takki jah

(漢 訳) 爾 時世 尊一一切 如 来。 即入 三 昧 鈎 召金 剛 三摩 地。 説 一 切 如 来 三 昧 鈎 召 一 切 如来 心 自心 明 日件 引旺 枳 溺一句

ath' asmin vinihsrta-matre, sarva-lokadhatu-prasara-samudre= 4. su I yavantas trailokyadhipatayo Mahesvar. ' adayas, to sarve 5. sarva-loka-samnivesa-ga l na-parivrta asesanav asesah larva-ta= 6. thdgata-samaya-vajrankusen' dkrstah sa;mana, yena Sumeru-giri-7. 2nurdhd, yena ca vajra-mani-ratna-sikhara-kutagaras, tein' opa=

samkralnya Bhagavato vajra-mani-ratna-sikhara-kutagarasya 8. sarvatah pari J vary' avasthita abhuvan.

(梵 和) さて この 心 呪 が 唱 え られ るや否 や, 一 切 世 界 に 遍 満 す る諸 の雲 海 に は じめ 於 て 大 自在 天 を首 と して, 如 何 に 多 くの 三 世 の 上 主 た ちが 有 ろ うと か こ め ぐ も, 彼 らは 総 て一 切 世 間 に 住す る侍 衆 の 群 に 囲 い 続 ら され, 取 り残 さ ヤ マ サ れ た る 者 も 無 く, 「一 切 如 来 の 本 誓 も て 牽 き 寄 せ る ブ ヂ ュ ラ 〔=金 剛 Sumeru 杵 〕 の 鈎 〔=心 呪 〕 もて 牽 き寄せ られ な が ら, シ ュ ミ山 の 頂 に, し マ ニ ロ あ そ こ か も また 金 剛 ・珠 ・宝 を尖 頂 とす る楼 閣 の 有 る処, 其 処 に参 集 して, マ ニ あ まね か こ め く 世 尊 ビル シ ャナ如 来 の金 剛 ・珠 ・宝 を 尖 頂 とす る楼 閣 を 遍 く囲 い 続 ら して 坐 してい た の で あっ た。 (蔵 和) そ の 時 そ れ を 出す や 否 や 広 博 世 界 の 雲 海 の 一 切 の 雲 に 於 て, 大 自在 天 を 上 首 とす る三 界 の 自在 者 に して あ るだ け の もの た ち全 てが 一 切 世 間 に 住 す る聚 会 に よ りて 囲 続 せ られ た る無尽 無 余 の も の等 が, 一 切 如 来 の 三 昧 耶 金 剛 の鈎 に よ りて 鈎 召 せ られ て, 須 弥 山 頂 の金 剛 と摩 尼 と 宝 よ り作 られ た る楼 閣 そ こに安 楽 に集 会 して、 世 尊 の 金 剛 と摩 尼 と宝 よ り作 られ た る頂 あ る楼 閣 を普 ね く囲 続 して 坐 した り。 (漢 訳) 説 是 心 明 時。 舖 遍 一 切 世 界 雲 海。 乃 至 三 界 主 宰 大 自在 天 等。 一 切 世 間 普尽 無余。 彼 集 会 衆 而 共 囲続。 以一 切 如来 三 昧 金 剛 鈎 召 故。 悉 召 来 詣 須 弥 山 頂 金 剛 摩 尼宝 峯 楼 閣。 仏会 周 匝 囲 続 而 住。 *2) 9. atha Vajrapanis tad vajram sva-hrdaya ((d ud))grhy' o llala=

yan sarvavantam sakala-traidhdtuka-tri-loka-cakram avaloky'

10. aivam dha: t "pratipadyata nlarsah sarva-tathagata-sdsane ! mama c' ajnam palayata !"

初 会 金 剛 頂 経 降 三 世 品 の 一 節 に つ い て

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-101-密

11. atha to I evam ahuh: "katham pratipadyamah 2" *1)

Bhagavan Vajrapdnir dha

"Buddham Dharmam (ea)) Sangham ca sar aia -pratipatti-tah, *3) 12. Sarva(jna)-jndna-labadya pratipadya ((ta)) mar((i))sa!" iti. むね (梵 和) そ の 時, 金 剛 手 ボサ ソは そ の ブヂ ュ ラ 〔二・金 剛杵 〕 を 自分 の 心 か ら ふ り あ ふ り あ あ まね 把 り出 し, 抽 撫 げ抽 擁 げ しなが ら, 全 ・三 界 ・三 世 間 の全 域 を 遍 く見 シ ヤヘ サナ 渡 して云 うに は: 『聖者 ら よ, 汝 らは一 切 如来 の教 勅 に従 い修 行 せ ら わ ア ヂ ユ ニヤ れ よ!ま た 我 が 指 令 を 守 られ よ!』 と。 そ こで 彼 ら云 うに は ・ 『如何 に我 ら修 行 す べ きか?』 と。 パ ガボ ン 具 徳 ・金 剛 手 曰 く: サ ン ガ 『仏 と法 と僧 団 とに汝 ら帰依 を な して後, 一 切 知 者 〔=仏 〕 の 智 を獲 んが 為, 修 め 行 え, 聖 者 ら よ!』 と。 (蔵 和) そ の 時金 剛 手 は 自の 胸 よ り我 の金 剛 を把 りて, 抽 郷 しつ つ 三 界 者 あ るだ け 一 切 の三 界 輪 を見 て次 の 如 く宣 え り, 友 等 よ, 一 切 如 来 の 教 え に 入 つ て我 れ の 教 勅 を も又 聞け よか し, そ の 時彼 等 が 次 の 如 く申上 げ お り。我 等 は云 何 が修 す べ き. 世 尊金 剛 手 が 宣 わ く, 仏 と法 と僧 伽 に 帰依 しっ つ 修 す べ し, 一 切 智 々を得 ん が為 に 友等 は修 す べ し。 (漢訳) 爾 時具徳金 剛手菩薩摩詞薩。 執金剛杵於心戯擁。 一切 大会普尽三 界。遍観察 巳。作 如是言。汝 諸聖者。 当於一切 如来教 中。依我教勅護 持而行。 時大 自在 天言。汝今会我 当云何行。金 剛手 言。汝 当帰命仏 法 僧宝。 是為所行。汝諸聖者。若如是行。即得一切智智。

atha yo'smin lokadhdtau sakala-trailokyadhipatir Mahddevah

13. sarva-trailoky' ddhipatya-garvito mahd-krodha-tam darsayann

p. 136, 1. exam dha: "aham bho I yaksa trailokyadhipatir isvarah kartd' *4)

2. dhikartd sarva-bhuvanesvaro devati f devo Mahddevah. tat

katham yaks' djndm karisydmi2"ti

こ マハ デ ヴ

(梵 和) そ の 時, 此 の 世界 に 於 け る全 ・三 界 の 上 主 た る 大 天 は 一 切 三 世 の

す がた あ ら わ

上 主 た るを 誇 り, 大 葱 怒 の相 を 示 現 しっ っ云 うに は: 『オ イ, ヤ シ ャ

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-102-よ, わ しは三 世 の 上 主 じや, 自在 主 に して 創 造 者 ・創 造 主 ・一 切 有 類 の マ ハド テ ブ 自在 主, 諸天 の 中 の 上 天 た る 大 天 な る ぞ。 ど うして わ しが ヤ シ ャめ 指 令 に従 え よ う』 と。 (蔵 和) (蔵 文 の和 訳 を 示す べ きで あ るが あ る事 情 の下 に 記 入 し得 ず, 以 下 略 す) (漢 訳) 時 此 世 界 極 三 界 主 大 自在 天。 以 我 三 界 勝 主 宰 故。 起 高 侶 勢 現 忽 怒 相。 作 如 是 言。 汝金 剛 手 大薬 叉 王。 我 為 三 界 主 最 大 自在。 若 成 者壊 一 切 部 多 中。 我 得 自在。 是 天 中大 天。 云 何 令 我 依 汝 薬 叉 王 教 勅 而 行。

3. atha Vajra J panih punar api vajram ulldlayann ajnapayati: 4. "bho dusta-sattva sighram pra t visa mandalam ! mama ca samaye

tistha !"

5. atha Mahadevo ((devati)) devo Bhagavantam i) dam avocat:

*5)

"ko 'yam Bhagavann, i((dr)) ah sattvo, yo 'yam isvarasy' aivam 6. ajnam da) dati?'

ふ り あ ふ り あ (梵 和) そ こで 金 剛手 は 再 び ブヂ ュ ラ 〔=金 剛 杵 〕-を抽 擁 げ 抽 擁 げ しな が ら と マ ンダ ラ サ マ ヤ 指 令 した:『 オ イ 悪有 情!迅 くわ が会 坐 に 入 れ!ま た 本 誓 に 住 せ よ! 』 と。 そ こで 諸 天 の 中 の上 天 た る大 天 は 世 尊 ビル シ ャナ如 来 に 申す に は: これ メっれ か 『誰 ぞ 是 は?世 尊 よ!こ の よ うな 有 情 は?自 在 主 た る我 に 斯 く も指 令 を 与 え る者 は?』 と。 (漢 訳) 爾 時 具徳 金 剛 手 菩 薩 摩 詞 薩。 戯 撫 金 剛 杵。 復 援 教 勅 言。 汝 大 自在 天 極 悪 有 情。 今 応 速 入 大 曼 茶 羅 我 三 昧 中。 依 教 而 住。 是 時 大 自在 天。 前 白世 尊 大 毘 盧遮 那 如 来 言。 世 尊 今 此 大 土。 云 何 於 我 大 自在 天 授 教 勅 邪。

atha Bhagavani sarvantam Mahesvar'adi-trailokya-ganam 7. ahuy' aivam aha j "pratipadyata marsas

tri-sarana-gamana-8. samaya-samvare 1 ma 'yam Vajrapanir, yaksah krurah I

kro-dhanas ((c))ando, zuaha-bodhisattvas ((ca)), vo diptena vajrena 9. sakalam eva traidhaJtukam nasayed !'iti.

10. atha Mahesvarah sakala-trailoky'adhipatya-taya sva-jna

na-vasi-taya ca bhagavato Vajrapaneli sarrmdarsan Irtham

maha-canda-11. krodha-tam I maha-bhairava-rupa-tam maha-jvalotsrjana-tam

初 会 金 剛 頂 経 降 三 世 品 の 一 節 に つ い て

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12. mahd-raudratta-hdsa-tam saha ganaiI. I samdarsayann evam

dha: "aham bhoh sakala-trailokyadhipah. tvdm mam' djndm 13. 1 daddmi. " ti. (梵 和) そ こで 世 尊 ビル シ ャ ナ如来 は大 天 ら三 世 の総 聚 に 呼 び か け られ て仰 サ ヤ ヤ ナ ンブラ せ られ る には ・ 『聖 者 らよ, 三 ・依 止 に帰 命 し, 本 誓 と制 戒 に従 しマ修 こ む こ 行 した が よい そ。 此 の金 剛 手 は 気 荒 く, 怒 り易 く, 残 虐 い ヤ シ ャ だ が, また 大 ボ ナ ヅで もあ る。 彼 を 怒 らせ て, そ の 燃 ゆ る ヴ ヂ ュラ 〔= 金 剛 杵 〕 もて 汝 らの 全 ・三 界 を 破 滅 させ る こ との な い よ う気 を つ け た が よい そ!』 と。 そ の 時, 大 自在 天 は 全 ・三 世 の 上 主 で もあ り, また 自分 の 智 慧 に も 自 パカ ボシ 在 を 得 た る者 で あ る と云 うので, 具徳 金 剛 手 に 示 威 せ ん が 為, 甚 だ 残 ナ が た 虐 に して憤 れ る者 で あ る こ とを, 甚 だ 恐 るべ き 形相 を もて る者 な る こ す が た たか に らい とを, 大 火 焔 を 放 つ の相 を, また 甚 だ 暴 悪 な る高 笑 の相 を, そ の侍 衆 あ ら わ と倶 に 示 現 しっ っ 云 うには: 『オ イ, わ しに 全 ・三 世 の 上 主 な るぞ。 わ 汝に こそ我が指令 を与え よ う』 と。 (漢訳) 爾時世尊大毘盧遮那如来。普告大 自在天等諸天衆言。汝等応 当帰依 三宝三 昧戒中如是所 行。若不然者。此金剛手菩薩大薬叉王。現暴 怒相 極悪威猛。無 令以我勝金剛杵出火光 焔。尽此三界悉使破壊。 時三界主大 自在天。以其三 界宰 自智 自在故。為具徳金剛手菩薩。現 大怖畏極悪忽怒 大威猛相。 出大熾 焔大悪大笑。 井 自着属同時 出現。作 如是言。金剛手今我極三 界主。授 汝教 勅依我所行。

atha Vajrapanis tad vajram ullalayan vihasann evam aha: 14. I "pratipadyasva, bho kataputana, manusa-mdms'dhdra, citi-15. bhakma-bhaksya-bhojya-seyya (sana-pravarana mam' ajnam!" iti.

16. atha znahesvaro Mahadevah sakalam t rail okyam mahd-kro=

dh' avistam adhisthdya evam aha: "tvam api mam' djndm

17. pa laya ! samaye ca pratipa(dyasve)!" 'ti.

15. atha Vajr. apanir mahd-krodha-rdjo I Bhagavantam etad avocat: "*am Bhagavan Mahadevo ((devati))devah sva-jnana-bala-ga= 19. 1 roan mahaisvaryd(d adhipa)tyae ca ssrva-tathdgata-sasane na 20. pranamati. tat katha lm asya kriyata ?" iti.

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ふ り 炭 ふ り あ (梵 和) そ の 時 金 剛 手 は か の ブ チ ュラ 〔=金 剛杵 〕 を 抽 榔 げ 抽 榔 げ し な が あ ざげ ら, 嘲 り笑 い な が ら 云 うに は: 『友 よ, カ タ ・プ ー タ ナ 鬼 よ!入 肉 を へ り 轍 う者 よ!葬 薪 の灰 を硬 食 ・軟 食 とし, 寝 具, 坐 具 ・衣 服 とす る者 よ わ !我 が 指 令 を 修 め た が よい そ!』 と。 そ こで 大 自在 天 た る大 天 は全 ・三 世 が 金 剛 手 の大 忽 怒 に圧 倒 され た わ の を 加持 〔=援 護 〕 して 云 うに は: 『汝 こそ 我 が 指 令 を 守 れ!ま た 我 サ マ ヤ が 本 誓 に 従 い 修 行 せ よ!』 と。 そ の 時, 大 忽 怒 王 た る金 剛 手 は 世 尊 ビル シ ャナ如 来 に 申 し上 げ た: 『世 尊 諸 天 の 中 の 上 天 た る此 の 大 王 は 自 分 の 智 力 を 侍 み, 大 自在 主 シ ヤ サ ナ で あ り, ま た大 上 主 で あ る か ら と云 っ て, 一 切 如 来 の教 勅 を 敬 礼 い た い か が しませ ん。彼 を如何 処置いた しましよ う?』 と。 (漢訳) 爾時具徳金 剛手菩薩摩詞薩。復 擦金剛杵煕恰微笑。作 如是言。汝 是 掲旺布単那所生。 以 人肉屍灰雑悪 為食。 床座 服飾而悉邪 弊。 如 是所 行。云何 令我 同汝教行。 時大 自在 天起大忽怒相。以 自威 力復作 是言。汝既然者。我亦守護 自 教。 自三昧 中依教而行。 爾時具徳金 剛手菩薩摩 詞薩大忽怒王。即 白仏言。世尊此大 自在天。 待 自智力大 富主宰高侶 自在 故。於一切如来 清浄教中。不 生帰信。我今 云何随所能作。

atha Bhagavdn sarva-tathagata-hrdaya-sambhutam

maha-21. vajra- J samayam snlarayati: "om nisumbha vajra hum phat!"

22. atha Vajrapollirr ma lha-bodhisattvall sva-vajra-hrdayam udd=

jahdra: "hum ! "

23. ath' asmin bhasit. a-matre J sakala-traidhdtuka-samnipatitd a=

24. Mahddev'ddayah sarva-t railokyadhipatayo'dho mukhah pr=

patita drtd-svaram muncanto Bhagavato Vajrapanes ca Sara=

p. 137, 1. nam J gatah. sa ca Mahddevo ((devati))devo bhumydm prapatito niscesti-bhuto mrtah. み む ね (梵 和) そ こで世 尊 は 一 切 如 来 の 御 心 よ り出 生 した る 「ブ ヂ ュ ラ 〔=金 剛 杵 サ ヤ ヤ 〕 の 本 誓 」 の 呪 を 憶 念 さ せ ら れ た: rオ ー ン ・ニ シ ュ ン バ 〔踏 み 潰 せ !〕 ブ ヂ ュ ラ 〔=金 剛 杵 よ 〕 フ ー ソ ・パ ッ ト!』 と。 そ こ で 金 剛 手 大 ボ サ ヅ は 自 分 の ブ ヂ ュ ラ 〔=・金 剛 杵 〕 ・心 呪 を 唱 え た: 『フ ー ソ!』 と。 ロ は じめ さて 此 の 呪 支 が 説 か れ るや 否 や, 全 ・三 界 か ら参 集 せ る, 大 天 を 首 初 会 金 剛 頂 経 降 三 世 品 の 一 節 に つ い て

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密 教 文 化 お もて とす る一 切 の 三 世 の上 主 た ちは 面 を 伏 せ て倒 れ, 苦 悩 の 声 を 放 ち つ つ, 世 尊 と金 剛 手 とに 帰依 した の で あつ た。 ま た 諸 天 の 中 の上 天 た る かれ 彼 ・大 天 は 地 上 に倒 れ, 気 絶 して 死 ん で し まっ た。 (漢 訳) 爾 時世 尊。 即 説 一切 如 来 心 出 生 大 金 剛 三 昧 大 明 日 庵 引爾 遜 婆 囎 日 羅 二合畔 引発 托 串音一句 是 時金 剛手 大 菩 薩。 亦 説 自金 剛 心 明 日 畔 引 説 是 心 明 時。 普 尽 三 界 所 来 集 会 大 自在 天 等。 皆 悉 覆 面 迷 悶 麩 地 発 苦 悩 声。 向 金 剛 手 菩 薩 帰 依 求 救。 而 彼 大 自在 天 等。 既 壁 地 巳。 諸 議 不 行 将 趣 命 終。

2. atha Bhagavan janann eva Vajrapanim evam aha: "prati=

3. padyasva Vajrapane f asya sakala-tri-loka-eakrasy' abhayaya !

ma pancatvam apadaya!"

4. atha Vajra l panir maha-krodha-rajo Bhagavato vacanam

*6)

5. upasrutya tan sarva-deva((n Mahesvar'a))din a) hay' aivam

aha:

"Buddham Dharmam (ca) Sangham ca saranam pratipadyata ! *7) 6. mam' ajna-kari-tayam I ca yadi 'stam vah sva-jivi-tam !"iti

(梵 和) そ の 時, 世 尊 は そ れ を 知 りた まい, 金 剛 手 に仰 せ られ る に は: 『金 チ ヤ クラ 剛 手 よ, か の 全 ・三 世 の輪 衆 の為 に, 無 畏 〔一 生 命 の 保 証 〕 を 与 え よ !死 なせ る勿 れ!』 と。 み そ こで 大 忽 怒 王 な れ ど金 剛 手 は世 尊 の御 詞 を 承 っ て, 彼 ら大 自在 天 は じめ を 首 とす る一 切 の諸 天 に呼 び か け られ て云 うに は: サ ン ガ 『仏 と法 と僧 団 とに依 止 と し, 汝 ら到 れ か し! わ い の ち また 我 が 指 令 の行 者 た れ!自 身 の生 命 汝 らに 惜 し くあ らば』 と。 (蔵 文 は 偶 文 の 形 を と らず 一 も し汝 自 らの 生 命 を 欲 す れ ば, 仏 法 僧 (伽)に 帰 依 し, 我 れ の教 勅 も又 聞 け よか し一 とあ り。) (漢 訳) 爾 時 世 尊 知 是 事。 即 告 金 剛 手 菩 薩 言。 金 剛手 汝 今 宜 応 以 自所 行。 於 此 普 尽 三 界 衆 施 其 無 畏勿 令 此 等 成 失 其命。 時 金 剛 手 大 忽 怒 王。 聴受 世 尊 如 是語 巳。 告 大 自 在 天 等 衆 言。 汝 等 若 欲 活 其 命 者。 応 当 帰命 仏 法僧 宝。 依 我 教 勅 限順 而 行。

7. atha to evam huh: "Sainbuddha-dharma-f sangham saranam

(9)

S.

athaI bhagavan Vairocanas tathagatas tan ahuy' aivam

9. dha : "ayam bho deva 'smakam sarva-tathagatadhipatih

sarva-10. tathagata-pity sarva-tathagat'djna-karate

sarva-tajthagata-jye=

stha-putro, bhagavan Samantabhadro bodhisattvo mahasattvali

11. sarva-sattva-lvinayana-karya-karana-tayd

maha-krodha-rajya-12. taydm abhisiktah. tat kasma ld dhetoh? santi yusman-madhye

13. Mahadev'adayo dusta-ganas, te sarva-tathdgatair

api lna sakyah

*8)

sdntatayd pdpebhyo nivarayitum. tesdm papa-sattvanam ni= *9)

14. Igrahdy' adhisthitas,

tad yusmdbhir asya samaye sthdtavyam

ity ajna iti.

(梵 和) そ の 時, 彼 らの 云 うに は: 『仏 法 僧 に 我 ら帰 依 し奉 る。 され ど我 ら シヤ のサ ナ ア ドヂ ユ ニ ヤ は 尊 者 の 教 勅 と 指 令 とを 知 らず 』 と。 そ の 時, 世 尊 ビ ル シ ャナ如 来 は 彼 らに 呼 び か け られ て 仰 せ られ た: 『友 よ, 諸 天 よ, 此 の 者 〔=金 剛 手 〕 は 我 らの 為 に は 一 切 如 来 の 上 主 で あ り, 一 切 如 来 の父 で あ り, 一 切 如 来 の 指 令 の 行 者 で あ り, 一 切 如 パ ガボ ン く マカ サ ツ 来 の 長 子 で あ る。 この 具徳 ・普 賢 〔普 善'=金 剛 手 〕 ボ サ ツ大 士 こそ 一 切 衆 生 を 調 御 す る と云 う事 業 を作 す 者 で あ るが 故 に, 大 葱 怒 王 位 に 灌 頂 〔=即 位 〕 され て あ る のだ。 そ の故 如 何 とな れ ば ・汝 らの 間 に, し つ か 大 天 らの 悪 衆 あ ら んか, 彼 らを 寂 静 な 方 法 で 〔=摂 護 して 〕 諸 悪 か ら 制 止す る こ とは 一・如 来 に は 出来 な い か ら, 彼 ら悪 衆 生 の 折 伏 の 為 に, サ マ ヤ 彼 が 特 に 加持 〔=援 護 〕 され てい る のだ。 だ か ら, 「汝 らは 彼 の 本 誓 に 住す べ きで あ る」 との指 令 が 示 され てあ るの だ と』 と。 (漢 訳) 大 自在 天 言。 我 若 帰命 仏 法 僧 宝。 然 汝 教 中所 有 教 勅。 我 亦 不 知。 爾 時 世 尊 大 毘 盧 遮 那 如来。 告 大 自在 天 言。 汝 今 当 知 此 一 切 如 来 増 上 主 宰。 一・切 如 来 父。 一 切 如 来 教 勅 所作。 一 切 如 来 最 上 子。 具 徳 普 賢 金 剛手 菩 薩 摩 詞 薩。 為 諸 衆 生 作 調 伏 事 故。 受 大 忽 怒 王 灌 頂。 所 以 者 何。 以 汝 大 自在 天 等 諸 極 悪 衆。 一 切 如 来 猶 尚不 能 寂 静 制 止。 由 是 菩 薩。 為 令悪 業 諸 有 情 等。 皆 悉 調 伏 安 住 三 昧。 汝 今 宜 応 依 我 教 勅 三 昧 中住。

15. to ( evam ahur: "astnakam Bhagavann asmaj jivita-vipra= 16. lopat paritrayasva ! yaln ajnam dasyati, tat karisyamaha" iti.

17. Bhagavan aha: "ham Uho marsa I etani eva saranam

初 会 金 剛 頂 経 降 三 世 品 の 一 節 に つ い て

(10)

gaeehata! 'yam eva vah parltrasyati, na nya" it*.

18. atha to I tri-loka-sakala-traidhatuka-samnipatitah tri-bhu=

19. vana-patayo, yena Bhagavan I Vajradharas tena 'bhimukha,

20. eka-kantha mahartasvaran pranluncanta exam ahuh : ) "pari= *10)

trayasva bho Bhagavan ! paritrayasva ((bho Sugata)) ato

marana-duhkhad ! " iti.

21. ) atha Va. jrapanir maha-bodhisattvas tan ((Mahaj)dev'adin 22. ahuy' aivam aha : "ham bho I dustah pratipadyata mama 23. sasane ! ma vo ('ham a)nena vajreiua eka-jva j li-krtya sarvan

eva bhasmi-kuryarn ! " iti.

24. to evam ahuh: "Samantablladras tvam) bhagavan,

*11)

tathagata-cittotpadah ((santa-suyinitail)) sarva-sattva-hitaisi p. 138, 1. sarva-sattvalbhaya-pradah. tat kathain Bhagavann asmakam

nirdahisvasi ? " ti.

2. atha Vajrapa nir maha-hrodha-rajas tan evam aha

3. "ten' aiva ('ham) marsah Samanta-bhadro, Vena j sarva-tatha= gat'ajid-kari-tvad yusznad-vidhanam dusta-sattva-jatiyanaln 4. papa-ci j ttanarn sambodhanarthaya. vinasayami yadi mat-samaye

na tisthata" iti.

5. to prahur: "evam astv ! " iti.

い の ち (梵 和)彼 ら云 うに は: 『我 らを, 世 尊, 生 命 の この 破 滅 か ら救 い た ま え! 如何 な る指 令 を 世 尊が 与 え よ うと も, そ の 通 り我 らは 作 す で あ ろ う』 と。 世 尊 ビル シ ャナ如 来 の 云 わ れ る に ぱ ・ 『オ オ, 友 な る聖 者 ら よ, 此 の者 に こそ 帰依 せ よ!此 の 者 の み が 汝 らを救 うで あ ろ う。他 の者 た ち は 然 らず 』 と。 パ ガボ ン そ の 時, 彼 ら三 世 の全 ・三 界 か ら参 集 した 三 有 類 の 主 た ち は, 具徳 む か ・持 金 剛 〔=金 剛手 〕 の 在 ます 処, そ の処 に 対向 い, 口 を揃 え て, 大 パ ガボ ン 苦 悩 の 声 を 放 ち つ つ 申す よ う: 『救 い た まえ1友 な る 具徳 よ!護 りた ス ガ タ ま え, 友 な る善 逝 よ!こ の 死苦 よ り!』 と。 そ の 時, 金 剛手 大 ボサ ツは 彼 ら大 天 らに 呼 び か け て 宣 示 して: 『オ わ シヤ サ ト オ友 た ち よ, 悪 者 た ち よ, 汝 ら は我 が 教 勅 に 従 い 修 行 した が よい そ!

(11)

お れ が 此 の ブ ヂ ュ ラ 〔金 剛杵 〕 を もて, そ れ を一 塊 の 火 稲 と化 して, 汝 ら総 て を 焼 ぎ払 つ て 灰儘 に 帰 せ しめ る こ とに な らな い よ う に!』 と。 (2) 彼 ら云 うに は: 『尊 者 は普 賢 〔普 善'〕 と称 われ る方 で は な い か? パ ガボ ン み む ね し つ か へ 具 徳 よ!一 切 如 来 の御 心 よ り生 れ し人, 寂 静 な る 人, 善 く調 御 され た る人, 一 切 衆 生 の 利 益 を希 う人, 一 切 衆 生 に 無 畏 〔=生 命 の 保 証 〕 を な ぜ パ ガボ ン 施 す 人 で は な い か。 何 故 に, 具 徳 よ, 我 らを 焼 き捨 て よ うと され る のか?』 と。 (2) そ こで金 剛手 ・大 葱 怒 王 は 彼 らに 宣 言 した: 『如 何 に も 我 は 普 賢 わ け 〔普 善'〕 で あ る, 聖 者 ら よ。 そ の 理 由 は 一 切 如 来 の 指 令 の行 者 で あ るか らな の だ。 即 ち 汝 ら如 ぎ悪 衆 生 に 生れ つ い た る者 ど もを, 悪 心 の や か ら め ざ わ サ マ ヤ 輩を睦 め させんが為なのだ。若 し我が本誓に住せざれば我れ は破滅 さ せ るばか りだ』 と。 彼 ら申すには: 『仰 の如 くに』 と。 (漢訳) 大 自在天言。 世 尊我今不能 存活其命。 願 汝救我。 如汝所 授我之教 勅。我 当随行。 仏告大 自在天言。若能帰依金剛手菩薩。 我即是汝真実 救護。余無護者。 是時普尽 三界所来 令衆。成悉対向金 剛手菩 薩前。異 口同音発苦悩 声。作 是 自言。金 剛手 願救 護我願救護我。今 我死苦。唯 願摂護。 爾時金剛手大菩薩。告我衆 言。汝諸悪者。 於我教 中如教所行。 無令 我 此大金剛杵発火光 明。都為一聚。広大 熾焔 焚焼一切。悉為灰燈。 時 我衆 言。汝即普賢一切如来心所 出生。寂静善調 利益一切有情。 普施無 畏。云何 於我不為饒益。 時金 剛手大 忽怒王。告我衆言。諸聖者我錐 具普 賢心。然 由一切 如来 教勅所作。 以汝極 悪有情生罪業 心。 不於如来三昧 住者。 使我為我調 伏。令得清 浄。時我衆言。我等如是悉住三昧。

6. atha Vajrapanir maha-krodha-rajo Mahesvaram mu lkutvd

'nydn devan asvdsy' otthdpanartham idam Vajrottistham' ndma 7. sarva-tathagalta-hrdayam abhasat : "((om)) vajr' ottistha !"

S. ath' asmin bhasita-matre Mahesvaram mukutva sarve

to tri-dhdtuka-samnipatitds tri-bhuvana-patayah sa-parivdrdh

9. sammurehitah I, samanah, samdsvasta-hrdaya abhuvan. divyani

10. sukhany anubhavanto j vigata-bhaya-stambhita-roma-harsd bha=

初 会 金 剛 頂 経 降 三 世 品 の 一 節 に つ い て

(12)

-109-密

11. gavantam Vajrapanim avalokayantah samu tthitd iti.

atha Bhagavdn Vajrapanim bodhisattvam amantrayam

12. asa ( "ayam mahasattv((a)) Mahadevo devadhipatir no

13. 'tthapitah. tat kim asya ji vita-vipranasena krtena 2 jivapay' 14. ainam ! sat-puruso 'yawl bhavisyati" 'ti.

atha Vajrapanir 'evam astv!' iti krty' edam mrta-sam= 15. jivana-hrdayam uda(jahara : "vajr'dyuh!"

な だ (梵 和) 時 に金 剛手 ・大 忽 怒 王 は 大 自 天 在 を 除 外 して他 の 諸 天 を慰 宥 め, 起 き上 らせ る為 に, この 「ブヂ ュ ロー ッテ ィシ ュタ」 と名つ く る ・一 切 如来 の 心呪 を 唱 え た: 『オー ソ ・ブヂ ュ ラ 十 ウ ツテ ィシ ュタ!〔 金 剛 杵 よ, 起 き上が れ!』 と。 さ て この 心 呪 が 唱 え られ るや 否 や, 大 自在 天を 除 外 して, 彼 ら三 界 か ら参 集 した る三 有 類 の主 た ち は総 て, そ の侍 衆 と倶 に, 先 に 悶 絶 し てい た のが 今 や 心に 安 息 を 得 た る者 とな つ た。 天 界 の快 楽 を 享 受 しつ まぬ が パ ガボ ン つ, 怖 畏 を 免 れ, 髪 の毛 を 硬 ば らせ て喜 び, 具 徳 ・金 剛手 を 望 み眺 め つ つ, 起 き上 つ た との こ とで あ る。 そ の 時, 世 尊 ビル シ ャ ナ如 来 が 金 剛手 ボ ナ ツに 宣 われ るに は: 『大 士 よ, 此 の 大 天 ・諸 天 の 中の 上 天 ・が 未 だ 起 き上 が らせ られ て い な い こ い の ち ほ ろ じや な い か。 此 の 者 の 生 命 が 亡 ぼ され て も又 何 の 益 が あ ろ う?蘇 生 さ せ よ, 彼 を!善 丈 夫 と此 の 天 は な るで あ ろ う』 と。 よ み が そ こで金 剛手 は 「仰 せ の 如 くに 」 と応 えて, 死 者 を 蘇 生 え らせ る此 の 心 呪 を唱 え 上 げ た: 『ブ ヂ ュ ラ 十 アー ユ フ!「 金 剛 の 如 く不 壊 な る 寿 命 を 有 つ 者 とな れ!〕 』 と。 (漢 訳) 爾時 具徳 金 剛手 菩 薩 摩 詞 薩 大 忽 怒 王。 且 置 大 自在 天。 即 為 余 天 衆 等 安 慰 令 起。 説 此 金 剛起 一 切 如来 心 大 明 日 嚇 日噌 否引底麸 姓1否局。 説 是 大 明時。 除彼 大 自在 天。 余 三 界 衆 井 諸着 属。 前所 壁 地諸 迷 悶 者。 即 時 成 得 安 慰 其 心。 獲 妙 楽 触 遠 離怖 畏。 身 毛 喜 竪。 謄 仰 具 徳 金 剛 手 菩 薩。 即能 倶 起。 爾 時 世 尊 告 金 剛 手 大 菩 薩 言。 大 士 此 三 界 主 大 自在 天。 何 故 不 起 干 地。 而 此将 非 壊 失 命 邪。 時 金 剛 手 大 菩 薩。 即 為 宣 説 護 命 大 明 印 縛 日 嘱 否引喩 石

ath' asmin bhasita-matre Mahadevo ((devati))devo

(13)

16. mrtah ( samjivy' otthatum icchati, na saknoty utthatum. tato

17. Bhagavantam etad avolcat: "kim aham Bhagavata evam

sasyami 2"

18. Bhagavan aha: . "na tvam prati (padyasy asya purusasy' ajnam kartuln. ayam eva to 'nusasti, na 'ham. " 19. J Mahesvarah praha: "kim na tvam Bhagavan sakto 'smad 20. dusta-sattvat paritratul, m ? iti.

Bhagavan aha: "na 'ham asmat samarthah paritratum. " 21. ((Mahesvara)V aha: "tat ka (sya hetoh 2"

((Bhagavan)) aha: "sarva-tathagatadhipati-tvat. " 22. ((Mahesvara)) aha: "na 'ham Bhagavan ( Bhagavato bha=

sitasya 'rtham ajane, kim to yatra hi nama tathagatanam 23. api ( sarva-traidhatukadhipatinam anyo 'dhipatis, tan na jane;

ko 'yam? "iti.

24. [ atha bhagavan Vajrapanir maha-bodhisattvah punar

p. 139, 1, api Mahadevam ahuy' aiva(m aha: "na pratipa(dyasi) sattva mam' ajnam kartum iti.

2. atha Maha (devo Vajrasattva-vacanam upasrutya kupitas

3. candi-bhutas Lath' apatita eva pu I nar api maha-raudra-rupa-tam 4. darsayaty evam aha: "maranam apy utsahami, na ca j tav' jnam

karsyami. "

5. atha Vajrapanirr maha-bodhisattvo maha-ko lpatam sam =

*12) *13)

darsayan sva-krama-talad ida((m Vajranuca))ram niscacara:

6. cc om pad'a lkarsana-vajra hum!"

(梵 和) さて此 の 心 呪 が 唱 え られ るや 否 や, 諸 天 の 中の 上 天 た る大天 は今 ま よ み が で 死 んで い た の が 蘇 生 え り了 つ て, 起 き 上 ろ うと欲 した。 しか し起 き 上 る こ とが 出 来 な い。 そ こで 世 尊 ビ ル シ ャナ如 来 に 申 し上 げ る に は: 『わ しは世 尊 に 依 つ て か く も調 伏 され て い る の で す か?』 と。 世 尊 宣 うに は:『 汝 は此 の 大 善丈 夫 〔=金 剛手 〕 の 指 令 に 従 うこ と こ われ を 勤 め てい な い。 此 の人 こそ 汝 を 調 教 し て い る の だ, 我 は 然 ら ず 』 と。 初 会 金 剛 頂 経 降 三 世 品 の 一 節 に つ い て

(14)

-111-密 教 文 化 大 自在 天 日 く: 『世 尊 よ, 世 尊 はわ しを 此 の悪 有情 〔金 剛手 を指 す 〕 か ら救 い 出す こ とが 出来 ない か?』 と。 が 世 尊 宣 うに は: 『彼 の 者 か ら汝 を 救 い 出 す こ とは 我 に は 出来 ぬ』 と。 大 自在 天 日 く: 『そ れ は何 故 ぞ?』 と。 世 尊 宣 うに は: 『金 剛手 が一 切 如来 の 上 主 で あ るか ら』 と。 げ 大 自在 天 日 く: 『世 尊 よ, 世 尊 の仰 せ 給ふ 言 の 意 は 解 せ な い。 そ も ほか そ も諸 の 如 来 が 己 に一 切 ・三 界 の上 主 で あ る; そ の 諸 の 如 来 に 更 に 他 い げ こ の 上 主 が 在 ます と仰 せ られ るか?そ の こ とは 解せ ぬ。 何 人 ぞ, 此 の 者 は?』 と。 パ ガボ ン 時 に 具 徳 金 剛 手 大 ボ サ ツは 再 び 大 天 に 呼 び か け て云 うに は: 『悪 有 わ 情 よ, 汝 は 我 が 指 令 に 従 お う と勤 め な い の だ な!』 と。 さて 大 天 は 金 剛 サ ッタ 〔=金 剛 手 〕 の この 言 葉 を 聴 い て, 本 来 怒 り む ご つ ぼ く, 残 虐 た ら しい 性 質 の者 だ が, この よ うに 急 襲 され た の で, ま あ ら わ た また 大 暴 悪 者 の 形 相 を 示 現 して 云 うに は: 『死は ま だ 忍 べ るが, し か し汝 の 指 令 に は 従 わ な い で あ ろ う!』 と。 へ あ ら わ そ の 時, 金 剛手 大 ボ ナ ツは大 葱 怒 の相 を 示現 して, 自分 の足 の裏 か む ね (3) ら 〔或 は 自分 の 心 か ら〕 ヴ ヂ ュ ラ 十 ア ヌ チ ャ ラ 鬼 〔 金 剛 杵 に 随 行 こ (4) と な す る も の'〕 の 此 の 呪 文 を 発 唱 え 出 され た: 『オ ー ソ ・パ ー ダ 十 ア ー カ ル シ ャ ナ 〔足 か ら 牽 き 出 す と こ ろ の 〕 ・ブ ヂ ュ ラ!〔 金 剛 杵 よ!〕 ・ フ ー ソ!』 と。 (漢訳) 説是大明時。大 自在天欲従地起。難蜴其力意復不能。 即 白仏言。世 尊干今何 人為我師帰。仏言我非汝師帰。我金剛手大士 是所帰処。汝今 何不 依我教勅随応所行。大 自在天言6世 尊若汝非 是我 師帰者。唯能救 護 諸悪有情。 仏言為救護者。即我金剛手。非我所能。大 自在天言。所 以者何。 仏言我金剛手是一切如来 増上主宰故。大 自在天言。 我不解 仏 所説我。仏 如来 者為三界主。云何金 剛手大 士復増上邪。我 意不 能暁 明 斯義。 爾時具徳金 剛手菩薩摩 詞薩。復告大 自在天言。 汝悪有情。何故不依 我教勅行。 是時大 自在天。 聞金剛手菩薩作 是語 己。復現暴 悪大 猛悪相。作如是 言我寧趣死。 終不 於汝教 中所行。 時金剛手 菩薩大忽怒王。従 自心現執金剛阿褥左羅 忽怒之像。説是大 明日 掩 引播引那 引葛 哩沙割 縛翠 日難否眸引局

(15)

*14)

atha Bhagavatas carana-talat sanlanta-jvala-((vajra-)) garbhah *15) 7. krta-bhrukuti- j damstra-karala-mahavaktro Vajranucaro 3. (Vajrapa)neh purato sthity' ajnam I nlargayanl asa.

atha Vajrapanir Mahesvara-samsodhana- nimit tam evanl 9. aha: I "om nad'akars' akarsaya sarva-Vajra-dha((ranucara kanc a

*16)

kanda)) vajra hum jah!"

10. atll' ai lvam ukte Mahadeva Uma-devi-sahita Zlydhva-nado

11. nagnah sarva-jagadbhir upahasya manah pad'akarsaisa-Vajranu-12. carena bhagava(to Vajrapa)neh purato pada-tale I sthapita iti.

atha Vajrapanir bodhisattvo Bhagavantarrs etad avocat: 13. "ayam Bhagavan dusta-sattvah sa-patnikah, kirn karonri ? ('ti). 14. Bhagavan aha: "om ( vajr' akrama holi 1 "

(5)み あ し らら そ こで 世尊 ビル シ ャナ如 来 の 御 足 裏 か ら普 く焔 え さ か る ブヂ ュ ラ き ほ む ぎ だ 〔=金 剛 杵 〕 の 新 生児 と して, 眉 を しか め, 牙 を露 出 し, 長 面 〔大 口 (6) 大 鼻 〕 の ブ ヂ ュ ラ 十 ア ヌ チ ャラ 鬼 〔金 剛 杵 随行 鬼'〕 が 化 生 して, 金 剛 手 の前 に 立 ち, そ の 指令 を乞 うた の で あ つ た。 き よ め そ の 時, 金 剛 手 は 大 自 在 天 を 浄 化 る 目 的 で, 次 の 如 く呪 文 を 唱 え た :『オ ー ン 〔帰 敬 の 聖 音 〕 ・パ ー ダ 十 ア ー カ ル シ ャ ー ヤ!〔 仏 足 よ り 牽 き 出 す 者 の 為 に(=金 剛 杵 の 為 に)さ さ ぐ 〕 ・ナ ル ブ ・ ブ ヂ ュ ラ ダ 十 ア ヌ チ ャ ラ!〔 二 切 の 持 金 剛 者 の 随 行 鬼 よ 〕 ・カ ン ダ ・カ ン ダ!〔 バ ラ バ ラ に 砕 け!〕 ・ブ ヂ ュ ラ!〔 金 剛 杵 よ 〕 ・フ ー ン ・ヂ ャ ハ 』 と。 さ て 是 の よ うに 唱 え られ た 時, 大 天 は そ の 妃 ウ マ ー 夫 人 と倶 に 逆 立 ほ だ い あざ ち に され, 裸 露 に され, 一一切 世 間に 嘲 け り笑 わ れ つ つ, 仏 足 よ り牽 き パ リボ ン 出 され た る金 剛 杵 随 行 鬼 に 依 つ て, 具徳 金 剛 手 の 前 に, そ の 足 の裏 に一 打 ち 据 え られ た との こ とで あ る。 そ の 時金 剛 手 ボナ ツは 世 尊 ビル シ ャ ナ如 来 に 申 し上 げ るに は: 『世 尊, 此 れ は 悪 有 情 で, 妃 を 伴 つ てい ます。 如何 が 致 し ま し よ う マ』 と 世 尊 は 呪文 を説 か れ た: 『オー ソ ・ブヂ ュ ラ 〔金 剛 杵 よ〕 ・ア ー ク ラ マ 〔踏 み つ け よ!〕 ・ホ ー ホ!』 と。 (漢 訳) 爾 時 世 尊大 毘 盧 遮 那 如 来。 即 挙 足 心。 亦 現金 剛 阿褥 左 難 葱 怒 之 像。 周 匝 熾 焔 餐 眉 利 牙。 大 面 可 畏。 住 金 剛手 大菩 薩 前。 復 請 教 令。 是 時金 剛 手 大 菩 薩。 為 大 自在 天 作 清 浄 故。 説 是 大 明 日。 哺 引播 引 初 会 金 剛 頂 経 降 三 世 品 の 一 節 に つ い て

(16)

-113-密 教 文 化 那 葛 哩 沙 引一合 葛 哩 沙 引一合 野 一句 薩 哩 囎 一合 囎 日曜 一合 達 曜 引 褥 左 曙 二 建 茶建 茶三 味専日曙 一合 噂 引 溺 四。 説 是 大 明 巳。 時 大 自在 天及 鳥 摩 天 后。 橿 什 於 地 讐 足 上 起。 裸 露 形 体 醜 悪 之相。 一 切 観 者 成 生 戯 笑。 是 時即 以 足 心 所 現 忽 怒 之像 鉤 召。 悉 於 金 剛手 前 足踵 而 住。 時 具徳 金 剛手 菩 薩 摩 詞 薩。 前 白仏 言。 世 尊 此 極 暴 悪 天 及 天 后。 作 何 制 止。 爾 時 世 尊即 説 大 明 日 庵 引 囎 日羅 一合 詑 曜一合 摩 畔 引一句

ath' aivam ukte Vajrapanir maha-bodhisattvo Mahadevam *17)

15. valma-pad'akrantam krtva daksinena c' 0-ma ((devim akrarna=))

16. yann idam svahrdayalm udajahara: "om vajr'

via ! hana

patram ! trat. "

17. ath' asmin bhasita- matre Mahadevah salnavistah *18)

sahasreiia ((sva-mukha-sahasram)) (gata)sum ahanat.

18. atha vajra-mani-ratna-sikhara-kutagarasya bahyatah

19. sarva-tri-bhuvanair maha-nado muktah : "ayam so 'smakam #19)

adhipatir anena mahatmana ((samavistah)).

20. atha Bhaga lvan Mahadevasy' a(vistasya) maha-karunam

21. utpadya idam sarva-buddha-maitri-hrdaya m abhasat: "ow

buddha-maitri-vajra raksa 1 hum. "

22. ath' asmin bhasita-matre Mahadevasya tad

(20*

duhkham upasantam. tac ca Vajrapani-pada-tala-sparsa((d))

a=

2.

3. nuttara-siddhy-abhiseka-samadhi-vimoksa-dharani-jnanabhijna'

24. vaptaye yavat ta)thagatatvaya

sarnvrtta iti.

p. 140, 1.

atha Mahadevo Bhagavat-pada-tala-sparsat

sairva-tatha =

gata-samadhi-dharani- vimoksa-mukhany anubhavan

2. kayam Vajralpani-pada-mule niryatayitva

'dhastad

3. Ganga-nadi-valukopama-lo I kadhatu-paramanu-rajah-sazna-loka

4. ldhatavo 'tikramya

Bhasm'achanno mina lolkadhatus tatra

Bhasmesvara-nirghoso nama tathagata utpannah.

(17)

さて そ の よ うに 唱 え られ た 時 に, 金 剛 手 大 ボ ナ ソは大 天 を 左 足 で 踏 み つ け 了 つ て, 右 足 で ウ マ ー夫 人 を 踏 み つ け な が ら, 次 の 自身 の 心 呪 を 唱 え た: 『オ ー シ ・ブ ヂ ュラ 〔金 剛 杵 よ〕 十 ア ー ヴ ィシ ャ!〔 侵 攻 (7) せ よ!〕 ・ハ ナ ・パ ー トラム!〔 鉢 を 砕 け!〕 』 と。 さて 此 の 呪 が 唱 え られ るや 否 や, 大 天 は 全 く降 服 して, 自分 の 千 手 もて, 自分 の 千 面 を ば 息 も絶 えに 打 据 えた の で あつ た。 マ ニ 時 し も, 金 剛 ・珠 ・宝 を 尖 頂 とす る楼 閣 の 外 で は, 一 切 三 有 類 ども かれ こ こ に 依 つ て 大 音 声 が 放 た れ た: 『彼 ・我 らの 此 の 上 主 は 此 の大 霊 聖 〔二 金 剛手 〕 に 全 く降 服 せ しめ られ て 了 つ た!』 と。 そ の 時, 世 尊 ビル シ ャナ如 来 は 降 伏 せ しめ られ た る大 天 に 大悲 心 を 生 ぜ られ て, 次 の 一 切 仏 慈 心 呪 を 唱 え られ た:『 オ ー ソ ・ブ ッダ ・マ イ トリー ・ブ ヂ ュ ラ!〔 仏 慈 の 金 剛 杵 よ!〕 ・ラ ク シ ャ!〔 護 れ!〕 ・フー ソ』 と。 さ て 此 の 呪 文 が 唱 え られ るや 否 や, 大 天 の, か の 降 伏 苦 は鎮 め られ た。 また 金 剛 手 の 御 足 裏 に 触 れ た こ とを 因 として, 無 上 ・シ ッヂ 〔= サマ ヂ え 成 満 位 〕 ・灌 頂 ・ 定 ・解 脱 ・ダ ラ ニ ・智 ・神 通 を 獲 ・乃 至 ・如 来 位 に 転 進 し た との こ とで あ る。 パカ ボ ン さ て 大 天 は 具 徳 金 剛 手 の 御 足 裏 に 触 れ た こ とを 因 と して, 一 切 如 来 サマ ーヂ み あ し の 定 ・ダ ラニ ・解 脱 の 法 門 を 享 受 しつ つ, 大 天 の 身 を 金 剛 手 の 御 足 も と 下 に 捨 て 了 つ て 〔=死 ん で 〕, 下 方 世 界 に 向 か い, 32ガ ソ ガー 河 の 砂 粒 ほ どの 多 世 界 を 更 に 極 微 塵 とした 程 の 多 世 界 を 越 え て 「バ ス マ 十 ア (8) 一 チ ャ ン ナ 」 「灰 に 被 わ れ た る 〕 と名 つ く る 世 界 が あ る が, そ こ に 「 バ ス マ 十 イ ー シ ュ ワ ラ ・ニ ル ゴ ー シ ャ」 〔灰 ・自 在 主 ・号 音 〕 と各 つ く る 如 来 と し て 生 ま れ 更 つ た の で あ っ た。 (漢訳) 説 是大明巳。金剛手大菩薩即挙左足踏大 自在天。 右足 踏烏摩天后。 逼附乳 問。説是大明日。 庵引 囎 日曙 引言尾舎筍 喝那野引 但囑言二 恒 購 托善三 説是大 明時。大 自在天由逼追故。挙 自千手打其千面。 時我摩尼宝峯 楼閣 之外。所 有天衆 倶発 大声。唱如是言。今我主宰大 自在 天。己為金 剛手 大士之所降伏。 爾 時世 尊為大 自在天故。起勝上大悲心。説一切仏慈護 心明ir。 庵 引 没駄昧底哩否引 狐縛 日難否 攣又 引 欣 筍 説是心 明時。我大 自在天即入三昧。 入三昧巳。諸苦皆 息。又以金剛 手 菩薩足心触故。 即時獲 得無上悉地勝妙灌頂及三摩地解 脱総持神通 智 初 会 金 剛 頂 誰 降 三 世 品 の 一 節 に つ い て

(18)

-115-密 教 支 化 等。 如是得入 一切如来三摩地解 脱総持 門巳。我大 自在天身。従 金剛手 菩薩 足心而 出。下方過三十二殉伽 沙数極微塵 量等世界。至 一世界。名 践娑摩 餐那。有 仏出世。号践娑弥 渉難爾 哩盟沙如来応 供正等正覚。 註 (1)(a)「 世 尊 」 とは 又 「バ ガ ボ ソ」 と云 う。 仏 へ の 尊 称。 こ の 処 で は ビ ル シ ャ ナ 如 来 を 指 す。p. 137, 8: Vairocana。 p. 139, 6相 当 の 漢 訳 に も こ の 仏 名 が 出 て い る。(b)ま た 金 剛 手 ボ ナ ツ 〔[Vajra-papi p. 135, 111を 指 す こ と も あ る。 漢 訳 に は 「具 徳 」 と 訳 し あ り, これ は 語 源 的 に は 正

し い。 bilaga〔 福 分, 語 根: bhaj分 つ'〕 を-vallt〔 具 せ る も の 〕 の 義 で あ る。 強 語 幹bhagavant主 格。van, 呼 格。van。 「世 尊 」 の 梵 語 は: ioka-jyestha。 ひ と (2) 普 賢 〔梵, samanta-bhadra 普 善'〕, 「普 く他 に 親 切 な 人 」 の 義, 金 剛 手 の 異 名。 (3) 漢 訳 に は 『自 心 ヨ リ』 と あ り, 梵 はsva-hrdayadと あ っ た こ とで あ ろ う。P. 135, 2参 照。 (4) 漢 訳 に は 『執 金 剛 ア ヌ チ ャ ラ 忽 怒 ノ像 ヲ現 ジ 』 と あ り。 蔵 訳 に は 像 か 呪 か 明 示 さ れ て い な い。 (5) 漢 訳 に は 『世 尊 ビ ル シ ャ ナ 如 来, 即 チ 足 心 ヲ 挙 ゲ, マ タ 金 剛 ア ヌ チ ャ ラ 忽 怒 ノ像 ヲ 現 ズ 』 とあ り。 梵 蔵 に は 単 に 「バ ガ ボ ン 」 の と あ りて 仏 名 が 明 示 さ れ て い な い。 (6) 金 剛 杵 随 行 鬼[vajra+anucara]は 調 伏 者 の 姿 で あ る。 (7) hana, Pali: hanatiの 命 令 形。

(8) 火 葬 灰 に よ つ て, 即 ち 葬 式 な どを し て, 生 計 を 立 て る 世 界, 火 山 灰 や 死 の 灰 を 皮 肉 っ て い る か。

Notes.

*1) Bhagavant herc for the Buddha Vairocana, whose name is

mentioned in P. 137, 8 and in the Chizlese equivalent of p. 139, 6. But this editllet is also applied for the Bodhisattva

ni (p. 135, 11).

*2) sva-hrdayadgrhy is not provable. Prof. Tucci: "togliendo

il vajra dal proPrio cuore. "

*3) This proves a verse in meter sloka. sarvajna-jnalla, according

to Prof. Tucci: "la sapienza dell, Omnisciete. "

(19)

tri-bhuvana-patayo. *5) idrsah, Pali: idiso.

*6) The original Sanskrit text for the Tibetan translation may

have had larva-devan; Mahesvara' is mentioned in the nese equivalent.

*7) Meter: sloka, cf. Note *3).

*8) Skt. santataya.

*9) Skt. yusm bhir.

*10) "bho Sugata" according to the Tibetan passage, for the Bodhisattva Vajrapani may be possible and seems here very likely, but no such words are found in the Chinese equivalents. *11) "santa-suvinitall", according to the Tibetan and the Chinese

equivalents.

*12) sva-krama-talad from his own foot sole', the reading of the Sanskrit and the Tibetan text is not very likely. The Chinese reading; sva-hrdayad, from his own heart', may be more easy to understand. cf. 1. 135, 2.

*13) Vajranucara, a Vrddhi-derivative, means the mantra of the

demon Vajranucara'; the reading of the Chinese passage is not very likely: the figure of the demon Vajranucara'.

*14) vajra-, according to the Tibetan text.

*15) "Vajranucara" is one of the demons or servants, according to the Tibetan and the Chinese transcriptions, cf. Note *13). *16) This mantra accords to the Chinese transcription.

*17) According to the Tibetan and the Chinese equivalents. *18) According to the Tibetan and the Chinese.

*19) According to the Tibetan and the Chinese.

*20) sparsam ((hday)) may be possible, but in the line 24, sparsat.

Index (1) words. adhistliaya 136, 16. adhisthita 137, 14. abhaya 137, 3; 138, 1. abhisikt. a 137, 11. abhiseka 139, 23. a jna 135, 10; 13612. 5-12. 15. 16; 137, 5. 7. 9. 14. 16: 138, 3. 18; 139, 1. 4. 7. ajnapayati 136, 3. Uma 139, 10. 15. kata-putana 136, 14. 初 会 金 剛 頂 経 降 三 世 品 の 一 節 に つ い て

(20)

-117-密

bhagavant (a) Vairocana; 135, 1. 7; 136, 4. 5. 6. 18. 20; 137, 2. 4. 8. 15. 16; 138, 11. 16. 17. 17. 19. 20. ((21)). 21. 22; 139, 6. 12. 13. 13. 19. (b) Va jrapa ni 135, 11; 136, 10. 24; 137, 19. 25; 138, 1. 10. 24; 139, (11). 12. 24; 140, 1. Samantabhadra 137, 10. 24; 138, 1. Vajradhara 139, 18. 20. bhaya 138, 10. Bhasm'achanna 140, 3. Bhasmesvara-nirgh. osa 140, 4. mahatman 139, 19. Mah. adeva 135, 12; 136, 2. 4. 15. 18. 23; 137, 1. 12. ((21)); 138, 12. 15. 24; 139, 1. 10. 14. 17. 20. 22. 24; 140, 1. Mahesvara 135, 4; 136, 6. 9. 15;((137, 4)); 138, 5. 7. 19. ((20. 21)); 139, 8. mahaisvarya 136, 19. yaksa 136, 1. 2. 7.

vajra (a) thunderbolt 135, 1. 5. 8; 136, 3. 8. 13. 20. 21. 22; 137, 22; 138, 6. 15 139, 6. ((6)) . 9. 14. 16. 21. (b)diamond 135, 6. 7. 139, 17. Vajradhara 137, 19. Vajradharanucara 139, 9. Va j rapa ni 135, 8. 11; 136, 2. 7. 10. 13. 17. 21. 24; 137, 2. 2. 3. 21; 138, 1. 5. 10. 11. 14. 24; 139, 4. 7. 8-11. 12. 14. 22; 140, 1. Vajrasattva 139, 2. Va jranucar. a 139, 7. 11. ((Va jranucara)) 139, 5. Vairocana 137, 8. sas 138, 17. anu-sas 138, 18. sasana 135, 10; 136, 19; 137, 7. 22. samvara 136, 7. Samantabhadra 137, 10. 23; 138, 3. samaya 135, 1. 2. 5; 136, 4. 7. 17. 21; 137, 14; 138, 4. samadhi 135, 1; 139, 23; 140, 1. Sugata ((137, 20)) . Sumeru 135, 6t

hrdaya (a) dharani 135, 2; 136, 22; 138, 7. 14; 139, 15. 20. (b)heart 135, 2. 8; 136, 20; 138, 9 .

Index (2) things.

hrdaya (-dharani) 135, 3; 136, 21. 22; 13S, 7. 15; 139, 5. 9. 13. 16. 21.

(以 上 の 語 彙 に 相 当 の 蔵 漢 の 訳 語 を 附す べ ぎで あつ た が他 事 の た め に 果 し得 なか っ た こ とは 甚 だ 残 念 で あ る(酒 井)

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