• 検索結果がありません。

論文

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "論文"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)論 剛性 が不 足 した機構 部 を含 む系の精 密位置決 め* セ ミク ロ ー ズ ド制 御 とフ ル ク ロ ー ズ ド制 御 の融 合. 酒 井 史 敏**疋. Precision. 津 正 利***神. Positioning. Which Contains. Fusion of Semi-closed. Fumitoshi. SAKAI, Masatoshi. since it contributes. elements. of load's angle, it is difficult. a semi-closed. closed and a full-closed. System. KAMIYA and Hiroaki SEKI. loop control which uses only the information. in the driving mechanism.. to keep the stability. Also, by the full-closed. because of containing. actuator, so it is necessary to control the system at low gain, and the positional method of fusing. Mechanical. Loop Control. Yoshitsugu. a semi-closed. 啓 明***. to the stability of the control system. In this method, however,. attained because of the some non-linear the information. Flexible. and Full-closed. HIKIZU,. Generally, for the position control of industrial machines,. angle is adopted,. 谷 好 承***関. loop control into a full-closed. accuracy. precise positioning. of motor's. cannot be. loop control which uses only between. the sensor and the. is declined. Therefore,. a flexibility. this study shows a. loop control, and this technique solves mutual faults which a semi-. loop control have and it gets a high positional. accuracy. Also, the effectivity. about this control technique. is shown by the experiment. Key words:. precision. positioning,. 1.緒. 言. flexible mechanical. 産 業 用 ロ ボ ッ トや 工 作 機 械 等 の 位 置 決 め 制 御 は,一. system, semi-closed. loop control, full-closed. 2.セ. 般的に. モ ー タ軸 の 位 置(角 度)情 報 の み を 用 い た セ ミ ク ロ ー ズ ド制 御. loop control. ミ ク ロ ー ズ ド制 御 と フ ル ク ロ ー ズ ド制 御. 本 研 究 で は,市 販 の サ ー ボ モ ー タ とサ ー ボ ドラ イ バ に よ り構. 成 され る 速 度 制 御 系 を用 い て 位 置 決 め 制 御 系 を 構 成 した.図1. 方 式 を 用 い て い る こ と が 多 い.こ の 制 御 方 式 は,駆 動 負 荷 系 の. に示 す フル ク ロ ー ズ ド制 御 は 負 荷 で あ る メ カ ニ ズ ム 先 端 で の位. 剛 性 が 位 置 決 め制 御 系 の 安 定 性 に影 響 を及 ぼ さ ない た め安 定 な. 置 情 報 を 観 測 して,ア ク チ ュエ ー タ を制 御 す る 方 式 で あ る が,. 制 御 系 を構 築 し や す い とい う 利 点 を 有 す る が,負 荷 機 構 系 に 内. こ の 方 式 で は 駆 動 機 構 系 内 の 剛 性 不 足 に よ り,安 定 な 制 御 系 の. 在 す る弾 性 や 摩 擦,機. 設 計 が 困 難 と な る こ とが 多 い.こ. 構部 の 非線 形性 や誤 差 な どの影響 に よ. の た め 図2に. 示 す ようなセ. り,負 荷 の 正 確 な位 置 決 め が 困 難 とな り,繰 返 し精 度 もそ れ ほ. ミ ク ロ ー ズ ド制 御 方 式 の 適 用 が 多 い.こ の 方 式 は モ ー タ軸 の位. ど 良 い もの と は な らな い.こ れ に対 して,モ ー タ軸 で は な く負. 置 を 制 御 す る も の で あ る た め,駆 動 機 構 系 や メ カ ニ ズ ム の 精 度. 荷 軸 の 角 度 情 報 の み を用 い た フ ル ク ロ ー ズ ド制 御 方 式 にお い て. が 負 荷 系 の 位 置 決 め 精 度 に 直 接 影 響 して くる3)4).. は,セ ンサ と ア ク チ ュ エ ー タ と の 間 に 含 ま れ る機 構 部 の 剛 性 が. 低 い 場 合 に は,安 定 性 の 保 持 が 困 難 で あ り,一 般 に 低 ゲ イ ンで. 本 研 究 で は,図3に. 示 す よ う に,ば. ね ・質 量 で 構 成 され る. 振 動 系 をユ ニ バ ーサ ル ジ ョイ ン トを介 して駆 動 す る 実 験 装 置 を. の 制 御 を余 儀 な く さ れ る1).こ の た め フ ル ク ロ ー ズ ド制 御 で. 用 い た.ユ ニ バ ー サ ル ジ ョ イ ン トを用 い る こ とで,モ ー タ軸 と. あ って も負 荷 軸 の 位 置 決 め 精 度 を高 め る こ とが 困難 で あ る こ と. 負 荷 軸 との 間 に 非 線 形 な伝 達 特 性 を与 え る こ とが で き る.ま た. も多 い.. そ の 駆 動 に は 市 販 のDCサ. そ こ で 本 研 究 で は,セ ミ ク ロ ー ズ ド制 御 と フル ク ロ ー ズ ド制. ー ボ モ ー タ とサ ー ボ ドラ イ バ を用 い. た.. 御 と を 融 合 す る こ とに よ り,お 互 い の 制 御 方 式 の 欠 点 を補 い合 い,負 荷 軸 の 高 い位 置 決 め 精 度 を得 る 手 法 を提 案 す る.こ の 手. 法 は 基 本 的 に は セ ミク ロ ー ズ ド制 御 で あ り,モ ー タ軸 と負 荷 軸 と の偏 差 を負 荷 の目 標 とす る位 置 に足 し合 わ せ るル ー プ を付 加. す る こ とで 目標 値 を リ ア ル タ イ ム に変 更 し,負 荷 軸 の 位 置 を 目 標 位 置 に 一 致 させ る よ う に機 能 させ る もの で あ る.こ の制 御 系 は セ ミ ク ロ ー ズ ド制 御 と等 価 な安 定性 を持 つ と同 時 に負 荷 系 の. 剛 性 が 低 くて も負 荷 の 高 い位 置 決 め 精 度 を得 る こ とが で き る方 式 で あ る.. 本 研 究 で は,剛 性 の 不 足 す る負 荷 系 に 固 体 摩 擦 が は た ら く場. 合 と,機 構 部 に非 線 形 な伝 達 特 性 を もつ 場 合 に つ い て の 実 験 を 通 して 提 案 す る 制 御 手 法 の 有 効 性 を 示 す.. *原稿受付 **学 生会 員 ***正 会 員. 平成11年12月27日 金沢 大学 大学 院(金 沢市 小立 野2‑40‑20) 金沢大 学 工学部. Fig.2. Semi-closed. loop control. 精 密 工 学 会 誌Vol.66,No.9,20001461.

(2) 酒井 ・疋津 ・神谷 ・関:剛 性 が不足 した機構部 を含む系の精密位置決め. Table. Fig3. Experimental. 1 Parameters. of velocity. control. system. servo system. Fig.4. Block diagram. of position control. system. 市 販 の 速 度 制 御 系 を用 い た 位 置 制 御 系 の ブ ロ ッ ク線 図5)を図 4に 示 す(図4中. の 各 パ ラ メ ー タ は 表1を. 参 照).. 速 度 制 御 器Gν(S)を 次 式 に 示 す よ う なPI制. 御器. 〓(1). と し,フル クロー ズ ド制御方 式 にお ける系 の伝達 関数 を求 める と〓. 〓と な り,こ の 場 合 に は負 荷 に は た ら くス テ ップ 状 外 乱 に対 して. (2) a5=αJaJL,a4=JLKTTGKD+aJaDL,a3. 定 常 偏 差 が 残 っ て しま う こ とが わ か る.. =JLKTTGKC+αJLKf+DLKTTGKD+aJaKfa2. 式(2),式(3)の. 特 性 方 程 式 に表1の. 各 パ ラ メ ー タ を 用 い て,. =DLKTTGKC+αDLKf+KTTGKfKDa1 =KTTGKfKC+KTKfKDKPKV,ao=KTKfKCKPKV b1=KTKfKDKPKV,bo=KTKfKCKPKV C3 =αJa,c2=KTTGKD,c1=KTTGKC+αKf. と な り,右 辺 第2項. よ り負 荷 に は た ら くス テ ッ プ状 外 乱 に対. し て 定 常 偏 差 が 生 じ な い こ とが わ か る, ま た,同 様 に セ ミ ク ロ ー ズ ド制 御 方 式 に お け る 系 の 伝 達 関 数 を求 め る と. 〓 (3). Fig.5. 1462精. 密 工 学 会 誌Vol.66,No. .9,2000. Stability. of position. control. system. ..

(3) 酒 井 ・疋津 ・神谷 ・関:剛 性が 不足 した機構部 を含 む系の精 密位置決め. Fig.7. Fig.6. Positioning. Experimental. results of full-closed. loop control. results of semi-closed. loop control. accuracy. 位 置 決 め精 度 を 決 定 す る 位 置 ゲ イ ンKPと. 機構 部 の もつ固有振. 動 数 を パ ラ メ ー タ と して 系 の 安 定 判 別 を行 っ た.こ の 結 果 を 図 5に 示 す.両 制 御 方 式 の 安 定 領 域 は 負 荷 の 固 有 振 動 数 が 低 くな る につ れ て 大 き く差 が 開 き,セ ミ ク ロー ズ ド制 御 方 式 に比 べ て フ ル ク ロ ー ズ ド制 御 方 式 で は 位 置 ゲ イ ンKPを. 大 き く設 定 す る. こ とが で きな く低 ゲ イ ン で制 御 しな け れ ば な ら な い こ とが わ か る. 位 置 決 め 制 御 を行 う場 合,一 般 的 に 角 度 情 報 を エ ン コー ダで 検 出 し,そ の 情 報 を フ ィー ドバ ッ ク 量 と して デ ィ ジ タ ル コ ン ピ ュ ー タで 位 置 制 御 器 を構 成 す る こ と が 多 い,こ. の と きエ ン. コ ー ダ の 分 解 能 とサ ー ボ ドラ イバ へ の 速 度 指 令 電 圧 に 変 換 す る D/A変. Experimental. 換 器 の もつ 分 解 能 との 関 係 が 重 要 で あ る.エ ン コ ー ダ 分. 解 能 をRE ば,位. Fig.8. pulse/rad,D/A変. 換 器 の 分 解 能 をRDA. V/LSBと. すれ. 置 決 め 精 度Epulse/LSBは,. 困 難 で あ っ た.図7(b)は. 安 定 限 界 と して の 位 置 ゲ イ ンKp=. 0.311V/rad(2LSB=5pulse)を 〓(4). 与 え た場 合 の 負 荷 お よ び モ ー タ. 軸 の 運 動 で あ り,目 標 値300パ. ル ス を 中 心 と した 定 常 振 動 が. 発 生 して しま っ て い る.図7(a)は と して 表 さ れ る.E〓1を. 満 た す 位 置 ゲ イ ンKPを. 合 に は エ ン コ ー ダの もつ 分 解 能 で あ る1パ. 与 え られ る 場. ルス以 内 の位置 決. V/rad(1LSB=5pulse. 位 置 ゲ イ ン と してKP=0.155. .)を与 え た 場 合 で あ り,位 置 ゲ イ ンKPが. 低 い た め 目標 位 置300パ. ル ス の 位 置 決 め に 対 して 負 荷 とモ ー. め が 可 能 で あ り,反 対 に位 置 ゲ イ ンKPを 小 さ く してE>1の. よ. タ 軸 に は5パ. う な位 置 ゲ イ ンKpを 与 え た 場 合 に は エ ン コ ー ダ の もつ1パ. ル. に位 置 決 め され て し ま っ て い る.. ス で の 位 置 決 め は 困 難 と な る. 用 い て 式(4)か. ら求 め られ る位 置 決 め精 度Eと 機 構 部 の 固 有 振 動 数 との 関 係 を 示 す.図6か. らわ か る よ う に セ ミ ク ロ ー ズ ド制 御 に お. い て は す べ て の 領 域 でE〓1で. あ るため機 構部 の剛性 が低 くて. もモ ー タ軸 は エ ン コ ー ダ の も つ1パ. ル ス 以 下 の 位 置 決 め を容. 非 線 形 特 性 を持 た ない 系 に お い て セ ミ ク ロ ー ズ ド制 御 を適 用 し た 実 験 結 果 を'図8に 示 す.図8(b)に. 示 す ようにセ ミクロー ズ. ド制 御 で あ る た め モ ー タ軸 変 位 の 位 置 ゲ イ ン をKP=0.777V/ rad(1LSB=1pulse)ま. で 上 げ る こ とが 可 能 に な る.こ. 軸 と負 荷 は 目標 値 通 りの300パ. て は負 荷 の もつ 固 有 振 動 数 が お よ そ40Hz以. と が わ か る.位 置 ゲ イ ン をKP=0.155V/rad(1LSB=5pulse). 下 に な る とE>1. ル ス 以 下 の位 置 決 め は得 ら れ な い こ と. 図3の. 実 験 装 置 を 用 い て 目標 値300パ. ルス の位 置決 め制御. を フ ル ク ロ ー ズ ド制御 お よ び セ ミ ク ロ ー ズ ド制 御 に よ り実 験 を 一 行 った .本 研 究 で 用 い た エ ン コ ー ダ は1000pulse/R,A/D・D/ A変 換 器 の 分 解 能 は,±10Vを12bi?の と が で き,1LSB=0.00488Vで 図7に. ま で 下 げ た 場 合 に は 図8(a)に. ル ス に 位 置 決 め され て い る こ. 示 す よ う に モ ー タ軸 と負 荷 は フ. ル ク ロ ー ズ ド制 御 と 同様 に305パ. に な る.. 分 解能 で 出力 す る こ. の場 合. 駆 動 負 荷 系 に 固体 摩 擦 と非 線 形 特 性 を含 ん で い ない た め モ ー タ. 易 に実 現 し て くれ る.こ れ に対 して フ ル ク ロ ー ズ ド制 御 に お い. と な る た め 負 荷 の1パ. ルス. 駆 動 負 荷 系 に 固 体 摩 擦 が ほ と ん ど な く,か つ そ の 機 構 部 内 に. 図5に 示 した安 定 限 界 で あ る位 置 ゲ イ ンKPを. 図6に. ル ス の 定 常 位 置 偏 差 を生 じて し ま い305パ. こ の場 合,図7(a)に. ル ス に位 置 決 め され て い る.. 示 す フ ル ク ロ ー ズ ド制 御 と ほ ぼ 同 じ位 置. 決 め精 度 が 得 ら れ て い る が,フ ル ク ロ ー ズ ド制 御 に 比 べ 非 振 動 的 な 位 置 決 め に な っ て い る こ とが わ か る. 図8に. は負 荷 軸 に 固 体 摩 擦 が な く,か つ 非 線 形 特 性 を 持 た. な い と い っ た 特 殊 な 条件 で の セ ミ ク ロ ー ズ ド制 御 に よ る制 御 実. あ る.. フ ル ク ロ ー ズ ド制 御 に お け る 実 験 結 果 を示 す.フ. ル. 験 を示 した が,負 荷 の 高 精 度 な位 置 決 め にお け る実 際 的 問 題 と. ク ロ ー ズ ド制 御 に お い て は系 が 不 安 定 に な っ て しま うた め 位 置. して は 駆 動 負 荷 系 に 内在 す る固 体 摩擦 や 非 線 形特 性 の存 在 を考. ゲ イ ン をKP=0.777V/rad(1LSB=1pulse)ま. 慮 に 入 れ た位 置 決 め に対 す る ロバ ス ト性 を考 え て お くこ とは 重. で上 げる こ と は. 精 密 工 学 会 誌Vol.66.No.9,20001463.

(4) 酒井 ・疋津 ・神 谷 ・関:剛 性が不足 した機構 部を含む系の精 密位 置決め. る.図10(b)は. セ ミク ロ ー ズ ド制 御 に よ る 負 荷 軸 の位 置 決 め. 制 御 結 果 で あ る.セ ミ ク ロ ー ズ ド制 御 で あ る た め モ ー タ軸 は 目 標 値 と して の300パ. ル ス で 位 置 決 め さ れ る が,負. 系 内 に存 在 す る非 線 形 特 性 の た め312パ. 荷 軸 は駆動. ル ス の 位 置 で 停 止 し,. 位 置 決 め 誤 差 が 生 じて い る. 3.セ. ミ ク ロ ー ズ ド制 御 と フル ク ロ ー ズ ド制 御 の 融 合 に よ る精 密 位 置 決 め. 3.1制. 御 系の 構成 方法. フ ル ク ロ ー ズ ド制 御 を用 い る と負 荷 軸 に ス テ ッ プ状 の 外 乱 が 加 わ っ た り,モ ー タ軸 と負 荷 軸 との 間 に 非 線 形 な伝 達 特 性 を 持 つ 場 合 にお い て も負 荷 に は 定 常 偏差 が 生 じな い 位 置 決 め 制御 系 が 構 成 で き る よ う.に期 待 さ れ る が,実 際 に は 前 章 で 示 した よ う に負 荷 系 の 剛 性 不 足 に よ り,制 御 系 を 安 定 に す る た め の位 置. Fig.9 Experimental results (with solid friction). ゲ イ ン は 非 常 に小 さい も の と な る.こ の た め 負 荷 を 目標 とす る 精 度 ま で 位 置 決 め で き な い の が 現 状 で あ る.こ れ に 対 して,セ ミク ロ ー ズ ド制 御 を 用 い る と フ ル ク ロ ー ズ ド制 御 に 比べ て 位 置 ゲ イ ン を大 き く と っ て も制 御 系 は 安 定 で あ る が,負 荷 軸 に ス テ ッ プ状 の 外 乱 が 加 わ っ た り,モ ー タ軸 と負 荷 軸 と の 問 に非 線 形 な伝 達 特 性 を持 つ場 合 に は定 常 偏 差 を残 して しま い位 置 決 め 誤 差 が 生 じて し ま う. そ こ で,お 互 い の 制 御 方 式 の 欠 点 を 補 う た め に セ ミ ク ロ ー ズ ド制 御 と フ ル ク ロ ー ズ ド制 御 との 寄 与 比 率 を規 定 す る パ ラ メ ー よ う な 制 御 系 を提 案 す る.モ. ー タ軸 と. 負 荷 軸 と の偏 差 信 号 に 設 け て あ る パ ラ メ ー タQを1に. タQを. 用 い て 図11の. すれ ば. フル ク ロ ー ズ ド制 御 に な り,ま た パ ラ メ ー タQを0に. すれ ば. セ ミ ク ロ ー ズ ド制 御 に な る.こ れ よ り負 荷 系 の振 動 成分 を取 り 除 く よ う に低 周 波 数 帯 域 で|Q|=1と をQと. な るローパ スフ ィル タ. して 選 ぶ こ と で,フ ル ク ロ ー ズ ド制 御 に お け る 不 安 定. 性 を解 消 で きる と 同時 に 負 荷 軸 に 加 わ る ス テ ッ プ状 外 乱 お よび. Fig.10 Experimental results (with non-linear element). 非 線 形 な 伝 達 特 性 に対 して 負 荷 に は 定 常 偏 差 を残 さず に セ ミ ク 要 な こ と と考 え ら れ る.こ れ よ り本 研 究 で は 負 荷 軸 に 固 体 摩 擦. ロ ー ズ ド制 御 の よ う な 制 御 系 の安 定 性 が 期 待 で き る.こ の制 御. を作 用 させ た状 態 を つ く り,フ ル ク ロ ー ズ ド制 御 お よ び セ ミ ク. 系 の もつ 基 本 的 動 作 は セ ミ ク ロ ー ズ ド方 式 で あ り,モ ー タ軸 と. ロ ー ズ ド制 御 に よ る 負 荷 の 位 置 決 め 制 御 実 験 を行 っ た.図9(a). 負 荷 軸 との 問 に 生 じて し ま う偏 差 を負 荷 の 目標 値 に足 し合 わ せ. ル ス を 与 え た 場 合 の フ ル ク ロ ー ズ ド制. る こ と で セ ミク ロ ー ズ ド制 御 に お け る 目標 値 を オ ン ラ イ ンで 変. 御 に よ る負 荷 の 位 置 決 め 制 御 の 結 果 で あ る.こ の 制 御 実 験 に 与. 更 し,結 果 と して 負 荷 軸 の 位 置 を 目標 値 に一 致 させ る よ う に機. え た 位 置 ゲ イ ン はKP=0.777V/rad(1LSB=1pulse)で. 能 さ せ る もの で あ る,図11の. は 目 標 値 と して300パ. あ り・. 本 来 不 安 定 なは ず で あ る が,負 荷 軸 に作 用 させ た 固体 摩 擦 に よ り安 定 化 で きて い る場 合 で あ る.フ ル ク ロ ー ズ ド制御 で あ る た め負 荷 軸 は 目標 値 通 りの300パ れ に対 し て モ ー タ軸 は3パ. ル ス に位 置 決 め され て い る.こ. ル ス 分 の 行 き過 ぎ を 生 じ303パ. ス の 位 置 で 停 止 して い る.図9(b)は. ル. セ ミ ク ロ ー ズ ド制 御 に よ. る 負 荷 の 位 置 決 め 制 御 の 結 果 で あ る.セ ミ ク ロ ー ズ ド制 御 で あ る た め モ ー タ軸 は 目 標 値 と して の300パ. ルス で位置 決 め され. る が 負 荷 軸 は 固 体 摩 擦 が 作 用 す る た め298パ. ル スの位置 で停. 止 して し ま い 位 置 決 め 誤 差 が 生 じて い る. 次 にモ ー タ軸 と負 荷 軸 との 間 に 設 け た ユ ニ バ ー サ ル ジ ョイ ン トを一 定 角 度 だ け 曲 げ る こ と に よ り非 線 形 な 伝 達 特 性 を駆 動 負 荷 系 に 与 え た状 態 を つ く り,フ ル ク ロ ー ズ ド制 御 お よ び セ ミ ク ロ ー ズ ド制 御 に よ る位 置 決 め 制 御 の 実 験 を 行 っ た,図10(a)は 負 荷 の 目 標 値 と して300パ. ル ス を 与 え た場 合 の フ ル クロー ズ. ド制 御 に よ る位 置 決 め 制 御 結 果 で あ る.位 置 ゲ イ ン と してKP =0.777V/rad(1LSB=1pulse)を が,負. 荷 軸 は 目標 値300パ. る.一 方,モ. 1464精. ー タ 軸 は288パ. 与 えて い るため 不安定 で ある ル ス を 中 心 と した 振 動 が 生 じ て い. ル ス の位 置 を 中 心 に振 動 し て い. 密 工 学 会 誌Vol.66,No..9,2000. 制 御 系 の伝 達 関 数 を式(5)に 示 す.〓(5)〓.

(5) 酒井 ・疋津 ・神谷 ・関:剛 性が不足 した機構部 を含む系の精密位置決め. Fig.11. Block diagram. of proposed. position. control. system. Fig.14. 3.2実. Frequency. characteristic. of MA filter. 験 に よ る制 御 性 能 の 評 価. 前 章 で 提 案 した セ ミ ク ロ ー ズ ド制 御 と フル ク ロ ー ズ ド制 御 と の 融 合 に よ る精 密 位 置 決 め 手 法 の 有 効 性 を示 す た め に,図3の. Fig.12 Stability of proposed position control system (at Q=1/(Ts+1)). 実 験 装 置 を用 い て負 荷 軸 に取 り付 け た エ ン コ ー ダ の1パ ル ス ま で の 位 置 決 め が 実 現 で き る よ うに 位 置 ゲ イ ン をKP=0.777V/. こ こ で 負 荷 の1パ. ル ス まで の 位 置 決 め を 実 現 す る た め に位. rad(1LSB=1pulse)と. して 与 え位 置 決 め 制 御 を 行 っ た.こ. 結 果 を 図13に. 実 験 で は サ ン プ リ ン グ周 期 を1msと. し,図11の 置 ゲ イ ン をKP=0.777V/rad(1LSB=1pulse)と タQを1次. し,パ. ラメ ー. パ ラ メ ー タQは. の. 制 御 系 の安 定 性 を 確 保 す る た め. に 機 構 部 の もつ 固 有 振 動 数(19Hz)成. 分 を取 り除 く こ との で. 遅れ系. き る 図14に 〓(6) と し て 与 え,パ. ラ メ ー タQの. 時 定 数Tと. 振 動 数 に 関 し て 安 定 判 別 を行 っ た.こ 図12に. 示 す.本. お い て パ ラ メ ー タQの. 機 構部 の もつ固 有. の 結 果 を図12に. 時 定 数 をT=0と. 示 す.. した も の が フ. ル ク ロ ー ズ ド制 御 の 結 果 と な る.こ れ よ り機 構 部 の もつ 固 有 振 動 数 に よ っ て パ ラ メ ー タQの. 時 定 数Tを. 調 整す る ことで系. の 安 定 性 を改 善 で き る こ と が わ か る.. 示 す よ う な周 波 数 特 性 を も つ200点. の 移動 平均. フ ィ ル タ を 用 い た. 図13(a)は. 負 荷 軸 に 固 体 摩 擦 を 作 用 させ た 状 態 で の 位 置 決. め 制 御 結 果 で あ る.モ じて い るが,負. ー タ軸 は3パ. ル ス ほ どの 行 き 過 ぎ を生. 荷 は 目標 値 通 りの300パ. ル ス に位 置 決 め され. て い る.こ の 結 果 は フ ル ク ロ ー ズ ド制 御 に よ る位 置 決 め 結 果 で あ る 図9(a)の. 結 果 と ほ とん ど同 じで あ る.図13(b)は. ユニ バー. サ ル ジ ョ イ ン トを 一 定 角 度 だ け 曲 げ る こ と に よ りモ ー タ軸 と負 荷 軸 との 間 に非 線 形 な伝 達 特 性 を与 え た 状 態 で の位 置 決 め 制御 結 果 で あ る.こ. の 場 合 に は モ ー タ軸 は294パ. 止 し て い る が,負 れ て い る.こ. 荷 は 目標 値 通 りの300パ. ル ス の 位 置 に停 ル ス に位 置 決 め さ. の 結 果 は フ ル ク ロ ーズ ド制 御 の結 果 で あ る図10. (a)に 対 応 す る もの で あ り,負 荷 は 安 定 に 目標 とす る 位 置 に位 置 決 め され て い る こ とが わ か る.ま た 図13(b)は. 図10(b)に. 示. す セ ミ ク ロ ーズ ド制御 に よ る位 置 決 め 結 果 の 応 答 と よ く似 て い るが,負. 荷 に は 目標 値 と の 間 に 位 置 決 め 誤 差 が 生 じて い ない,. 本 研 究 で 提 案 す る 手 法 を用 い る こ と で,図13に. 示 す よ うに. フ ル ク ロ ー ズ ド制 御 にお い て 問 題 と な る不 安 定 性 の 解 消,セ ミ ク ロ ー ズ ド制御 に お い て は 負 荷 軸 に ス テ ップ状 の 外 乱 が加 わ っ た り,モ ー タ軸 と負 荷 軸 と の 間 に非 線 形 な 伝 達 特 性 を 持 つ 場 合 に 生 じ る 定 常 偏 差 の 問 題 を解 決 し,負 荷 の1パ. ル ス まで の 位. 置 決 め が 達 成 さ れ る と同 時 に セ ミ ク ロ ー ズ ド制 御 と 同 等 な 安 定 Fig.13. Experimental. results. of proposed. control. 性 を 保 っ て い る こ とが わ か る.. 精 密 工 学 会 誌Vol.66,No.9,20001465.

(6) 酒井 ・疋津 ・神谷 ・関:剛 性が不足 した機構部を含む系 の精 密位 置決め. ド制御 と同等 な安定性 を持 たせ られ ると同時 に,目標 位置 4.結. 言. まで の位 置決 めが 可能 となる.. セ ミ ク ロ ー ズ ド制 御 と フ ル ク ロ ー ズ ド制 御 と を融 合 す る こ と. 謝. に よ り,セ ミ ク ロ ー ズ ド制 御 と フ ル ク ロ ー ズ ド制 御 方 式 の もつ. 最後 に,本研究 の実験 お よび論 文の作 成 に協 力 された 金沢大. そ れ ぞ れ の 欠 点 を補 い 合 い,高 い 位 置 決 め 精 度 を得 る 手 法 を 提 案 し た 。そ し て剛 性 が 不 足 す る 機 構 部 を含 む 系 に対 して,負 荷. 学 工学部 野村 久 直氏 に感 謝 申 し上 げ ます.. 軸 に 固 体 摩 擦 を 作 用 させ た 場 合 と,モ ー タ軸 と負 荷 軸 との 間 に. 参. 非 線 形 な伝 達 特性 を もた せ た場 合 の 実 験 をお こ な い 本 研 究 で提 案 す る制 御 手 法 の 有 効 性 を確 認 した,得 られ た 結 果 は 次 の通 り,. 1). で あ る. (1)機. 構 部 の 剛性 が 不 足 す る 場 合 に 安 定 性 保 持 の た め 低 ゲ. イ ンで の 制 御 が余 儀 な く さ れ る フル ク ロ ー ズ ド制 御 で は 位 置 決 め 精 度 が 低 下 して し ま うが,本 研 究 で 提 案 す る制 御 手 法 で は セ ミク ロ ー ズ ド制 御 と同 等 な 安 定 性 と同 時 に負 荷 に取 り付 け た エ ン コ ー ダ の1パ. (2)機. 2) 3) 4) 5). ルス までの位置 決 めが可 6). 能 と な る, 構 部 に外 乱 力 が 作 用 す る場 合,負. 荷軸 の位 置決 め精. 7). 度 が 保 証 さ れ な い セ ミ ク ロ ー ズ ド制 御 に 対 し,提 案 す る 制 御 手 法 は,負 荷 軸 の位 置 決 め 精 度 を保 証 す る こ とが で き る. (3)モ. ー タ軸 と負 荷 軸 と の 問 に 未 知 の 非 線 形 な伝 達 特 性 を. もつ 系 に対 し て も提 案 す る 制 御 手 法 に よ り,セ ミ ク ロ ー ズ. 1466精. 密 工 学 会 誌Vol.66,No.9,2000. 辞. 8). 考. 文. 献. 武 居 直 行,仁 科 雅 弘,古 荘 純 次,川 田 誠 一:駆 動 系 に 弾 性 を 有 す る ロ ボ ッ トア ー ム の ロ バ ス トな 高 速 高 精 度 位 置 決 め 制 御,日 本 機 械 学 会 論 文 集(C編), 62, 602 (1996) 3858. 中 村 政 俊,後 藤 聡,久 良 修 郭:メ カ トロ サ ー ボ系 制 御,森. 北出. 版, (1998) 109. 加 来 靖 彦:サ ー ボ 技 術 の 現 状,機 械 設 計, 35, 8(1991) 30. 安 川 電 機 編:メ カ トロ ニ クス の た め の サ ー ボ技 術 入 門,日 刊 工 業 新 聞 社, (1986) 12. 藤 野 義 一,久 良 修 郭:モ ー シ ョ ン ・コ ン トロ ー ル,産 業 図 書, (1996) 95. 二見 茂:機 構 振 動 を 考 慮 した 位 置 制 御 系 のPIとI‑P速 度制 御 の 比 較,精 密 工 学 会 誌, 54, 8(1988) 1469. 水谷 隆,岡 本 清 和,張 玉 武,伊 賀 崎 史 朗:二 次 振 動 要 素 を含 む デ ィ ジ タ ル サ ー ボ系 の サ ン プ リ ン グ周 期 の 設 計(第1報),精 密 工 学 会 誌, 57, 5 (1991) 850. 岡 本 清 和,水 谷 隆,張 玉 武,伊 賀 崎 史 朗:二 次 振 動 要 素 を含 む デ ィ ジ タ ル サ ー ボ系 の サ ン プ リ ン グ周 期 の 設 計(第2報),精 密 工 学 会 誌, 57, 7(1991) 1217..

(7)

参照

関連したドキュメント

物語などを読む際には、「構造と内容の把握」、「精査・解釈」に関する指導事項の系統を

P‐ \ovalbox{\tt\small REJECT}根倍の不定性が生じてしまう.この他対数写像を用いた議論 (Step 1) でも 1のp‐ \ovalbox{\tt\small REJECT}根倍の不定性が

不変量 意味論 何らかの構造を保存する関手を与えること..

[r]

耐震性及び津波対策 作業性を確保するうえで必要な耐震機能を有するとともに,津波の遡上高さを

創業当時、日本では機械のオイル漏れを 防ぐために革製パッキンが使われていま

本判決が不合理だとした事実関係の︱つに原因となった暴行を裏づける診断書ないし患部写真の欠落がある︒この

むしろ会社経営に密接