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高経年化対策について

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Academic year: 2022

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(1)

添 付 資 料 - 2

福島第一原子力発電所3号機の

高経年化対策について

平成22年5月

東京電力株式会社

(2)

目 次

1 . は じ め に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1

2 . 平 成 1 8 年 に 実 施 し た 高 経 年 化 技 術 評 価 結 果

2 . 1 技 術 評 価 方 法 の 概 要 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 2 . 2 評 価 年 月 日 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8 2 . 3 技 術 評 価 結 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8 2 . 4 耐 震 安 全 性 評 価 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 7

3 . 今 後 の 高 経 年 化 対 策

3 . 1 長 期 保 守 管 理 方 針 の 策 定 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5 0 3 . 2 長 期 保 守 管 理 方 針 の 実 施 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5 2

4 . M O X 燃 料 採 用 に 伴 う 既 存 の 高 経 年 化 技 術 評 価 へ の 影 響 評 価 4 . 1 影 響 評 価 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5 3 4 . 2 影 響 評 価 結 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5 4 4 . 3 耐 震 安 全 性 評 価 結 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 4 4 . 4 長 期 保 守 管 理 方 針 の 変 更 の 有 無 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 5

5 . ま と め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 6

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1 . は じ め に

福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 3 号 炉 に つ い て は , 昭 和 51 年 3 月 27 日 に 営 業 運 転 を 開 始 し 34 年 を 経 過 し て い る 。

運 転 開 始 後 30 年 を 迎 え る に あ た り , 平 成 18 年 1 月 に プ ラ ン ト を 構 成 す る 系 統 ・ 構 築 物 ・ 機 器 に 対 し 経 年 劣 化 事 象 に 関 す る 技 術 評 価 を 実 施 す る と と も に , 高 経 年 化 の 観 点 か ら 現 状 の 保 全 活 動 を 充 実 す る 新 た な 保 全 策 を 抽 出 し ,そ れ を「 保 全 の た め に 実 施 す べ き 措 置 に 関 す る 10 年 間 の 計 画 」( 以 下 ,「 長 期 保 全 計 画 」 と い う 。) と し て と り ま と め た 。 そ の 結 果 ,現 状 の 保 全 の 継 続 及 び 点 検・検 査 の 充 実 等 に よ り ,今 後 ,

長 期 間 の 運 転 を 仮 定 し て も 技 術 的 に は 問 題 な い こ と を 確 認 し た 。 な お , 策 定 し た 長 期 保 全 計 画 は , 保 全 計 画 に 反 映 し 平 成 18 年 3 月

27 日 ( 運 転 開 始 後 30 年 ) 以 降 に 計 画 的 に 実 施 し て い る 。

一 方 ,国 は 平 成 15 年 9 月 ,平 成 17 年 12 月 に「 実 用 発 電 用 原 子 炉 の 設 置 , 運 転 等 に 関 す る 規 則 」( 以 下 ,「 実 用 炉 規 則 」 と い う 。) を 改 正 す る と と も に , 原 子 力 安 全 ・ 保 安 院 は 「 実 用 発 電 用 原 子 炉 施 設 に お け る 高 経 年 化 対 策 実 施 ガ イ ド ラ イ ン 」 及 び 「 実 用 発 電 用 原 子 炉 施 設 に お け る 高 経 年 化 対 策 標 準 審 査 要 領 ( 内 規 )」 等 ( 以 下 ,「 高 経 年 化 対 策 実 施 ガ イ ド ラ イ ン 等 」 と い う 。) を 発 出 し 原 子 炉 の 運 転 を 開 始 し た 日 以 降 29 年 を 経 過 す る 日 ま で に , ま た そ れ 以 降 10 年 を 超 え な い 期 間 毎 に , 耐 震 安 全 性 評 価 を 含 め た 経 年 劣 化 に 関 す る 技 術 的 な 評 価( 以 下 ,「 高 経 年 化 技 術 評 価 」と い う 。)を 行 い ,こ れ に 基 づ き 保 全 の た め に 実 施 す べ き 措 置 に 関 す る 10 年 間 の 計 画 を 策 定 す る こ と を 電 気 事 業 者 に 求 め た 。 ま た ,平 成 20 年 8 月 に 実 用 炉 規 則 が 改 正 さ れ ,高 経 年 化 対 策 を 通 常

の 保 全 の 中 に 位 置 づ け 一 本 化 す る こ と で , 原 子 力 発 電 所 の 運 転 当 初 か ら の 経 年 劣 化 管 理 を 義 務 づ け る と と も に , 長 期 保 全 計 画 を 新 た に 「 保 全 の た め に 実 施 す べ き 措 置 に 関 す る 10 年 間 の 方 針 」( 以 下 ,「 長 期 保 守 管 理 方 針 」 と い う 。) と し て 原 子 炉 施 設 保 安 規 定 ( 以 下 ,「 保 安 規 定 」 と い う 。) に 位 置 づ け 認 可 の 対 象 と し た 。

な お , 実 用 炉 規 則 の 改 正 に 伴 い , 原 子 力 安 全 ・ 保 安 院 は 「 高 経 年 化 対 策 実 施 ガ イ ド ラ イ ン 等 」 を 改 訂 し 平 成 20 年 10 月 に 発 出 し た 。

3 号 炉 に お い て は ,平 成 20 年 8 月 の 実 用 炉 規 則 の 改 正 に 従 い ,平 成 18 年 3 月 に 定 め た 長 期 保 全 計 画 を 長 期 保 守 管 理 方 針 と し て 保 安 規 定 に 添 付 し た う え で , 平 成 20 年 10 月 に 保 安 規 定 変 更 認 可 申 請 を 行 い 平 成 20 年 12 月 に 認 可 を 得 た 。

な お , 平 成 21 年 10 月 に 長 期 保 守 管 理 方 針 の 記 載 内 容 を 明 確 に す る 等 を 目 的 に 保 安 規 定 変 更 認 可 申 請 を 行 い 平 成 21 年 11 月 に 認 可 を 得 て

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い る 。

こ の た び , 3 号 炉 に お い て M O X 燃 料 を 採 用 す る に あ た り , 平 成 18 年 1 月 27 日 に 提 出 し ,平 成 18 年 3 月 13 日 に 一 部 変 更 し た「 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 3 号 機 高 経 年 化 技 術 評 価 等 報 告 書 」( 以 下 ,「 既 存 の 高 経 年 化 技 術 評 価 書 」と い う 。)の 技 術 評 価 結 果 お よ び 高 経 年 化 対 策 の 実 施 状 況 を あ ら た め て 確 認 す る と と も に , M O X 燃 料 採 用 に よ る 高 経 年 化 技 術 評 価 結 果 へ の 影 響 に つ い て 評 価 を 行 う も の で あ る 。

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2 . 平 成 1 8 年 に 実 施 し た 高 経 年 化 技 術 評 価 結 果

2 . 1 技 術 評 価 方 法 の 概 要

2 . 1 . 1 機 器 の グ ル ー プ 化 及 び 代 表 機 器 の 選 定

高 経 年 化 に 関 す る 技 術 評 価 を 実 施 す る に あ た っ て は , 原 子 力 発 電 所 を 構 成 す る 全 系 統 ・ 構 築 物 ・ 機 器 に つ い て , ポ ン プ , 熱 交 換 器 , モ ー タ 等 の 16 機 種 に 分 類 し ,機 種 毎 に 以 下 の 手 順 に よ り 評 価 を 実 施 し た 。

選 定 さ れ た 評 価 対 象 機 器 は 数 千 機 器 に も 及 ぶ こ と か ら , 合 理 的 に 評 価 す る た め , 構 造 ( 型 式 等 ), 使 用 環 境 ( 内 部 流 体 等 ), 材 料 等 に よ り グ ル ー プ 化 し , グ ル ー プ 毎 に 重 要 度 , 使 用 条 件 , 運 転 状 態 等 を 考 慮 し て 評 価 モ デ ル と し て の 代 表 機 器 ( 以 下 ,「 代 表 機 器 」) を 選 定 し , 代 表 機 器 で 評 価 し た 結 果 を グ ル ー プ 内 の 全 機 器 に 水 平 展 開 す る と い う 手 法 で 全 て の 機 器 に つ い て 評 価 を 実 施 し た 。

代 表 機 器 の 評 価 結 果 を そ の ま ま 水 平 展 開 で き な い 経 年 劣 化 事 象 に つ い て は 別 途 評 価 を 実 施 し た 。

具 体 的 な グ ル ー プ 化 , 代 表 機 器 の 選 定 例 を 表 2 - 1 に 示 す 。

表 2 - 1 グ ル ー プ 化 及 び 代 表 機 器 の 選 定 例

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2 . 1 . 2 評 価 対 象 と す る 経 年 劣 化 事 象 の 抽 出

高 経 年 化 技 術 評 価 の 対 象 と す る 経 年 劣 化 事 象 の 抽 出 に あ た っ て は , 現 在 ま で の 国 内 外 の 運 転 経 験 や 研 究 , 保 安 院 指 示 文 書 等 に よ っ て 新 た に 得 ら れ た 知 見 を も と に , 安 全 機 能 を 有 す る 機 器 ・ 構 築 物 に 発 生 し て い る か , 又 は 発 生 す る 可 能 性 の あ る す べ て の 経 年 劣 化 事 象 を 以 下 の 3 段 階 の 手 順 で 実 施 し た 。

① 第 一 段 階

工 業 用 材 料 で 想 定 さ れ る 経 年 劣 化 事 象 の う ち , 原 子 炉 施 設 が 置 か れ て い る 環 境 を 考 慮 し , 想 定 さ れ る 経 年 劣 化 事 象 ( 疲 労 , 中 性 子 照 射 脆 化 , 応 力 腐 食 割 れ , 絶 縁 低 下 等 ) を 抽 出 す る 。

② 第 二 段 階

原 子 力 プ ラ ン ト で 想 定 さ れ る 経 年 劣 化 事 象 に つ い て , 国 内 外 の 過 去 数 十 年 の 運 転 実 績 , 材 料 デ ー タ 等 を 考 慮 し て も 発 生 が 想 定 さ れ な い 経 年 劣 化 事 象 は 対 象 外 と す る 。

③ 第 三 段 階

各 機 器 個 別 の 条 件 を 踏 ま え , 機 器 に 要 求 さ れ る 機 能 に 対 し て そ の 機 能 維 持 に 関 連 す る 主 要 な す べ て の 部 位 に 展 開 し た 上 で , 考 慮 す べ き 部 位 ・ 経 年 劣 化 事 象 を 抽 出 す る 。 抽 出 の 際 に は , プ ラ ン ト の 形 式 , 年 代 , 立 地 地 域 , 加 工 法 や 施 工 法 に よ る 特 異 性 な ど に 配 慮 す る 。

な お , 明 ら か な 設 計 ・ 施 工 の 不 良 に 起 因 す る と 認 め ら れ る 経 年 劣 化 事 象 に つ い て は 対 象 か ら 除 外 す る 。ま た ,消 耗 品 ,定 期 取 替 品 に つ い て も 対 象 か ら 除 外 す る 。

上 記 の 手 順 に 基 づ き 抽 出 さ れ た 経 年 劣 化 事 象 は , 各 機 器 の 構 成 部 位 毎 に マ ト リ ッ ク ス に 整 理 さ れ る が , そ の 例 を 図 2 - 1 に 示 す 。

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図 2 - 1 評 価 対 象 と す る 経 年 劣 化 事 象 の 抽 出 例

熱交換器

原子炉補機冷却水系熱交換器に想定される経年劣化事象

各機器について評価

劣化 熱時効 応力

腐食 割れ 疲労 腐食 割れ

摩耗 その他

材料変化 割れ

減肉

基礎ボル 炭素鋼

ガスケット

炭素鋼

銅合金

管板

炭素鋼

水室

銅合金 伝熱管

備考 経年劣化事象

材料

構成部品

劣化 熱時効 応力

腐食 割れ 疲労 腐食 割れ

摩耗 その他

材料変化 割れ

減肉

基礎ボル 炭素鋼

ガスケット

炭素鋼

銅合金

管板

炭素鋼

水室

銅合金 伝熱管

備考 経年劣化事象

材料

構成部品

想定される経年劣 化事象

○:高経年化対策上着目すべき経年劣化事象

△:高経年化対策上着目すべき経年劣化事象でない事象 ポンプ

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2 . 1 . 3 経 年 劣 化 事 象 に 対 す る 技 術 評 価

2 . 1 . 1 で 選 定 さ れ た 代 表 機 器 に つ い て 技 術 評 価 を 下 記 の 健 全 性 評 価 ,現 状 保 全 ,総 合 評 価 ,高 経 年 化 へ の 対 応 の 手 順 で 実 施 し た 。

具 体 的 な 評 価 例 を 図 2 - 2 に 示 す 。

a . 健 全 性 評 価

代 表 機 器 の 主 要 部 位 と 考 慮 す べ き 経 年 劣 化 事 象 の 組 合 せ 毎 に ,そ の 機 器 を 60 年 間 使 用 す る こ と を 仮 定 し た 場 合 の 技 術 評 価 を 実 施 す る 。

健 全 性 評 価 は , 機 器 の 健 全 性 を 解 析 等 の 定 量 的 評 価 , 過 去 の 点 検 実 績 ,一 般 産 業 で 得 ら れ て い る 知 見 等 を 用 い て 評 価 す る 。 b . 現 状 保 全

評 価 対 象 部 位 に 実 施 し て い る 現 状 保 全 ( 点 検 内 容 , 関 連 す る 機 能 試 験 内 容 , 補 修 ・ 取 替 等 ) に つ い て 整 理 す る 。

c . 総 合 評 価

上 記 a ,b の 状 況 か ら ,そ の 機 器 を 60 年 間 使 用 す る こ と を 仮 定 し た 場 合 の , 現 状 保 全 の 妥 当 性 に つ い て 評 価 す る 。 d . 高 経 年 化 へ の 対 応

60 年 間 の 運 転 を 考 慮 し た 場 合 ,現 状 保 全 の 内 容 に 対 し て 強 化 ・ 充 実 す べ き 項 目 , 技 術 開 発 課 題 等 を 抽 出 す る 。

図 2 - 2 経 年 劣 化 事 象 に 対 す る 技 術 評 価 の 具 体 例

○高経年化対策上着目すべき経年劣化事象:伝熱管・胴等の応力腐食割れ(SCC)

(1)健全性評価結果

・伝熱管については,第10回定検で耐SCC性に優れたSUS316Lに取替を実施し,

溶接部はシール溶接であるため,SCC発生の可能性は小さい

・管板,水室,胴については,SCC発生の可能性は否定できない

(2)現状保全

・水室開放点検,伝熱管の点検,管板及び 水室と管板の溶接部の浸透探傷検査(PT) を実施し,健全性を確認

・定期的な排ガス系統の漏えい確認で健全 性を確認

(3)総合評価

・伝熱管については現状保全は適切と判断

・胴,管板,水室についてはSCCが発生す る可能性が否定できないため,探傷可能な 範囲の溶接部について超音波探傷検査 (UT)を実施

→長期保守管理方針にて実施

追加保全策の例

(OG予熱器溶接部のUT)

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以 上 , 技 術 評 価 フ ロ ー の 概 要 を 図 2 - 3 に 示 す 。

図 2 - 3 高 経 年 化 技 術 評 価 フ ロ ー の 概 要

長期保全計画の策定 長期保全計画の策定

(高経年化に対応するための保全)

技術開発課題の抽出 原子力発電所の設備

経年劣化の技術評価 現状保全の評価

評価対象機器の選定 材料 環境 応力

想定すべき経年劣化事象の抽出

経年変化事象の体系的抽出

● 学術図書

● 過去の不具合事例

● 最近の知見

経年劣化事象の体系的抽出

● 学術図書

● 過去の不具合事例

● 最近の知見

経年変化事象の体系的抽出

● 学術図書

● 過去の不具合事例

● 最近の知見

経年劣化事象の体系的抽出

● 学術図書

● 過去の不具合事例

● 最近の知見

・構造(型式,設置方 法)・材質・使用環 境等でグループ化

・代表機器を選定

ポンプ,熱交換器,

モータ,容器,配管,

弁,炉内構造物,電 気設備,等

PLM上考慮すべき機器 の部位と経年劣化事象 を抽出

・経年劣化事象の影 響評価

・現状の保全内容の 妥当性評価

使 用 条 件

長期保守管理方針の策定

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2 . 2 評 価 年 月 日

平 成 1 8 年 1 月 2 7 日

2 . 3 技 術 評 価 結 果

本 章 に お い て は , 各 機 器 に お け る 技 術 評 価 結 果 に つ い て ま と め た 。

2 . 3 . 1 ポ ン プ 2 . 3 . 2 熱 交 換 器 2 . 3 . 3 ポ ン プ モ ー タ 2 . 3 . 4 容 器

2 . 3 . 5 配 管 2 . 3 . 6 弁

2 . 3 . 7 炉 内 構 造 物 2 . 3 . 8 ケ ー ブ ル

2 . 3 . 9 送 受 電 設 備 ・ 発 電 設 備 2 . 3 . 1 0 タ ー ビ ン 設 備

2 . 3 . 1 1 コ ン ク リ ー ト 及 び 鉄 骨 構 造 物 2 . 3 . 1 2 計 測 制 御 設 備

2 . 3 . 1 3 空 調 設 備 2 . 3 . 1 4 機 械 設 備 2 . 3 . 1 5 電 源 設 備 2 . 3 . 1 6 そ の 他 設 備

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2 . 3 . 1 ポ ン プ

各 部 位 に 対 す る 考 慮 す べ き 経 年 劣 化 事 象 を 抽 出 し ,経 年 劣 化 事 象 毎 に ま と め た も の を 以 下 に 示 す 。

a . 疲 労 割 れ

・ 主 軸 , ケ ー シ ン グ 等 の 疲 労 割 れ b . 減 肉 ・ 腐 食

・ ケ ー シ ン グ , バ ー レ ル 等 の 腐 食 (全 面 腐 食 )

・ 主 軸 , ケ ー シ ン グ 等 の 腐 食 (孔 食 ・ 隙 間 腐 食 )

こ れ ら の 経 年 劣 化 事 象 に つ い て 評 価 し た 結 果 ,高 経 年 化 へ の 対 応 が 必 要 な 項 目( 現 状 保 全 を 継 続 す る べ き 項 目 及 び 現 状 保 全 に 新 た に 加 え る べ き 項 目 ) を 以 下 に 抽 出 し た 。

[a . 疲 労 割 れ ]

・ 原 子 炉 再 循 環 系 ポ ン プ 主 軸 の 熱 疲 労 割 れ に つ い て は 対 策 を 施 し た 構 造 へ 変 更 し て い る こ と か ら 発 生 す る 可 能 性 は 小 さ い 。現 状 , 目 視 点 検 , 浸 透 探 傷 検 査 を 実 施 し て い る 。 熱 疲 労 割 れ は 目 視 点 検 , 浸 透 探 傷 検 査 で 検 知 可 能 で あ り , 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

・ 原 子 炉 冷 却 材 再 循 環 系 ポ ン プ の ケ ー シ ン グ の 疲 労 割 れ に つ い て は 環 境 を 考 慮 し た 疲 労 評 価 を 実 施 し た 結 果 , 当 該 部 の 疲 れ 累 積 係 数 は 許 容 値 以 下 で あ り , 健 全 性 が 確 保 さ れ て い る こ と を 確 認 し た 。 た だ し , 疲 労 評 価 は 実 過 渡 回 数 に 依 存 す る た め , 定 期 的 に 実 過 渡 回 数 の 確 認 に よ る 評 価 を 実 施 し て い く 。

[b .減 肉 ・ 腐 食 ]

・ 低 圧 給 水 加 熱 器 ド レ ン ポ ン プ の ケ ー シ ン グ , バ ー レ ル 等 は , 内 部 流 体 が 純 水 で あ る こ と か ら ,腐 食 (全 面 腐 食 ) 発 生 の 可 能 性 が あ る が , 目 視 に よ り 腐 食 の 有 無 を 確 認 し , 必 要 に 応 じ 補 修 等 を 実 施 す る こ と と し て い る 。 腐 食 は 目 視 点 検 で 検 知 可 能 で あ り , 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

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・ 残 留 熱 除 去 系 海 水 ポ ン プ 主 軸 等 , 海 水 と 接 液 す る 部 位 に つ い て は , 腐 食 (孔 食 ・ 隙 間 腐 食 )発 生 の 可 能 性 は あ る が , 現 状 , 目 視 に よ り 腐 食 の 有 無 を 確 認 し ,必 要 に 応 じ 補 修 等 を 実 施 し て い る 。 腐 食 は 目 視 点 検 で 検 知 可 能 で あ り , 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

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2 . 3 . 2 熱 交 換 器

各 部 位 に 対 す る 考 慮 す べ き 経 年 劣 化 事 象 を 抽 出 し ,経 年 劣 化 事 象 毎 に ま と め た も の を 以 下 に 示 す 。

a . 応 力 腐 食 割 れ

・ 伝 熱 管 , 胴 等 の 応 力 腐 食 割 れ b . 疲 労 割 れ

・ 伝 熱 管 の 高 サ イ ク ル 疲 労 割 れ 及 び 摩 耗 c . 減 肉 ・ 腐 食

・ 水 室 , 胴 等 の 腐 食 (全 面 腐 食 )

・ 伝 熱 管 , 胴 等 の 腐 食 (エ ロ ー ジ ョ ン ・ コ ロ ー ジ ョ ン )

・ 復 水 器 伝 熱 管 外 面 の 腐 食 (ド ロ ッ プ レ ッ ト エ ロ ー ジ ョ ン )

こ れ ら の 経 年 劣 化 事 象 に つ い て 評 価 し た 結 果 ,高 経 年 化 へ の 対 応 が 必 要 な 項 目 ( 現 状 保 全 を 継 続 す る べ き 項 目 及 び 現 状 保 全 に 新 た に 加 え る べ き 項 目 ) を 以 下 に 抽 出 し た 。

[a . 応 力 腐 食 割 れ ]

・ 原 子 炉 冷 却 材 浄 化 系 非 再 生 熱 交 換 器 の 水 室 等 は ス テ ン レ ス 鋼 で 高 温 の 流 体 ( 純 水 ) に 接 液 す る た め , 応 力 腐 食 割 れ 発 生 の 可 能 性 は 否 定 で き な い 。し か し ,実 際 の 使 用 温 度 は 約 110℃ で あ り , 平 成 8 年 度 よ り 水 素 注 入 を 行 い , 溶 存 酸 素 濃 度 を 低 減 し 応 力 腐 食 割 れ に 対 し て 環 境 面 か ら の 改 善 を 図 っ て い る こ と か ら , 応 力 腐 食 割 れ の 発 生 の 可 能 性 は 小 さ い と 判 断 す る 。 今 後 も 漏 え い 確 認 と 水 室 ・ ダ イ ヤ フ ラ ム 溶 接 部 の 浸 透 探 傷 検 査 に よ り , 健 全 性 を 確 認 し て い く 。

・ 気 体 廃 棄 物 処 理 系 排 ガ ス 予 熱 器 及 び 気 体 廃 棄 物 処 理 系 排 ガ ス 復 水 器 胴 等 の 応 力 腐 食 割 れ の 発 生 す る 可 能 性 は 否 定 で き な い 。 現 状 , 漏 え い 検 査 を 実 施 し て い る が 今 後 , 探 傷 可 能 な 溶 接 部 に つ い て 超 音 波 探 傷 検 査 を 実 施 し 健 全 性 を 確 認 す る 。

[b . 疲 労 割 れ ]

・ 給 水 加 熱 器 伝 熱 管 は 管 穴 拡 大 等 の 減 肉 が 生 じ た 場 合 , 高 サ イ ク ル 疲 労 割 れ や 摩 耗 が 発 生 す る 可 能 性 が 否 定 で き な い が , 減 肉 は 渦 流 探 傷 検 査 で 検 知 可 能 で あ る 。 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し 必 要 に 応 じ て 施 栓 を 実 施 し て い く 。

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[c . 減 肉 ・ 腐 食 ]

・ 原 子 炉 補 機 冷 却 系 熱 交 換 器 水 室 等 の 腐 食 (全 面 腐 食 )に つ い て は , 海 水 接 液 部 に ラ イ ニ ン グ を 施 工 し て お り , ラ イ ニ ン グ の は く 離 等 が 生 じ た 場 合 に 発 生 す る 可 能 性 が 否 定 で き な い 。 現 状 , ラ イ ニ ン グ の 目 視 点 検 を 実 施 し 必 要 に 応 じ 補 修 を 実 施 し て い る 。 ラ イ ニ ン グ の は く 離 等 は 目 視 点 検 で 検 知 可 能 で あ り , 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

・原 子 炉 補 機 冷 却 系 熱 交 換 器 等 伝 熱 管 の 腐 食( エ ロ ー ジ ョ ン・コ ロ ー ジ ョ ン )に つ い て は ,海 生 物 付 着 に よ る 腐 食 が 発 生 す る 可 能 性 は 否 定 で き な い 。現 状 ,渦 流 探 傷 検 査 を 実 施 し 必 要 に 応 じ 施 栓 等 を 実 施 し て い る 。伝 熱 管 の 腐 食 は 渦 流 探 傷 検 査 で 検 知 可 能 で あ り , 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

・ 原 子 炉 冷 却 材 浄 化 系 再 生 熱 交 換 器 の 水 室 及 び 胴 は 炭 素 鋼 の た め 腐 食 (全 面 腐 食 )す る 可 能 性 が あ る が , 第 13 回 定 期 検 査 時 ( 平 成 5 年 度 )に 新 し い 熱 交 換 器 に 取 替 を 行 っ て お り ,点 検 時 の 漏 え い 確 認 に よ り 健 全 性 の 確 認 は 可 能 で あ る 。し か し ,念 の た め 水 室 及 び 胴 の 代 表 部 位 の 点 検 を 計 画 す る 。

・グ ラ ン ド 蒸 気 蒸 化 器 の ド レ ン タ ン ク は 腐 食 (全 面 腐 食 )が 発 生 す る 可 能 性 が あ る が 第 14 回 定 期 検 査 ( 平 成 6 年 度 ) に 取 替 を 行 っ て い る た め 点 検 時 の 漏 え い 確 認 に よ り 健 全 性 の 確 認 は 可 能 で あ る 。 し か し 念 の た め 代 表 部 位 の 肉 厚 測 定 を 計 画 す る 。

・グ ラ ン ド 蒸 気 復 水 器 の 胴 及 び 内 部 構 造 物 は 腐 食 (全 面 腐 食 )が 発 生 す る 可 能 性 が あ る 。現 状 ,運 転 圧 に よ る 漏 え い 確 認 を 実 施 し て い る が , 肉 厚 測 定 を 計 画 し 健 全 性 を 確 認 す る 。

・復 水 器 伝 熱 管 外 表 面 の 腐 食( ド ロ ッ プ レ ッ ト エ ロ ー ジ ョ ン )に つ い て は ,発 生 が 否 定 で き な い が ,現 状 ,復 水 器 伝 熱 管 の 腐 食 に 関 し て は ,渦 流 探 傷 検 査 及 び 外 観 目 視 点 検 を 実 施 し ,必 要 に 応 じ 施 栓 を 実 施 し て い る 。伝 熱 管 の 腐 食 は 渦 流 探 傷 検 査 ,外 観 目 視 点 検 で 検 知 可 能 で あ り , 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

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2 . 3 . 3 ポ ン プ モ ー タ

各 部 位 に 対 す る 考 慮 す べ き 経 年 劣 化 事 象 を 抽 出 し , 経 年 劣 化 事 象 毎 に ま と め た も の を 以 下 に 示 す 。

a . 疲 労 割 れ

・ 回 転 子 棒 , 回 転 子 エ ン ド リ ン グ の 疲 労 割 れ b . 絶 縁 特 性 低 下

・ 固 定 子 コ イ ル , 口 出 線 ・ 接 続 部 品 等 の 絶 縁 特 性 低 下

こ れ ら の 経 年 劣 化 事 象 に つ い て 評 価 し た 結 果 , 高 経 年 化 へ の 対 応 が 必 要 な 項 目 ( 現 状 保 全 を 継 続 す る べ き 項 目 及 び 現 状 保 全 に 新 た に 加 え る べ き 項 目 ) を 以 下 に 抽 出 し た 。

[a . 疲 労 割 れ ]

・ 残 留 熱 除 去 系 ポ ン プ モ ー タ 等 の 回 転 子 棒 , 回 転 子 エ ン ド リ ン グ の 疲 労 割 れ に つ い て は , 回 転 子 棒 , 回 転 子 エ ン ド リ ン グ の 曲 げ 応 力 評 価 結 果 よ り , 回 転 子 棒 に 緩 み が な け れ ば 疲 労 割 れ が 発 生 す る 可 能 性 は 低 い 。 現 状 , 打 診 に よ り 回 転 子 棒 に 緩 み が な い こ と を 確 認 し て お り , 回 転 子 棒 の 緩 み は 確 認 可 能 で あ る 。 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し , 必 要 に 応 じ て 適 切 な 対 応 を と る 。

[b . 絶 縁 特 性 低 下 ]

・ 残 留 熱 除 去 系 ポ ン プ モ ー タ 等 の 固 定 子 コ イ ル 及 び 口 出 線 ・ 接 続 部 品 の 絶 縁 特 性 低 下 に つ い て は , 高 圧 モ ー タ は 長 期 健 全 性 試 験 結 果 及 び 点 検 時 に 実 施 す る 絶 縁 診 断 試 験 結 果 よ り , 低 圧 モ ー タ は 運 転 時 間 に よ る 絶 縁 破 壊 電 圧 低 下 確 認 結 果 に 基 づ い た 取 替 運 用 よ り , 急 激 に 絶 縁 特 性 低 下 す る 可 能 性 は 低 い 。 現 状 , 絶 縁 抵 抗 測 定 , 絶 縁 診 断 試 験 等 を 実 施 し て お り , 絶 縁 特 性 低 下 の 把 握 は 可 能 で あ る 。 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し , 必 要 に 応 じ て 適 切 な 対 応 を と る 。

(16)

-14-

2 . 3 . 4 容 器

各 部 位 に 対 す る 考 慮 す べ き 経 年 劣 化 事 象 を 抽 出 し , 経 年 劣 化 事 象 毎 に ま と め た も の を 以 下 に 示 す 。

a . 照 射 脆 化

・ 原 子 炉 圧 力 容 器 胴 の 中 性 子 照 射 脆 化 b . 応 力 腐 食 割 れ

・ ノ ズ ル , 胴 等 の 粒 界 型 応 力 腐 食 割 れ c . 疲 労 割 れ

・ ノ ズ ル , ベ ロ ー ズ 等 の 疲 労 割 れ d . 減 肉 ・ 腐 食

・ 胴 , 鏡 板 等 の 腐 食 (全 面 腐 食 )

・ 胴 , 鏡 板 等 の 腐 食 (エ ロ ー ジ ョ ン ・ コ ロ ー ジ ョ ン ) e . 絶 縁 特 性 低 下

・ 電 気 ペ ネ ト レ ー シ ョ ン シ ー ル 材 等 の 絶 縁 特 性 低 下 f . そ の 他

・ 使 用 済 燃 料 設 備 貯 蔵 プ ー ル の ボ ロ ン の 中 性 子 吸 収 能 力 の 低 下 ・ 電 気 ペ ネ ト レ ー シ ョ ン シ ー ル 材 劣 化 に よ る 気 密 性 低 下

こ れ ら の 経 年 劣 化 事 象 に つ い て 評 価 し た 結 果 , 高 経 年 化 へ の 対 応 が 必 要 な 項 目 ( 現 状 保 全 を 継 続 す る べ き 項 目 及 び 現 状 保 全 に 新 た に 加 え る べ き 項 目 ) を 以 下 に 抽 出 し た 。

[a . 照 射 脆 化 ]

・原 子 炉 圧 力 容 器 胴( 炉 心 領 域 部 )の 中 性 子 照 射 脆 化 に つ い て は , 運 転 開 始 後 60 年 時 点 の 累 積 中 性 子 照 射 量 を 考 慮 し た 最 低 使 用 温 度 及 び 上 部 棚 吸 収 エ ネ ル ギ ー の 評 価 を 行 い ,運 転 管 理 上 問 題 に な ら な い こ と を 確 認 し た 。現 状 ,超 音 波 探 傷 検 査 等 を 実 施 し ,有 意 な 欠 陥 の な い こ と を 確 認 し て い る 。

胴( 炉 心 領 域 部 )の 中 性 子 照 射 脆 化 は 監 視 試 験 に よ る 破 壊 靱 性 値 の 変 化 を 把 握 す る な ど ,監 視 試 験 及 び 中 性 子 照 射 脆 化 予 測 式 に よ り 把 握 可 能 で あ る こ と ,ま た 有 意 な 欠 陥 の な い こ と も 超 音 波 探 傷 検 査 で 確 認 し て い る 等 か ら , 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。 な お ,信 頼 性 向 上 の 観 点 で ,使 用 済 試 験 片 の 再 生 技 術 や ,新 し い 脆 化 予 測 式 の 開 発 の 成 果 等 が 有 効 で あ る こ と か ら ,事 業 者 と し て も そ れ ら の 開 発 に 取 り 組 む と 共 に 国 や 民 間 の 技 術 開 発 動 向 を 見 極 め つ つ ,規 格 基 準 化 に 積 極 的 に 参 画 し ,実 機 へ の 早 期 適 用 を 検 討 し て い く 。な お ,再 生 試 験 片 技 術 が 確 立 さ れ た 場 合 に は ,例 え ば 約 40 年 目 ( 32EFPY) 以 前 の 早 期 に 再 生 試 験 片 に よ る 確 認 を 実 施 す る 等 , 予 測 式 の 適 切 な 補 完 を 検 討 す る 。

(17)

-15-

[b . 応 力 腐 食 割 れ ]

・ 原 子 炉 圧 力 容 器 の ノ ズ ル , ノ ズ ル セ ー フ エ ン ド 等 の 粒 界 型 応 力 腐 食 割 れ に つ い て は 発 生 の 可 能 性 を 否 定 す る こ と は 出 来 な い 。 現 状 ノ ズ ル セ ー フ エ ン ド に つ い て は 超 音 波 探 傷 検 査 等 , 制 御 棒 駆 動 ハ ウ ジ ン グ 等 に つ い て は 漏 え い 検 査 , ブ ラ ケ ッ ト に つ い て は 目 視 点 検 を 実 施 す る と と も に 水 素 注 入 を 実 施 し 環 境 改 善 を 図 っ て い る 。 今 後 も 発 電 用 原 子 力 設 備 規 格 維 持 規 格 ( 日 本 機 械 学 会 ) 等 に 基 づ く 計 画 的 な 点 検 を 実 施 す る と と も に , こ れ ら の 点 検 結 果 及 び 国 に よ る プ ロ ジ ェ ク ト や 電 力 共 同 研 究 等 の 研 究 で 粒 界 型 応 力 腐 食 割 れ 発 生 に 関 す る 新 し い 知 見 , あ る い は 現 在 得 ら れ て い る き 裂 進 展 デ ー タ と 異 な っ た 知 見 等 が 得 ら れ た 場 合 に は 追 加 点 検 や 点 検 周 期 の 見 直 し 等 を 実 施 す る 。

・ 気 体 廃 棄 物 処 理 系 排 ガ ス 再 結 合 器 の 胴 等 は 運 転 温 度 が 高 い た め 応 力 腐 食 割 れ の 発 生 す る 可 能 性 は 否 定 で き な い 。 現 状 , 目 視 確 認 を 実 施 し て い る が 溶 接 部 に つ い て 今 後 , 超 音 波 探 傷 検 査 を 実 施 し 健 全 性 を 確 認 し て い く 。

[c . 疲 労 割 れ ]

・ 原 子 炉 圧 力 容 器 ノ ズ ル 等 の 疲 労 割 れ に つ い て は 環 境 を 考 慮 し た 疲 労 評 価 を 実 施 し た 結 果 , 当 該 部 の 疲 れ 累 積 係 数 は 許 容 値 以 下 で あ り , 健 全 性 が 確 保 さ れ て い る こ と を 確 認 し た 。 た だ し , 疲 労 評 価 は 実 過 渡 回 数 に 依 存 す る た め , 定 期 的 に 実 過 渡 回 数 の 確 認 に よ る 評 価 を 実 施 し て い く 。

・ 配 管 貫 通 部 ベ ロ ー ズ に つ い て は , プ ラ ン ト 起 動 ・ 停 止 等 運 転 状 態 の 変 化 に 伴 う 配 管 熱 移 動 に よ り , 疲 労 が 蓄 積 さ れ る 可 能 性 が あ る が 疲 労 評 価 を 実 施 し , 疲 れ 累 積 係 数 は 許 容 値 以 下 で あ り , 健 全 性 が 確 保 さ れ て い る こ と を 確 認 し た 。 た だ し , 疲 労 評 価 は 実 過 渡 回 数 に 依 存 す る た め , 定 期 的 に 実 過 渡 回 数 の 確 認 に よ る 評 価 を 実 施 し て い く 。

(18)

-16-

[d . 減 肉 ・ 腐 食 ]

・ 原 子 炉 格 納 容 器 の ド ラ イ ウ ェ ル 等 は 防 食 塗 装 が 施 し て あ る が , 塗 膜 が 損 な わ れ た 場 合 は 腐 食 ( 全 面 腐 食 ) が 発 生 す る 可 能 性 が あ る 。 現 状 全 体 漏 え い 率 検 査 等 を 実 施 し て い る 。 今 後 は 計 画 的 に 原 子 炉 格 納 容 器 の 代 表 部 位 及 び サ ン ド ク ッ シ ョ ン 部 ( 鋼 板 ) の 肉 厚 測 定 を 実 施 し 健 全 性 を 確 認 し て い く 。

・ 原 子 炉 格 納 容 器 の ド ラ イ ウ ェ ル ス プ レ イ ヘ ッ ダ 等 の 腐 食 ( 全 面 腐 食 ) に 対 し て は ド ラ イ ウ ェ ル ス プ レ イ ヘ ッ ダ , サ プ レ ッ シ ョ ン チ ェ ン バ ス プ レ イ ヘ ッ ダ の 外 面 , ベ ン ト 管 , ベ ン ト ヘ ッ ダ の 内 外 面 は 防 食 塗 装 を 実 施 し て お り , 現 状 目 視 検 査 で 有 意 な 腐 食 の な い こ と を 確 認 し ,必 要 に 応 じ 補 修 及 び 再 塗 装 を 行 っ て い る 。 ド ラ イ ウ ェ ル ス プ レ イ ヘ ッ ダ 外 面 等 の 腐 食 は 目 視 で 検 知 可 能 で あ り 現 状 保 全 を 継 続 し て い く が , ド ラ イ ウ ェ ル ス プ レ イ ヘ ッ ダ 及 び サ プ レ ッ シ ョ ン チ ェ ン バ 内 面 に つ い て は 今 後 目 視 点 検 を 実 施 す る 。

・ 湿 分 分 離 器 は 胴 , 鏡 板 等 は 炭 素 鋼 で あ り 腐 食 ( エ ロ ー ジ ョ ン ・ コ ロ ー ジ ョ ン ) が 否 定 で き な い 。 現 状 , 胴 , 鏡 板 等 は 開 放 点 検 時 に 肉 厚 測 定 を 実 施 し て い る 。 腐 食 は 肉 厚 測 定 で 検 知 可 能 で あ り 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

[e . 絶 縁 特 性 低 下 ]

・ 電 気 ペ ネ ト レ ー シ ョ ン の 絶 縁 特 性 低 下 に つ い て は , キ ャ ニ ス タ 型 は シ ー ル 材 料 が モ ジ ュ ー ル 型 と ほ ぼ 同 一 で あ る こ と か ら , モ ジ ュ ー ル 型 と 同 等 の 絶 縁 性 能 が あ る と 評 価 で き , モ ジ ュ ー ル 型 は 40 年 間 の 長 期 健 全 性 試 験 結 果 よ り ,急 激 に 絶 縁 特 性 低 下 す る 可 能 性 は 低 い 。 現 状 , 絶 縁 抵 抗 測 定 等 を 実 施 し て お り , 絶 縁 特 性 低 下 の 把 握 は 可 能 で あ る 。 今 後 , キ ャ ニ ス タ 型 は モ ジ ュ ー ル 型 と 同 様 な 長 期 健 全 性 試 験 を 実 施 し , こ の 結 果 に 基 づ き 取 替 等 を 実 施 し て い く 。モ ジ ュ ー ル 型 は 60 年 間 を 想 定 し た 長 期 健 全 性 試 験 を 実 施 し , こ の 結 果 に 基 づ い た 対 応 を と る 。

(19)

-17-

[f . そ の 他 ]

・ 使 用 済 燃 料 設 備 貯 蔵 プ ー ル の ボ ロ ン の 中 性 子 吸 収 能 力 の 低 下 に つ い て は , ボ ロ ン の 劣 化 量 は 十 分 小 さ く ( 40 年 間 使 用 で 10- 5未 満 ) 核 的 な 減 損 は 無 視 で き る 程 度 で あ り 未 臨 界 性 は 確 保 さ れ る も の と 考 え る 。

・ 電 気 ペ ネ ト レ ー シ ョ ン の 気 密 性 低 下 に つ い て は , キ ャ ニ ス タ 型 は シ ー ル 材 料 が モ ジ ュ ー ル 型 と ほ ぼ 同 一 で あ る こ と か ら , モ ジ ュ ー ル 型 と 同 等 の 気 密 性 能 が あ る と 評 価 で き , モ ジ ュ ー ル 型 は 40 年 間 の 長 期 健 全 性 試 験 結 果 よ り , 急 激 に 気 密 性 低 下 す る 可 能 性 は 低 い 。現 状 ,原 子 炉 格 納 容 器 漏 え い 率 検 査 を 実 施 し て お り , 気 密 性 低 下 の 把 握 は 可 能 で あ る 。 今 後 , キ ャ ニ ス タ 型 は モ ジ ュ ー ル 型 と 同 様 な 長 期 健 全 性 試 験 を 実 施 し , こ の 結 果 に 基 づ き 取 替 等 を 実 施 し て い く 。モ ジ ュ ー ル 型 は 60 年 間 を 想 定 し た 長 期 健 全 性 試 験 を 実 施 し , こ の 結 果 に 基 づ い た 対 応 を と る 。

(20)

-18-

2 . 3 . 5 配 管

各 部 位 に 対 す る 考 慮 す べ き 経 年 劣 化 事 象 を 抽 出 し , 経 年 劣 化 事 象 毎 に ま と め た も の を 以 下 に 示 す 。

a . 応 力 腐 食 割 れ

・ 配 管 等 の 粒 界 型 応 力 腐 食 割 れ

・ 配 管 等 の 貫 粒 型 応 力 腐 食 割 れ b . 疲 労 割 れ

・ 配 管 等 の 疲 労 割 れ c . 減 肉 ・ 腐 食

・ ラ イ ニ ン グ 配 管 等 の 腐 食 (全 面 腐 食 )

・ 配 管 等 の 腐 食 (エ ロ ー ジ ョ ン ・ コ ロ ー ジ ョ ン ,エ ロ ー ジ ョ ン ) d . そ の 他

・ オ イ ル ス ナ ッ パ 等 の 機 能 低 下

こ れ ら の 経 年 劣 化 事 象 に つ い て 評 価 し た 結 果 ,高 経 年 化 へ の 対 応 が 必 要 な 項 目 ( 現 状 保 全 を 継 続 す る べ き 項 目 及 び 現 状 保 全 に 新 た に 加 え る べ き 項 目 ) を 以 下 に 抽 出 し た 。

[a . 応 力 腐 食 割 れ ]

・ 低 炭 素 ス テ ン レ ス 鋼 で あ る 原 子 炉 冷 却 材 再 循 環 系 配 管 等 の 粒 界 型 応 力 腐 食 割 れ に つ い て は 高 周 波 加 熱 処 理 等 に よ る 予 防 保 全 を 実 施 し て い る た め 発 生 す る 可 能 性 は 小 さ い と 考 え る 。 こ れ ま で の 超 音 波 探 傷 検 査 で も 応 力 腐 食 割 れ 等 に よ る 異 常 は 発 見 さ れ て い な い 。 今 後 も 原 子 力 安 全・保 安 院 指 示 文 書( 平 成 16.09.08 原 院 第 1 号 平 成 16 年 9 月 22 日 「 原 子 力 発 電 設 備 に お け る 破 壊 を 引 き 起 こ す き 裂 そ の 他 の 欠 陥 の 解 釈 に つ い て 」 NISA-322c-04-4 , NISA-163c-04-3 ) 及 び 発 電 用 原 子 力 設 備 規 格 維 持 規 格 ( 日 本 機 械 学 会 ) 等 に 基 づ く 計 画 的 な 点 検 を 実 施 す る と と も に , こ れ ら の 点 検 結 果 及 び 国 に よ る プ ロ ジ ェ ク ト や 電 力 共 同 研 究 等 の 研 究 で 粒 界 型 応 力 腐 食 割 れ 発 生 に 関 す る 新 し い 知 見 , あ る い は 現 在 得 ら れ て い る き 裂 進 展 デ ー タ と 異 な っ た 知 見 等 が 得 ら れ た 場 合 に は 追 加 点 検 や 点 検 周 期 の 見 直 し 等 を 実 施 す る 。

・ 気 体 廃 棄 物 処 理 系 配 管 の 応 力 腐 食 割 れ は 内 部 流 体 が 100℃ 以 上 で あ る た め 発 生 は 否 定 で き な い 。 現 状 , 漏 え い 検 査 に よ り 健 全 性 を 確 認 し て い る が , 今 後 超 音 波 探 傷 検 査 を 実 施 し 健 全 性 を 確 認 し て い く 。

(21)

-19-

・ 制 御 棒 駆 動 水 圧 系 配 管 等 は 塩 化 物 に 起 因 す る 貫 粒 型 応 力 腐 食 割 れ の 発 生 の 可 能 性 が あ る 。 現 状 , 目 視 検 査 , 塩 分 量 測 定 の 環 境 調 査 を 行 い , 必 要 に 応 じ て 配 管 表 面 の 清 掃 , 浸 透 探 傷 検 査 を 行 っ て い る 。 貫 粒 型 応 力 腐 食 割 れ は 目 視 検 査 及 び 環 境 調 査 等 で 管 理 で き る こ と か ら 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

[b . 疲 労 割 れ ]

・ 原 子 炉 冷 却 材 再 循 環 系 配 管 等 の 疲 労 割 れ に つ い て は 環 境 を 考 慮 し た 疲 労 評 価 を 実 施 し た 結 果 , 疲 れ 累 積 係 数 は 許 容 値 以 下 で あ り , 健 全 性 が 確 保 さ れ て い る こ と を 確 認 し た 。 た だ し , 疲 労 評 価 は 実 過 渡 回 数 に 依 存 す る た め , 定 期 的 に 実 過 渡 回 数 の 確 認 に よ る 評 価 を 実 施 し て い く 。

[c . 減 肉 ・ 腐 食 ]

・ 残 留 熱 除 去 海 水 系 配 管 等 の 内 面 か ら の 腐 食 に つ い て は , 内 面 に ラ イ ニ ン グ を 行 っ て お り , ラ イ ニ ン グ の は く 離 等 が 生 じ た 場 合 に 発 生 す る 可 能 性 が あ る 。 現 状 , ラ イ ニ ン グ の 目 視 点 検 を 実 施 し 必 要 に 応 じ 補 修 を 実 施 し て い る 。 ラ イ ニ ン グ の は く 離 等 は 目 視 点 検 で 検 知 可 能 で あ り , 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

・ 給 水 系 配 管 等 の 腐 食 ( エ ロ ー ジ ョ ン ・ コ ロ ー ジ ョ ン , エ ロ ー ジ ョ ン )に つ い て は ,腐 食 進 行 の 可 能 性 は 否 定 で き な い 。現 状 ,配 管 減 肉 管 理 は ,使 用 環 境 や 材 料 に よ り 異 な る 減 肉 の 発 生・進 行 条 件 を 考 慮 し た 点 検 ,余 寿 命 評 価 等 を 定 め た 社 内 指 針 に 基 づ き 実 施 し て い る 。 具 体 的 に は ,エ ル ボ 部 等 の 下 流 の 偏 流 部 に つ い て ,肉 厚 測 定 を 実 施 し ,健 全 性 を 確 認 す る と と も に ,そ の 結 果 に 基 づ き 余 寿 命 評 価 を 行 い ,次 回 測 定 時 期 ,配 管 取 替 時 期 等 の 計 画 を 立 て て い る 。今 後 も 当 社 指 針 に 基 づ き ,対 策 材 に 取 り 替 え ら れ た 配 管 に つ い て も 追 加 的 に 肉 厚 測 定 等 を 行 い ,デ ー タ 及 び 知 見 を 蓄 積 し ,適 切 に 配 管 減 肉 管 理 へ 反 映 す る 。

ま た ,継 続 的 に 肉 厚 測 定 結 果 等 を 適 切 に 配 管 減 肉 管 理 に 反 映 す る と と も に ,現 在 配 管 減 肉 に 関 す る 規 格 化 が 進 め ら れ て い る 日 本 機 械 学 会 で の 検 討 結 果 等 を 踏 ま え ,新 た な 知 見 が 確 認 さ れ れ ば ,社 内 指 針 等 の 見 直 し を 行 っ て い く 。

過 去 の 測 定 デ ー タ に 基 づ き 耐 震 安 全 性 評 価 を 行 っ た 炭 素 鋼 配 管 に つ い て は ,精 度 向 上 の 観 点 か ら ,蓄 積 さ れ た 肉 厚 測 定 デ ー タ に 基 づ き , 耐 震 性 へ の 影 響 を 検 討 す る 。

(22)

-20-

[d . そ の 他 ]

・ ほ う 酸 注 入 系 配 管 オ イ ル ス ナ ッ バ , ハ ン ガ 等 は ピ ン , ボ ー ル ネ ジ 等 の 摺 動 部 材 の 摩 耗 が 発 生 す る 可 能 性 が あ る が , 起 動 ・ 停 止 時 に 想 定 さ れ る 配 管 熱 移 動 に よ る 摺 動 回 数 は 少 な い 。 現 状 , 巡 視 点 検 等 に よ る 目 視 確 認 及 び 分 解 点 検 時 の 浸 透 探 傷 検 査 , 作 動 油 交 換 , 耐 圧 試 験 等 で 健 全 性 を 確 認 し て い る 。 オ イ ル ス ナ ッ バ 等 の 機 能 低 下 は 分 解 点 検 等 で 検 知 可 能 で あ り 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

(23)

-21-

2 . 3 . 6 弁

各 部 位 に 対 す る 考 慮 す べ き 経 年 劣 化 事 象 を 抽 出 し , 経 年 劣 化 事 象 毎 に ま と め た も の を 以 下 に 示 す 。

a . 応 力 腐 食 割 れ

・ 弁 棒 , ベ ロ ー ズ 等 の 応 力 腐 食 割 れ b . 疲 労 割 れ

・ 弁 箱 等 の 疲 労 割 れ c . 減 肉 ・ 腐 食

・ 弁 箱 , 弁 体 等 の 腐 食 (全 面 腐 食 )

・ 弁 箱 , 弁 体 等 の 腐 食 (エ ロ ー ジ ョ ン ・ コ ロ ー ジ ョ ン )

・ 弁 箱 , 弁 体 等 の 腐 食 (孔 食 ・ 隙 間 腐 食 ) d . 絶 縁 特 性 低 下

・ 固 定 子 コ イ ル , 口 出 線 ・ 接 続 部 品 等 の 絶 縁 特 性 低 下 e . そ の 他

・ ス プ リ ン グ 等 の へ た り

・ 弁 体 , ギ ア 等 の 摩 耗

こ れ ら の 経 年 劣 化 事 象 に つ い て 評 価 し た 結 果 , 高 経 年 化 へ の 対 応 が 必 要 な 項 目 ( 現 状 保 全 を 継 続 す る べ き 項 目 及 び 現 状 保 全 に 新 た に 加 え る べ き 項 目 ) を 以 下 に 抽 出 し た 。

[a . 応 力 腐 食 割 れ ]

・ 全 開 側 ト ル ク 切 り 制 御 の 電 動 弁 弁 棒 の バ ッ ク シ ー ト 部 に つ い て は ,高 応 力 が か か っ た 状 態 と な り ,高 温 水 中 で は 応 力 腐 食 割 れ の 発 生 す る 可 能 性 が あ る が ,現 状 ,分 解 点 検 時 に 目 視 点 検 及 び 浸 透 探 傷 検 査 を 実 施 す る こ と に よ り 健 全 性 の 確 認 は 可 能 で あ り ,今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

(24)

-22-

[b . 疲 労 割 れ ]

・ 原 子 炉 冷 却 材 再 循 環 系 ポ ン プ 出 口 弁 弁 箱 等 の 疲 労 割 れ に つ い て は 環 境 を 考 慮 し た 疲 労 評 価 を 実 施 し た 結 果 ,当 該 部 の 疲 れ 累 積 係 数 は 許 容 値 以 下 で あ り ,健 全 性 が 確 保 さ れ て い る こ と を 確 認 し た 。 た だ し ,疲 労 評 価 は 実 過 渡 回 数 に 依 存 す る た め ,定 期 的 に 実 過 渡 回 数 の 確 認 に よ る 評 価 を 実 施 し て い く 。ま た 主 蒸 気 隔 離 弁 弁 箱 の 疲 労 割 れ に 対 し て は ,こ れ ま で の 分 解 点 検 に お い て 弁 箱 内 面 に 有 意 な 欠 陥 が な い こ と を 目 視 に て 確 認 し ,漏 え い 率 検 査 に て 健 全 性 を 確 認 し て い る が ,今 後 疲 労 評 価 に 必 要 な 部 位 の 寸 法 測 定 を 計 画 し , 定 量 的 な 疲 労 評 価 を 実 施 す る 。

[c . 減 肉 ・ 腐 食 ]

・ 仕 切 弁 弁 箱 等 の 腐 食 ( 全 面 腐 食 ) に つ い て は , 腐 食 発 生 の 可 能 性 は あ る が ,現 状 ,目 視 確 認 を 実 施 し 腐 食 の 状 況 を 確 認 し 必 要 に 応 じ 補 修 等 を 実 施 し て い る 。 腐 食 は 目 視 確 認 で 検 知 可 能 で あ り , 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

・ 玉 形 弁 弁 箱 等 の 腐 食 ( エ ロ ー ジ ョ ン ・ コ ロ ー ジ ョ ン ) に つ い て は ,エ ロ ー ジ ョ ン・コ ロ ー ジ ョ ン に よ り 減 肉 が 発 生 す る 可 能 性 は 否 定 で き な い 。現 状 ,目 視 点 検 を 実 施 し ,腐 食 に よ る 減 肉 の 状 況 を 確 認 し て い る 。エ ロ ー ジ ョ ン・コ ロ ー ジ ョ ン は 目 視 点 検 で 検 知 可 能 で あ り , 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

・ 海 水 接 液 部 の 腐 食 (孔 食 ・ 隙 間 腐 食 ) に 関 し て , 塗 装 , ラ イ ニ ン グ を 施 し て い る 弁 に つ い て は ,塗 装 ,ラ イ ニ ン グ が 健 全 で あ れ ば , 腐 食 の 可 能 性 は 小 さ く ,現 状 ,分 解 点 検 時 の 目 視 点 検 に よ り 健 全 性 を 確 認 し て い る 。塗 装 ,ラ イ ニ ン グ を 施 し て い な い 弁 に つ い て は ,海 水 の 接 液 部 に 腐 食 発 生 の 可 能 性 は あ る が ,分 解 点 検 時 の 目 視 点 検 に よ り 健 全 性 の 確 認 は 可 能 で あ る 。点 検 で 腐 食 が 認 め ら れ た 場 合 ま た は 塗 装 ,ラ イ ニ ン グ に は く 離 や 膨 れ が 確 認 さ れ た 場 合 は 補 修 を 実 施 し て お り , 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

(25)

-23-

[d . 絶 縁 特 性 低 下 ]

・原 子 炉 格 納 容 器 内 の 電 動 弁 用 駆 動 部 等 の 固 定 子 コ イ ル ,口 出 線 ・ 接 続 部 品 の 絶 縁 特 性 低 下 は ,40 年 間 の 長 期 健 全 性 試 験 結 果 よ り , 急 激 に 絶 縁 特 性 低 下 す る 可 能 性 は 低 い 。現 状 ,絶 縁 抵 抗 測 定 ,動 作 試 験 を 実 施 し て お り ,絶 縁 特 性 低 下 の 把 握 は 可 能 で あ る 。今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し ,必 要 に 応 じ て 適 切 な 対 応 を と る 。ま た ,電 動 弁 駆 動 部 絶 縁 物 の 60 年 の 運 転 期 間 及 び 事 故 時 雰 囲 気 に よ る 劣 化 を 想 定 し た 評 価 を 行 う 。

・原 子 炉 格 納 容 器 外 の 電 動 弁 用 駆 動 部 等 の 固 定 子 コ イ ル ,口 出 線 ・ 接 続 部 品 , 回 転 子 コ イ ル の 絶 縁 特 性 低 下 は , 40 年 間 の 長 期 健 全 性 試 験 結 果 よ り ,急 激 な 絶 縁 特 性 低 下 の 可 能 性 は 低 い 。現 状 ,絶 縁 抵 抗 測 定 ,動 作 試 験 を 実 施 し て お り ,絶 縁 特 性 低 下 の 把 握 は 可 能 で あ る 。今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し ,必 要 に 応 じ て 適 切 な 対 応 を と る 。 ま た , 電 動 弁 駆 動 部 絶 縁 物 の 60 年 の 運 転 期 間 及 び 事 故 時 雰 囲 気 に よ る 劣 化 を 想 定 し た 評 価 を 行 う 。

[e . そ の 他 ]

・ 安 全 弁 等 の ス プ リ ン グ の へ た り に つ い て は , 現 状 , 目 視 確 認 , 作 動 試 験 を 実 施 し ,異 常 の な い こ と を 確 認 し て い る 。ス プ リ ン グ の へ た り は 目 視 確 認 ,作 動 試 験 で 把 握 は 可 能 で あ り 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

・ 逆 止 弁 の 弁 体 , 電 動 弁 駆 動 部 ス テ ム ナ ッ ト ・ギ ア 等 の 摩 耗 に つ い て は ,現 状 ,目 視 確 認 等 実 施 し ,必 要 に 応 じ て 補 修 を 実 施 し て い る 。摩 耗 に つ い て は 目 視 確 認 等 実 施 し ,必 要 に 応 じ て 補 修 を 実 施 す る こ と で 健 全 性 の 維 持 は 可 能 で あ り 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

(26)

-24-

2 . 3 . 7 炉 内 構 造 物

各 部 位 に 対 す る 考 慮 す べ き 経 年 劣 化 事 象 を 抽 出 し , 経 年 劣 化 事 象 毎 に ま と め た も の を 以 下 に 示 す 。

a . 照 射 脆 化

・ 炉 心 シ ュ ラ ウ ド , 上 部 格 子 板 等 の 中 性 子 照 射 脆 化 b . 応 力 腐 食 割 れ

・ 炉 心 シ ュ ラ ウ ド , 上 部 格 子 板 等 の 粒 界 型 応 力 腐 食 割 れ

・ 炉 心 シ ュ ラ ウ ド , 上 部 格 子 板 等 の 照 射 誘 起 型 応 力 腐 食 割 れ c . 疲 労 割 れ

・ 炉 心 シ ュ ラ ウ ド , シ ュ ラ ウ ド サ ポ ー ト 等 の 疲 労 割 れ

こ れ ら の 経 年 劣 化 事 象 に つ い て 評 価 し た 結 果 , 高 経 年 化 へ の 対 応 が 必 要 な 項 目 ( 現 状 保 全 を 継 続 す る べ き 項 目 及 び 現 状 保 全 に 新 た に 加 え る べ き 項 目 ) を 以 下 に 抽 出 し た 。

[a . 照 射 脆 化 ]

・ 上 部 格 子 板 等 の 中 性 子 照 射 脆 化 に つ い て は , オ ー ス テ ナ イ ト 系 材 料 は 原 子 炉 圧 力 容 器 で 使 用 し て い る フ ェ ラ イ ト 系 材 料 に 比 べ 靱 性 が 高 く 脆 性 破 壊 を 起 こ し に く い 材 料 で あ る が , 中 性 子 照 射 に よ り 靱 性 値 が 低 下 す る 可 能 性 は 否 定 で き な い 。 現 状 , 目 視 点 検 等 を 実 施 し 有 意 な 欠 陥 が な い こ と を 確 認 し て い る 。 今 後 も 発 電 用 原 子 力 設 備 規 格 維 持 規 格 ( 日 本 機 械 学 会 ), B W R 炉 内 構 造 物 点 検 評 価 ガ イ ド ラ イ ン 等 に 基 づ く 点 検 を 実 施 し て い く と と も に , こ れ ら の 点 検 結 果 及 び 研 究 等 で オ ー ス テ ナ イ ト ス テ ン レ ス 鋼 の 中 性 子 照 射 脆 化 に 関 す る 新 し い 知 見 が 得 ら れ た 場 合 に は 追 加 点 検 や 点 検 周 期 等 の 見 直 し を 実 施 す る 。

(27)

-25-

[b . 応 力 腐 食 割 れ ]

・ 上 部 格 子 板 等 の 照 射 誘 起 型 応 力 腐 食 割 れ つ い て は , 運 転 に 伴 い 照 射 量 が 増 加 し 感 受 性 が 増 加 す る 可 能 性 が あ る 。 上 部 格 子 板 等 は 第 16 回 定 期 検 査 ( 平 成 9 年 度 ) に 取 替 を 実 施 し 現 状 , 計 画 的 な 目 視 点 検 や 水 素 注 入 に よ る 腐 食 環 境 改 善 を 実 施 す る こ と と し て い る 。 照 射 誘 起 型 応 力 腐 食 割 れ は 目 視 点 検 に よ り 健 全 性 確 認 は 可 能 で あ り 今 後 も 発 電 用 原 子 力 設 備 規 格 維 持 規 格 ( 日 本 機 械 学 会 ), B W R 炉 内 構 造 物 点 検 評 価 ガ イ ド ラ イ ン 等 に 基 づ く 点 検 を 実 施 し て い く と と も に , こ れ ら の 点 検 結 果 及 び 国 に よ る プ ロ ジ ェ ク ト や 電 力 共 同 研 究 等 の 研 究 で 粒 界 型 応 力 腐 食 割 れ 発 生 に 関 す る 新 し い 知 見 , あ る い は 現 在 得 ら れ て い る き 裂 進 展 デ ー タ と 異 な っ た 知 見 等 が 得 ら れ た 場 合 に は 追 加 点 検 や 点 検 周 期 の 見 直 し 等 を 実 施 す る 。

・ 炉 心 シ ュ ラ ウ ド の 粒 界 型 応 力 腐 食 割 れ に つ い て は , 第 16 回 定 期 検 査 ( 平 成 9 年 度 ) に 耐 応 力 腐 食 割 れ 性 に 優 れ た 材 料 へ 取 替 を 実 施 す る と と も に 残 留 応 力 緩 和 対 策 を 実 施 し て い る た め , 発 生 す る 可 能 性 は 小 さ い 。 応 力 腐 食 割 れ は 計 画 的 な 目 視 点 検 で 検 知 可 能 で あ り , 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。 シ ュ ラ ウ ド サ ポ ー ト 等 に つ い て は 応 力 腐 食 割 れ が 発 生 す る 可 能 性 は 否 定 で き な い が , 水 素 注 入 に よ る 腐 食 環 境 改 善 や 計 画 的 な 点 検 を 実 施 し て い く こ と と し て い る 。 粒 界 型 応 力 腐 食 割 れ は 目 視 点 検 に よ り 健 全 性 確 認 は 可 能 で あ り , 今 後 も 発 電 用 原 子 力 設 備 規 格 維 持 規 格

( 日 本 機 械 学 会 ), B W R 炉 内 構 造 物 点 検 評 価 ガ イ ド ラ イ ン 等 に 基 づ く 点 検 を 実 施 し て い く と と も に , こ れ ら の 点 検 結 果 及 び 国 に よ る プ ロ ジ ェ ク ト や 電 力 共 同 研 究 等 の 研 究 で 粒 界 型 応 力 腐 食 割 れ 発 生 に 関 す る 新 し い 知 見 , あ る い は 現 在 得 ら れ て い る き 裂 進 展 デ ー タ と 異 な っ た 知 見 等 が 得 ら れ た 場 合 に は 追 加 点 検 や 点 検 周 期 の 見 直 し 等 を 実 施 す る 。 シ ュ ラ ウ ド サ ポ ー ト は , 代 表 部 位 の 目 視 点 検 を 定 期 的 に 実 施 す る と と も に , 長 期 的 に は 近 接 可 能 な 範 囲 に つ い て 目 視 点 検 を 実 施 す る 。

[c . 疲 労 割 れ ]

・ 炉 心 シ ュ ラ ウ ド 等 の 疲 労 割 れ に つ い て は 環 境 を 考 慮 し た 疲 労 評 価 を 実 施 し た 結 果 , 当 該 部 の 疲 れ 累 積 係 数 は 許 容 値 以 下 で あ り , 健 全 性 が 確 保 さ れ て い る こ と を 確 認 し た 。 た だ し , 疲 労 評 価 は 実 過 渡 回 数 に 依 存 す る た め , 定 期 的 に 実 過 渡 回 数 の 確 認 に よ る 評 価 を 実 施 し て い く 。

(28)

-26-

2 . 3 . 8 ケ ー ブ ル

各 部 位 に 対 す る 考 慮 す べ き 経 年 劣 化 事 象 を 抽 出 し , 経 年 劣 化 事 象 毎 に ま と め た も の を 以 下 に 示 す 。

a . 減 肉 ・ 腐 食

・ ケ ー ブ ル ト レ イ , 電 線 管 等 の 腐 食 (全 面 腐 食 ) b . 絶 縁 特 性 低 下

・ 絶 縁 体 の 絶 縁 特 性 低 下 c . そ の 他

・ 水 ト リ ー 劣 化

こ れ ら の 経 年 劣 化 事 象 に つ い て 評 価 し た 結 果 ,高 経 年 化 へ の 対 応 が 必 要 な 項 目 ( 現 状 保 全 を 継 続 す る べ き 項 目 及 び 現 状 保 全 に 新 た に 加 え る べ き 項 目 ) を 以 下 に 抽 出 し た 。

[a . 減 肉 ・ 腐 食 ]

・ ケ ー ブ ル ト レ イ , 電 線 管 等 に つ い て は , 腐 食 ( 全 面 腐 食 ) 発 生 の 可 能 性 は あ る が ,点 検 及 び 巡 視 時 に お け る 目 視 確 認 に よ り 健 全 性 の 確 認 は 可 能 で あ り ,有 意 な 腐 食 が 確 認 さ れ た 箇 所 に つ い て は 補 修 塗 装 等 を 実 施 し て お り , 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

[b . 絶 縁 特 性 低 下 ]

・ 高 圧 C V ケ ー ブ ル 絶 縁 体 等 の 絶 縁 特 性 低 下 に つ い て は , 60 年 間 の 長 期 健 全 性 試 験 結 果 等 よ り ,急 激 に 絶 縁 特 性 低 下 す る 可 能 性 は 低 い 。現 状 ,絶 縁 抵 抗 測 定 ,絶 縁 診 断 試 験 等 を 実 施 し て お り ,絶 縁 特 性 低 下 の 把 握 は 可 能 で あ る 。今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し ,必 要 に 応 じ て 適 切 な 対 応 を と る 。ま た ,長 期 健 全 性 試 験 の 試 験 条 件 が , 事 故 時 雰 囲 気 を 考 慮 し て い な い 高 圧 C V ケ ー ブ ル に つ い て は ,試 験 を 実 施 し 再 評 価 す る 。さ ら に ,現 在 国 プ ロ ジ ェ ク ト で ケ ー ブ ル 経 年 劣 化 評 価 手 法 検 討 が 実 施 さ れ て お り ,こ の 成 果 反 映 を 検 討 す る 。

(29)

-27-

・ 端 子 台 ,同 軸 コ ネ ク タ 等 の 絶 縁 特 性 低 下 に つ い て は ,約 36 年 間 の 長 期 健 全 性 試 験 結 果 等 よ り , 急 激 に 絶 縁 特 性 低 下 す る 可 能 性 は 低 い 。 現 状 , 絶 縁 抵 抗 測 定 等 を 実 施 し て お り , 絶 縁 特 性 低 下 の 把 握 は 可 能 で あ る 。 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し , 必 要 に 応 じ て 適 切 な 対 応 を と る 。 ま た , 端 子 台 等 の 絶 縁 物 は , 60 年 の 運 転 期 間 及 び 事 故 時 雰 囲 気 に よ る 劣 化 を 想 定 し た 評 価 を 行 う 。

・ 低 圧 難 燃 P N ケ ー ブ ル 絶 縁 体 等 の 絶 縁 特 性 低 下 に つ い て は , 51 年 間 の 長 期 健 全 性 試 験 結 果 等 よ り ,急 激 に 絶 縁 特 性 低 下 す る 可 能 性 は 低 い 。現 状 ,絶 縁 抵 抗 測 定 等 を 実 施 し て お り ,絶 縁 特 性 低 下 の 把 握 は 可 能 で あ る 。今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し ,必 要 に 応 じ て 適 切 な 対 応 を と る 。 ま た , 長 期 健 全 性 試 験 の 試 験 条 件 が , 60 年 間 の 運 転 及 び 事 故 時 雰 囲 気 を 考 慮 し て い な い 低 圧 難 燃 P N ケ ー ブ ル に つ い て は ,試 験 を 実 施 し 再 評 価 す る 。さ ら に ,現 在 国 プ ロ ジ ェ ク ト で ケ ー ブ ル 経 年 劣 化 評 価 手 法 検 討 が 実 施 さ れ て お り ,こ の 成 果 反 映 を 検 討 す る 。

[c . そ の 他 ]

・ 高 圧 C V ケ ー ブ ル 絶 縁 体 等 の 水 ト リ ー 劣 化 に よ る 絶 縁 特 性 低 下 つ い て は ,屋 外 布 設 ケ ー ブ ル は ト レ ン チ 及 び ピ ッ ト 内 の 架 空 化 さ れ た ケ ー ブ ル ト レ イ 等 に 布 設 さ れ て い る こ と 等 か ら ,水 ト リ ー が 発 生 す る 浸 水 環 境 と な る 可 能 性 は 低 い 。現 状 ,絶 縁 抵 抗 測 定 等 を 実 施 し て お り ,絶 縁 特 性 低 下 の 把 握 は 可 能 で あ る 。今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し , 必 要 に 応 じ て 適 切 な 対 応 を と る 。

(30)

-28-

2 . 3 . 9 送 受 電 設 備 ・ 発 電 設 備

各 部 位 に 対 す る 考 慮 す べ き 経 年 劣 化 事 象 を 抽 出 し , 経 年 劣 化 事 象 毎 に ま と め た も の を 以 下 に 示 す 。

a . 応 力 腐 食 割 れ

・ 主 発 電 機 リ テ ィ ニ ン グ リ ン グ の 応 力 腐 食 割 れ b . 疲 労 割 れ

・ 主 発 電 機 回 転 子 コ イ ル ウ ェ ッ ジ の 疲 労 割 れ c . 減 肉 ・ 腐 食

・ 主 要 変 圧 器 タ ン ク , 底 板 ビ ー ム 等 の 腐 食 (全 面 腐 食 ) d . 絶 縁 特 性 低 下

・ 固 定 子 コ イ ル , 口 出 線 ・ 接 続 部 品 等 の 絶 縁 特 性 低 下 e . そ の 他

・ 遮 断 器 抵 抗 器 の 抵 抗 値 の 変 化

・ ス プ リ ン グ 等 の へ た り

・ 避 雷 器 素 子 等 の 課 電 劣 化

・ 主 発 電 機 シ ー ル リ ン グ 等 の 摩 耗

・ 界 磁 遮 断 器 の 操 作 機 構 の 固 着

こ れ ら の 経 年 劣 化 事 象 に つ い て 評 価 し た 結 果 , 高 経 年 化 へ の 対 応 が 必 要 な 項 目 ( 現 状 保 全 を 継 続 す る べ き 項 目 及 び 現 状 保 全 に 新 た に 加 え る べ き 項 目 ) を 以 下 に 抽 出 し た 。

[a . 応 力 腐 食 割 れ ]

・ リ テ ィ ニ ン グ リ ン グ に つ い て は , 応 力 腐 食 割 れ に よ る 破 損 事 故 が 発 生 し て い る が , 事 故 機 と 異 な り , 応 力 腐 食 割 れ に 対 し て 優 れ た 材 料 を 用 い て お り , ま た , 運 転 中 は 高 純 度 水 素 ガ ス 雰 囲 気 中 に あ り , 点 検 時 に は 防 湿 管 理 を 行 っ て い る こ と か ら , 結 露 に よ る リ テ ィ ニ ン グ リ ン グ の 応 力 腐 食 割 れ 発 生 の 可 能 性 は 低 い 。 さ ら に , 点 検 時 に 浸 透 探 傷 検 査 及 び 超 音 波 探 傷 検 査 を 実 施 す る こ と に よ り , 健 全 性 の 確 認 は 可 能 で あ り , 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

(31)

-29-

[b . 疲 労 割 れ ]

・ 回 転 子 コ イ ル ウ ェ ッ ジ に 電 食 が 発 生 す る と , そ れ を 起 点 に 割 れ が 発 生 ・ 進 展 す る 可 能 性 が あ る が , 点 検 時 に 目 視 点 検 及 び 超 音 波 探 傷 検 査 を 実 施 す る こ と に よ り , 健 全 性 の 確 認 は 可 能 で あ り , 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

[c . 減 肉 ・ 腐 食 ]

・ 主 要 変 圧 器 等 の タ ン ク の 腐 食 に つ い て は , 材 料 が 炭 素 鋼 の た め 腐 食 が 想 定 さ れ る 。 内 部 は 絶 縁 油 が 入 れ ら れ て お り , ま た 外 面 は 防 食 塗 装 さ れ 腐 食 の 可 能 性 は 低 い が , 底 板 は 外 周 を 除 き 点 検 が 出 来 な い 。 同 様 な 環 境 下 で 25 年 経 過 し た 主 要 変 圧 器 の 底 板 腐 食 量 デ ー タ よ り 60 年 の 腐 食 量 を 推 定 し た 結 果 , タ ン ク 強 度 確 保 に 必 要 な 肉 厚 は 維 持 可 能 で あ っ た 。 今 後 , 当 該 変 圧 器 ま た は 同 発 電 所 変 圧 器 の 取 替 等 の 機 会 を 利 用 し て , タ ン ク 底 板 の 腐 食 量 調 査 を 行 い , 健 全 性 評 価 の 妥 当 性 を 確 認 す る と と も に , 必 要 に よ り 取 替 等 の 適 切 な 対 応 を と る 。

・ 主 要 変 圧 器 等 の 底 板 ビ ー ム の 腐 食 に つ い て は , 材 料 が 炭 素 鋼 の た め 腐 食 が 想 定 さ れ る 。 同 様 な 環 境 下 で 25 年 経 過 し た 主 要 変 圧 器 の 底 板 ビ ー ム 腐 食 量 デ ー タ よ り 60 年 の 腐 食 量 を 推 定 し た 結 果 , タ ン ク 支 持 機 能 に 必 要 な 底 板 ビ ー ム 肉 厚 は 維 持 可 能 で あ っ た 。 今 後 , 当 該 変 圧 器 ま た は 同 発 電 所 変 圧 器 の 取 替 等 の 機 会 を 利 用 し て , タ ン ク 底 板 ビ ー ム の 腐 食 量 調 査 を 行 い , 健 全 性 評 価 の 妥 当 性 を 確 認 す る と と も に , 必 要 に よ り 取 替 等 の 適 切 な 対 応 を と る 。

[d . 絶 縁 特 性 低 下 ]

・ 主 発 電 機 等 の 固 定 子 コ イ ル 及 び 口 出 線 ・ 接 続 部 品 等 の 絶 縁 特 性 低 下 に つ い て は , 点 検 時 に 実 施 す る 絶 縁 診 断 試 験 結 果 等 よ り , 急 激 な 絶 縁 特 性 低 下 の 可 能 性 は 低 い 。 現 状 , 絶 縁 抵 抗 測 定 , 絶 縁 診 断 試 験 等 を 実 施 し て お り , 絶 縁 特 性 低 下 の 把 握 は 可 能 で あ る 。 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し , 必 要 に 応 じ て 適 切 な 対 応 を と る 。

(32)

-30-

[e . そ の 他 ]

・ 遮 断 器 抵 抗 器 の 抵 抗 値 の 変 化 に つ い て は , 現 状 , メ ー カ 工 場 に て 分 解 点 検 手 入 を し 抵 抗 値 管 理 さ れ た 抵 抗 器 に 定 期 交 換 し て い る こ と か ら , 抵 抗 値 が 変 化 す る 可 能 性 は 低 い 。 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

・ 断 路 器 等 の ス プ リ ン グ 等 の へ た り に つ い て は , 現 状 , 目 視 確 認 , 開 閉 試 験 を 実 施 し , 異 常 の な い こ と を 確 認 し て お り , 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

・ 避 雷 器 素 子 等 の 課 電 劣 化 に つ い て は , 現 状 , 外 観 点 検 , 絶 縁 抵 抗 測 定 , 漏 れ 電 流 測 定 等 を 実 施 し , 有 意 な 漏 れ 電 流 変 化 が 認 め ら れ た 場 合 は 取 替 を 実 施 し て お り , 素 子 特 性 が 著 し く 低 下 す る 可 能 性 は 低 い 。 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

・ 主 発 電 機 シ ー ル リ ン グ 等 の 摩 耗 に つ い て は , 現 状 , 摺 動 面 粗 さ の 検 査 を 実 施 し , 必 要 に 応 じ て 補 修 を 実 施 し て お り , 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

・ 界 磁 遮 断 器 の 操 作 機 構 の 固 着 に つ い て は , グ リ ー ス 劣 化 及 び 塵 埃 付 着 に よ り 生 ず る 可 能 性 は あ る が , 現 状 , 清 掃 , グ リ ー ス 塗 布 及 び 動 作 確 認 し て お り , 固 着 発 生 の 可 能 性 は 低 い 。 今 後 も 現 状 保 全 を 継 続 し て い く 。

参照

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