博士(工学)金 東園 学位論文題名
A Feature‑ Based Process Planning System for Robotic Arc Welding
( ロ ボ ッ ト ア ー ク 溶 接 用 フ ィ ― チ ャ ー ベ ― ス 工 程 計 画 シ ス テ ム )
学位論文内容の要旨
本 論 文 はCADを べ ー スと した 自動 アー ク溶 接作 業に おけ るロ ボッ トの 駆動 の ため のオ フラ イン プロ グラ ミン グを 支援 するためのフィ ーチャーベース工程計画システムについて論じた も の で あ る 。 最 近 、コ ンピ ュー 夕援 用工 程計 画(CAPP)の 研究 ではCAD/CAMの 統合 化に 関す る問 題が 重要 な研 究課 題と して取り上げら れており、特に既存のソリッドモデラーを用いる 代わ りに 、フ ィー チャ ーラ イブラりおよび フィーチャーデータベースを用いるフィーチャー ベー ス解 析方 式に 関す る研 究が進められて いる。したがって本論文では、まず最近における フィ ーチ ャー ベー スモ デリ ング方式の機能 とその適用性を論じ、さらにあらかじめ定義され たフ ィー チャ ーラ イブ ラリ ーに獲得・統合 された形状フィーチャーと技能フィーチャーを用 いて 製品 モデ ルを 生成 する 方式を開発した 。しかし、これまでこのようなフィーチャーベー スを 用い たロ ボッ ト溶 接工 程計画システム の開発は進められておらず、一般的な工程設計の 解析 法に 基礎 をお いた オフ ライン口ボット プログラミングシステムの開発に関する報告が散 見されるに止まっている。
こ のよ うな 観点 から 本研 究ではオフライ ンロボットプログラミングとロボットアーク溶接 を効 果的 に支 援で きる フィ ーチャーベース 工程計画システムの提案を目的としてシステムの 開発 研究 を行 った 。本 研究 で提案したフィ チャーベース工程計画システムは基本的に設計と 工 程 計 画 間 の 技 術 的 な 生 産 設 備 の 接 続 と 生 産 情報 の通 信の ため にあ らか じ め定 義さ れた フィーチャーを使用する創成的な工程設計システムである。このシステムは溶接構造物(Welded Plate Construction)と口ボ ットを含めた作業系モデルリング、作業系配置、溶接作業の順序指 定、ロボットの経路計画、溶接作業の工程スケジュリング、そしてIRデー夕(Industrial Robot DATA)の 生成 等に 関す る溶 接 ロボ ット の作 業と 動作 をフ ィーチャーデータを利用して統合的 な支援を可能とするものである。
本論文は8章より構成され ている。
第1章 は 緒 論 で あ っ て 、CAD/CAMの 統 合 化 お よび フィ ーチ ャー べー ス方 式 に関 する これ まで に行 われ た研 究の 概要 と問 題点 を論 じ、 さら に口 ボ ット アー ク溶 接及 びオ フライン口 ボッ トプ ログ ラミ ング に関 する研究の動向 から、本研究の必要性と目的、およびその研究範 囲と概要について述べている。
第2章では、コンピュー夕援用工程計画シ ステムの現状と開発の方向を論じている。まず、
本 研究 であ っか うフィーチャーペース工程計画システムに関す る基本な枠組み構造と、これ に よる 主要 研究 主題 を検 討し 、っ ずい てフ ィーチャーベースの3次元溶接板構造物モデラー を論じている。
第3章 では 、ア ーク 溶接 作業 のフ ィー チャ ーを 活用 した 、 平面 にお ける2次 元溶 接板 を3 次 元溶 接板 構造 物に変換するフィーチャーベース方式の溶接構 造系モデラーの開発について 述 べて いる 。溶 接構 造物 に関 連す るフ ィー チャ ーの 定 義及 び分 類を 行い、これらのフィー チャーを利用した2次元溶接板の3次元溶接物組立体への変換・組立性の妥当性の検証とグルーブ フィーチャーを利用した溶 接線データの生成手順の開発を行った。
第4章で は、 ロボ ット 溶 接に 用い る作 業冶具の一種であるポ ジショナーの利用例の解析か ら 、口 ボッ トと の統 合動 作制 御方 式の 開発 およ びそ の 適用 方式 を提 案している。まず溶接 ビ ード の品 質改 善の ため の下 向溶 接ア ルゴ リズ ムの こ れま での 研究 の内容を評価し、ポジ シ ョン パラ メ‐ 夕に従う溶接作業の安定度及び安定領域の数理 的モデルが溶接品質と溶接生 産 性に 大き く影 響することを論じている。あわせて、これらの 研究結果を適用すると同時に 溶 接手 順決 定問 題を含んだ多層―多溶接線溶接工程計画に対す るアルゴリズムの構築を行っ ている。
第5章は 、溶 接用 ロボ ッ トの 衝突 回避 経路計画を論じたもの であり、溶接作業中のロボッ ト の経 路生 成、 すなわち溶接線上での経路生成計画と、ロボッ トが溶接線に接近あるいは離 脱 する とき の経 路生成の問題、すなわち溶接線間での経路計画 との基本的なニつの形態に分 類 して 取り 扱っ ている。溶接線上での経路計画では溶接トーチ と溶接構造物の衝突・干渉に は 接近 ・衝 突の 類型によって経路の調整と生成を行い、次に溶 接線間の問題では口ボット本 体 と溶 接構 造物 の衝 突が 予知 され る場 合に は6軸多関節ロボッ トの疑似逆機構学的ロボット 動作制御方式の同次解を利 用して衝突回避経路を生成した。
第6章で は、 滑ら かで か っ正 確な 口ボ ット経路を迅速に生成 するために、三つの方式によ る ロボ ット 関節 軌跡生成アルゴリズムを提案している。第一の 方式は与えられたロボット経 路 の位 置デ ータ のみに依存して関節軌跡を生成するものであり 、第二の方式は位置データに 加 えて 、速 度デ ータの逆変換までを利用する方式である。そし て、第三の方式は速度デ一夕 の 直接 変換 及び 経験的な限界数式に基礎を置いた方式である。 この中で第二方式がもっとも 速 く滑 らか な関 節の駆動軌跡を算出し、特異点からの脱出も容 易なアルゴリズムを求めてい る 。第 三方 式は 第一方式よりも算出速度が速く、根本的に特異 点の影響を受けない解を提供 するが、限界数式が必要と なる短所を持っている。
第7章は 、対 話式 プロ ト タイ プシ ステ ムである本研究で提案 したフィーチャーベース工程 計 画シ ステ ムが フレーム構造及びそのアルゴリズムを基本とし て開発されたことを示し、開 発 され たシ ステ ムを フィ ーチ ャー ベー スの 溶接構造体モデラーを含め、9個のモジュールで 構 成し た。 また 各工 程計 画に よる 事例 研究 をエ キス カ ペ一 夕ー の腰 部分の部品であるセン ターフレームを対象にして 行い、その成果を示している。
第8章 は 結 論 と 総 括 で あ っ て 、 本 研 究 に お い て 得 ら れ た 結 果 を総 括し て述 べて いる 。
学位論文審査の要旨
学 位 論 文 題 名
A Feature‑Based Process Planning System for Robotic Arc Welding
( ロ ボ ッ 卜 ア ー ク 溶 接 用 フ ィ ― チ ャ ー ベ ー ス 工 程 計 画 シ ス テ ム )
本 論文 はCADをぺース とした アーク溶 接作業 における ロボット の駆動 のための オフラ イ ン プ口グ ラミング を支援 するため のフィー チャー ペース工 程計画 システムについて論じた も のであ る。
最 近、 コンピ ュー夕援 用工程 計画(CAPP)の 研究ではCAD/CAMの 統合化に 関する 問題が重 要 な研究 課題とし て取り上げられており、特に既存のソリッドモデラーを用いる代わりに、
フ ィーチ ャーライ ブラり およびフ ィーチャ ーデ一 夕ベース を用い るフィーチャーベース解 析 方式に 関する研 究が進 められて いる。
そ こで本 研究では 、オフ ラインロ ボット プ口グラ ミングと 口ボッ トアーク溶接を効果的 に 支援で きるフイ ーチャ ーペース 工程計画 システ ムの提案 を目的 としてシステムの開発研 究 を行っ た。本論 文で提 案したフ アチャー ペース 工程計画 システ ムは基本的に設計と工程 計 画間の 技術的ナ ょ生産設備の接続と生産情報の通信のためにあらかじめ定義されたフィー チ ャ ー を使用 する創成 的な工 程設計シ ステムで ある。 このシス テムは 溶接構造 物(Welded Plate Construction)と口 ボットを 含めた 作業系の モデリ ング、作 業系配置、溶接作業の 順 序指定 、ロボッ トの経 路計画、 溶接作業 の工程スケジューリング、そしてIRデー夕(In― dustrial Robot DATA) の生成等 に関す る溶接ロボットの作業と動作をフィーチャーデ一夕 を 利用し て統合的 な支援 を可能と するもの である 。
本 論文は8章よ り構成 されてい る。
第1章 は 緒 論 であ っ て 、CAD/CAMの 統合化 およびフ ィーチャ ーペー ス方式に 関する これ ま でに行 われた研 究の概 要と問題 点を論じ 、さら にロボッ トアー ク溶接及びオフラインロ ボ ットプ 口グラミ ングに 関する研 究の動向 から、 本研究の 必要性 と目的、およびその研究
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政
昇
史
勝
侑
建
藤
数
浪
斎
嘉
岸
授
授
授
教
教
教
査
査
査
主
副
副
範囲と概要について述べている。
第2章は、コンピュー夕援用工程計画システムの現状と開発の方向を論じたものであり、
フィーチャーペース工程計画システムに関する基本的な枠組み構造と、フィーチャーペ―
スの3次元溶接板構造物モデラーについて論じている。
第3章は、アーク溶接作業のフィーチャーを活用した、平面における2次元溶接板を3 次元溶接板構造物に変換するフィーチャーベース方式の溶接構造系モデラーの開発につい て述ベ、2次元溶接板の3次元溶接物組立体への変換・組立性の妥当性の検証とグループ フ ィ ー チ ャ ー を 利 用 し た 溶 接 線 デ 一 夕 の 生 成 手 順 を 論 じ た も の で あ る 。 第4章では、口ボッ.ト溶接に用いる作業冶具の一種であるポジショナーの利用例の解析 から、口ボットとの統合動作制御方式の開発およびその適用方式を提案している。まずポ ジションパラメ一夕に従う溶接作業の安定度及び安定領域の数理的モデルが溶接品質と溶 接生産性に大きく影響することを論じ、あわせて、溶接手順決定問題を含んだ多層―多溶 接線溶接工程計画に対するアルゴリズムの構築を行っている。
第5章は、溶接用ロボットの衝突回避経路計画を論じたものであり、溶接作業中のロボ ットの経路生成計画と、ロボットが溶接線に接近あるいは離脱するときの経路生成の問題、
すなわち 溶接線間での経路計画との基本的なニつの形態に分類して取り扱っている。
第6章では、滑らかでかつ正確なロボット経路を迅速に生成するために、三つの方式に よるロボット関節軌跡生成アルゴリズムを提案し、工業的な有用性を論じている。第ーの 方式は与えられたロボット経路の位置デ一夕のみに依存して関節軌跡を生成するものであ り、第二の方式は位置デ一夕に加えて、速度データの逆変換までを利用する方式である。
そして、第三の方式は速度データの直接変換及び経験的な限界数式に基礎を置いた方式で ある。
第7章は、対話式プ口トタイプシステムである本研究で提案したフィーチャーペース工 程計画システムがフレーム構造及びそのアルゴリズムを基本として開発されたことを示し、
開発されたシステムをフィーチャーペースの溶接構造体モデラーを含め、9個のモジュー ルで構成した。また各工程計画による事例研究をエキスカベーターの腰部分の部品である センターフレームを対象にして行い、その成果を示している。
第8章は結論と総括であって、本研究において得られた結果を総括して述ぺている。
これを要するに、著者は、アーク溶接用ロボットのためのフィーチャーベース工程計画 の新知見を得たものであり、工程設計の自動化を可能としており、精密工学および生産情 報処理工学の進歩に貢献するところ大なるものがある。
よって著者は、北海道大学博士(工学)の学位を授与される資格あるものと認める。
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