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第1節 「空間的思考カ」に関する調査と考察1分析

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(1)

第3章 「空間的思考カ」に関する実証的考察

第1節 「空間的思考カ」に関する調査と考察1分析

1.調査の目的と概要

(1)調査目的

小学4〜6年生を対象とした調査を通して,調査問題に対する難易度及び学年間におけ る変化を分析し,「空間的思考力」に関する児童の実態を明らかにする。

(2)調査問題 (巻末資料)

 調査問題では,表3−1に示す3タイプの空間的課題を設定した。これらの問題は,現在 の小学校カリキュラムでは扱われていない内容である。なお,これらの問題はいずれも,「空 間的思考力」の諸能力のある一つの能力だけを用いて解くことのできる問題ではなく,複 数の能力を複合的に生かして解くことが求められる問題である。

[表3−1 調査問題の分類]

タイプ 調査問題Nα

見』 対象を動かしたとき,あるいは,自分が動いた 1:立体模型の見え方

A

とき,対象がどのように見えるかを推論する 2:影の見え方

方 3:視点の転換

4:サイコロの組み立て

B

念頭操作で対象を動かし,その動きを推論する 5:展開図の組み立て 6:サイコロの回転 移 与えられた情報をもとに,経路を推論で判断す 7:アリの経路

C

81校舎内経路

 調査問題を一例挙げて,「空間的思考 力」の諸能力との関係について述べる。

図3.!.1に示す調査問題6は,立方体 の回転及び回転の合成をみる問題であ

コー

(2)

る。立方体が★印,また,ゴールに到達したときの●の面の位置を解答する。

 この問題の場合に求められる能力は次の通りである。

 I一①空間図形を認識する力

 一図を見て,立方体が回転するイメージを構成する能力  I一③ 空間イメージを操作する力

  立方体が回転するイメージを念頭操作する能力

 1I一② 立体を図で表現したり,図から立体をイメージしたりする力

  図から立体を読み取り空間イメージをつくり,それを再び次元を落として図に表現す   る能力

このように,「空間的思考カ」の複数の能力を複合的に生かして解決する問題を,AB Cの 3つのタイプで計8問設定した。

(3)調査対象

   兵庫県公立小学校2校(表3−2)

[表3−2調査対象1

第一次  N小学校

第二次 H小学校

第4学年

16

111

第5学年

22

102

第6学年

23 98

61

311

(4)実施日時

    第一次 2011年5月中旬     第二次 2011年6月中旬

 第一次調査は小規模校における調査である。その調査における児童の反応を踏まえて,

第二次調査では調査問題の内容を若干修正した。

(5)実施方法

   時間20分,一斉テスト形式で,質問には個別対応する。

(3)

2.第一次調査

(1)調査結果

 表3−3は,第」次調査問題の正答率を示している。この結果をもとに,児童の実態の傾 向と調査問題の難易度を見ることにする。

      [表3−3第一次調査正答率コ【人数(%)】

N4年 N5年 N6年

問題No.

N=16 N=22 N=23

16(1OO.O) 20(90.9) 23(100.O)

1

16(100.0) 20(90.9) 23(100.O)

1 10(62.5) 15(68.2) 20(87.0)

2

2 帖(93.8) 22(100.O) 20(87.O)

3 16(100.O) 22(100.O) 23(100.O)

1 12(75.0) 15(68.2) 22(95.7)

3一①

2 15(93.8) 22(100.0) 23(100.O)

3 15(93.8) 22(100.0) 23(100.0)

1 11(68.8) 17(77.3) 20(87.0)

3一②

2 11(68.8) 18(81.8) 20(87.O)

3 11(68.8) 17(77.3) 21(91.3)

4 11(68.8) 15(68.2) 20(87.O)

5

7(43.8) 16(72.7) 12(52.2)

11(68.8) 16(72.7) 21(91.3)

6

②* 6(37.5) 10(45.5) 9(39.1)

7

8(50.O) 13(59.1) 19(82.6)

8

12(75.O) 16(72.7) 21(91.3)

(2)調査問題の難易度 表3−3の結果に基づき,

6②*:6①が正答し, さらに②も正答した者の人数と割合を示す

3学年全体の問題別正答率を図3.1.2に示す。

(4)

O.4 1  1・1

 1・2  2−1  2・2  2−3 3−1−1 3.112 3.1 3 3・2・1 3 2・2 3 2 3

 4  5

6−1 6−2

 7  8

〔図3.1.2第一次調査学年別正答率コ

 図3,1,2で○印をつけている問題1(1),問題1(2),問題2(2),問題2(3),問題3一

①(2),問題3一①(3)は,3学年とも正答率が高く,児童にとっては容易な問題であった と考えられる。これらの問題は,いずれも「A見え方」タイプの問題である。また,口印を つけた問題6②は,3学年すべてに共通して正答率が低く,難しい問題であったと判断で きる。児童にとって容易であった問題と難易度の高かった問題について考察する。

ア.難易度の高い問題【6②】

問題6 サイコロをころが と?

①★にきたとき,●は,どこにありますか。

ゴ_ル    左・→

後ろ   答え (  )

       前   下

②ゴールにきたとき,●は、どこに

ありますか。答え(  )

[図3.1.3調査問題6]

(5)

 図3.1.3に示した調査問題6は,狭間ら

(2000)のサイコロ転がしを参考に作成した 問題である。立方体の回転及び回転の合成 を見る課題である。

 この①の段階で正答している児童は,4,

5年:7割,6年:9割を示している(表

3−4,3−5)。手前に3マス転がす段階での正 答率がそれほど低くないことから,念頭操 作や図に書き入れるなどの工夫によって,

対応できていることが分かる。

 ②の段階において誤りが生じた原因は,

次のように考えられる。

・ゴール前の手前へ1コマの転がし方を誤 った。つまり,皿方体を回転させるのでは なく,スライドさせていると考えられる。

・下の図3.1.4で説明すると,★の地点で,

⑤のように直角方向転換させるのではなく,

0のように立方体の手前の面(斜線部分)

を右方向に向きを変えてから,回転させた

と考えられる。

 児童の聞き取り調査は実施していないた め,児童の解答から誤りの原因を分析し,

連続した思考を要求する課題において,直 角方向転換に関する困難点があるのではな いかと考えた。

表3−4 間題6に対する児童の反応

解答 第一次

N皿

① ②

4年 5年 6年

正答 後ろ

6 10 9

後ろ

3 0 5

』同1』

O 3

1

O 3 5

2 0 0

0 0

1

1

0

1

後ろ 0 O 0

⊥同1j

O 0 0

O O O

1 1

0

0

1

O

0 O O

誤 後ろ

1

0 0

止同1j

O 0 O

O 2 0

0 0 0

0

1

O

O O O

後ろ O O O

皿同1』

皿剛

O 0 0

O O 0

右 O 0

1

1

0 0

0

1

0

後ろ

O 0 O

』則

O 0 0

O O 0

右 O O O

0 0 O

無回答 0 0

1

別答 O 0 O

表3−5

解答

間題6に対する児童の反応(2)

4年

37,5 31. 3

18.8

0.9

第一次

5年

45.5 27.3 22.7

4.5

6年

39,1 52.2

4.34.3

*学年全体に対する割合(%)

⑧直角方向転換 ○立方体の向きの変更

(6)

イ.児童1ことづて容易な問題【1①,1②,2(2)、2(3),3一①(2),3一①(3)】

ア)問題1①、②

        ちよくほうたし、

例)

kコ直方体

     ちょくほうたい

ある方向から直方体を見ると,

       やじるし

正左形に見えました。どこから見たのでしょう。矢印をかきましょう.

答え

①〔コ

        尺んちゆつ

        円柱

      ある方向から円柱を見ると,

       やじるし

  円に見えました。どこから見たのでしょう。 矢印をかきましょう。

○答え

②〔コ

        えんちめう

        円柱

      ある方向から円柱を見ると,

      やじるし

  長左匿に見えました。どこから見たのでしょう。 矢印をかきましょう。

答え

[図3.1.5調査問題11

[表3−6 問題1正答率]

 問題1に関しての正答率は,表3−6に示 しているように,4年生,6年生は1OO%

である。5年生もほぼ9割が正解している。

問題1①の誤答(図3.1.6⑧・0)及び問 題1②の誤答(図3.1.7⑤・⑤の→)を記 入した児童はそれぞれ1名ずつであった。

問題1①②の誤答例の児童は,同一児童で あり,22名中20名は,正答していることになる。

N4年 N5年 N6年

問題

N:16 N=22 N=23

16(100.0) 20(90.9) 23(100.0)

1

16(100.0) 20(90.9) 23(100.0)

「一一一

.ρ∵戸1        0

[図3.1.6誤答例(1)]

なる。

[ミ]⑤

@ ↑⑤

(7)

イ)問題2(2)(3)

周2、何のでしょ1・よ/晴れた目、外で,こんな影を見つけました。何の影でしょll㌔下の口か

ら選び,記号で答えましょう。答えは,1つとはかぎりません。

ω●一

(2)

■区コ

G)

 問題2は,影の形を見て,

その影になる具体物を絵から 選択する課題である。「A見

え方」に関する課題となって

いる(図3.1.8)。

 問題2(2)の課題に対する 児童の反応を表3−7,3−8に

示した。

(キ)うきわを選択している

児童が,4年生1名(6.3%),

6年生3名(13.0%)にとど まっており,具体物と影との 関連を読み取ることができて

いる。

 また,問題2(3)は,三角 形の影の形から具体物の絵を 選択することになるが,表

(ア)ポール

ノ 、

      (ウ)半分に切った

(イ)ばこ      すいか

1〜、 亨

(オ〕とんがりぽうし

[図3.1.8

(カ)野球のべ一ス

調査問題2]

 [表3−7間題2(2)

(工〕かんづめ

(キ)うきわ

児童の反応①]

解答

4 5 6

完答イ,工,カ 3(18.8) 7(31.8) 6(26.1)

正答 イ,カ 6(37.5)

10(45.5)

9(39.1)

イ,工

0( 0) 3(13.6)

0( 0)

5(31.3) 0( O) 3(13.0)

1(6.3)

2(911)

2(8.7)

イ,エ,カ,キ

1(6,3)

0( 0) 3(13.O)

計 16 22 23

[表3−8間題2(2)

児童の反応②]

解答

4

5

6

11

(68.8) 22(100.)

20

(87.0)

正答

1 (613) 10(45.5) 9 (39.1)

15

(93.8) 17(77.3)

21

(91.3)

誤答

1 (6.3)

0(0)

3 (13.0)

解答 正答  オ

[表3−9間題2(3)

4 16  100,0

児童の反応コ

22  100.0

23 100.0

(8)

3−9に示すように,全員正解となっている。とんがりぼうし以外の選択肢がなかったためで あると考える。

ウ)問題3一①(2),3一①(3)

②甲

⑧硬→

・白

一θ⑤

次の写真は,どのカメラでとったのでしょう。

⑧〜②の記号で答えましょう。

(1)        (2) (3)

[図3.1.9調査問題3一①]

[表3−1O調査問題3一①(2)児童の反応]

 図3.1.9は,問題3一①を

示している。

 表3−10,表3−11に示した ように,問題3一①(2)(3)

においては,ぽぽ全員が正答 を選択することができてい

る。

解答

4

5 6

正答

15

(93.8)

22

(100.)

23

(100.)

誤答

1 (6.3) 0 O) 0 O)

計 16 22 23

[表3−11調査問題3一①(3)児童の反応]

解答

4

5 6

正答

15(93.8) 21(95.5) 23(100.)

い 0(O)

1(4.5)

0(O)

誤答

1(6.3)

0(O) 0(O)

計 16 22 23

(9)

(3)学年間の変化 ア.有意差のある問題

 ここでは,第一次調査結果における学年間の変化をみることにする。第一次調査学年別 正答率(表3−12)に基づき,学年間の比較(表3−13,3−!4,3−15)を行うと,次のような結 果が得られた。

[表3−12

第一次調査学年別正答率]

4年 5年 6年

1−1 100.

90.9 100.

1−2 100.

86.4 100.

2−1 62.5 68.2 87.0

2−2 93.8 100.

87.0 2−3 100.

100.

100.

ヨー1−1

7510 6812

95.7

3一ト2

93.8 100.

100.

3−1−3

93.8 100.

1001

3−2−1

68.8 77.3 87.0

3−2−2

68.8 81.8 87.0

3−2−3

68.8 77.3 91.3

68.8 68.2 87.O

43.8 72.7

5212

6−!

68.8 72.7 91.3

6−2 37.5 45.5 39.1

50.0

5911

82.6

75.O 72.7 91.3

 4年と5年に関して比較すると,有意差(t検定[危険率5%])は見られなかった(表

3−13)。

[表3−13 4年と5年間の比較1

4年 5年

有意

1−1 100.

90.9 1−2 1001

8614

2−1 62.5 68.2

2−2 93.8 100.

2−3 ユOO1

100.

3−1−1

75.0 68.2

3−1−2

93.8 100.

3−1−3

93.8 1001

3−2−1

68.8 77.3

3−2−2

68.8 81.8

3−2−3

68.8 77,3

68.8 68.2

43.8

7217

6−1 68.8 72.7

6−2 37.5 45.5

50,O 59,1

75.O 72.7

 また,5年,6年に関しての比較においては,表3−14のように一つの問題(問題3一①

(1))において有意差が見られた。

[表3−14 5年と6年間の比較1

5年 6年

有意

1−1 90.9.

1OO.

!−2

86.4 100.

2−1 68.2 87.O

2−2 100.

87.O 2−3 1001 100.

3−1−1

68.2 95.7

3−1−2

100、

100.

3−1−3

1OO.

100.

3−2−1

77,3 87.O

3−2−2

81.8 87.O

3−2−3

77.3 91.3

4

68.2 87.0

72.7 52.2

6−1

7217

91.3

6−2 45.5 39.1

59.1 82.6

72.7 91.3

(10)

 さらに,4年,6年に関しての比較においては,表3−15のように一つの問題(問題7)

において有意差が見られた。

      [表3−154年と6年間の比較]

有意

1−1 1OO.

100.

1−2 100.

100.

2−1 62.5 87.O

2−2 93.8 87.0

2−3 100.

1OO.

3−1−1

75.O 95.7

3−1−2

93.8 1OO.

3−1−3

93.8 1OO.

3−2−I

68.8 87.O

3−2−2

68.8 87.O

3−2−3

68.8 91.3

4

68.8 87.O

43.8 52.2

6−1 68.8 91.3

6−2 37.5

3911

7

50.O 82.6

75.O 91.3

つまり,有意差(危険率5%)のあった問題は,表3−16の通りである。

       [表3−16有意差の見られた問題]

比較した学年

問題Nα

4・5年

5・6年 3一①(1)

4・6年

7

イ.学年間の変化

 1

@      ・M     +1・・1       ハ

@       ・■一1・・2

O.8      +2一一1

4年     5年     6年

[図3.1.1O第一次調査正答率]

(11)

 1 …」一      〉  .一 .一一一一 .I. .II一一一 一一.一II.一1

、、8_二1___二11州

1、、に回    一・一ト・

      ・X−2・・2

1…1

      一X−2 一3        3・・1・2

10二

       3 1 3      4年    5年    6年

L__.一、   .」.、   一 _一.._、_   」

[図3.1.11分類①]

  1

1

 08 L一一」一一一一・可:

   一     I

㌧町一

O.6

0.4

0.2

0

十3・・1・1

L_._r

4年    5年    6年

7

      [図3.1.12分類②③コ

学年別の正答率(図3.1.10)に基づき,有意差の見られた問題を中心に,正答率に関して 同じ傾向を示す問題をまとめ,三つに分類した(図3111.3112)。

分頼①(図3.1.11):学年による変化は見られない。すべてrA見え方タイプ」の問題とな

っている。

分類②(図311,12):5年と6年の間にのみ有意差が見られる。5年生の正答率が他の2学 年よりも低くなっているが,4・5年はほぼ同様の反応であると考えられる。

分類③(図3.1.12):学年による上昇がみられ,4年と6年の間に有意差がある。4年生児 童のうち無解答が5名(31.3%)いることから,題意の条件を把握することが難しいことが 判断できる。学年上昇に伴い,題意の把握ができるようになっていると考えられる。また,

課題解決のためには,見取図の読み取り,図表現が求められる。これに関しても,学年上 昇に伴い,正答率が上昇していると判断できる。

(12)

3 第_次調査

(1) 第_次調査問題における修正

 第一次調査の児童の反応より,児童に題意が伝わりにくい問題があると判断した。その ため,若干の修正を加えた調査問題がある。それは,以下の問題である。

ア.問題4(図3.1,13)

 展開図を念頭で「山折り」にして,イの さいころをっくる問題である。印刷の不備 から生じた状況として,展開図の裏面にさ いころの目がかいてあるとすれば,「谷折

り」をした場合,ウのサイコロをつくるこ とが可能になってしまうことが判明した。

そのため,②に示したように,展開図への 操作を提示し,児童が題意を把握するため の視覚的情報を与えた。

● ●

●●

 ●

イ    ウ

・÷㊦㊧

1曹

[図3.1.13調査問題4]

イ 問題6(図3.1.14,3.1.15)

 サイコロを転がし ★(1)ゴールに来たとき(2)のサイコロ●の面の立 を える

 図3.1.14に基づいた第一次調査では,ゴール直前の矢印を「転がす」ではなく,「スラ イドする」と捉えたと判断できる解答があった。そのため,図3.1.15のように,矢印を外 側にかき,rサイコロをゴールまで転がします。」と明記した。

①∠

[図3.1.14第一次調査問題1

[図3.1.15第二次調査問題]

(13)

ウ 問題8(図3.1,16)

 写真に示された場万を 出して 建物の・ 面図を使って ゴールまで 動 る問題  第一次調査では,対象児童の通うN小学校の実際の校舎地図と写真を用いて問題作成し た。H小学校の児童を対象とした第二次調査では,これと同じN小学校の校舎地図と写真 を用い,「ある小学校」として問題文の一部を修正し提示した。つまり,この問題の場所に ついて,第一次調査対象の児童は建物を知っている,第二次調査対象の児童は建物を知ら ない,という条件のちがいがある。

 =j,二 きん一{。呵砧τ、高る.I・,旧I二、青書きした,ホき也^iら.市O■高言と 」,し。た.

 一一冊=       舳

≡鶴聾  一一  巴1

1一、.ζ.vぺ、、

f一 x★    ・

.,小

焉I  .

昧ん。1−1!早鴉〕      岨皇室岐■1

1二・∵、

。 、, 一

  同絶主 ■11

二鞍∴ニニ、二

卜、㎜.㎜ 予炸、ザ㎜回1・1

r

㍗一■■・■

一売』■1

1川uI

□r・パ2年11年 舳舳=

∴・1

㌃ゼ

■●■

  ■〜■

●,口,■■

 ㎜

團■■

□舳  

   含

   一 ㎜!財

..■ ■D.H.ト㍗舳榊..、.

[図3.1.16調査問題8]

(14)

(2)調査問題の難易度

表3−17は,調査問題に対する児童の正答率を示している。

       [表3−17第二次調査の正答率]人数(割合%)

H4年 H5年 H6年

問題M.

N=111 N=102 N=98

106(95.5) 98(96.1) 94(95.9)

1

104(93.7) 96(94.1) 94(95.9)

(1) 72(64.9) 80(78.4) 69(70.4)

2 (2) 105(94.6) 89(87.3) 84(85.7)

(3) 110(99.1) 100(98.0) 96(98.O)

(1) 86(77.5) 84(82.4) 87(88.8)

3一① (2) 110(99.1) 100(98.O) 96(98.0)

(3) 107(96.4) 101(99.O) 96(98.O)

(1) 92(82.9) 88(86.3) 86(ε7.8)

3一② (2) 78(70.3) 81(79.4) 86(87.8)

(3) 77(69.4) 83(81.4) 86(87.8)

4 36(32.4) 24(23.5) 41(41.8)

5 46(41.4) 51(50.O) 51(52.O)

83(74.8) 90(88.2) 75(76.5)

6

②* 37(33.3) 56(54.9) 48(49.0)

7 53(47.7) 75(73.5) 74(75.5)

8 51(45.9) 78(76.5) 70(71.4)

6②*: 6①②ともに正答した者の人数と割合

(15)

この結果に基づき,3学年全体の問題別正答率を図3.1.17に示す。

      0.2      0.4       0.6       0,8       1

      3−2 ・2 一冊

      4

       −       1        [図3117第二次調査間題学年正答率]

 図3.1.17で○印をつけている問題1(1),問題1(2),問題2(3),問題3一①(2),問題 3一①(3)は,3学年とも正答率が高く,児童にとっては容易な問題であったと考えられる。

これらの問題は,いずれも「A見え方」タイプの問題である。また,口印をつけた問題4,

問題5,問題6②は,正答率が低く,3学年すべてに共通して難しい問題であったと判断 できる。これらは,rB動き」タイプの問題である。課題解決が難しかった問題4〜6につ いて,児童の反応を以下に示す。

ア.問題4(図3.1.18,表3−18)

 展開図を組み立てて完成するサイコロを選択 する問題(図3.1.18)である。表3−18に示した通

●●

怐。

 ア●  ・ ● ■  ●

@●・・

イ ウ

●●●

怐怐

●●●

@●

.・

怐怐。

[図3.1.18間題4]

[図3118 問題4]

り,学年全体の4〜5割の児童がウと解答している。ウは,5の面を基に考えた場合,

側面の左右の配置が正解のサイコロと逆になる。このウを選択したことによる誤りが多 いということから,2次元(展開図)で示された面の配置を見ながら,3次元(立体)の空 間像を構成し,さらに,2次元で示された図(立体)に戻して考える課題場面において,

(16)

面の相対的な配置を読み取ることが難しいことが分かる。

[表3−18問題4における反応] *人数(学年全体に対する割合%)

アイ イウ アウ

すべて

ちがう

無解答

4 15(13.5〕 舳2.4) 42(37.1〕 O(O) O(O) O(O) O(O) o(o〕 O(0)

5 14(13.7) 24(23.5) 姉3.1〕 O(O) 4(3.9) 0(O) 3(2.9) 0(O〕 2(2.O)

6 9(9.2〕 舳L8) 42(42.1) ^O) 山.O) 1(1.o〕 山、1〕 1(1.o) 3(3.1)

イ.問題5(表3−19,表3−20)

 この問題では,空間思考力I一①,I一③,n一②の能力を総合的に活かして解くこと が求められる。具体的には,次の2点が挙げられる。

・面の形,大きさが示されていない四角錐の見取図から,それがどのような立体であるか を読み取ること。

・7枚の展開図からどのような立体が構成されるかを念頭操作によって考えること。(面の 大きさが不適切な展開図(ア・オ),面の配置が不適切な展開図(ウ・カ・キ)を含む。)

 9割以上の児童が,正しい答えであるイあるいは工を選択している。ただ,四角錐にな らないものも選択しているため,誤答となっている(表3−19)。四角錐にならないもののう ち,児童が多く選択したのは,ア・ウである(表3−20)。

・アを選択したのは,見取図の読み取りにおいて,底面の図形が正方形であるとは読み取 れなかった,あるいは,底面と側面の辺の長さが異なることには着目しなかったと考えら

れる。

・ウは,カ・キと同様の三角形と正方形の面の配置が異なるパタ]ンの展開図である。カ・

キを選択する児童もいることから,三角形の並びにまどわされていると考えられる。

[表3−19間題5における反応]

解 答

4年 5年 6年

イエ 完答

28(25.2) 39(38.2) 36(36.7)

正答

15(13.5) 13(12.7) 14(14.3)

3(2.7) 2(2.0) 1(1.O)

  I

Cエ1*ア・ウ・オ・カ・キ 56(5015) 35(34.3) 37(37.8)

  1

C :*ア・ウ・オ・カ・キ  一

5(4.5) 7(6.9) 6(6.1)

誤答

 ,

G:*ア・ウ・キ ■

1(0.9) 3(2.9) 1(一 P.0)

ア・ウ・カ・キ 2(1.8) 1(1.0) 2(2.0)

*イ及び工を選択し,ア〜キのいずれかを選択しているもの

(17)

[表3−20問題5における誤答]

解答

4年 5年 6年

28(25.2) 17(16.7) 18(18.4)

30(27.O) 18(17.6) 17(17.3)

誤答

8(7.2) 5(4.9) 7(7.1)

15(14.7) lO(9.8) 16(16.3)

27(24.3) 10(9,8) 11(11.2)

ウ.問題6(表3−21)

 この問題は,狭間ら(2000)の調査問題「さいころ転がし」を参考に作成したものである。

念頭操作による立方体の回転及び回転の合成ができるかを見る問題であり,空間思考力I 一①,I一③,■一②の能力を総合的に活かして解くことが求められる。①から②に進む 地点とゴール手前の2か所で直角方向転換ができるかがポイントとなる。①→②における 正答率は,4年74.7→33.3%,5年88.2→54.9%,6年76.6→49.O%である(表3−21)。手 前に3マス転がす段階での正答率がそれ   [表3−21間題6に対する児童の反応1 ほど低くないことから,念頭操作や図にか

き入れるなどの工夫によって,対応できて いることが分かる。しかし,②の段階にな ると,どの学年も正答率が低下している。

(3)学年間の変化 ア.有意差のある問題

解答 学年全体に対する割合%

① ②

4年 5年 6年

O

33.3 54.9 49.0

O

× 41.4 33.3 27.6

×

O

1411 10.8 17.3

× × 4.5 1.O 3.1

正答率(表3−22)に基づき,学年間の比較(表3−23,3−24,3−25)を行うと,以下のよ うな結果が得られた。

[表3−22 第二次調査学年別正答率1

4年

1−11−22−12−22−33−1−13−1−23−1−33−2−13−2−23−2−34

5  6−1 6−2

95,5  93,7  64,9  94,6  99,1  77,5  99,1  96,4  82,9  70,3  69,4  32,4  41,4  74,8  33.3 96,1  94,1  78,4  87,3  98,0  82,4  98,0  99,0  86,3  79,4  81,4  23,5  50,0  88,2  54.9 95,9  95,9  70,4  85,7  98,0  88,8  98,0  98,0  87,8  87,8  87.8  4118  52.0  7615  49.0

47.7 73.5 75.5

45.9 76.5 71.4

 4年と5年に関して比較すると,表3−23に○で示した六つの問題(問題2①・問題3−

2(3)・問題6①②・問題7・問題8)について,t検定[危険率5%コにおいて有意差

が見られた。

(18)

[表3−23 第二次調査4・5年正答率の比較1

4年

有意

1−1 95.5 96.1

1−2 93.7 94.1

2−1 64.9 78.4

2−2 94.6 87.3

2−3 99.1

9810

3+1 77.5 82.4

3+2 99.1 98,O

3−1−3

96.4 99.C

3−2−!

82.9 86.3

3−2−2

70,3 79,4

3−2−3

6914

81.4

32.4 23.5

41.4 50.0

6−1 74.8 88.2

6−2 33.3 54.9

47.7 73.5

45.9

7615

 5年,6年に関しての比較においては,表3−24のように二つの問題(問題4・6①)に おいて有意差が見られた。

[表3−24第二次調査5・6年正答率の比較1

5年 6年

有意

1−1 96.1

9519

1−2 94.1 95.9

2−!

78.4 70.4

2−2 87.3

8517

2−3 98.O 98.O

3−1−1

82.4 88.8

3+2 98.0 98.O

3+3 99.O 98.O

3−2−1

86.3 87.8

3+2 79.4

8718

3−2−3

81.4 87.8

4

23.5 41.8

50.0 52.O

6−!

88.2 76.5

6−2 54.9 49.0

7

73.5 75,5

76.5 71.4

 4年,6年に関しての比較においては,表3−25のように七つの問題(問題2②・問題3

−1(1)・問題3−2(2)(3)・問題6②・問題7・問題8)において有意差が見られ

た。

[表3−25 第二次調査4・6年正答率の比較コ

4年 6年

有意 1−!

95.5 95.9

1−2 93.7 95.9

2−1 64.9 70.4

2−2 94.6 85.7

2−3 99.1 98.O

3−1−1

77.5 88.8

3+2 99.1 98.O

3−1−3

96.4

9810

3−2−1

82.9

8718

3+2 70.3 87.8

3−2−3

6914

87.8

32.4 41.8

41.4 52.O

6−1 74.8 76.5

6−2 33.3 49.0

47.7 75,5

45.9 71.4

 つまり,4〜6年の正答率について,有意差(危険率5%)が見られた問題は,表3−26の

通りである。

[表3−26 有意差の見られた問題コ

比較した学年

問題Nα

4・5年

2(1)・3一②(3)・6①②・7・8

5・6年 4・6①

4・6年 2(2)・3一①(1)・3一②(2)

(19)

イ.学年間の変化 1丁一一

O.8+山

04∵

O・2r四

十1・・1

一■一1・・2 一2・・1

−X■2・・2

■X■2・・3

+3−1一・1 =

・十一3 1 一2

−3 1 31

■固R・2・・1

+3 2 一2

.国一3.2 3

・念■4

  5

  6・一1   6・・2

  7   8

5年 6年

[図3.1.19第二次調査正答率コ

  1r一一・・一・

   一    」    一    一    一

 〇.8

   ;1

 O.6 +一寺一一一一・・ 、1

O.4+一一→

02+一一一一一…一一1−

    4年    5年

・一一ム一一一・・…・・一・一・r1

   6年

[図3.1.20

分類ア・イ・ウ]

「山一1丁…一

O.8 +一一・一 =二一

1目

O.4 +・一・・

4牛 5年    6年

(20)

[表3−27学年変化の分類]

変化の分類 学年間に有意差が見られる問題

4・5年 5・6年 4・6年

ア)学年による変化がない

イ)山型の変化である

2(1)

U① U②

W

6①

ウ)谷型の変化である 4

工)学年による下降がある

2(2)

オ)学年による上昇がある

3一②(3)V 3一①(1)

R一②(2)

 学年間の正答率(図3.1.19)に関して,同じ傾向を示す問題をまとめ,五つ(ア〜オ)

に分類した(図3,1.字0,図3.L.21)。さらに,表3−27において,五つに分類した問題が,

どの学年間で有意差が認められたかを示している。

分類ア(図3.1.20):これらは,「A見え方」の問題である。学年による変化は見られず,

3学年とも9割以上の正答率である。児童にとっては容易な課題であることを示している。

       問題1①一!②・2(3)一3一①(2)(3)

分類イ(図3.1.20):山型の変化を示す。すべて,4年と5年との間に有意差があり,問題 6①については5年と6年との間にも有意差がある。

分類ウ(図3.1.20)=谷型の変化を示しているが,5年と6年の間にのみ有意差が見られる ため,4年と5年はほぼ同様の様相であると判断できる。4,5年から6年にかけての上 昇があるといえる。

分類工(図3.1.21)=全問中,唯一学年ごとに下降している。4年と6年の間に有意差があ る。学年が上昇するにつれ,多様な見方ができるようになったことによって,誤った解答 を選択している傾向が見られる。

分類オ(図3121)学年に伴い上昇がみられる。

(21)

4.第一次調査及び第二次調査に関する考察

(1)児童に見られる困難性

         《I一①,I一③,皿一②1こ関連》

 図3.1.22,図3.1.23に示した問題のように,2次元の 図(展開図や見取図・平面図)を見て,立体や空間をイ メージすることが難しいこと,また,視覚情報(写真)

と平面図を関連づけて,空間をイメージしながら経路を 考えることが難しいと分かった。

    ・亙r

     涌卜∵…∴㍉

 I・.・。・々一一τ1   !㌔電.{

、.!」

G 岬一w

一一

」盲町1貫

可 一一        [図3.1.22間題5]         [図3.1.23間題8]

幽二と《皿一②1こ関連》

 2次元の図からつくりあげた空間イメ」ジを,調査問題に解答するために,次元を落と して,図に表現することが難しいことも分かった。図311.23に示した解答は,3次元で考 察した経路を的確に見取図に表現することができなかった例である。

1

1  ノ

・一Y

[図3.1.23問題7]

幽;と《I一③に関連》

 問題6において,図3124に示した①から②への直角に方向を変えるところでは,多く の児童が,人が方向転換するかのように,立方体の向きを変えて回転させている。

2

(22)

これに関して,狭間ら(2000)の調査分析に,次のような指摘がある。

   《立方体をコースに沿って90度回転させるイメージカが弱い》(狭間ら,2000,p.70)

 この調査においても,3学年において,念頭操作で立方体を回転させること,特に,直 角に方向転換させるところをイメージすることに児童の困難性があることが明確になった。

 rA見え方」に関する問題において,次のような傾向が 見られた。具体物の写真を見て,どの方向から見ているか という間い(図3.1.25)に対して,前後左右の方向を逆に している間違いが目立った。正面を意識し,それに対する

      ‡^1■真掘。肚神力.時モ生r吐訂1一山出.

前後,左右を判断するところに,あいまいさがある。    H嚇㎡舳・

(2)学年間の変化1こおける特徴 [図3.1.25間題3一①コ

 分類アの問題では,どの学年も9割以上の正答率であった。これは,学年あるいは,学 習経験の有無に関係なく,児童にとって容易に解決できる問題であるといえる。「A見え方」

(対象を動かしたとき,あるいは,自分が動いたとき,対象がどのように見えるかを推論 する)タイプとして作成した問題の多くがこれに含まれている。

 有意差が見られた問題10間(小間を含む)のうち6間は,すべて4〜5年の間のもので ある。その中で,学年差が顕著に表れているものを示すと,以下のようになる。

 問題7では,問題解決のための3つの条件に基づいて経路を導き出す際,4年生は同じ 長さにするという1つの条件にとらわれ,正しい経路を導き出すことが難しかった。また,

問題8では,5・6年生は,ぽぽ同様の反応が見られたのに対し,4年生は,平面図を読 み取ることが難しく,経路を導き出して表現することも難しかった。

(23)

第2節 r空間的思考力」に関する授業実践 「立体と投影図」

1.実験授業の目的と概要

(1)授業の目的

 r空間的思考力」のうち,I一④,■一②の能力を培うための教材を考案した。

 ここで,I一④「空間図形を見抜く力」,1I一②「立体を図で表現したり,図から立体を イメージしたりする力」を確認しておこう。

I一④ 空間図形を見抜く方

図に表現された空間図形を認識し,あるいは,複数の空間図形の関係を認識する力 n一②立体を図で表現したり,図から立体をイメージしたりする力

立体を2次元図に表したり,2次元図から立体をイメージしたりする力

 この教材では,特に,「立体の見えない部分を見抜く力(見えない部分を想定しながら立 体をつくる)」と「立方体,円柱,三角柱,四角柱を投影図に表したり,多方向からの投影 図をもとに立体をつくったりする力」を培うことを意図した。

 この実験授業は,2011年3月中旬,兵庫県公立小学校第5学年23名を対象に実施

した。

(2)実験授業1「シルエットで形を伝えよう」

ア.主な学習活動

活動① 立体を図に表す(練習)(図3.2.1)

 投影図の表し方を知ることが,この活動の目的であ る。立体模型(立方体3個)を見て,3方向からの投 影図に表す。方眼紙のマス目をぬる方法で,投影図を

かく。

⇒■一■

[図3.2.1練習課題]

(24)

活動② 立体を図に表す(図3.2.2)

 クラスの6班(各3〜4名)をAグループ(3班)とBグループ(3班)に分け,Aグ

ループは立体Aを,Bグループは立体Bを投影図(影)に表す。AグループはBグループ に,BグループはAグループに,立体を図で伝えてみようという課題設定である。

 相手に伝えるためには,どこから見た図をかくとよいかを相談しながら.図に表す。

*Aグループ

立体A

*Bグループ

立体B

例)

      一■

⇒■。■。.一

      

[図3.2.2学習課題コ

活動③ 図から立体をつくる

 活動②で表した図を交換し,Aグループは立体Bについて,Bグループは立体Aについ ての図を見ながら,立体をつくる。すべてのグ!レーブが立体をつくった段階で,それを発

表する。

イ.児童の実態

ア) 図をかく活動(活動①②)

 なお,立体A,立体Bの正面と上を指定せずに提示したため,各班で立体のどこを正面 とするかが異なっている。

・実物(はさみ・円柱)の投影及び活動①での練習を通して,投影の理解ができた。

・作図ワークシートの方眼をぬることによって,投影図ができるということが理解できた。

・図3.2.3に示したのは,6班が,それぞれ分担してかいた投影図である。

(25)

立体

上から

立体B 監

、u_

下から

■。.■.■ 上から

左から

正面から.、、有な、ら...、j

■.■。。■

左から正面から右から

上から 岨■

□■一・□■。一。.■

左から 正面から右から

….

オ一ぎ班]

左から正面から右から

下から.

[図3.2.3 児童がかいた投影図コ

・[B−3班]のO印の図は,明らかに形が異なっている。

・[A−1班]と[A−2班]のL..1印の図は,左右が逆になっている。

・[コ印をつけた図は,図が回転し,向きが無視されている。

(26)

イ) 図から立体をつくる活動(活動③)

・それぞれのグループがつくった立体は,図3.2.4の通りである。

Aグループ Bグループ

3班とも1

2班

1.... 1、...

1班

1、、..

       [図3.2.4児童がつくった立体コ

・[A−1班]の図を見て立体をつくった[B−1班コは,発表の直前まで立体を確定できなかった。

以下に[B−1班]が立体をつ<るまでの活動の様子を示す。

i)まず,それぞれの児童が注目した1枚の図だけを見ながら,思い思いに次のような立   体をつくる。

    「正面図」鮒を見て・立体をつくる腹  ■→曲

       前から

    「下か/の図」倣見て,立体をつ/る臆・I■→亜

       下から

    それぞれの児童は,自分の見ている図と他の図を関連づけることができず,活動     が停滞する。.

i)友だちと話し合いながら,「左からの図」と「正面図」を関連づけてこの立体をつくる。

二/争岳 \

前から

(27)

世)「下から見て。」という発言で,立体を持ち上げて,下から見た形を確認する。

盈→,■句.I■

    下から見た形歴コ下からの図

iV)「下からの図」と立体がちがうと判断し,次のような立体をつくる。

。I■一笛一畠

下からの図

 この活動では,図を見て,念頭で立体をイメ」ジし,それをもとに立体をつくること,

さらに,つくった立体と図の関連を図ることが求められる。[B−1班]の児童たちは,図に示 された情報から立体をっくることはできたが,つくった立体を他方向から見るとどう見え るかといった,立体と図の関連を図ることが難しかった。

(3)実験授業2 「立体推理をしよう」

ア.主な学習活動

活動①立体を図に表す(図3.2.5)

 本時も,6つの班に分かれ,立体Cを4方向からの図に表す学習をする。班ごとに,そ れぞれの児童が分担して図をかき,1枚の模造紙に貼る。本時では.立体Cの正面と上を 指定して提示した。

      立体・↓  C□

       一→月一日[□コz

[図3.2.5 図に表す課題]

活動② 提示された図から立体をつくる(図3.2.6)

 指導者が提示した投影図(5方向からの図)をもとに,班で話し合いながら.立体Dを つくる学習をする。

      立体D        ○コ

      日日コ日⇒目コ

       ロ

[図3.2.6立体をつくる課題コ

(28)

イ.児童の実態

ア)図をかく活動(活動①)

  24枚の図のうちの15枚は,正しくかけている。間違えているものは,Oで囲んだ9枚  である(図3,2.7)。立体Cを図に表すときに見られた間違いを分類すると,以下のよう

 になる。

  ①複数の立体を1つの図に表すとき,相対的な大きさに調整できない。

  ②視点が斜めになる。

  ③円柱の側面がかけない。

  ④透視した図をかく。

○Φ  上

正一..畿一三...

[B−3班]

[図3.2.7児童がかいた投影図]

(29)

イ)図から立体をつくる活動(活動②)

 実験授業1では,児童がかいた投影図を用いて立体をつくった。その投影図の中には,

立体の情報を正しく表現できていないものがあった。そのため,正しい情報に基づいて立 体をつくるということがねらいであるにもかかわらず,その活動がすべての班に保障され ず,」部の班は投影図と立体との関連をあいまいに見てしまう結果になった。

 誤った図の情報が与えられた場合,立体を決定できない可能性が高い。どの図がおかし いのか,どこを変えると立体が構成されるかといった疑問に基づき,立体を図と関連づけ て考える学習ができると考える。しかし,投影図についての初めての学習ということを考 慮すれば,今回の授業では,正しい図を与えて立体を構成する学習が望ましいと考えた。

 そこで,実験授業2では,投影図(図3,2.6)は指導者が提示することに修正した。この 投影図から6班すべてが正しい立体Dをつくることができた。

 立体の配置については,上,右の2枚の図から決定し,正面,左,下からの図を用いて,

確認している様子が見られた。

2.考察

(1)児童の課題

ア.投影図をかく,投影図から立体をつくる活動における児童の困難性

ア) 投影図をかくこ二とについて

①立体の正面を固定しそれに対応した図をかくことが難しい。

  立体の方向(「正面」と「上」)を決めないで提示した場合,立体の向きを気にせずに  図をかく児童がいることが分かった。

②複合的な立体を1つの図に表すとき 相対的な大きさに調整することが難しい。

  複数の立体を組み合わせた図形の場合は,それぞれの立体の相対的な大きさを表す必  要がある。一つの立体を基準にして,立体の大きさを調整しながら図をかくことが,課  題である。

  三角柱・四角柱・円柱の側面(長方形)の大きさと,円柱の底面(円)の大きさを比  べると一き,円の直径・半径と長方形の辺の長さを比べ,対応させて表現できなかったこ  とが要因の一つであると考える。また,その長さに対して,あいまいな感覚で表現しよ  うとしているとも考えられる。

③左右を逆にしてかく。

  立体を図に表すとき,左右を逆にかいたものがいた。上下方向から見た場合,左右の

(30)

 形の相違に気づかない児童がいることが分かった。

④視点を斜めにした図をかく。

  立体を投影図に表す場合,見た形をそのまま表現すると,図3.2.7[A−3班]左の図の  ようになる。

  立体Cを左から見た図だけでは,円柱と四角柱に隠れて三角柱が存在していることが  読み取れない。また,見えている円柱に関しても,円柱なのか三角柱なのかを判断する  ことが難しい。そのため,相手に立体を伝える目的で,形の特徴が分かる情報を図の中  に意図的に組み入れようと考え,投影図を正しくかくことよりも斜めからの見えにとら  われてしまったのでないかと考えられる。

イ) 投影図から立体をつくることについて

①複数の図をもとに総合的に考えることができない。

   1枚の図にとらわれ,他の図と関連づけて考えることに気づくまでに,時間がかかる  児童がいた。1枚の図から立体をっくることはできるが,その立体と他の図を関連づけ  ることができなかった。これは,投影図の読み取り方が分からないこと,図を見て立体  のイメージをつくりあげることが難しいことに起因すると考えられる。

②図から」つの立体がっくれるとまだ他にも立体がっくれるかもしれないという可能 性があることに気がつかない

 ある投影図が与えられたとき,それが表す立体にはいくつかの可能性がある。しかし,

投影図から立体をつくる際,児童は一つの立体を見つけたことに満足し,他の立体がつ くれるのではないかと考えようとはしなかった。この点に関して,立体とその平面図の 関連を考えさせる学習指導が必要なのではないだろうか。

(2)実験授業で用いた教材のよさと改善点 ア.教材のよさ

①「I一④図形を見抜く力」の育成に関して

  立体の見え方に関する児童の気づきや感想の主なものは,以下の通りである。

・円柱を横にしたら四角になって混乱する。

・円柱は四角に見える。

・円柱は丸いのに,横からかげでうつすと長方形になったのですごいなあと思った。

・円柱も少し見方を変えると,円じゃなく,四角形になったのでびっくりした。

・円柱や三角柱も見るところが変わると,四角になるのでビックリした。

(31)

・円柱をシルエット(かげ)や図で表すと長方形になることがわかった。

・シルエットにかくれて(立体が)どこにあるのか分からなくなる。

・どこに,どの立体が入るのかが分からなくなって難しかった。

・かげでは形は分からないだろうと思っていたけど,その形のかげで分かる。

・シルエットなどで形を読み取ったりしたことがなかったので,難しかった。

円柱,三角柱の側面を投影的に見ると長方形に見える方向があることに驚きを示す児童が,

20名中6名(30%)いた。また,図から立体をつくるとき,かくれている立体があるの で難しい,図から形を考える経験がないので難しい,という感想も見られた。

 これらの児童の気づきや感想から,児童の立体に対する見方に多様性が生じていること が例える。また,立体のかくれているところを図から読み取ろうとしている児童の様子も

見てとれる。

②「■一②立体を図で表現したり,図から立体をイメ」ジしたりする力」の育成に関

して

人11㍊続1点1練練11練手1

11領1∴㌣1讐〆口。■

 今回の実験授業では,1授業時間の申で立体図形を平面図(投影図)

      [図3.2,8コ に表す活動及び平面図から立体図形をつくる活動の両方を行った。

 立体を図に表すとき,立体の正面を固定して,それに対応した図をかくことが大切なこ とであると考えさせる学習となった。また,図のかき方だけでなく,複数の図を総合的に 読み解き,重なりや配置を考えて立体をつくることができた。このような2次元の図をも

とに3次元像をつくって立体を構成したり,立体を2次元図に表したりする双方向の活動

(図3.2.9)を行うことは,立体1空間図形の学習        総合的に見る には欠かせない。空間図形の問題においては,ま   2次元       3次元       固定して見る

す,図から3次元像をつくり出すことが重要であ

      [図3.2.9双方向の活動]

り,このような2次元と3次元を双方向に行き来 する活動は有効であると考える。

参照

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