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河川内硬質砂礫地盤における土留め鋼矢板の適用性 

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Academic year: 2022

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キーワード:橋梁下部工,砂礫層,長尺鋼矢板,バイブロフォンサー,ウォータージェット 

連絡先:(株)大林組 新名神木津川橋工事事務所,〒610‑0121 京都府城陽市寺田大畔 77‑8,Tel:0774‑54‑6815,Fax:0774‑56‑5485

河川内硬質砂礫地盤における土留め鋼矢板の適用性 

 

西日本高速道路(株)  関西支社  新名神京都事務所  真鍋 正弘  西原 章智  (株)大林組  正会員  〇増田 裕之  牧野 昭彦  黒石 浩介   

1. はじめに 

本 工 事 は 、 新 名 神 高 速 道 路 の 城 陽 JCT.IC 〜 八 幡 JCT.IC 区間約 3.5km 内に位置し,一級河川木津川を横 架する橋長 755m の橋梁下部工を構築するものである。

橋脚 12 基の立地条件の内訳は,堤内 3 橋脚,堤防内ピ アアバット形式 2 橋脚,河川内 7 橋脚であり,橋脚間 の支間長は約 70m である(図‑1)。 

本稿は,河川内での橋脚およびフーチング構築のた めの土留工事において,硬質砂礫地盤へ長尺鋼矢板を 打設した事例を報告するものである。 

 

2. 工事の特徴と技術的課題 

(1)工事の特徴 

河川区域内では,降雨量の少ない 10/16〜6/15 の非 出水期のみの作業となる。また,出水期中の河川区域 内に鋼矢板を残置することが認められないため,準備 工から瀬替工,鋼矢板打設,基礎工,薬液注入工,掘 削・土留支保工,現地盤以深の下部工構築,鋼矢板撤 去,河川区域内の仮設材の搬出までの作業を 1 非出水 期内に行い,3 回の非出水期で河川内に橋脚 7 基の構築 を行う厳しい工程である。 

地盤条件は,河川内では砂礫主体の土層であり(図‑2), Tg 層以深の砂礫層は概ねN値 40 以上,粘性土層もN値 15〜30 と硬質である。また,既往の調査データでは各 砂礫層において最大 120mm の玉石も確認されており,

特に Og2 層は平均N値 151.4,最大N値 300 という非常 に硬質な砂礫層である。 

 

 

(2)技術的課題 

土留め壁の設計仕様は鋼矢板ⅤL型で,盤ぶくれ対策 から最大長 30m(図‑2)である。河川近傍の硬質砂礫地 盤での 30m 級の鋼矢板は事例が極めて少なく,当初計 画の電動式バイブロ工法での打設は困難と推定された ため,下記に示す①〜③の条件を満たす工法を選定す ることが課題であった。 

条件①:最大長さ 30m のⅤL型鋼矢板の打設が可能  条件②:100mm 程度の玉石を含む最大N値 300 の硬質

砂礫層(Og2 層)に貫入することが可能  条件③:8 枚/日程度の打設が可能 

最大 N 値 300 の硬質砂礫層

薬注範囲 P9 橋脚施工数量 

鋼矢板:2,934 ㎡(ⅤL型  L=30.0m)、薬注:

434m3、掘削:3,311m3、土留支保工:941t、

コンクリート:3,289m3、鉄筋:372t、型枠:

1,635 ㎡ 

鋼矢板ⅤL L=30.0m 

図‑2  橋脚側面および土質柱状図(P‑9)

図‑1  全体平面図  P12

木津川 京田辺市側 城陽市側

堤防道路 河川内 堤防道路

P11 P1

P2 P4 P3

P5 P6

P8 P7 P9

P10

□  河川内橋脚:7 基 

□  堤防ピアアバット:2 基 

□  堤内橋脚:3 基 橋長 755m

土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月)

‑1409‑

Ⅵ‑705

(2)

3. 課題の解決 

(1)試験施工に基づく工法選定 

当初工法および 1 次選定で選ばれた 3 工法の試験施 工を行い(表‑1),その結果より条件①〜③に合致する ウォータージェット併用バイブロフォンサー(以後,W JおよびバイブロF:図‑3)工法を選定した。なお,バ イブロFとは,欧州製の硬質地盤用の超高周波バイブ ロハンマーの総称で,一般的な電動式の約 3〜4 倍もの 起振力(160〜251t)を有する。海洋工事における鋼管 矢板打設の施工実績は多いものの,起振力の大きさか ら剛性の小さい鋼矢板への適用事例は少なく,河川内 における長尺鋼矢板の施工およびWJを併用した実績 は確認できていない。 

 

(2)施工時の問題点と解決策 

バイブロF工法の試験施工での実績は約 6 枚/日の出 来高であり,作業時間の調整により工程的(8 枚/日)

には満足できる見込みであった。しかし,その大起振 力によりWJパイプが振動して鋼矢板への衝突を繰返 し,2〜3 枚の打設ごとに継手が破損するという問題が 発生した。このため,WJパイプ鋼矢板取合部に嵩上 げPLを追加し,WJガイドリングのピッチを密にし た(図‑4,写真‑1)。WJパイプ振れに対する離隔確保

と振幅低減よりパイプと鋼矢板との衝突を抑制し,継 手破損頻度を大幅に減少することができた。 

4. まとめ 

先行する P6,7 橋脚においては、WJパイプ引抜き 用のクレーンを別途用意するなどの対応も行い、鋼矢 板 424 枚(L=約 26m)を約 7 枚/日のペースで打設,第 一非出水期内を所定の工程で完了した。バイブロFは 国内保有台数が非常に少なく,機械の故障や調達に問 題は残るが,WJを併用することで硬質砂礫地盤の長 尺鋼矢板打設に十分適用できることが確認された。 

工程上,事前作業が許される状況においては,全旋 回機による硬質砂礫地盤の置換工法が,確実性と施工 効率から高い適用性を示すと思われる。しかし,河川 区域内における地盤の置換行為は河川管理者の承認が 必要になるという制約があるため,そのような場合に おいても,WJ併用バイブロF工法が有効であると考 える。 

  電動バイブロ工法 

(当初計画時工法)  ②WJ併用電動バイブロ工法  ③バイブロF工法  ④WJ併用バイブロF工法 

工法  概要 

鋼矢板をバイブロハンマーによる 振動力で打設する工法 

高圧水を噴射するウォータージェッ ト(895/分)カッターにより,硬質 地盤を乱しながら、鋼矢板をバイブロ ハンマーで打設する工法. 

欧州製硬質地盤用のバイブロハン マー(=バイブロフォンサー)を使 用する工法.鋼矢板を大起振力と 超高周波による摩擦力低減で打設 する. 

バイブロフォンサーとWJ(895/分)

を併用した工法.より硬質な地盤への 鋼矢板打設が可能となる。 

 

適用 

地盤  国交省積算基準で最大N値 50  国交省積算基準で最大N値 180 

(鋼管杭・鋼矢板技術協会で 80 以下)  N値 50 以上の地盤で施工可能  N値 50 以上の地盤で施工可能 

試験  結果 

×施工不可  GL‑17.0m(Oc〜Os1)で貫入不能 

△施工可  3 時間/枚(準備作業含む) 

→3 枚/日・班 

×施工不可 

GL‑21.5m(Os2〜以深)で貫入不能 

○施工可 

1.5 時間/枚(準備作業含む) 

→8 枚/日・班 

評価  ×  △ 

(機械負荷が大きく連続施工が困難)  ×  ○ 

(ただし WJ の泥水処理が必要) 

WJ ガイドリング

チャッキング補強 PL  嵩上げ PL WJ パイプ

写真‑1 WJ パイプ取付状況 表‑1  各工法の試験施工結果と比較選定結果 

図‑3  バイブロフォンサー仕様 

鋼矢板  チャッキング  補強 PL 

WJ パイプ

改善前 

※鋼矢板の振動によ り、WJ パイプも振動 し、鋼矢板に衝突す る。鋼矢板打設中はこ の衝突が繰返し起こ るため、WJ パイプ継 手が頻繁に破損した。 

改善後 

嵩上げ PL

WJ ガイドリング

※嵩上げ PL により WJ パイプの振れに対す るクリアランスを確 保した。また、ガイド リングを密に設置し、

振動時の振幅の低減 を行った。これによ り、WJ パイプ破損頻度 が低下した。 

図‑4  WJ パイプ改善模式図 土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月)

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参照

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