目 次 ページ 日持ち保証販売の現状と切り花の収穫後生理市村一雄 3 切り花の品質管理技術の概要湯本弘子 39 バラとガーベラの日持ち向上技術について本間義之 67 カーネーション等切り花の品質管理技術神谷勝己 115 切り花の観賞価値と品質評価望月寛子 155 卸売市場における切り花の品質管理 ~

　 平成２５年度 革新的農業技術に関する研修 研修テキスト 　 本研修テキストについては、引用等著作権法上認められた行為を除き、農研機構の許可 なく、複製、転載はできませんので、引用される場合は、農研機構 花き研究所（連絡先電話 番号：029-838-6804）にお問い合わせください。

切り花の日持ち向上技術

目 次 ページ 日持ち保証販売の現状と切り花の収穫後生理 市村 一雄 ･････ ３ 切り花の品質管理技術の概要 湯本 弘子 ･････ ３９ バラとガーベラの日持ち向上技術について 本間 義之 ･････ ６７ カーネーション等切り花の品質管理技術 神谷 勝己 ･････１１５ 切り花の観賞価値と品質評価 望月 寛子 ･････１５５ 卸売市場における切り花の品質管理 ～卸売市場における切り花日持ちの重要性と品質管理について～ 荒井 祐紀･････１７２ 日持ち試験および評価方法の実習・資料 市村 一雄･････２０７

日持ち保証販売の現状と

切り花の収穫後生理

農研機構花き研究所

市村 一雄

花の寿命

1日以内－アサガオ、オシロイバナ、マツバボタン、ムクゲ ３日程度－ハナショウブ、グラジオラス ５日程度ーユリ、チューリップ ７日程度ーバラ、カーネーション 10日程度ートルコギキョウ、ガーベラ、リンドウ 20日程度－キク、ファレノプシス 2

グラジオラスの老化に及ぼすCHIの影響

DW CHI

処理開始後3日目

日持ち短縮に関わる要因

・エチレン

・水揚げの悪化

・糖質の不足

・花茎の伸長

・葉の黄化

4

エチレン

・植物の成熟・老化に関与

・多くの花きの萎れ・落花に関与

・発生源－リンゴ、バナナなどの果実

タバコ、線香、排気ガス

Ｃ

Ｃ

Ｈ

Ｈ

Ｈ

Ｈ

5

切り花のエチレンに対する感受性

・エチレンに対する感受性が高い切り花 カーネーション、デルフィニウム、スイートピー、 シュッコンカスミソウ、ラン類 ・エチレンに対する感受性がやや高い切り花 トルコギキョウ、キンギョソウ、ストック、バラ ・エチレンに対する感受性がやや低い切り花 アルストロメリア、スイセン ・エチレンに対する感受性が低い切り花 キク、ガーベラ、グラジオラス、チューリップ、ユリ 6

エチレンがカーネーションの老化に及ぼす影響

カーネーションのエチレン生成量とSTS処理の効果

水 STS 0 5 10 15 20 25 0 2 4 6 8 エチレン生成量 （nL/ gFW /h ） 収穫後日数 8

水揚げが悪化する原因

・蒸散過多

・導管の詰まり

細菌

、空気、傷害

蒸散過多による水揚げ悪化の模式図

葉の有無がバラの花持ちと蒸散に及ぼす影響

0 1 2 3 4 5 6 7 8 花持ち日数 蒸散量 花 持 ち 日 数 、 蒸 散 量 （ m l/g F W /5d ay s） 有 無 11

清潔なバラの導管

バクテリアの詰まったバラの導管

提供：クリザール・ジャパン（株）

導管中のバクテリア

抗菌剤がバラの導管閉塞に及ぼす影響

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0 1 2 3 4 日数 水通導性（ m L m m -2 h -1 ） 蒸留水 抗菌剤 （抗菌剤：Legend MK） 13

空気と傷害による導管閉塞

傷害による導管閉塞

・キク

・アスチルベ

・ブバルディア

・オリーブ？

・アジサイ？

・バラ？

15

カーネーション花弁における収穫後の糖質含量の減少

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 0 1 2 3 4 5 6 7 収穫後日数 糖質濃度（ m g g -1 FW ） ブドウ糖 果糖 ショ糖 16

バラの日持ちに及ぼす糖質の効果

水 ブドウ糖

4.9日 15.3日

（処理開始後15日目）

輪ギクの日持ちに及ぼす糖質の効果

日持ち検定開始後22日目

水 ブドウ糖

日持ちの違いが生じる原因

・気温

・湿度

・光

・肥料（窒素）

・灌水

19

栽培時の相対湿度が日持ちに及ぼす影響

0 2 4 6 8 10 12 日持ち日数 75% 83% 91% 20

夏季と冬季に収穫したバラ切り花の蒸散量

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 0 2 4 6 蒸散量 （mg/gFW ） 試験開始後日数 7月 12月 21

消費者が満足する日持ち日数

1% 4% 12% 52% 31% 1日間 3日間 5日間 7日間 10日間以上 22

海外の日持ち保証販売

・イギリスのスーパーマーケット「テスコ」で1993年開始 ・15年間でイギリスのテスコではスーパーの品質保証販売 により切り花の消費が3倍増加 ・ドイツ、フランス、オランダ、アメリカでも実施される 23

EUにおける日持ち保証販売

・オランダの花市場が日持ち試験を実施 ・オランダの仲卸や輸出会社が保証できる品種を販売 29 66 22 47 31 54 88 31 97 54 0 20 40 60 80 100 オランダ イギリス フランス スイス ドイツ シェア（ % ） スーパーマーケット スーパーマーケット日持ち保証販売 24

国内におけるこれまでの日持ち保証販売

バラ切り花の品質保証販売（難波駅）

カルフール（幕張店）

花良品（有楽町店）

難波駅（サンクス）

25

日持ち保証販売実証事業（MPSジャパン）

・日持ち保証販売の実証

・輸送、観賞環境の調査

・マニュアルの作成

・日持ち検定基準の作成

・セミナーの開催

（農水省補助事業による） 26

日持ち保証販売のプロトコール

各段階共通の品質管理における注意事項

・可能な限り抗菌剤を用いる

・容器とハサミは洗浄だけでなく殺菌する

・衛生管理

生産者における注意事項

・朝夕の気温の低いときに採花する ・採花バサミとバケツは洗浄する ・採花後30分以内に冷蔵庫に入れ、出荷まで低温で保管する ・前処理剤を使用する ・前処理剤を入れた水の使用は1回限りとする ・作業場と冷蔵庫を掃除する ・湿式輸送の場合、品質保持剤を規定量入れる ・採花日を記載する 29

日持ち保証販売の現状

ヤオコー－埼玉県を中心に現在100店舗以上の食料品スーパー 2009年7月 4店舗でスタート 品目 バラ、シュッコンカスミソウ 9月 新座店（新規開店）で全品目 2011年から全店舗で実施 昨年度まで（農水省補助事業） 北海道、青森、山形、東京、神奈川、長野、愛知、大阪、 兵庫、広島、福岡の専門小売店、量販店で試験販売 （2012年度は153店舗） 30

日持ち保証販売の様子（新座店）

日持ち保証販売の様子（新座店）

フルーロン花佳の日持ち保証販売

フローラル創・時計台の日持ち保証販売

日持ち保証販売実証事業の成果

・実証店舗－2012年度は153店舗

・売上げ－半数が前年度比で10％アップ

最高は145％（スーパー）

・廃棄率の低下（13％→9％）

・日持ち保証販売導入マニュアル小売店用の作成

35

日持ち保証販売を行う意義と課題

意義

・生産、市場、小売り各層の意識改革

・流通期間の短縮

・切り花取り扱い方法の熟知

・モチベーションの向上

課題

・長期間継続と専門店への拡大

・日持ち試験の実施

・夏季の対策

36

National Agriculture and Food Research Organization 農業・食品産業技術総合研究機構 農研機構は食料・農業・農村に関する研究開発などを総合的に行う我が国最大の機関です

切り花品質管理技術の概要

花き研究所花き研究領域

湯本 弘子

①生産者

収穫 輸送 保管 調整 水あげ 箱詰め

切り花は収穫後どうなるか？

②市場

取引 市場 仲卸 小売り 輸送 保管 輸送 保管 輸送

③小売り

開封 切り戻し 水あげ 加工 販売 保管 輸送 輸送

切り花は収穫後どうなるか？

④消費者

開封 切り戻し 水替え 保管（観賞） 輸送

保管と輸送を繰り返され、様々な環境条件にさらされる 消費者の手元に届くまでには数日経っている

切り花の品質を維持するためには 品質保持剤と輸送技術が重要になる

前処理剤

効果が処理後も持続する 生産者 流通 小売り 消費者 エチレン阻害剤、植物成長調節物質、 糖、抗菌剤など

品質保持剤の種類

花の萎凋・落花抑制

カーネーション・スイートピー・デルフィニウム

など

エチレン作用阻害剤

STS(チオ硫酸銀錯体）

対象品目

エチレンが老化に関与している花

シュッコンカスミソウ・ハイブリッドスターチス

（STS＋糖）

市販薬剤名 K-20C（クリザール） ハイフローラ（パレス化学）など

前処理剤①

STS剤の効果の例

カーネーション スイートピー

糖（ブドウ糖、果糖、ショ糖）

＋抗菌剤

つぼみを持つ切り花、赤～紫色の花色の切り花

トルコギキョウ、バラ、キンギョソウ

など

対象品目

養分補給

つぼみの開花促進

花色の向上

市販薬剤名 クリザールユーストマ*（クリザール） ハイフローラ/カスミ* （パレス化学）美咲ファーム（大塚アグリテクノ）など *STSを含む

前処理剤②

抗菌剤 界面活性剤

水揚げ促進

枝もの・ガーベラ・バラ

など

対象品目

前処理剤③

市販薬剤名 クリザールバラ（クリザール） ハイフローラ/BRC（パレス化学） 美咲ファームBC（大塚アグリテクノ）など

抗菌剤の効果の例

ガーベラ

葉の黄化抑制

植物成長調節物質

ユリ、チューリップ、湿地性カラー、アイリス

など

対象品目

前処理剤④

花首の伸長抑制

花被等の老化抑制

ジベレリン_{サイトカイニン（ベンジルアミノプリン：BA)} エテホン（エチレン発生剤） 市販薬剤名 クリザールBVB、BVBエクストラ、SVB（クリザール）

植物成長調節物質の効果の例 チューリップ

無処理 エテホン＋BA処理

湿地性カラー

輸送処理剤

抗菌剤 容器内のバクテリアの繁殖を抑える 流通 小売り 消費者 生産者

輸送処理剤

（湿式輸送）

市販薬剤名 クリザールT-BAG（クリザール） ハイフローラバケット（パレス化学）

小売店用処理剤①

糖、抗菌剤、界面活性剤など 栄養分を補給しつつ咲進みを抑える 小売り 消費者 生産者 流通

小売店用

処理剤

小売店用処理剤②

水揚げ促進剤 ハイフローラクイック（パレス化学） クイックディップ（スミザーズオアシス）など 切り花栄養剤 クリザールプロフェッショナル（クリザール） クリア200（スミザーズオアシス）など 散布剤・・・切り花の水分蒸散を抑える クリザールフレッシュミスト（クリザール）フラワーベール（パレス化学） フィニッシングタッチ（スミザーズオアシス）など

後処理剤

糖、抗菌剤、界面活性剤 連続して処理する薬剤 養分補給、つぼみの開花促進、花色の向上 小売り 消費者 生産者 _流通

後処理剤

クリザールフラワーフード（クリザール） 華の精（パレス化学） キープフラ ワー（フジ製糖） 美咲（大塚アグリテクノ）など

後処理剤の日持ち延長効果（花き研究所調査） 非常に効果がある あまり効果がない バラ トルコギキョウ カスミソウ 花が大きくなる 輪ギク スプレーギク カラー グラジオラス ユリ カーネーション ガーベラ チューリップ

後処理が効果がある例

無処理 後処理 無処理 後処理

輸送形態①乾式

・横置き段ボール 着荷時の萎れ ・水を供給しない ごみ多い 蒸散のみが起こる 切り口に気泡が入る （切り戻し必須） 水揚げ不良 特徴 メリット デメリット 切り花の輸送形態の主流 積載効率良い

輸送形態②湿式

年々割合と品目は増加している 切り花に水を供給させながら運ぶ方法 H20年度出荷数量に占める低温湿式流通数量の割合 品目 出荷量に占める割合（％） バラ

₄₇

トルコギキョウ

₄₇

カスミソウ

₅₅

アルストロメリア

₂₇

ガーベラ

₉

カーネーション

₉

輸送技術②湿式

縦置き(横置き）段 ボール＋容器 リターナブルバケット ELFシステム 給水資材 エコゼリーなど 産地によって独自

輸送形態②湿式

・縦置き容器 着荷時の萎れなし ごみの削減 花の様子がみられる ・プラスチックバケット 積載効率悪い 対応できない 市場ある ・水を供給する 特徴 メリット デメリット 容器返却の必要 温度が高いと 開花が進む 輸送溶液の汚染 低温輸送が必須 抗菌剤の利用

輸送手段

航空機 短い 福岡→香港 2日 不可 （国内） 安い 運賃ベース 1/4～1/5 海上 陸上 航空 フェリー 高い 長い 福岡→香港 10日 トラック やや長い 可 リーファーコンテナ コスト 輸送時間 温度制御 中間 可 冷凍車

輸送温度が切り花に与える影響

切り花の呼吸 蒸散

活発

基質（糖・有機酸）の消耗

活発

萎れの促進 エチレン生成

高温

促進

花の萎凋・落花の促進 できるだけ

低温

での輸送が望ましい

品質保持と輸送技術を組みあわせた例

8/12 北海道生産者が前処理 8/13 北空知広域連から出荷 8/14 第一花き柏市場 8/15 花き研究所－調査開始 8/13 北海道生産者が前処理 8/14 旭川通運から出荷 8/15 第一花き柏市場 花き研究所－調査開始 トラック便（湿式） 航空便（乾式） バラ切り花輸送試験

輸送中の温度変化 8/13 8/14 8/15 0 5 1 0 1 5 2 0 2 5 3 0 3 5 4 0 6: 00 9: 00 12: 0 0 15: 0 0 18: 0 0 21: 0 0 0: 00 3: 00 6: 00 9: 00 12: 0 0 15: 0 0 18: 0 0 21: 0 0 0: 00 3: 00 6: 00 9: 00 気温（℃） 湿 式 箱 外 湿 式 箱 内 乾 式 箱 外 乾 式 箱 内 航空機輸送 市場待機 首都圏移動 トラック輸送（一部フェリー） 市場待機_{首都圏移動}

バラ切り花の品質保持に及ぼす各種処理の影響 処理区 抗菌剤→乾式 5.3 abc 96.0 a 抗菌剤 4.7 ab 107.8 b 抗菌剤・早期収穫 4.2 a 98.2 a 1%ｽｸﾛｰｽ＋抗菌剤 6.7 cd 109.4 b 1%ｽｸﾛｰｽ＋抗菌剤・早期収穫 6.1 bcd 105.6 ab 4%ｽｸﾛｰｽ＋抗菌剤 7.6 d 112.6 b 品質保持期間 （日） 花径 （mm） 輸送時間長くても糖処理を併用すれば品質保持期間延長する

切り花は呼吸し、時間とともに老化する 切り花が消費者に届くまでに多くの保管と輸送が繰り返され 様々な温度環境に置かれる

まとめ

切り花の生理 切り花が辿る道のり 品質保持剤を適切に使用し、最適な輸送方法を選択 することにより、長く楽しめる切り花を消費者に提供で きる

バラとガーベラの

日持ち向上技術について

静岡県農林技術研究所

本間義之

革新的農業技術研修 『切り花の日持ち向上技術』 資料

バ ラ

• バラの流通が抱える

問題

• 出荷前の処理に起因

するトラブル

• 輸送時の環境

• 後処理の効果

• エチレン問題

ガーベラ

• 消費者アンケート

• 活け水の白濁と日持

ち

• 抗菌剤の効果と石付

き

• 管状花の開花抑制

2

バ ラ

日本のバラは高い

• オランダでは小売価格が 10本3ユーロ

延命剤（後処理剤）付き

• 咲かないバラ、古いバラが流通している

バラが高いのは売れないから

日持ちしないので、売れない？

高 い 売れ残る 貯蔵⇒老化 咲かない 日持ちしない 損した 廃棄 利益率高い 安 い 売れる 再仕入れ 新鮮 満開に 日持ちする 得した 売り切れる 利益率低い

負のスパイラル

好循環にするには

日持ちが良くなれば 沢山売れて、安くなるはず 5

バラの日持ち向上の目標

• 日持ち保証・・・・・消費者段階で7日間

• ベントネックしない

• 満開になる

対策技術

実用技術開発事業で実施した内容

• 後処理剤の効果の確認

• 不良環境でも有効なことを実証する

• 季節変化が少ない・・・安定性を実証する

6

出荷前～流通過程に起因するトラブル

• 堅切り

• 乾燥による水下げ

• 出荷までの高温

• 予冷期間

• 輸送時の環境

• 転送問題

7

確実に満開になれば 消費者満足度大幅向上 左：堅い切り前 右：緩い切り前＋後処理 １日後 ５日後 １０日後 １４日後

堅切りの弊害

8

収穫直後の乾燥

ただし、10％以上水分減耗させて 花首が曲がると、水揚げ後に花首が 黒変して商品価値が無くなる

生け花直前の乾燥

第２表　　生け花直前の乾燥がバラ’ローテローゼ’切り花の日持ちに及ぼす影響 切り前1) 乾燥 ３ なし 57.7 21.4 22.9 22.9 107.1% 87.8 9.4 ３ あり 57.3 20.4 21.7 21.0 97.0% 21.0 103.2% 85.7 9.6 ４ なし 59.4 21.9 23.8 24.2 110.1% 92.6 9.9 ４ あり 55.7 20.4 22.2 21.0 94.6% 21.0 103.0% 90.3 9.2 分散分析 NS5) NS NS NS 収穫後クリザールバラ用を2℃で4時間処理し、約1時間実験室内で乾燥してから、当日中に日持ち調査に移した。 日持ち調査は28℃、RH約80％で実施した。　後処理剤は使用せず、蒸留水を使用した。 1) _{「改訂版花の切り前」で　３　が標準的な収穫適期、　４　は約1日収穫が遅い} 2) _{吸水後重量に対する比率} 観賞期間4) 　　日 吸水後 重量　ｇ 処理区 _切花長 　　　cm 60㎝ 調整重ｇ 乾燥後 重量　ｇ 同左 相対重2） 　　％ 日持ち開始時 の重量　　ｇ 同左 相対重3) 　　　％ 最大花径 　　　mm 生け花直前の乾燥も、3～5％程度なら花持ちへの影響は小さい

軽度の乾燥は問題ない

9

短時間の高温は問題ない

第1図　　高温処理時の生体重の変化 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0% 110.0% スタ ート時 ₃₀分 後 60分 後 90分 後 120分 後 150 分後 180分 後 生 体 重 　 ％ 35℃ 38℃ 40℃ 第1表　　短時間の高温処理が、夏季のバラ’ローテローゼ’の日持ちに及ぼす影響 処理区 　茎径_mm 花蕾長_mm 　50㎝_調整重ｇ 日持ち開始時_{の重量　　ｇ} 最大花径_mm 観賞期間_日 35℃ 5.3 45.2 19.4 18.7 98.0 8.2 無処理 5.0 42.0 19.4 19.4 95.8 8.6 t検定 NS NS NS NS NS NS 38℃ 4.8 45.0 16.2 16.5 99.6 6.6 無処理 4.3 45.0 13.3 13.3 100.2 6.6 t検定 NS NS NS NS NS NS 40℃ 4.9 43.4 18.4 18.3 86.0 8.0 無処理 4.8 43.2 17.5 17.5 86.3 7.7 t検定 NS NS NS NS NS NS 収穫後にクリザールバラ用を2℃、4時間処理してから高温処理を行った。 高温処理後、28℃、相対湿度80%、12時間日長、蒸留水で日持ち調査を行った 3時間の35℃～40℃の高温処理は、 水が吸える状況の場合、日持ちに影 響しなかった。 10

予冷3日間は悪影響なし

クリザールバラ用を2℃で処理した場合、3 日間程度なら予冷しても花持ちに悪影響は 無かった。2℃の冷蔵中に花蕾長が大きくな り、少しずつ開花が進んだ。 なお、朝採りによる花持ち向上効果は認 められなかった。 第２表　　予冷期間が夏季のバラ‘ローテローゼ’の日持ちに及ぼす影響 収穫時 処理区1) 切花長_{cm 　mm}茎径 花蕾長_mm 花蕾径_mm 花蕾長_mm 最大花径_mm 予冷3日 53.5 4.7 37.2 19.5 20.7 106.2% 35.4 a 41.6 a 89.5 9.3 予冷2日 53.0 4.7 36.2 16.2 18.4 114.0% 29.6 b 39.7 ab 87.6 9.4 予冷1日 54.5 4.6 35.7 18.8 19.6 104.5% 26.2 bc 37.4 b 86.9 9.4 予冷なし4) 58.0 5.1 37.8 22.1 22.9 103.7% 23.4 c 37.8 b 96.5 9.9 分散分析 NS NS NS NS **5) ** NS NS 1) _{収穫後、クリザールバラ用を所定の期間２℃で処理してから、日持ち調査に供した。} 2) _{50cm調整重に対する比率 。} 3) _{「切り花の日持ち評価ﾚﾌｧﾚﾝｽﾏﾆｭｱﾙver.6」に従った。} 4) _{収穫後、クリザールバラ用を２℃で４時間処理してから、日持ち調査に供した。} 5) _{Tukey-Kramerの多重検定により同符号間に有意差無し。 n=10} 観賞3) 期間 　　　日 日持ち開始時 日持ち開始 時の重量 　　　　　ｇ 50㎝ 調整重 　　　ｇ 　同左2) 　　％ 第1図　　ローテローゼ花蕾長の季節変化と冷蔵の影響 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 5月上旬 5月中旬 5月下旬 5月最下旬 6月上旬 6月中旬 6月 下旬 6月最下旬 7月上旬 8月 上旬 花 蕾 長 　 m m 当日収穫 冷蔵1日 冷蔵2日 11

バラ輸送環境調査１　　8/17出荷　掛川 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 2010/08/15 11:40'00 2010/08/15 19:40'00 2010/08/16 03:40'00 2010/08/16 11:40'00 2010/08/16 19:40'00 2010/08/17 03:40'00 2010/08/17 11:40'00 2010/08/17 19:40'00 2010/08/18 03:40'00 2010/08/18 11:40'00 2010/08/18 19:40'00 2010/08/19 03:40'00 2010/08/19 11:40'00 2010/08/19 19:40'00 2010/08/20 03:40'00 2010/08/20 11:40'00 　　気温　℃ 箱詰め 輸送 市場 仲卸 _小売店 冷蔵 収穫

バラ輸送時の温度環境の事例

非常識な高温は無かった

12

バラが消費者に届くまで

実験の想定 収穫 ⇒ 保存 ⇒ 市場 ⇒ 小売店 ⇒ 消費者 静岡の産地では、収穫したバラが消費者に届くまでに普通は3日程度、 最短でも1.5日掛かる。 市場間で転送されると

更に２日間

余計に 時間が掛かる。 冷蔵 ２℃ ３日間 消費者 ７日間以上 セリ日から見た輸送～販売期間 セリ日 月 水 金 共同出荷の場合は冷蔵期間が更に長い 収穫 冷蔵 輸送 販売 計 月　AM 収穫 冷蔵 冷蔵 出荷 小売 販売 販売 販売 1 1 2 4 月　PM 収穫 冷蔵 出荷 小売 販売 販売 販売 0.5 1 2 3.5 火　AM 収穫 出荷 小売 販売 販売 販売 0 1 2 3 火　PM 収穫 冷蔵 冷蔵 冷蔵 出荷 小売 販売 販売 販売 販売 販売 1.5 1 3 5.5 水　AM 収穫 冷蔵 冷蔵 出荷 小売 販売 販売 販売 販売 販売 1 1 3 5 水　PM 収穫 冷蔵 出荷 小売 販売 販売 販売 販売 販売 0.5 1 3 4.5 木　AM 収穫 出荷 小売 販売 販売 販売 販売 販売 0 1 3 4 木　PM 収穫 冷蔵 冷蔵 冷蔵 冷蔵 冷蔵 出荷 小売 販売 販売 販売 2.5 1 2 5.5 金　AM 収穫 冷蔵 冷蔵 冷蔵 冷蔵 出荷 小売 販売 販売 販売 2 1 2 5 金　PM 収穫 冷蔵 冷蔵 冷蔵 出荷 小売 販売 販売 販売 1.5 1 2 4.5 土　AM 収穫 冷蔵 冷蔵 出荷 小売 販売 販売 販売 1 1 2 4 土　PM 収穫 冷蔵 出荷 小売 販売 販売 販売 0.5 1 2 3.5 日　AM 収穫 出荷 小売 販売 販売 販売 0 1 2 3 日　PM 収穫 冷蔵 冷蔵 冷蔵 出荷 水曜 小売 販売 販売 販売 1.5 1 2 4.5 1日後 2日後 3日前 前々日 前日 前日 月曜 水曜 金曜 3日後 セリ日 13

バラの市場間転送問題

• 大田花きのガリバー化が激しい

• 地方市場は大田からの仕入れが増加

• 大田市場はダンボールが基本

2日間余計にダンボール内で過ごす？

バラではELFが増えているのだが・・・・

14

出荷前～流通過程に起因するトラブル

• 堅切り

• 乾燥による水下げ

• 出荷までの高温

• 予冷期間

• 輸送時の環境

• 転送問題

・・・・・

夏は問題大きい

・・・・・軽度は問題なし

・・・・・短時間なら問題なし

・・・・・長くても問題なし

・・・・・かなり改善されたが

・・・・・

困ったことです

生産者側に起因する問題は少ない

15

後処理の糖の種類がバラの観賞日数に及ぼす影響 4月収穫 0 5 10 15 20

水道水 Sucrose Glucose Fructose 観 賞 日 数 　 　 日

アヴァランチェ

サムライ08

Glucose, Fructose による日持ち延長効果は絶大

６ 日 間

後処理の効果

Glucose+抗菌剤

16

　後処理時の糖の種類がバラ‘サムライ０８’の 相対新鮮重に及ぼす影響 0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2 開始時 3日後 5日後 7日後 相 対 新 鮮 重 Fructose Glucose Sucrose 水道水 Glucose, Fructoseでは7日目でも新鮮重が低下しない

後処理の効果

Glucose+抗菌剤

17

バラ‘サムライ08’の観賞日数に及ぼす後処理の影響 2010年11月～2011年5月 0 5 10 15 20 25 4日以 下 5日 6日 7日 8日 _{9日 10日 11日 12日 13日 14日 15日 16日 17日 18日 19日 20日} 21日以上 観賞日数　日 観 賞 限 界 と な_っ た 率 　 ％ 水道水 n = 100 後処理 n = 100 7日目までに観賞限界となる花が激減 ＝ ‘ｻﾑﾗｲ08’ではベントネック激減

後処理でベントネックが激減する

18

サムライ08の月別の観賞限界の症状　　糖を含む後処理 0% 20% 40% 60% 80% 100% １１月 ２月 ３月 ４月 ５月 観 賞 限 界 の 症 状 の 発 生 比 率 サムライ08の月別の観賞限界の症状　　水道水 0% 20% 40% 60% 80% 100% １１月 ２月 ３月 ４月 ５月 観 賞 限 界 の 症 状 の 発 生 比 率 ボトリチス その他、 複合要因 花弁変色 ﾌﾞﾙｰｲﾝｸﾞ 散る 花弁のしおれ ベントネック 水道水 糖を含む後処理

糖を含む後処理でベントネックは激減する

19

水道水 後処理 2％ Glucose

サムライ０８

１０日後の様子

後処理で満開になる

第1図　生け水のGlucose濃度がバラの日持ち日数に及ぼす影響 0 5 10 15 20g/㍑ Glucose 20g/㍑Glucose　水補充 水道水 日 持 ち 日 数 　 日 アヴァランチェ サムライ08 第1図　生け水のGlucose濃度がバラの日持ちに及ぼす影響 7月収穫 0 5 10 15 20 水道水 硫酸アルミ＋抗菌剤 1% Glucose 2% Glucose 日 持 ち 日 数 　 日 アヴァランチェ サムライ08 10g/㍑ 20g/㍑ 30g/㍑ 30ｇ/㍑では薬害発生 糖を与えると満開になる 20ｇ/㍑が適当 途中から補充を水にしても延長 効果あり

糖濃度の影響

21

湿度と後処理がバラの観賞日数に及ぼす影響 5月収穫 0 2 4 6 8 10 12 14 16 水道水 後処理あり 水道水 後処理あり 相対湿度70% 相対湿度50％ 観 賞 日 数 　 日

アヴァランチェ

サムライ09

7日間

不良環境でも後処理は有効

低湿度

22

第３図　開花時期と開花温度と後処理がバラ ‘アヴァランチェ’の日持ちに及ぼす影響 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 8月 9月 10月 日 持 ち 日 数 23℃ 後処理 23℃ 水道水 28℃ 後処理 28℃ 水道水 第4図　開花時期と開花温度と後処理がバラ ‘サムライ０８’の日持ちに及ぼす影響 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 8月 9月 10月 日 持 ち 日 数 23℃ 後処理 23℃ 水道水 28℃ 後処理 28℃ 水道水 ２３℃の方が28℃よりも２～４日間長持ち Ｇｌｕｃｏｓｅを含む後処理で10日以上に

不良環境でも後処理は有効

高温

23

冷蔵期間と後処理がバラ‘サムライ08’の日持ちに及 ぼす影響 0 5 10 15 20 0日 1日 3日 7日 10日 日 持 ち 日 数 水 後処理

冷蔵期間が延びても、後処理は有効

不良環境でも後処理は有効

長期冷蔵

24

後処理（糖）の効果

左：水道水 右：後処理 ザ・テレサ 7日後の様子

ブルーイングが抑制される

バラ‘アヴァランチェ’時期別の日持ち日数 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 日 持 ち 日 数 　 日 23℃、RH７０% 後処理あり 23℃、RH７０% 水道水 28℃、RH７0% 後処理あり 28℃、RH７0% 水道水 水、23℃で生けた場合は 7～11日の間で推移 後処理によって4~10日間（平均5.7日間）延長される 季節変動は不明、夏でも日持ちは悪くない。 高温下で短くなる。

後処理の安定性

季節変動 アヴァランチェ

26

　バラ‘サムライ０８’の時期別の日持ち日数 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 日 持 ち 日 数 　 日 23℃、RH７０% 後処理あり 23℃、RH７０% 水道水 28℃、RH７0% 後処理あり 28℃、RH７0% 水道水 水、23℃ で咲かせると 7日～10日で変動、夏でも日持ちは悪くない 後処理により平均5.4日程度延びる、28℃でも10日間以上

後処理の安定性

季節変動 サムライ08

27

バラの後処理による日持ち延長効果 0 5 10 15 20 ロジータベンデラ ローテローゼ レッドスター レッドエレガンス レオネッサ リメンブランス マイガール ブロッサムピンク ブルーミルフィーユ ティネケ スイートドロミティ シャネル サムライ08 ザ・テレサ ゴールドラッシュ クリームエキサイティング オータムブリーズ オークランド イブピアッチェ アクロポリス アヴァランチェ _後処理 水道水 28℃、RH70%,12時間日長 後処理液：20g/㍑Glucose 50mg/㍑硫酸アルミニウム 0.1ml/㍑ケーソンCG 後処理により 28℃でも、約5日間延長される 全品種で8日以上の日持ち

後処理の安定性

品種を問わず効果有り

28

抗菌剤⇒水 ＳＴＳ⇒水

抗菌剤⇒後処理（Glucose) ＳＴＳ⇒後処理

がく片の黄化 ＳＴＳで茎が黒変、がく黄化なし 葉の黄化と離脱 ＳＴＳで黄化なし

エチレンの発生

STSへの反応で4グループに分類

第1図　ＳＴＳ前処理とＧｌｕｃｏｓｅの後処理が バラの日持ちに及ぼす影響 0 5 10 15 20 Ｄ：マイガール Ｃ：アヴァランチェ＋ Ｂ：スイートドロミティ Ａ：サムライ08 日持ち日数 STSなし 水道水 STSなし 後処理 STS 　　水道水 STS 　　後処理 A：ＳＴＳで延長効果があり、散る/黄化がある 7品種 B：ＳＴＳの延長効果が不明確、散る/黄化がある 6品種 C：STSの延長効果はあるが、散る/黄化が不明確 1品種 D：STSの延長効果が無く、散る/黄化が無い 7品種 30

　　　第1表　STSの前処理とGlucoseの後処理への反応によるバラ品種の分類 前処理抗菌剤 抗菌剤 STS STS 　　　品　種　名　 後処理 なし あり なし あり 散る がく・葉_の黄化 コ　メ　ン　ト アクロポリス 9.0 13.6 12.1 16.3 △ △ △ STSで3日間延長 オータムブリーズ 6.2 10.6 7.5 12.0 ○ △ STSの効果不十分、散るのでもっと吸_わせたい サムライ08 6.1 9.7 7.7 11.8 ○ ○ ○ 散る、がく片黄化など ザ・テレサ 9.5 11.5 10.0 17.7 ○ ○ 糖なしではSTSの効果少ないが、糖が_{あると効果あり} シャネル 7.3 12.0 6.6 15.8 ○ ○ 糖なしではSTS効果ないが、満開後に_{は効果あり} レオネッサ 8.8 15.0 10.9 16.1 △ △ △ 散る個体少ないが、STSの効果有り ロジータベンデラ 7.9 13.4 8.7 14.0 ○ ○ △ 散る、葉の黄化、STSの効果小さい クリームエキサイティング 5.7 14.6 5.2 16.2 ○ △、× ＳＴＳで萎れひどい スイートドロミティ 10.9 14.3 10.3 13.9 △ △ － 散る個体もあるがSTSの効果は不明 ティネケ 5.8 10.6 6.4 11.3 ○ ○ － 花弁は散る。STSの効果は小さい。 リメンブランス 6.6 12.2 8.9 12.4 ○ △ － 散ると萎れるが混在、STSの効果は小_さい レッドスター 10.2 15.7 11.5 13.1 ○ △ ○ STSで反応は減るが、日持ち延長効果_は無い ローテローゼ 4.0 9.6 3.1 8.5 ○ △ ○、× 萎れない個体は散る。STSで萎れる。 アヴァランチェ＋ 6.9 11.6 8.9 12.4 △ ○ 花弁は散らないが、葉の黄化防止に有_効 イブピアッチェ 8.1 9.9 9.1 9.9 △ － 散る個体は少なく、STSの効果も不明 オークランド 5.4 11.1 4.9 11.8 － 後処理は効くが、STSには無反応 ゴールドラッシュ 7.8 14.7 7.8 13.7 －、× STSで萎れやすい。堅い蕾は開かな_{い、花弁先端が茶色く枯れる。} ブルーミルフィーユ 13.2 15.9 14.9 14.8 － 開いてこない、水でも日持ちするので_{糖の効果も見えない} ブロッサムピンク 6.5 12.6 5.6 10.5 －、× ＳＴＳで萎れひどい、日持ちにマイナス マイガール 9.1 13.8 8.6 13.8 － 後処理は効くが、STSには無反応 レッドエレガンス 7.0 8.3 7.2 7.8 △ － 花弁先端が褐色に枯れる、STSの効果_不明 2) 自然老化の反応 ○：STS無処理で半分以上が散る/黄化する△：STS無処理で散る/黄化が認められる 3)_{STSの効果 ○：散る/黄化がほぼ無くなる －：軽減効果が無い、不明確} △：散る/黄化が軽減される ×：萎れが助長される A ： Ｓ Ｔ Ｓ で 延 長 効 果 が あ り、 散 る / 黄 化 が あ る B ： Ｓ Ｔ Ｓ の 延 長 効 果 が 不 明 確_、 散 る / 黄 化 が あ る D ： S T S の 延 長 効 果 が 無 く、 散 る / 黄 化 が 無 い C：STSの延長効果はあるが 散る/黄化が不明確 STSの3) 効 果 自然老化の反応2) 日持ち日数（28℃） BのグループはSTSの利かせ方次第で 効果がある可能性有り 再調査必要 結局、使用した品種の約半分が エチレンに感受性かも A、CグループはSTSで ２日間 延長 後処理で 5日間 延長 合計7日間延びる 31

バラ まとめ

• 生産者に起因する問題は少ない

• Ｇｌｕｃｏｓｅを含む後処理で日持ちは劇的に

向上する

ベントネックが無くなる

日持ちは５日間以上延長できる

不良環境下でも日持ち向上

季節変動も少ない

• エチレンに感受性の品種が多い

32

ガーベラ

バ ラ

• バラの流通が抱える

問題

• 出荷前の処理に起因

するトラブル

• 輸送時の環境

• 後処理の効果

• エチレン問題

ガーベラ

• 消費者アンケート

• 活け水の白濁と日持

ち

• 抗菌剤の効果と石付

き

• 管状花の開花抑制

34

1～3日間, 24% 4～6日間, 58% 7～10日間, 18% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 第1図 自宅に飾ったガーベラは何日程度観賞できましたか(n=124) 3日間, 6% 5日間, 18% 7日間, 55% 10日間, 15% 14日間, 5% それ以上, 2% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 第2図 何日観賞できれば購入してもいいと思うか(n=122)

消費者は

_7日間

の日持ちを要望

2010年11月アンケート 1週間の日持ち保証ができれば需要が喚起できる 約8割の消費者が「1週間日持ちしなかった」と回答 約8割の消費者が「1週間日持ちすれば購入する」と回答 35

0 10 20 30 40 50 60 70 80 その他 花が閉じた カビが発生した 花色があせた 花がしおれた 花茎が腐った 花茎が曲がった 回答率(％) 第3図 観賞できなくなった時、どういう症状でしたか(n=111、複数回答有り) 多くの消費者が「花茎が曲がった」 「花茎が腐った」と花茎に発生する 症状で観賞できなくなったと回答 0 5 10 15 20 25 ミノウ ピクチャーパーフェクト 日持 ち 日 数( 日) 第3図 観賞限界となった症状別品種別の日持ち日数 2010年4月から2011年3月まで毎月1品種9本ずつ8品種について日持ち調査を実施し た。花弁の萎れは花弁の垂れ等、花弁の萎縮の合計。平均日持ち日数±標準誤差。 花弁の脱落 花首折れ 花弁の萎れ 花茎の曲がり n=58 n=17     n=29      n=4      n=31 n=56 n=13 n=8 日持ち試験をすると、花茎の曲 がりにより観賞限界となったも のは、日持ちが短かった ガーベラの日持ちが短くなる主な原因は 花茎に発生する症状

花茎の曲がりと腐りが問題

36

花茎の曲がりは花茎の

水分不足

が原因

切り花後に水を切ると、花弁 が萎れる前に花茎が曲がる 75  77  79  81  83  85  87  89  91  0 1 2 3 4 植 物体の 水分 率 (％ ) 断水後の経過日数(日) 第2図 ガーベラの状態別部位別の水分率の変化 花首直下で切断し花部と花茎部に分離したものとしないものそれぞれを23℃乾式で 保管し、4日後まで毎日植物体の水分率の変化を調査した。水分率は植物体を80℃ で24時間乾燥後に調査した。品種はミノウ。1区6本。平均±標準誤差。 分離した花茎部 通常の花茎部 分離した花冠部 通常の花冠部 水が不足すると、花茎から花 弁に水分が移動し、花茎が水 分不足となる 37

第3表　品種及び水の汚れがガーベラの日持ちに及ぼす影響 品種 水の汚れＺ） 蒸散量Y）_{（g/FW/8日間） 吸水量}Y）_{(g/FW/8日間）} 相対新鮮重X） _{日持ち日数（日）} 無 0.65 0.74 109 18.2 軽 0.62 0.60 99 12.8 甚 0.48 0.39 91 9.7 無 0.49 0.60 111 17.3 軽 0.48 0.50 101 12.7 甚 0.44 0.38 94 10.1 品種 NS ** * NS 水の汚れ ** ** ** ** Ｚ）生け花時の生け水の生菌数　　甚：log8.5cfu/ml、軽：log7.5cfu/ml Y）生け花後8日間の生け花時の植物体1ｇあたりの蒸散量・吸水量 X）生け花時を100とした8日目の相対新鮮重 Ｗ）**1％水準で有意差あり、*：5％水準で有意差あり、ＮＳ：有意差なし ピ クチャーパーフェ クト 分散分析 チェレキ

白濁した水に生けると相対新鮮重が減少し、

日持ちが低下する

38

　第2図 初夏における生け花1週間後のガーベラの品種別の生け水の白濁 23℃、RH約70％、12時間日長条件下で、蒸留水100ml入りの試験管に1本生けた10日後の生け水の吸 光度。値は9本の平均値±標準誤差。2009年6月。 0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25 チェレ キ ブラバ バナ ナ ミノウ テム キムシ ー ﾋﾟｸﾁ ｬｰﾊﾟ ｰﾌｪ ｸﾄ 生け水の 吸光 度(6 6 0 n m ) 第1図　初夏におけるガーベラの品種別日持ち日数 　23℃、R H70％、12時間日長条件下で、蒸留水100ml入り試験管に1本生けた日持ち日数。値は9本の 平均値±標準誤差。2009年6月。 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 チェレ キ ブラバ バナ ナ ミノウ テム キム シー ﾋﾟｸﾁ ｬｰﾊﾟ ｰﾌｪｸ ﾄ 日 持 ち 日 数 ( 日 ) 品種により水の濁り 方に差がある 水が濁りやすい品 種は日持ちしない

生け

水が白濁する品種は日持ちしない

39

0.000  0.005  0.010  0.015  0.020  0.025  0.030  0.035  0.040  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 生け 水の 吸光度 (660 n m ) 第3図 時期別品種別の生け水の白濁程度 約23℃、RH約70％12時間日長条件で、蒸留水もしくは抗菌剤(レジェンドMK)100ml入りの試 験管に1本ずつ生け、1週間後の生け水の吸光度を調査。値は9本の平均値±標準誤差。 チェレキ ﾋﾟｸﾁｬｰﾊﾟｰﾌｪｸﾄ ﾋﾟｸﾁｬｰﾊﾟｰﾌｪｸﾄ抗菌剤 10  13  16  19  22  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 日 持 ち 日 数₍ 日₎ 第1図 時期別品種別の日持ち日数 約23℃、RH約70％、12時間日長条件で、蒸留水もしくは抗菌剤(レジェンドMK)100ml入りの 試験管に1本ずつ生け、日持ち日数を調査。値は9本の平均値±標準誤差。 チェレキ ﾋﾟｸﾁｬｰﾊﾟｰﾌｪｸﾄ ﾋﾟｸﾁｬｰﾊﾟｰﾌｪｸﾄ抗菌剤 水が濁りやすい品種 も低温期は濁りにくく、 初夏から秋 に 濁りやすい 水が濁りやすい 品種・時期は 日持ちが低下

生け水の白濁程度は変動する

40

生け水の濁りが起きやす い品種・時期に抗菌剤を 利用すると日持ちが向上 　　 　第2図　時期別の抗菌剤利用による日持ち向上日数 品種ピクチャーパーフェクト。約23℃、R H約70％、12時間日長条件で、生け水として蒸留水と 抗菌剤(レジェンドMK )を利用した場合の平均日持ち日数の差(抗菌剤－蒸留水)。 -2 0 2 4 6 8 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 抗菌剤に よ る 日持ち 向上日数 (日 ) 0.000  0.005  0.010  0.015  0.020  0.025  0.030  0.035  0.040  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 生 け 水の吸光 度 (6 6 0n m ) 第3図 時期別品種別の生け水の白濁程度 約23℃、RH約70％12時間日長条件で、蒸留水もしくは抗菌剤(レジェンドMK)100ml入りの試 験管に1本ずつ生け、1週間後の生け水の吸光度を調査。値は9本の平均値±標準誤差。 チェレキ ﾋﾟｸﾁｬｰﾊﾟｰﾌｪｸﾄ ﾋﾟｸﾁｬｰﾊﾟｰﾌｪｸﾄ抗菌剤 抗菌剤を利用すると水の 濁りを抑えることができる

後処理の抗菌剤で白濁はなくなる

41

0.000  0.005  0.010  0.015  0.020  0.025  0.030  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 生 け 水の 吸光 度 (660 n m ) 生産者 第1図 時期別生産者別生け水の白濁程度(品種サガ) 9月(2日目) 2月(8日目) 水の濁り方は同一品種同一時 期でも生産者によって異なる (ただし、低温期は生産者に関 係なく、濁りにくい) 0.000  0.005  0.010  0.015  0.020  0.025  0.030  ピクチャーパーフェクト （切花長40㎝） ピクチャーパーフェクト （花茎基部がある状態） チェレキ （切花長40㎝） チェレキ （花茎基部がある状態） 生け水の吸光度(660nm) 第1図 品種及び花茎の状態と生け花1週間後の生け水の白濁との関係 約23℃、RH約70％、12時間日長条件下で、蒸留水100ml入りの試験管に1本ずつ生け、生け花1週間後に生 け水の吸光度を調査。値は9本の平均値±標準誤差。 濁りやすい品種でも花茎基部 の硬い部位を残すと濁りにくい (ただし吸水はよくない)

白濁程度は生産者間でも差がある

42

切り戻して白濁した水に生けると、 花茎が曲がり、その後 腐る。 花茎の腐り 花茎の曲がり 花弁の萎れ 花首の折れ 花弁の脱落 (本) 蒸留水 2 3 3 2 0 白濁水Y) 9 1 10 蒸留水 10 0 白濁水 1 9 0 12 23 3 2 6.4 11.5 17.3 17.5 Z)切り戻し区は40㎝、基部残し区は収穫後未調整とした。 Y)ガーベラを生け続け白濁した水。生菌数はlog8.0cfu/mlであった。 水 第1表　花茎の状態及び白濁した水とガーベラが観賞限界となった症状との関係 症状別の日持ち日数(日) 観賞限界となった症状(本) 切り戻し 基部残し 症状別の合計(本) 花茎の状態Z

基部（石付き）を残せば花茎は腐らない

花茎基部（石付き）を残すと 白濁水でも花茎は腐らない 43

白濁した水に生けた後、 高湿度条件下で管理 基部が残っていれば腐らない 切り戻したものは腐った

高温期は、基部を残した状態で出荷すべき

44

0 1 2 3 4 5 6 7 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 生け 水 2 日後の EC (m S/ m ) 第1図 時期別品種別の生け水のEC 約23℃、RH約70％、12時間日長条件下で、蒸留水100ml入りの試験管に1本ずつ生け、2日 後の生け水のECを調査。値は9本の平均値±標準誤差。 チェレキ ﾋﾟｸﾁｬｰﾊﾟｰﾌｪｸﾄ 0.000  0.005  0.010  0.015  0.020  0.025  0.030  0.035  0.040  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 生 け 水の 吸光 度 (6 6 0nm ) 第3図 時期別品種別の生け水の白濁程度 約23℃、RH約70％12時間日長条件で、蒸留水もしくは抗菌剤(レジェンドMK)100ml入りの試 験管に1本ずつ生け、1週間後の生け水の吸光度を調査。値は9本の平均値±標準誤差。 チェレキ ﾋﾟｸﾁｬｰﾊﾟｰﾌｪｸﾄ ﾋﾟｸﾁｬｰﾊﾟｰﾌｪｸﾄ抗菌剤 水が濁りやすい品種・時期は、生け花2日後の水のEC値が高い 0.000  0.005  0.010  0.015  0.020  0.025  0.030  ピクチャーパーフェクト （切花長40㎝） ピクチャーパーフェクト （花茎基部がある状態） チェレキ （切花長40㎝） チェレキ （花茎基部がある状態） 生け水の吸光度(660nm) 第1図 品種及び花茎の状態と生け花1週間後の生け水の白濁との関係 約23℃、RH約70％、12時間日長条件下で、蒸留水100ml入りの試験管に1本ずつ生け、生け花1週間後に生 け水の吸光度を調査。値は9本の平均値±標準誤差。 0 50 100 150 200 250 300 350 0 24 48 72 生け 水 中の糖 濃度(p pm ) 生け花後の経過時間(h) 第2図 品種及び花茎の状態と生け水中の糖濃度との関係 約23℃、RH約70％、12時間日長条件下で抗菌剤(レジェンドMK)60ml入り試験管に4本ずつ生けた。 切断区は切花長を40㎝とした。糖はグルコース、スクロース、ミオイノシトールの合計濃度を示す。値 は3反復の平均値±標準誤差を示す。 ピクチャーパーフェクト(切花長40㎝) ピクチャーパーフェクト(花茎基部がある状態) チェレキ(切花長40㎝) チェレキ(花茎基部がある状態) 水が濁りやすい品種・状態は、生け花後の水に糖が多く溶出 バクテリアの増殖を抑えるのがポイント

水の濁りには

茎からの溶出物

が関与

45

0  2  4  6  8  10  12  14  16  18  20  白濁無 白濁有 日持ち 日 数 (日 ) 前処理段階での水の白濁及び抗菌剤による前処理が 日持ちに及ぼす影響 前処理無 前処理有 現実には花茎基部を切り取る ことが多い 乾式輸送産地では、高温期に 花茎腐りに対するクレームあり 花茎基部を切り取る場合は、前処理の効果が高い。 県内産地における「花茎の腐り」の月別クレーム件数 0 1 2 3 4 5 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 品種はミノウ。40㎝に調整、前処理は1日間、 その後蒸留水に生け花。23℃、70％で試験。

抗菌剤の前処理は一定の効果がある

46

ガーベラ まとめ

• 日持ちが低下する場合は、花茎に発生する症状に

よるものが多い。

• 生け水が白濁すると日持ちが低下する。

• 生け水の白濁はバクテリアとその死骸が主体。ガー

ベラからの溶出物を餌にして、バクテリアが増殖し

ている可能性が高い。

• 白濁は時期・品種・生産者・花茎の状態で異なる。

• 水の濁りが起きやすい条件で、抗菌剤の後処理を

行うと日持ちが向上する。

• 抗菌剤の前処理も一定の効果がある。

47

長野県 野菜花き試験場 花き部

カーネーション等

切り花の品質管理技術

実用化技術開発事業（平成２２～２４年度）

「花持ち保証に対応した切り花品質管理技術の開発」

花持ち試験室

カーネーションの花持ち対策

症状

原因

対策

眠り症状

エチレン感応

ＳＴＳ（前処理）

萎凋

吸水不良

界面活性剤

（しおれ）

湿式輸送、後処理剤

花弁の変色、

老化

品種選定

褐変

低温管理

眠り症状

萎凋

褐変

エチレン対策

エチレン：植物ホルモンの

一種で老化を促進する。

受粉、エチレン感応、

水分ストレス等でエチレン発生量が増加

対策：ＳＴＳ（チオ硫酸銀錯塩）の前処理

カーネーションでは処理が必須

Ｃ＝Ｃ

Ｈ

Ｈ

Ｈ

Ｈ

＼

／

／

＼

エチレン（気体）

STS処理が花持ちに及ぼす影響

（0.2ｍＭ STS 16時間処理）

0 5 10 15 20 25 30 無 有 無 有 無 有 無 有 無 有 無 有 無 有 ‘アニー’ ‘かざぐるま’ ‘セーヌ’ ‘プラドミント’ ‘プリメロマンゴ’ ‘クレオラ’ ‘バイパーワイン’ STS処理 花 持 ち 日 数

（2011 長野野花試）

観賞条件23℃

ＳＴＳの効果

濃度・時間

0.2ｍＭの濃度で10～16時間処理

前処理時の吸水量

0.2ｍＭの濃度で切り花100ｇ当たり10ml

（20ｇの切り花1本当たり２ml）

銀吸収量

切り花100ｇ当たり銀の量で２μmol

５μmol以上では障害の可能性

ＳＴＳの処理方法

ＳＴＳの障害

過剰で花弁や葉等の変色、茎折れが発生

葉の障害

萼の障害

①処理液の銀濃度を把握する（Ａ：例0.2ｍＭ） ②処理前の溶液の重さを容器ごと計る（Ｂ：例500ｇ） ③処理を行う ④処理後の溶液の重さを容器ごと計る（Ｃ：例400ｇ） ⑤処理後の切り花重を計る（Ｄ：例800g） ⑥銀吸収量を以下の式により算出する Ａ×（Ｂ－Ｃ）／Ｄ×100＝銀吸収量（切り花重100g当たりμmol） 例 0.2×(500-400）／800×100＝2.5μmol／100g

銀吸収量の簡易な把握方法

５００ｇ ４００ｇ ８００ｇ ② ③ ④ ⑤

銀吸収量と花持ち日数

（2012 長野野花試）

23℃

←ＳＴＳ無処理

前処理時の温度・湿度が吸水量に及ぼす影響

0 2 4 6 8 10 12 14 16 0 2 4 6 8 10 12 処理時間（ｈ） 吸水量 （ml/100g） 23℃ 56% 23℃ 95% 10℃ 99%

（2011 長野野花試）

・処理前の切り花の水分状態や前処理時の

温度・湿度が処理中の吸水量に影響する。

収穫時の天候および処理条件が前処理時の吸水量

に及ぼす影響 品種：「アメリ」

（2012 南信ハウスカーネーション組合、中村専技、野花試）

６～7℃ 23℃ 78％ 22℃_93％ 25℃_69％ 21℃_88％

収穫時の天候および前処理条件が切り花重の

推移と花持ちに及ぼす影響

（2012 南信ハウスカーネ組合、中村専技、野花試）

23℃ 7/9日：晴れ、前日も晴れ 7/13日：曇り、前日は雨 8/27日：晴れ、前日も晴れ 9/19日：雨、前日は晴れ

吸水不良対策

原因

・導管への空気

の入り込み

・雑菌の繁殖

・栄養不足

対策

・湿式輸送

・界面活性剤

・抗菌剤

・切り戻し

・後処理剤

（糖＋抗菌剤）

・栽培方法の改善

抗菌剤の効果

（ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム等）

生け水の腐敗防止、茎の腐敗防止

・前処理時に用いた場合、前処理剤の腐敗防止

には有効（STSに対しては専用の抗菌剤を用いる）。

・前処理のみでは生け花時の雑菌抑制に対して効

果が小さい。→後処理剤として連続的に用いると

効果が高い。

カーネーション前処理時の抗菌剤加用が

STS溶液中の生菌数に及ぼす影響

STS剤はA社製：2000倍希釈、抗菌剤はA社製：2000倍希釈 使用後の溶液を1000倍に希釈しペトリフィルムを用いて35℃で48時間 後に調査、３反復、水道水の値は平均90

（2012 諏訪農業改良普及センター）

カーネーション前処理時の抗菌剤加用が

観賞時の生け水中の生菌数に及ぼす影響

生け花10日目に水替えを行い、12日目に活け水を採取 活け水を1000倍に希釈し、ペトリフィルムを用いて30℃で３日後に調査 水道水の値は26

_{（2012 長野野花試）}

９月26日収穫 23℃・10日 10月26日収穫 23℃・10日

糖の効果

（ブドウ糖、ショ糖等）

花持ち向上、小花蕾の開花促進、花色向上

・糖のみでは水が腐敗するので必ず抗菌剤と合わ

せて使用する。

・高濃度では主に葉に障害。

・前処理のみでは吸収量が少ない。

→後処理剤として連続的に用いると効果が高い。

湿式輸送の効果

鮮度の向上

生け花時の水揚げ向上

中間処理剤が利用可能

・条件によっては開花の進展により花持ち低下

→低温輸送、適正切り前で対応

ＳＴＳ、湿式輸送、後処理剤が吸水量に及ぼす影響

品種：「クレオラ」 前処理は0.2ｍＭ STS 16時間処理 後処理はＧＬＡ（ブドウ糖10ｇ／Ｌ、ケーソンＣＧ0.5ml/L、 硫酸アルミニウム50mg／Ｌ） を連続処理 生け花後 日数

（2011 長野野花試）

23℃

ＳＴＳ、湿式輸送、後処理剤が切り花重と花持ち

に及ぼす影響

生け花後 日数

（2011 長野野花試）

23℃

品種：「クレオラ」

切り戻し （12日）

STS

STS＋湿式

＋後処理

「クレオラ」生け花16日

後処理剤の効果

・水や茎の腐敗防止→切り戻し、水替えの省力化

・吸水促進、栄養補給→花持ち、観賞価値の向上

界面活性剤の効果

10H処理は成分で約100ppm、STS0.2mMと併用 １H処理区は成分で約1000ppm、STS１mMと併用 界面活性剤E:エマルゲン109P、A:家庭用洗剤（主成分ポリオキシエチレンアルキル エーテル）、B:家庭用洗剤（主成分アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム） ９月５日収穫のダークピンクバーバラ、切り花長55cm 観賞条件は20℃

（1995 長野農総試）

老化対策

対策：低温管理、品種選定

カーネーションの呼吸量と花持ち

（0.2ｍＭ STS 15時間処理）

（2011 長野野花試）

カーネーション花持ちの品種間差異

カーネーション花持ちの品種間差異

花持ち日数の品種間差異（STS処理区）

カーネーションの花持ちを

向上させるために

・花持ちの良い品種の選定

・ＳＴＳの適正使用

・低温管理（収穫時～消費者まで）

・湿式輸送の実施

・後処理剤使用の啓蒙

・栽培管理の改善

（施肥、潅水、温度管理）

シャクヤクの花持ち対策

症状

原因

対策

花弁の褐変、

老化

低温管理

脱落

切り前

品種選定

〃

エチレン感応

ＳＴＳ

不開花

吸水不良

切り前

栄養不足

品種選定

湿式輸送

後処理剤

花弁の脱落

不開花

収穫ステージが花持ちに及ぼす影響

０（早い）

１（並）

２（遅い）

収穫時のステージ

（サラベルナール）

（2011 長野野花試）

品種 収穫 蕾・花横経(cm) 不開花 　花持ち ステージ 4日 8日 12日 割合(12日） 日数 ‘小島の輝’ 0 3.8 9.4 9.1 10 10.7 　　　 1 5.4 10.9 6.4 20 10.1 2 10.8 12.6 0 7.7 ‘夕映’ 0 11.6 12.2 － 0 8.1 1 13.8 14.7 － 0 6.5 2 14.3 13.7 － 0 5.7 ‘サラベル 0 5.3 6.9 8.3 50 10.9 　ナール’ 1 7.3 9.1 9.4 40 9.7 2 10.8 9.9 9.6 0 6.7

収穫ステージが花持ちに及ぼす影響

生け花８日（23℃）

０

１

２

‘夕映’

‘サラベルナール’

収穫時の ステージ

切り前が花持ちおよび不開花率に及ぼす影響

（2012 長野野花試）

品質保持剤が花持ちおよび不開花率に及ぼす影響

（2012 長野野花試）

（小島の輝）

シャクヤクの花持ちを

向上させるために

・適正切り前

開花の進展が早く花弁が落花しやすい品種では

切り前を早くする。

不開花となりやすい品種は切り前を遅くする。

・品質保持剤の使用

STSの前処理を行う。

観賞時には後処理剤を使用する。

ラナンキュラスの花持ち対策

症状

原因

対策

花弁の萎凋、

老化

切り前

脱落

エチレン感応

ＳＴＳ

茎折れ

栄養不足

後処理剤

切り前

花弁の落下

_茎折れ

切り前がラナンキュラスの花持ちに及ぼす影響

０日

４日

８日

早い←切り前→遅い

萼離れ後日数

（2012 長野野花試）

23℃

切り前が花茎の伸長量と茎折れ割合に及ぼす影響

花茎伸長量は試験開始時に着花位置から下10cm位置にマーキングし、 生け花６日後に再度長さを測り算出した

品質保持剤が花持ちに及ぼす影響

品種：ドリーマー ‘スカーレット’、‘イエロー’

**はDunnett検定１％水準で対照区と 比較して有意差あり 22.1℃ 前処理は16時間、後処理は連続処理

（2012 長野野花試）

対照区

ＳＴＳ０．２ｍＭ前処理

品質保持剤による

ラナンキュラスの花持ち

延長効果（22℃、１０日）

品質保持剤がラナンキュラスの花持ちに及ぼす影響

品種：ドリーマー ‘ホワイト’、‘スカーレット’

20.4℃