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動物用ワクチン-バイオ

医薬品研究会

設立記念シンポジウム

プログラム

講演要旨集

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動物用ワクチン-バイオ医薬品研究会

改組設立総会と記念シンポジウム

日 時: 平成 22 年 3 月 25 日(木)13 時から 場 所: 日本獣医生命科学大学(東京都武蔵野市) プログラム 13:00-13:15 動物用ワクチン-バイオ医薬品研究会 改組設立総会 13:20-16:50 記念シンポジウム 「新規動物用ワクチンならびに新規治療法の開発」 座長 小沼 操(会長、北大名誉教授) 13:20-14:10 1.牛難治性慢性疾病における免疫疲弊化機序の解明と免疫賦活化の試み ~牛白血病ウイルス感染症をモデルに~ ○今内 覚、池渕 良洋、寸田 祐嗣、小沼 操、大橋 和彦 (北大、獣医学研究科) 14:10-15:00 2.黄色ブドウ球菌感染症へのファージ療法の応用 ○岩野 英知、樋口 豪紀、井上 博紀、横田 博、永幡 肇(酪農大) 小倉 俊樹(和光純薬)、近藤 昭宏(阪大)、丹治 保典(東工大) 田村 豊(酪農大) 15:00-15:10 ~ ~ 休 憩 ~ ~ 15:10-16:00 3.ウイルスベクターワクチンの開発 ○坂口 正士 ((財)化学及血清療法研究所)

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牛難治性慢性疾病における免疫疲弊化機序の解明と免疫賦活化の試み ~牛白血病ウイルス感染症をモデルに~ ○今内 覚、池渕 良洋、寸田 祐嗣、小沼 操、大橋 和彦 (北海道大学大学院獣医学研究科) 感染症や腫瘍ワクチン開発において、その研究過程では試験管レベル(in vitro)で、抗ウイルス効果や 抗腫瘍効果が認められたにもかかわらず、実際の免疫動物では期待された効果が認められなかったり、 効力が弱いという事例は多い。近年、このような難治性慢性疾病が、なぜワクチン実用化に至らない かの理由の一端が明らかになりつつある。すなわち、ワクチンの問題ではなくウイルス感染細胞や腫 瘍細胞が兼ね備える免疫回避システムが原因であることが明らかとなってきた。事実、ワクチン接種 によって誘導されるエフェクター細胞は、免疫動物内に多く認められにもかかわらず、抗ウイルス効 果や抗腫瘍効果を発揮していないのである。ヒト、サルおよびマウスなどのウイルス感染細胞や腫瘍 細胞とエフェクター細胞を解析した結果、細胞上に発現する長年感染症における機能が不明であった 免疫制御因子の関与が明らかとなってきた。いわゆる Programmed death 1(PD-1)レセプターと Programmed death ligand 1(PD-L1)である。感染細胞や腫瘍細胞では PD-L1 の発現が亢進する一方、エフ ェクター細胞上の PD-1 の発現も亢進し、お互いが結合する。その結果、本来、感染細胞や腫瘍細胞 の排除のために作用するエフェクター細胞を休眠状態(これをリンパ球の疲弊化(exhaustion)という)へ と陥れることによって免疫回避を行っていることが明らかとなってきた。幸いこのエフェクター細胞 の疲弊化は可逆的であることも明らかとされている。すなわちエフェクター細胞上の PD-1 とウイル ス感染細胞や腫瘍細胞上のPD-L1の結合を妨げてやることで本来の感染細胞や腫瘍細胞に対する傷害 活性を回復することが証明されている。この免疫回避機序を解除することさえ可能ならば、エフェク ター細胞が従来持つ抗病原体や抗腫瘍効果を生体内で発揮することが期待される。現在、ヒトの慢性 感染症や腫瘍疾患では、この PD-1/PD-L1 に注目が集まり新規ワクチンや新規治療法を目的とした基 礎研究から応用研究まで多くの研究が進められている。 現在、我々は PD-1 および PD-L1 をはじめとするウシ免疫抑制性レセプター・リガンド遺伝子を同 定し、これらの因子の機能解析を行なっている。また、種々の牛感染症における免疫抑制状態と PD-1/PD-L1 が関与する免疫制御との関係について解析を進めている。ここでは、牛白血病ウイルス感 染症をモデルとした PD-1/PD-L1 経路の解析結果を紹介し、本症のワクチン開発への応用の可能性を 紹介したい。

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黄色ブドウ球菌感染症へのファージ療法の応用 1岩野英知、2樋口豪紀、3井上博紀、1横田博、2永幡肇、4小倉俊樹、5近藤昭宏、6丹治保典、 7田村豊 1酪農大獣医生化、2酪農大獣医衛生、3酪農大環境システム環境生化、4和光純薬、5 阪大、 6東工大生命理工、7酪農大獣医公衆衛生 本研究では、生乳生産について最も大きな阻害要因と認識されている「ウシ乳房炎」につ いて、抗生物質ではない効果的な新規治療技術の開発について検討する。 乳房炎は病原微生物によって引き起こされる感染症であるため、乳房炎治療において抗生 物質はその中心的な役割を担ってきた。特に、新規(新世代)抗生物質の開発が加速度的に 進められる中、獣医医療における使用量も増加の一途をたどっている。日本は「抗生物質大国」 と言われ、年間2000 トン以上の抗生物質が使用されている。使用内訳は人の医療用に 500 トン、家畜の治療用に1000 トン、農薬として 400 トン、家畜飼料の添加剤(成長促進剤) として230 トンである。家畜に投与された抗生物質は鶏肉・豚肉・牛肉などの畜産物に残留す るだけでなく、動物の排泄物を介し、野菜などにも移行する。従って、消費者は気付かない うちに抗生物質入りの肉や野菜を食べている可能性がある。このように抗生物質を多用する と抗生物質耐性菌が、一般環境中に顕在化する危険性を増大させる。このような状況を憂慮 し、欧州では2006 年に成長促進剤としての抗生物質の使用を全面禁止とした。日本におい ても畜産業における抗生物質の使用を制限する動きがある。 我々は、これまで細菌にのみ感染し、死滅させるウイルス(ファージ)を使ったファージ セラピーを乳房炎治療に展開しようと考え、東京工業大学のグループと共同研究を行い、乳 房炎原因菌のStaphylococcus aureusに対するファージ(野外株)を数十種類分離しており、 その中で特に溶菌活性の高い2 種類を既に特許出願している。 現在、酪農学園大学でマウスを用いた乳房炎モデルを立ち上げ、ファージ療法の実証試験 を行っており、ウシ乳房炎への治療展開の足がかりとなる知見を得たいと考えている。本シ ンポジウムでは、これまで分離したSA に対するファージ特性を述べるとともに、in vivoで の予備実験データを報告し、今後のウシ乳房炎へのファージ療法展開についてディスカッシ ョンしたいと考えている。またさらに、今回分離したファージはウシ乳房炎治療に留まらず、 あらゆる細菌感染、特に抗生物質耐性菌制圧への新たな治療法としての応用も期待できる。

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ウイルスベクターワクチンの開発 ((財)化学及血清療法研究所 坂口 正士) 遺伝子組換え技術を用いた最初のワクチンは、人の B 型肝炎ワクチンである。1986 年に認 可されているが、これ以降、組換え技術を用いたワクチンの開発は人よりもむしろ動物にお いて盛んに取り組まれ、今日に至っている。B 型肝炎ワクチンの場合には、酵母などで産生 させた S 抗原を精製して用いるコンポーネントであるが、現在では、このような組換え蛋白 を用いたワクチンに加え、組換え遺伝子を生体に投与するウイルスベクターワクチンや DNA ワクチンが動物では実用化されている。 ウイルスベクターワクチンで最初に実用化されたものは、鶏痘ウイルスベクターによって ニューカッスル病を防御するワクチンである。1994 年に米国で認可されている。その後、同 じく鶏痘ウイルスをベクターとして、鳥インフルエンザ、伝染性喉頭気管炎、マイコプラズ マを防御するワクチンが実用化されている。近年では、七面鳥ヘルペスウイルス(HVT)ベ クターを用いたワクチン開発が盛んであり、ニューカッスル病、伝染性ファブリキウス嚢病 (IBD)、伝染性喉頭気管炎に対するワクチンが認可されている。鶏痘、HVT いずれのウイ ルスベクターも、自身による当該疾病をも防御する二価ワクチンである。 鶏以外で実用化されているベクターワクチンとして、ワクシニアウイルスを用いた狂犬病 ワクチンがある。1995 年にフランスで認可を受けて以降、欧米で使用され、野生動物におけ る狂犬病の制御に用いられている。同ワクチンの場合、ワクチンウイルスを包埋した餌を空 から散布することにより、キツネやコヨーテなどの野生動物へのワクチネーションが実施さ れている。これは、ワクシニアウイルスの経口感染性と、野外においても失活しにくい熱安 定性を利用した成功例と言える。このベクターワクチンの応用により、弱毒の狂犬病ウイル スを用いた場合に課題であった安全性の問題も解決している。同様な改善が、鶏の IBD でも 達成されている。IBD 生ワクチンの場合、多少なりとも F 嚢にダメージを与えるが、HVT を ベクターとして IBDV の VP2 を発現するワクチンではこのような懸念はない。 我々は、マレック病ウイルス1型を用いてニューカッスル病を防御する二価ワクチンを開 発中である。本ベクターワクチンは移行抗体存在下においても有効であり、一回の投与で二 年に亘り防御レベルの抗体価を持続させる。感染細胞のまま投与することで移行抗体による 排除から逃れ、またヘルペスウイルスの持続感染性を損なわないことで終生免疫を達成して いると考えている。本演題では、当該ベクターワクチンの有効性と安全性に関する成績を紹 介する予定である。

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遺伝子組換え植物によるワクチン・医薬原材料生産の現状 (独)産業技術総合研究所 植物分子工学研究グループ 松村 健 遺伝子組換え植物を用いて医療用物質を生産させる、いわゆる、Plant-made-pharmaceuticals (PMPs)の研究開発は、20 年ほど前から行われ始め、欧米の研究機関を中心に非常に多くの研 究開発がなされてきている。 当初、生産系が植物であるという利点を生かす経口ワクチンの開発が主なターゲットとさ れ、人や動物の感染症に対するワクチン生産植物の開発が多数報告された。2006 年にダウア グロ社がタバコの培養細胞を用いてニワトリニューカッスル病に対する経口ワクチンの認可 を USDA から得たのが、世界で初めての植物生産ワクチンになるが、これ以降の製品開発例 は未だ無いのが現状である。一方、2009 年末に Protalix 社がゴーシェ病の治療薬を遺伝子組 換えニンジンの培養細胞で生産し、フェーズⅢを終了、pfizer 社が世界的販売権を得たとい うニュースが流れている。しかし、これらの例はいずれも培養細胞を用い、タンク培養した ものから抽出・精製工程を経て製品化されたもので、いわゆる、遺伝子組換え植物体を用い た実用化例は未だ無い。しかも、現在、PMPs の多くは、動物よりも人体用、ワクチンより も抗体等へ、可食用作物種の利用からタバコ(抽出・精製が必須)を用いた生産研究へと加 速化されている。 我々は、当初からサイトカイン、ワクチン、抗体等の遺伝子組換え植物生産に関する研究 開発を行って来ており、また、植物ウイルスベクターを用いた生産系開発も同時に行ってき ている。また、これらの実用化のためには、PMPs を生産する場として、野外栽培ではなく、 厳密な管理が可能な完全人工環境下で遺伝子組換え植物の栽培・生産が可能な、医薬品原材 料生産のための密閉型遺伝子組換え植物工場を世界で初めて開発・稼働させ、その実証試験 もおこなっている。 そこで、遺伝子組換え植物を用いたワクチン生産開発例、およびインターフェロン発現イ チゴを例に遺伝子組換え植物工場の研究開発に関して紹介する。

参照

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