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土田 朋子 論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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土田 朋子 論文内容の要旨

主 論 文

Effect of Respiratory Syncytial Virus Infection on Plasmacytoid Dendritic Cell- Regulation of Allergic Airway Inflammation

RSウイルス感染が形質細胞様樹状細胞のアレルギー性気道炎症制御に与える影響)

Tomoko Tsuchida, MD, Hiroto Matsuse, MD, PhD, Susumu Fukahori, MD, Tetsuya Kawano, MD, PhD, Shinya Tomari, MD, PhD,

Chizu Fukushima, MD, PhD and Shigeru Kohno, MD, PhD

(International archives of allergy and immunology)

〔in press〕

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科新興感染症病態制御学系専攻

(主任指導教員:河野 茂教授)

緒 言

呼吸器ウイルス感染は小児、成人において気管支喘息増悪の誘引となる。呼吸器ウイルス の中でも、小児において Respiratory syncytial virus(RSV)感染は一般的であるが、成人にお いても RSV 感染は気管支喘息増悪の risk factor となる。さらに RSV 感染は喘息発症の risk factor である可能性も報告されている。その機序として Th2 優位のアレルギー性気道炎症を 発症、悪化させると考えられるが、ウイルスによる喘息増悪のメカニズムは明らかでない。一 方、形質細胞様樹状細胞(pDC)はウイルス感染に対して IFN-α/βを産生し抗ウイルス効 果を示す抗原提示細胞であり、アレルギー性気道炎症に対しては抑制的に働くことが報告 されている。本研究はダニ [

Dermatophagoides farinae

(Df)] アレルゲン感作マウス喘息モデ ルを用いて、アレルギー性気道炎症の発症における pDC の機能に RSV 感染がどのように影 響するかを明らかにすることを目的とした。

対象と方法

Control 群とダニアレルゲン感作させた Df 群の BALB/cマウスの脾臓由来 pDC を免疫磁気 的に分離し Control-pDC、Df-pDC を作成した。それらをレシピエントのナイーブ BALB/c マ ウスに経鼻移入し経鼻ダニチャレンジを行い、肺組織、肺胞洗浄液(BALF)中の細胞分画

(2)

を検討し、肺組織から分離した単核細胞を培養、上清中の IFN-γ、IL-5、IL-10 を ELISA 法で測定した。次に pDC を in vitro で RSV 感染させた後、同様にレシピエントマウスに経鼻 移入し、経鼻ダニチャレンジを行い肺の組織像、BALF の細胞分画、サイトカインを検討した。

また、抗 IL-10 receptor 抗体による効果と肺組織中の制御性 T 細胞(Treg)、骨髄系樹状細 胞(mDC)および IL-10 産生細胞について、フローサイトメトリーで解析した。

結 果

ダニアレルゲン感作

pDC

の気道への移入により、肺組織で好酸球浸潤と粘液産生で 特徴付けられるアレルギー性の気道炎症の抑制効果および

BALF

中の好酸球減少を 認めた。肺組織中のアレルゲン特異的サイトカイン産生において、

IFN-

γ、

IL-5

もに有意に産生が抑制され、免疫調整性サイトカインである

IL-10

は有意な増加を認 めた。

pDC

によるアレルギー性気道炎症抑制効果における

IL-10

の役割を明らかに するために、抗

IL-10 receptor

抗体投与により内因性

IL-10

の作用をブロックしたと ころ、完全ではないが有意に

pDC

による抑制効果が減弱した。

IL-10

産生細胞に関 しては、肺組織中の

CD4+Foxp3+

Treg

細胞が

pDC

の移入により増加していたた め産生細胞と考えていたが細胞内

IL-10

産生を検討したところ、

IL-10

産生細胞は

Foxp3-であり、Treg

以外の細胞が産生源と考えられた。他にも、pDC移入により肺 組織中の

mDC

が減少しており、

pDC

によるアレルギー性気道炎症抑制効果の一因と 考えられた。次に、ダニアレルゲン感作

pDC

にレシピエントへの移入前に

RSV

感染 させたところ、

IL-10

Treg

の増加は認めず

mDC

の減少とアレルギー性気道炎症の 抑制効果が消失した。

考 察

喘息のアレルギー性気道炎症が存在する気道において、pDC は、Treg、IL-10、mDC など を制御することにより、ダニアレルゲンなど吸入アレルゲンに対する免疫寛容を誘導し、アレ ルギー性気道炎症の発症を抑制している。これらの免疫寛容に関わる機序は RSV 感染によ り消失し、アレルギー性気道炎症の発症が促進される。将来的には pDC 機能を制御するこ とで、喘息の発症予防ができる可能性が示唆された。

参照

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