環境科学部創立 10周年記念特別号 に寄せ て
長崎大学環境科学部長 佐 久 間 正
国立大学で初 めて環境学
e n vi r o nme n t a ls t udi e s
の教育研究 を行 う学部 として創 立 され た長崎大 学環境科学部 は、2007年1 0
月 、創 立1 0
周年 を迎 える。 この間、私 た ちは本学部 の教育研 究基盤 の確 立 に努力す る ともに、環境 学の学問的確 立に向けてそれぞれ の専門領域 において研 究 を進 め てきた。 その成果 の一端 を、本学部紀要であ る 『総合環境研 究』 の1 0周年記念特別 号 とい う形
で示す こ とがで きるこ とを、私 は嬉 しく思 ってい る。現代 の環境運動 の進展 に促 され 、従来 の学 問 ・科学 の在 り方 を批判す る中で
1 960年代 に出発
した環境学 は、人類 の存続す ら危倶 させ るに至 った環境劣化 と資源枯渇 に象徴 され る環境 問題 の 解決 に寄与す ることを 自らの使命 としてい る。 環境 問題 を克服 し永続 的な人 間社会 を形成 してい くためには、従来 の学 問 ・科学 を批判 的 に継 承す る とともに、近代社会 において周辺 に追 いや ら れ、あ るいは切 り捨 て られて きた経験 と知 に新 たな照明 を当て、看過 され て きたその意義 を改 め て掴 み直す こ とが求 め られ てい る。 それ ゆえ、環境学 は実践性 、批判性 、総合性 を 自らの学問的 特質 と してい る と言 って よい。本学部 が所謂文系 と理系、基礎 か ら応用 に至 る多様 な研 究領域 を 専門 とす る教員 を有す る とともに、本学部 の教育が しば しば文理融合 な る語 で表現 され る総合 的 環境教育 のカ リキュラムを備 えてい るこ とは以上の理 由による。長崎大学環境科学部 の来 し方 を振 り返 り、新 しい