* 正会員 東京大学空間情報科学研究センター (Center for Spatial Information Science, The University of Tokyo) **正会員 (株)リクルート住まいカンパニー SUUMO リサーチセンター(Recruit Sumai Company Ltd.)
1. はじめに (1)研究の背景 住宅を長期間にわたり利活用する上で不可欠な中古住宅 市場は、中古住宅流通に係る制度・情報整備の充実ととも に拡大してきたものの、わが国の戸建て住宅では、新築市 場に比べ依然として小規模にとどまっている(国土交通省, 2016; 趙・高田, 2013)1), 2)。成熟社会における住宅市場の展 望を議論する上でも、中古戸建て住宅に対する需要と供給 とのバランスを把握し、需要に対して供給が不足している あるいは需要に対して供給が過多になっているセグメント を見極めることが求められる。 しかしながら、立地・築年数・規模といった基本的な視 点であっても、首都圏全体で横断的・定量的に中古住宅市 場の需給バランスを捉えることは容易ではない(鈴木・浅 見, 2017)3)。需要量と供給量という、両サイドの情報が必 要となるためである(1)。 需要量を把握する手段としては、アンケート調査が広く 用いられる(Gao et al., 2013)4)。しかしながら、表明選好 であるために、物件価格との兼ね合いを考慮するには限界 があるため、利便性が高く、新しい、広い物件が希望され やすいという設問設計上の課題がある。供給量は不動産ポ ータルサイトへの掲載物件数として把握できるが、需要量 の把握に限界があるために、両者のバランスの定量化には 課題が残る。 そこで、市場での均衡の結果として、顕示選好であるヘ ドニック価格を通して「選好(preference)」の測定が試み
られてきた(Gao and Asami, 2011)5)。しかしながら、均衡
価格を通して捉えられる顕示選好と需給バランスとは、必 ずしも一致しない。全ての購入検討者の間で物件属性に対 する効用関数が共通していれば、物件から得られる効用に
応じて価格が設定されるため、本来はどの物件を購入して も無差別となるはずである。しかし現実には、購入検討者 によって効用関数が異なっており(Schnare and Struyk,
1976)6)、価格は各効用関数の包絡線となっている。検討対 象に含まれる(一定の効用が得られる)物件の範囲が各検 討者で異なるため(Piazzesi et al., 2020)7)、各物件属性に対 する購入検討者のボリュームが価格水準とは独立に定まる こととなる。例えば、古くなるほど物理的な建物劣化が進 み価格は低下する実態からは、両者のトレードオフの結果 として、いずれの築年数帯において需要に対して供給が不 足しているかは捉えられない。 (2)研究の目的と位置づけ 本稿では、首都圏中古戸建て住宅市場における需給バラ ンスの把握を目的とする。住宅の価値を構成する基本的な 要素である、立地(都心まで乗車時間・最寄り駅まで徒歩 時間)・築年数・規模(延床面積)に着目し、需給バランス の基本的傾向や、その傾向の経年変化を分析する。 一般に、住宅購入に際しては、不動産ポータルサイト上 で物件情報を収集し、関心のある住宅について資料請求を 行いながら検討を重ね、最終的な購入契約に至る(2)。そこ で本稿では、価格と物件性能の両者を考慮しつつ市場での 需給バランスを捉える新しい指標として、1 物件あたりの 資料請求量(購入検討者のボリューム)を用いる。売り手 に対する潜在的な買い手の比率を明示的に捉えられる点で、 既存研究にはない新しい試みと位置づけられる(Han and Strange, 2016; van Dijk and Francke, 2018)8), 9)。なお、1 物件
あたりの資料請求量は、各物件に対する潜在的な需要の大 きさを表す一方で、中古住宅市場への物件供給の少なさを 表す側面も有するため、「需給バランス」を捉えているとい える。また、住宅需要に応じて住宅供給が進んできたとす
物件レベルの資料請求量を用いた住宅市場の需給バランスの測定
首都圏中古戸建て住宅を対象に-Quantifying demand-supply balance in housing market using property-level inquiry volume
- The case of resale detached houses in the Tokyo metropolitan area -鈴木 雅智*・新井 優太** Masatomo Suzuki*, Yuta Arai** In resale detached housing market in Tokyo, this paper attempts to measure demand-supply balance in housing
market using a novel dataset on “property-level inquiry volume” from the online real estate web portal. Through logistic regressions, we decompose the volume of inquiries into their property characteristics. We first show that the inquiry level is recently increasing on suburban properties within a walkable distance to a railway station, suggesting a preference on transportation convenience. We also show that, as a property ages, the inquiry level does not decline and even increases in central area, possibly for a potential for renovation or reconstruction. We further show that, in outer suburb, the inquiry level for large properties is not so high as small ones, which implies that some mismatch exists between recent demands and existing housing stocks.
Keywords: 中古住宅市場, 住宅選好, 市場指標, 需要と供給
ると、本来は全ての中古住宅セグメントにおいて需給バラ ンスは一定であるはずである。しかし住宅には長期間にわ たる耐久性があり、建設当初と比較して需要が変化し需給 バランスにばらつきが生じていることが想定される。 2. データと分析手法 (1)物件レベルの資料請求情報 本稿では、株式会社リクルート住まいカンパニーが運営 する不動産ポータルサイト「SUUMO」(3)の掲載物件につい て、各物件に紐づいた資料請求情報を分析する。首都圏一 都三県(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)の中古戸建 て住宅のうち、2012 年 1 月~2018 年 12 月に掲載された物 件を対象とする。東京都心まで乗車時間(各最寄り駅から、 主要ターミナル駅(4)までの鉄道乗車時間)が 80 分以上の物 件、最寄り駅まで徒歩時間が 50 分以上の物件、築年数が 60 年以上の物件、延床面積が 30m2未満・300m2以上の物 件、掲載期間が 2 年以上の物件等を除外し、202,626 件を分 析に用いた(5)。 購入検討者は、当該ポータルサイト上で各物件に対し資 料請求を行うことができ、各物件に紐づく形で資料請求数 が記録される。本稿では、資料請求レベルを分析するにあ たり、資料請求数が一都三県全域・全期間において上位約 14.5%に入るかどうかを説 明する形をとる。すなわち、 ある自然数 n に対し、資料 請求数が多い上位約 14.5% の物件を「資料請求高レベ ル」(資料請求数が n 件以 上)、その他の物件を「資料 請求標準レベル」(資料請求 数が n 件未満)と定義する (14.5%という閾値は、資 料請求数の閾値 n により定 まるものである)(6)。物件 の成約に結びつくためには 一定数の資料請求があれば 必要十分であること(7)、ま た、物件の広告枠等によっ ては、資料請求数はその一 定数を超えて過大となりう ることから、資料請求量を 2 値化し分析する。 表-1 に基本統計量を示 す。列(1)の全域に加え、都 心まで乗車時間帯について のサブサンプルとして、列 (2)-(4)に、都心(20 分未 満)・近郊(20-39 分)・外 縁(40 分以上)における値 を示す。資料請求高レベル の割合は、都心で 21.9%、近郊で 14.7%、外縁で 11.0%であ り、都心から離れるほど資料請求レベルが低下することが うかがえる。説明変数のうち、都心まで乗車時間、最寄り 駅まで徒歩時間、築年数、延床面積については、平均値に 加え、5 つの変数帯に区分し構成比を示す。さらに、土地 面積、木造ダミー、掲載期間(ポータルサイトへの掲載開 始から抹消に至るまでの期間)、取引年次を説明変数として 用意した。 (2)ロジットモデルの構築 本稿では、物件 i について、被説明変数 Yiを「資料請求 数が上位約 14.5%に入る」(資料請求高レベル)とき 1 を、 それ以外(資料請求標準レベル)のとき 0 をとる 2 値変数 とし、次のロジットモデルを推計する。 Yi = α + ∑j β1jTTij + ∑j β2jWTij + ∑j β3jAGij + ∑j β4jFSij + ∑k γkXik + Cityi + Timei + εi (1) ここで、TTijは都心まで乗車時間帯、WTijは最寄り駅まで 徒歩時間帯、AGijは築年数帯、FSijは延床面積帯であり、j = 1, 2, …, 5 は区分帯を表す。式(1)において、例えば係数 β1j は、最寄り駅まで徒歩時間、築年数、延床面積等の基本的 な要素をコントロールした際に、都心まで乗車時間が資料 表-1:基本統計量 サンプル: 変数 平均/比率 S.D. 平均/比率 S.D. 平均/比率 S.D. 平均/比率 S.D. 被説明変数 資料請求レベル 高(上位約14.5%) 0.145 0.219 0.147 0.110 標準(上位約14.5%未満) 0.855 0.781 0.853 0.890 説明変数 都心まで乗車時間(分) 35.7 15.9 12.7 4.5 30.8 5.8 51.1 9.4 0-19 0.178 1.000 0.000 0.000 20-29 0.165 0.000 0.392 0.000 30-39 0.257 0.000 0.608 0.000 40-49 0.216 0.000 0.000 0.540 >=50 0.184 0.000 0.000 0.460 最寄り駅まで徒歩時間(分) 16.0 7.4 12.6 5.3 16.4 7.0 17.0 8.1 0-9 0.128 0.183 0.105 0.127 10-14 0.352 0.530 0.332 0.293 15-19 0.266 0.202 0.287 0.273 20-24 0.138 0.058 0.153 0.157 >=25 0.117 0.028 0.123 0.150 築年数(年) 24.3 11.4 24.1 12.3 24.1 11.2 24.7 11.1 0-9 0.074 0.094 0.074 0.065 10-19 0.309 0.322 0.311 0.301 20-29 0.322 0.301 0.330 0.322 30-39 0.173 0.147 0.170 0.188 >=40 0.122 0.136 0.115 0.123 延床面積 (m2) 104.5 35.8 107.9 46.5 103.2 34.7 104.4 31.0 <80 0.182 0.253 0.189 0.143 80-89 0.172 0.166 0.173 0.173 90-99 0.221 0.155 0.233 0.238 100-119 0.217 0.170 0.213 0.242 >=120 0.208 0.256 0.192 0.204 土地面積 (m2) 130.0 99.7 94.1 76.1 123.7 76.5 152.5 122.3 木造ダミー 0.869 0.794 0.872 0.899 掲載期間(日) 123.1 101.2 117.0 93.3 121.8 99.3 127.3 106.3 掲載年次 2015.2 2.1 2015.4 2.1 2015.2 2.1 2015.1 2.1 2012-2015 0.541 0.503 0.550 0.549 2016-2018 0.459 0.497 0.450 0.451 サンプル数 (1) (2) (3) (4) 202,626 36,076 81,011 全域 都心 近郊 外縁 85,539 ※量的変数については、平均値および標準偏差(S.D.)を示す。カテゴリ変数については、その構成比率を示す。
請求レベルに及ぼす影響(高レベルとなる確率の大きさ) を捉えることとなる。 Xikはその他のコントロール変数、Cityiは市区町村ダミー、 Timeiは月次ダミー、εiは誤差項である。なお、物件の売却 が完了すると募集は停止され、資料請求も行うことができ なくなる。すなわち、ポータルサイトへの掲載期間が長け れば、資料請求数も増加する傾向にあるため、掲載期間の 対数値をコントロール変数に加えた。 (3)分析の構成 続く第 3 節では、まず、全域のサンプルを利用したモデ ルに基づき、都心まで乗車時間に対する資料請求レベルを 推計し、都心(20 分未満)・近郊(20-39 分)・外縁(40 分 以上)という地域区分を定義する。次に、全域のサンプル や各地域のサブサンプルを利用したモデルに基づき、最寄 り駅まで徒歩時間・築年数・延床面積に対する資料請求レ ベルを推計する。 第 4 節では、2012-15 年、2016-18 年に区分したサブサン プルを用いて第 3 節の分析を実施し比較することで、都心 まで乗車時間・最寄り駅まで徒歩時間・築年数・延床面積 に対する資料請求レベルの経年変化を分析する。 3. 全期間を通した住宅市場の需給バランス 表-2 は、式(1)に基づき全期間のサンプルを用いた、資 料請求レベルに関するロジットモデルの推計結果である。 図-1、図-3~図-5 は、表-2 に基づき、主要 4 変数につ いて資料請求レベル を可視化したもので ある。各図中のエラ ーバーは、90%信頼 区間を示す。 (1)都心まで乗車時 間 図-1 に、表-2 列(1)に基づき、資料 請求が高レベルとな る確率について、都 心まで乗車時間 20 分未満の物件を基準 (≡ 1)としたとき、 その他の乗車時間帯 j における相対確率 exp(β1j)を示す。 都心まで乗車時間 20 分未満の物件に 比べ、都心から 40 分以上の物件では、 資料請求が高レベル となる確率が約60% 低下し、都心から離 れるほど資料請求レ ベルは低下する傾向にある。都心の中古戸建て住宅に需要 が集中する理由として、都心では土地価格が高く、予算制 約上、中古戸建ても検討されやすいことや、土地としての 資産価値も高く維持される期待があることが考えられる。 この結果をふまえ、都心まで乗車時間が 20 分未満を「都 心」、20-39 分を「近郊」、40 分以上を「外縁」として地域 区分を定め、以降では地域毎のサブサンプル分析の結果も 報告する。 図-2 は、資料請求が高レベルの物件比率について、最 寄り駅単位での空間分布を示したものである。図-1 と同 様に、都心から離れるほど概ね資料請求レベルが低下する 傾向がみられ、都心から離れるほど一般に地価が下落する 傾向と対応している(8)。また、東京西部・鎌倉・柏周辺等、 都心から距離があっても資料請求レベルが高い物件が多い 地域(赤色)も存在する点からも、地価水準との一定の連 動がみられるといえる。 (2)最寄り駅まで徒歩時間 図-3 に、資料請求が高レベルとなる確率について、最 寄り駅まで徒歩 10 分未満の物件を基準(≡ 1)としたとき、 その他の徒歩時間帯 j における相対確率 exp(β2j)を示す。全 域における推計結果(青太線;表-2 列(1)に基づく)に加 え、都心(赤線;表-2 列(2))・近郊(緑線;表-2 列(3))・ 外縁(黄線;表-2 列(4))のサブサンプルについても示す。 各地域で基本的な傾向は一致しており、最寄り駅から徒 歩 10 分未満の物件に比べ、徒歩 15 分以上の物件では資料 表-2:ロジットモデルの推計結果(全期間)
説明変数 Coef. S.E. Coef. S.E. Coef. S.E. Coef. S.E. 都心まで乗車時間(分) 0-19 20-29 -0.3894 0.0234 *** 30-39 -0.6746 0.0241 *** -0.2423 0.0255 *** 40-49 -0.9580 0.0280 *** >=50 -0.8051 0.0302 *** 0.0503 0.0289 * 最寄り駅まで徒歩時間(分) 0-9 10-14 0.0071 0.0207 -0.0354 0.0359 0.0619 0.0344 * -0.0003 0.0391 15-19 -0.1576 0.0223 *** -0.1512 0.0443 *** -0.1418 0.0359 *** -0.1202 0.0402 *** 20-24 -0.3035 0.0268 *** -0.3181 0.0711 *** -0.3120 0.0414 *** -0.2111 0.0454 *** >=25 -0.3171 0.0290 *** -0.1406 0.0996 -0.4835 0.0461 *** -0.1386 0.0458 *** 築年数(年) 0-9 10-19 0.0403 0.0268 0.1915 0.0522 *** -0.0299 0.0402 0.0081 0.0504 20-29 0.0192 0.0272 0.2382 0.0533 *** -0.0555 0.0408 -0.0136 0.0513 30-39 0.1077 0.0295 *** 0.2969 0.0600 *** 0.0432 0.0446 0.0866 0.0537 >=40 0.1504 0.0309 *** 0.4329 0.0594 *** 0.0001 0.0481 0.0978 0.0570 * 延床面積 (m2) <80 80-89 -0.1853 0.0221 *** -0.0520 0.0426 -0.1383 0.0339 *** -0.2406 0.0423 *** 90-99 -0.1471 0.0216 *** 0.0212 0.0449 -0.0593 0.0328 * -0.2080 0.0403 *** 100-119 -0.1439 0.0220 *** 0.0112 0.0453 -0.0246 0.0344 -0.2411 0.0398 *** >=120 -0.3309 0.0262 *** -0.0430 0.0538 -0.1319 0.0428 *** -0.4154 0.0440 *** 土地面積 (m2) -0.0012 0.0001 *** -0.0068 0.0004 *** -0.0027 0.0002 *** 0.0001 0.0001 木造ダミー 0.2618 0.0211 *** 0.3520 0.0380 *** 0.3344 0.0334 *** 0.1333 0.0408 *** ln[掲載期間(日)] 0.8328 0.0102 *** 0.7313 0.0203 *** 0.8271 0.0157 *** 0.9766 0.0188 *** 市区町村ダミー 掲載時点ダミー(月次) 定数項 -5.2946 0.1042 *** -4.4690 0.3273 *** -5.6699 0.1527 *** -6.9404 0.1897 *** サンプル数 Pseudo R2 Yes Yes 80,975 0.1024 (reference) (reference) 0.0877 (reference) (4) 外縁 (reference) (reference) (reference) (reference) (reference)
(reference) (reference) (reference)
(1) (2) (3)
都心
202,612 36,062 85,527
(reference)
全域 近郊
Yes Yes Yes
Yes Yes Yes
0.0932 0.0825
(reference) (reference) (reference)
請求レベルが約 10%以上低下する。とりわけ全域における 推計結果では、徒歩 20 分台では高レベルとなる確率が約 20%少ない(9)。都心まで乗車時間が少ない物件で資料請求 レベルが高い傾向もふまえると、都心まで乗車時間・最寄 り駅までの徒歩時間を合わせた交通利便性が志向されてい ることがうかがえる。 なお、中古戸建て住宅に限らない一般的な立地選好と して、近年首都圏では、共働き世帯の増加等を背景に、 最寄り駅へのアクセスが良好な地域への人口集中・居住 地選好がみられる(相, 2014, 2016; 山崎ほか, 2012)10), 11), 12)。一方、最寄り駅から離れた郊外住宅地では、中古市 場にも出されない戸建て空き家が増加しつつある(吉武 ほか, 2016)13)。こうした変化が、中古戸建て住宅市場に おける需給バランスにも反映されていると考えられる。 (3)築年数 図-4 に、資料請求が高レベルとなる確率について、築 10 年未満の物件を基準(≡ 1)としたとき、その他の築年 数帯 j における相対確率 exp(β3j)を示す。全域における推計 結果(青太線;表-2 列(1))に加え、都心(赤線;表-2 列(2) )・近郊(緑線;表-2 列(3))・外縁(黄線;表-2 列 図-1:都心まで乗車時間と資料請求レベルの関係 【凡例】 ー 鉄道 (JR線) 資料請求高レベル比率 (最寄り駅集計) 10km 30km 50km 柏 鎌倉 横浜 千葉 大宮 立川 3.1 – 9.8% 9.8 – 13.5% 13.5 – 17.5% 17.5 – 22.3% 22.3 – 49.1% 図-2:資料請求「高レベル」の物件比率(空間分布) ※全期間を通したサンプル数が50以上の駅について可視化した。同心円(点 線)は、東京駅を中心とした距離帯を示す。 図-3:最寄り駅まで徒歩時間と資料請求レベルの関係 図-4:築年数と資料請求レベルの関係 図-5:延床面積と資料請求レベルの関係
(4))のサブサンプル についても示す。 全域における推計 結果から、築年数が 増加しても、資料請 求レベルは低下しな いことがうかがえる。 中古住宅流通市場・ 住宅リフォーム市場 の活性化に向けたイ ンスペクションの実 施等の施策(国土交 通省)14)を通して、 築年数の経過した物 件であっても、資料 請求レベルが低下し ない可能性が考えら れる。 また、とりわけ都 心の物件では、築年 数の増加に従って資 料請求レベルが上昇 する傾向が顕著であ り、建て替え・再開 発需要の高さも反映 していると考えられ る(10)。築古マンショ ンの場合、修繕積立 金が高くなること、 建て替えが困難であ るため残り何年居住 できるか不透明であ ること等、需要を低 下させる要因が考え られるが、築古戸建 ての場合、最終的に 建て替えることが可 能で土地としての価 値を有するために ( 山 崎 , 2005a, 2005b; 山崎・陣内, 2002, 2003)15), 16), 17), 18)、 一定の需要を維持で きると考えられる。 (4)延床面積 図-5 に、資料請 求が高レベルとなる 確率について、延床 面積 80m2未満の物 件を基準(≡ 1)とし 表-3:ロジットモデルの推計結果(経年変化) (a) 2012~2015 年 2012-2015年
説明変数 Coef. S.E. Coef. S.E. Coef. S.E. Coef. S.E. 都心まで乗車時間(分) 0-19 20-29 -0.4838 0.0328 *** 30-39 -0.7680 0.0338 *** -0.1916 0.0354 *** 40-49 -1.1085 0.0391 *** >=50 -0.9227 0.0421 *** 0.1055 0.0402 *** 最寄り駅まで徒歩時間(分) 0-9 10-14 0.0764 0.0285 *** -0.0277 0.0496 0.1723 0.0470 *** 0.0878 0.0548 15-19 -0.1036 0.0308 *** -0.0623 0.0611 -0.0912 0.0492 * -0.0211 0.0564 20-24 -0.1948 0.0369 *** -0.1350 0.0990 -0.1925 0.0568 *** -0.0752 0.0634 >=25 -0.2131 0.0400 *** -0.1503 0.1448 -0.3782 0.0630 *** 0.0443 0.0642 築年数(年) 0-9 10-19 0.0616 0.0497 0.1204 0.1005 0.0236 0.0736 0.0881 0.0929 20-29 0.0280 0.0500 0.1603 0.1010 -0.0027 0.0741 0.0417 0.0937 30-39 0.0663 0.0521 0.2144 0.1066 ** 0.0694 0.0775 0.0665 0.0960 >=40 0.0315 0.0537 0.3222 0.1062 *** -0.0551 0.0814 -0.0596 0.0996 延床面積 (m2 ) <80 80-89 -0.2115 0.0304 *** -0.1008 0.0598 * -0.1622 0.0461 *** -0.1729 0.0580 *** 90-99 -0.2130 0.0300 *** -0.0079 0.0638 -0.1099 0.0453 ** -0.2373 0.0559 *** 100-119 -0.1723 0.0304 *** -0.0313 0.0636 -0.0421 0.0472 -0.1878 0.0549 *** >=120 -0.3524 0.0361 *** -0.1077 0.0750 -0.1167 0.0576 ** -0.3509 0.0607 *** 土地面積 (m2) -0.0012 0.0002 *** -0.0073 0.0006 *** -0.0029 0.0003 *** 0.0001 0.0001 木造ダミー 0.2497 0.0297 *** 0.3387 0.0521 *** 0.2807 0.0472 *** 0.1672 0.0596 *** ln[掲載期間(日)] 0.8740 0.0137 *** 0.7584 0.0272 *** 0.8834 0.0208 *** 1.0303 0.0260 *** 市区町村ダミー 掲載時点ダミー(月次) 定数項 -5.5157 0.1355 *** -4.5504 0.4390 *** -6.0665 0.1968 *** -7.6005 0.2503 *** サンプル数 Pseudo R2 (reference) (1) (2) (3) (4) 全域 都心 近郊 外縁 (reference) (reference)
(reference) (reference) (reference) (reference)
(reference) (reference) (reference) (reference)
0.0971 0.0826 0.0949 0.1030
Yes Yes Yes Yes
Yes Yes Yes Yes
(reference) (reference) (reference) (reference)
109,646 18,139 47,077 44,394
※有意水準:***1%、**5%、*10%
(b) 2016~2018 年 2016-2018年
説明変数 Coef. S.E. Coef. S.E. Coef. S.E. Coef. S.E. 都心まで乗車時間(分) 0-19 20-29 -0.2931 0.0337 *** 30-39 -0.5801 0.0346 *** -0.2889 0.0370 *** 40-49 -0.7948 0.0404 *** >=50 -0.6753 0.0436 *** -0.0008 0.0417 最寄り駅まで徒歩時間(分) 0-9 10-14 -0.0695 0.0303 ** -0.0557 0.0525 -0.0664 0.0511 -0.0951 0.0563 * 15-19 -0.2203 0.0326 *** -0.2535 0.0649 *** -0.2135 0.0529 *** -0.2275 0.0579 *** 20-24 -0.4315 0.0391 *** -0.5002 0.1034 *** -0.4641 0.0610 *** -0.3663 0.0655 *** >=25 -0.4460 0.0422 *** -0.1426 0.1394 -0.6271 0.0682 *** -0.3390 0.0660 *** 築年数(年) 0-9 10-19 0.0156 0.0326 0.2023 0.0627 *** -0.0521 0.0494 -0.0620 0.0619 20-29 -0.0004 0.0334 0.2473 0.0652 *** -0.0728 0.0508 -0.0540 0.0635 30-39 0.1465 0.0378 *** 0.3339 0.0786 *** 0.0543 0.0580 0.1304 0.0678 * >=40 0.2819 0.0400 *** 0.4848 0.0764 *** 0.1124 0.0635 * 0.3046 0.0731 *** 延床面積 (m2 ) <80 80-89 -0.1529 0.0325 *** 0.0122 0.0613 -0.0937 0.0504 * -0.3055 0.0628 *** 90-99 -0.0730 0.0313 ** 0.0621 0.0639 0.0014 0.0483 -0.1583 0.0589 *** 100-119 -0.1167 0.0322 *** 0.0507 0.0652 -0.0006 0.0510 -0.2889 0.0586 *** >=120 -0.3156 0.0384 *** 0.0224 0.0780 -0.1632 0.0646 ** -0.4675 0.0649 *** 土地面積 (m2 ) -0.0012 0.0002 *** -0.0064 0.0006 *** -0.0024 0.0004 *** 0.0000 0.0002 木造ダミー 0.2914 0.0301 *** 0.3760 0.0561 *** 0.3888 0.0476 *** 0.1129 0.0564 ** ln[掲載期間(日)] 0.7919 0.0154 *** 0.7062 0.0309 *** 0.7557 0.0241 *** 0.9303 0.0275 *** 市区町村ダミー 掲載時点ダミー(月次) 定数項 -4.8202 0.1278 *** -4.2275 0.4458 *** -4.9767 0.1868 *** -5.9700 0.2320 *** サンプル数 Pseudo R2 (reference) (1) (2) (3) (4) 全域 都心 近郊 外縁 (reference) (reference)
(reference) (reference) (reference) (reference)
(reference) (reference) (reference) (reference)
0.0939 0.0880 0.0859 0.1099
Yes Yes Yes Yes
Yes Yes Yes Yes
(reference) (reference) (reference) (reference)
92,928 17,918 38,450 36,536
たとき、その他の面積帯 j における相対確率 exp(β4j)を示す。 全域における推計結果(青太線;表-2 列(1) に基づく)に 加え、都心(赤線;表-2 列(2))・近郊(緑線;表-2 列(3))・ 外縁(黄線;表-2 列(4))のサブサンプルについても示す。 全域における推計結果をみると、80m2未満の物件の資料 請求レベルが最も高く、それに比べ、80-119m2では約15%、 120m2以上では約 30%、資料請求が高レベルとなる確率が 低下する。一般に延床面積の増加に伴い価格も高くなるた め、購入資金を抑えられる小規模な住宅が志向されている と考えられる。 また、120m2以上の広い住宅において資料請求レベルが 低下する傾向は、外縁で顕著である。一般に、延床面積が 広い中古住宅は敷地面積も広い。こうした住宅地では、地 区協定等を通して敷地分割が認められない場合もあり、良 好な住環境が保たれる一方、新規流入者から敬遠される傾 向も指摘されている(酒本・瀬田, 2012)19)。その背景には、 中古住宅 1 戸あたりの購入資金が高い点が考えられる。 一方、都心・近郊における推計結果をみると、延床面積 による資料請求レベルの差は小さく、120m2以上でも低下 幅は 20%未満となっており、建設時と比較して需給バラン スが大きく崩れていないことがうかがえる。 4. 住宅市場の需給バランスの経年変化 本節では、主要 4 変数に対する選好の経年変化を分析す る。2012-15 年、2016-18 年のサブサンプルを用いて式(1) のモデルを構築し、表-3 に推計結果を示す。図-6 は、表 -3 に基づき、都心まで乗車時間・最寄り駅まで徒歩時間・ 築年数・延床面積について、資料請求レベルの経年変化を 示したものである。具体的には、「各変数の基準帯域に対す る」相対需要の変動として、例えば都心まで乗車時間につ いては、乗車時間帯 j に対して、exp(β1j2016-18) − exp(β1j2012-15) を算出している。ここで、β1j2016-18 (β1j2012-15)は、2016-18 年 (2012-15 年)のサブサンプルを用いて推計された、式(1) における係数 β1jを示す。これが正(負)の値であれば、 2012-15 年に比べ 2016-18 年では、当該帯域の物件に対する 相対需要が高まっている(低下している)ことを示す。 都心まで乗車時間については、近年では、乗車時間 20 分以上の近郊・外縁での資料請求レベルが(乗車時間 20 分未満の都心に比べ)相対的に上昇している(図-6 列(1))。 都心で資料請求レベルが最も高い傾向に変わりはないが、 都心まで乗車時間が 40 分以上の地域では、資料請求が高レ ベルである相対確率が 10%以上上昇している。また、最寄 り駅まで徒歩時間については、近年、最寄り駅から離れた 地域で、(徒歩 10 分未満の地域に対して)相対的に資料請 求レベルが低下している(図-6 列(1)-(4))。とりわけ、近 郊では最寄り駅まで徒歩 10-14 分の物件での低下、外縁で は最寄り駅まで徒歩 20 分以上の物件での低下が著しい。こ れらの結果は、購入価格を抑えながら一定の交通利便性を 求める傾向を示すものである。すなわち、①都心近くを選 択するという従来からの傾向に加え、②最寄り駅までの利 便性を優先し価格水準の低い郊外を選択するという新しい 傾向も近年広がりつつあるといえる。 築年数については、相対的に築 40 年以上の物件に対する 資料請求レベルの増加が顕著であり、中古住宅流通市場の 拡大や、一部では建て替え・再開発需要の高さも反映して いると考えられる(図-6 列(1)-(4))。延床面積については、 経年変化は比較的小さいが、外縁では相対的に 100m2以上 の広い物件に対して資料請求レベルが低下している傾向が ある(図-6 列(1)-(4))。 5. おわりに (1)結論と考察 本稿では、資料請求情報という新しい住 宅市場データを用いて、首都圏中古戸建て 住宅市場における需給バランスの把握を試 みた。資料請求レベルは、1 物件に対する 購入検討者のボリュームを示す指標であり、 アンケート調査やヘドニック価格関数の構 築といった既存手法では限界があった、売 り手に対する潜在的な買い手の比率を明示 的に捉えることが可能となる。分析を通し て次の傾向が明らかとなった。 ①都心から離れるほど資料請求レベルは 低下するが、近年では(都心に比べて相対 的に)近郊・外縁での資料請求レベルが高 まってきている。②最寄り駅から徒歩 15 分以上の地域で資料請求レベルが低下する が、近年では近郊・外縁で、駅近物件志向 がより顕著になってきている。③築年数が (1) (2) (3) (4) サンプル: 全域 都心 近郊 外縁 都心まで乗車時間(分) 0-19 0.0% 20-29 13.0% 30-39 9.6% 40-49 12.2% >=50 11.2% 最寄り駅まで徒歩時間(分) 0-9 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 10-14 -14.7% -2.7% -25.2% -18.2% 15-19 -9.9% -16.4% -10.5% -18.3% 20-24 -17.3% -26.7% -19.6% -23.4% >=25 -16.8% 0.7% -15.1% -33.3% 築年数(年) 0-9 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 10-19 -4.8% 9.6% -7.5% -15.2% 20-29 -2.9% 10.7% -6.7% -9.5% 30-39 8.9% 15.7% -1.6% 7.1% >=40 29.4% 24.4% 17.3% 41.4% 延床面積 (m2 ) <80 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 80-89 4.9% 10.8% 6.0% -10.4% 90-99 12.1% 7.2% 10.5% 6.5% 100-119 4.8% 8.3% 4.1% -8.0% >=120 2.6% 12.5% -4.0% -7.8% 図-6:資料請求レベルの経年変化
増加しても資料請求レベルは低下することはなく、むしろ 都心では資料請求レベルが上昇する。④延床面積 120m2以 上の広い物件に比べ、価格を抑えられる延床面積 80m2未 満の狭い物件の方が関心を持たれている。 こうした、首都圏全体での中古戸建て住宅市場の需給バ ランスの実態は、アンケート調査やヘドニック価格関数の 構築といった既存手法からは捉えることの難しかったもの である。最寄り駅から近い広すぎない物件では、郊外で築 古であっても需要に対し供給が不足しているとも捉えられ、 中古住宅取引が活性化する余地が残されているといえよう。 (2)今後の課題 本稿では、立地・築年数・規模という基本的な住宅市場 の需給バランスの構成要因に着目した。その他にも、居住 世帯のタイプ(世帯人数)、間取り、建物設備、地域のアメ ニティといった要素も影響を与えるため、資料請求レベル との関係について検証を深めることが求められる。また、 資料請求レベルという新しい指標の有効性の検証に向けて、 アンケート調査やヘドニック価格関数の構築といった既存 手法との比較も求められる。 <謝辞> 株式会社リクルート住まいカンパニーよりデータを提供いただき、有益な コメントを頂戴いたしました。齊藤広子教授(横浜市立大学)、匿名の査読 者の方々からも有益なコメントを頂き、感謝申し上げます。本研究は、JSPS 科研費 20K14896、20H00082、17H00988 の助成を受けたものです。 【補注】 (1) 「価格水準の経年変化」や、「市場で取引された物件数の経年変化」を もって、顕示選好の経年変化(トレンド)を観察することは可能である が、一時点におけるクロスセクションでの需給バランスを解釈すること は困難となる。また、「市場滞留期間」についても、価格設定や市場の 厚さにも依存するため、売り手に対する潜在的な買い手の比率を明示的 に捉えることは困難である。 (2) 実際には、全ての住宅購入者がポータルサイト上で資料請求を行うとは 限らず、ポータルサイトを見た上で直接店舗に出向いて相談する、直接 店舗に相談する等のケースも考えられる。しかしながら、不動産物件を 探す場合の主な手段として、(不動産ポータルサイトを含む)インター ネット利用が最も多いとされる調査結果(全国宅地建物取引業協会連合 会・全国宅地建物取引業保証協会, 2011, p.7)20)、また、店舗に出向くよ りはポータルサイト上で資料請求を行う方が検討行動の障壁は低いと 想定されること、さらに、首都圏全体で網羅的に資料請求量が記録され ているというデータの希少性から、本稿における住宅市場の需給バラン スの測定には、一定の精度・意義が担保されるものと考えられる。 (3) 「SUUMO」は、わが国最大手の不動産ポータルサイトの 1 つであり、 中古戸建て住宅取引における一定の代表性を有するといえる(不動産・ 住宅サイト SUUMO「不動産情報サイト No.1 の評価を頂きました」, URL: https://suumo.jp/edit/lp/no1/ou/(2020 年8 月 9 日閲覧))。ただし、中 古戸建て住宅市場では、リノベーション・デザイナーズ物件に特化した 他の不動産ポータルサイト等も存在することから、そうした特定の購入 検討層については補足できていない可能性に留意する必要がある。 (4) 東京、大手町、品川、渋谷、新宿、池袋、上野、秋葉原の各駅とした。 (5) データ提供企業との契約により、サンプリング率は開示できないが、ラ ンダムサンプリングの上で 202,626 件を分析に用いた。ただし、十分な サンプル数が確保されており、また、図-2 に示すように空間的にも偏 りなくサンプルが分布していることから、データおよびデータ分析には 一定の信頼性が担保されるものと考えられる。 (6) データ提供企業との契約により、資料請求数についての基本統計量や、 閾値 n を開示することはできないが、本稿で用いた「資料請求高レベル」 の物件割合は、例えば表-1 に示すように21.9%(都心)から11.0%(外 縁)まで十分な地域差があることから、データおよびデータ分析には一 定の信頼性が担保されるものと考えられる。なお、資料請求数が 10 を 超えるサンプル(約 0.13%を占める)を異常値として削除しており、分 析サンプルにおける資料請求数の最小値は 0、最大値は10 である。 (7) 不動産情報サイト事業者連絡協議会(2015, p10) 21)によれば、不動産情報 サイトで物件を検索した売買検討者は、その後 80.9%が(資料請求を含 む)問い合わせを行い、そのうち88.3%が実際に不動産会社(物件)を 訪問している。また、問合せをした人のうち、25.9%が問合せ物件の契 約に至っている(契約に至った人のうち、問合せをした物件を契約した のは 82.6%である)。 (8) 首都圏における近年の地価水準の可視化事例については、川除・高木 (2020) 22)を参照されたい。 (9) 都心では、最寄り駅から徒歩 25 分以上の地域ではエラーバーが長くな っているが、これは都心では駅から離れた物件自体が少ないことも一因 である。 (10) 本稿では「(古家付き)土地」を分析の対象外としているが、「中古住宅」 に対しても、土地として関心を持っている個人・業者が存在するものと 考えられる。 【参考文献】 1) 国土交通省(2016),「既存住宅流通を取り巻く状況と活性化に向けた取り 組み(第1回流通促進に寄与する既存住宅の情報提供制度検討会資料)」, URL: https://www.mlit.go.jp/common/001156033.pdf(2020 年3 月19 日閲覧) 2) 趙賢株・高田光雄(2013),「住宅購入者の住宅需要特性と既存住宅流通の 阻害要因に関する研究」, 日本建築学会計画系論文集, 78(690), 1817-1825. 3) 鈴木雅智・浅見泰司(2017),「東京大都市圏郊外の中古住宅市場における 需給バランス」, 都市計画論文集, 52(3), 514-520.
4) Gao, X., Asami, Y., Zhou, Y., & Ishikawa, T. (2013) Preferences for floor plans of medium-sized apartments: A survey analysis in Beijing, China. Housing Studies, 28(3), 429-452.
5) Gao, X., Asami, Y. (2011) Preferential size of housing in Beijing. Habitat
International, 35(2), 206-213.
6) Schnare, A. B., & Struyk, R. J. (1976) Segmentation in urban housing markets.
Journal of Urban Economics, 3(2), 146-166.
7) Piazzesi, M., Schneider, M., & Stroebel, J. (2020) Segmented housing search.
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8) Han, L., Strange, W. C. (2016) What is the role of the asking price for a house?
Journal of Urban Economics, 93, 115-130.
9) van Dijk, D. W., Francke, M. K. (2018) Internet search behavior, liquidity and prices in the housing market. Real Estate Economics, 46(2), 368-403.
10) 相尚寿(2014),「複数の住環境指標が町丁目の人口増減パターンに与える 影響」, 都市計画論文集, 49(3), 567-572. 11) 相尚寿(2016),「若年人口や生産年齢人口の維持・増加に影響する住環境 指標の得点化」, 都市計画論文集, 51(3), 860-866. 12) 山崎敦広・高見淳史・大森宣暁・原田昇(2012),「個人のライフスタイル と将来居住地選好に関する基礎的研究」, 都市計画論文集, 47(3), 349-354. 13) 吉武俊一郎・高見沢実・中名生知之(2016),「大都市圏郊外都市における 市街地縮減の動態に関する調査研究」,都市計画論文集, 51(3), 1093-1100. 14) 国土交通省「既存住宅・リフォーム市場の活性化に向けた取組み」, URL: https://www.mlit.go.jp/policy/tyukozyutaku.html(2020 年 8 月 9 日閲覧) 15) 山崎古都子(2005a),「住意識からみた住宅の耐用年数の考察」, 日本建築 学会計画系論文集, 70(595), 181-188. 16) 山崎古都子(2005b),「住宅の耐用年数を左右する住宅の期待と建て替えに 関する日米比較研究」, 都市住宅学, 2005(48), 115-126. 17) 山崎古都子・陣内雄次(2002),「住宅の寿命観と中古住宅需要に関する日 米比較研究」, 日本建築学会計画系論文集, 67(562), 245-252. 18) 山崎古都子・陣内雄次(2003),「住宅の寿命観と住宅保全に対する関心と の相関性に関する日米比較研究」, 日本建築学会計画系論文集, 68(567), 111-118. 19) 酒本恭聖・瀬田史彦(2012),「郊外住宅地における建築規制が人口増減に 与える影響に関する一考察」, 都市計画論文集, 47(3), 505-510. 20) 全国宅地建物取引業協会連合会・全国宅地建物取引業保証協会(2011),「不 動 産 情 報 の 検 索 等 に 関 す る 意 識 調 査 ( 2011 年 )」 , URL: https://www.zentaku.or.jp/wp-content/uploads/2016/08/2011fudosanishiki.pdf (2020 年8 月9 日閲覧) 21) 不動産情報サイト事業者連絡協議会(2015),「『不動産情報サイト利用者意 識アンケート』調査結果」, URL: https://www.rsc-web.jp/pre/img/151021.pdf (2020 年8 月9 日閲覧) 22) 川除隆広・高木和之(2020),「GIS 情報を用いた住環境指標の開発」, 土 地総合研究, 28(2), 50-59.