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斎 藤 進

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(1)

会計情報の情報効果テストの成立条件

斎 藤 進

目 次      規範的な接近が可能となる場合が存在する。それ 1 はじめに       は情報受信者にとっての情報の有用性が明確に規 皿 伝統的な会計情報の情報効果テスト     定できる場合である。これが可能であれば,客観 皿 伝統的な情報効果テストの問題点      性を構成する条件としてこの有用性の条件を追加 IV情報効果テストの成立条件        し,新らたな客観性に適合する測定構造を探求す V 結語にかえて      ることが可能となる。

Appendix(付論)       しかし,上述の多様な情報受信者にとって,情 報の有用性を明確化することは可能であろうか。

       さらに,これら情報受信者が行なうすべての意思1 はじめに

決定を特定化することができるだろうか。意思決 衆知のように会計の目的の一部として,多様な  定の特定化が可能であれば,意思決定の観点から 情報の受け手に対して企業の期間損益に関する情  情報の有用性を定義できよう。かりに情報受信者 報の提供を挙げることができる。ここで,多様な  が同質的であれば,意思決定の特定化は比較的簡 情報の受け手には企業外の投資家,取引先,地域  単であるが,情報受信者の多様性が高い場合,意 住民,消費者,政府さらに税務当局などの人びと  思決定の特定化は著しく困難な仕事となる。また が含まれる。先の会計目的の十全な達成には,会  会計情報の有用性を当面考察する必要性が存在し 計自らが情報の受け手に対して有用な情報の提供  ないときには,とりあえず考えられる全の情報受

を果たさなければならず,そのためには会計の期  信者の意思決定を特定化することに迂回的に特化 間損益の測定構造が情報の有用性といった制約を  する,といった研究が重要となろう。だが近年の 満たさなければならない。      会計情報開示に関する制度的な要請を考えるなら

通常・会計の測定構造は,会計情報の質を決定  ば,会計盾報の受信者にとっての有用性は,回避 する基本的な要因であるが,情報の有用性の観点  できない火急の問題であって,迂回的研究のみで からのみ定まるものではない。会計は期間損益の  良とすることは許されない。

客観的な記述を提供する。ここで,客観的とはい   そこで,規範的な研究に代わって,現在の会計

くつかの客観性にとって望ましい条件を規範的命  制度の提供している会計情報が個々の受信者にと

題と考えて,これら条件を満たす期間損益の測定  って有用であるか否かを実証的に研究することが

構造をいうのである。会計情報の客観性は,それ  考えられる。つまり,有価証券報告書などの公開

ゆえ,まず客観性の条件としてどのような規範命  情報に基づき作成される会計情報が,情報の受け

題を採用するか,次にそれらの規範命題を満たす  手によって意思決定の際に利用されているか否か

期間損益の測定構造をどれにするかにかかわる。  を実証的に確認しようとするものである。総資産

これらの諸点に関連した会計学の研究は,その議  営業利益率や自己資本純利益率,さらに自己資本

論の性格からどうしても規範的な接近とならざろ  比率などの個々の会計情報に対して,かかる作業

うえない。また情報の有用性に関しても,当然  を施すことによって,情報受信者にとっての有用

(2)

       一

ネ情報の集合を漸近的に確定しようとする試みで  ことによって結論にかえることにする。以上が本 ある。      稿の目的ならびに梗概である。

このような試みは,米国を中心に十数年前から

頻繁に実施され,そこでの結論は概ね有価証券報       ∬ 伝統的な会計情報の情報効果テスト告書等より作成された会計情報が投資家にとって

有用な情報であり,それゆえ,有価証券報告書な   典型的な会計情報の情報効果に関するテスト方 どの公表決算データも有用であるとするものであ  法を要約しておく。

る。ところで,これらの彪大な実証研究の成果か   まず若干,唐突であるが投資家にとって有用な らわれわれは何を知りえたのであろうか。真に投  情報とは何かから始める。Beaver[2],若杉[18]

資家にとって公表決算データが有用なのであろう  によれば,投資家にとって有用な情報とは,当該 か。この問題に対する解答は,正にその研究で採  情報の入手が投資家のポートフォリオを変更に導 用された情報効果テストの方法そのものに依存し  くような情報であると定義される。ここで問題と ている。テスト方法が晴報効果を正しく判別でき  する投資家は,その情報の意味を十分に分析・把 るものならば,上の問に対する答はイエスであろ  握し,合理的に行動する投資家にほかならない。

うし,その方法が鋭い判別力を有さない場合には, 投資家は,各証券銘柄に対する収益予想にもとず かかるテスト方法のみでは確定的な答を導出でき  き,ポートフォリオ選択するから,収益予想が異 ない。それゆえ,われわれは以下で通常の会計情  なれば,選択されるポートフォリオも変化する。

報の情報効果テストが成立する条件を分析する。  したがって,投資家にとって有用な情報とは,当 のみ成立可能であるとするならば,そのテストの   通常,あるリスキーな証券の収益予想は,投資 結論は信頼性の高いものではなぐなる。したがっ  収益率の確率分布の予想となる。かくて,ある情 て,伝統的な情報効果テストの成立条件の確定を  報の有用性は,この確率分布に関する予想が情報 通じて,情報効果テストの判別力の鋭利性を問題  入手によって変更されるに至ったか否かに依存す とすることが本稿の目的である。        る。調査期間が十分に長く,それゆえ収益率のデ 以降第2節において伝統的な会計情報の情報効  一タが十分に多量に存在する場合には,比較的容 果テストの要約と定式化を試みる。第3節では伝  易に収益率の確率分布の変化を解析できるが,一 統的な情報効果テストの問題点を指摘する。そこ  般に,証券の収益率に対する情報効果は,短期間 では,伝統的テストで採用される市場全体を代表  に消滅すると考えられるので,調査期問は短かく する収益率は,任意に研究者が選択できるもので  データも少量しか存在しない。このような理由で,

はなく,すべてのリスキーな投資収益率を時価総  情報効果のテストにお・いて収益率の確率分布を直 額で加重平均した,いわゆる市場ポートフォリオ  接推定することは不可能である。

       一

ナなければならないが,市場ポートフォリオの収   そこで以下の通り考えることにする8)入手情報 益率は測定不能であること,この点が伝統的テス  の慎重な検討の結果,投資家がある証券の収益率 トの重大な欠陥であることを明らかにする。第4  の確率分布に関する予想を変更したとする。その 節では伝統的テストが成立する条件として,市場  結果,投資家はポートフォリオを変更するのであ ポートフォリオの測定可能性と安全利子率の存在  るが,新ポートフォリオは,常に,情報入手以前 等が必要であることを論じる。最後に第5節で情  に比較して(期待)収益を高める方向に変更され 報効果テストに関して伝統的テストに加えて,資  るとする(リスクについては一定か,減少すると 本市場理論の比較静学分析の成果を踏まえた追加  する)。この前提のもとでは,情報の有用性は,ポ 的・補完的テストめ同時平行的な実施を提唱する  一トフォリオの変更を前提として当該情報の入手

(3)

がそれ以前と比べて(期待)収益を増加させたか    ヨンに対応する増加収益は以下のように推定 否かで判定される。したがって,会計情報の有用    される。テスト期間中の各期にお・ける実際の 性は以下の手順でテストされることになるぎ以下    投資収益率から,ステップ4で導出された投 では,公表された財務諸表の生データ,さらに生   資収益率の値をそれぞれ控除する。控除後の データから計算された財務比率および数値の変化   値は超過収益指標(abnormal performance 率などをすべて会計情報とよぶ。        index, API)もしくは単に残差とよばれ,も

①会計情報が公表された日を便義上ゼロ(t   し公表決算データが投資家にとって有用な情

=0と表記)とし,その前後の任意のT期間,   報であるとすれば,APIはプラスでなければ すなわちト℃T]をテスト対象期間とする。    ならない(ただし空売の場合はマイナス)3

②当該企業の株式の投資収益率を求める。投  以上が会計情報の情報効果に関するテストのバー 資収益率R、,は      バルな説明である。つぎに,次節以降の議論にと

R,F(P,rP,卜ρ/P旭σ=1,…ノVメ=    って必要となる用語の説明,お・よび,上記テスト 一丁+1,…,7り       の定式化をしておく。

である。P,,は第j企業の第診期の株価, P年、  通常の経済学にお』ける議論と同様に代表的投資 は同じく第卜1期の株価である。      家を市場と同義的に使用することにする。まず,

③ 公表した会計情報に株価が反応するとすれ  情報に対する市場の反応に関する概念から問題と ば,投資家は入手した決算データを有効に利  しよう。新種の情報に市場が緩慢に反応する場合,

用するポートフォリオを新たに構成するので, 企業の会計情報の公表は,その情報の内容が当該 その投資収益率は決算発表以前のそれとは異  企業の株価に即時的に影響を及ぼさず,むしろ,

なる。そこで,公表された会計情報の影響を  株価に対する長期的な漸次的影響をもたらすと考 受けないと考えられる期間のデータを用いて, えられる。株価のあまりにも緩やかな反応が原因 情報入手以前の投資収益率の発生パターンを  して,上記のテスト方式ではAPIに情報効果を読 各銘柄ごとに推定する。         み取ることができないかもしれない。この場合,

④つぎに,ステップ3で推定された投資収益  情報の株価に対する効果は真に存在するにもかか 率の発生パターンがテスト期間でも継続する, わらず,市場の情報処理機能の不完全さが災いし すなわち,会計情報の公表がないと仮定した  て,その証拠を発見することができない。このよ 場合の,テスト期間中の各期の投資収益率を  うな状態を回避するために,市場の情報処理機能 導出する。       に関していわゆる「効率的市場仮説」を採用しよ

⑤単純化のために1銘柄から成るポートフォ  う。効率的市場とは,利用可能な全の情報を瞬時 リオを考え,また,公表された会計情報の投  に正しく価格に反映する市場である。

資収益率に対する影響のパターンが,公表会   つぎにステップ3における情報が入手される以    }}

計晴報が事前の予想より高い(低い)場合,  前の投資収益率の発生パターンは,マーケット・

当該銘柄の投資収益率も高く(低く)なる,  モデルで推定されるとする。ここで,マーケット といったものであることを投資家は知ってい  ・モデルとは以下である。

ると仮定するぎいま,−丁期に投資家がゼロ    1㍍=α、+β説蹴+ε」,

期に公表される会計晴報を独占的に入手し,      σ=1,…,凡君=−T+1,…,T)   (1)

その会計情報が予想よりも高い(低い)場合  瓦じは第診期における第ノ証券の収益率,1〜魏診は第 を想定する。この場合,投資家は当該銘柄の  孟期における市場全体の収益率を表わす。したが 証券の買持ち(空売り)ポジションをとるこ  って,両収益率間には,切片をα」とし勾配をβと

ととなり,かくして,投資家の新たなポジシ  した線型関係が存在することになる。なお,

一         一

(4)

E(ε,∂=0σ=1,…ノVゴ=−T十1,…,T)であり,瓦ε    瓦ε=α,十β頂縦十瓦+η」診      (6)

と1㌔,とは完全相関しないとする邑)       ここで,右辺第二項までは,マーケット・モデル ステップ4においては,−丁期以前に蓄積され  に登場した項であり,個別企業の決算情報を反映 た全銘柄の株価情報の集合ψ.,を用いて,上記(1) しない投資収益率を表わしている。第三項は会計 式のα、とβ、とを推定する。推定値をそれぞれa,,  情報にかかわる項,第四項はノイズであって,第 β、とすれば,推定式は      三項と第四項との合計がAPIとなっている。

瓦診=a、+βゴRπ,σ=1,…,N)     (2)  かくして,投資収益率の発生プロセス(6)式およ

となる。(2)式に市場全体の収益率の実現値R謡♂ びMayers−Rice[9], Dybvig−Ross[4]に従がって

=−s+1,…,T)を代入して,情報が入手されない  累積的API(4)式S、εのかわりにE(δ,∂を用いれば,

場合の投資収益率瓦εが推定される。       会計情報の情報効果テストは,

さて,ステップ5のAPI∂、,は,第j銘柄の投資    瓦,=α、+β、瓦,+5、+ラ、,

収益率の実現値をR」此するとき,       E(乙∂ニδ」(α」∂=μ一{α,+β,μ繍   の

となる甥寵塩i:;1藁麟:居糊 {驚:ll膨   (7)

情報効果を読み取ろうとする。しかし,一期間の  となる。ここで,μ」,とμ飢は言期にお・ける第j銘柄 みのAPIは,会計情報以外の他の雑音に影響され, の期待収益率,市場全体を代表する収益率の期待 正確に情報効果の痕跡を現出させない可能性があ  値である。このテストで注意すべきは,本来,会

る。そこで,雑音的な要因の影響を少なくするた  計情報はゼロ期にならなければ公表されないにも め,先のAPIに換えて以下の累積的APIで情報効  かかわらず,ここで分析対象としている投資家に 果の捕捉を試みる。      は,何かの理由で決算情報が決算公表前に知られ

s,,一爵刊∂,ノ(・+η   (4)ていると仮定していることである・したがって・

ここで,ステップ5の記述に従がって会計情報  彼にとっての投資収益率の発生プロセスは,

とAPIとの関係を特定化する。 APIの発生プロセ    瓦Fα、+β、π鋭+δ、+ラ、,     (8)

スを職として,推定値が先の飯である。ゼロ期に公表  となっている。つまり,右辺第三項はもはや確率 の会計情報をαノ゜,事前の投資家の予想を西ノと記す。 変数となっていないのに対して,他のすべての投 α2はゼロ期以前では予測しなければならないから, 資家に対しては先の(6)式が成立している。上記テ 平均砺の確率変数であると考えられ,それをδノで  ストは,このように投資家間に情報の非対称性が 表わす。そこで,APIδ,εは,会計情報α2と以下の  存在することを前提としているのである。

関係にあることになる。

    創      〜 ツ、,=δ、(αヂ)+η、,σ=1,…,N」〈の

o       ⑤   皿 伝統的な情報効果テストの問題点δ、,=曙(α2)+観σ=1,…,N3診≧の

この式で錦まAPIのうち会計情報α2で説明不能な  前節で要約したいわゆる「会計情報の情報効果」

ノイズの部分であり,さらに関数δ」は,δ」(のニ0 に関する伝統的なテスト方法には,いくつかの重 となるα2の増加関数であるとされるξ)      大な欠陥が存在している。以下この点について論

これで上記テスト手順の定式化はほぼ終了する ずる。

が,従来の議論では投資収益率の発生プロセス   先の伝統的なテスト方法は,既に明らかなごとく,

(return generating process)を明示化していなか  会計情報の情報効果を直接的に検定するのではな ったので,追加的に述べる。以上の定式化と両立  く,効率的市場仮説など多数な仮説の複合仮説 する第j銘柄の投資収益率は,次の発生プロセス  (composite hypothesis)の検定となっている。そ

に従がう。       こで,かりにある会計情報について先のテストを

(5)

実施した際に,前節の仮説に反する結果が得られ  マーケット・モデルは,市場全体の収益率と個別 たとしても,それは当該会計情報が情報効果を持  証券の収益率とが2変量正規分布に従がう,とい たないことを意味しない。情報効果に関する仮説  った仮定から構成され,それ以上強い仮定を前提 以外の他の仮説が成立しないことを原因として,  としないと解釈される碧この通常の解釈によれば,

かかる結果が得られた可能性を有するからである。 マーケット・モデルは,統計的な内容しか持たな したがって,上記テストは極めて検定力の弱いテ  いので,市場や投資家について何のインプリケー スト方法である。      ションも持たないことになり,情報効果のテスト

通常,社会科学における仮説検定は,よくコン  に不適となる。

トロールされた条件下,たとえば実験室などで実   では,会計情報の情報効果テストにおいて,マ 施することができないから,コントロール不能な  一ケット・モデルの利用を正当化するためには,

条件について仮説を設けなければならず,したが  どのようにマーケット・モデルを理解すべきであ って,不可避的に複合仮説といった形にならぎう  ろうか。それはマーケット・モデルを資本市場理 うえない。そうだとすれば,検定力の弱さは社会  論における証券市場線(Security Market Line,

科学全般にみられる特徴であって,上記テストに  SML)と考えることである。 SMLによれば,第j 固有のものではない。検定力の弱さの原因は,社  証券の均衡期待収益率侮は以下である。

会科学理論の脆弱性に帰せられるべきであり,会    μ」,=Rノ+λ、(μ鋭一R∂       (9)

計情報の情報効果テストにあっても,その背後の  ここでR!は元利の支払が確実な安全利子率であり,

資本市場理論の不完全性に帰せられるべきである碧 μ蹴は市場全体の期待収益率をそれぞれ示してい かくして,そのテスト方法が弱い検定力しか持た  る。さらに,λゴは第j証券の収益率のリスク尺度 ないとしても,その原因をテスト方法自身の欠陥  である。(9)式の右辺第2項はリスク・プレミアム に帰すべきものではない。       と考えられるので,SMLはリスキー証券の均衡

第二に,資本市場理論の不完全性に着目して,  期待収益率が安全利子率とリスク・プレミァムの 上記の会計情報の情報効果に関するテストを次の  和で表現されることを意味する。SMLにおける

ように解釈する人々がいる。つまり,(1)式を統計  (1一λゴ)Rノおよびリスク尺度λゴを,先のマーケッ 的な関係式と考え,会計情報の情報効果を(3)式の  ト・モデル(1)式におけるα∫と尾にそれぞれ等しい        ■

c差に現われる統計的な変化で測定しようとする  とし,(9)式に矛盾しない投資収益率の発生プロセ もので,上記テスト方法のうちで資本市場や投資  スを考慮すれば,それは(1)式のマーケット・モデ 家の行動にかかわる部分をすべて払拭することに  ルと同一となる。かくて,われわれはマーケット よって,テスト方法がいずれの資本市場理論にも  ・モデルがSMLを満足する投資収益率の発生プロ 依拠しないものであるとする立場である。しかし, セスであると理解することができる。この想定のも

この立場は自殺行為に等しい。なぜならば,統計  とではAPIの式は以下となる。

的な命題しか含まないテストは,結果として統計    E②∂=曙(αゴ゜)=μπ一R!一β(μ蹴一R∂ (1① 的命題しか生み出さないからである。そうではな   ところで,SMLは(1)危険回避的な投資家,(2)正

く投資家や市場に言及する命題の妥当性をテス  規分布に従がう各投資収益率,(3摩擦的要因の存 トするのならば,テストの前提に投資家の行動や  在しない完全競争的な資本市場,(4)各投資家の予 市場の動向などに関わる仮定が必要となる。した  想の同質性,さらに(5)安全利子率の存在などの多 がって,統計的な解釈に立つテストは,会計情報  数の仮定に依存している。前提としてのSMLの採 の情報効果を検定することにならない。      用は,これら諸仮定の現実妥当性を前提とするの

この点に関連して問題となるのは,先のステッ  であろうか。これらの仮定のなかには明らかに非

プ3で登場したマーケット・モデルである。通常, 現実的と思われる仮定が含まれているので,その

(6)

意味で,これら諸仮定の現実妥当性に強い疑義を  トそのものを曖昧にしてしまう。そうだとしたと 呈さざろうえない。このことは延いてはSMLの妥  き,会計情報の情報効果に関する厳密で正当なテ 当性に関して否定的結論をもたらすことになり,  ストを実施するには,どのようなR鋭を選択すべ われわれの先のマーケット・モデルに関するSML  きであろうか。結論から言えば,それはすべての 的な解釈を否定することになるのではないか,と  リスキーな投資収益率を時価総額で加重平均した,

いった疑問が当然,生ずると思われる。     ポートフォリオ理論でいう市場ポートフォリオ この疑問に対してわれわれは以下のように答え  (market portfolio)でなければならない。したが る。ここで採用される諸仮定は現実を近似するた  って,市場ポートフォリオが測定可能である否か めのものであり,さらに仮定の現実に対する近似  は,上記テストの正当性を判断する場合に本質的 度は,仮定それ自身の現実との対応度によって決  な要因となる。斎藤[15】によれば,残念ながら市 定されるのではなく,これら仮定の論理的な帰結  場ポートフォリオは測定できなかったので,上記 であるSMLの現実への近似性によって決定される。 テストの正当性は根底から覆ることになる。かか 以上のごとき実証的経済学に関するフリードマン  る点が会計情報の情報効果に関する伝統的なテス 的方法論を,われわれは受容することにするぎそ  トの重大な欠陥である。しかし,われわれは少々,

れゆえ,この考え方に従えば,SMLの現実への妥  先を急ぎすぎた。次節では,上記テストでのR鋭 当性を当面問題とすればよいことになり,仮定の  が市場ポートフォリオでなければならない点を明 現実妥当性は直接問題としなくてよいことになる。 らかにしよう。

これらの理由でマーケット・モデルはSMLを満足

する投資収益率の発生プロセスと考えるのである。       】〉 情報効果テストの成立条件 最後に問題とすべき点は,マーケット・モデル

を上記のように解したとき,市場全体の収益率飛飢   R魏,を任意に選択できるとした場合にどのよう として何を採用すべきかである。たとえば,桜井  なことが惹起するのかを,若干,厳密に考えよう。

他[17]は公表決算データの情報効果を検定した  R蹴の選択は,市場全体を代表するポートフォリ 論文中でR蹴に関して,「本研究ではそのような指  オの選択に等しい。資本資産評価モデル(CAPM)

数として,東証第1部銘柄に関する総合指数(時  にお・いてSMLのR飢は,すべてのリスキーな投資 価総額による加重平均指数)と日経ダウ平均指数  収益率を時価総額で加重平均した,いわゆる市場

(単純平均指数)の2通りを試してみた乎)と記して  ポートフォリオでなければなら肌さらに市場ポ いる。この記述に従えば,R駕の選択に関してか  一トフォリオは,期待収益率が同一のとき収益率 なり恣意性が働いてよいことになる。これは正し  の分散が最小,もしくは,収益率の分散が同一の いのであろうか。       とき期待収益率が最大となる,期待値・分散優位

      o

ワずR飢を恣意的に選択する意味を考えよう。  (mean variance dominance, M−VD)なポートフォ ステップ4で知れるように,情報が公表されない  リオでなければならないことが知られている。そ        A

ニ仮定した場合の投資収益率の推定値R,εは,(2)式  こで,市場を代表するポートフォリオとして非M       A

謔閧q駕の選択に依存する。R,εの推定値の相異は  一VDポートフォリオを選択した場合,どのよう

(3)式よりAPIまたは残差∂,εの変化になって現われ  なことが生ずるであろうか。この問題に対する答 る。したがって,R鋭の恣意性は∂πの恣意性そのも  は,次の命題1によって与えられる。

のとなる。会計情報の情報効果は,このAPI∂、εを

対象に実施されるので,APIの恣意性は情報効果   〈命題1> 市場全体のインデックスとして非

テストそのものの人意性を意味する。したがって。  M−VDポートフォリオを選択するとする。その

R鋭の恣意的な選択は,会計情報の情報効果テス   とき,このポートフォリオの選択の仕方によっ

(7)

て,σ )式のδを大きくも小さくもすることがで

きる。ただし安全証券は存在しないとする(証   〈命題2> APIを(1①式で定義し,さらに,こ 明はAppendix参照)。       の式におけるμ蹴が非M珊ポートフォリオの期

待収益率であるとしたとき,M」VDポートフォリ 前節の議論では曙は会計情報の増加関数と仮定   オを用いる投資家は,常に正のAPIを得る(証 したが,ここで命題1との関連で増加関数の意味   明はAppendbく参照)。

を正確に述べる必要がある。曙が増加関数である

とは,R競が正確に測定されるという条件付きで   この命題によって,われわれは,情報効果がな 成立する概念であって,もしR鋭が正確に測定さ い場合でもR鋭の選択によっては,APIが正にな れない場合には,命題1の示唆によれば,種々の  ることを知った。そこで,正しい情報効果テスト バイアスの混入によって母が会計情報の減少関数  を考えるため,第2節で述べた点を再記する。す にもなりうる。したがって,会計情報α が予想水準  なわち,会計情報の情報効果に関する伝統的なテ 砺を上回っていたとしても,R塀の選択によって  ストでは,ゼロ期に公表される決算情報を事前に は,正のAPIが得られず,情報効果テストは失  入手している,情報面で有利な投資家(informed 敗に終る可能性がある。このことは,会計情報の  investor以降1投資家という)と,これらの情報に 情報効果テストを正しく実施しようとする場合,  接していない投資家(uninformed investor以降U R観の恣意的な選択が許されないことを示してい  投資家という)を前提する,といった点である。か る。       くて,ある観察者がM−VDポートフォリオを選好 つぎに,安全証券の存在を仮定してR蹴の不適  する1投資家の行動を調査して,APIが発生する 切な選択が情報効果の存在しない状況においても  か否かを測定すると想定しよう。ここで観察者は APIを正にすることがあり,あたかも情報効果の  U投資家に属するとする。ただし,観察者は,−T 在存を誤まって印象づけることがあることを示す。 期以前の情報φ一。を用いてM−VDポートフォリオを そのために決算情報の漏洩がないと思われる状  を構成し,(1③式の、μ蹴としてこのM−VDポートフ 況を考えることにする。いま期間を一丁期以前に  オリオの期待収益率を充てる。そのとき次の命題

あると想定し,それゆえ,すべての投資家はゼロ  が成立する。

期に公表される決算データを知らないとする。あ

る投資家はM−VDポートフォリオを形成したとす   〈命題3> 会計情報α が新しい情報内容を含 る。この投資家の行動を非M−VDポートフォリオ   まない,すなわちα夕と鳶とが独立である場合,会 を指標として,すなわち市場全体の収益率を表わ   計情報を事前に知る1投資家はAPIを得ること すポートフォリオRη,として非M.VDポートフォ   ができない (証明はApPendix参照)。

リオを用いて評価することにする。この場合,情

報効果は存在しないので(なぜなら現在を一丁期   この命題の示唆によれば,正しい情報効果テス 以前と仮定しているので)APIはゼロとなるはず  トを実施するには,(a)観察者はR蹴として情報φ.T であるが,しかし,結果は以下の命題2となる。  にもとずくM−VDポートフォリオを使用し,(b)1 ただし,命題2にお・いては,当該投資家は非合理  投資家も自らの利用可能なすべての情報にもとず 的な投資家が存在したとしても,これら投資家の  きM−VDポートフォリオを選択する,などの条件 収益率予想が何であるか知らないとする。したが  が満たされなければならない。そして,これら条 って,非合理的な投資家の予想を上手に利用して, 件を満足した上でテストの結果が,たとえばAPI 当該投資家が利益を稼得することはできないと仮  の正を支持するものならば,命題3の対偶より,

定する。      少なくとも当該会計情報αfは句と独立ではなく,

(8)

その意味で新しい情報内容を含むことになる。   るapproachである。この方法は,ポートフォリオ かくして,会計情報の情報効果に関するテスト  収益をみる代りに当該投資家が特定の情報を入手 の正当性は,R競としてすべてのリスキーな投資収  しているか否かを直接にテストする。しかし,こ 益率のM−VDポートフォリオ,すなわち市場ボー  の方法の欠点は,情報を測定するが,その情報が トフォリオを使用するか否かに依存する号)しかし, 正確に使用されたか否かに関してテストをしない 斎藤[15]において,市場ポートフォリオは情報と  し,さらに,テストが仮定したものから情報が異

して入手不能であり,利用可能な情報でそれを推  なる場合,まったく検定力を有さないことである。

定することも不可能であることが判明している。  つぎは,Admatic−Ross[1]によるものである。こ じたがって,以上の論点より以下を結論できるだ  れは投資家のperformanceを測定する二次の項を ろう。通常おこなわれる会計情報の情報効果テス  持った回帰モデルであるが,しかし,そのテスト

トは,市場収益率を表わすR飢が適切に選択され  は極めて統計的に複雑なものであり,かつ分布に てはおらず,それゆえ,情報効果が存在しないに  関する仮定に強く依存している。したがって,こ

もかかわらず,テストの結果として情報効果あり  れらの代替的な方法もロバストとはいい難い。

と判定される可能性が極めて強いものであるとい  それでは,かかる状況にあってわれわれは,い うことである。       かにすべきであろうか。伝統的な情報効果テスト なお・,以上の命題[2],[3]において安全利子率の  に換えて,より強力で正当な新テスト方法を開発 存在を仮定している。これはSMLを前提とするか  することが緊急である点については多言を要さな ぎり,当然の仮定であるが,安全利子率の存在し  い。しかし,新テスト方法が短期間に開発される ない状況へのSMLの拡張,いわゆるSMLのBlack とは考えられない。また,会計情報の情報効果の

[3]versionにおいても,上記命題が成立しうるだ  測定を社会が必要としないとも思われない。なぜ ろうか。この点に関してDybvig−Ross[4]は否定  ならば,会計情報の開示にあっては,投資家に有 的な見解を提示している。したがって,情報効果  用な情報を開示する必要があり,したがって,開 テストは,安全利子率が存在するか否かによって  示されるべき会計情報は事前に情報効果テストに も条件付けられることになる。         パスしなければならないし,さらに今日的な状況

において会計情報の開示は投資家社会が希求する

       ところであるからである。これらの社会的な要請V 結語にかえて       に答えるためには,会計情報の情報効果テストを

本稿において,会計情報の情報効果テストが成  新方法の開発まで放棄することはできない。当面,

立する条件に関して考察してきた。その結果,テ  われわれは現在利用可能なテスト方法をその欠陥 ストにあっては安全利子率の存在さらにすべての  を踏まえた上で,情報効果の検定に応用すること

リスキーな投資収益率を組み合せた市場ポートフ  になるだろう。

オリオの使用,などの条件が満される必要があっ  伝統的なテストでは新規の情報内容を有さない た。しかし,市場ポートフォリオは利用不可能で  情報を,情報効果ありと判定する可能性が高かっ あるから,通常のテストは,情報効果が実は無い  た。このような欠陥を回避するためには,伝統的 にもかかわらず,情報効果ありと判定する可能性  なテストと同時平行的に他の補完的な追加テスト が高く,したがって,テストの結果の解釈にあっ  を実施すべきであろう。たとえば,新情報によっ ては慎重でなければならないことになる。    て投資収益率の確率分布が改訂された場合,投資

では伝統的な情報効果テストが強力な検定用具  家は自らのポートフォリオも変更することになる。

でないのであれば,他に方法はないだろうか。  だとすれば,ある情報が盾報効果を有するとき,

第1にMerton[81, Henriksson−Merton[71によ  ポートフォリオ組み替えのため市場にお・ける取引

(9)

量が増大する。決算情報の公表期間の相前後する  乗じた(A−2)式を加え,それに(A−3)式および 取引量の変化を観察して,伝統的テストに補完す  (A−4)式を適用して以下を得る。

るなどは,欠陥の克服のための一方法であろう。     (σノ+σの2μ=馬2偽(4)+σ唇2α鼠β)

その他にも資本市場理論の情報に関する比較静学         +2y(κ瀞4+κガμ∂+ゐ  (A−5)

分析の結論を,伝統的テストの補完テストに応用  この式で未知数は,勘,αz(B),μ8さらに曜のN+3 することができると考えられる馨)        個存在している。ここでα〆B)はμβにより一義定 本小論を終るにあたり,以下の点を指摘してお  に決定されることが知られているので(Roll[10惨 くことにする。種種な会計情報に対して伝統的な  照),特定の期待値偽=海μ,および特定の分散婿 情報効果テストが数多存在しているが,しかし,  =期y晦をとり期1=1を満たすκBを考える。あるz それは事の始まりであって終りではない。情報効  に対しては,bを適当にとることにより(A−5)を 果が真に存在したか否かは,追加的・補完的テス  成立させる鞠が常に存在することになる。以上の

トが実施されなければならない。われわれは,資  証明では,安全証券の存在を仮定していないこと 本市場理論の諸成果を踏まえて,検定力の高い,  に注意せよ(証明終り)15)

具体的な会計情報にそくした補完テストを案出す

る必要があろう。       〈命題2>の証明。ここでは,先のポートフォ リオAをM−DVポートフォリオとし,ポートフォリ

      オBを非M−VDポートフォリオとする。投資家がApPenρix(補論)      M−VDポ_トフォリオκ、を構成した場合のBをイ

〈命題1>の証明。各投資収益率の期待値ベク  ンデックスとしたδ、は定義式㈹式より

トルをμとする。以下では表現の煩項を避けるた    鳳=μ。一[R!+β皇(B)(μ。−R∂]  (A−6)

め太字(ボールド)はすべてベクトルを表わす。市  である。ここで,Aをインデックスとする場合の 場全体の収益率に対するインデックスとしてポー  ポートフォリオBのSMLは

トフォリオA(投資比率κ4)をとるとき,代表的投    μβ=Rノ+βμ)[角一R∫]     (A−7)

資家のポートフォリオzのAPI鑑は以下となる。  となるので16)

嬬=2μ一{%( A)十Bz( A)μ』}      (A−1)      [μA−R!]=[μB−R』/島(24)     (A−8)

ここで,偽(淘およびβz(刈はポートフォリオAを  となる。μ^はM−VDポートフォリオの期待収益率 インデックスとするときの市場モデルの切片と斜き  であるから角>Rノである(この条件が満たされな である。さらにμ、ぬμであり,潔、はポートフォ  いとき投資家はκ4=0を選択する)。(A−11)式を上

リオAの投資比率である。       の鑑の定義式に代入して以下を得る。

ポ幣幣膿繍籏猫穿夷. 叫南一綱(脚 圃

その条件とは,       ここで,β。ω=κ、y冨/(ろ2,角(B)=x。γ工。/鞠2,

δ』=2μ一{α玩B)+屍(β)μB}    (A−2)  1β』ω一11≧1愈(B)1である。それゆえ(A−9)式の 亀=一鑑(σ』2/σヨ2)+あ/σ     (A−3) 右辺第1項の中カッコの符号はβ・(A)の符号に等し

である。の2,碗2はインデックスAおよびBの収益  い。したがって,鑑の符号は(A−8)式の右辺の符 率の分散である勘各投資収益率の分散・共分散行  号に等しくなり,亀>0となる。

列をyとするとき,回帰分析の教えに従がえば14)  以上で命題2の証明は終ったが,2つの点を補 島ω)=2γぬノσノ,βz(B)=2y翼Bl/婿    足してお・く。第1は,ポートフォリオAがM−VD

(A−4) でない場合,角>Rノの条件を満足する必要がなく,

である。したがって,(ザを乗じた(A−1)式にq』2を &の符号は正でも負でもとりうることである。こ

(10)

れが命題1に対応したケースであるぽ)ポートフォ  は,決算情報の公表前後で変化しない。したがっ リオAがM−VDを満足するとき,鑑の符号は正ま  て,同一一の収益率の確率分布を有するポートフォ たはゼロとなる。そこで第2は,&がゼロになる  リオは,相互に収益が同一で,完全相関すること ケースである。ゼロの魂は,       になる。この条件をポートフォリオAお・よびBが

角64)−1=β、6B)       満足する場合は,命題2の証明の補足で論じたケ が成立するときに限られる。すなわち      一スそのものであるから,鳳=0となる(証明終り)。

coの(駕瓦)   婿      変数として残る点である。動が句=0となる場合,

      (A−10)式の瓦の期待値は変化しないが,分散が    噌     〜.CO2(R。,R、)        =1° σ』2σ唇2      減少することになり,その結果,M−VDポートフ

かくしてAとBは完全相関するので,BもM−VD  オリオ構成が変化してしまい,この場合にはα∫発 ポートフォリオであり鑑=0となる。       表前後での2つのポートフォリオは完全相関しな

い。

〈命題3>の証明。仮定により会計情報αヂと母 とは独立であるから,収益率発生プロセス飛、

瓦=傷+離飛+δ+勿     (A−10)

〔注〕      ではこのような状況を分析する。

(1>会計情報の情報効果テストにおいては,通常,    (7)資本市場理論の現状に関しては拙稿〔15〕を参照

投資収益率の期待値が変更される場合を考察し    されたい。

ている。このようなケースでは本論文で想定す   (8)マーケット・モデルが成立する一般的な条件は,

る状況ですべてカバーしうる。ただし本論文で    μを期待収益率のベクトル,γを収益率の分散 の想定がすべての可能な予想変更をカバーして    行列とするとき,(α)μの要素の少なくとも1つ いるわけではない。       は他の要素と値を異にする,(b)γは非特異の

(2)伝統的な会計情報の情報効果テストに関する以    正定符号である,との2つの仮定であるとされ

下の記述は紺谷〔14〕,桜井他〔17〕を参考にした。    る。Roll[10]参照。

(3にごで投資家は多様な会計情報に対して,それ   (9)Friedman[6]参照。

らが投資収益率とどのようにリンクしているか   (10)拙稿[15]における命題2参照。

知っていると仮定している。たまたま投資家が   働この点に関して蝋山・浜田口3}が参考となる。

知りえた情報が投資収益率と正の相関をするも   (13(A−3)におけるbは任意の値とし,後の式(A−5)

のであった,といった状況を考えている。      を満たす勘が存在するためのバッファーとして

(4)APIがマイナスの場合,空売りによって利益を    用いられる。

獲得することができる。      (1樋常のa,βの推定においては安全証券の存在は

〜       創

(5)R蹴とε,診とは独立であるとする。         仮定されない。ここでも同様の想定をしている。

(6)ステップ5)で増加関数を仮定した。一般にδ,が    ㈲安全証券が存在する場合には命題1は成立しな α,°の増加関数となる必然性は存在しない。さら    い。Dybvig−Ross【5]参照。

にδがα2と独立の場合もありうる。後の命題3   (1⑤CAPMでゆうSMLは, M−VDポートフォリオを

(11)

マーケット・ポートフォリオとして用いている。      folio Performance and the Empirical Con一 AはM−VDポートフォリオなので, CAPMのS       tent of Asset Pricing Models , Jo解ηα10∫

MLが成立する。したがって,この場合,δニ0と      F παηc∫α Eco初而c3,7(Mar.1979)3−28

なる。       〔10〕Roll, R. A Critique of the Asset Pricing

(1の命題1では安全証券の存在を仮定していない。      Theory s Tests, Part I:On Past and したがって,Rノに換ってゼロ・ベーター・ボー       Potential Testability of the Theory , Jo%γ・

トフォリオが用いられる。      πα10/F ηαηc∫α1Ecoηo伽 cs,4(Mar.1977)

129−176

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(伊藤邦雄訳,『財務報告革命』,白桃書房,    〔13〕蝋山昌一・浜田宏一「資産選択の一般理論」,

近刊予定)       館・小宮・鈴木編『国債管理と金融政策』日本

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〔9〕Mayers, D and E. Rice. Measuring Port一

参照

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