一︑はしがき
二︑調査概要
三︑ま とめ
一は し が き
本報告は︑﹁地方問屋の機能弱体化﹂と題して発表された高
松市︵岡山市の卸商を含む︶ の第二回実態調査報告の続稿をな
すものである︒すなわち︑前稿では第二回目の実態調査のうち
主として経済調査の部分を発表したが︑本稿紅おいては︑意識
調査の部分を発表することにしたい︒
この意識調査は︑昭和三十年一月紅おこなわれた第一回の
コ向松市の繊維共著についての実態調査﹂のあとをうけ︑その後
二年陽における意識の推移をも併せて明らか忙しようと意図し
たのであるが︑第二回目の調査では労働関係の調査に力点をお
いたので︑意識調査は極めて不十分なものにならざるをえなか
った︒顧みて健梶たるものがあるが︑一応の資料としてここに 第三十巻 罪六号 中産階級意識の一側面
中小商人 の第 二 回意識調査
発表することにした︒大方の批判と助言を切に御願いしたい︒
なお︑本稿と直接に関連する前回の意識調査についてほ︑﹁中
小商人の意識調査﹂︵香川大学経済論叢 筍二†八巻 滞五号︶
を︑また︑本調査の基礎をなす経済調査については︑さきにふ
れた﹁地方問屋の機能弱体化﹂︵同論叢 第三十巻 第四瞥︶を
参照して頂きたい︒
本調査のあらましについては︑すでに前稿に掲げられている
が︑その主要な点だけを念のため摘記すると次の如くである︒
1 調査対象︒卸商は︑高松市の卸商を中心として四〇軒︑
︵前回二九軒︶︒岡山軒の卸商ほ一二軒︑の回収を得た︒すべて
悉皆調査によったが︑回収率は六割弱であった︒小売商は︑接
木調査によることになったが︑その際各地域にわけて調査票を
配布し︑調査対象が中心街にかたよらないように注意した︒四
八軒のうち四四軒の回収を得た︒︵回収率九二%︶︒調査票の記
入ほ業主が直接書きこむよう依親したが︑なかにほ聞き耽りに
よって調査員が記入したものも二︑三ある︒ 本 ︵六二二︶ 三六
2 調査時期︒前回の調査からまる二年後の昭和三十二年一
月十五日から二十日にかけて︒繊維業ほ季節的影響の大きい業
種であるが︑その影響は一応度外視することができる︒しかし
景気変動の改は全く対照的で︑前回は﹁デフレ﹂と﹁金融引締
め﹂の叫ばれた﹁どん底﹂の時期であったが︑その後景気は次
第に好転し︑今回ほ﹁数鼠盟気﹂ ﹁神武以来の好景気﹂が叫ほ
れた﹁ピーク﹂の時期であった︒再び金融引締政策がおこなわ
れ景気が悪化しだしたのほ本調査の時期から二三ケ月過ぎた頃
であった︒
3 分類基準︒前回同様︑業態別と頒模別にわけたが︑規模
別では︑卸売業でほ従業員五人以下︑取引高年額五千万円以下
を小規模に︑小売業でほ︑従業員五人以下︵前回では九人以下︶
取引高年額九百万円以下を小規模に︑それ以上を中規模︵相対
的には大規模の意味︶ に含めた︒
4 調査視点︒大体において前回の調査項目を踏襲したので
前回の調査視点︑第一に︑経済的基盤と意識の関連はどうなっ
ているか︑第二に︑中小商業資本は自らゐ問題をどの方向に求
めているかという二つの視点も若干含まれている︒しかし今回
では︑次の点に注意を払った︒すなわち昭和三十年から三十二
年にかけて︑つまり︑金融逼迫の時期から金融緩慢へと経済情
勢が好転した二年間において︑中小商業資本の忠誠はいかに変
化したか︑という意識の変速に辛な関心を払った︒
二 調 査 概 要
中産階級意識茶二側面 1 百貨店活動の制限 ︵軍仙表︶
前回同様に︑中小商人の意識の変化と特徴をまず経済問題か
らみてゆくことにしよう︒経済問題についてほ︑百貴店問題と
生活協同和合問題とをとりあげて意見を尋ねた︒⁚この二つをと
りあげた理由は︑次の如くである︒中小商業資本は︑∵カでほ
巨大独占資本によって圧迫されている︒この点において独占資
本の利益を基軸にして運動する資本主義に対して不満を射ち︑
反独占の意識傾向を醸成する条件を尊んでいる︒しかしながら
同じように独占資本に圧迫され塞がらも︑労働者のように社会
主義的意識に目ざめてゆくことは少い︒中小商業資本はやはり
資本であり︑中小商人も小なりとほいえ類本家であるからであ
る︒さらにほ資本のゆえに︑労働者階級に対して反感をもつ︒
その点が︑労働者を中心とする消智者によって組織されている
生酒協同組合に対する態度にあらわれているのでほなかろうか
と考えられるからである︒しかしながら︑業者の考えカほ︑経
済は経済︑政治ほ政治と割り切っている面があるので︑経済問
題が盾ちに政治的意識に直接に反映すると即断することはでき
ないであろちノ︒
さて百貨店に対する態度を︑け﹁百貨店煽動の制限についてど
う思いますか﹂という問によって凍ってみると︑前回の調査で
は︑高松市ほ京都などの大都市にくらべて梢々反感が弱いとい
う結果になっていたぐ しかし︑百貨店沼動の制限に︑﹁肇成﹂す
るものが︑四五%で最も多く︑次いで﹁どちらでもよい﹂と無
︵六二三︶ 三七
封
A 卸 表 山
l 問 罪
百貨店活動の制限
売
小
卸
製 第三十巻 第六号 % 石6 諸 .5 同 40﹂22 35 2
賛 成 反 ..対
どちらでもよい 不 明
計
4 一⊥ 4 0 9
6 3 ︵0 0 0 9 2 1 2
2 1 4
7 0 2 2 1 3 2 3 97 7 8 1 3
2
17第1衷B 岡山卸
{−ヽ
中 小
賛 成 4 0 反 対 0 1
どちらでもよい4 0
不 明 0 0
討 8 1
百貨店活動の制限
卸 製 卸 小 売
′一一人・一−ヽ ′一一人−−ヽ ′一・・・ノーーーヽ
中 ′j\ 中 小 中 小 3 4 4 2 10 10 2 5 0 3 7 2
(規税別)
討 同 %
′一一人一−−、 ′一−/、−−ヽ 中 小 中 小
2116 52.5 31..4 9 11 22.5 21.5 10 22 25 43.1
0 2 0 3.9 6 2 10
0 0 1 2 6
0 1 7 】6
2 0 6
11 19 23 40 51
︵六二四︶ 三八
開心を示すものが三九%︑制限に﹁反対﹂するものが九%で
あった︵不明七%︶︒その後﹁百貨店拡張促進法﹂と\いうレッ
テルを貼られながらも﹁百貨店拡張制限法﹂が施行され︑百貨
店問題に対する関心が強くなったようにも考えられる︒しかし
ながら︑百貨店の新設︑拡張が問題になったのほ︑大都市にか
ぎられたためであろうか︑今回の調査結果では︑前回よりも史
に関心が弱くなってきでいるようである︒すなわち︑百黛店活
動の制限に﹁賛成﹂するもの四〇・六%で約五%減少し︑制限
に﹁反対﹂するものが︑二二%で︑逆に脚三%も増大している
﹁どちらでもよい﹂と無関心のものが三五%と相変らず多い︒
総じて︑反対の声は弱まってきているのである︒これには︑
高松市の百貨店ほ業者を刺戟することが少いという事情もある
が︑血つには経済事情の好転を反映するものであろう︒しかし
弱いとはいえやはり半数近くが百貨店に対する反感を示してい
るのである︒そこに根強い反独占の徴候を看過するわけにほゆ
かない︒
なお︑業態別にみると制限妃関心が強いのほ小売であり︑製
造卸や卸でほやほり関心ほ弱い︒規模別でほ規模の大きい方が
精々関心が強い︒しかし大きい差はないようである︒
2 生活協同組合間題︵第二表︶
他方︑限をヰ小商業資本と労働者との関係に転じて︑生活協
同組合問題に対する意見を窺ってみることにしよう︒生協問題
については︑百貨店間題よりもさらにはっきりとした反対の態
○
度を示しているようである︒すなわち︑生脇の発展に﹁反対﹂
を示すものが︑六三・七%まで占めているのである︒生協の発
展に好意的な﹁賛成﹂の態度を示すものは僅か小 山%にすぎな
い︒﹁どちらでもよい﹂と無関心を示したものが︑二二%であ
った︒百貨店に対する反対よりも二︑三割方強い関心あるいは
反対を示している︒
しかし︑これには特殊な事情が背後に潜んでいる︒調査日よ
り半年近く前の昭和三十劇年八月噴から︑香川県地方労働組合
評議会を中心として︑高松市に地域生活協同離合を設立tよシ
とする運動が起り︑地元の商店はこの運動に強く刺戟せられ︑
商工会議所を中心に︑対策を苦慮し︑かなり強い反対適動を展
開してきたのであった︒結局︑商店の強い反対遊動の力や首唱
者側の事情もあって生協は本格的な設立をみるに至らなかっ.た
が︑当時は新聞紙にも宣伝され︑かなり大きい波紋を投げかけ
たのであった︒恐らくその余波が本調査にも大きく反映されて
いるものと考えられる︒特に反対するものを業態別にみると︑
小売に圧倒的に多く︑叉規模別にみると中規模に多い︒これほ︑
当時の反対運動が中規模紅含まれる小売商が多い︑中央の商店
祷を中心としていたという事情蔽も基くものであろう︒仙般に 生協問題は職域生協よりも地域生協に対して敏感であり︑特に
市場の圧迫を受けるということであるが︑︑むしろ低価販売のた
めに生ずる価格競争に対して脅威を感じているようである︒し
かしこれは︑小売商のばあいであって︑卸売商︑特に製造卸の
中産階級意識■の一側面
軍2表A 生活協同組合間題 (業態別)
岡山卸 卸 製 卸 小 売 封
発展に賛成 2
4 2 2
10〝反対
6
117
−34 56どちらでもよい 1
5 8 6
24不 明 0
3 0 0 3
封 9 23 17 42 91
同%
11 637 22
3 3
′\
) 第2表B 生活 臨同組合問題 (規模別)
岡山卸
′・−−ノー「ヽ
中 小 発展に賛成 11
〝 反対 6 0
どちらでもよい1 0
不 明 −0 0
封 8 1
同 %
■ ▲ 中 小 5 157 675 60り8 25 25 3‖9
卸 製 卸 小 売 封
ノ・一山ヽ ′−一人−−ヽ ′・・・−・ノし一−ヽ .′・ ̄′′ 、
中 小 中/j\ 中 小 中 小 1 3 0 2 0 2 2 8
2 9 3 4 16 18 27 31 3 2 3 5 3 3 10 10 1 2 0 0 0 0 1 2 7 16 6 11 19 23 40 51
第三十巻 第六骨
ばあいは関心が弱いようである︒
以上︑中小商業資本の中間的性格を二側面から観察した結果
百貨店に対する反対よりも生協問題に対する反対が梢々強いと
いう結果になった︒特殊事情があったとはいえ︑一考に偲する
問題といわねほならない︒
3 中共貿易︵第三表︶
中共貿易を望む声は前回同様にやはり強い︒中共貿易に﹁贅
成﹂するもの︑七〇%︒﹁どちらでもよい﹂と無関心を示すも
のが︑はば前回と同じ︑二〇%︑無記入四%とあわせて約四分
の一が関心が弱いという結果をみた︒中共貿易を望む声が強い
とほいえ︑前回にくらぺると精々謁くなっている点には注意し
なけれぼならない︒例えば︑﹁賛成﹂するものが五%減少し︑﹁
反対﹂するものは前回には全然いなかったが︑今回▲では僅かな
がらも︵四・四%︶出てきているのである︒この原因としてほ︑
山つは︑前回の調査では中共在留者の引抜問題などの余汲も手
伝って中共貿易問題の論議が盛んであったが︑その後精々下火
になってきたこと︑さらには︑経済的好況がそれに加わったこ
となどがあげられるであろう︒
この中共貿易の声の減少傾向ほ僅かな差異とほいえやほり注
意しなければならない︒数年前︑我が国の中小商業資本が︑﹁
民族資本﹂として︑帝国主義資本に反対し︑民族解放斗争に参
加しうることが強く主張された︒︵例え特上林貞治郎﹁日本
資本主義と民族問題﹂︒藤田敬三編﹁民族資本と労農階級﹂︒藤
第3表A 岡山卸 賀 成
7
反 対0
とちらでもよい 1 不 明1
計 9
男3表B 岡山卸
′一−・ノーーヽ
中 小
賛 成 7 0 反 対 0 0
どちらでもよい0 1
中 共 貿 易 (業態別)
卸 製 卸 小 売 封
17 10 30 64
% j 4 9 4 同70 も 20 も
1 2
4
5
1 0
︵六二六︶
′
23 17 42 91
中 共 貿 易 (規模別)
卸 製 卸 小 売 封
′一■・一人一一 ̄ヽ { √−一L−ヽ ′・−・・・・人一−ヽ
中 小 中 小 中 小 中 小
同 %
J 叫
中 小 5 12 6 4 12 18 30 34 75 66。7 1 0 0 2 1 0 2 2
5 5 5
1
3り9
5 0 1
1
0 0 6
3 1 6
1
1 ︵U 7
5 4 6 13 1 1 2 2 19 23 40 51
5 9
5 3
2
不 明 1
引 8
田敬三︑上林貞治郎他﹁民族資本の現実と動向﹂岩波書店﹁日
本資本主義講座﹂滞八巻所収︒等々を参照︶そのばあい﹁民族
鹿本﹂の重要性メルクマールとして中共貿易を切望する声が藷
祝されたのであるが︑このような声ほ︑僅かとほいえむしろ弱
肱化する傾向紅あることを見逃してはならないであろう︒この
意味で労商提携の道も決して安易な道ではないであろうが︑や
はり七割までが中共貿易貿成を示していることは︑その可能性
の大きいことを示しているといえよう︒
なお︑中共貿易に対する関心は︑業態別には︑製造卸のカが
関心が強く︑小売商では関心が弱い傾向がみられる︒これは前
回同様である︒規模別では︑前回には︑中規模が僅かに強かっ
たが︑今回もはぼ同じ結果であった︒
4 支持政党︵第四衷︶
さて次に︑経済問題から政治問題に眼を転じてみよう︒中小
商糞資本は︑自らの問題を政策の担当者としての政党に対して
はいかなる方向において解決しょうとしているのであろうか︒
その集約的表現が政党支持にあらわれているともいえるであろ
買ノ○
中小商業資本の支持する政党は︑前回同様やほり保守見であ
る︒すなわち自民党支持が︑前回では六六%あったが︑今回で
はさらに増え︑七〇・三%に達している︒僅かながら︵四%︶
増大している︒これに対して﹁社会党支持﹂が︑前回の六%に
対して︑今回は七・七%であって殆ど変化していない︒その中
中産階級意識の一側面 間にあって﹁支持政党なし﹂及び無記入と態度を留保したものが 仙割弱あったが︑前回には三割近くあったところからみると︑ かなり態度が明瞭紅なってきている︒
このように自民党支持が多いのは︑調査当時の政治事情を考
慮しなければならない︒すなわち︑調査日の直前である昭和三
十劇年十二月に鳩山内閣が総辞職し︑そのあとをうけて石橋内
閣が碁の二十日に棄姓したはかりであり︑その当初仙千億減税
その他の政策を言明し︑国民から山応の期待をもって迎えられ
ていた矢先であった︒このような内閣誕生直後という政局の特
殊事情も反映していると考えねばならないが︑それのみではな
い︒やはり中小菜者ほ元来保守党の支持者なのである︒しかし
ながら︑保守見支持が七割まで占めているとはい㌧ぇ︑その内容
に立入ってみると固い支持者とはいえないようである︒﹁絶対
に自民党を支持﹂と答えたものは︑全体の僅か二六・四%で︑
ぞの多くは﹁軍あ自民党支持﹂と答えた浮動票的な交番者であ
り︑それが四四%までも占めているのである︒他方︑社会兇支
持についても同じ傾向がみられ︑支持者のうち﹃絶対に社会党
支持﹂ほ三・三%で︑﹁まあ社会党支持﹂の方が四・四%と多
少ながら多いのである︒これは︑中小商人は経済問題について
ほ敏感であるが政治問題については無関心であり︑政治意識が
低いといわれる評言を裳透きしているものでもある︒さらにま
た︑中小商業資本が中間的存在であり︑二面性をもつことを示
しているものでもあろう︒このような政治意識の弱さは︑政党
︵六二七︶ 四仙
第4衷A 岡山卸
党
政 持
支
(業態別)
製 卸 小 売 岡2643も1∵争乱A %4β43334 第三十巻 第六号
5 10 2 4 2404313
絶対に自民免を支持
まあ 〝 〝
まあ社会党を支持
3500100
3721202 71 3︵B O O632 11
対持 絶支そ不 し な他明 党 政の 討
9
欝4表B
42 、 91
(規模別)
党
政
持
支
岡山卸 卸 製 卸 小 売 討
r・・・人一−、 【−ノ、一  ̄\ { ′一− 」、 ′−−−′−一、
中 小 中 小 中 小\、中 小 中 小
%﹁ 同㌻
絶対に自民党を支持 まあ 〝・ 〝 まあ社会見を支持 絶対 〝 〝 支持政見なし そ の 他 不 明
計
5 997
7133120
25 1
55
5552750
23 1 1
4622ハり10
12
0421724
1 1
7200310
1
6600322
2611110 1 1
1110102 6
4︵︾l120 0 6 1
12112︵U O 7
1000000 1
2500100 8 1
5
0
4
3
2 9
1
︵六二八︶ 四二の支持理由を尋ねても︑それに回答したものが僅か二割にも達
しなかつたという事実にもあらわれている︒
ともあれ︑自民党を支持する中小業者はいかなる理由による
ものであろうか︒僅か二剖たらずの回答のうちでも︑その理由
はさまざまであった︒そのうち︑保守政覚のもつ適度の保守性
と︑安定性を理由とするものとして︑﹁穏健政策をおこなうか
ら﹂ ︵三人︶ ﹁政策が現実的だから﹂ ﹁安定感がある﹂ ﹁人材
が揃っているから﹂な♭がみられた︒また︑資本主義︑経済的
自由主義に魅力を感ずるものとしては︑﹁民主資本主義なるゆ
え﹂ ﹁中小企業の発展ほ資本主義以外にない﹂ ﹁中小業者なる
故に﹂ ﹁自由経済を認めているから﹂などがみられた︒反対に
社会党支持について︑その理由をみると︑なかにははっきりと
社会主義を支持するものもみられ︑﹁自民党は搾取階級を擁施
し︑社会党は社会政策を推進する﹂というものもあった︒両
政党以外の﹁その他﹂のなかには︑中政連や共産党支持が山人
づつあらわれた︒何れも前回の調査でほみられなかった異色で
あり︑一共産党支持の理由として﹁社会党は労働貴族︑月民党は
個人の利益︑免利党略︑財閥の手先﹂というものもみられた︒
最後に支持政党を業態別にみると︑革新政党を支持するもの
は︑経済的地位の低い業態︑したがって︑卸よりも小売︑中規
模よりも小規模に多いように想定される︒しかし今回でもまた
想定とは逆の結果が出た︒すなわち︑一般に経済的地位の低い
小売でほ保守見支持が極めて強く︑社会党支持ほ⁝軒もみられ
なか︵イた︒革新政党支持ほ︑むしろ経済的地位の高い卸や製造
卸にみられたのである︒また規模別にみても︑保守党支持はむ
しろ規模の小さい方に強いのである︒したがって︑中小企業の
弱体化︑貧困化︑零細化という経済的条件の低下が盾ちに意識
に反映し︑革新的意識を醸成するという一般的な定式を垣ちに
適用することは危険である︒この点ほ前回と全く同じ結果に達
した︒ともあれ︑ここに経済的基盤と意識とのずれを見出すの
であるが︑そのずれを生む条件の一つとして︑封建性を考慮し
なければならないであろう︒
5 再軍備︵第五衷︶
中小業者の政党支持でほ︑さきにみたように︑保守党支持が
極めて強く︑七割までも占めていた︒このことから︑中小業者
.は再軍備問題についても当然再軍備賛成を示しているものと予
想される︒ところが調査結果ではこの予想と反して︑逆に再軍
備﹁反対﹂の方が多かったのである︒すなわち︑再軍備﹁反対﹂
が︑全体の半分近く︑四二・八%まで占め︑﹁賛成﹂は三割︵三
〇・八%︶にすぎな小︒反対の方が叫割以上多いのである︒﹁ど
ちらでもよい﹂と無記入のものがあわせて二六・四%あった︒
さて今回の調査を︑前回の結果とくらべると︑再軍備反対の
芦がますます強くなってゆく傾向を示している︒すなわち︑前
回では︑再軍備﹁賀成﹂が四三%であったのが三〇・八%と約
劇○%あまり減少し︑前回には再軍備﹁反対﹂が三三%しかな
かったのが︑四二・八%と山○%近く増大しているのである︒
中産階級意識の山側面
(二業態別)
小 売 封 同 %
14
28 30 8 罪5表A 璃」司LLl卸
貿 成
4
、反 対
1
どちらでもよい 3 不 明
1
討
9
軍 備 製 卸
7
卸 3 11
39 42 8
19 209
5 55
9 1 0 7
1 8 9 1 2
4 1
6 3 3
2 91
(
四
(規模別)
小 売 討 同 %
{ {
/−/、、−一−、、 中 小 中 小 中 小
7 7 14 14 35 27.5 7 11 14 25 35 49
4 5 9 10 225 19、6 1 0 3 2 75 39
19 23 40 51
備卸丁560011
滞5表B 岡山卸
′−−・・ノ、−−ヽ
小
繋 成 3 1
軍
⁝㌘
製㌻2 3 1 0 6
8 5 2 6 1
3 1 1 7
0 0 0 1
反 対 1
どちらでもよい3
不 明 1
討
8
第三十巻 第六号
つまり前回では再軍備禦成が多かったのが︑今回では逆転して
﹁反対﹂の声が多くなってきているのである︒政党支持では相
変らず保守的であるが︑政策支持ではますます革新的になると
いう奇妙な喰い追いが激しくなってきている︒政党支持と政策
支持とのずれにも︑埋めねばならぬ問題が残されているように
思われる︒
なお業態別にみれば︑何れの業態でも山般に反対の声が強い
が︑特に高松の卸商にはこの傾向がはっきり出ている︒督成の
声が相対的に強いのは︑岡山の卸商︑高松の小売商であるが︑
大きい特徴はみられない︒又規模別に載れば︑規模の小さい方
では再軍備反対の声が強かったが︑中規模の方では︑賀成︑反
対が全く同数であった︒これは︑前回とは逆の傾向を示すもの
であり︑規模別に意識の傾向を検出することが難しいことを物
語っている︒
6 最低賃金制︵第六表︶
最低賃金別の問題は昭和三十一年秋以来次第監細論の胡上に
のぼっできた矢先であって︑また最近のように論議が活僚化し
ている時期ではなかった︒けれども︑中小共著が︑小率脚本巌
低賃金額八千円という総評案や社会党の最低賃金制案を知った
ならば︑かなり大きい反対があるものと予想される︒なぜなら︑
八千円の最低賃金額に満たない労働者は全国平均で量ても大凡
四割あるといわれ︑特に本県の賃金水準は全国平均よりかなり
低いので︑相当な当惑が予想され︑したがって強い反対の声が
罪6表A 最低賃金制
(業態別)
岡山卸 卸 製 卸 小 売 計 同 %
1
10 8 15 34 3743 1
07
11 1211賛 成 反 対
どちらでもよい 不 明
討
39 42.8
7
7.791
6 4 2
1 3
8 1 7
1
l 1 3
1 2
こ)
)
四 四
罪6表B 最低賃金制 (規模別)
岡山卸 卸 製 卸 ′J\売 計 同 %
{ { { √・・−〈−−・ヽ /一−−へ一・・・\ 中 小 中 小 中/J\ 中/」\ 中 小
3 7 5 3 7 8 1519 375 371.3 0 1 0 0 3 4 6 5 15uO 98
′−一人−一一ヽ
中 小 賛 成
反 対 どちらでもよい 不 明
封
0 0 0 1
3 ノ4 1 8
7 1 7 8 8 17 22 42。5 431 1 0 1 1 3 2 5 5..0 98
4 0 7 1
5
0
4
3
2
19 1
1
16 6
聞かれるものと考えられる︒しかしながら︑調査数字によれほ
意外な結果を示した︒全体を通じてすなわち︑﹁どちらでもよ
い﹂と答えた者が四二・八%﹁不明﹂七・七%と全体を通じて
半数は無関心という結果であり︑しかも驚くべきことには中小
資本家でありながら最低賃金制に賛成を示したものが四割近く
の三七・四%までもいたことである︒︵反対は僅か小二・山%
にすぎない︶
このように強かるべき反対の声が意外に弱いのほなぜであろ
うか︒恐らく最質刺そのものの認識が全く弱いためであろう︒
したがって炭質制賀成と答えたものも︑例えば八千円というよ
を称えるものが天もいなかったのほ駄外であった︒規模別に うな具体的な内容を想定したものではなく︑最低賃金制をしく ことは理想としてまことに結構であるという漠然とした賛成論 にもとづいているものであろう︒
なお業態別にみると︑各基態を通じて梵成の方が多いが︑特
に最質制問題に関心の深いと考えられる製造卸では最層制反対
みると︑最賃制反対を称えるものが中規模の方に少し多い︒小
規模の業主になるはど︑地質制に対する認識や関心が弱いため
であろう︒
7 労働組合の有無︵罪七嚢︶
最低賃金制に対する認識の弱さほ︑また労働問題に対する認
識の弱さにもあらわれている︒労働組合は持とんどないとい↓
てよいぐらいであり︑労働基準法もまた死文化しヱいる現状で
中産階級意識の一側面 % 3 6 1 同a95 L
男 態 計3 87 1 91
第7衷A 労働組合の南 無
売
\
製
卸 .H O 9 0 9
L
岡1
22 0 23 1 6 0 7
1 1 1 0 1 2
4 4
あ な 不 る い 明
討
︵六l一二︶ 四五
労働組合の有無 卸 製 卸 小 売 肇7衷B
器
J一一一人■−−ヽ 一−・一人・−ヽ 中 小 中 小
中 2 小
0
中 1
1 0
2 6 2
9
5 5 0
9
1 9 1 1
▲4 50 8 ハU の0
る い 明
計
あ な 不 nO O O 3 4 2 1 3 2 2 8 0 9 1 1
0 0 1 1 1 6 0 ごV 1 6 0 6 1 1 6 0 7 1 0 1
欝三千巻 第六号
あ㌃今回の調査でも︑労働組合があるのは全体で棚か三軒赦す
ぎず全体の三・三%にすぎない︒前回と同じ結果であって︑数
字上の組織の増加ははとんどみられない︒このように労働解合
が少く︑組合運動が沈滞している原因紅ついては︑稿をあらた
めて考察することにしたい︒しかしながら︑このような沈滞ほ
高松地方だけの問題ではない︒例えば京都1大阪︑神戸︑名古屋地
方の商店八〇軒について実施した竹林教授の調査でも︑労働組
合は僅か二軒しか結成されておらず︑全体の二・五%にすぎな
い ︵竹林庄太郎﹁中小商業者経営意識の研究﹂同志社商学︑第
六巻筋四骨こ九五四年十月︶︒また︑九州の福岡市の商店約二
百軒について実施した林姫広氏の報告によっても︑細合結成の
準備をすすめたが挫折した例が報告されているのみで︑山軒も
結成されてないようであった︵林辿広﹁福間市における商店労
働者の労働状態について﹂産業労働研究所報 第一三号︑昭和
三十二年劇月︶︒高松市においても︑最近に至って中小企業労
働者の組織化は次第に活機化し︑繊維小売商その他について︑
二︑三件の組合結成がおこなわれ︑かなり労働条件も改善され
商店労働者の地位が向上した事例もみられた︒しかしながら︑
中小商業労働者のばあいは︑自力で結成し︑自力で成長するこ
とが困難なようで︑友好団体の指導援助が弱まると次第に弱体
化し︑御用組合化してゆく傾向にあるようである︒ここ鱒も︑
企菜別組合の限界がみられ︑出来れは︑横に連繋を保った合同
労組の結成が望まれるようである︒ ︵六三二︶ 四六
8 労働組合の必要性︵第八表︶
労働組合の必要性を尋ねて︑業主の組合に対する関心を墳う
と︑組合の﹁必要あり﹂と答えた暑が八・八%で︑前回より五
%減っている ︵前回︑一四%︶︒﹁必要なし﹂と答えたものが
六四・八%で︑これまた前回より儲かながら減少し ︵前回︑六
八%︶︑﹁どちらでもよい﹂と無関心を示したものが二〇・九
%あり︑前回よりかなり増している ︵前回︑七%︶︒したがっ
て大体において前回と大差ほないが︑組合に対する関心は梢々
弱くなっているという結果になった︒一般にl労働組合ほ必要
なし︑あっても大したことばないというのが業主の意見のよう
である︒そのほあい︑労働鵜合の必要性の有鰻に対する理由を
たずねてみたが︑その殆ど︵約九割︶は無記入であった︒記入
された谷のうち﹁必要あり﹂と答えたものの理由には︑﹁労使
仙休となる必要あり﹂と述べた積極的な意見もあり︑また︑﹁流
れに抗さず﹂という理由もあげられていた︒また﹁必要なし﹂
の理由としてほ︑・﹁経営が家族的であるから﹂ と答えたもの
が叔も多く︵五軒︶︑﹁従業員が少いから﹂ ︵四軒︶ ﹁個人企
業であるから﹂′という家族主義的色彩の理由が多かった︒しか
し他方でほ︑﹁階級斗争が嫌いであるから﹂ ﹁力の行使は困る
から﹂ ﹁能率の低下をみるから﹂という政治的経済的理由をあ
げるものもあった︒ここ鱒も封建的家族主義的意識が近代的労
働関係確立の障害になっている仙例を見出すのである︒
なお︑労働組合の必要を認めるものは︑規模別にみると︑中
欝8襲A 岡山卸
必要あり
1
必要なし
4
どちちでもよい ・3 不 明
1
計
9
第8表B 岡山卸
√−−−ノ」一ヽ
中 小 必要あ り 0 1
必要なし 4 0
どちらでもよい3 0
不 明 1 0
計 8 1
(業態別)
討
8
59 19
5
労働組合の必要件 卸 製 卸 小 売
3 0
416 12 27
3 5 8
1 0 3
23 17 42
労働組合の必要性 抑 製 卸 小 売
{ 一−−−<一、 √・−・一人一ヽ
中 小 中 小 中 小 1 2 0 0 3 1 3 13 3 9 10 17
同%
88 648 20.9
55
中産階級意惑㌫二側面
(規模別)
計
′・−−ノ」一一「
中 小 4 4 20 39 13 6
同 %
′一−・・一へ・・一・・・\ 中 小
10 7け8 50 76.5 32,511り8
7…5 3.9
5 1 9 1
2 1 3 2
O 1 1
0 6
0 6 1
1 7 2
5
3〇
4
2 3
2
規模の方に僅かながら多いようであった︒また参考のために︑商店労働者の意識を調査した林地広氏の
報告によれば︑中小商業労働者自らでさえ︑労働組合の必要性
を認めると答えないものが多く︑その不必要な理由としては︑
﹁小経営近から﹂ ﹁店主が店員に理解があるから﹂と答えたも
のが大半であった︒家族主義意識は福間市においても組合結成
を困難にする大きな障害になっているようである︒︵林殖広前
掲論文︑二三ページ︶このぼは稿をあらためてたち入ることに
しよちノG
9 珪活の安定︵第九表︶
﹁この商売だけで生活してゆけますか﹂という問によって︑
生活の安定度を業者白身の意識によって窺うと︑流石に好景気
の頂点にあった時期だけに︑かなり高い安定度を示す結果を得
た︒前回の痢査でほ︑商売の見通しについても︑﹁よくなる﹂
と楽鶴的な見通しをもっていたものよりも﹁少し悪くなる﹂と
いう悲磯的鶴測を述べていた業者が多かったが︑業者としても
思いがけない好転であったというぺきであろう︒ともあれ︑こ
の繊維の卸や小売だけを営んで﹁楽にくらせる﹂と答えたもの
が三割︵二九・七%︶もあり︑ついで﹁どう紅か暮せる﹂と答
えた者が大半の六三・七%までも占めていた︒ノほとんどは︑ど
うにか安定しているというところであろう︒しかしJ ﹁少し足
りない﹂と答えたものが六・六%もいた︒これは何れも小売に
集中されていたむやはり小売業は安定度が低く︑ついで岡山卸
︵六三三︶ 四七︑
第9表A 岡山卸
定 安
の 活
生
(業態別)
計 同%
27 29,7 小 売
9
27
6
0
42 卸 製 卸
7 8
16 9
0 0
0
023 17
第三十巻 第六号
楽にくらせる どうにかくらせる 少し足りない 不 明
計
3 6 0 0 9
8
63 76
6,60 0
1
5 9
第9衷B 岡山卸
{一ヽ
中 小 楽にくらせる 3 0 どうにかくらせる5 1 少し足りない 0 0 不 明 9 0
計 8 1
定
安 の ︶ 脚エ⁝1413 ︵
/
活
生 卸
㌶
⁝︷⁝ % 同︷
{
5 \ .
.′lり 5 2
中 35
♪ 4
.
中 3
4 5 5 3 7 6
6
0
6
4
3
4
2 5
1
2
1
6
3
2
1 4 0 0 7 8 0 5 0 4 0 2 0 4 0
2 0 9 1 0 0 ﹁⊥1
0 0 6
0 0 6 も l 1 5 0 4 3
2
▼
︵六三四︶ 四八
売の順覧同くなり︑製造卸が凝も高い安定度を示していた︒さ
らに︑規模別にみると︑やほり中規模の方が安定度が高い傾向
を示している︒劇般に︑﹁神武以来の好景気﹂を反映したため
か︑楽観的な結果を得たが︑その後二︑三カ月を出でずして好
景気は不景気に転化し︑釧路衰退の道を歩まなければならなか
ったわけであり︑ここでみられる安定も︑いほほ﹁不安定な安
定﹂にほかならなか?たのである︒
10 これから望む対策︵滞八表︶
業者はどのような対策を乗車しているのであろうか︒
い要求ほ前回同様に︑﹁減税﹂であった︒覗金こそほ業者が帝
接に最も頭を悩ましている問題である︒しかし︑前回とくらべ
て興っている点ほ︑前回では卸売の最も強い要求は﹁金融の候
甘﹂であったが︑今回は︑卸売においても健かな相異でほある
が︑やはり減税が第山の要求になっている点である︒つまり
小売は減税︑卸売正金融という前回の特徴は稲々影を弱め︑卸︑
小売の両形態とも減税箱劇という方向に変化してきている︑し
かし前回の特徴が完全に消滅んたわけではない︒金融の使官を
望む芦ほ相対的にほやほり卸売において強いがとくにその中で
も中規模の方でほ︑前回同様に減税を望む声よりも︑金融の僻
耳を望む声が強いのである︵減税要望仙五・四%に対して︑金
融の便宜を望む声︑二三・四%︶︒その金融便宜を望む声の内
容が山般に資金量の増大よりも︑金利引下げゐ方に移り︑特笹
中畑楔でこの傾向が強いことほ既に前稿で述べた通りである︒
鱒10衰A これから望む対喪
卸 製
態 懐 計241917151570
岡山卸 売J牒
5 7 7 5 5 7 0
ヽ 2 1 1 1 1血甚 5 1 5 2 7 64 ㈲
中
税
一 労働基準法の横和 思そ の 他
4 2 2 2 4■4 1
7 22
0 7 3 9什︵H﹁3 0 21 9447⁚2 2 1 1 1 2 0 7 5 5 7 1 2 2 1 1 1
第10表B 岡山卸
/−一一<、一−\ 中 小
これから望む対策
卸 製 卸
.・・・・一〈−一−\ ′−−一−\ 中 小 中 小
(規模別)
小 売
′一−−ノ\一・・・\ 中 小
封(%)
一−ノ\−一−\ 中 小
滅 税 27り8 金融の便宜22」・8 大業者の独占抑制14・2 同兼者の増加抑制13.0 組織化の促進 142 労働基準法の綬和 7,4 そ の 他 0り6
︵0 6 9 4 2 8︑3
4 9 8 5 5 5 0
2 1 1 1 1
7 7 0 2 1 6 7
3 9 6 5 5 9 0
2 1 1 1 1
1 2 7 9 4 2 5
6 8︵首 5 55 02 1 1 1 1
3 3 7 5 5 7 0
5 7 5 5 5 0
2 1 1 1 1 1
4 ∩︶ 8 4 2 2 0
○
11〜9 47︵b
4 8 3 6 3 9 3 2 2 1 1 1 2 ︵b 9 4 3 8 6
2 1 1 1 1
4 6 0 7 9 4 0
5 〇9 4 3 62 2 1 1 1
4 4 ︵U 4 6 2 0
530 ﹁a691 2 2 1 1
0 9 3 4 7 1 6
5 7 4 1 0 7 3
2 1 1 2 1
減税︑金融についで第三に強い要求ほ︑大巣者の独占抑制であ った︵前回でほ︑中共貿易の促進が第三に強い要求とな︑ってい たが︑今回ほ項目中から除いたのであらわれていない︒︶ 巌近 メーカーハあるいは中心市場の中央問屋の進出︑ひいてはそれ らの資本力を背景にする中小資本圧迫があらわれているが︑高 松においても中央問屋の進出︑メーカーの圧迫に対する反対や 不滴はかなり強くなってきている︑この傾向は特に卸商におい て顕著にみられる︒これほ地方分散機能を担当している地元卸 売商の機能弱体化の重要な原因になっているものであり︑この 進出や圧迫に対して︑強力な対抗手段や制限方法な考えねばな らないという声がかなり強いようである︒ここに独占資本乃至 ほ大資本刈中小資本の対立がかなり強いという現実を明白に菓 うことが出来る︒特に︑罪四の要求として同業者の増加抑制︑ 第五に細織化の促進という二つの項目があげられるが︑これら の同業者抑制の要求よりも︑大業者の独占抑制紅対する要求が 強いということほ注目さるべき事実である︒労働基準法の緩和は掲げられた項目のうちで・は最も関心が低
く︑前回一四%であったが︑今回も極めて低調であった︒これ
は労働基準法に対する認識が弱いことを裏書きするもので︑い
かに労働基準法が無視され死文化しているかということを示す
ものでもある︒
要するに︑来者の最も強い要望は減税であり︑次いで金融で
あるが︑この金融は︑景気の高低によりその要望の強弱が大き
︵六一三五︶ 四九
み な とが強辛い「強 中ほて な も る に七「内 11く い 、 れ い 仝い八い が る 放 規き っ、と 望・税容 さ 変
嗜完璧怠学諾誉莞驚′J:讐撃霊妄註号至芸票覧て慧貸警
/
あ で でみ う 理 叫・で と そ模小「決滞 分、にの 表 な り あ が ら に 由 こ き い の で売税定 の た 前 の 三 し 強 ) 特 つ ○
、っ:不れ小 と・る う 他は で率な方 の 回二八 よ い 微
カ
撃讐ち亨歪感克彗窺孟宗妄;是ノ這き冨蒜ぢ碧欝 宅 は 多税二強税ほ の模不がたい り ○前税 と
「通つ 小い金′%い方卸理や滞高規 う、今回率 し 税 じ い 売 の に) ○法 や 由 小が い 模不謀 回 で と て 額 て て
L
、
軍11表A 税 金 の 不 満 (業態別)
岡山卸。 卸 製 卸 小 売 封 同%
1 1
くな
(
9 23 26 59 124
封
卿1郎 税金の不満 (規模別)
岡山卸 卸 製 卸 小 売 討 同 % 五
′〉し、 ′−∧・岬・、 rバ・■一「 〔−人−、 〔−・人一一、 /−−〈一−\ ○ 中 小 中 小 中 小 中 小 中 小 中 小
 ̄ 1
−
言寸 8 1 716 917 23 36 50 74
このことからも︑前回のように小売は税金問題︑卸商ほ金融問
題とはいえなくなってきているようである︒やほり景気好転の
頂点紅あったという金融事情に由来しているものであろう︒
三 ま と め
以上の第二回の意識調査を総括すると次の如くに ヽヽヽヽヽヽヽヽ 紅︑前回の視点︑経済的基盤と意識との関連ほどうなっている
のであろうか︒結論からいって︑大体において前回とはぼ同じ
傾向を示し︑大きい変化をみることほできなかった︒すなわち
前稿において中小商業資本の二つの契機を指摘し︑中小商業類
本は︑小さいながらも自ら資本を所有し︑少いながらも若干の
労働者を使用しているかぎりでほ︑所有者であり︑資本家であ
る︒他面また︑彼等の大部分は資本が小さい故に労働者と同じ
ょぅに働き︑この労働に基く収入が彼らの生活わ基礎をなして
いる︒この面においては勤労者としてあらわれる︒前者を資本
家的契機と呼び︑後者を勤労者的契機と名付け︑中小商業の資本
の上層︵中規模︶では資本家的契機が強く︑逆に下層︵小規模︶
において勤労者的契機が強いものと考えられる︒この経済的基
盤の相違が︑意識の相違となってあらわれ︑中小商業資本の
上層部で資本家的︑保守的憩識が濃厚であり︑逆に下層部では
勤労者的進歩的意識が強化するものと考えられる︒しかしなが
ら前回の調査によれば事実ほむしろ反対に上層︵中規模︶の方
が進歩的意識傾向を示すものが多ぐ︑そこに経済的基盤と意識
中産階級意識の一側面 のずれを認めないわけにはゆかなかったのである︒今回の淵査 においても同じ傾向ほ認められた︒例えば︑﹁百貨店活動の制 限に賛成するもの﹂や﹁中共貿易に賛成するもの﹂︑すなわら 進歩的側面を示し.たものは︑下層よりも上層に多いという傾向 を示したのである.文政党支持において︑前回は革新政見支持 が下層に集まっていたが︑今回でほそのような傾向ほみられず むしろ保守政党支持が下層に強いという傾向を示した︒さらに また労働組合の必要性を認めないという保守的意見も︑上層よ りも下層のカにはっきりとあらわれているのである︒これらの 傾向ほいずれも意識面蔽おいて進歩的契機が強い筈であると考 えられる下層よりも︑保守的であると考えられる上層のカがむ
進歩的傾向を示している例であって︑ここに経済的基椒と しろ
意識のずれを認めなければならないようである︒しかしながら
他面では︑下層の方が進歩的意識を示している事例もある︒例
えば︑勤労者的性格をもつ﹁生活協同組合の発展﹂匹反対する
声は上層紅強くて︑下層には弱い︒叉﹁再軍備賛成﹂を称える
声も下層よりも上層に強いのである︒このような意識ほ前回の
調査とはば同じ傾向を示すものであり︑恵識面にかんしては本
調査の梅園内では中小商業資本の上層が保守的︑下層が進歩的
であるという公式的な即断を下すことは危険であろう︒
第二に︑中小商業資本の問題解決のカ向を業者白身の意識の
中に求めると︑さしあたりは︑﹁希望する対策﹂のなかにあら
われている︒業者の最も関心の強い当面する問題は減税と金融
︵六三七︶ 五山
第三十巻 第六号
である︒この点は前回と同じであったが︑今回では金融の比重
が後退し︑滅概の要望が金融にくらべて一層強くなっている︒
前回における小売は減税︑卸は金融という特徴ほ弱くなり︑共
に減税が最も強い要望となっている︒これは調査当時の金融好
転事情が大きく影響していることは既に述べた通りである︒
さらに中小商業問題解決の基本的方向は﹁政党支持﹂に集中
的に表現されているものとみられるが︑今回も相変らず保守党
支持が多い︒しかし︑注目すべきことは︑保守党支持の内容で
あって︑その保守党支持者のうち約三分の二ほ﹁まあ自民党を
支持﹂しょうという浮動票的支持者である︒さらに︑保守政党
支持であるならば保守と革新との最も大きい点である再軍備問
題陀ついても︑当然再軍備賛成が予想されるが︑志外なことに
は︑むしろ逆に再軍備反対のカが多いという結果がみられた︒
ここ年前回にみられた政党支持と政策支持のずれほ益︑ゝ大きく
なってきている事実を注意しなければならないであろう︒
第三に︑前回の調査にくらぺて︑二年後の今回の調査におい
ては︑どのような意識の変遷をみたであろうか︒果して歴史の
流れにしたがって前進的な方向に推転したであろうかぺ必ずし
も意識が進んだとはいい難いようである︒例えば︑百貨店間題︑
中共貿易︑労働組合の必要性などの問題については︑精々関心
が弱くなってきたようである︒むしろ停滞的でさえある︒しか
し再軍備についてては精々進歩的意誠が強くなってきているよ
うである︒このように個々の相異ほあるが︑全体としてみるな が至当でほなかろうか︒ ︵六三八︶ 五二
らば前回にくらべて大きい変化はみられないようである︒しか
し一般経済事情の好転によってかなり意識が楽観化し︑したが
って経済や政治の諸問題についても関心が弱くなったとみるの
︵山九五入・一・叫0︶