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「育児・介護休業法の改正に伴う短時間勤務制度の創設が就業継続 および採用等に与える影響について」

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育児・介護休業法の改正に伴う短時間勤務制度の創設が

就業継続および採用等に与える影響について

【要旨】

本稿では、2009 年(平成 21 年)に改正された「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を 行う労働者の福祉に関する法律(平成 3 年 5 月 15 日法律第 76 号)」の施行に伴い制度化さ れた「育児短時間勤務制度創設の企業への一律義務化」が、女性労働者の就業継続、出産意 欲および採用等に与える影響について、プロビット・モデルおよびプールド OLS を用いて分 析を行った。なお、分析は、制度創設に伴う労働者および企業にとってのベネフィット(① 短時間での労働であっても仕事を続けることができる、②就業継続者の割合が増える、③出 産の意欲が高まる。)および労働者にとってのコスト(①女性の採用を控える、②女性正社 員の在籍割合が減少する。)に注目し実証分析を行った。 結果として、育児短時間勤務制度創設の義務化に伴う就業継続および出産意欲への効果 は、特定の職種や企業規模においては、義務化による効果がほとんどみられないことが示さ れた。また、制度創設の義務化によって、女性の採用割合および女性正社員の在籍割合に負 の影響を与えていることが示された。さらに、特定の産業および企業規模では、女性の採用 割合および女性正社員の在籍割合への負の影響が他の産業および企業規模に比べて更に強 まることが示された。 実証分析結果を踏まえ、育児短時間勤務制度の創設に関する企業への一律義務化の廃止、 一律義務化の廃止に伴う育児短時間勤務制度を導入する企業への補助制度の創設および制 度の創設状況等について情報開示する仕組の導入といった規制のあり方について政策提言 を行った。 2017 年(平成 29 年)2 月 政策研究大学院大学 まちづくりプログラム MJU16709 高橋 雄貴

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目次 1 はじめに ... 1 2 育児短時間勤務制度の概要 ... 2 2.1 社会変化に伴う労働力人口の減少... 2 2.2 育児短時間勤務制度の成立過程 ... 3 2.3 育児短時間勤務制度の概要 ... 4 3 育児短時間勤務制度の効果に関する仮説 ... 5 3.1 利用に対する認識等に与える影響... 5 3.2 就業継続に与える影響 ... 6 3.3 出産への意欲に与える影響 ... 7 3.4 女性の採用に与える影響 ... 7 4 育児短時間勤務制度の効果に関する実証分析 ... 8 4.1 育児短時間勤務制度創設の義務化が制度利用に対する認識等に与える影響を捉え る推計モデル ... 8 4.1.1 使用するデータ ... 8 4.1.2 分析方法と推計式 ... 8 4.1.3 変数の説明 ... 11 4.1.4 推定結果 ... 13 4.2 育児短時間勤務制度創設の義務化が就業継続者の割合に与える影響を捉える推計 モデル ... 14 4.2.1 使用するデータ ... 14 4.2.2 分析方法と推計式 ... 14 4.2.3 変数の説明 ... 16 4.2.4 推定結果 ... 18 4.3 育児短時間勤務制度創設の義務化が出産の意欲に与える影響を捉える推計モデル ... 20 4.3.1 使用するデータ ... 20 4.3.2 分析方法と推計式 ... 20 4.3.3 変数の説明 ... 22

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4.3.4 推定結果 ... 24 4.4 育児短時間勤務制度創設の義務化が女性の採用割合に与える影響を捉える推計モ デル ... 26 4.4.1 使用するデータ ... 26 4.4.2 分析方法と推計式 ... 26 4.4.3 変数の説明 ... 28 4.4.4 推定結果 ... 30 4.5 育児短時間勤務制度創設の義務化が女性の雇用形態に与える影響を捉える推計モ デル ... 33 4.5.1 使用するデータ ... 33 4.5.2 分析方法と推計式 ... 33 4.5.3 変数の説明 ... 35 4.5.4 推定結果 ... 37 5 考察 ... 42 6 政策提言 ... 47 7 おわりに ... 49 謝辞 ... 50 参考文献等 ... 50

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1 はじめに

わが国においては、人口の減少および少子高齢化の急速な進行により、労働力人口1 減少が重要な政策課題の一つとなっている。特に、女性の労働力人口比率に着目すると、 結婚や出産、子育てを機に、女性が退職することによって 20~30 歳代の女性の労働力人 口比率が低下する、いわゆる「M字カーブ問題2 」がわが国において生じている。今後生 産年齢人口3の減少が予測される中で、女性の労働力人口の減少に対して適切な政策を講 じていくことが求められている。そうした中、政府は 2009 年に「育児休業、介護休業等 育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児休業法」という。)」の改 正を行った。これは、労働力人口が減少する問題を解決するために、子育てをしながら就 業の継続を希望する労働者が、それを可能にすることを目的として、全ての企業に対して 育児短時間勤務制度の創設が義務付けられ、2010 年 6 月から雇用する労働者数に応じて 順次施行となった。 育児短時間勤務制度の創設が義務付けられたことにより、制度を利用することによっ て仕事と家庭の両立が可能となり、継続して就労する労働者数が増加することが考えら れる。 しかし、全ての企業が同じ性質(業務内容および従業員者数)をもつものではないこと から、育児短時間勤務制度の創設になじまない企業があることや制度創設の義務化によ って、むしろ女性労働者に対して、合法な範囲内での不利な取扱い(企業が女性の採用を 控える、女性正社員の在籍割合が減少する。)が生じていることなどが考えられる。 育児短時間勤務制度創設の義務化が労働者に及ぼした効果(就業継続、出産意欲)を扱 った先行研究としては、永瀬(2014)があるが、本研究のような企業の性質(業務内容お よび従業員者数)による効果の違いや女性労働者に対する合法な範囲内での不利な取扱 い(企業が女性の採用を控える、女性正社員の在籍割合が減少する。)に関する分析は行 われていない。 そこで、本稿では、育児短時間勤務制度創設の義務化が労働者および企業に与える効果 について、制度創設に伴う労働者および企業にとってのベネフィット(①短時間での労働 であっても仕事を続けることができる、②就業継続者の割合が増える、③出産の意欲が高 まる。)および労働者にとってのコスト(①企業が女性の採用を控える、②女性正社員の 在籍割合が減少する。)に注目し実証分析を行った。分析に当たっては、職種・産業・企 業規模による効果の違いに注目した。分析の結果、育児短時間勤務制度創設の義務化によ って、特定の職種では、事務に関する仕事と比較して、「制度が利用できることを認識し ている確率」、「就業を継続することができる確率」および「出産を希望する確率(出産へ 1 労働力人口とは、働く意思と能力を持つ人の総数のこと。15 歳以上の人口のうち、「就業者(休業者を 含む。)」と「完全失業者」の合計を指す。 2 折れ線グラフで表した「女性の年齢別労働力人口の比率」を見ると、20~30 歳代の女性の労働力人口 比率が窪みM字を描くことからこのように言われている。図 2 参照。 3 生産年齢人口とは、15 歳以上から 65 歳未満の年齢に該当する人口のことを言う。

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2 の意欲)」が低いこと、特定の産業では、「女性の採用割合」および「女性正社員の在籍割 合」が減少することが明らかとなった。また、制度創設の義務化によって、「女性の採用 割合」および「女性正社員の在籍割合」が減少したことが明らかとなった。さらに、特定 の企業規模では、大企業と比較して、「制度が利用できることを認識している確率」、「就 業を継続することができる確率」、「女性の採用割合」および「女性正社員の在籍割合」が 低いことが明らかとなった。 これらの分析結果を踏まえ、現行制度である、育児短時間勤務制度の創設に関する企業 への一律義務化の廃止、一律義務化の廃止に伴う育児短時間勤務制度を導入する企業に への補助制度の創設および制度の創設状況等について情報開示する仕組の導入といった 規制のあり方について政策提言を行った。 なお、本稿の構成はつぎのとおりである。まず、第 2 章で、育児短時間勤務制度を育児 休業法に規定するに至った背景および制度の概要を示し、第 3 章で、育児短時間勤務制度 創設の義務化が労働者および企業に与える効果についての理論分析を行う。次に、第 4 章 で実証分析を行い、第 5 章で、第 4 章の結果について考察を行う。最後に第 6 章で本稿の 結論として政策提言を行い、第 7 章で今後の課題等について述べる。

2 育児短時間勤務制度の概要

本章においては、育児短時間勤務制度を育児休業法に規定するに至った背景および制 度の概要について論じていく。 2.1 社会変化に伴う労働力人口の減少 わが国においては、労働力人口の減少が重要な政策課題の一つとなっている。人口の減少 および少子高齢化の急速な進行により、総人口は 2008 年をピークに減少に転じており、生 産年齢人口についても、1995 年をピークに減少に転じている。総務省「国勢調査」による と 2015 年の総人口は 1 億 2,520 万人、生産年齢人口は 7,592 万人となっている。また、14 歳以下の人口については、1985 年から減少が続いており、少子化に歯止めがかからない状 況となっている。 国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、総人口は 2030 年には 1 億 1,662 万 人、2060 年には 8,674 万人(2010 年人口の 32.3%減)にまで減少すると見込まれている。 また、生産年齢人口については、2030 年には 6,773 万人、2060 年には 4,418 万人(2010 年 人口の 45.9%減)にまで減少すると見込まれている(図 1)。 このような状況において、女性の労働力人口比率に着目すると、結婚や出産、子育てを機 に、女性が退職することによって 20~30 歳代の女性の労働力人口比率が低下する、いわゆ る「M字カーブ問題」が生じている(図 2)。今後生産年齢人口の減少が予測される中で、 女性の労働力人口の減少に対して適切な政策を講じていくことは、地域を問わず、わが国全

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3 体における重要な政策課題の一つであると言える。 2.2 育児短時間勤務制度の成立過程 労働力人口の減少を解決するための政策として、政府は育児休業法において、勤務時間短 縮等の措置4、時間外労働の制限、深夜業の制限などといった制度を規定し、育児休業後に 4 ①勤務時間の短縮、②所定外労働の免除、③フレックスタイム、④始業終業時刻の繰上げ・繰下げ、 ⑤託児施設の設置運営、⑥育児費用の援助措置 (出典)総務省「平成 28 年版情報通信白書」 図 1 日本の人口の推移 図 2 女性の労働力人口比率の変化(M字カーブ) (出典)総務省「平成 26 年版情報通信白書」

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4 労働者が子育てに必要な時間を確保しつつ、働き続けることを可能とするための仕組を設 けた。 このうち、勤務時間短縮等の措置については、事業主は 3 歳に達するまでの子を養育する 労働者に対し、①勤務時間の短縮、②所定外労働の免除、③フレックスタイム、④始業終業 時刻の繰上げ・繰下げ、⑤託児施設の設置運営、⑥育児費用の援助措置などのうち、いずれ かの措置を講じることを義務付けていた(選択的措置義務)。 しかし、2007 年度に行われた厚生労働省雇用均等基本調査によると、女性の育児休業取 得率は約 9 割に達する一方、約 7 割が第 1 子出産を機に離職している5状況であった。 また、2003 年に実施された育児や介護と仕事の両立に関する調査では、仕事と子育ての 両立が難しかった理由としては、「体力がもたなそうだった」が最も多かったことや6、2008 年に実施された今後の仕事と家庭の両立支援に関する調査では、子を持つ母親の望ましい 働き方として、子が1歳までは育児休業の支持率が最も高く、子が小学校就学前までは短時 間勤務、残業のない働き方が上位 2 位となっていた7ことから、「育児休業からの復帰後の働 き方」が課題となっていた。 このような状況を踏まえ、政府は 2009 年に育児休業法の改正を行った。これは出産や子 育てなどを機に女性が退職することによって労働力人口比率が低下する問題を解決するた めに、子育てをしながら就業継続を希望する労働者がそれを可能にすることを目的として、 全ての企業に対して育児短時間勤務制度創設の義務付けが位置づけられ、2010 年 6 月から 雇用する労働者数に応じて順次施行となった。 2.3 育児短時間勤務制度の概要 育児短時間勤務制度は、育児休業法第 23 条に位置づけられている。 育児休業法上に制度が規定されたことにより、事業主は、3 歳に満たない子を養育する労 働者について、1 日の労働時間を原則として 6 時間(5 時間 45 分から 6 時間まで)とする 短時間勤務制度を設けなければならないこととなった(育児短時間勤務制度のイメージに ついては、図 3 のとおりである。)。 育児短時間勤務制度の対象となる従業員は、①3 歳未満の子を養育する従業員であって短 時間勤務をする期間に育児休業をしていないこと、②日々雇用される労働者でないこと、③ 1 日の所定労働時間が 6 時間以下でないこと、④労使協定により適用除外とされた従業員で ないことのいずれにも該当する男女の労働者となっている。 なお、育児短時間勤務制度は、就業規則に規定される等、制度化された状態になっている ことが必要であり、運用で行われているだけでは不十分であるとされている。 5 厚生労働省 21 世紀出生児縦断調査 6 日本労働研究機構「育児や介護と仕事の両立に関する調査(2003 年) 7 厚生労働省「今後の仕事と家庭の両立支援に関する調査結果(2008 年) http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/05/h0520-1.html#07

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3 育児短時間勤務制度の効果に関する仮説

ミクロ経済学においては、政府が市場取引に介入する根拠として市場の失敗(独占・寡 占、外部性、公共財、情報の非対称性、取引費用)をあげている。育児短時間勤務制度は、 このうち、「①正の外部性」、「②取引費用8の解消」および「③情報の非対称性に伴う取引 費用を節約する9」目的で制度化されている。 本章においては、政府の介入によって企業に義務付けられた育児短時間勤務制度の創 設が労働者および企業に与える効果について、制度創設に伴う労働者および企業にとっ てのベネフィット(①短時間での労働であっても仕事を続けることができる、②就業継続 者の割合が増える、③出産の意欲が高まる。)および労働者にとってのコスト(①企業が 女性の採用を控える、②女性正社員の在籍割合が減少する。)に注目して仮説を設定する。 3.1 利用に対する認識等に与える影響 ミクロ経済学では、生産または消費に正の外部性があるとき、社会的に最適な状態よ りも取引量が過小となり得る。このとき、適切な補助金を与えることによって最適な状 態に近づけることができる。このことを育児短時間勤務制度に置き換えて考えた場合、 制度が創設され、利用されることによって、仕事と家庭の両立が可能となる(子育てが しやすくなる)ことで、子どもを出産しやすくなる。このことから、子どもが生まれる ことによって、①当該子が年金や公的制度等を通じて社会に対して恩恵をもたらすこと、 ②当該子が将来消費者としてお金を使うことや労働力になることといった「正の外部性」 が生じていることが考えられる。 したがって、育児短時間勤務制度が創設され、利用されることにより正の外部性が発 生する場合、育児短時間勤務制度の利用者数が社会的に最適な状態よりも過小となり得 8 制度の創設に伴い発生する交渉・制度化に係る時間的な費用等。 9 就業希望者の情報収集コスト(例:当該企業の良し悪し(育児しやすい企業かどうか)を把握する際 のコスト(時間))が義務化により節約できる。 出産 復職 フルタイム勤務(子ども3歳) 育児休業 育児短時間勤務(3歳まで) 図 3 育児短時間勤務制度のイメージ

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6 るため、これを最適な状態に近づけるために、政府は企業に対して制度創設の義務付け を行っているのである。 以上のような政府の介入により、本制度が創設される企業が増加することで「育児短 時間勤務制度が利用できることを認識している労働者の割合」および「育児短時間勤務 制度を利用している労働者の割合」が上昇することが考えられる。また、全ての企業が 同じ性質(業務内容および従業員者数)をもつものではないことから、職種や企業の規 模によって、制度の利用のしやすさが異なることが考えられる。これらのことから、特 定の職種や企業規模においては、義務化による制度の利用に対する認識の割合や制度の 利用割合が上昇する効果がほとんどみられないのではないかという考察のもと、仮説 1 を設定する。 仮説 1:育児短時間勤務制度の創設により、制度が利用できることを認識している者 の割合および制度を利用している者の割合は増えることが予想されるが、その 割合は職種や企業の規模によって異なるのではないか。 3.2 就業継続に与える影響 育児短時間勤務制度は「労働者が育児を理由として離職することなく、就業継続を可 能にすること(子育てをしながら就業継続を希望する労働者が継続して就業できる社会 を実現させること)」を政策目的の一つとしている。わが国における出産前後の女性の就 業継続割合の推移(1990 年~2009 年)10を見ると、出産前後において就業を継続した者 の割合は、第 1 子で 4 割弱、第 2 子、第 3 子で 7~8 割で推移しており、停滞している状 況である。また、女性の労働力人口率11を見ると、結婚や出産、子育てを機に、女性が退 職することによって、20~30 歳代の女性の労働力人口比率が低下する、いわゆるM字カ ーブ問題12が生じている。 そこで、育児短時間勤務制度創設の義務化により、上記 3.1 のとおり、育児短時間勤 務制度の利用者数を最適な状態に近づけることで、外部性が内部化され、仕事と家庭を 両立しながら、継続して就労する女性の労働者数が増加したのではないかという考察の もと、仮説 2 を設定する。また、全ての企業が同じ性質(業務内容および従業員者数) をもつものではないことから、職種や企業の規模によって、制度の利用のしやすさが異 なることが考えられる。このことから、特定の職種や企業規模においては、義務化によ る就業継続への効果がほとんどみられないのではないかという考察のもと、仮説 3 を設 定する。 10 国立社会保障・人口問題研究所「第 14 回出生動向基本調査(2010 年) 11 総務省「情報通信白書(2014 年) 12 女性の 25~54 歳の就業率を他の OECD 諸国と比較すると、わが国は 30 か国中 22 位である。また,女 性労働力率のM字カーブは欧米諸国では既に見られない(「男女共同参画白書(2013 年)」)。

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7 仮説 2:育児短時間勤務制度の創設により、就業を継続する者の割合は増えるのではない か。 仮説 3:育児短時間勤務制度の創設による就業継続への影響は、職種や企業の規模等によ って異なるのではないか。 3.3 出産への意欲に与える影響 育児短時間勤務制度は上記 3.2 のとおり「労働者が育児を理由として離職することな く、就業継続を可能にすること(子育てをしながら就業継続を希望する労働者が継続し て就業できる社会を実現させること)」を目的の一つとしている一方で、少子化対策の一 環でもある。わが国においては、急速な少子化が進行しており、第 1 次ベビーブーム期 には約 270 万人、第 2 次ベビーブーム期には約 210 万人であったが、昭和 59 年には 150 万人を割り込み、平成 3 年以降は増加と減少を繰り返しながら、平成 26 年の出生数は 約 100 万 4,000 人13となっている。政府の見解によれば、出生数の低下の主な要因は、 「晩婚化の進行等による未婚率の上昇」とされており、その背景には、仕事と子育ての 両立の負担感の増大や子育ての負担感の増大が挙げられている。 そこで、育児短時間勤務制度創設の義務化により、仕事と家庭の両立が可能となるこ とが期待できることから、本制度を利用できる環境が整っていることを認識している場 合においては、出産の意欲が高まるのではないかということが考えられる。また、全て の企業が同じ性質(業務内容および従業員者数)をもつものではないことから、職種や 企業の規模によって、制度の利用のしやすさが異なることが考えられる。これらのこと から、特定の職種や企業規模においては、義務化による出産意欲への効果がほとんどみ られないのではないかという考察のもと、仮説 4 を設定する。 仮説 4:育児短時間勤務制度の創設により、出産の意欲が高まるのではないか。 3.4 女性の採用に与える影響 育児短時間勤務制度創設の義務化によって、就業を継続する者の割合は増えることが 予想される一方で、労働者が本制度を利用した場合における企業へのデメリット(代替 職員等を配置する際に発生するコスト等)を企業側が考慮した結果、制度を利用する可 能性が高い出産適齢期の女性の採用を控えようとするインセンティブが働くことが考 えられる。また、全ての企業が同じ性質(業務内容および従業員者数)をもつものでは ないことから、産業や企業の規模によって、女性の採用を控えようとする企業の行動に 違いが生じることが考えられる。これらのことから、特定の産業や企業規模においては、 義務化による女性の採用への負の影響が更に強まるのではないかという考察のもと、仮 説 5 設定する。 13 内閣府「少子化社会対策白書(2016 年)

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8 さらに、女性の採用への負の影響については、単に女性の採用を控えるだけでなく、 女性の採用割合に変化は生じないものの、雇用形態(正社員・パートタイマー)別によ る採用への影響が考えられる。このことから、労働者が本制度を利用した場合における 企業へのデメリット(代替職員等を配置する際に発生するコスト等)を企業側が考慮し た結果、制度を利用する可能性が高い出産適齢期の女性正社員に代わってパートタイマ ーを採用しているのではないかという考察のもと、仮説 6 を設定する。 仮説 5:育児短時間勤務制度の創設の結果、特定の産業および企業規模では、女性の採用に 負の影響を与えているのではないか。 仮説 6:育児短時間勤務制度の創設の結果、正社員に代わってパートタイマーを採用してい るのではないか。

4 育児短時間勤務制度の効果に関する実証分析

4.1 育児短時間勤務制度創設の義務化が制度利用に対する認識等に与える影響を捉える 推計モデル 本推計モデルでは、第 3 章で示した仮説 1 について分析を行う。 4.1.1 使用するデータ 分析に使用するデータは、厚生労働省「21 世紀成年者縦断調査(平成 14 年成年者)」で ある14。本調査は、全国の 20~34 歳(平成 14 年 10 月末日現在)である男女およびその配 偶者を対象として、結婚、出産、就業等の実態および意識の経年変化の状況を継続的に観察 することにより、少子化対策等厚生労働行政施策の企画立案、実施等のための基礎資料を得 ることを目的として、平成 14 年を初年として実施されたものである。 分析対象は、本調査データのうち、就労している女性データ、分析年度は 2009 年度から 2014 年度までの 6 年間とした。 4.1.2 分析方法と推計式 仮説 1 については、育児短時間勤務制度創設の義務化により、「育児短時間勤務制度が利 用できることを認識している者の割合」および「育児短時間勤務制度を利用している者の割 合」が上昇したかについて、プロビット・モデルを用いて分析を行う15。また、職種および 14 分析に使用する調査データは、派遣元である練馬区が今後の練馬区における就業継続支援および子育 て支援等の施策立案の基礎資料を作成することを目的として厚生労働省から提供を受けたものである。 15 分析は、派遣元である練馬区が今後の練馬区における就業継続支援および子育て支援等の施策立案の 基礎資料を作成することを目的として、筆者が派遣元である練馬区職員として行ったものである(以下 仮説 2 から仮説 6 までにおいても同様。)。

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9 企業規模によって、育児短時間勤務制度創設の義務化による「育児短時間勤務制度が利用で きることを認識している者の割合」および「育児短時間勤務制度を利用している者の割合」 が異なるかについて併せて分析を行う。 「育児短時間勤務制度が利用できることを認識している者の割合」に関する分析につい ては、制度創設の義務化によって、育児短時間勤務制度が利用できることを認識している者 の割合が上昇し、実際に制度を利用できる環境が整っているかを調べる。また、「育児短時 間勤務制度を利用している者の割合」に関する分析については、制度創設の義務化によって、 制度を利用している者の割合が上昇し、実際に制度が利用されているかを調べる。 なお、推計式は以下のとおりであり、i は個人、t は年次を表している。また、義務化ダ ミーと完全に重複する年次ダミーについては除外して分析を行う(以下仮説 2 から仮説 6 ま でにおいても同様。)。 ⑴ 制度が利用できることを認識している者の割合に与える影響 ① 義務化による影響 育児短時間勤務制度が利用できることを認識しているか否か(ダミー変数)𝑖𝑡 = 𝛽0+ 𝛽1義務化ダミー𝑖𝑡+ 𝛽2年次ダミー𝑖𝑡+ 𝛽3職種ダミー𝑖𝑡 + 𝛽4企業規模ダミー𝑖𝑡+ 𝛽5子どもダミー𝑖𝑡+ 𝛽6同居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽7年齢𝑖𝑡 + 𝛽8正社員ダミー𝑖𝑡+ 𝛽9一日の就業時間𝑖𝑡+ 𝜃𝑖+ 𝜀𝑖𝑡 ② 義務化による影響(職種別) 育児短時間勤務制度が利用できることを認識しているか否か(ダミー変数)𝑖𝑡 = 𝛽0+ 𝛽1義務化ダミー𝑖𝑡+ 𝛽2年次ダミー𝑖𝑡+ 𝛽3職種ダミー𝑖𝑡 + 𝛽4企業規模ダミー𝑖𝑡+ 𝛽5子どもダミー𝑖𝑡+ 𝛽6同居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽7年齢𝑖𝑡 + 𝛽8正社員ダミー𝑖𝑡+ 𝛽9一日の就業時間𝑖𝑡+ 𝛽10義務化ダミー𝑖𝑡 ×職種ダミー𝑖𝑡+ 𝜃𝑖+ 𝜀𝑖𝑡 ③ 義務化による影響(企業規模別) 育児短時間勤務制度が利用できることを認識しているか否か(ダミー変数)𝑖𝑡 = 𝛽0+ 𝛽1義務化ダミー𝑖𝑡+ 𝛽2年次ダミー𝑖𝑡+ 𝛽3職種ダミー𝑖𝑡 + 𝛽4企業規模ダミー𝑖𝑡+ 𝛽5子どもダミー𝑖𝑡+ 𝛽6同居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽7年齢𝑖𝑡 + 𝛽8正社員ダミー𝑖𝑡+ 𝛽9一日の就業時間𝑖𝑡+ 𝛽10義務化ダミー𝑖𝑡 ×企業規模ダミー𝑖𝑡+ 𝜃𝑖+ 𝜀𝑖𝑡

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10 ⑵ 制度を利用している者の割合に与える影響 ① 義務化による影響 育児短時間勤務制度利用ダミー𝑖𝑡 = 𝛽0+ 𝛽1義務化ダミー𝑖𝑡+ 𝛽2年次ダミー𝑖𝑡+ 𝛽3職種ダミー𝑖𝑡 + 𝛽4企業規模ダミー𝑖𝑡+ 𝛽5子どもダミー𝑖𝑡+ 𝛽6同居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽7年齢𝑖𝑡 + 𝛽8正社員ダミー𝑖𝑡+ 𝛽9一日の就業時間𝑖𝑡+ 𝜃𝑖+ 𝜀𝑖𝑡 ② 義務化による影響(職種別) 育児短時間勤務制度利用ダミー𝑖𝑡 = 𝛽0+ 𝛽1義務化ダミー𝑖𝑡+ 𝛽2年次ダミー𝑖𝑡+ 𝛽3職種ダミー𝑖𝑡 + 𝛽4企業規模ダミー𝑖𝑡+ 𝛽5子どもダミー𝑖𝑡+ 𝛽6同居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽7年齢𝑖𝑡 + 𝛽8正社員ダミー𝑖𝑡+ 𝛽9一日の就業時間𝑖𝑡+ 𝛽10義務化ダミー𝑖𝑡 ×職種ダミー𝑖𝑡+ 𝜃𝑖+ 𝜀𝑖𝑡 ③ 義務化による影響(企業規模別) 育児短時間勤務制度利用ダミー𝑖𝑡 = 𝛽0+ 𝛽1義務化ダミー𝑖𝑡+ 𝛽2年次ダミー𝑖𝑡+ 𝛽3職種ダミー𝑖𝑡 + 𝛽4企業規模ダミー𝑖𝑡+ 𝛽5子どもダミー𝑖𝑡+ 𝛽6同居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽7年齢𝑖𝑡 + 𝛽8正社員ダミー𝑖𝑡+ 𝛽9一日の就業時間𝑖𝑡+ 𝛽10義務化ダミー𝑖𝑡 ×企業規模ダミー𝑖𝑡+ 𝜃𝑖+ 𝜀𝑖𝑡

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11 4.1.3 変数の説明 分析に使用した変数の内容については表 1 のとおり、基本統計量については表 2 のとお りである。 被説明変数/説明変数 変数名 説明 制度が利用できることを認識して いるか否か(ダミー変数) 自らの就業形態で、育児短時間勤務制度が利用できることを認識している場合は1、それ以外の場合は0を とるダミー変数 育児短時間勤務制度利用ダミー調査実施月から過去1年間において、育児短時間勤務制度を利用した場合は1、それ以外の場合は0をとるダミー変数 義務化ダミー 調査回答者の企業において、調査年度に育児短時間制度が義務化されている場合は1、それ以外の場合 は0とするダミー変数 職種ダミー 職種別(6区分)(※)のダミー変数 ※ ①専門的・技術的な仕事、②管理的な仕事、③事務の仕事、④販売の仕事、⑤サービスの仕事、⑥① ~⑤に属さないその他の仕事 企業規模ダミー 従業者数に応じた企業規模別(6区分)(※)のダミー変数※ ①1人~29人、②30人~99人、③100人~299人、④300人~499人、⑤500人~999人、⑥1,000人以上 子どもダミー 子どもがいる場合は1、それ以外の場合は0とするダミー変数 同居ダミー 同居親族がいる場合は1、それ以外の場合は0とするダミー変数 年齢 本人の年齢(単位:歳) 正社員ダミー 正社員である場合は1、それ以外の場合は0とするダミー変数 一日の就業時間 一日の就業時間(単位:時間) 被説明変数 説明変数 表1 分析に用いた変数の内容

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12 変数 観測数 平均 標準偏差 最小値 最大値 制度が利用できることを認識しているか否か(ダ ミー変数) 18,310 0.338121 0.473083 0 1 利用ダミー 18,310 0.022829 0.149362 0 1 年次ダミー 義務化ダミー 18,310 0.666303 0.471546 0 1 職種ダミー(専門的・技術的な仕事) 18,310 0.26532 0.441515 0 1 職種ダミー(管理的な仕事) 18,310 0.009995 0.099475 0 1 職種ダミー(事務の仕事) 18,310 0.307974 0.461668 0 1 職種ダミー(販売の仕事) 18,310 0.105188 0.306804 0 1 職種ダミー(サービスの仕事) 18,310 0.169033 0.374792 0 1 職種ダミー(その他) 18,310 0.14249 0.349562 0 1 企業規模ダミー(1人~29人) 18,310 0.357947 0.479409 0 1 企業規模ダミー(30人~99人) 18,310 0.177007 0.381685 0 1 企業規模ダミー(100人~299人) 18,310 0.155653 0.362536 0 1 企業規模ダミー(300人~499人) 18,310 0.06876 0.253053 0 1 企業規模ダミー(500人~999人) 18,310 0.067777 0.25137 0 1 企業規模ダミー(1,000人以上) 18,310 0.172856 0.378133 0 1 子どもダミー 18,310 0.564719 0.495807 0 1 同居ダミー 18,310 0.473293 0.4993 0 1 年齢 18,310 37.49448 4.650097 27 46 正社員ダミー 18,310 0.414965 0.492729 0 1 一日の就業時間 18,310 7.036483 2.102923 0 20 義務化ダミー×専門的・技術的な仕事 18,310 0.172802 0.378086 0 1 義務化ダミー×管理的な仕事 18,310 0.007264 0.08492 0 1 義務化ダミー×事務の仕事 18,310 0.207318 0.405397 0 1 義務化ダミー×販売の仕事 18,310 0.07089 0.256648 0 1 義務化ダミー×サービスの仕事 18,310 0.115019 0.319054 0 1 義務化ダミー×その他 18,310 0.093009 0.290453 0 1 義務化ダミー×1人~29人 18,310 0.185855 0.389 0 1 義務化ダミー×30人~99人 18,310 0.091699 0.288608 0 1 義務化ダミー×100人~299人 18,310 0.129492 0.335753 0 1 義務化ダミー×300人~499人 18,310 0.057783 0.233338 0 1 義務化ダミー×500人~999人 18,310 0.05669 0.231256 0 1 義務化ダミー×1,000人以上 18,310 0.144784 0.351893 0 1 表2 基本統計量 (省略)

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13 4.1.4 推定結果 推定結果は表 3 および表 4 のとおりである。 限界効果 標準誤差 限界効果 標準誤差 限界効果 標準誤差 義務化ダミー 0.0681104 *** 0.0086362 0.0972927 *** 0.0136306 0.1033396 *** 0.021667 年次ダミー 職種ダミー(専門的・技術的な仕事) 0.0084194 0.0095682 0.0091811 0.0167318 0.0075919 0.0095695 職種ダミー(管理的な仕事) 0.1075291 *** 0.0391396 0.1152207 0.0735839 0.1074879 *** 0.0391883 職種ダミー(販売の仕事) -0.054776 *** 0.0123738 0.000605 0.0234307 -0.0554969 *** 0.0123693 職種ダミー(サービスの仕事) -0.0759617 *** 0.0105008 -0.0212664 0.0199798 -0.0764224 *** 0.0105009 職種ダミー(その他) -0.090257 *** 0.0109589 -0.0421248 ** 0.0203118 -0.0904811 *** 0.0109632 企業規模ダミー(1人~29人) -0.2901929 *** 0.0091268 -0.2913865 *** 0.0091378 -0.247186 *** 0.0200341 企業規模ダミー(30人~99人) -0.1943981 *** 0.0094622 -0.1954587 *** 0.0094625 -0.1639527 *** 0.020033 企業規模ダミー(100人~299人) -0.1853027 *** 0.0094422 -0.1865389 *** 0.0094541 -0.1691505 *** 0.0236395 企業規模ダミー(300人~499人) -0.1271993 *** 0.012627 -0.1281773 *** 0.0126349 -0.15024 *** 0.0297608 企業規模ダミー(500人~999人) -0.0875998 *** 0.0137989 -0.0886255 *** 0.0138055 -0.1294105 *** 0.0313687 子どもダミー 0.0842411 *** 0.0084877 0.0839714 *** 0.0084976 0.0841418 *** 0.008492 同居ダミー -0.0290021 *** 0.007574 -0.0289763 *** 0.0075806 -0.0288954 *** 0.0075776 年齢 -0.0065732 *** 0.0008912 -0.0065656 *** 0.0008922 -0.0067657 *** 0.0008931 正社員ダミー 0.2263787 *** 0.0086571 0.2264646 *** 0.0086644 0.2265836 *** 0.008661 一日の就業時間 0.0111119 *** 0.002137 0.010991 *** 0.0021379 0.0111337 *** 0.0021386 義務化ダミー×専門的・技術的な仕事 - - - 0.0000626 0.0201526 - - -義務化ダミー×管理的な仕事 - - - -0.0106806 0.077977 - - -義務化ダミー×販売の仕事 - - - -0.0786055 *** 0.0250308 - - -義務化ダミー×サービスの仕事 - - - -0.0784657 *** 0.0219431 - - -義務化ダミー×その他 - - - -0.0725778 *** 0.0232318 - - -義務化ダミー×1人~29人 - - - -0.0732018 *** 0.0256482 義務化ダミー×30人~99人 - - - -0.0502777 * 0.0279504 義務化ダミー×100人~299人 - - - -0.0245444 0.0321506 義務化ダミー×300人~499人 - - - 0.0355745 0.0444429 義務化ダミー×500人~999人 - - - 0.0615526 0.045377 観測数 18,310 18,310 18,310 決定係数 0.1299 0.1310 0.1307 (省略) (省略) (省略) ***、**、*はそれぞれ1%、5%、10%水準で統計的に有意であることを示す。 表3 育児短時間勤務制度の創設により、制度が利用できることを認識している者の割合に与える影響に関する実証分析推定結果 変数名 義務化による影響(交差項なし) 職種別 企業規模別 限界効果 標準誤差 限界効果 標準誤差 限界効果 標準誤差 義務化ダミー 0.0085089 *** 0.001524 0.0076466 *** 0.0023076 0.0096673 *** 0.0033303 年次ダミー 職種ダミー(専門的・技術的な仕事) -0.0005368 0.0016929 -0.0032943 0.0031503 -0.0005461 0.0016818 職種ダミー(管理的な仕事) -0.002274 0.0057886 -0.0130044 *** 0.0010117 -0.0023523 0.0057015 職種ダミー(販売の仕事) -0.0026977 0.0021346 -0.0043762 0.0039766 -0.0027334 0.0021141 職種ダミー(サービスの仕事) -0.0065338 *** 0.0016633 -0.0039944 0.0036784 -0.0065306 *** 0.00165 職種ダミー(その他) -0.0043494 * 0.001945 -0.0026481 0.0040935 -0.0043323 ** 0.0019325 企業規模ダミー(1人~29人) -0.0067217 *** 0.0017592 -0.0065344 *** 0.0017155 -0.0036627 0.0040668 企業規模ダミー(30人~99人) -0.0066022 *** 0.0016652 -0.0064004 *** 0.0016236 -0.0040497 0.0039776 企業規模ダミー(100人~299人) -0.0073253 *** 0.0015405 -0.0071277 *** 0.0015014 -0.0112766 ** 0.0033552 企業規模ダミー(300人~499人) -0.005023 ** 0.0020153 -0.0048702 ** 0.0019656 -0.0066336 0.0048196 企業規模ダミー(500人~999人) -0.005244 ** 0.0019878 -0.0051051 ** 0.0019337 -0.0097943 0.003659 同居ダミー -0.0134846 *** 0.0016027 -0.0132013 *** 0.0015659 -0.0133724 *** 0.0015949 年齢 -0.0011652 *** 0.0001652 -0.0011353 *** 0.0001613 -0.0011739 *** 0.0001647 正社員ダミー 0.029328 *** 0.0028679 0.0286737 *** 0.0028099 0.0292252 *** 0.0028571 一日の就業時間 -0.0058088 *** 0.0004418 -0.0056754 *** 0.000432 -0.0057878 *** 0.0004406 義務化ダミー×専門的・技術的な仕事 - - - 0.004196 0.004841 - - -義務化ダミー×管理的な仕事 - - - 0.9734563 0.0003518 - - -義務化ダミー×販売の仕事 - - - 0.0030584 0.0071709 - - -義務化ダミー×サービスの仕事 - - - -0.003646 0.0041288 - - -義務化ダミー×その他 - - - -0.0024 0.0047039 - - -義務化ダミー×1人~29人 - - - -0.004258 0.004013 義務化ダミー×30人~99人 - - - -0.004119 0.0042816 義務化ダミー×100人~299人 - - - 0.0103327 0.0117143 義務化ダミー×300人~499人 - - - 0.0032904 0.0108622 義務化ダミー×500人~999人 - - - 0.0142938 0.0196809 観測数 18,310 18,310 18,310 決定係数 0.1348 0.1359 0.1364 表4 育児短時間勤務制度の創設により、制度を利用している者の割合に与える影響に関する実証分析推定結果 ***、**、*はそれぞれ1%、5%、10%水準で統計的に有意であることを示す。 変数名 義務化による影響(交差項なし) 職種別 企業規模別 (省略) (省略) (省略)

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14 表 3 および表 4 の推計結果より、以下のことが示された。 1.育児短時間勤務制度創設の義務化によって、制度が利用できることを認識している確 率が約 6.8%ポイント上昇したことが 1%水準で統計的に有意に示された。 2.育児短時間勤務制度創設の義務化によって、制度が利用できることを認識している確 率について職種別に分析した結果、販売に関する仕事については、事務に関する仕事と 比較して、制度が利用できると認識している確率が約 7.8%ポイント低くなること、サ ービスに関する仕事については、事務に関する仕事と比較して、制度が利用できると認 識している確率が約 7.8%ポイント低くなることがそれぞれ 1%水準で統計的に有意に 示された。 3.育児短時間勤務制度創設の義務化によって、制度が利用できることを認識している確 率について企業規模別に分析した結果、従業員者数が 1 人~29 人の企業については、 大企業(1,000 人以上)と比較して、制度が利用できると認識している確率が約 7.3%ポ イント低くなること(有意水準 1%)、30 人~99 人の企業については、大企業(1,000 人 以上)と比較して、制度が利用できると認識している確率が約 5.0%ポイント低くなる こと(有意水準 10%)が統計的に有意に示された。 4.育児短時間勤務制度の創設によって、制度を利用する確率が約 0.85%ポイント上昇し たことが 1%水準で統計的に有意に示された。 5.育児短時間勤務制度を利用する確率に関する分析において、職種別および企業規模別 による効果の違いについては、有意な結果が得られなかった。 4.2 育児短時間勤務制度創設の義務化が就業継続者の割合に与える影響を捉える推計モ デル 本推計モデルでは、第 3 章で示した仮説 2 および仮説 3 について分析を行う。 4.2.1 使用するデータ 仮説 1 と同様に、厚生労働省「21 世紀成年者縦断調査(平成 14 年成年者)」を用いて分 析を行う。分析対象は、仮説 1 と同様に、本調査データのうち、就労している女性データ、 分析年度は 2009 年度から 2014 年度までの 6 年間とした。 4.2.2 分析方法と推計式 仮説 2 については、育児短時間勤務制度創設の義務化により、「就業を継続する者の割合」 が上昇したかについてプロビット・モデルを用いて分析を行う。 仮説 3 については、職種、企業規模、制度が利用できることを認識している場合および制 度を利用している場合によって、育児短時間勤務制度創設の義務化による就業を継続する 者の割合が異なるかについてプロビット・モデルを用いて分析を行う。

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15 なお、推計式は以下のとおりであり、i は個人、t は年次を表している。 ⑴ 制度創設の義務化が就業を継続する者の割合に与える影響 ① 義務化による影響 就業継続ダミー𝑖𝑡 = 𝛽0+ 𝛽1義務化ダミー𝑖𝑡+ 𝛽2年次ダミー𝑖𝑡+ 𝛽3職種ダミー𝑖𝑡 + 𝛽4企業規模ダミー𝑖𝑡+ 𝛽5子どもダミー𝑖𝑡+ 𝛽6同居ダミー𝑖𝑡 + 𝛽7住居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽8通勤時間𝑖𝑡+ 𝛽9本人所得𝑖𝑡+ 𝛽10配偶者所得𝑖𝑡 + 𝛽11年齢𝑖𝑡+ 𝜃𝑖+ 𝜀𝑖𝑡 ② 義務化による影響(職種別) 就業継続ダミー𝑖𝑡 = 𝛽0+ 𝛽1義務化ダミー𝑖𝑡+ 𝛽2年次ダミー𝑖𝑡+ 𝛽3職種ダミー𝑖𝑡 + 𝛽4企業規模ダミー𝑖𝑡+ 𝛽5子どもダミー𝑖𝑡+ 𝛽6同居ダミー𝑖𝑡 + 𝛽7住居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽8通勤時間𝑖𝑡+ 𝛽9本人所得𝑖𝑡+ 𝛽10配偶者所得𝑖𝑡 + 𝛽11年齢𝑖𝑡+ 𝛽12義務化ダミー𝑖𝑡×職種ダミー𝑖𝑡+ 𝜃𝑖+ 𝜀𝑖𝑡 ③ 義務化による影響(企業規模別) 就業継続ダミー𝑖𝑡 = 𝛽0+ 𝛽1義務化ダミー𝑖𝑡+ 𝛽2年次ダミー𝑖𝑡+ 𝛽3職種ダミー𝑖𝑡 + 𝛽4企業規模ダミー𝑖𝑡+ 𝛽5子どもダミー𝑖𝑡+ 𝛽6同居ダミー𝑖𝑡 + 𝛽7住居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽8通勤時間𝑖𝑡+ 𝛽9本人所得𝑖𝑡+ 𝛽10配偶者所得𝑖𝑡 + 𝛽11年齢𝑖𝑡+ 𝛽12義務化ダミー𝑖𝑡×企業規模ダミー𝑖𝑡+ 𝜃𝑖+ 𝜀𝑖𝑡 ④ 義務化による影響(制度利用に関する認識別) 就業継続ダミー𝑖𝑡 = 𝛽0+ 𝛽1義務化ダミー𝑖𝑡+ 𝛽2年次ダミー𝑖𝑡+ 𝛽3職種ダミー𝑖𝑡+ 𝛽4企業規模ダミー𝑖𝑡 + 𝛽5子どもダミー𝑖𝑡+ 𝛽6同居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽7住居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽8通勤時間𝑖𝑡+ 𝛽9本人所得𝑖𝑡 + 𝛽10配偶者所得𝑖𝑡+ 𝛽11年齢𝑖𝑡 + 𝛽12育児短時間勤務制度が利用できることを認識しているか否か(ダミー変数)𝑖𝑡 + 𝛽13義務化ダミー𝑖𝑡 ×育児短時間勤務制度が利用できることを認識しているか否か(ダミー変数)𝑖𝑡+ 𝜃𝑖+ 𝜀𝑖𝑡

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16 ⑤ 義務化による影響(制度利用別) 就業継続ダミー𝑖𝑡 = 𝛽0+ 𝛽1義務化ダミー𝑖𝑡+ 𝛽2年次ダミー𝑖𝑡+ 𝛽3職種ダミー𝑖𝑡 + 𝛽4企業規模ダミー𝑖𝑡+ 𝛽5子どもダミー𝑖𝑡+ 𝛽6同居ダミー𝑖𝑡 + 𝛽7住居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽8通勤時間𝑖𝑡+ 𝛽9本人所得𝑖𝑡+ 𝛽10配偶者所得𝑖𝑡 + 𝛽11年齢𝑖𝑡+ 𝛽12育児短時間勤務制度利用ダミー𝑖𝑡+ 𝛽13義務化ダミー𝑖𝑡 ×育児短時間勤務制度利用ダミー𝑖𝑡+ 𝜃𝑖+ 𝜀𝑖𝑡 4.2.3 変数の説明 分析に使用した変数の内容については表 5 のとおり、基本統計量については表 6 のとお りである。 被説明変数/説明変数 変数名 説明 被説明変数 就業継続ダミー 前年と同じ勤務先において就業をしている場合は1、それ以外の場合は0とするダミー変数 義務化ダミー 調査回答者の企業において、調査年度に育児短時間制度が義務化されている場合は1、それ以外の場合は0とするダミー変数 職種ダミー 職種別(6区分)(※)のダミー変数 ※ ①専門的・技術的な仕事、②管理的な仕事、③事務の仕事、④販売の仕事、⑤サービスの仕事、⑥① ~⑤に属さないその他の仕事 企業規模ダミー 従業者数に応じた企業規模別(6区分)(※)のダミー変数 ※ ①1人~29人、②30人~99人、③100人~299人、④300人~499人、⑤500人~999人、⑥1,000人以上 子どもダミー 子どもがいる場合は1、それ以外の場合は0とするダミー変数 同居ダミー 同居親族がいる場合は1、それ以外の場合は0とするダミー変数 住居ダミー 持ち家に住んでいる場合は1、それ以外の場合は0とするダミー変数 通勤時間 往復の合計通勤時間(単位:分) 本人所得 調査回答者本人の調査実施年前年に得た所得(単位:万円) ※ 分析に用いる所得額は、調査票上で選択した所得金額区分の平均値を用いる。 配偶者所得 調査回答者の配偶者の調査実施年前年に得た所得(単位:万円) ※ 分析に用いる所得額は、調査票上で選択した所得金額区分の平均値を用いる。 年齢 本人の年齢(単位:歳) 制度が利用できることを認識して いるか否か(ダミー変数) 自らの就業形態で、育児短時間勤務制度が利用できることを認識している場合は1、それ以外の場合は0を とるダミー変数 育児短時間勤務制度利用ダミー調査実施月から過去1年間において、育児短時間勤務制度が利用した場合は1、それ以外の場合は0をとる ダミー変数 説明変数 表5 分析に用いた変数の内容

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17 変数 観測数 平均 標準偏差 最小値 最大値 就業継続ダミー 10,095 0.9487865 0.2204438 0 1 義務化ダミー 10,095 0.6810302 0.4661004 0 1 年次ダミー 職種ダミー(専門的・技術的な仕事) 10,095 0.2695394 0.4437425 0 1 職種ダミー(管理的な仕事) 10,095 0.0112927 0.1056707 0 1 職種ダミー(事務の仕事) 10,095 0.2768697 0.4474737 0 1 職種ダミー(販売の仕事) 10,095 0.1136206 0.3173656 0 1 職種ダミー(サービスの仕事) 10,095 0.1688955 0.3746781 0 1 職種ダミー(その他) 10,095 0.1597821 0.366422 0 1 企業規模ダミー(1人~29人) 10,095 0.3920753 0.4882375 0 1 企業規模ダミー(30人~99人) 10,095 0.1776127 0.3822053 0 1 企業規模ダミー(100人~299人) 10,095 0.1413571 0.3484068 0 1 企業規模ダミー(300人~499人) 10,095 0.0658742 0.2480743 0 1 企業規模ダミー(500人~999人) 10,095 0.0596335 0.2368183 0 1 企業規模ダミー(1,000人以上) 10,095 0.1634473 0.3697916 0 1 子どもダミー 10,095 0.8289252 0.376593 0 1 同居ダミー 10,095 0.3056959 0.4607244 0 1 住居ダミー 10,095 0.7506686 0.4326474 0 1 通勤時間 10,095 36.0838 37.59258 0 480 本人所得 10,095 186.7459 163.9848 0 1500 配偶者所得 10,095 479.475 231.7338 0 1500 年齢 10,095 38.42259 4.311357 27 46 制度が利用できることを認識しているか否か(ダミー変 数) 10,095 0.3391778 0.4734537 0 1 利用ダミー 10,095 0.0377415 0.1905797 0 1 義務化ダミー×専門的・技術的な仕事 10,095 0.1787023 0.3831218 0 1 義務化ダミー×管理的な仕事 10,095 0.0079247 0.0886718 0 1 義務化ダミー×事務の仕事 10,095 0.1925706 0.3943381 0 1 義務化ダミー×販売の仕事 10,095 0.0762754 0.2654514 0 1 義務化ダミー×サービスの仕事 10,095 0.1188707 0.3236524 0 1 義務化ダミー×その他 10,095 0.1066865 0.3087295 0 1 義務化ダミー×1人~29人 10,095 0.213373 0.4097091 0 1 義務化ダミー×30人~99人 10,095 0.0971768 0.2962131 0 1 義務化ダミー×100人~299人 10,095 0.1211491 0.3263166 0 1 義務化ダミー×300人~499人 10,095 0.0566617 0.2312065 0 1 義務化ダミー×500人~999人 10,095 0.0520059 0.22205 0 1 義務化ダミー×1,000人以上 10,095 0.1406637 0.3476915 0 1 義務化ダミー×制度が利用できることを認識しているか否 か(ダミー変数) 10,095 0.2529965 0.4347505 0 1 義務化ダミー×利用ダミー 10,095 0.0307083 0.1725347 0 1 表6 基本統計量 (省略)

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18 4.2.4 推定結果 推定結果は表 7 および表 8 のとおりである。 限界効果 標準誤差 限界効果 標準誤差 限界効果 標準誤差 義務化ダミー 0.0162932 *** 0.0057505 0.0254858 *** 0.0102575 0.0402224 ** 0.0194304 年次ダミー 職種ダミー(専門的・技術的な仕事) -0.0068485 0.0059888 0.0058359 0.0087276 -0.0069107 0.0059834 職種ダミー(管理的な仕事) 0.0239242 0.0153193 0.0225737 0.0251431 0.024132 0.0151105 職種ダミー(販売の仕事) 0.0061015 0.0068646 0.0082927 0.0103066 0.0058839 0.0068727 職種ダミー(サービスの仕事) -0.0126803 * 0.0070766 -0.00307 0.0105967 -0.0127674 * 0.0070708 職種ダミー(その他) -0.0099479 0.0070861 -0.0098879 0.0110589 -0.0099989 0.0070756 企業規模ダミー(1人~29人) -0.014705 ** 0.0075243 -0.0144519 ** 0.0075142 0.0032263 0.0144265 企業規模ダミー(30人~99人) -0.0234108 *** 0.0098242 -0.0227487 *** 0.0097696 -0.0063568 0.016408 企業規模ダミー(100人~299人) -0.0327706 *** 0.0111205 -0.0319967 *** 0.0110645 0.0032349 0.0187377 企業規模ダミー(300人~499人) -0.0268017 ** 0.0139798 -0.0268851 ** 0.0139813 -0.007474 0.0271345 企業規模ダミー(500人~999人) -0.0400935 *** 0.0155095 -0.0391763 *** 0.0154144 -0.0135088 0.0302904 子どもダミー 0.02404 *** 0.0071013 0.0241057 *** 0.0071121 0.023861 *** 0.007084 同居ダミー 0.0021996 0.004695 0.0021933 0.0046871 0.0020626 0.004688 住居ダミー 0.0054435 0.0052864 0.0055396 0.0052822 0.0054017 0.0052786 通勤時間分 -0.0002396 *** 0.0000562 -0.0002365 *** 0.0000562 -0.0002398 *** 0.000056 本人所得 0.0001522 *** 0.0000163 0.0001526 *** 0.0000163 0.0001517 *** 0.0000163

配偶者所得 -4.75E-06 9.44E-06 -4.74E-06 9.42E-06 -4.99E-06 9.41E-06

年齢 0.0004138 0.0005204 0.0003937 0.0005199 0.0004056 0.0005195 制度が利用できることを認識しているか否か(ダミー変 数) - - - -利用ダミー - - - -義務化ダミー×専門的・技術的な仕事 - - - -0.0228672 * 0.0146279 - - -義務化ダミー×管理的な仕事 - - - 0.0037219 0.0543987 - - -義務化ダミー×販売の仕事 - - - -0.003802 0.0159438 - - -義務化ダミー×サービスの仕事 - - - -0.0149667 0.015169 - - -義務化ダミー×その他 - - - 0.0001502 0.0124779 - - -義務化ダミー×1人~29人 - - - -0.025027 0.0215163 義務化ダミー×30人~99人 - - - -0.0180746 0.0230689 義務化ダミー×100人~299人 - - - -0.0469564 * 0.0341473 義務化ダミー×300人~499人 - - - -0.0218485 0.0356065 義務化ダミー×500人~999人 - - - -0.0277286 0.0387697 義務化ダミー×制度が利用できることを認識している か否か(ダミー変数) - - - -義務化ダミー×利用ダミー - - - -観測数 10,095 10,095 10,095 決定係数 0.0416 0.0427 0.0424 表7 育児短時間勤務制度の創設により、就業を継続する者の割合に与える影響に関する実証分析推定結果 ***、**、*はそれぞれ1%、5%、10%水準で統計的に有意であることを示す。 (省略) (省略) (省略) 変数名 義務化による影響(交差項なし) 職種別 企業規模別

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19 限界効果 標準誤差 限界効果 標準誤差 義務化ダミー 0.0097403 * 0.0060989 0.0142297 *** 0.0056161 年次ダミー 職種ダミー(専門的・技術的な仕事) -0.0069511 0.0059635 -0.0063021 0.0058767 職種ダミー(管理的な仕事) 0.0236081 0.0152994 0.0236689 0.0148877 職種ダミー(販売の仕事) 0.0062641 0.0067959 0.0066727 0.0066686 職種ダミー(サービスの仕事) -0.01211 * 0.0069975 -0.011274 * 0.0068759 職種ダミー(その他) -0.0089995 0.006983 -0.0087598 0.0068929 企業規模ダミー(1人~29人) -0.0122322 * 0.0074594 -0.0131077 * 0.0073613 企業規模ダミー(30人~99人) -0.0206288 ** 0.0095921 -0.0216883 ** 0.0095677 企業規模ダミー(100人~299人) -0.0303373 *** 0.0109067 -0.030732 *** 0.0108431 企業規模ダミー(300人~499人) -0.0248346 ** 0.0136961 -0.0247412 ** 0.0135813 企業規模ダミー(500人~999人) -0.0383151 *** 0.0152985 -0.037112 *** 0.0150344 子どもダミー 0.0225267 *** 0.0070275 0.0204437 *** 0.0068754 同居ダミー 0.0021688 0.0046623 0.0023168 0.0046021 住居ダミー 0.0052306 0.0052515 0.0057827 0.0052284 通勤時間分 -0.0002466 *** 0.0000559 -0.0002558 *** 0.0000556 本人所得 0.0001434 *** 0.0000167 0.0001502 *** 0.0000161

配偶者所得 -4.71E-06 9.39E-06 -5.20E-06 9.27E-06

年齢 0.0005225 0.0005205 0.0005635 0.0005155 制度が利用できることを認識しているか否か(ダミー変 数) -0.0059963 0.0078175 - - -利用ダミー - - - -0.008701 0.0245572 義務化ダミー×専門的・技術的な仕事 - - - -義務化ダミー×管理的な仕事 - - - -義務化ダミー×販売の仕事 - - - -義務化ダミー×サービスの仕事 - - - -義務化ダミー×その他 - - - -義務化ダミー×1人~29人 - - - -義務化ダミー×30人~99人 - - - -義務化ダミー×100人~299人 - - - -義務化ダミー×300人~499人 - - - -義務化ダミー×500人~999人 - - - -義務化ダミー×制度が利用できることを認識している か否か(ダミー変数) 0.0199229 ** 0.0076847 - - -義務化ダミー×利用ダミー - - - 0.0408574 *** 0.0056023 観測数 10,095 10,095 決定係数 0.0437 0.0456 (省略) (省略) ***、**、*はそれぞれ1%、5%、10%水準で統計的に有意であることを示す。 変数名 制度が利用できることを認識している 制度を利用している 表8 育児短時間勤務制度の創設により、就業を継続する者の割合に与える影響に関する実証分析推定結果

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20 表 7 および表 8 の推計結果より、以下のことが示された。 1.育児短時間勤務制度の創設によって、就業を継続することができる確率が約 1.6%ポイ ント上昇したことが 1%水準で統計的に有意に示された。 2.就業を継続することができる確率について、職種別に分析した結果、専門的・技術的な 仕事については、事務に関する仕事と比較して、就業を継続することができる確率が約 2.2%ポイント低くなることが 10%水準で統計的に有意に示された。 3.就業を継続することができる確率について、企業規模別に分析した結果、100 人~299 人の企業については、大企業(1,000 人以上)と比較して、就業を継続することができ る確率が約 4.6%ポイント低くなることが 10%水準で統計的に有意に示された。 4.就業を継続することができる確率について、制度が利用できることを認識している場 合による影響について分析した結果、制度が利用できることを認識している場合、制度 が利用できることを認識していない場合と比較して、就業を継続することができる確 率が約 1.9%ポイント高くなることが 5%水準で統計的に有意に示された。 5.就業を継続することができる確率について、制度を利用している場合による影響につ いて分析した結果、制度を利用している場合、制度を利用していない場合と比較して、 就業を継続することができる確率が約 4.0%ポイント高くなることが 1%水準で統計的 に有意に示された。 4.3 育児短時間勤務制度創設の義務化が出産の意欲に与える影響を捉える推計モデル 本推計モデルでは、第 3 章で示した仮説 4 について分析を行う。 4.3.1 使用するデータ 仮説 1、仮説 2 および仮説 3 と同様に、厚生労働省「21 世紀成年者縦断調査(平成 14 年 成年者)」を用いて分析を行う。分析対象は、仮説 1、仮説 2 および仮説 3 と同様に、本調 査データのうち、就労している女性データ、分析年度は 2009 年度から 2014 年度までの 6 年 間とした。 4.3.2 分析方法と推計式 仮説 4 については、育児短時間勤務制度創設の義務化により、「出産の意欲が高まるか」 についてプロビット・モデルを用いて分析を行う。また、職種、企業規模、制度が利用でき ることを認識している場合および制度を利用している場合によって、出産への意欲が異な るかについて併せて分析を行う。 なお、推計式は以下のとおりであり、i は個人、t は年次を表している。

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21 ⑴ 制度創設の義務化が出産への意欲に与える影響 ① 義務化による影響 出産意欲ダミー𝑖𝑡 = 𝛽0+ 𝛽1義務化ダミー𝑖𝑡+ 𝛽2年次ダミー𝑖𝑡+ 𝛽3職種ダミー𝑖𝑡 + 𝛽4企業規模ダミー𝑖𝑡+ 𝛽5配偶者ダミー𝑖𝑡+ 𝛽6子どもダミー𝑖𝑡 + 𝛽7同居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽8住居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽9本人所得𝑖𝑡+ 𝛽10年齢𝑖𝑡+ 𝜃𝑖+ 𝜀𝑖𝑡 ② 義務化による影響(職種別) 出産意欲ダミー𝑖𝑡 = 𝛽0+ 𝛽1義務化ダミー𝑖𝑡+ 𝛽2年次ダミー𝑖𝑡+ 𝛽3職種ダミー𝑖𝑡 + 𝛽4企業規模ダミー𝑖𝑡+ 𝛽5配偶者ダミー𝑖𝑡+ 𝛽6子どもダミー𝑖𝑡 + 𝛽7同居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽8住居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽9本人所得𝑖𝑡+ 𝛽10年齢𝑖𝑡 + 𝛽11義務化ダミー𝑖𝑡×職種ダミー𝑖𝑡+ 𝜃𝑖+ 𝜀𝑖𝑡 ③ 義務化による影響(企業規模別) 出産意欲ダミー𝑖𝑡 = 𝛽0+ 𝛽1義務化ダミー𝑖𝑡+ 𝛽2年次ダミー𝑖𝑡+ 𝛽3職種ダミー𝑖𝑡 + 𝛽4企業規模ダミー𝑖𝑡+ 𝛽5配偶者ダミー𝑖𝑡+ 𝛽6子どもダミー𝑖𝑡 + 𝛽7同居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽8住居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽9本人所得𝑖𝑡+ 𝛽10年齢𝑖𝑡 + 𝛽11義務化ダミー𝑖𝑡×企業規模ダミー𝑖𝑡+ 𝜃𝑖+ 𝜀𝑖𝑡 ④ 義務化による影響(制度利用に関する認識別) 出産意欲ダミー𝑖𝑡 = 𝛽0+ 𝛽1義務化ダミー𝑖𝑡+ 𝛽2年次ダミー𝑖𝑡+ 𝛽3職種ダミー𝑖𝑡+ 𝛽4企業規模ダミー𝑖𝑡 + 𝛽5配偶者ダミー𝑖𝑡+ 𝛽6子どもダミー𝑖𝑡+ 𝛽7同居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽8住居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽9本人所得𝑖𝑡 + 𝛽10年齢𝑖𝑡 + 𝛽11育児短時間勤務制度が利用できることを認識しているか否か(ダミー変数)𝑖𝑡 + 𝛽12義務化ダミー𝑖𝑡 ×育児短時間勤務制度が利用できることを認識しているか否か(ダミー変数)𝑖𝑡+ 𝜃𝑖+ 𝜀𝑖𝑡

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22 ⑤ 義務化による影響(制度利用別) 出産意欲ダミー𝑖𝑡 = 𝛽0+ 𝛽1義務化ダミー𝑖𝑡+ 𝛽2年次ダミー𝑖𝑡+ 𝛽3職種ダミー𝑖𝑡 + 𝛽4企業規模ダミー𝑖𝑡+ 𝛽5配偶者ダミー𝑖𝑡+ 𝛽6子どもダミー𝑖𝑡 + 𝛽7同居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽8住居ダミー𝑖𝑡+ 𝛽9本人所得𝑖𝑡+ 𝛽10年齢𝑖𝑡 + 𝛽11育児短時間勤務制度利用ダミー𝑖𝑡+ 𝛽12義務化ダミー𝑖𝑡 ×育児短時間勤務制度利用ダミー𝑖𝑡+ 𝜃𝑖+ 𝜀𝑖𝑡 4.3.3 変数の説明 分析に使用した変数の内容については表 9 のとおり、基本統計量については表 10 のとお りである。 被説明変数/説明変数 変数名 説明 被説明変数 出産意欲ダミー 今後子どもの出産を希望している場合は1、それ以外の場合は0とするダミー変数 義務化ダミー 調査回答者の企業において、調査年度に育児短時間制度が義務化されている場合は1、それ以外の場合 は0とするダミー変数 職種ダミー 職種別(6区分)(※)のダミー変数 ※ ①専門的・技術的な仕事、②管理的な仕事、③事務の仕事、④販売の仕事、⑤サービスの仕事、⑥① ~⑤に属さないその他の仕事 企業規模ダミー 従業者数に応じた企業規模別(6区分)(※)のダミー変数 ※ ①1人~29人、②30人~99人、③100人~299人、④300人~499人、⑤500人~999人、⑥1,000人以上 配偶者ダミー 配偶者がいる場合は1、それ以外の場合は0とするダミー変数 子どもダミー 子どもがいる場合は1、それ以外の場合は0とするダミー変数 同居ダミー 同居親族がいる場合は1、それ以外の場合は0とするダミー変数 住居ダミー 持ち家に住んでいる場合は1、それ以外の場合は0とするダミー変数 本人所得 調査回答者本人の調査実施年前年に得た所得(単位:万円)※ 分析に用いる所得額は、調査票上で選択した所得金額区分の平均値を用いる。 年齢 本人の年齢(単位:歳) 制度が利用できることを認識して いるか否か(ダミー変数) 自らの就業形態で、育児短時間勤務制度が利用できることを認識している場合は1、それ以外の場合は0を とるダミー変数 育児短時間勤務制度利用ダミー調査実施月から過去1年間において、育児短時間勤務制度が利用した場合は1、それ以外の場合は0をとるダミー変数 説明変数 表9 分析に用いた変数の内容

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23 変数 観測数 平均 標準偏差 最小値 最大値 出産意欲ダミー 14,468 0.5367708 0.4986633 0 1 義務化ダミー 14,468 0.6864114 0.4639673 0 1 年次ダミー 職種ダミー(専門的・技術的な仕事) 14,468 0.2813105 0.4496542 0 1 職種ダミー(管理的な仕事) 14,468 0.0107824 0.1032807 0 1 職種ダミー(事務の仕事) 14,468 0.3062621 0.4609559 0 1 職種ダミー(販売の仕事) 14,468 0.1007741 0.3010398 0 1 職種ダミー(サービスの仕事) 14,468 0.1622201 0.3686653 0 1 職種ダミー(その他) 14,468 0.1386508 0.3455937 0 1 企業規模ダミー(1人~29人) 14,468 0.3536771 0.478127 0 1 企業規模ダミー(30人~99人) 14,468 0.1770805 0.38175 0 1 企業規模ダミー(100人~299人) 14,468 0.1536494 0.3606248 0 1 企業規模ダミー(300人~499人) 14,468 0.0709151 0.2566919 0 1 企業規模ダミー(500人~999人) 14,468 0.0706387 0.2562291 0 1 企業規模ダミー(1,000人以上) 14,468 0.1740393 0.3791563 0 1 配偶者ダミー 14,468 0.6642936 0.4722531 0 1 子どもダミー 14,468 0.6218551 0.4849408 0 1 同居ダミー 14,468 0.4472629 0.4972282 0 1 住居ダミー 14,468 0.7344484 0.4416417 0 1 本人所得 14,468 221.0845 168.4446 0 1500 年齢 14,468 37.26037 4.722039 27 46 制度が利用できることを認識しているか否か(ダミー変 数) 14,468 0.3551286 0.4785688 0 1 利用ダミー 14,468 0.0295825 0.1694384 0 1 義務化ダミー×専門的・技術的な仕事 14,468 0.1883467 0.3910023 0 1 義務化ダミー×管理的な仕事 14,468 0.0079486 0.0888028 0 1 義務化ダミー×事務の仕事 14,468 0.2090821 0.4066672 0 1 義務化ダミー×販売の仕事 14,468 0.0698784 0.2549507 0 1 義務化ダミー×サービスの仕事 14,468 0.1156345 0.3197972 0 1 義務化ダミー×その他 14,468 0.0955212 0.2939436 0 1 義務化ダミー×1人~29人 14,468 0.2007188 0.400552 0 1 義務化ダミー×30人~99人 14,468 0.100705 0.3009481 0 1 義務化ダミー×100人~299人 14,468 0.1255875 0.3313953 0 1 義務化ダミー×300人~499人 14,468 0.0582665 0.2342548 0 1 義務化ダミー×500人~999人 14,468 0.05799 0.2337327 0 1 義務化ダミー×1,000人以上 14,468 0.1431435 0.3502312 0 1 義務化ダミー×制度が利用できることを認識しているか否 か(ダミー変数) 14,468 0.2665192 0.4421541 0 1 義務化ダミー×利用ダミー 14,468 0.0243296 0.1540755 0 1 表10 基本統計量 (省略)

(27)

24 4.3.4 推定結果 推定結果は表 11 および表 12 のとおりである。 限界効果 標準誤差 限界効果 標準誤差 限界効果 標準誤差 義務化ダミー 0.0278844 ** 0.012562 0.06576 *** 0.0224028 0.034712 0.0360029 年次ダミー 職種ダミー(専門的・技術的な仕事) -0.0063537 0.0135595 0.048729 ** 0.0231797 -0.006987 0.0135771 職種ダミー(管理的な仕事) 0.0078477 0.0474328 0.0319011 0.0816818 0.0072799 0.047556 職種ダミー(販売の仕事) -0.0890338 *** 0.0209206 -0.0754375 ** 0.036709 -0.0892557 *** 0.0209339 職種ダミー(サービスの仕事) -0.0358844 ** 0.0162533 -0.0081822 0.0286717 -0.0358619 ** 0.0162634 職種ダミー(その他) -0.0877789 *** 0.0181556 -0.0653109 ** 0.0313243 -0.0880296 *** 0.018175 企業規模ダミー(1人~29人) -0.0516124 *** 0.0163406 -0.0510191 *** 0.0163471 -0.0372153 0.036273 企業規模ダミー(30人~99人) -0.0116077 0.018101 -0.0102515 0.0180998 -0.0039178 0.0383205 企業規模ダミー(100人~299人) -0.0341324 * 0.019165 -0.0323528 * 0.0191591 -0.0315956 0.0468124 企業規模ダミー(300人~499人) -0.0486553 ** 0.0249618 -0.0468117 * 0.0249458 -0.0145525 0.0605223 企業規模ダミー(500人~999人) -0.0119392 0.0236991 -0.0107457 0.0236745 -0.1286825 0.0678035 配偶者ダミー -0.0116232 0.0165079 -0.012857 0.0165032 -0.0125029 0.0165202 子どもダミー -0.6753954 *** 0.0074183 -0.6752228 *** 0.0074237 -0.6754691 *** 0.0074293 同居ダミー -0.0456457 *** 0.0117139 -0.045667 *** 0.0117227 -0.0456473 *** 0.0117222 住居ダミー -0.0623681 *** 0.0119371 -0.0616208 *** 0.0119559 -0.0626819 *** 0.0119487 本人所得 0.0002387 *** 0.0000338 0.0002391 *** 0.0000338 0.0002392 *** 0.0000338 年齢 -0.0405027 *** 0.001368 -0.0405363 *** 0.0013691 -0.0405931 *** 0.0013703 制度が利用できることを認識しているか否か(ダミー変 数) - - - -利用ダミー - - - -義務化ダミー×専門的・技術的な仕事 - - - -0.084686 *** 0.0311127 - - -義務化ダミー×管理的な仕事 - - - -0.0365997 0.1093116 - - -義務化ダミー×販売の仕事 - - - -0.0171446 0.04154 - - -義務化ダミー×サービスの仕事 - - - -0.0394312 0.035309 - - -義務化ダミー×その他 - - - -0.0300617 0.0366622 - - -義務化ダミー×1人~29人 - - - -0.0214655 0.0413162 義務化ダミー×30人~99人 - - - -0.0097434 0.0445804 義務化ダミー×100人~299人 - - - -0.0024975 0.0495193 義務化ダミー×300人~499人 - - - -0.0394939 0.0678701 義務化ダミー×500人~999人 - - - 0.1144252 * 0.0509554 義務化ダミー×制度が利用できることを認識している か否か(ダミー変数) - - - -義務化ダミー×利用ダミー - - - -観測数 14,468 14,468 14,468 決定係数 0.5414 0.5418 0.5417 表11 育児短時間勤務制度の創設が出産への意欲に与える影響に関する実証分析推定結果 ***、**、*はそれぞれ1%、5%、10%水準で統計的に有意であることを示す。 (省略) (省略) (省略) 変数名 義務化による影響(交差項なし) 職種別 企業規模別

参照

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