オ ー ス トラ リア に お け る マ グ ロ養 殖 業 の 概 要
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(2) 外 漁業 協 力 財 団 が担 い,TBOAが 事 業主 体 と して試. 10%(重. 験養 殖 を行 うこ とにな った 。. ー ス トラ リア 州 の 漁業 生 産 金 額 の うち 約88%(重. 試験 養殖 は,1990年 に ポー トリンカー ンで開 始 され た。TBOAは1991年. 〜1992年 に か けて12㎏. 前 後 の ミナ ミマ グ ロ約1,100尾. 量 で は約4%)を. 量 で は 約65%)を 現 在,マ. を釣 獲 して試 験 的. 占 め て い る。 ま た 南 オ. 占めて い る。. グ ロ養 殖 を行 っ て い る経 営 体 は12社. で あ る 。これ らの う ち11社. は 以 前 に マ グ ロ漁 業 を. に養 殖 を 開始 した。 開始 か ら7ヵ 月後,こ の うち. 営 ん で い た 漁 業 経 営 体 が 転 換 し た も の で あ り,残. 約850尾 が生存 し,釣獲 時 の約1.5倍 の20㎏ 前 後. りの1社. へ と成 長 した。 築 地 市場,大 阪 市場,名 古屋 市場. した も の で あ る。 オ ー ス トラ リア連 邦 政 府 か ら ミ. へ 試 験 出荷 した ところ,脂 の ノ リが極 めて 良い こ. ナ ミマ グ ロ のIndividualTransferableQuota(以. とが高 く評 価 され た。 従 来 ま で旋 網 で加 工用 とし. 下,ITQと. て漁 獲 され た/J型 ミナ ミマ グ ロが300円/㎏. で あ る が,う. 程度. は ノル ウ ェ ー 国 籍 の サ ケ養 殖 会 社 が 参 入. 略 す)の. 配 分 を 受 け て い る の は17業. ち5業 者 は 他 の 業 者 と共 同 経 営 体 を. で あ った に対 し,養 殖 マ グ ロは築地 市場 で4,500. 形 成 して い る 。 マ グ ロ養 殖 業者 へ のITQ配. 円/㎏ の価 格 で 取 り引 き され た。. 間4,752ト. ン で あ る た め,1経. ン のITQを. 有 す る こ と に な る。. 当初,割 当量 削減 に よ ってマ グ ロ漁業 の経 営 は. 者. 分 は年. 営 体 が 平 均400ト. 悪1ヒし,多 くの漁 業者 が倒 産 状 態 に あっ たた め, 試 験養殖 と試験 出荷 の成 功 に よ ってマ グ ロ養殖 は. マ グ ロ養 殖 業 に よ る 地 域 経 済 へ の影 響. マグ. 漁 業 者 の 関心 を集 め,着 業者 が急増 して い った。. ロ養 殖 業 は,南 オー ス トラ リア州 にお け る漁業 生. そ の後,1993年 の 曳航 生 篭 に よ る原 魚移 送 方 式 の. 産 にお い て重 要 な位 置 を 占め てお り,同 時 に関連. 開発,1996年. 産 業 に も大 きな効 果 を生 ん で い る。 産 業連 関 を考. のマ グ ロ養 殖 漁 場 の沖 合へ の拡 大,. マ グ ロ養 殖 事業 の発展 に向 けたTBOAの. 諸活動な. どに よっ て,生 産 量 は急 激 に増加 した。. 慮 した経 済 効果 は,直接 効 果 の約28億 224億 円)に 対 し,約4.9億. 豪 ドル(約. 豪 ドル(約390億. 円). に達 して い る と推 定 され て い る。 さ らに,マ グ ロ 生産 の 動 向 2㎜. 生 産量 は,1991年 の生 産 開始 以 降. 年 に は約9,㎜. トンに達 した(表1参. 照)。. そ の後,増 加 の速 度 は緩 や か とな り,9,㎜. トン. 台 で推移 して い る。 生産 金額 は,生 産 量 と ともに 増 加 し,200億. 養殖 に よる直 接 雇 用830名 970名 の計1,800名 万 豪 ドル(約56億. と関 連 産 業 で の雇 用. とい う雇 用 を生み,約7,㎜ 円)の 家 計所 得 を うみだ してい. る とされ てい る。. 円台 に達 してい る。養殖 マ グ ロは. また,1990年 代 以 降,マ グ ロ以外 の養殖 業 も盛. オ ー ス トラ リア に お け る 漁 業 総 生 産 金 額 の 約. ん にな っ てい る。 これ らの な か には,マ グ ロ養殖. 表1養 殖 マグロの生産量および生産金額 の推移. 経 営体 の事 業 多角 化 に よ る もの,あ るい はマ グ ロ 関連 産業 に従 事す る業 者 の投 資 が含 まれ て い る。. 年度. 生 産 量(トン). 生産 金 額(万 豪 ドル). 1991. 97. 184. 1992. 535. 1,017. 1993. 1,275. 2,423. 1994. 1,927. 3,800. 1995. 2,013. 3,992. 1996. 2,547. 4,020. 1997. 5,140. 8,722. 1998. 6,365. 16,700. 1999. 7,780. 20,200. 2000. 9,051. 26,379. 2001. 9,245. 26,050. 2002. 9,978. 26,691. マ グ ロを 除い た養 殖業 の生産 金額 は,1995年 度 か ら2001年 度 の7年 間 で約3倍 の伸 び をみ せ てお り, 2001年 に は約2,200万. 豪 ドル(約18億. 円)を 記. 録 して い る。. 養 殖 マ グ ロの 生産 過 程 の実 態 生 産過 程 の概 要 をみ る と,ま ず12月 〜3月 にか けて10㎏ 〜15㎏ の種 苗 を旋 網 で確保 す る。確保 し た種 苗 を 曳航 生 管 で養 殖海 域 へ運搬 し,養 殖 生實. 資 料:SARDIandTBOA. へ 活 け込 む。2ヵ 月 か ら6ヵ 月す る と20㎏ 〜30㎏. 一216一.
(3) 前 後 に まで成 長す るた め取 りあ げ を行 う。㏄ 処 理. 海 中で接 続 され,ダ イ バ ーが 曳航 生 實 中の マ グ ロ. を行 った 後 に,主 に 日本人 バ イ ヤー を介 して 日本. を養 殖 生篭 に追 い 込む 。追 い 込み 時 に,海 中 カ メ. へ 生鮮 また は冷凍 出荷 され る。. ラ に よって 生篭 の 間 を通過 す るマ グ ロの尾数 が計 測 され,所 定 の尾 数 に達す る と移 送 は終 了す る。. 原魚 の確 保. 養 殖 を行 うた めに は,ま ず 小型 マ. ま たマ グ ロの重 量 は,養 殖 生 賓 へ の移送 前 にサ ン. グ ロを確 保す る必 要 が あ る。ノJ・ 型 マ グ ロは12月 〜. プ リン グに よって 計測 され る。 この よ うに して,. 3月 に かけて旋 網 に よ って漁 獲 され る。これ らは1. 養 殖 生 管 へ活 け込 み尾 数 と重 量 が調 整 され る。収. 尾10〜15㎏ 前 後 の 若齢 魚 で あ る。 漁 獲 したマ グ ロ. 容 密 度 は,後 述す る よ うに州 政 府 の規 制 に よ り4. を直径 約40mの 円形 生篭 へ移 し替 え,時 速1ノ ッ. kg/m3以 下 とされ てい るが,養 殖 業者 へ の 聞 き取 り. ト以下 の ゆ っ く り した速 度 で養 殖 海域 へ 曳航 す る。. に よる と実際 には2.5㎏/m3程. 度 で収 容 され て い. る。. 養 殖 業者 はす べ てITQを 保 有 してお り,ITQに 基 づ いて原 魚 を確 保 してい る。 養殖 業 者 の うち7. 各 業 者 に よる養 殖原 魚 の活 け込 み数 量 は,曳 航. 業 者 は 自社 の旋 網 漁 船 で原 魚 を漁 獲 して お り,旋. 生 篭 か ら養 殖 生 篭へ の移 送 時 に オー ス トラ リア連. 網 漁船 を所有 しな い残 りの5業 者 は,旋 網漁 船 の. 邦 政 府漁 業局 に認定 され た検査 官 に乗船 検査 に よ. 所 有 業者 に原魚 の漁 獲 を委 託 してい る。 ミナ ミマ. って確 認 され る。 計測 の結 果,漁 獲 量 が 当該養 殖. グ ロの漁 獲枠 はCCSBTに よって 定 め られ て お り,. 業 者 のITQを 超 えてい た場 合,超 過 分 は放流 され. 1989年 度 以 降 の オ ー ス トラ リア へ の割 当 量 は. る か他業 者 か らのITQの. 5,265ト ンに設 定 され て い る。マ グ ロ養 殖 業 者 は,. ITQか らの控 除 な どの処 置 が とられ る。 この よ う. 自社 が保 有す るITQを 基 準 に養 殖 を行 うが,自 社. に,ITQは. 保 有 のITQ以 上 に原魚 を必 要 とす る場 合 は他 の保. づ き連 邦 政府 に よ って厳 格 に管 理 され て い る。. 有者 か ら購 入 あ るい は賃 借 してい る。2004年 には. リー ス,あ るい は翌年 の. 検査 官 が乗 船 して収 集す るデー タに基. 養 殖 中に投 与 され る餌 料 は,タ スマ ニ ア 島付近. ン)を マ グ ロ養. で漁 獲 され た国 内産 のイ ワシ類,ア メ リカや 北欧. 殖 業者 が保 有 してい る。残 る513ト ンは養 殖 業 者. な どか ら輸入 され るイ ワシ 類,サ バ類 な どが用 い. 以 外 の漁 業者 が保 有 して お り,必 要 に応 じて貸 借. られ てい る。 輸 入イ ワシ は脂 の含 有 量 が多 くマ グ. が行 われ て い る。1998年 以 降 は,割 当量 のほ とん. ロの成 長 に適 して お り,輸 入 イ ワシ を用 い る業者. ど全 量 が養殖 用 として漁 獲 され て い る(図1参 照)。. が多 い と され てい る。. 全割 当量 の うち約90%(4,752ト. 育 成期 間は2ヵ 月 か ら6ヵ 月 で あ り,活 け込 み. ト ン 6,000. 当 時10㎏ 〜15㎏ 程 度 で あっ た ミナ ミマ グ ロは,出. 5,000. 荷 時 に は20㎏ 〜30㎏ 前 後,約1.9倍. 4,000. る。活 け込み 後 の歩 留 ま り率 は極 めて高 く,95%. 3,000. 以 上 といわれ て い る。. の増重 をみせ. 2,000. 養 殖 管 理 条件 に関 して は,州 政 府 に よ って養 殖. 1,000. 許 可 に合 わせ て種 々 の規 制 が課 せ られ てい る。 主. 0. な も の は 次 の とお りで あ る 。 活 け 込 み 密 度 を. 紳粛粛爵粛紳紳粛紳紳ドず厨雷 資料.TBOA. 4㎏/m3以 下 とす る こ と,活 け込 み 上 限 を50ヘ クタ. 年度. 図1ミナミ マグロの割当量と 活け込み量の推移. ー ル 当 た り300ト ン とす る こ と,底 質 の 悪化 を防 ぐた め に ビデ オ等 を用 い て底 質環 境 のモ ニ タ リン. 曳航 生篭 に よって養 殖 海 域へ. グ を実施 してSARDIへ 提 出す る こ と,生 篭 の網 を. 運搬 され た原魚 は,所 定 の密 度 で複 数 の養 殖 生賓. 海 底 か ら3m以 上離 す こ と,2年 ご とに6ヵ 月養 殖. に分 けて活 け込み され る。 曳航 生 賓 は養 殖 生 篭 と. 海 域 を休 ませ る こ と,抗 生物 質 や化 学物 質 を用 い. 活 け込み ・育 成. 一217一.
(4) な い こ と とい った規 制 で あ る。 ま た,養 殖 業者 も. うな変 化 が 生 じて い る。第1は,養. 生 篭 の設 置 海域 を毎年 少 しず つ移 動 した り,活 け. 荷価 格 の下落 に よって,養 殖 せ ず に その ま ま 出荷. 込 み密 度 を2.5㎏/m3以 下 に した りす るな ど,自 主. を試 み る養 殖 業 者や 早期 出荷 を は じめ る業者 も ご. 的 に海 洋 環 境へ 配 慮 を行 って い る。. く一部 み られ る よ うにな った。 第2は,換. 殖 マ グ ロの出. 金 サイ. クル の早 い生 鮮 出荷 の割 合 を高 めた業 者 が増 えて 取 りあ げ ・出荷. 取 りあげ ・出荷 の 時期 は4月. い る。 第3は,バ. イ ヤ ー と養 殖 業者 の間 で の冷凍. 中旬 〜10月 中旬 にか けて で あ る。出荷 形 態 をみ る. 出荷 マ グ ロの価格 交渉 が難航 した た め,委 託 契約. と,養 殖 開 始 当初 は生鮮 出荷 が 中心 で あ った が,. の生 鮮 出荷 をせ ざる を得 ない ケー ス も見 られ るよ. 1999年 以 降 は冷 凍 出荷 の数 量 が 増加 し,冷 凍 出荷. うに な った。 第4は,冷. 中心 とな ってい る。 これ は,こ の時期 に冷 凍設備. 生鮮 出荷 は委 託 契約 とい う図式 が壊 れ,冷 凍 出荷. が 十分 に整備 され た こ と と冷 凍保 管 に よ る市場 へ. に 関 して も委 託 契約 を結 ぶ 業者 もみ られ るよ うに. の 出荷 調 整 の容 易 さに よる もの と考 え られ る。. な る な ど契約 形態 が複雑 化 してい る。. 凍 出荷 は 買い 取 り契 約,. 養 殖 マ グ ロの 出荷 先 は ほぼ 日本 で あ り,養 殖 業 者 は複 数 の 日本 人バ イ ヤー と出荷契 約 を締結 して い る。 契 約 の形態 は,冷 凍 出荷 の場 合は主 に買 い. オー ス トラ リアに お ける マグ ロ養 殖 の特 徴 ポ ー トリン カ ー ンへ の 集 中. オ ー ス トラ リア. 取 り契約,生 鮮 出荷 は委 託 契約 とい うよ うに異 な. にお け るマ グ ロ養 殖 業 の特徴 の第1は,生. って い る。 買い取 り出荷 分 は,出 荷 時期 に入 る前. ポー トリンカー ンに限定 され てお り,養 殖 業 をは. (3〜4月)に 数 量 と価 格 が定 め られ る。現在,ポ ー トリンカ ー ンで マ グ ロを買 い付 けて 日本 市場 へ. じめ関 連 産業 のほ とん どが こ こに集 中 してい る こ. 出荷 ずる 日本 の 主力 バイ ヤ ー は9社 程 度 であ る。. 中 して 発展 したの に はい くつ かの理 由が あ る。. オー ス トラ リアは地 中海や 国 内 か らの 出荷 の端 境. 産地が. とで あ る。 マ グ ロ養殖 業 がポ ー トリンカ ー ンに集. 第1は,オ. ー ス トラ リア国 内で は最 も ミナ ミマ. 期 で あ る夏場 に生鮮 出荷 が可能 で あ る こ とか ら積. グ ロの漁 場 に近 い こ とで あ る。 原魚 の漁 場 は,ポ. 極 的 に取 り扱 うバイ ヤ ー も存在 して い る。. ー トリンカー ン南 西沖合 の海域 に形 成 され る. 養 殖 マ グ ロの価 格 は3,㎜. 。当. 円/㎏ 前 後 であ る。. 海域 は,オ ー ス トラ リア200海 里排 他 的 経済 水域. 日本 へ の平均 上 陸価格 を見 る と,1998年 度 以降 上. 内 に形成 され る最大 の マ グ ロ漁 場 で あ り,ポ ー ト. 昇 し続 け,2002年. リンカー ンが最 も近 い マ グ ロ漁 業 基地 で あ る。 こ. 度 には1㎏ あ た り約38.8豪. ル(約2,200円)約. に 達 した(表2参. ド. 照)。. 表2日 本 へ の 上 陸 平 均 価 格 の 推移 単 位:豪. 競 争 に さ ら され る こ とな く排他 的 に ミナ ミマ グ ロ ドノレ. を漁 獲 す る こ とが で きる。 さ らに ミナ ミマ グ ロの. 年度. 価格. 1998. 22.99. 1999. 32.14. 2000. 34.85. 漁 獲 した 後,比 較 的短期 間 で養 殖海 域 に運 ぶ こ と. 2001. 38.11. が で き る。. 2002. 38.83. 2003. 27.85. 漁 場 と して は近 海 に位 置す るた め,原 魚 を旋 網 で. 第2は,マ. 資 料:AustralianBureauofAgriculturaland ResourceEconomics,TBOA 注2:上. の た め,ポ ー トリンカ ー ンの養 殖業 者 は国際 的 な. 始以 前 にあ る程度 整 ってい た こ とで あ る。 ポー ト. 記 の 価 格 は 輸 送 コス ト(1kgあ. リンカー ンは,養 殖 開始 以 前 に南 オー ス トラ リア. た り400円 前. 後)を 含 ん だ 数 値 。 し か し,2003年. 度 は 約27.9豪. グ ロ養 殖 を行 うため の条 件 が養 殖開. 州 周 辺 海 域 で行 われ て いた マ グ ロ漁 業 の漁 業基地 ドル に 下 落 し て い. お よび 主 要水 揚港 であ った た め,こ れ らの設備 が. る 。 こ の価 格 低 下 は 世 界 的 な 養 殖 マ グ ロ増 産 に よ. 養 殖 開始 時点 で あ る程度 整 って い た。 また原魚 を. る 日本 市 場 へ の 供 給 増 加 に よ っ て 生 じて い る と 考. 漁 獲 す る旋 網 の漁 獲 設備 や ノウハ ウもす で に養 殖. え られ て い る 。 こ れ に よ っ て,生. 業者 の手 元 にあ っ た。 さ らに,原 魚 を採捕 す るの. 産現 場 に次 の よ. 一218一.
(5) に必 要 なITQが ポ ー トリンカ ー ンの マ グ ロ漁 業 者. 取 り組 ん だ。 事 業 生産 に以 降 後 は,ITQや. に よ っ て保 有 され て い た こ と も影 響 して い る。. 可 に 関す る政 府 との交 渉 窓 口 として機 能す るほ か,. 1991年 の養 殖 開 始 時 には5,265ト ンのTACの うち. 日本 を は じめ とす る出荷 市場 や他 の 生産地 での 晴. 約60%に. 報 収集 とそれ らの養殖 業者 へ の提 供を大 きな業務. 当 た る約3,200ト ンがポ ー トリンカー ン. 養殖 許. の マ グ ロ漁業 者 が所 有 して い た。 これ は,ITQが. としてい る。 また,研 究 開発 面 で もその役 割 は大. 導入 され た1984年 以 降,ポ ー トリンカー ンの漁 業. きい。TBOAは 毎 年60万. 者 が 日本 の刺 身 市場 向 け のマ グ ロ漁 業 を行 うこ と. して拠 出 して研 究 開発 を支 援 してい る。. 豪 ドル 前 後 を研 究経 費 と. を 目的 にニ ュー サ ウス ウエ ール ズ のITQ保 有 者 か らITQを 購 入 した た めで あ る。 これ らの マ グ ロ漁. 公 的 な生 産 管 理. 特 徴 の第2は,環. 境 へ の影 響. 業者 は,各 自に配 分 され たITQに 基づ い て マ グ ロ. を削減 す るた めに 公的 な規 制 に よって生 産 の管理. 養殖 を開 始 し,さ らに養殖 開 始後 も他 種 漁 業や 他. が行 われ る こ とで あ る。 これ は,ミ ナ ミマ グ ロの. 地 区 か らのITQ購 入 に よってITQ集 積 を進 め た。. TACとITQに. 2004年3月 時点 で は,TACの 約90%に. う漁場 環境 保 全 の ふ たっ を 内容 とす る。TACとITQ. あ た る4,752. よ る原 魚 生 産 の上 限 ど養殖許 可 に伴. トンが ポー トリンカー ンのマ グ ロ養 殖 業 者 に よ っ. は国 際機 関 で あ るCCSBTに よ って,資 源 回復 を 目. て保 有 され て い る。. 的 として厳 格 に定 め られ て い る。 オ ー ス トラ リア. 第3は,南. オ ー ス トラ リア州 政 府 がマ グ ロ漁 業. へ のTACは1989年. 以降5 ,265ト ン とな ってお り,. の発展 に積極 的 であ った こ とで あ る。 これ は マ グ. 近 年 は,そ の ほ とん どが養 殖 業者 に よって利 用 さ. ロ養 殖 に関 わ る研 究 開発 と養 殖 許 可条 件 に現 れ て. れ て い る。各 養 殖 業者 に よる採捕 数量 は,連 邦 政. い る。州 政 府 は,そ の研究 機 関 で あ るS㎜1に. 府 に認定 され た検査 官 に よっ てカ ウン トされ て い. お. いて マ グ ロ養 殖 に関 わ る研 究 プ ロジ ェク トを積 極. る。 国際 間 のITQの や り取 りが あった と して も,. 的 に展 開す る と ともに,連 邦 政 府 な らび にTBOA. 検 査 官 に よ る乗 船 検査 が実施 され てい るた めそ の. と ともにマ グ ロ養 殖 に関 わ る組織 横 断的 な研 究 開. 枠 を超 え る こ とは難 しい。つ ま り,オ ー ス トラ リ. 発 チ ー ム を形成 して い る。そ れ らの研 究 プ ロ ジェ. ア にお け る最 終的 な養 殖 生 産量 は,TACと. ク トで は餌 料 の 開発,飼 育環 境 の改 善 お よび 肉質. 獲 後 の 生残 率 お よび 増 肉係数 に よって規 定 され る. 改善 に重点 が 置 かれ てい る。 また,養 殖許 可 につ. こ とにな る。. 原魚漁. い て は,前 述 の よ うに許 可条 件 の 中で 生篭 の 規模. また,養殖 許 可 に伴 う漁 場 環境 保全 につい て は,. や 間 隔,飼 育 密 度 の制 限な ど,適 切 な養 殖 管 理 を. 前述 の とお り州政 府 が持 続 的 生産 を 目的 に,養 殖. 行 うた めに必 要 な条 件 が規 定 され てい る。 同時 に. 許 可 の条件 と して生 篭 のサ イ ズや原 魚 の収 容密 度. 生 育環 境維 持 のた め に育成 生實 下 部 の水質 観 察 が. な どの細 か な規 定 を設 けてい る。 規制 の 内容 は研. 義務 付 け られ,SARDIに. 究機 関 にお け る研 究 成 果 に基 づ くもので あ る。. よ る環 境 監視 が行 われ て. い る。環 境 に配 慮 した養殖 業発 展 の た めの条 件 が 州 政府 に よ る法 律 に よ って担保 され てい る。 第4は,ポ. これ らの公 的 な 管理 は,育成期 間 が3〜6ヶ 月 と 短 期 で あ る こ と と相 侯 って,マ グ ロ養殖 業 が 自然. ー トリンカ ー ンが属 す る南 オ ー ス ト. ラ リア州 の州都 アデ レー ドに本部 を置 くTBOAが. 環境 へ の低負 荷 型 産業 とな り うる条 件 を提 供 して い る とみ る こ とがで き る。. ポ ー トリンカ ー ンヘ マ グ ロ産 業 の集積 をす す めて い る こ とが挙 げ られ る。TBOAは,養 殖 業 者 と政府 や 関連 機 関 との仲 介機 関 として機 能 して お り,試. ま とめ 本 研 究 で は,オ ー ス トラ リア にお け る ミナ ミマ. 験養殖 の 実施 に当 た り関係 諸機 関 との調整 を行 い,. グ ロ養殖 業 の生産 実 態 とその特 徴,お よび問題 点. 日本海 外漁 業協力 財 団や 州 政府 か らの協 力 を取 り. を明 らか にす る こ とを 目的 に,統 計 資料 と聞 き取. 付 け る と ともに,事 業 実施 主体 と して試 験養 殖 に. り調 査 に よって 現状 分 析 を行 っ た。. 一219一.
(6) 1990年 初 頭 には じま ったマ グ ロ養 殖業 は,1990 年代 半 ば か ら2000年 加 させ,2㎜. にか けて急 速 に生 産量 を増. 年代 に は9,㎜. トン台 を糸 鶴. 以 上 の こ とか ら,オ ー ス トラ リア にお け るマ グ ロ養 殖 業 の課 題 は,国 際競争 の激 化 と養 殖業 者 の. して. 価格 交渉 力 の低 下 とい う状況 下 にお いて,い か に. い る。南 オ ース トラ リア州 の 基幹 漁僕 へ と成 長 し,. して持 続 的 に収 益 性 を確 保 してい くか にあ る。 そ. 地 域経 済 へ経 済効 果 や雇 用 効果 な どを もた ら して. の方 策 と して考 え られ るのは,新 市場 開拓,コ ス. い る。. ト削 減,商 品差 別化 な どで あろ う。現在 の ところ,. ただ し,1990年 代 後 半以 降,急 激 に発 展 して き. バ イ ヤ ー を介 さな い冷 凍マ グ ロの 日本 へ の 直接 出. たマ グ ロ養 殖 業 も近 年 はや や頭 打 ち傾 向 にあ る。. 荷,出 荷 サイ ズ の大型 化(越 年 飼 育),肉 質 改 良に. そ の 要因 と して 下記 の点 が挙 げ られ る。. よ る他 国生 産物 との差 別化 な どが取 り組 まれて い. 第1は,世. 界 的 な養 殖 マ グ ロの増 産傾 向 の 中で. る。 また 自社 の保有 す るITQ枠 内 での 生産 に規模. 産地 間競 争 が激化 しつ つ あ る こ とで ある。養 殖 マ. を縮 小す る業者 や 養殖魚 種 の多様 化 を図 る業者 な. グ ロの 総 生 産 量 は右 肩 上 が りに増 加 して お り,. どがい るほか,養 殖期 間 の短 縮や 海 上 労働1乍業 の. 2003年 に は3万 トンを超 え る生 産量 を記 録 す るま. 削減 に よって コス ト削減 を 図 る業者 もい る。 そ し. で にな った。 一方 で,そ れ らの主 要市場 は 日本 で. て今 後 は,関 連産 業 の集 中,厳 格 な生 産管 理や 環. あ り,限 られ た市場 に養殖 マ グ ロが殺到 す る状 況. 境 管 理 の徹 底 とい う特 徴 を競 争優 位 に結び つ け る. とな ってい る。 さ らに近 年 で は,量 的 な競 合 だ け. 方 法 を検 討す る必 要 が あ る。 現 時点 では,こ れ ら. で は な く,時 期 的 な競 合 関係 も生 まれ つ つ あ る。. の潜 在 的 な可 能性 を生産 性に結 び つ け る こ とが で. 日本 や 地 中海 沿岸 国 か らの端 境期 に生 鮮 出荷 可能. きて いな い とみ て よい。 この点 で,研 究機 関 に よ. で あ る とい うオー ス トラ リア の特徴 が薄 らぎつつ. る中長 期 的 な産業 戦 略 の策 定 を始 め,社 会科 学的. あ り,夏 場 の 生鮮 出荷 時 に も地 中海 沿岸 国 な どか. な ア プ ロー チ が望 まれ る ところで あ る。. らの養 殖 マ グ ロ とも競合 関係 が強 まって い る。 第2は,以. 上 の よ うな 国際 的 な競合 関係 の強化. に よって養 殖 業者 の価 格 交 渉力 が弱 ま って い る こ. 参考文献 1)小. とで あ る。1990年 代 には オー ス トラ リアが養 殖 マ グ ロ生産 の 唯一 最大 の 供給 者 で あ り,供 給独 占の. 2)馬. 出荷 分 の販 売数 量や 価 格 に 関す るバ イ ヤー との交 渉 では生 産者 が優位 で あ った。 しか し,2㎜. 年代. 場 治.水. 産 物 流 通 グ ロ ー バ ル 化 影 響 調 査 事 業 報 告 書,. 3)榎. 鞍 恵. オ ー ス ト ラ リア 漁 業 政 策 と 水 産 合 弁 事 業,大. 日本 水 産 会1993,177 4)東. 村 玲 子.ミ. ナ ミマ グ ロ の 国 際 漁 業 管 理 の 変 遷,地. 漁 業 研 究2002,171‑186 5)EconSerch.TheEoonomicImpactofAquaculture. に入 り,全 体 的 な養 殖 マ グ ロの供給 増加 と国 際 的. ontheSouthAustlaHanStateandRegional. な競争 の激 化 に よ って供 給独 占の状 態 が崩 れ て い. Economics,2003. く。養 殖 業者 は オー ス トラ リア の銀 行 か らの 円建 て で の資金 調 達 に よ って 出荷 先 バ イ ヤー の 限定 か らは解 き放 たれ た もの の,競 争 の激化 す る 日本 市 場 で は有 力 なバイ ヤー に頼 らざる を得 ない状 況 が 続 い てい る。 さ らに有利 な出荷 条 件 を獲 得す るた め,他 国で の生 産情 報 に詳 しいバ イ ヤー へ の依 存 度 が高 ま る とい う状 態 にな って い る。. 一220一. 山 堂2003,. 漁 業 情 報 サ ー ビ ス セ ン タ ー‑2002,1・17. あ った が,養 殖 マ グ ロに関 して は他 に競 争 者 がお らず,市 場 へ の供給 量 も限 られ て いた た め,冷 凍. グ ロ の 生 産 か ら消 費 ま で,成. 265‑293. 状 態 に近 か っ た。養 殖 業者 は養 殖 時 の運転 資金 を バ イ ヤ ーか ら借 り受 けた た め,販 売 先 は 限定 的で. 野 征 一 郎.マ. 6)AustrahanBureauofStatistic.Y∋arB∞k Austrahan2003,2003,1‑7. 域.
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