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論文内容要旨 論 文 題 名 血 中 循 環 腎 癌 細 胞 回 収 に つ い て On-chip Sort

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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論 文 題 名 血 中 循 環 腎 癌 細 胞 回 収 に つ い て On-chip Sortと ClearCellFXシステムとの比較検討

掲載雑誌名:昭和学士会雑誌 (第 78 巻 第2号 2018 年)

専攻名 昭和大学医学部外科系泌尿器科学 松井祐輝

近年、転移性腎癌に対する分子標的薬や免疫チェックポイント阻 害薬をはじめとする様々な新規薬剤が登場している。それらの薬剤 選択の指標、または、それら薬剤の有効性判定のツールとしてのリ キッドバイオプシー(血液や尿等を検体とする液体生検)の重要性 が増している。リキッドバイオプシーは通常の組織生検と比し、患 者に対する侵襲が低いため頻回に行う事が可能であり、経時的な治 療経過のモニタリングにも有用であると考えられている。リキッド バイオプシーは、血中循環腫瘍細胞(CTC:Circulating Tumor Cells

)、セルフリーDNA(cfDNA:cell free DNA)、エクソソーム(Exosome

)に大別される。

我々は、リキッドバイオプシーの中でも、CTC に着目し研究を行って

(2)

いる。血中に存在する CTC 数を測定することは、転移性癌に対する 治療効果の判定や病勢把握に有用である。 CellSearchシステムは、

米国 FDA(Food and Drug Administration)の承認を受けた唯一の CTC 検出装置である。CTCs 検査は、転移性大腸癌、乳癌、前立腺癌 の治療効果の判定 や予後予測因子と しての有用性が認 められている。

しかし、CellSearchシステムは上皮細胞である癌細胞の表面に発現 する EpCAM 抗原(Epithelial cell adhesion molecule; 上皮細胞接 着分子)に対する抗 EpCAM 抗体を用いた免疫磁気的手法に基づくため

、上皮間葉転換により EpCAM 抗原の発現が減弱もしくは消失した癌 細胞の捕捉が出来ない事が近年指摘されている。今回、EpCAM 非依存 的に CTC を同定する方法として、腎癌特異的 な G250 抗原をターゲッ トとした On-chip Sortと物理学的に CTC を濃縮する ClearCellFX システムの比較検討を行った。ClearCellFXシステムは CTC と末梢 血単核球(PBMC)の細胞径の差異により流動力学的に CTC を濃縮する 機器であり、比較的大きな CTC の濃縮には適するが、小さな CTC の 濃縮能は低い。我々の検討では、比較的大きな腎癌細胞の濃縮率は 69%だったが、比較的小さな腎癌細胞での CTC の濃縮能は 33%であり

、細胞サイズに依存する本法は安定性に欠けると考えられた 。一方、

CTC の EpCAM 抗原の発現の有無に依存せず、腎癌特異的な G250 抗原 をターゲットとし、抗 G250 抗体と抗 CD45 抗体(PBMC のマーカー)

(3)

を用いた On-chip Sortでの腎癌 CTC の同定率は約 75%と、非常に 高く、腎癌細胞の特異的同定法に適していると考えられた。今後、

臨床検体を用いた検討が必要ではあるが、抗 G250 抗体を用いた On-chip Sortでの腎癌 CTC の研究は、腎癌治療に寄与する可能性が 考えられる。

参照

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