尾 崎 恭 子 OsakiKyoko
幼児の精神発達 と絵本
TheDevelopmentofYoungChildren throughPictureBookExperiences
(2005年3月31日受理)
Keywords:絵本,幼児,精神発達,想像力,指導上の留意点
要 約
幼児教育において 「絵本」は重要 な保育内容の1つ として位置づけ られているが,絵本は幼児の精神発達 にどのよう な役割を果た しているのだろうか。本研究の結果は,幼児の絵本体験 におけ る発達 を根底か ら支えているのが,"想像 力"であ り, しか も,それ らの想像力が創造性や発明,発見へ とつ なが ってい くことが明 らかになった。 また,絵本を 通 して子 どもたちの想像力を思い っき り飛糊 させ,"感動"す る心を くり返 し体験 させ るためには,読み手である保育 者の感動 とともに,す ぐれた絵本の絵 と文が子 どもたちの想像力を豊かにす るための大 きな役割 をになっていることが 分か った。そ う した観点か ら,保育者は どのように絵本を選んだ らよいかについて,文 については5つのポイ ン ト,絵 については10のポイ ン トを具体化 した。 さ らに,絵本の読み方を どのように工夫すればよいかについては,9つのポイ ン トを具体化 した。最後 に,「ぐりと ぐら」の絵本の実践例か ら,絵本を通 して生活体験 をより広げ,絵本の楽 しみ を より深めるための保育者の言葉かけや手立てを明 らかに した。
は じ め に
一般 に幼児は絵本が大好 きであ り, 自分の好 きな絵本 を何度でも 「読んで,読んで」 とせがむのは保育現場で よ く目にす る子 どもの姿である。絵本の読み聞かせは, 幼稚園や保育園で も毎 日のように行われているが,絵本 は乳幼児の精神発達 にどのような役割を果た しているの だろうか ?
例えば,乳幼児の発達 と絵本について,保育所保育指 針には,次のように述べ られている。
①1歳3か月か ら2歳未満児では,言葉を話す ように なり象徴機能が発達 して くること,興味ある絵本を 保育士 と一緒 に見 なが ら簡単 な言葉の繰 り返 しや模 倣を した しりして遊ぶ こと
②2歳児では,さらに象徴機能の発達が増 し,絵本や
紙芝居 を楽 しんで見た り聞いた り,繰 り返 しのある 言葉の模倣 を楽 しめ るようになること
③3歳児では,絵本や童話などの内容がわか り,イメー ジを持 って楽 しんで聞 くけるようになること
④4歳児では,無生物 まで も自分 と同 じように心があ ると思 ってお り,子 どもらしい空想力や想像力が発 達す ること
⑤5歳児では,絵本や童話等の内容を子 ども自らの経 験 と結びっけた り,想像 をめ ぐらした りしてイメー ジを豊かにできるようになる, とい った ことなどが それである。
そ こで まず,本研究では,幼児期の子 どもの精神発達 において絵本は どのような役割 を果たすのかについて検 討 し,次 に,そのような豊か な発達をうながすための保 育者の指導上の留意点について検討す る。最後 に,それ
らの留意点にもとづいて取 り組んだ 「ぐりとぐら」の実 践例か ら,保育者の言葉かけと手立てについて述べ るこ
とにす る。
幼児の精神発達 と絵本
(1) 心身の発達における幼児期の特徴
身体の発育の面か ら乳幼児期が非常 に重要 な時期であ ることは言うまで もないが,精神発達の面でも,古語 に
「三つ子の魂百 まで」 と言われ ている通 り,そのことが 科学的に真理であることが証明され るようになった。即 ち, フ イスターは人の脳髄 の重量は6才になると成人の ほぼ88パーセ ン トにも達 し,乳幼児期の精神発達がいか に 目ざま しいものであるかを教えている。幼児の精神生 活の中心をなす情緒の分化発達 も,その重要 さにおいて 後の どんな時期 におけるよ りも大切 な時期であることが わか っている。 また, ブ リッジ ェスは,情緒がほぼ2才 頃 までに基本的 な分化 をとげ,およそ5才頃 までに大 人 とほぼ同 じ程度の情緒が分化 し終 り,その人の心情の美 しさや性格の基本的傾 向を形造 ると報告 している。そ こ のような意味で,知性の教育 と情操の教育は健康教育 と 並んで,幼児教育の最 も大 きな柱でなければな らないの である。
(2)幼児の世界観 と想像性
幼児は,動物や植物はいうまでもなく石 ころや棒 きれ のような無生物 にいた るまで 自分 と同 じように心があ り 生命があると思 っている。又, 自分の頭の中で考えた こ とが客観的にも存在 していると思 った り,夢の中の出来 事が本当にあるものだ と思 った りしている。汎心性 とか 実念論 とかよばれ る一連のこう した幼児心理の特性は, 20世紀の巨人 と呼ばれたスイスの心理学者, ピアジェの 業績 によるものであるが, このことはあわせて どう して 子 どもたちが これほ どまでに絵本や昔話の世界にひた り きることができるのかについて私たちに教えて くれ る。
現に絵本の中では,動物 どう Lが言葉をかわ し,人間 と動物はおろか,植物 とす らも言葉 をかわ し,おたがい のJL、をかよわせている。そうい った主人公たちの登場は , 子 どもたちにとっても決 して ̀̀バ カらしい" ことではな いのである。
このような幼児の世界観 は,幼児のものの見方やかか わ り方の中心をっ らぬいている "自己中心性"や "未分 化性"にもとづ くものであるが,いわば,大人の客観的 で知的 な世界観に比 して, きわめて主観的で情緒的な色 彩の濃い世界観 ということができるであろう。
ところで, このような幼児の世界観 を根底か ら支えて いるのが,想像性 とか "想像力" と呼ばれ るものである。
したが って,幼児期に特徴的 なこうしたものの見方やか かわ り方は,幼児がたやす く他者に "感情移入" させ, それ と一体 になり得 ることを物語 っている。 チ ュコフス キーはさまざまな子 どもたちの言葉を引いて,事物の本 質をとらえ るこの驚 くべ き "小 さな詩人"たちの詩人た るゆえんを説明 している し, 日常の保育にたず さわ る保 育者も「マ ッチ売 りの少女」に涙す る子 どもたちの純粋 な 心情の美 しさを経験 している。
しか し,幼児期のこう した心理的特徴は,ほぼ7才頃 を境 と して終わ りを告げる。 それだけに, この時代の教 育がなににもま Lで情操豊か な人間性 を育 てる教育でな ければならないのである。
(3) 絵本 と想像力
いっの時代 にも,お話や絵本に見聞きい っている子 ど もの真剣 なまなざ しに,ひそかな驚きと深 い感銘を経験 しなか った保育者はいない。子 どもたちの耳は保育者の 声を聞きのがす まいとそばだてている し,子 どもたちの まなこは作中の絵本をとらえて離 さない。 これほ どまで に子 どもたちの心を夢中にさせ るいわば "メルヘ ンの妖 精" ともいうべ きこう した幼児の想像力について,松居 はその著「絵本 とは何か」の冒頭でこう述べ ている。
"本を読むには字が読 め るということよ り, もっと 別の力がいるのではないで しょうか・‑。字を読む力だ けでは読書ができないとすれば本を読むには どんな力 が必要 なので しょうか‑。
一寸法師のお話を真剣 に聞きい っている子 どもは, 一寸法師が心の中にちゃん と見えるのであるOそ して 一寸法師がおわんの舟に乗 っては しのかいをこいで川 を上 り,都へついてお姫 さまに仕え,そのお供を して お寺参 りを し,鬼を退治 して打ち出の小づちを手に入 れ大き くなってめでた くお姫 さまと結婚す るという物
語の世界が,は っきりと絵, イメージになって心の中 に見えるのである。一寸法師の短編映画が心の中に映 っ ているのである。"
むろん子 どもたちは,生まれつき豊かな想像力を身に つけているのではない。それだけに読み手である保育者 の感動 とともに,す ぐれた絵本の絵 と文が子 どもたちの 想像力の育成 に大 きなかかわ りを持 ち,子 どもたちの想 像力を豊かにするための大きな役割をになっているので ある。
(4)想像力と創造性
絵本の世界に限 らず,一瞬にして一枚の葉 っぱをおチャ ワンに,一本の棒きれをかわいいお馬にす ることのでき る小 さな "魔法使い"たちは,一方でそのような想像の 世界を自分なりに現実化 したい欲求を持 っている。保育 者が子 どもたちの遊びの中で しば しば発見す る絵本の登 場者たちの言動や行動 も単なる模倣ではなく, こう した 子 どもたちの心理的側面の表出であるといえる。 このよ うな視点か らす ると,読み聞かせか ら遊びへ と発展 させ てい く活動は,子 どもたちの豊かな発達をうながす こと へとつながると言える。子 どもたちはウル トラマンになっ て遊び楽 しんでいると同時にまた, ウル トラマ ンのよう に強 くなりたいのである。そ して,そのような子 どもた ちの現実化への欲求 こそが,実は "創造性" と呼ばれ る ものの本体 なのである。かのライ ト兄弟は少年時代,鳥 のように空を飛んでみたい想像力をみ ごとに飛行機 とい うもので現実化 したのである。チ ュコフスキー (1973) は次のように言 っている。
"ダイナマイ トの発明に必要 なのは, まさに大胆 な 想像力だ った。想像力は人知の最 も貴重 な要素だ。だ か ら想像力は音楽の感覚を育てるように幼児の頃か ら 十分には ぐくむべ きで,決 してふみに じってはならな い。‑‑‑カールマルクスも郊外散歩のお り娘たちに道々 お話を作 り出 し,残 っている道の距離に応 じて出来事 をひきのば した りちぢめた りしなが ら,おも しろい架 空物語を してや った。.・・ダーウィンだ って,子 どもの 頃は空想家で, ミュンヒハ ウゼ ンに劣 らぬほ ら吹きと されていたものだ。"
あ らゆる意味で想像力は創造性の母であ り,発明,発 見の母 なのである。 しかも想像す る心,夢み る心は,幼 児の最 も幼児たるゆえんのものであ り,幼児の生命力と い っても過言ではない。保育者は,大空を飛ぶ鳥の巽 さ にも似た この想像力を大切に守 り育てていかなければな らない し,ほかならぬ子 ども自身が何にもま して, この ような願望が満たされ ることを望んでいるのである。 古 莱 "3才児ほ ど動けば蔵が立っ" といわれ るほ どのバイ タ リテ ィーを秘めた子 どもたちの "見たい,聞きたい, 知 りたい,や ってみたい''という好奇心や探究心 も,実 はそこか ら生 まれているのであ り,そういった意味で こ の ̀̀遊びの発明の天才たち"の願望をみたす最 もふさわ しいもののひとつがよい絵本であ り,絵本の世界 なので ある。絵本を読んでもらっている時の子 どもたちの 目の 輝 き,保育者に何回も何回も 「もう1回よんで !もう1 つよんで !」とせがむ子 どもたちの秘密 もそ こにあるの である。
子 どもたちによい絵本を与え,保育者がよい読み手で あることによって,子 どもたちの心は安 らぎと悦びに満 たされ るのである。 しかも,子 どもたちはこう した絵本 の楽 しさの根底に確かな保育者の ̀̀愛情"を感 じとって いる。絵本はあ らゆる "絵本の副産物" に先行 して,千 どもたちにとって "楽 しい" ものでなければならない。
いたず らな註釈や説明は,子 どもたちの想像力をこわ し, 絵本の本当の楽 しみを奪い,結果的に子 どもたちを絵本 か ら遠 ざけて しまうのである。 子 どもたちの想像力を思 い っきり飛摺 させ,"感動''す る心を くり返 しくり返 し 体験させ ることによって,子 どもたちの心は豊かに育 っ ていくのである。そ して,ほかならぬその "心の豊かさ"
こそが,人間のあ らゆる行為の規範 となって,人間の住 む社会を愛と思いや りに満ちたものに してい くのである。
そういった意味で,よい絵本は,21世紀をになう子 ども たちの健全な精神の成長 と明るい未来を約束す るもっと もふさわ しい文化財のひとっ といえるだろう。
絵本における指導上の留意点
先に述べたような,豊かな発達を促すためには,保育 者はどのような点に留意 して絵本の選定や読み方の工夫 をすればよいのかについてまとめると,次のようになる。
(1) 絵本の選び方
①絵について
・内容を端的に表 し,絵を見て大体の筋がわかるもの
・子 どもの感覚に合 ってあり,理解 しやすいもの
・絵が正確で,漫画的でないもの
・ものの働 きを充分に表現 した絵を持つもの
・美 しく色彩豊かな絵で,けばけば しくないもの
②文について
・わか りやす く内容を正確に伝えているもの
・子 どもにとって,使われている言葉の70‑80%くらい がわかるもの
・絵と説明文が,ほ どよ く調和 しているもの
・筋がは っきりしてお り,内容の展開に不 自然 さがない もの
・文の長 さ, リズム,間などに充分 な配慮がなされてい るもの
・文字,かな使い,用語などに適当な考慮がは らわれて いるもの
・残酷性がなく安心、感をもって終 っているもの
・原作に忠実なもの
・読みつがれ,語 りつがれてきたもの
・子 どもの世界や生活感覚があるもの
③創作態度や造本 などについて
・子 どもに対す る正 しい愛情があるが,単 なる商業主義 でないもの
・子 どもに興味や関心のある題材が選ばれているもの
・子 どもの創造力,思考力を伸ばす もの
・製本が堅牢 なもの
・レイアウ トが適切 なもの
・開き具合が 自然 なもの
・印刷が鮮明で,文字の大 きさ,書体が適当なもの
(2)絵本の読み方
・体型は左側斜交いに構えて,絵本をのぞき込むように
す る。
・絵本の持ち方は,左手を本の下部の中央に,中指で押 し,肘をあげて右手でめ くる。
・絵本型の保育形態に座 らせ る (扇型)
床に体操座 りの時保育者は椅子,椅子の時は立っ 。
・ゆった りした暖かな雰囲気のもとで,おおげさになら ない程度に,豊かに意味や文脈が表現できるように読 む。
・声の大 きさ,抑揚 (強弱,高低),テ ンポ,間 (休止) に留意 して読む
・め くった瞬間には読 まない
・読んでいる最中の大人か らの説明や質問は しない
・ゆ った りとした雰囲気の中で,毎 日読む習慣をつける
・一時的な教育効果をね らわず,何よりも絵本の楽 しさ や読み手 (保育者,戟)と聞き手 (子 ども)とのふれ あいを楽 しむ気持で読む
絵本 「ぐりとぐら」の実践例
M保育園 (福山市)4歳児 クラスで10月に取 り組んだ
「ぐりとぐら」の実践か ら,読み聞かせか ら遊びへ と展 開 してい く保育者の言葉かけと手だてをまとめると,吹 のようになる。
(1) 絵本の読み聞かせ
① 1回 目の読み聞かせ
保育園のまわ りの山にはどん ぐりや木の葉 など子 ども たちが興味をもつ 自然物がた くさんある。「ぐりとぐら」
の読み聞かせをす ると,子 どもたちは大変興味を持 って 集中 して聞き入 っていた。そのあと, どん ぐり拾いに出 かけると 1人の子が 「ぐりとぐらみたいに卵が見つかる かも しれ ないよ !」と言 った ことか ら, いっのまにか
「ぐりとぐら」の卵探 しになった。「卵 ないなあ。」「あ そこにあるかな。」 といろんなところを探 し回 り, ぐり とぐらのお話の世界がいっ しか現実の世界 となって楽 し む姿があちこちで見 られた。
②2回 目の読み聞かせ
子 どもたちが ぐりとぐらになって楽 しむ姿か ら,'もう 1度読み聞かせをす ることに した。表紙をみると,「こ
の本知 ってる。」「早 く読んで !」とうれ しそうに言 った の様子をページにそ って,保育者の言葉かけと手立てと り次の場面を予想 した りす る姿が見 られた。読み聞かせ 子 どもの反応を対応 させてまとめると次の通 りである。
、+
へ ‑ ン′ .、保 育 者 の 言 葉 か け と手 立 て 子 ど も の 反 応
p.2‑ 3 p.4‑5 p.6‑7
p.10‑13 p.21‑23 p.24‑25
p.27 す る,ぐりとぐらの歌を歌い リズミカルな言葉を楽 しめるよう七「みちのまんなかにとってもおおきな‑」で,間をとって 保育者の歌にらいて楽 しそうに歌い出す) 「とってもや おきな,‑」か ら数人の子 どもが保育者に続いC
もう1度絵本を見ながらどんな材料や用具がいるかについ 「リュックサ ック」「牛乳」「卵」「フライパ ン」 など待 ち
(2) たきぎひろい
子 どもたちは登園す ると家か ら持 ってきた材料をうれ に貼 っておいた用具や材料の絵を見 なが ら机の上に分類 しそうに見せ合 っている。子 どもたちは,保育者が部屋 して並べた。
幼 児 の 活 動 保 育者 の̲言葉 か け と手だ て ・幼 児 の 反 応 .
持 ってきた材料の名前を 「みんなどんな物を持 ってきたの ?「何か材料で足 りないものがあるか しら?」 」 机の上の並べた材料を見て,「わあ,卵が一番多い !」
昌つ○ と言う○
材料の足りない物を考える○ 絵を見て 「フライパ ン」「ボール」 と言うO
山へたきぎあつめに行 くO
拾 ったたきざを集め乾か 3つのグループに分かれて, グループで協力 して拾 た くさん集め ようとグループみんなで協力 して拾う○
うよう言葉かけす る○ たきざを拾いなが ら 「先生,ここでカステラ作 った
「よく燃える木をみつけてね」 とたきざの大きさ, らいいよ !」「ここの山は動物が こないよo」「で も
種類 など燃えやすい木を拾うよううながす○「ここが広いか ら, ここで カステラを作 ることに し うちのウサギがん「わーい」「ね こもくる」「それがいい」 とカステラ作 りに期待 を3」匹逃げたのがここにくるかも しれ「かまきりも」 と会話がはずむ○
(3) カステ ラ作 り
か ま どの用意, カステラ作 りに必要 な机 な どの環境設 定 を保育者が してお く。それか ら,子 どもと一緒 に材料 を も って山に登 り,か ま どの まわ りに集 まる。か ま どの
火のつ け方 を保育者が説 明す ると,子 どもたちは興味深 くじっと見つめ る。3カ所 のか まどに火がっ き用意がで きた ところで, カステ ラ作 りが始 ま った。
幼 児 の 活 動 保育者の言葉かけと手立て 幼 児 の 反 応
順番に材料の名前を言い 材料の順番を子どもと一緒に確認 し,子どもが言う 絵本の文章と同じように 「たまごをボールへながし
ながら,保育者が材料を めに合わせて材料を入れていくねるよううながす○熱いのでプライパンにバターをぬるのは保育者がす こむと,おさとうといっしょにあわたてきでかきま6つのボールに材料を入れ,グル‑プで協力してこ0
入れるのを見る○
材料をこねるo
材料をフライパンに流 し ぜて∴」と声をそろえて言う材料を流 し込む子,ひちくり返す子,歌いながら焼o
こみ焼 くo
出来上がったカステラを るo けるのを待つ子など,どんなカステラが焼けるか期 安全面に気をつけて,仕事を分担 してみんなで作る 得に満ちた表情で,焼ける様子を見てI、るO
よう言葉かけするO.
切 った「ぜんぶきれいになったかな?」と声をかけ,みん 焼き上がると 「カステラをお皿に入れる ○ れ しそうに言う〇自分たちで作 つたとできた !」とみんなが一体となりういう満足感や喜びでいっぱいの
みんなで食べる ○
使った用具をあらったり
,
表にといつもは片づけをいやがる子も,自分たちですすんするみんなお情である〇「わいoあ「,しどそおんういな味かにたしい!」くなさ「あ」んホ食ッとべト興た ○ケ‑味深キみたそういpに口!十後かたづけをする○
使 った用具をもって保育 なで協力 して最後まで片付けるよううながす〇「みんなカステラ作り上手だったわね○とってもお でかたづけ,きれいになるまで協力して片付けていた○「もう1回作 りたい !」「明日も作ろう !」と口々
(4)実践 の まとめ
読み聞かせ か らカステ ラ作 りへ と発展 した 「ぐりと ぐ ら」 の活動 は,子 どもた ち全員が終始積極 的 に楽 しみ な が ら取 り組み,充実 した経験 で あ ると共 に,絵本の楽 し さを心か ら味わ え る経験 とな った。物語の生 き生 きと し た 口調 の リズム, さ し絵 の言外 に語 る物語性, テーマへ の親 しさ,絵 と文 のみ ごとな展開が もた らす作品の流れ と構成 は,子 どもた ちの願望 と空想 を引 き出 し,子 ども た ちの想像 力を刺激 して, いっ しか物語の世界へ とお き かえ, 自分たちが ぐりと ぐらになりき って楽 しんでいた。
この実践 か ら,「絵本 を通 して子 どもた ちの生活体験 を 広 げ よ り豊か なものにす ると同時 に,その絵本 をよ り深 く味わ い楽 しむ」 とい う経験が子 どもた ちの心 を豊か に す ることがわか った。そ して, なによ りも,1冊 のよい 絵本 との出会 いが重要であることがあ らためてわか った。
お わ り に
「絵 本」 は子 どもの心,情緒 の発達 において欠かす こ との出来 ない重要 な保 育 内容の1つ と して位置づけ られ てい る。今回そのような視点か ら,絵本が幼児の精神発 達 に どのような役割 を果た しているのか を検討 した。そ の結 果,幼 児 の世界観 を根底 か ら支 え てい るのが,̀̀想 像力" と呼ばれ るものであ り,想像 の世界 を 自分 な りに 現実化 したい とい う欲求か ら創造性が生 まれ,発明,発 見へ とつ なが ってい くことが分か った。 さ らに,子 ども たちの心 は豊か に育 ててい くためには,子 どもた ちの想 像力 を思 い っき り飛糊 させ, "感動"す る心 を くり返 し
くり返 し体験 させ ることが大切 であ り,読み手であ る保 育者 の感動 とともに,す ぐれた絵本の絵 と文が子 どもた ちの想像 力を豊か にす るための大 きな役割 をにな ってい
る。
そ う した観点か ら,保育者は どのように絵本 を選 んだ らよいかにつ いて,文 については5つのポ イ ン ト,絵 に ついては10のポイ ン トを具体化 した。 さ らに絵本の読み 方を どのように工夫すればよいかについては,9つのポ イ ン トを具体化 した。 これ らのポイ ン トにもとづ いて, 子 どもたちに人気のある絵本 「ぐりとぐら」を取 り上げ , 読み きかせか ら総合的 な活動へ と展開 した。 この実践例 か ら,絵本を通 して生活体験 をよ り広げ,絵本の楽 しみ をよ り深め るためには,保育者の言葉かけや手立 てが重 要であ ることがわか った。子 どもた ちにと って,何 よ り もよい絵本 との出会 いが重要であ り,保育者 の言葉かけ と手立 てが よい絵本 との出会 いを作 る大 きな役割 を果た
してい る。
今後 はさ らに子 どもの年令や発達 に応 じた指導上の留 意点や よ り絵本体験 を豊かにす るための活動 内容 につ い て具体化 していきたい。
参 考 文 献
1. ピアジェ,J 児童の世 界観 同文書院 1955 2.ピアジェ,J 表象の心理学 智 明書房 1969 3.松井直 絵本 とは何か 日本エデ ィタースクール出
版部 1978
4.チ ュコフスキー,K. 2歳か ら5歳 まで (普及版) 理論社 1996