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咀嚼運動に関連する脳内遺伝子発現の加齢変化

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Academic year: 2021

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Title

咀嚼運動に関連する脳内遺伝子発現の加齢変化( はしがき )

Author(s)

小野塚, 実

Report No.

平成8年度-平成9年度年度科学研究費補助金 (基盤研究(C)(2)

 課題番号08835009) 研究成果報告書

Issue Date

1997

Type

研究報告書

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/328

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

近年、食生活の欧米化が進み、顎骨の発育不全、特に下顎骨の綾小化の結果として乱杭歯 の症例が増加している。岨囁は単に食物を細分化し、唾液や胃中の消化酵素による消化効率 を高めるだけでなく、迷走神経を介して内臓でのホルモン分泌を促進する。さらに、この神 経刺漸こよって脳中枢(視床下部の満腹中枢)を刺激するacidicbibroblastgrowthfactor (aFGF)のシナプス間隙からの放出が促進されることが明らかになってきた。また、人口の 高齢化に伴う痴呆に対する岨囁運動の有用性がクローズアップされ、岨囁運動と脳の機能的 調節との関連性が注目されている。しかし、これを裏付ける基礎的研究は少なく、未だ推定 の域を脱し得ない。近い将来必ず到来する深刻な我が国の高齢化祉会における医学的対応の 必要性からも、この分野における研究が急務と考えられる。 そこで本研究では、老化促進マウス(senescence-aCCeleratedmouse;SAM)を用いて、 老齢期に岨囁運動によって影響される脳内機構を遺伝子レベルで解析し、老齢期の脳内機構 に及ぼす岨囁の役割を明らかにすることを目的とした。

【平成8年度】 SAMの脳において満腹作用物質として考えられているaFGFおよび情動行動に関連して いるbrain-dividednervefactor(BRNF)が、岨囁の量的・劉勺差異によって脳の発達や機 能にどのようにフィードバックされるかを検討した。 実験は、固形食と粉末食を一定期間与えたマウスの全脳から常法に従いtotalRNAを調製 し、逆転写反応(reversetranscnption)を行った後、aFGFに対する20・mer前後のprimer Setを用いてpolymerasechainreaction(PCR)の実験を行い、得られたデータから食物摂 取による脳内でのaFGF成分と岨囁運動の質的・量的相違に関連する成分を分離した。その 結果、aFGFの発現量は固形食を与えた動物と粉末食を与えた動物間に有意差が認められな かった。有意な質的差違もなかった(野崎ら、第7回日本岨囁学会抄録集、17頁、1996年)。 このことをさらに追究するためにFGF抗体を用いた免疫組織化学的検索を行った。FGF は視床下部の食中枢に相当する領域に腸性反応が認められたが、固形食と粉食を与えた両動 物群でimmunoreactivityの差違は見られなかった。したがって、aFGFの遺伝子発現には食 物の硬度の程度によって影響をうける可能性が少ないことが示唆された。また、薔菌類では、 切歯を絶えず研磨する習性があり、この研磨という機械的感覚入力は固形食をかみ砕く時の 感覚入力よりはるかに増さり、食物の硬度差はこの中に含有していることも考えられる(野 崎ら、第7回日本岨囁学会抄録集、17頁、1996年)。 1

参照

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