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不規則波の入射 に伴 うケー ソン護岸連結 目地内での流体共振特性

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Academic year: 2022

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(1)海 岸 工 学 論 文 集,第53巻(2006) 土 木 学 会,826‑830. 不規則波の入射 に伴 うケー ソン護岸連結 目地内での流体共振特性 斎 藤 武 久1・. 藤 井. 誠2・G.P.Miao3・. 石 田. 啓4. 本研究で は,ケ ーソ ン護岸連結 目地内へ不規則波が入射 する場合を対象 と して,目 地内での流体運動特性,特 に,流 体共 振現象 の発生 の有無,発 生条件お よび発 生規模 を実験的 に考究する.実 験結 果よ り,不 規則波が入射 した場合においても, 規則波入射の際に確 認されてい る場合 と同様 な流体共振現象が 目地内で発 生す ることを確 認 した.ま た,流 体 共振 の発生は, 入射波 の周波数帯域 に含 まれ る共振 周波数(規 則波の場合 の流体共振発 生周波数)の 有無か ら特定で きるこ とが明らか にな った.さ らに,目 地内波 高の増幅率を入射波 に含 まれる共振周波数成分比で整理 した場合,流 体共振の発生規模 は,共 振周 波数成分比の増加にほぼ線形的に比例することが分かった.. 1.緒. 不 規 則 波 の 入 射 に伴 う 目地 内で の流 体 共 振 の発 生 の 有 無. 論. お よ び発 生 条 件 と そ の 規 模 を実 験 的 に考 究 す る. ケ ー ソ ン護 岸 背 後 域 にお け る 陥 没 の 発 生 を 回 避 す る こ とは,護 岸 自 身 の 安 定 性 を保 持 す る こ と に留 ま らず,隣 接 す る 施 設 の安 全 性 を確 保 す る う えで 極 め て 重 要 な課 題 で あ る.こ. れ に 関 連 して,ケ. ー ソ ン護 岸 背 後砂 の 吸 出 し. 2.実. 験 装 置 お よ び 実験 方 法. 図‑1に 実 験 装 置 の 概 要 を 示 す.実 験 に は,一 端 に吸 収 式 不 規 則 造 波 機 が 装 備 され た長 さ14m,幅80cm,高. さ. 発 生 メ カ ニ ズ ム な ど に 関 して,こ れ ま で多 くの 議 論(例. 1mの2次. さ. え ば,高 橋 ら,1995;重. L=77cm,幅38.5cmの2つ. 村 ら,2002)が. 行 わ れ,陥 没 の. 元 造 波 水 槽 を用 い た.水 槽 中 央 部 に,長. の ア ク リ ル 製 ケ ー ソ ン を,. 発 生 に関 す る多 くの 知 見 が得 られ て い る.し か し なが ら,. 目地 幅2a=3cmと. 現 象 は,波. で遮 水 して,ケ ー ソ ン護 岸 へ 不 規 則 波 が 直 角 入 射 す る場. と構 造 物,さ. らに砂 地 盤 と い っ た 多 くの 要 因. して設 置 し,岸 側 端 部 を 遮水 ブ ロ ック. が複 雑 に 関連 して い る た め,発 生 し た 陥没 の 原 因 を特 定. 合 を 再 現 した.な お,実 際 の ケ ー ソ ン護 岸 は,マ ウ ン ド. す る に は 困難 な 事 が 多 く,現 実 問 題 と して 試 行 錯 誤 的 な. お よび 消 波 ブ ロ ッ ク等 を 伴 うが,本 研 究 で は,最 も基 礎. 対 策 に よ り被 災 軽 減 を行 っ て い る の が 現 状 と言 え る. 一方で ,ケ ー ソ ン護 岸 連 結 目地 の 防砂 板 の 破 損 に伴 う. と な る 目地 内 で の流 体 共 振 の発 生 と入 射 波 特 性 と の 関係. 背 後 砂 の 流 れ 出 しが 主 な事 故 原 因 と報 告 さ れ た 大 蔵 海 岸. い た.水 深 はh=20cmに. 陥 没 事 故(土. ナ イ ダー ・光 易 型 周 波 数 ス ペ ク トル を有 す る,有 義 波 高. 木 学 会 海 岸 工 学 委 員 会,2002)を. 教 訓 に,. に着 目す る た め,他 の 影 響 を 除 い た 最 も単 純 な 模 型 を用 固 定 し,入 射 波 に ブ レ ッ ドシ ュ. 連 結 目地 に 関 連 し た 多 くの検 討 事 項 が 挙 げ ら れ て い る. 中 で も,防 砂 板 に 対 して 主 要 な 外 力 と な る 目地 内 の 波 力 を 評 価 す る こ とは 重 要 な事 項 で あ り,再 発 防 止 に向 け て, 連 結 目地 内 の流 体 運 動 を正 確 に 把 握 す る こ とが 必 要 不 可 欠 と考 え られ る. この 連 結 目地 内 で の 流 体 運 動 に 関 して,著 者 ら(斎 藤 ら,2004,2005)は,規. 則 波 の 入 射 に伴 う 目地 内 で の流. 体 運 動 特 性 を,理 論 解 析 お よび 実 験 に よ り検 討 し,目 地. 図‑1実. 験装置. の よ う な 微 小 間 隙 内 で も流 体 共 振 現 象 が 発 生 す る こ と, さ ら に,流 体 共振 発 生 時 の 目地 内 波 高 は極 端 に増 幅 さ れ, 静 穏 時 の 入 射 波 高 の10倍. を 超 え る な ど,目 地 内 の 流 体. 運 動 に伴 う多 くの 危 険 性 を 明 らか に して きた. 本 研 究 で は,規 則 波 入 射 の場 合 に得 られ た 目地 内 で の 流 体 共 振 特 性 を基 礎 に研 究 を発 展 させ,実. 際の海象条件. 下 にお け る 目 地 内 で の 流 体 共 振 特 性 の 解 明 を 目的 と し,. 1正. 会. 員. 博(工)金. 2修(工)福 3Ph.D 4フ. 沢大学大学院助教授 井 県. Prof.of Shanghai ェロー. 工博. 自然科学研究科. 土木部 Jiao Tong. 金沢 大学大学院教授. University. 自 然 科 学研 究 科. 表‑1入. 射 波 条件.

(2) 827. 不 規則 波の入射 に伴 うケー ソ ン護岸連 結 目地 内での流 体共振 特性. (a)入 射 波の時 間変化. (a)入 射波 の時 間変化. (b)目 地 内水 面変位 の時間変化(x=‑L) 図‑2入. (b)目 地 内水面 変位 の 時間変化(x=‑L). 射 波 お よび 目地 内水 面変 位 の 時 間変 化 特性. (a)図‑2(b)中[a]時 点の 目地 内 水 面 形 状. 図‑3目 H1/3=1.8〜3.3cm,有 波 を採 用 し,表‑1に. (b)図‑2(b)中[b]時 点の 目地 内 水 面 形 状. 図‑4入. 射 波 お よ び 目地 内水 面変 位 の 時 間変 化 特性. 図‑5目. 地 内 の水 面形 状 特 性 義周 期T1/3=0.62〜4.92sの. 不規則. 示 す15ケ ー ス につ い て,入 射 波 お よ. び 目地 内 水 面 変 位 の 時 間 変 化,さ. ら に,目 地 内 の 水 面 形. 状 の 画 像 デ ー タ を取 得 した.水 位 の 計 測 は,入 射 波 お よ. (b)図‑4(b)中[b]時 点の 目地 内 水 画 形 状. (a)図‑4(b)中[a]時 点の 目地 内 水 面 形 状. 地 内 の水 面 形状 特 性. の 周 波 数 分析 を行 い,規 則 波 入 射 時 に 目地 内 で の流 体 共 振 の 発 生 が 理 論 的 ・実 験 的 に 確 認 さ れ て い る1次 の 流 体 共 振 発 生 周 波 数(以. と2次. 下,共 振 周 波 数 と 略 記 す る). と の 関係 か ら,流 体 共 振 の 発 生 条 件 と発 生 規 模 を定 量 的. び 目地 内 水 位 と も に容 量 式 波 高 計 を用 い て 行 い,水 面 形. に評 価 す る.な お,本 研 究 で 対 象 とす る 連 結 目地 の形 状. 状 の 画 像 デ ー タは 水 槽 側 面 に 設 置 し た デ ジ タル ビ デ オ カ. 比2a/L=0.039の. メ ラ を用 い て 行 っ た.な お,目 地 内 水 面 変 位 は,目 地 岸. 体 共 振 の 発 生 は,1次. 側 端 部 を含 む2箇 所 で 計 測 を行 い,入 射 波 の 計 測 は,ケ ー ソ ン護 岸 設 置 前 に水 槽 中 央 部 で 行 っ た .水 面 変 動 記 録. 沖 側 端 部 で 節 に近 い 水 面 形 状 の 発 生)が. お よび 画 像 デ ー タ と も に,造 波 開始 か ら60s経. 部 お よ び 目地 沖 側 端 部 か ら 目地 内 へL/3の. 過 後 に計. 場 合,規. モ ー ド(目 地 岸 側 端 部 で 腹,目. 0.42Hz(T1=2.38s)の. 測 を開 始 し,水 位 計 測 で は,サ ン プ リ ン グ間 隔 を100Hz. 近 い 水 面 形 状 の 発 生)が. と した100s間. 0.92s)の. の デ ー タ を取 得 して い る.と ころ で,有 義. 波 高 お よ び 有 義 周 期 の実 験 値 を算 定 す る場 合,デ. ー タに. 則 波 入 射 時 の 目地 内 で の 流. 場 合,2次. 場 合 で あ る(斎. 地. 共 振 周 波 数f1=. モ ー ド(目 地 岸 側 端 位置 で腹 に. 共 振 周 波 数f2=1.09Hz(T2= 藤 ら,2004).以. 上 を踏 ま え. て,本 研 究 で 対 象 とす る 入 射 波 条 件 は,上 述 の1次 お よ. 含 まれ る電 気 ノ イ ズ な どに 起 因 し た高 周 波 成 分 の 除去 が. び2次 の 共 振 周 波 数 を 含 む 範 囲,さ. 必 要 と な る.こ れ らの 除 去 方法 に 関 して多 くの 議 論 が あ. 時 に 目地 内 で の 波 高増 幅 を際 立 たせ る た め,有 義 波 高 が. る が,本 研 究 で は,取 得 さ れ た 実験 デ ー タ に5Hzの. 比 較 的 小 さ な範 囲 を採 用 して い る.. ロー. ら に,流 体 共 振 発 生. パ ス フ ィル タ ー を施 す こ とに よ りノ イ ズ カ ッ トを行 っ た 。 取 得 され た 実 験 デ ー タ に関 して,本 研 究 で は,ま ず, 目地 内 水 面 変 動 の 波 別 解 析 お よび 画 像 デ ー タの 水 面 形 状 特 性 か ら,目 地 内 で の流 体 共振 の 発 生 の 有 無 を確 認 す る. 次 に,ス ペ ク トル 解 析 に基 づ く入 射 波 と 目地 内 水 面 変 動. 3.実. 験 結 果 お よ び考 察. (1)目. 地 内 に お け る水 面 変 位 の 時 間 変 化 特 性 お よ び. 水面形状特性 図‑2に,入. 射 波 の 有 義 波 高H1/3=2.7cm,有. 義周 期.

(3) 828. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第53巻(2006). 表‑2目 地内の水面変動特性. (a)入 射 波の スペ ク トル 特性 T1/3=4.92sの. 場 合(Case15)に. び 目地 岸 側 端 部x=‑Lで 内 で は,入. 計 測 さ れ た,入 射 波 お よ. の水 面 変 動 記 録 を示 す.目 地. 射 波 が 極 端 に 増 幅 さ れ て 目地 内 の 有 義 波 高. H1/3‑gapが8.0Cmに. 達 し,そ の 有 義 周 期T1/3‑gapは 入 射 波. の 有 義 周 期4.92sか. ら 大 き く離 れ,1次. f1=0.41Hz(T1=2.44s)に に,図‑2(b)に. 近 い2.99sと. の共振 周 波 数 な った.さ. ら. 見 ら れ る極 端 な 目地 内 波 高 増 幅 時 の 水 面. 形 状 を 図‑3に 例 示 す る が,目. 地 岸 側 端 部 を腹 とす る1. 次 モ ー ドに近 い 流 体 共 振 の発 生 が 確 認 で き る.以 上 の結 果 は,目 地 内 に お い て,入 射 波 の 周 期 特 性 と は異 な っ た 周 期 特 性 に よる 特 異 な水 面 変 動 が 発 生 して い る こ と を 表 し,規 則 波 入 射 時 に類 似 した 流 体 共 振 の発 生 を示 す もの で あ る.な お,T1/3=4.92sを. (b)目 地内 水面変動 のスペ ク トル 特 性 図‑6入. 射 波 と 目 地 内 水 面 変 動 の ス ペ ク ト ル 特 性Case15 (H1/3=2.7cm,T1/3=4.99s)お. 目標 に 造 波 を 行 う 場 合,. T1/3=0.94s)の. ケ ー ソ ン護 岸 と造 波 板 と の 距 離 的 な制 約 か ら,周 波 数 ス ペ ク トル を 目標 値 と厳 密 に 一 致 させ る に は 困 難 が 予 想 さ. (T1=2.44s)も. れ る.そ. (T2=0.92s)に. の た め,こ の よ うな ケ ー ス で は,ケ ー ソ ン前 面. で の 安 定 した 造 波 に加 え て,目 地 外 で 同 時 に 計 測 さ れ た. よ びCase4(H1/3=2.3cm,. 場 合. し く は,2次. の 共 振 周 波f2=1.09Hz. 近 い 値 と な っ て い る こ とが 分 か る.ま. た,入 射 波 の有 義 周 期 が ほ ぼ等 し く,有 義 波 高 を大 き く. 波 高 デ ー タ の ピー ク周 波 数 が 入 射 波 の有 義 周 期 か ら極 端. し たCase3,4,5お. に 乖 離 して い な い こ と を確 認 して い る.一 方,入 射 波 の. 13の 場 合,目. 有 義 周 期 が,2次. と もに 増 加 す る傾 向 が 確 認 で きる.な お,予 備 実 験 に よ. s)に. の 共 振 周 波 数f2=1.09Hz(T2=0.92. 近 いT1/3=0.94s,H1/3=2.3cmの. 場 合(Case4). よ び6とCase10,11,12お. よび. 地 内 で の 有 義 波 高 は,入 射 波 高 の 増 加 と. り,目 地 内 で 流 体 共振 が 発 生 す る場 合,入 射 波 の 有 義 波. の 入 射 波 お よ び 目地 岸 側 端 部 で の 水 面 変 動 記 録 を図‑4. 高 の増 加 に伴 っ て,目 地 岸 側 端 部 で の 水 塊 の跳 ね 上 が り. に 示 す.こ. や,目. の 場 合,目. 地 内 の 有 義 周 期T1/3‑gapは 入 射 波. 地 内 で の 砕 波 が 確 認 さ れ て い る.こ の よ う なケ ー. の 有 義 周 期 と ほ ぼ 一 致 し,目 地 内 有 義 波 高T1/3‑gapが. ス に 関 して は,内 部 の 流 速 お よ び 流 体 力 特 性 の検 討 も含. 9.4cmに. め て今 後 の 課 題 とす る.. 増 幅 さ れ た.こ. 図‑5に 例 示 す る が,2次. の と きの 目地 内 水 面形 状 を. モ ー ドに 近 い流 体 共 振 の 発 生 が. 確 認 で き る. こ こ で,表‑2に,本 ー ス につ い て. 研 究 で対 象 と した全 ての実 験 ケ. ,波 別 解 析 に よ り整 理 した 目地 内 の 水 面 変. 動 特 性 を示 す.な お,表‑1よ とCase10,11,12お 有 義 周 期 が2次. り,Case3,4,5お. よ び13は,そ. れ ぞ れ,入. よ び6 射波の. と1次 の 共 振 周 波 数 に近 い場 合 で,か つ. 有 義 波 高 を順 に 大 き く した場 合 に 対 応 して い る.表. よ り,. 全 て の ケ ー ス に お い て,目 地 内 の 有 義 波 高 は 大 き く増 幅 さ れ,さ. 以 上 に よ り,不 規 則 波 が 入 射 した 場 合 に お い て も,規 則 波 の 場 合 と 同様 な流 体 共 振 の発 生 が 目地 内 で確 認 され. ら に,Case1お. 目 地 内 有 義 周 期 は,1次. よ びCase7の. 場 合 を 除 い て,. の 共 振 周 波 数f1=0.41Hz. た.さ. ら に詳 し く入 射 波 の 特 性 と 目地 内 で の流 体 共 振 の. 発 生 との 関 係 を調 べ る た め,以 下 で は,ス ペ ク トル 解 析 に よ る 周 波 数 分 析 を 行 う.な お,Case1お の 場 合 に,目 地 内 の有 義 周 期 が,他 共 振 周 波 数f1=0.41Hz(T1=2.44s)お Hz(T2=0.92s)と. よ びCase7. の ケ ー ス とは 異 な り, よ びf2=1.09. 違 っ た 値 とな っ た こ と に 関 し て も,. 以 下 の ス ペ ク トル解 析 の 結 果 を用 い て 考 察 す る. (2)目. 地 内 水 面 変 動 の ス ペ ク トル特 性. 図‑2お. よ び図‑4に 示 したCase15(入. 射 波の有義 波高.

(4) 829. 不規則 波の入射 に伴 うケ ーソ ン護岸 連結 目地内 での流体共振 特性. (a)入 射波 のスペ ク トル特 性. (a)Case15(H1/3=2.7cm,T1/3=4.99s)お Case4(H1/3=2.3cm,T1/3=0.94s)の. よび 場 合. (b)Case7(H1/3=2.3cm,T1/3=1.57s)お Case1(H1/3=2.2cm,T1/3=0.62s)の. よ び 場 合. (b)目 地内水 面変動 のスペ ク トル特性 図‑7入. 射 波 と 目 地 内 水 面 変 動 の ス ペ ク (H1/3=2.3cm,T1/3=1.57s)お T1/3=0.62s)の. H1/3=2.7cm,有 Case4(入. 図‑8目. 場 合. 場 合)お. よび. 義 周 期. 場 合 の 入 射 波 と 目地 内 水 面 変 動 の ス ペ ク. トル特 性 を 図‑6に 示 す.図. 中 に は,1次. 振 周 波 数 を同 時 に 図示 して い るが,入 場 合 が,入. 地 内水 面 変動 の応 答 スペ ク トル特 性. 波 と 目地 内 水 面 変 動 の ス ペ ク トル特 性 を 図‑7に 示 す.図. 義 周 期T1/3=4.92sの. 射 波 の 有 義 波 高H1/3=2.3cm,有. T1/3=0.94s)の. Case15の. ト ル 特 性Case7. よ びCase1(H1/3=2.2cm,. お よ び2次 の 共 射 波 の 特 徴 と して,. 射 波 の 周 波 数 成 分 に1次. 波 数 成 分 が 含 ま れ る 場 合 で あ り,Case4の. の共振 周. 場 合 が,2次. よ り,入 射 波 の 特 徴 と して,Case7の. 場 合,入 射 波 の周. 波 数 成 分 に1次 お よ び2次 の 共 振 周 波 数 成 分 が 含 ま れ て い る.さ. らに,Case1の. 加 えて,よ. 場 合 は,2次. の 共振 周 波 数 成 分 に. り高 周 波 と な る3次 お よ び4次 の 共 振 周 波 数. 成 分(f3=1.53Hz(T3=0.65s),f4=1.84Hz(T3=0.54s)) が 入 射 波 の 周 波 数 成 分 に 含 まれ る 場 合(斎. 藤 ら,2005). に 相 当 して い る.な お,以 上 の 特 徴 は,入 射 波 に ブ レ ッ. の 共 振 周 波 数 成 分 が入 射 波 の 周 波 数 成 分 に含 ま れ る 場 合. ドシ ュ ナ イ ダー ・光 易 型 周 波 数 ス ペ ク トル を有 す 不 規 則. に 相 当 す る.図. 場 合,1. 波 を採 用 して い る た め,有 義 周 期 が 小 さい 程,入 射 波 に. 次 の 共振 周 波 数 の み で ス ペ ク トル が極 端 に増 幅 さ れ,さ. よ り,目 地 内 で は,Case15の. 含 まれ る周 波 数 帯 域 が 高 周 波 の 広 い範 囲 と な る こ とに も. ら に,Case4の. 対 応 して い る.こ の と き の 目地 内 の 水 面 変 動 ス ペ ク トル. 場 合,2次. の共振 周波 数の みでスペ ク ト. ル が増 幅 され て い る.こ れ は,入 射 波 の 周 波 数 帯 域 に含. は,Case7の. 場 合,1次. お よび2次 の 共 振 周 波 数 で ス ペ ク. ま れ る 共 振 周 波 数 と同 様 な周 波 数 に 応 じ た流 体 共 振 の 発. トル が 極 端 に増 幅 され,さ. 生 を 示 す もの で あ り,同 様 な傾 向 が 全 実 験 ケ ー ス で 確 認. び3次. さ れ た.以 上 の結 果 は,流 体 共 振 の 発 生 が,入 射 波 の 周. る こ とが 分 か る.以 上 の よ う に,Case1お. 波 数 帯 域 へ の 共 振 周 波 数 の 有 無 か ら特 定 で きる こ と を示. 場 合,入 射 波 の 周 波 数 帯 域 に 複 数 の共 振 周 波 数 成 分 が 含. す もの で あ る.. ら に,Case1の. 場 合,2次. およ. の 共振 周 波 数 で ス ペ ク トルが 極 端 に 増 幅 さ れ て い よびCase7の. ま れ て い るた め,そ れ ぞ れ の 共 振 周 波 数 に 応 じて 目地 内. 次 に,目 地 内 の水 面 変 動 特 性 に関 す る 波 別 解 析 で,目. 水 面 変 動 が 増 幅 され る こ とに な る.結 果 と して,波 別 解. 地 内 の有 義 周 期 が,1次. お よび2次 の共 振 周 波 数 とは 違 っ. 析 に よ り 目地 内 の 有 義 周 期 を計 算 し た場 合,そ. た値 とな っ たCase1(入. 射 波 の有 義 波 高H1/3=2.2cm,有. 共 振 周 波 数 で 増 幅 さ れ た 目地 内波 高 に 基 づ い て有 義 値 が. 義 周 期T1/3=0.62sの 波 高H1/3=2.3cm,有. 場 合)お. よびCase7(入. 義 周 期T1/3=1.57s)の. れぞれの. 射 波 の有 義. 算 定 され る た め,単 一 の 共 振 周 波 数 とは 違 っ た値 と し て. 場 合の入 射. 有 義 周 期 が 計 算 され た もの と考 え られ る..

(5) 海. 830. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第53巻(2006) 波 に含 ま れ る 共 振 周 波 数 成 分比 の 増 加 に ほ ぼ 線 形 的 に比. 例 す る こ と が 分 か る.さ. ら に,SR‑gap/(SR+1)お. よび. SR/Sinの 関 係 を 回帰 直 線 に よ り定 量 的 に 評 価 した 場 合, 評価 式 はSR‑in/(SR+1)=1339.6SR/Sinと. な っ た.な. お,. 本研 究 で 対 象 と した 入 射 波 条件 の 範 囲 で は,入 射 波 の ピ ー ク周 波 数 が共 振 周 波 数 に対 して 高 周 波 側 とな る ケ ー ス が 少 な く,流 体 共 振 の 発 生 規 模 に 関 して,特 徴 的 な傾 向 を 見 出 す に は至 っ て い な い.こ れ に 関 して は,今 後,さ らに 広 範 囲 の入 射 波 条 件 で 実験 を行 い,実 験 結 果 に基 づ い て 検 討 を加 え る. 図‑9共. 振 周 波 数 と入 射 波 の スペ ク トル ピ ー ク周 波 数 と の 大小 比 較 を含 めた 流 体共 振 の発 生 規 模. 4.結. 論. 本研 究 で は,規 則 波 入 射 の場 合 に得 られ た ケ ー ソ ン護 (3)目. 地 内 水 面 変 動 の応 答 ス ペ ク トル 特 性 お よび. 流 体 共振 の 発 生 規 模 a)目. 岸 連 結 目地 内 で の 流 体 共 振 特 性 を基 礎 に研 究 を発 展 させ, 実 際 の 海 象 条 件 下 にお け る 目地 内 で の 流 体 共振 特 性 の解. 地 内水 面 変 動 の応 答 ス ペ ク トル特 性. 明 を 目的 と し,不 規 則 波 の入 射 に 伴 う 目地 内 で の 流 体 共. 不 規 則 波 が ケ ー ソ ン護 岸 連 結 目地 内 に 入 射 した 場 合, 目地 内 で は 共 振 周 波 数 に対 応 した 周 波 数 で 流 体 共 振 が発 生 す る こ と を確 認 し た.続 い て,流 体 共 振 の 発 生 規 模 に. 振 の 発 生 の有 無 お よ び発 生 条 件 とそ の 規 模 を実 験 的 に考 究 した.そ 1)ケ. の主 要 な 結 論 は 以 下 の よ う に ま とめ られ る.. ー ソ ン護 岸 連 結 目地 に不 規 則 波 が 入 射 した 場 合,. 関 して 検 討 を加 え る た め,ま ず,入 射 波 の ス ペ ク トル特. 規 則 波 入 射 の 際 に 確 認 さ れ て い る場 合 と同様 な1次. 性 に対 す る 目地 内 の 応 答 ス ペ ク トル を 求 め る.こ の 際,. よび2次. 入 射 波 の ス ペ ク トル 値Sin‑waveがSin‑wave<1と. な る場 合,. 目地 内 で の 波 高 増 幅 率 と して 応 答 ス ペ ク トル を正 し く評 価 で き な い た め,目. 地 内 で の ス ペ ク ト ル 値Sgapと. Sin‑wave+1と の 比,Sgap/(Sin‑wave+1)を. 用 い て応 答 ス ペ. ク トル を評 価 した.上 述 し たCase15,4お. よ びCase7,. 1の 場 合 の応 答 ス ペ ク トル を 図‑8に 例 示 す るが,そ. れぞ. お. の流 体 共 振 の 発 生 が 実 験 的 に確 認 され た.さ. らに,入 射 波 に 含 まれ る周 波 数 成 分 に応 じて,よ. り高. 次 の 流 体 共 振 現 象 の 発 生 が 確 認 で き た. 2)目. 地 内 で の流 体 共 振 の発 生 は,入 射 波 の周 波 数 帯 域. に 含 まれ る共 振 周 波 数 の有 無 か ら特 定 で きる こ とが 明 らか に な っ た. 3)流. 体 共 振 の発 生 規 模 に 関 して,目 地 内波 高 の 増 幅 率. れ の 共 振 周 波 数 に 応 じ た 目 地 内 で の 波 高 増 幅 が,図‑6. を 入 射 波 に含 ま れ る共 振 周 波 数 成 分 比 で整 理 した 場 合,. (b)お よび 図‑7(b)の 場 合 と同 様 に表 現 され て い る.. 両 者 に は ほ ぼ線 形 的 な比 例 関係 が あ る こ とが 分 か っ た.. b)目. 地 内 に お け る流 体 共振 の 発 生 規 模. 最 後 に,不 規 則 波 実 験 の実 施 お よび デ ー タ解 析 に関 し. 図‑8に 例 示 し た応 答 ス ペ ク トル を全 て の 実 験 ケ ー ス. て,京 都 大 学 防 災 研 究 所 の 間瀬 肇 助 教 授 よ り貴 重 な助 言. で 求 め,共 振 周 波 数 に 対 応 し た 応 答 ス ペ ク トル の 値,. を い た だ い た.こ こ に 記 し て厚 く謝 意 を表 す.ま. SR‑gap/(SR+1)(SR‑gap:共. 研 究 は 日本 学 術 振 興 会 科 学 研 究 費 補 助 金(若 手 研 究(B),. 振 周 波 数 に 対 応 した 目地 内水. 面 変 動 の ス ペ ク トル 値,SR:共 射 波 の ス ペ ク トル 値)と,入. 振 周 波 数 に 対 応 した 入 射 波 特 性 と の 関 係 か ら流 体. 課 題 番 号16760405,代. 表者. た,本. 斎 藤 武 久)に よ る研 究 助 成. に よ る もの で あ る こ と を記 して謝 意 を表 す.. 共振 の 発 生 規 模 を 整 理 す る.こ の 際,入 射 波特 性 と して は,図‑6(a)お. よび 図‑7(a)に 例 示 した 入 射 波 の ス ペ ク ト. ル 分 布 が 囲 む 面 積Sinに 含 ま れ る 共 振 周 波 数 成 分SRの 比SR/Sinを. 用 い て 評 価 した.図‑9に,目. 流 体 共 振 の 発 生 規 模 をSR‑gap/(SR+1)お 整 理 した 結 果 を示 す.と. 地 内 におけ る よ びSR/Sinで. こ ろ で,入 射 波 の ス ペ ク トル分. 布 特 性 と関 連 して,流 体 共 振 の発 生 規 模 は,入 射 波 の ス ペ ク トル ピ ー ク周 波 数 が 共 振 周 波 数 よ りも低 周 波 側 あ る い は 高 周 波 側 とな る場 合 で,そ 整 理 で き る可 能 性 が あ る.そ. れ ぞ れ 異 な る傾 向 に よ り. こ で,図 中 で は,共 振 周 波. 数 に対 す る入 射 波 の ピー ク周 波 数 の 大 小 関 係 を用 い た 分 類 も行 っ て い る.図. よ り,流 体 共 振 の 発生 規 模 は,入 射. 参. 考. 文. 献. 斎藤 武久 ・稲 田春 野 ・G. P.Miao・ 石 田 啓 (2004): ケー ソ ン護岸 連結 目地内での流体共振特性 とその発生条件, 海岸工学論文 集, 第51巻, pp.716‑720. 斎藤 武久 ・國 田 治 ・G. P.Miao・ 石 田 啓 (2005): ケー ソン護岸 連結 目地内での流体共振 スペク トルお よび共振発生条件, 海 岸工学論文集, 第52巻, pp.796‑800. 重村利幸 ・滝 口和 男 ・多田 毅 ・林建 二郎 ・藤間功司 (2002): 防 波護岸背後か らの土砂吸 出 しに関する基礎的研究, 海岸工学 論文集, 第49巻, pp.871‑875. 高橋 重雄 ・鈴 木高 二朗 ・徳 淵克 正 ・岡村 知光 ・下迫 健 一郎 ・善 功 企 ・山崎浩之 (1995): 護岸 の吸出 しに関する水 理実験, 港 研報告, 35巻, 2号, pp.3‑63. 土木学会 海岸工学 委員会 (2002): 大蔵海岸 陥没事故調 査報告書, 土木学会海岸工学委員会, p.125..

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参照

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