Title
Optimal Scan Delays for Multiphasic Renal Multidetector Row
Computed Tomography Performed With Fixed Injection Duration
of Contrast Medium( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
柘植, 裕介
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第787号
Issue Date
2009-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/25297
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氏名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与目付 学位授与要件
学位論文題目
柘 植 裕 介 (岐阜県) 博 士(医学) 甲第 787 号 平成 21年 3 月 25 日 学位規則第4条第1項該当Optima[Scan Delays for Multiphasic RenalMultidetector Row Computed
TomographyPerformedWithFixedlnjectionDurationofContrastMedium・ 審査委員 (主査)教授 出 口 隆 (副査)教授 竹 村 博 文 教授 湊 口 信 也 論文内容の要旨 【背景】 画像診断領域において腎造影CTの撮像タイミングは次の4つ,動脈相(Arterialphase),皮質 髄質相(Corticomedullaryphase),実質相(Nephrographicphase),排泄相(Excretoryphase)に 分けられる。動脈相は腎動脈が強く濃染しているが,腎皮質および腎静脈の濃染は弱い状態であり, 腎動脈・血管病変の評価に最適とされる。皮質髄質相は腎皮質が強く濃染しているが,腎髄質の濃 染が弱い状態を指し,多血性腫瘍の検出,腎血流評価,腎静脈の評価に適している。実質相は腎皮 質,髄質がともに均一に濃染している状態を指し,腫瘍の検出・鑑別に有用とされている。排泄相 は腎孟・尿管に造影剤が達している状態を指し,腎孟・尿路病変および形態の評価に最適である。 近年多列CTの普及により,撮像時間の短縮が得られ,ダイナミック造影CTにおける時間分解能 の向上につながった。そのため,従来の造影CT検査とは異なる新たな検査プロトコルの確立が必要 とされている。今回我々は多列CTによる腎造影CTの撮像タイミングの最適化について検討した。 【対象と方法】 2003年5月から10月に腹部疾患精査にて上腹部のダイナミック造影CTが施行された198例中182 例を対象とした。機器は検出器が8列であるマルチスライスCT LightSpeedUltra(GE Medical
Systems,Milwaukee,WI)を使用した。造影剤はオムニパーク300(第一三共)を使用,造影
剤投与量は患者体重に対し2ml/kgとし,体重が75kg以上の患者は150mlとした。造影剤の注
入時間を30秒固定とし,注入開始から1群:25,45,65秒後,2群:30,50,70秒後,3群:35,55,75 秒後,4群,40,60,80秒後と撮像ディレイの異なる4群にランダマイズした。1名の放射線科医が 腹部大動脈,腎動脈(左右腎動脈の平均),腎静脈(左右腎静脈の平均),腎皮質(右前区,右後区, 左前区,左後区の4カ所の平均),髄質(右前区,右後区,左前区,左後区の4カ所の平均)のCT 値を計測し,造影前後のCT値の差を算出し造影効果(AHU)とした。また腎動脈と腎静脈のCT値の 差,腎皮質と腎髄質のCT値の差(8HU)をそれぞれ算出した。2名の放射線科医が個別読影し,上 記5カ所の造影効果について定性評価を行った。要因配置分散分析法およびsheffe法を用いて,定 量および定性評価における造影効果の比較を行った。 【結果】 腹部大動脈,腎動脈は注入終了35秒後に濃染のピーク(305AHU,253AHU)を示した。腎静脈は 45秒後(196AHU),腎皮質は40秒後(197AHU)で濃染のピークを示した。腎動静脈の造影効果の差は 25秒後から30秒後(95-1378HU)で最大となった。腎皮質/髄質の差は30-55秒後(79-1308HU)で最大 となり,その後減少し75秒後で108HU以下となった。定性評価の結果は2名の放射線科医ともに-41-定量評価と良好に一致した。 【考察】 Baeらは大動脈のピーク濃染は造影剤の多寡に関係なく,注入終了直後に見られると報告した。 そのため造影剤の注入時間を全患者で一定とすることで,大動脈濃染ピークが同一タイミングで訪 れ,その他腹部臓器の造影タイミングも決定されていくものと思われる。今回我々は造影剤の注入 時間を30秒固定とし,腎ダイナミック造影検査の至適撮像タイミングを検討している。 腎静脈,腎皮質がその他の腹部実質臓器と比較し,早期より増強効果を示すため腎動脈CTA(CT arteriography)は他臓器のCTAに比較し至適撮像タイミングが短い。腎動脈の濃染ピークは注入開 始35秒後ではあるが,腎静脈の濃染ピークは注入開始45秒後と腎動脈の濃染ピークのタイミング ではすでに腎静脈の濃染が開始している。そのため,腎動脈と腎静脈とのコントラストが最大とな る25秒後から30秒後に撮像するのが最も良い。同様に皮質髄質相の撮像タイミングは皮質と髄質 のコントラストが最大となる35秒後から45秒後,実質相は皮質と髄質のコントラストが10HU以下 となった75秒後以降が最適である。この撮像タイミングとマルチスライスCTを使用することで, 腎動脈CTAと皮質髄質相,実質相を1度の検査にて撮像可能である。 排泄相に関しては,腎機能を含めた患者間の個人差が大きく,マルチスライスCTによる撮像時間 短縮の恩恵も少ないため今回検討対象としていない。 【結論】 以上より,造影剤の注入時間を30秒固定とした時,腎精査のためのダイナミック造影CTの至適 撮像タイミングは,腎動脈・CTAが注入開始25-30秒後,皮質髄質相が35-45秒後,実質相は75秒後 以降の撮像が有用である。 論文審査の結果の要旨 申請者 柘植裕介は,マルチスライスCTを用いて上腹部のダイナミック造影検査が施行された 例を対象とし腎描出のタイミングについて検討した。その結果,造影剤注入後から腎動脈Cm,皮 質髄質相および実質相が抽出されるまでの至適時間をそれぞれ得ることができた。この成果は腎疾 患の画像診断に有用であり,さらに放射線画像診断の発展に少なからず寄与すると認められる。 [主論文公表誌] Yusuke Tsuge,MasayukiKanematsu,SatoshiGoshima,HiroshiKondo,HiroakiHoshi,Ryujiro
Yokoyama,Toshiharu Miyoshi,Minoru Onozuka,NoriyukiMoriyama,Kyongtae T.Bae:Optimal ScanDelaysforMultiphasicRenalMultidetectorRowComputedTomographyPerformedWithFixed
Injection Duration of Contrast Medium.
JComput Assist Tomogr33,101-105(2009).