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内視鏡的逆行性耳管造影の試み

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Academic year: 2021

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8 │ 東 女 医 大 誌 第54巻 第5号

:

390-393 昭和59年5月

著〕

内視鏡的逆行性耳管造影の試み

東 京 女 子 医 科 大 学 第十よ病院 耳 鼻 咽 喉 科 L部 長 ー 荒 牧 月」教綬j カタヤマ ~仲ム アラマキ ハジメ アイザヴ ハ ル ヨ

片山

修・荒牧

元 ・ 相 津 晴 子

。 メ ダ ヨ ウ コ ナカヤマ カ て ミ 神 イ ゴ ウ マ ユ

梅田

陽 子 ・ 中 山 一 美 ・ 西 郷 真 由 美

タニ ヨ シ ミ アイハラ ン ズ エ ヤマグチ ナ~ヒロ

三 谷 芳 美 ・ 相 原 静 江 ・ 山 口

直弘

東 京 女 子 医 科 大 学 放 射 線 医 学 教 室 (=主任:重四千台字教短) 司 王J京女了医科大学 教綬 ス ズ 考 ケ イ

鈴 木 恵 子

第 三 病 院 中 央 検 食 料 科 長 イチオカ ソショウ 市 岡 四 象 f受 付 昭 和59fT'2月20日〕

Endoscopic Retrograde Roentgenography of the Eustachian Tube Osamu KATAYAMA, M.D., Hajimc ARAMAKI, M.D., Haruko AIZAWA, M.D.,

Yoko UMEDA, M.D., Kazumi NAKAYAMA, M.D., Mayumi SAIGO, M.D., Yoshimi MITANI, M.D." Shizue AIHARA, M.D.,

Naohiro Y AMAGUCHI

M.D. Department of Otolaryngology (Director: prof.Hajime ARAMAKI) Second Hospital of Toh:yo Women's Medical College Keiko SUZUKI

M.D. Department of Radiology(Director: Prof. Akiko SHIGET A) Tokyo Women's Medical College and Shisho ICHIOKA

M.D. Central Clinical Laboratory (Director: Prof.Shisho ICHIOKA) Second Hospital of Tokyo Women's MedicalCollege

The X-rays contrast of Eustachian tube was tried inserting a catheter used in the dye endoscope into Eustachain tube under the nasopharyngo-laryngo-fiberscope and filling the contrast medium. In the plain X -rays film at submento-vertical view a clear image of eustachian tube was not obtained, but eustachian tube was partially contrasted with CT scan image. Though this method have some problems to be solved, but if improvements are made it may be considered as method to be widely spread.

は じ め に 耳管機能が中耳炎などの耳疾患と密接な関係に あることが示唆されて久しいが.その検査法とし ては耳管通気法などが主に行なわれ X線造影は -390 ルーチン化していないのが現状である.一方.最 近の耳鼻咽喉科領威におけるファイパースコープ の導入は,その観察能と記録性など多くの利点の ため, てますます盛んに行なわれてきている.われ

(2)

われは,山下ら1)の方法による内視鏡的耳管通気 法を1983年末より施行してきたが,今回,消化器 内 視 鏡 学 に お け る 内 視 鏡 的 逆 行 性 勝 胆 管 造 影

C

E

R

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P

)

2

)

を応用し,鼻咽喉ファイパースコープに よる耳管造影法を試みたので,本法を紹介し,問 題点などについて考察を加える. 方 法 1.使用内視鏡 鼻咽喉ファイパースコープはオリンパス

ENF

type

LB

を用いた(写真1).本器種は直径2mmの 釦子チャンネルを有し,生検や吸引に利用される が,本法ではこの鉛子チャンネルに色素内視鏡検 査に用いているビニールチュープを通した(写真 2,)

2

.

造影剤 気 管 支 造 影 剤 と し て 広 く 用 い ら れ て い る 水 性 ディオノジール@を使用した.

3

.

注入法 患者を耳鼻科診察用のいすに座らせて,両前鼻 孔からアドレナリンと

4%

キシロカインを綿棒に より鼻腔に塗布する.造影しようとする耳管と反 対側ないし同側の前鼻孔よりファイパースコープ を挿入する(写真

3

).耳管咽頭口の形態,色調, 分泌物の有無などを充分に観察した後.5mm間 隔に印をつけたビニールチュープを耳管に静かに 15mmまで挿入し,造影剤を約3ml注入した. 4. 撮影法 被 検 者 を

X

線 撮 影 室 ま で 歩 行 さ せ , ま ず 顕 下 一頭頂位で単純

X

線撮影をし,次に

CT

スキャン 写真1 鼻明喉ファイパースコープ COlympu sENF-LB) 写真2 色素内視鏡検査用のビニーノレチュープ 写真3 ファイパースコープの挿入 を加えた. 結 果 症例:弁

O

O

.

5

0

歳,男. 主訴 :右耳閉感と耳鳴. 既往歴・家族歴:特記すべきことなし. 現病歴: 9 約l年前より右耳閉感と耳鳴を訴えて来院し, 1983年 1月より耳管カテーテル通気法を施行して きたが,耳管閉塞が改善しないため1983年12月16 日に内視鏡的耳管造影を施行した. 造影前所見: 右鼓膜は軽度の陥凹を示し,耳管カテーテル通 気法では右耳管の閉塞が認められた. 内視鏡所見: 両鼻腔に綿棒によるアドレナリンとキシロカイ ンを塗布の後,左前鼻孔からファイパースコープ を挿入し,上咽頭において反時計まわりに約

9

0

・回 転しつつupをかけて右耳管咽頭口を直視下に見

(3)

-391-10 て,特に異常のないことを確認した(写真

0

,色 素 内 視 鏡 検 査 用 の ビ ニ ー ル チ ュ ー ブ を 約15mm 耳管内に挿入し(写真5),造影剤を約3ml注入し た (写真6), X線所見 : 顕下一頭頂位での単純X線写真では耳管を確認 写真4 右耳管咽頭口 写真5 カ ニ ュ レ ーシ ョ ン 写真6 造影剤の注入 写真7 CTスキャン像 写真8 CTス キ ャ ン 像 できなかったが, CTスキャンで右耳管の部分的 な造影写真を得た (写真7,8), 考 察 耳管を造影しようとし、う最初の試みは, 1923年 Portmanらによって死体を用いて行なわれたが, 生 体 で 初 め て 試 み た の は1925年Reverchonと Wormsであった3) 使用される造影剤については, Reverchonら 0925, LipiodoI)3), Spielberg 0927, 40% Iodipin戸, Engel (932)5), Heimendinger 0938戸, Welin 0947, 10%と40%Iodipin)3)は油 性ヨウ素を用いたが, Rees-

J

onesら(941)5)は油 性 造 影 剤 が 粘 調 す ぎ る こ と か ら 水 性 造 影 剤 Pyelectanを使用し,さらにCompere(1958)6)7) も水溶性の Pantopaque,Hypaqu悶1肥eを 用 い た. Wi出t此te印nb加or培gら(α19何63幻) 性ケン濁液が,表面張力と粘度が望ましく鼻内容 や吸入物とも生理的に近似しているので,耳管造 -392ー

(4)

影に適していると述べている.われわれも水性ケ ン濁剤であるディオノジールを用いたが,注入時 の抵抗から粘欄すぎるという印象をうけた. 造影剤の注入方法は,大きく経鼓膜法と経上咽 頭法に分けられる.即ち,前者として, Welinは鼓 膜穿孔の症例に外耳道から圧注射器で注入する方 法を,Compereは鼓膜正常例には25ゲージ針で鼓 膜の最下部を穿刺して鼓膜内容を吸引してから, 同型の針で同じ穿刺部より注入し,鼓膜穿孔例で は 検 側 耳 を 上 に し て 造 影 剤 を 滴 下 し てSleep -Well耳栓で外耳道を閉鎖する方法を,それぞれ述 べている.また,Engelは耳管周囲蜂巣の化膿症の 患者に婁孔より造影剤を注入した.経上咽頭法は 鼓膜穿孔のない症例にも施行し得るため耳管造影 法の主流とも言えるもので, Reverchonらもこれ によっているが, Spielbergは麻酔した鼻孔に銀 製の耳管カテーテルを通して絹カテーテルを耳管 に挿入しゴム球で造影剤を吹き込む方法を, Rees-Jonesらは麻酔した鼻孔に耳管カテーテルを通し て鼓室カテーテノレを挿入し注射器で加圧する方法 を, Welinは耳管咽頭口に適合するゴム栓を用い る方法を, Wittenborgらは仰臥位で躯幹と肩を マットレス等にのせて鼻カテーテルで、後鼻腔に造 影剤を透視下に注入しValsalva法や膜下運動を 行なわせる方法を報告した. われわれは,山下らの方法によるファイパース コープ下の通気法を行なっていて,耳管にカニュ レーションすることが容易であることを発見した ので,造影法を試みた.前述した先人達の方法に 比べて,ファイパースコープの操作にやや熟達し た技術を要するなどの欠点もあるが,鼓膜穿孔の ない症例にも直視下に確実なカニュレーションを 行ない得るとL、う利点もある.また,今回の検査 では被検者をX線撮影室まで歩行させたために造 影剤!が咽頭に流出した可能性が考えられたので, 次の機会にはX線透視室内で施行したいと思って いる.

合 併 症 と し て は , Rees-J onesら, Welin, Compereは一過性の痔痛を訴える例のあること を挙げているが,重篤なものは文献上は見当たら 393 11 ない. 撮 影 方 向 は , 顕 下 一 頭 頂 像 がHeimendinger, Welin, Wittenborgらなど多くの報告者で行なわ れているが,われわれの今回の検査では鮮明な像 を得ることができなかった. 特殊な方法としては,

CT

スキャンの他にも, Honjoら叫のようにシネカメラによる録画や高速 フィルム交換器を用いた方法もあり,今後に検討 されるべき方法であると思われる. む す び 鼻咽喉ファイパースコープによる耳管咽頭口へ のカニュレーションを行ない,ディオノジールを 耳管に注入して耳管を造影する方法を試みたの で,症例を呈示して考察を加えた.親子ファイパー スコープによる耳管内腔の観察が行なわれてもよ い現状で,本法が広く試みられる可能性は大きい と考える. 文 献 1)山下公一・ほか:通気下内視鏡検査による各種耳 管障害の検討.日耳鼻会報 86(10) 1312 (1983) 2) 大 井 至 :Fiberduodenoscope (FDS-Lb)による 内視鏡的解管造影.日消病会誌 66(8) 880-883 (1969) 3) Welin, S.: On the radiological examination of the Eustachian tube in cases of chronic otitis. Acta Radiol 28 95-103 (1947) 4) Spielberg

W.: Visualization of the Eusta. chian tube by the roentgen ray, preliminary report.Arch Otolaryngol 5 334-340 (1927) 5)Rees・Jones

G.F.

et aI.: Radiological visulaisation of the Eustachian tube. Lancet 12 660-662 (941)

6) Compere, W.E. Jr.: Tympanic cavity clearance studies. Tr Am Acad Ophth 62 444

-454 (1958)

7) Compere

W.E. Jr.: The radiologic evalua -tion of Eustachian tube function. Arch Otolar -yngol 71 386-389 (1960) 8) Wittenborg

M.H.

et aI.:Simple roentgeno. graphic demonstration of Eustachian tubes and abnormalities. Am J Roentgenol 89(6) 1194-1200 (1963) 9) Honjo, ,1. et al.: Evaluation of Eustachian tube function by contrast roentgenography. Arch Otolaryngol 107(6) 350-352 (1981)

参照

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