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はじめに(pdf)

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Academic year: 2021

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はじめに

今日の社会ではインターネットや携帯電話はありふれたコミュニケーションツールとして利用 されています。本書の読者であるみなさんにとってはこれらの情報通信技術やインターネット上 のサービスは物心がついたころから身近に存在していたごく当たり前のものでしょうから、多く の人は誰かに教えてもらうまでもなく自然に使いこなすことができることと思います。 しかし、使い方は知っていてもインターネットや携帯電話が動作する仕組みや、これらを利用 する上でのマナーやエチケット、また利用の際に注意すべきことや、して良いこととしてはいけ ないことの区別についてなど、改めてどうなのかと問われると、知っているようで知らない曖昧 な知識しかないことに気づくかもしれません。 これは現実世界でのマナーやエチケット、善悪の判断基準については道徳などの学校教育で学 ぶ機会が多いのに対し、ネットワーク上でのふるまいについて学校で学ぶ機会がきわめて少ない ことによるものです。そのため、多くの人はどのような行いが正しいのかを正確に理解しないま ま携帯電話やインターネットを利用し、知らず知らずのうちにネットワーク上で非常識だとされ るような言動を行ったり、トラブルに巻き込まれたり、場合によっては不注意から自分が犯罪者 になってしまうような事態に陥ってしまいます。 本書のテーマである「情報倫理」とはそのようなトラブルを避け、他人との軋轢なく情報化社 会で安全に生活するために必要な知識や物事の考え方を身につけるための学問です。 情報倫理といえば、しばしば「べし・べからず集」のようなスローガンを覚えることだと勘違 いしている人も多いのですが、スローガン記憶型の学習では問題の本質を知ることはできません。 本書では情報化社会で生じる問題の本質を知ることで、未知の問題にも対処できるような「何が 正しい行いなのか」を考えるための素地を築けるように表面的な問題とその対処法だけでなく、 問題の原因がどのようなところにあるのかについて解説をしています。 また、巻末には多くの事例を掲載していますが、これらは過去に実際に起こった情報倫理にま つわる問題です。事例のなかには日常的に起こるような身近なものから、国際社会に影響を与え るような大きな事件まで様々なことがらが取り上げられていますが、いずれもいつ何時、自分の 身に起こるかもしれない現実の出来事ばかりです。 事例のようなトラブルに巻き込まれないためには、そして不幸にも巻き込まれてしまった場合 には少しでもその被害を軽減できるようになるためには、情報倫理の知識が必要となることはい うまでもありません。 本書が学生時代に学ぶべき情報倫理の知識を会得するための一助になれば幸いです。 なお、事例集の編纂にあたっては矢野芳人氏の協力をいただきました。ここに感謝の意を表し ます。 2011 年 7 月 鞆 大輔

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