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(1)

海上交通情報システム論

−コンピュータ導入へのアプローチ−

松竹秀雄

(2)

海上交通情報システム論ーコンビュータ導入へのアブローチ 293 

はじめに

11  貨物審査事務のー移行形態 1.  直列型の事務

2.  並列放射型の事務

3.  海上運送人の貨物運賃計算形態 4.  システム論的考察

III  旅客審査事務のー移行形態 1.  直列型の事務

2.  並列放射型の事務 3.  システム論的考察 N む す ぴ

I は じ め に

事務合理化は一つのたたかいである。事務を執る者にとって、それは事務 的頂上を極めようとする向上心の登翠のたたかいであり、経営者にとっては コストダウンを極限まで追求しょっとする意志持続のたたかいである。従っ て、合理化に関して事務職伺人の目的じ経営者の目的とは原則として合致 すべきものである。

そもそも,合理化という言葉が用いられるよつになったのは, 1921年にアメリ カに於て開始された標準化運動以来といわれる。勿論,この運動は規格統ーに よって生産上に於ける「無駄の排除」を目的とするものであった。この標準化運 動は, 1903年のテーラーシステムの工場管理方式にさかのぼることができる。

高速度鋼を発明したアメリカの技師W・テーラーは,優秀な熟練労働者の作 業を観察して,作業を幾つかの基本動作に分析し,各動作ごとに標準時間を 設定した。この標準時間に一定のゆとりを加えて,これにより労働時間を割 って 1日の課業を定め,課業の出来高による賃金制度を基礎としたもので,

所謂「科学的管理法」と呼ばれるものであった。このようなやり方は同時期 H・フォードに至って特に有名で,フォードシステムとも,コンベアシス テムともいわれるその方式は, 1909年以降,自動車の車種部品の規格を統一

(3)

し,コンベアによる単一車種の集中生産によって自動車の大衆化に成功した。

その管理方式は経営合理化の徹底であり,大量生産によって製品原価の大巾 引下げを目標とし,工程の合理化と作業の標準化・専門化を徹底させて流れ 作業方式を導入したものであった。但し,この管理方式は単純くりかえし作 業と労働強化の面をもっていたため,労働界の反擦を受けた。しかし,経営 管理と労働との対立関係は一進一退をくり返しながらも,このような管理シ ステムは現在の工業界の主流となってきている。

さて,ここでコンビュータ発達史に入るつもりはな1".¥ 0 数次の石油ショッ クを境に,わが国経済はそれまでの高度成長時代から安定成長・低成長の時 代に移行した。各種企業は極めて厳しい環境下に経済活動をせざるを得なく なったのである。そういっ経済環境による企業自体の合理化の要求と, 1950  年代の始めに本格的事務用コンビュータがアメリカで生れ,同50年代の終り にはわが国でも試作され,真空管方式からトランジスタ, C (集積回路)、

L S 1 (大規模集積回路),起LS 1 (超大規模集積回路)方式へと技術が進 歩し,その進歩につれて小型化したことからオフィスコンビュータが,近年 われわれに身近なものとなってきた。

人間を単純な肉体労働から解放した18世紀後半からの産業革命に次ぎ,頭 脳労働の一部を機械に肩替りさせて,繁雑な単純計算事務から人間を解放し ようとするコンビュータ化の変革は,新しい産業革命といってよいであろう。

最初,電算処理は難解な数式を早く解くためのものであったが,機械的な 記憶・演算の機能を最大限に利用しようとする飽くなき試みと,現代の膨大 な情報量を処理するための需要の増大が相乗して,エレクトロニックス技術 の飛躍的発展を推進して行ったものである。身近には国鉄の「みどりの窓口」

1ヶ所のコンビュータによる集中処理で全国的な座席予約業務をさばき,

航空3杜の代理業務では,比較的小規模な航空代理屈にまでオンラインが行 きわたろうとしている。又,地方の金融機関にオンラインによるキャッシュ カードが普及し,オンライン化出来ないものは落伍しかねない情勢ともなっ てきている。

海運界においても,複数の定期航路を所有する船会社では事務処理上の必

(4)

海上交通情報システム論ーコンビュータ導入へのアブローチ 295 

要から,次第にコンビュータ導入を試みてきている。例えば,運輸省に提出す る内航関係の「自動車航送定期航路事業運航実績報告書」の様式による分類 をみてみよう。

イ.航送車輔を①パス②乗用車③普通トラック④その他に分類 口、上記を夫々①有人車 ②無人車に分類

① 往 航 ② 復 航 に区分

J ¥

各港区間に区分

区間距離を乗じて台キロを算出

車輔の長さを乗じてメートルキロを算出

ト、自動車の長さは3 m未満は3 m3‑4m 3.5m4

‑ 5 m  4.5m20m以上は20mとして計算

更に,統計法にもとづいて各県に提出する書類上の分頬は次の通り違った ものである。

イ、ノ〈 特 大(70人乗り以上) 1 65トン換算 大型(50 50"  " 

普 通(30 30"  " 

小型(30人乗り未満) 20"  " 

トラック 特大(積載量10ト〆以上) 65"  " 

大型( 50"  " 

普通( 30"  " 

小型(積載量l¥以上2i) 10"  " 

ハ、小型三輪車 (積載量1 ¥以上) 10"  " 

ニ 軽 三 輪 車 1ト/未満) 5"  " 

ホ、軽四輪車 (積載量1J未満、乗用車を含む) 5"  " 

へ、乗用普通車 10"  " 

これを毎月算出し,各月は累計し, となると,港数の多い航路や複数航路

(5)

を所有する船会社は相当に繁雑な手数である。それに,統計の数量・運賃は,

数多い各種代理庖の未収金とも合致させねばならぬし,未収金でなくとも前 記各庄の売上実績も別途算出し,それとも合致しなければならない。

これらの統計数字は,官庁に提出するために作成すると考えれば誠に煩雑 極まりない仕事であるが,データとしては, 自社の経営分析上必要なもので ある。従って,官庁への報告様式のみが細かくなって行くと考えるべきでな く,経営分析細分化は時代の要請と考えるべきであろう。

そういったものの事務的な電算処理の必要性と,省力化並びに省人化に対 する企業的要請乃至願望が,これから益々強くなって行くと思われる。周囲 を見まわしてみても,大手旅行業者のクーポン,並びに発券計算書類又は取 引先からの請求書・納品書がコンビュータによって出力されたものとなって 増えて行きつつある。何れにしても,今日では好むと好まざるとに拘らずコ

ンビュータとの対面は避けられぬ時代となってしまったのである。

さて,私は営業計算に関して[""計算事務をコンビュータに入れ込む場合,

入れ込む前の段階の事務を円滑に流れて行く状態にまで高めて置く必要があ る」と述べたことがある。「合理的システム作りと,コンビュータのソフトウ ェアのためのシステム作りとは全く同質のものである」とも書いた。計算事 務をコンビュータに入れる準備を行なってみると,各種現業日報のフォーム

・一括振戻し計算・計算の一覧表化等、船会社の経理への計算に至る合理化

・簡素化の改正のすべては,結果としてコンビュータへの道を目指すことと 全く同様で、あった。そっくりそのままコンビュータ入力の準備にかかってい たも同然で、あった。ということは,コンビュータ化は事務合理化の延長線上 の一つの到達点以外の何ものでもないということを確信するのである。

次に,計算事務にも幾らかは後戻りして説明しながら,コンビュータの道 に辿りつくことにしたいO

(6)

海上交通情報システム論ーコンビュータ導入へのアプローチー 297 

II  貨物審査事務のー移行形態

手作業とコンビュータ事務処理との違いは,手作業事務が「直列型」であ るのに比して,コンビュータ処理は[""多元分類型」又は「並列放射型」と いわれる。これを下記の数字をもって論じてみよう。

1.  直列型の事務

直列型とは,次のように第l次の事務処理の終了を待って第2次の事務処 理が開始され,一つづっ次々に「一連の処理」がなされて行くことである。

100  継元配払料 ρ 60 r 附向帯払費 U40  1] 100 

計 算 司 「 ( 区 間 運 貨 統 計 ) ( 未 収 金 計 算 )

1次計算│ f尭 送 審 査 !(E JLJ払 辺11 100 

元払継配料 60 

rll]払間帯費 40

120  到 着 審 査 │@@@払 運tt 100 

払間帯n 40 

l*主配料 60

80 

(例)

2次計算│ 未収金合計(120+80)H~= 1000 

3次計算I ① ① 元 払 述11 100 

IIJ払 述11 100 

200  ※発送地の向払王lf11はすi では;1f払述n

(例)

4次計算│ 統計述1'1. 200X  5;{ト 1~]

(7)

これは,手作業(ソロバン)で行う限り,貨物未収の集計も個別未収計算 が終了したのを受けて,第2次の合算計算に移るといつことであり,運賃の 統計は区間の運賃合計が終了したのを受けて,次の合計運賃計算に移るとい

う手順にならざるを得ないということである。

では,コンビュータではどうなるのか,形によって考えてみよう。

2.  並列放射型の事務

種目Ij ( 区 間 運 賃 統 計 ) ( 未 収 金 計 算 ) 入出力

l次 入 力

L

U

ハU n u n u s

υ

@  

U n U

U

nu nh U

4

@

@  

~\\\ 出力

出力

上記のように,素材としての数字をコンビュータシステムに入力してしま えば,運賃統計と未収金計算の二つが同時に出力される。これが多元又は並 列放射型と表現されるコンビュータの特徴である。

なお,若干の考察に入る前に,海上運送人の貨物運賃計算形態の分析を行 なってみょっ。

3.  海上運送人の貨物運賃計算形態

(注1) 

会計単位としての航海(TheVoyage as  the  Accounting Unit)  の問 題は別に置き,貨物が代理屈の集荷に始まり,本船に積込まれて,船会社に 運賃及び未収金計上されるまでを,木の幹になぞらえて図示すれば次のよう になろっ。

(8)

海上交通情報システム論ーコンビュータ導入へのアブローチー 299 

( 統 計 )

海運代理屈

( )

代理屈納金計算書ー十一(付, l巷別貨物運賃明細)

(元払の積込料は含まれない)

各 港 , l 貨物取扱所

/ / / I ¥ ¥ ¥ ¥  

/ / ( 純 ) 代 理 屈 直 営 集 荷 力 ¥ ¥ 

I~U',' ¥ ¥ ¥ ¥ ¥  

/  代理屈が契約している各集荷・陸連業者¥

/  /  /  I  ¥ ¥ ¥ ¥  

本 船 運 賃 +元払継配料

(拐地の水揚・配達料)一 土向払附帯費

(積込料・集荷料など)

着払の水揚料は無関係)

運賃論は後の機会に述べることとするが,航路運賃は個々の運賃の合計で あると同時に,航路各港(各代理屈)の運賃計算金(計算尻)の合計でもあ る。この航路運賃と各港の運賃計算金をイクオールで結ぶ、計算が船会社にお ける貨物運賃計上計算の基本でなければならない。

これは,次のように一覧表上で検算すれば確認で、きょう。

(9)

本船 ~n元 払 継 配 料[il] 払 金H '1 本 船 巡元 払 継 配 料[il]払 金H 1'n

i¥¥  700 

jJJ.  200  800  500 

ト¥

i 80  600 

400  300  i 70  60  500  400  900  1000  合 計 150  260 

1100  1200  Ai巷の運賃計算金は/本船巡n 山、副主配料

1.300  300 

i 本 船 巡n

元払継自己料 [u] 払 金 600  100  700  400  70  500 

│¥¥ 

1~i

1000  170 

1200 

[i.] 払 金 、 1.500 

w 本 船 巡H

元払継自己料

(未収金) ril] 払 金

1300 

300  1050 

1500 

900 

150  890  1100 

700 

130  960 

900  2900

2.900 580 

3500  J弘 前 日記t~G:fl 心払 p

1050

150十 1 .100

このようにして算出した運賃計算金の航路合計は,必ず本船運賃と合致す る筈のものである。

上記の計算を各港代理店の計算と照会するのが審査業務であるが,これを 図示すれば次のようになろう。

(未収金)

(発(着)代理屈) (船会社) (着(発)代理屈)

(10)

海上交通情報システム論ーコンビュータ導入へのアプローチー 301 

ここで問題なのは,貨物運賃は旅客運賃と異り,諸掛りを含む運賃訂正が 多いことである。旅客にも,発券後の取消があり,払戻計算が行われるが,

貨物は運賃額の増減訂正にとどまらず,元払から向払への変更,逆に向払か ら元払への変更があり,向払積込料の訂正や元払(相手港)継配料の訂正が あり,又,それぞれの複合訂正があって,旅客とは比較にならぬ程の件数と 内容がある。それは,本船発航後の事務計算時に自ら気付くことがあり,相 手港から通知を受けて気付くことがあり,又 1ヶ月分の未収金計算を行い 出荷主に請求した時点で間違いを指摘されることがあり,更に~ß.荷主支払 後,或期間たってから異議申立てがあり,その次の未収金請求額から否応な

く差引かれることなどがあって様々であるからである。

大雑把に言って,貨物運賃の統計は常時動き続ける軟体的運賃のかたまり を或時点に於て断ち切った断面的な数字だといえなくもない。一般的に,訂 正通知書を発行し,又は相手港から訂正通知書が到達して自庖計算尻が船会 社から「差引受」となった代理屈は,最も近い納金計算書で差ヲlいてくるだ ろう。一方,この逆に「差引払」となった代理屈は,次の例でみるような totalの修正計算で「差引払」額に差額歩金を加算した額を荷主から追徴す ることとなり,追徴し終るまでという理屈をつけて「差引払」額の納金を遅 らせることも考えられる。

経理的貨物計算

( 修 正 計 算 )

rL hu L品 川 4L

l

λ γ

7

4

{

50 

積 荷 未 収 50 

=寺舎二 計三十 = 号 令 =

i1f 歩 金

船会社へ払 47 

50  50 

追加支払

(11)

そういった訂正による未収金の過不足は,同時に運賃の過不足にも関連し てくる。例数字でいえば,向払運賃 100増の訂正計算のとき, (発歩金率6

%として)発屈は船会社に対し歩金6を差ヲ│いてくる。この場合,着庖は(着 歩金率ゼロとして)船会社に 100を納金すべきこととなるが,発庖が差引 いてきた航海又はその期,その月に納金しなかったとき,船会社はどうする だろうか。発庖の6差引きは経費で処理すれば別段誤差としての問題は起ら ないかも知れないが,その処理の仕方に二通りが考えられる。(イ)数字6の経 理処理を運賃100増と関連づけて着庖に未収100を建てる方法と, (ロ)何もしな

いで経費6を単独に処理する方法である。

()

(借方) (貸方) 着庖未収 100 I 100  発 庖 未 収 ム

経 費

()

(借方) 経 費

(貸方) 61現 金 6

このような訂正は,一庖にとって相手港が複数になることが当然あるので,

訂正の総額だけでは個々の区間運賃の流れを適切に把握するのは難事であり,

船会社側がどの時点でその流れを把握するか,放置すればとらえどころがな いものになる。船会社にとっては,この場合の着庖に対する未収を経理振替 をするにしても, しないにしても,未収額を徴収すべきであるが,どちらか といえは「未収」だけの問題となり易い。(イ)のように振替を起した場合,

船会社にとって運賃は合計額としては正常に建てられたことになるだろうが,

統計としてはどの時点で修正されるだろうか。なかなか難しい問題である。

これらの数字を有効に結ぴ合わせるのは,つまるところ運賃とその未収額 との聞に挟雑物が無い仕組みにもっていき, (運賃ニ未収〕と単純化することが 大事であるように思われる。少し長くなるが,考えられるその過程を述べてみる。

(12)

海上交通情報システム論 コンビュータ導入へのアプローチー 303 

( 問 題 ) 運賃に附帯する

元払継配料・向払附帯費を「立替金J(又は預り金)処理した場合 1.  締切った時点の借方残は代理屈に対する立替(未収)である。

2.  締切った時点の貸方残は代理屈に対する預り(未払)である。

これらは,書類が所定期限通り到達し,厳格に審査が行われたならば決算 期に於てはゼロとなることが期待されるが,問題はゼロでないプラス又はマ

イナスの数字がたまり易いこと,しかも後日,その立替なり預りを回収し,

又は支払う代理屈を特定することが極めて困難だ ということである。

貨物計算の形について考えてみよう。元払継配料・向払附帯費を立替金等 て前処理する場合は,次の左図のような形であろう。これを問題とする項目だ けにしぼれば右図の形となる。

4又 立 替 金 (発)元払継配料

(若)着払附帯費

貨 物 運 賃 (発)元払運賃

F~ (若)着払運賃

運航貨物費 歩金など 運 航 港 費

綱取放料など

運 航 雑 費 F~

立 替 金 (発)向払附f官官

(若)請求継配料

未 収 金

()

収 立 替 金 (発)元払継配料

(着)若払附帯費

貨 物 運 賃 (発)元払運賃 F~ (若)着払運賃

TZS  立 替 金 (発)向払附帯費

(若)請求継配料│

上記のうちの立替金を,船会社側からみて 分析して行くと次のようになる。

①積荷の元払継配料は海運業未収金である

②  "  向払附帯費は海運業未払金である

③拐荷の着払附帯費は海運業未収金である

④  " 請求継配料は海運業未払金である

(13)

全部を科目によって整理してみると次のようになる。

海運業未収金 I(到元払運賃 (到元払継配料 (着)着払運賃 (者)着払附帯費 海運業未払金 I(発)向払附帯費 (却請求継配料

そして,上記の全部を合計(差号I)したものも「海運業未収金」である。

4つの立替金は,運賃とともにそれぞれ代理屈納金額を構成する要素である が,審査して違算があった場合は,運賃又はこれらの立替金が部分的に違算 となるのが一般的であるため, total計算として算出された違算金額と運賃 及び立替金4項目は個々には直接関係のないような数字となってしまう。

従って 4項目を立替金という lつの箱に投込んていしまったが最後,あと で個々を取出すことは至難のわざとなる。前記①②③④を未収・未払でなく,

「元払継配料Ji向払附帯費Ji着払附帯費J i請求継配料」と別々の頁に記帳 してみても,記帳された個々の数字は違算更正額とは直接には何らつながり のない数字となってしまって,この4項目が全代理屈分を合計して,或る締 切り時点でゼロとなった場合以外は,もうどうしようもない数字ということ

になるのである。

では,どうして簡単にゼロにならないか。それは前に述べたように,発庖 が差引いてくる時期と,着底の納金の時期にズレがあった場合,照合審査が ミスを見逃がした場合,未納金額の請求を怠った場合などであるが,これを 別の角度から問題解消の方法を検討して行ってみよう。

前記(イ)の各因数を次の通りとする。

( 制 22AJ4C6J

(向払) lzJD 

J2B 

lo~I

(14)

海上交通情報システム論ーコンビュータ導入へのアプローチー 305 

この計算は,下記の通りとなり,差引すれば同じ項目が相殺されて,運賃 だけが船会社に残ることとなる。

発 代 理 屈 払 A 100 0:¥:¥¥¥:60 一段: ω 1 2 0

)'%着 代 理 屈 払ift.l'l!Jili  t~ B 110000  +"1)  ω ‑.'(51:1¥.6 80 

差 引 本船運賃 (A B)  200 

次に上記の因数をくくってみよう。

(22A 142

: C

6O 

[;f空1P円1?00?(

一 →

ID+B=y

│ ト

A針一+叶B=X20 

(元払)

UA

n u  

1hV 札

器 削

I J E r J   V

︑ ︑ ︐ ︐ ︐ ︐

fA it4

‑EJ ﹂ 伯

J'

at

︑ ︑

この計算は,下記の通りとなり,同じ項目が相殺されて,運賃だけが船会 社に残る。

発 代 理 屈 払 X200 lD¥凶 ‑Y:::::):4P  120  ()'

着 代 理 屈 払 1 ¥:ω̲:(1] 80  差 引 本船運賃 (X) 200 

(15)

次に(吋'の因数の合計値を利用すると,次のようになる。

発代理屈 c ‑ y  Z

Yト一一べc [

( 発 代 理 屈 払 120 

げ { 着 代 理 屈 払 Z' 80 

│ 合 計 本 船 運 賃 200 

上記の経過は, (イ)が次のように圧縮されたことになる。

()

立 替 金 (発)元払継配料 ()

11  (ぉ)着払附帯費 立替金(光)元払継配料

貨物運賃(発)元払運賃

く> 抗 ) 着 払 金 。 │ 貨 物 運 賃 運 開 始i

r9  11  (到着払運賃 貨 物 運 賃 合 計 運 賃 立 替 金 (発)向払附帯 î~ 立 替 金 ( 党 ) 向 払 金

11  着 請 求 継 配 料 11  (桁)詰求継配料

r9 

ここまでで,はっきりいえることは,付の方法によって訂正を含まない原 計算を以てすれば,立替金の4項目は相殺されてゼロとなることは明白なの

貨物運賃 運賃計算金(未収金)

上記のようになって,前に述べた運賃と未収額との聞の扶雑物を排除した ことになる。挟雑物を排除すること,即ち運賃計算金を使って,原計算を如

(16)

海上交通情報システム論ーコンビュータ導入へのアプローチー 307 

何にうまく計算の根幹に据えるかということが審査実務の要締である。

つまり i元払継配料Ji向払附帯費Ji着払附帯費Ji請求継配料」の4 目は,計算過程に於ては必要なものであるが,一旦運賃計算金を算出したあ とは未収金の中に埋没させて然るべきものであり,経理振替に至るまで登場 させているのはナンセンスということになる。

きて,最後に貨物運賃並ぴにそれに附帯する諸掛りの訂正を如何に料理す るかの問題となる。前にも述べたように,荷主に運賃請求して後に判明する 間違いもあって,訂正が前月又は前々月分ということもある。しかし経理上,

月次決算を後になってやり直すことはまず不可能と考えなければならない。

統計もまたそうである。次々に修正されてくる数字を何回も何回も月次統計 を作り直すことはできない。だとすれば,聞き直って,訂正される数字を当 月分と見倣してしまうことである。

さて,運賃計算金の原計算を以てすれば,挟雑物はゼロとすることができ ることは述べた通りであるが,この原計算を貨物計算の原則として据えて,

訂正の計算もその原則の中に引きずり込んでしまう方法を考えてみよう。

原計算による代理屈側の支払計算,同時に船会社の未収計算は,数字が間 違っていても,間違ったままで発庖・着庖・審査(船会社)が一旦計算を行

(2) 

うことである。つまり通運交計でいう絶対払を援用する考え方である。

までくれば,私の結論は訂正の計算も

発(庖)・着(山)・審査(船会社)・同時・同一資料の原則

lTくということになる。

ここで必要と考えられる条件の第1Lt,発着両港代理屈が同じ日,又は同

(ti: 3 

じ次航で確実に計算するフォームであることである。そのためには,計算訂 正日を原計算の日に遡って行うことなし訂正通知書発行日以後の一定日を 指定することにある。条件の第2は,原計算と訂正高との差引過不足が明確 であるべきことである。国鉄の荷物運賃訂正通知書をみても,何から何を差 11,、たものを「過」とし「不足」とするのかわからない。説明文なしに実施

(17)

すれば代理屈により,これを正反対に書くことが必ず発生する。このため記 載するに誤解を生じないフォームが必要である。又、統計にも関連するトン 数も記入させる必要がある。条件の第3は,発着両港代理屈から審査宛に訂 正計算してくる計算書の内容を確実にチェックできるフォームであることで ある。そのためには両港代理屈からの審査用書類に,複写された同一資料が 添付される必要があろう。

上記の3条件を具備すれば,船会社はそれぞれ独自のフォームを作成して よいわけであるが,私案は措き,おおよそ,発庖控用,発庖経理を通じ送付 する船会社審査用,着庖計算用及び着庖経理を通じ送付する船会社審査用,

この4片制を以て完全となるであろう。

このような合理化を行い,これ以上の合理化・簡素化はないというところ まできて,はじめてソロパン・電卓に代るコンビュータ導入という新たな段 階に達するのである。

(1)会計単位としての航海(TheVoyage as the  Accounting Unit) 

海運は,その初期から今日まてVいわゆる投機基準(Venturebasis)に基づいて 運航を説明することが慣習となっている このために一周航海がその単位となっ た。一周航海とは通常特定港湾から同じ港湾に帰還する航海をさし,慣習上本国 向け貨物の荷揚げで終了する。したがって新航海は次の航海の積荷の開始ととも に始まる。実際上普通は航海の終了は復港完了日の夜中 (midnightof  the  day)  とみなされる。初期の船舶所有権が64分割されていると思われていた時には一次 航海と二次航海とでは所有権の変動があったらしい。船舶共有の現在では所有権 変動はほとんど起こらないが,その航海は続けて利j聞を明細に報告するために,

つごうのいい論理的単位を基準とするに至ったQ かくして収入報告はその会計期 間中に完了した航海の運航利潤と損失のみを包含することになる。ただし減価償 却・利子・間接費はその報告期日の結果として生ずる。したがって,その期日に 完了しなかった運航収入,または費用を助成することは承認されない。 r海運補 助政策論」麻生平八郎著 白桃書房干IJP.54

(2) 絶 対 払

「交計の処理方式は,交計(加盟)屈は交計請求書と取戻請求書を使用し,交

(18)

海上交通情報システム論ーコンビュータ導入へのアブローチー 309 

計会社は交計通知書にそれらの書類を添付して請求先の交計(加盟)屈に送付請求 する。その場合,請求を受けた交計(加盟)屈は,受取った書類の中味に間違った

ものがあっても交計通知書に対して「当該計算期に於て」は異議を述べることが できない。これを絶対払という。間違って到達した請求は,次期の計算で取戻請 求書によって請求し,交計会社を通じて取戻請求を受けた交計屈は,同じく絶対 払によって支払わなければならない。そのようにして交計は成立っているり 拙稿「営業計算研究JP. 57 

(3) 次 航

1と同じ趣旨のもので次航とは,始発港を発航して帰港入港までの定期ー 航海をいい,次航数は,船社と海運代理屈との計算・入金単位を船社事業年度に 合わせた定期航海)1111位である」拙稿「研修資料JNo. i次航の定義」による。

4.  システム論的考察

事務合理化の過程を,直列型・並列型によって考察してみよう。次の数字 は,前項II‑3のものであるが,この例数字によって区間運賃Xなどの集計 と,未収金ZZなどの集計を行なってみる。

200 60 ‑ 140 120 

1次計算

Y ω ‑C 60  Z. 80 

/¥ 

2次計算 II運 賃 統 計 未 収 金 合 計 │

上図は下記の一覧表数字を,単純な数字を以て簡単に表現したものといって よいが, もう一度下記数字をみてみよう。

(19)

本 船 運 賃元 払 継 配 料rilJ払 金/.1'  本 船 運 賃元 払 継 配 料向 払 金 i 本 船 述元 払 継 配 料向 払 金 ;n 本 船 運 賃元 払向 払 金ζ1l*主配料 運 賃 計 算 金(未収金)

¥ ¥ ¥  

700  600  1.300 

i 200  100  300  1050  800  700  1500 

500 

400  900 

B 80  70  150  890 

600  500  1100 

400  300 

[¥ 

700 

; 70  60  130  960 

500  400  900 

900  1.000  1000  2900

2.900

合 計 150  260  170  580 

1100  1200  1200  3500  一一一'‑‑

4 1300  300 

λ

・ 止

UU

f A 5  

J 

't

 

t品 有j

~,H(fl車両己料着払金\ 1050 

150十 1 .100 Ai巷の運賃計算金は/本船~m 厄 払 継 配 料

この表の中の数字は,各区間の全項目の数字と,それぞれの縦と横の合計 を手作業で記入したものである。ところがII‑2のコンビュータの並列型は この一覧表の中て¥縦と横の合計を除くもの(次の太枠の中)を入力して,

! ¥j¥

i i i 口.  本 船 運 賃 本 船 運 賃 本 船 運 賃 本 船 運 賃

運 賃 計 算 金 元 払 継 配 料 元 払 継 配 料 元 払 継 配 料 元 払 継 配 料

(未収金)

向 払 金 向 払 金 向 払 金 向 払 金

J ¥ ¥  

700  600  1300 

A 200  100  300  1050 

800  700  1500  500  ¥ ¥  400  900 

i 80  70  150  890 

600  500  1100  400  300 

l¥ 

700 

C 70  60  130  960 

500  400  900 

900  1000  1000  2900

¥ 2.900 合 計 150  260  170  580 

1100  1200  1200  3500 

(20)

海上交通情報システム論 コンビュータ導入へのアプローチー 311 

各種の数字を出力するものである。

つまり,一覧表の全体Aは各区間の数字Bと,縦と横の合計部分Cの合計 である。コンビュータ入力はBであって,その出力はA (B+C)となる。

これに対し手作業では,手作業B+ 作業CがAとなる。

ところてV この BとCはどのような性 質のものであろうか。上記一覧表のC 運賃計算金即ち各港未収金の額であって,

未収金に限っていえば,区間各項目 Bの 部分はCを算出するための基礎データである。ところが,統計としての区間 運賃に限っていえば B3項目の中に運賃部分がある。従って,大まかに Bは運賃部分 Cは未収金部分と考えてよい。そしてBの部分は,区間運n

と未収金要素を併せもつものである。もう少し圧縮していえば,未収金要素 の中に運賃項目を含んでいるので Bは運賃計算金要素ということになる。

そして Cは運賃統計の合計部分Cと未収金の部分C"を含んでいる。

手作業引さ/み合計運賃 C'  B

f¥ 1未収金算出 C"

こう考えてくれば,いろいろな角度か ら論じてきた結論は,下記の形に要約さ れることになる。

これは, コンビュータ入力の形(下記) と極めて似た形となっている。

γ〈 : 収 金

と極めて似た形となっている。つまり, II  ‑ 3の(ロ)'付'の考え方で一覧表 式に事務合理化してきた貨物計算のこの方法は,準並列放射型と称してよい

もので、ある。

参照

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