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論文内 容の要 旨

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Academic year: 2021

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全文

(1)

氏名・(本 籍)

学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

長谷 川     茂

工  学  博  士

工博甲第  24  号 昭和60年 3 月27日 学位規則第5条第1項該当

(静岡県)

電子科学研究科 電子材料科学専攻

改良微分光電流法によるショットキーフォトダイオード 中の吸収係数と拡散長の測定

(蓑貝毒)萩野 賓

教 授 助川 徳三  教 授 宇野 正美 教 授 水晶 静夫  教 授 藤安  洋 助教授 田中  昭

論文内 容の要 旨

光半導体デバイスを設計・製作および特性評価する上で,デバイスを構成する半導体の光吸収係 数および少数キャリア拡散長を精密に測定することが必要不可欠である。特に,半導体結晶を素子 に加工する過程においてその素材の性質が変化することがあるので,これらパラメータは素子状態 にした後での値が重要である。さらにフォトダイオrド等では逆バイアスされた空乏層領域で主に 光が吸収されるので,素子が動作状態にあるときの値が重要となる。吸収係数や拡散長を求めるた め従来から様々な測定方法が用いられてきた。しかし,いずれの方法も上述したような測定値を得 ることができなかった。微分光電流法(DifferentialPhotocurrent method,DPC法)は,フォト ダイオrドそのものに対しこれら二つの値を同時に測定できるため有効な測定方法である。本研究 は,このDPC法を用いてGaAsP混晶ショットキrバリアフォトダイオrド中の光吸収係数およ び少数キャリア拡散長を精密に測定することを目的としている。高精度測定を実現するため具体的 には,(1)光電流の厳密な解析をおこない,DPC法の測定原理を検討した。また,(2)測定回路を改 良した。

まず,従来のDPC法は理想的なショットキrフォトダイオrドに対してその測定原理を展開し ている。しかし実際に製作したショットキrダイオrドにおいて,その金属一半導体界面に数A〜

数+A程度の界面介在層が存在することが知られている。またこの介在層と半導体との間に界面準 位が形成されキャリアに対する表面再結合の効果として作用する。さらに表面における電子放出効 果も無視できない。そこで本研究では,これらの効果を考慮した実際のショットキーフォトダイオ rドに流れる光電流を解析より求めた。そして,得られた光電流の式をDPC法の測定原理に適用

一 53 −

(2)

した。こり結果,この場合でも光電流左対微分光電流』も/dWおよびln(』ん/』Ⅳ)対空乏層 幅lVの関係が直線となることが分った。従って,光吸収係数はln(』〃』Ⅵつ対Ⅳプロットの傾き より求めることができる。また,空乏層からの寄与分が零となる光電流および微分光電流の外挿値 の比,つまり1引瞑。ル蟻/』ⅣlW二。の値が従来ではそのまま拡散長であるとしていたが,今回の 解析の結果光吸収係数や介在層・表面再結合速度などの影響を含んだ見掛け上の少数キャリア拡散 長上p*となる。しかし,DPC法から求めた吸収係数αの値用いた1/⊥p*対αプロットと光電流 左の逆バイアス電圧依存性に対して解析より求めた各々の関係の理論式とのフィッティ ングをす

ることにより真の少数キャリア拡散長上pを求めることができることが分った。以上のように実際 のショットキrフォトダイオrドに対してもDPC法が使えることが明らかとなった。

次に高精度測定のため測定回路の改良をおこなった。DPC法では光電流と微分光電流を測定す るのに二周波相互変調法を応用している。すなわち,周波数上で変調した光を試料に入射し,同 時に空乏層幅を周波数美で変調すると試料内部で相互変調された光電流が発生する。この内で周 波数ム成分が光電流に相当し,周波数夫 と美の差周波数成分の信号が微分光電流に対応する

ものである。従来のDPC法基本測定回路ではこれらの電流信号をまず演算増幅器に入力し増幅し ていた。しかし,この増幅器に存在する非直線性のため周波数右,ノ;の差周波数成分が新たに発 生してしまい微分光電流信号に対する誤差となっていた。また従来の測定回路では,(1)空乏層幅の 微小変化分』Ⅵ′がⅣの拡がりと共に小さくなり,dlVの同一の割合に対する微分光電流を測定 できず感度が悪くなった。(2)空乏層幅Ⅳを直接測定することができなかったのでレコrダ上に得ら れる結果が逆/ミイアス電圧に対する光電流および微分光電流であり,測定原理どおりの関係ではな かった。本研究では,試料直後に非直線性の非常に少ない受動素子(LC)で構成した分波器を設 けて光電流信号と微分光電流信号を分離した。この結果,微分光電流成分に対するSN比が従来の 回路に比べて10〜100倍改善され測定精度が向上した。また,帰還法を応用して,空乏層幅に比例 した信号を取り出すことができ同時にdWを常に一定とする回路を製作し測定装置に組み込ん だ。この結果微分光電流測定のダイナミックレンジの拡大ができ,且つ測定原理から必要な直線関 係の直接測定を可能にした。

以上のごとく測定原理を拡張し,測定回路を改良した微分光電流法を用いて,実際に種々の混晶 組成をもつGaAsPショットキTフォトダイオrドの光吸収係数および少数キャリア拡散長を測定 した。光吸収係数はフォトダイオrドとして重要な基礎吸収端近傍の値が求められ,吸収端が試料 の禁制帯幅とよく対応していた。また本測定で得られる吸収係数の値はキャリア数が少ない,電界 が存在する空乏層領域での値であることが分った。さらに,吸収スペクトルに対する理論的検討に おいても充分満足すべきものであり精度よく測定できた。少数キャリア拡散長測定においては,従 来の測定法では得ることができなかったフォトダイオードにおける界面状態の影響を排除した真の 少数キャリア拡散長が求められた。また,このとき同時にフォトダイオrドの他の物性定数も絶対 的な評価ではないが見積もることができた。

以上,本研究の結果高精度測定を実現するため改良した微分光電流法を用いて,実際のショット キーフォトダイオードの光吸収係数および真の少数キャリア拡散長が精密に測定できるようになっ た。

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