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論文審査の結果の要旨

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Academic year: 2021

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論文審査の結果の要旨

氏名:中村美和子

博士の専攻分野の名称:博士(生物資源科学)

論文題目:人口減少時代の郊外住宅地における低炭素型居住とまちづくりに関する研究

審査委員:(主査) 教授 栗原 伸治

(副査) 教授 堀江 教授 大澤 啓志 特任教授 糸長 浩司

現在、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(以下CO2)排出量を抑制する低炭素型社会の推進が議論さ れている。一方、2008年から減少しはじめた日本の人口は、2050年には現在の約77%に、うち老年人口が 4割、年少人口が1割弱になると推計され、かつてない少子高齢社会となることが予測されている。ま た、戦後の高度経済成長期以降、大都市周縁に開発された郊外住宅地では、現在、空き家化、独居老人の 増加などが問題となりはじめている。

以上のような日本の抱える人口減少による地域社会衰退問題と低炭素型社会構築という課題に対して、

本論文では、おもに建築学の郊外住宅地研究の視点から、具体的な事例地における低炭素型居住環境およ びまちづくりの将来課題を明らかにし、さらに住民・行政・専門家による協働のワークショップ実施によ り、これらの課題の解決に向けた方策を提案している。つまり、衰退のすすむ郊外住宅地において、実際 に行政や市民と町の未来について対話をして、居住者の生活や意向を知るなど、現実にもとづく解決とま ちづくりのシナリオを提案している。このような統合的な視点と方法こそが本論文の独自性といえ、また それらを具体的に示していることに本論文の意義がある。

具体的には、本論文の背景・目的、方法・構成、既往研究の検討、独自性、用語の定義等について記述 した1章にひきつづき、まず2章では、日本における1970年代から今日までの低炭素型住宅設計手法の変 遷を政策との関係から明らかにし、低炭素型居住環境とまちづくりの必要性を明確にした。つづいて3章 と4章では、人口減少のすすむ郊外住宅地として典型的な茨城県土浦市の町を選定し、ケーススタディを 実施した。3章では、少子高齢化対策と低炭素住宅地づくりについての課題をシミュレーションによって 明確にし、今後の郊外住宅地での低炭素型居住環境やまちづくりの課題を具体的に示した。4章では、行 政、住民、専門家の協働による低炭素型将来像の構築とそのためのロードマップづくりを、バックキャス ティング手法により実際に実施した。そのうえで、5章では、これまでの成果を集約した低炭素型居住と まちづくりのシナリオ提案を行った。最後の6章では、本論文の総括をした。

以上のような本論文で示された知見およびシナリオは、人口減少問題対策と低炭素型社会構築への転換 の両義性をもつ郊外住宅地における住宅環境政策、まちづくり施策に資するものとして評価でき、また今 後、同様の動きが予想されるまちにおいても応用できるものと期待できる。よって、本論文は学術上、応 用上貢献するところが大きく、博士(生物資源科学)の学位を授与されるに値するものと認められる。

以 上 平成30年 2月 21

参照

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