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広島工業大学

2015 年度 卒業論文

ル・コルビュジエの「建築的プロムナード」における

空間体験について

―スロープのある住宅作品を対象として―

環境学部環境デザイン学科 河田智成 研究室 C112005 今村凌 指導教員記入欄 担当教員 河田智成 印

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目次 第1章 序章 1-1. 研究対象・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 1-2. 研究背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 1-3. 既往研究・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 1-4. 研究の目的と方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 第 2 章 ル・コルビュジエと代表作品について 2-1.ル・コルビュジエについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 2-2.代表作品について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 第3章 スロープのある住宅作品の分析 3-1.オートイユの住宅(1922 年 フランス)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15 3-2. ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸(1923 年 フランス)・・・・・・・・・・・・・・15 3-3.メイヤー邸(1925 年 フランス) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16 3-4.サヴォア邸(1928 年 フランス)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17 3-5.エラズリス邸(1930 年 チリ) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17 3-6. ジャウル氏の週末住宅(1937 年)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 3-7.クラーク邸(1938 年) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 3-8.クルチェット邸(1949 年 アルゼンチン)・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 3-9. チマンバイ邸(1951 年 インド) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 3-10. ハッスィシング邸(1951 年 インド) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 3-11. ショーダン邸(1951 年 インド)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 第 4 章 比較と考察 4-1.スロープの空間構成についての考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 4-2.場面の連続性 について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25 4-3 メイヤー邸計画案について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27 第 5 章 結論 5-1.まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31 5-2.問題と展望・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32 注・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33

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図版出典・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34 謝辞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35

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1 第1章

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2 1-1.研究対象 研究対象は建築家ル・コルビュジエの住宅作品、その中でも内部にスロープがある以下 の 11 作品とする。 表 1 研究対象の 11 作品 オートイユの住宅 1922 年 パリ(フランス) ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸 1923 年 パリ(フランス) メイエル邸 1925 年 ヌィイー・シュル・セーヌ(フランス) サヴォア邸 1928 年 ポワッシー(フランス) エラズリス邸 1930 年 チリ ジャウル氏の週末住宅 1937 年 敷地未確定 クラーク邸 1938 年 敷地未確定 クルチェット邸 1949 年 ラ・プラタ(アルゼンチン) チマンバイ邸 1951 年 アーメダバード(インド) ハッスィシング邸 1951 年 アーメダバード(インド) ショーダン邸 1956 年 アーメダバード(インド) 1-2.研究背景 本研究はモダニズム建築の礎を築いた近代建築の巨匠、ル・コルビュジエの「建築的プ ロムナード(Promenade Architectural)」に着目する。「建築的プロムナード」は建築空 間にいる人間の目に映る景観の連続性を主題としている。コルビュジエの住宅作品を研究 することで、建築体験の全体性に目を向ける機会となるだろう。 コルビュジエは作品や著作や行動を通して、おそらく誰よりも抜きんでていて、20 世紀 の建築のわれわれの時代の都市生活に関する考え方を力強く特徴づけた。そして建築家や 都市計画家のなかに、生存と幸福の「自然の条件」を社会に確保する責務を持つ人間を見 ていた。人間を自然に結びつける場所が本質的であると考えて、コルビュジエは「機械主 義の社会的状況」において、生態学的均衡をめざし、オプティミズムの下に生きた。近年 の住宅では効率性、合理性が重視される傾向にあり、特に商品化された住宅では建築体験 が制約される。豊かな空間をつくるために、コルビュジエの建築作品を見直すことは意味 があるだろう。 1-3.既往研究 ル・コルビュジエの「建築的プロムナード」ついての既往研究としては主に以下のもの がある。 ・有谷 友孝・田中 智之 「建築的プロムナード構成論」 2013 年度日本建築学会大会 学 術講演梗概集 2013(建築歴史・意匠), 83-84, 2013-08-30 上記の研究では建築的プロムナードを考えられるすべてのルートを分析している点が本研 究とは異なる点であり、本研究はスロープを中心に置いて考えている。 ・石橋 彩子・千代 章一郎 「ル・コルビュジエのシュタイン=ドゥ・モンツィ邸(ヴィラ・ レ・テラス)における「建築的プロムナード」の変容」 日本建築学会中国支部研究報告集

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3 26, 1029-1032, 2003-03-15 上記の研究ではシュタイン=ドゥ・モンツィ邸を対象に建築的プロムナードの変容をみて いるが、本研究ではスロープのある住宅を対象にしている点が異なる。 ・山田 裕紀・千代 章一郎 「ル・コルビュジエの「建築的プロムナード」の理念形成」(歴 史・意匠) 日本建築学会中国支部研究報告集 26, 1025-1028, 2003-03-15 上記の研究では研究対象が 1920 年代にル・コルビュジエ自身によって記された、『建築を めざして vers une architecture』 他 4 冊となっており、この点が本研究と異なる。

・山田 裕紀・千代 章一郎 「ル・コルビュジエの「建築的プロムナード」の成立に関す る一考察 : ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸の制作を通して」 日本建築学会近畿支部研究報 告集 961-964, 2002-05-24 上記の研究はラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸における建築的プロムナードの成立の研究であ り、本研究とはスロープのある住宅を対象にしている点が異なる。 ・山田 裕紀・千代 章一郎 「ル・コルビュジエのラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸の制作にお ける「建築的プロムナード」の景観生成」 日本建築学会中国支部研究報告集 25, 1049-1052, 2002-03-17 上記の研究はラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸の景観生成に重点を置いている点が、本研究と は異なる。 以上の論文からは、研究を進める上で示唆を受けた。その中で本研究に近いものとして 有谷 友孝・田中 智之の「建築的プロムナード構成論」がある。複数の作品から「建築的 プロムナード」を分析している点が本研究と同じである。また山田 裕紀・千代 章一郎の 「ル・コルビュジエの「建築的プロムナード」の理念形成」ではコルビュジエの初期から 後期までの変遷をみている点が同じである。ただし、この二つを含め既往研究と大きく違 うところは作品数であり、数多くの作品を分析することで建築体験の全体性を追求する機 会となると考えている。 なお、コルビュジエの「建築的プロムナード」に関する書籍については以下のものがあ る。 ・岸辺省吾編 『建築の「かたち」と「デザイン」』 鹿島出版会 2009 年。 ・富永譲 『ル・コルビュジエ 建築の詩 12 の住宅の空間構成』 鹿島出版会 2003 年。 ・『Le Corbusier : Complete Works (Oeuvre Complete)』Birkhauser 1995年。

1-4.研究の目的と方法 本研究は「建築的プロムナード」の重要要素であり、上下運動と水平運動が同時に行わ れる“スロープ”に注目し、スロープのある全住宅作品を対象として建築体験の諸相を明 らかにするものである。よってコルビュジエのスロープのある住宅、11 作品を対象に研究 する。スロープを中心に動線、視線、開口、内と外の関係など「建築的プロムナード」の 構成要素を平面図、断面図、外観図等から抽出し分析する。作品ごとにスロープを中心に

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動線、視線などを追っていき、「建築的プロムナード」とは何か探っていく。特にメイヤー 邸計画案の 7 枚のパースは本研究の対象、「建築的プロムナード」において重要なものと考 え、分析する。11 作品を建築の形態、年代など分析し比較することで、コルビジュエの考 えていた建築体験とは何か考察する。なお、対象資料は『Le Corbusier : Complete Works (Oeuvre Complete)』(Birkhauser 1995年)とし、図面や写真を参考にした。

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5 第2章

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6 図 1 ル・コルビュジエ 2-1.ル・コルビュジエとその代表作品について 1887 年、スイス、ラ・ショード・フォンで生まれる。 1901 年、コルビュジエが 14 歳の時、その町の美術学校 に入学する。1906 年、前年の住宅処女作が契機となっ て、イタリア旅行にいく。ここで初めて明るい太陽の光 の下、地中海の蒼空にはえる、白い化粧漆食いの造形的 フォルムに接した。二年後の 19 歳にはパリにいく。「コ ンクリートの父」オーギュスト・ペレ―の下で 15 ヶ月 間働く。さらに二年後、23 歳には母校のドイツ留学資 格を得て、ベルリンでペーター・ベーレンスの下で働く。 ベーレンス事務所には、その時ミース・ファン・デル・ ローエ(24 歳)、グロピウス(27 歳)が学んでいた。こ の留学は装飾芸術であったが、彼が得たものはすべての 疑似的装飾意匠を否定する機械と工学の美学であった。 1914 年、ドミノ住宅の計画案、鉄筋コンクリートの柱 と床を原型とした住居の計画をする。この構造体システムは彼の建築方法を決定づけた。 1920 年詩人、ポール・デルメと雑誌「エスプリ・ヌーヴォー」を発刊する。これは以後 3 年間 28 号まで続いた。従弟ピエール・ジャンヌレと共同で建築および都市計画をはじめる。 「300 万人のための現代都市」計画案をサロン・ドートンヌ展に出展する。同時に重要な意 味をもつ建築計画案も発表する。各戸ごとの空中庭園をもつ「ヴィラ集団」やピロティと 水平連続窓をもつシトロアン邸案、そしてヴォークレッソンの別荘とオザンファンのアト リエが実現した。1923 年、エスプリ・ヌーヴォー誌に発表した建築論文をあつめて「一つ の建築へ」を出版する。つづいて「近代絵画」(オザンファンと共著)(1925)「今日の装飾 芸術」(1925)「ユルバニスム」(1925)を出版した。 1924 年、ペサックに彼にとってはじめての労働者集合住宅がつくられ、外装に強烈な色 彩を導入する。パリ・国際装飾芸術展にエスプリ・ヌーヴォー館を設計、出品する。1926 年芸術家の家、ブーローニュ・シュル・セーニュ、クック邸、ギエット邸、救世軍本部(パ リ)などを設計する、このような作品を通じて「新建築の 5 原則」(ピロティ、屋上庭園、 自由な平面、水平連続窓、自由な立面)がつくられた。これはドミノの構造方式を展開し て、新しい建築の造形原理にまで高めたものであった。翌年の 1927 年、ガルシュの住宅を 設計する。黄金分割されたファサードをもつ、コンパクトな住居の原型となる。1929 年、 ムンダネウム計画案。ジュネーブ郊外に国際的な諸組織を集中して都市をつくる提案バベ ルの塔のような渦状ミュゼアムがあらわれる。この年にサヴォア邸を設計する。1930 年、 エラズリス邸、マンドロー婦人の別荘、スイス学生会館などを設計する。1931 年、現代美 術館計画案(パリ)は、渦巻状に成長する美術館であり、建築の成長を形象化したもっと も現実的な提案でありのちにアーメダバードと東京で実現した。1932 年、救世軍本部(パリ)、 チューリッヒのアパート計画、バルセロナの都市計画「プラン・マシア」をつくる。 アルジェの一連の計画では 2 つの重要なデザイン・ボキャブラリーが引き出された。ひ とつはセット・バックする住宅ユニットで、平板上の概念が決定的に崩壊する。もうひと つは「ブリーズ・ソレイユ」である。両者ともアルジェの強烈な太陽のもとで住環境の研 究から引き出されている。CIAM の第 4 会議が開かれ、この会議で「アテネ憲章」が採択さ れ、機能主義的都市計画の理論化が完成する。1937 年、パリ万国博「新時代」館ではステ ィールの張力とキャンバスを組み合わせた仮設展示場やヴィアン・クーチェリのモニュメ ントなどを作成して提示する。ジャウル氏の週末住宅もこの年に建てられた。1942 年建築 の革新についてのデザイナーの集まりである ASCORAL を設立する。1938 年以来のアルジェ の都市計画の研究は続行され、海岸にそびえる巨大な超高層建築案として結実した。

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7 1946 年、1600 人のためのユニテ、マルセイユの実施計画が完了する。1949 年、クルチェ ット邸が建てられる。1954 年、チマンバイ邸、ハッスィシング邸、サラバイ邸、ショーダ ン邸の計画がされる。1958 年、ベルリン・ハウプシュタット都市計画に参加する。輝ける 都市の中から生まれた手法の再現となる。1967 年 8 月 27 日、78 歳、晩夏、キャプ・マル タンの海岸で、コルビュジエの愛した地中海に抱かれて帰らぬ人となった1) 2-2.コルビュジエの代表作品について ・スタイン-ド・モンヅィ邸 スタイン-ド・モンヅィ邸はコルビュジエ的構成が完璧に表現された一例である。対象/ 非対称、均一/多様、古典/絵画、と様々な要素が複雑に絡み合っている。まず目に留まる のが、平面や立面の構造に巧みに用いられている ABABA のリズムである(2 種のスパンを交 互に並べたもの)。次に、庭園の 2 層に設けられたテラスから屋上庭園へと建物全体を貫 き上へ向かって開かれたヴォリュームが印象的である。 居間は東側、ダイニングは南西の門である。寝室階は、東側がスタイン夫妻、西側がガ ブリエル・ド・モンヅィに充てられているが、養女の寝室は特に示されていない。外部階 段が台所までのび、さらに別の外部空間が 2 階居間と屋上テラスをつないでいる。この案 では、台所とド・モンヅィ側が片持ち梁になっており、非対称性が認められる2)。(図 2) ・レマン湖畔の小さな家 両親のために設計した小さな住宅である。竣工して間もなく父がなくなり、その後も母 と兄が住み続けた。コルビュジエの量産型プロジェクトと同様に、この家住宅も平面設計 の作成を優先させるという考えに全面的にもとづいて、敷地の選定より先に図面が引かれ た。敷地を考慮せずに練った基本計画を、特定の条件とうまく融合させられることをコル ビュジエはこのルソーの地で立証した3)。(図 3) ・ギエット邸 画家のルネ・ギエット一家のために設計されたこの住宅は、コルビュジェが 1920 年代初 期洪庵した住宅建築の基本型“シトロアン住宅”の応用力を試す機会となった。シトロア ン住宅の最も注目すべき特徴は、縦長の直方体の形状、大胆にガラスを配置したファサー ド、工業生産による窓、2 層吹抜けの居間を見渡す 2 階、屋上テラスである。この住宅は南 図 2 スタイン-ド・モンヅィ邸 図 3 レマン湖畔の小さな家

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8 図 4 ギエット邸 側の敷地境界線に沿って建てられたので、地上階 に小さな庭用の空間が生まれた。また、シトロア ン住宅の 2 層吹抜けの居間が、ここでは屋上庭園 につながる最上階の絵画アトリエという新たな用 途に割り当てられている。シトロアン住宅とのも うひとつの違いは、上階への動線を大きく変えた ことである。シトロアン住宅では、居間は直進階 段を備えた通路でもあるが、ギエット邸の居間は 階段から隔てられているので、玄関から上層階へ と階段で直接行ける。こうした工夫によって、シ トロアン住宅を特定の敷地、用途、施主のために 都市部で応用するという試みに成功した5)。(図 6) ・サヴォア邸 サヴォア夫妻の週末用の別荘として建てられた。夫妻は都会の生活から逃れ、パリから 1 時間ほどの小さな町、ポワシーの素朴な景観を楽しみたいと考えていた。コルビュジエに よれば夫妻は設計についてまったくの白紙状態だったという。かくしてこの家は近代住宅 に関するコルビュジエの当時の思想をまとめたものとなった。無垢な白いこの箱は近代建 築運動と関連づけられることの多い“機械の美学”を表現しており、建築が柱で持ち上げ られて地上階が車寄せ用に開放されている。家の中心に配されたスロープが建物のさまざ まな部分を分けると同時に、結びつける役割も果たす。住む人が自然光に導かれながら屋 内を進んでいくと、最後に屋上のソラリウムにたどり着き、そこでは見晴らし用の窓が、 建設当時はのどかだった周囲の景観を映し出す。さらに、すべての立面に備えられた水平 連続窓からも、周囲の景観を眺めている。居間はガラスの引戸を抜けて屋上庭園にまで広 がることで、自然の断片を屋内に招き入れ、家に一部にしている。コルビュジエは、この 家こそ自身の建築思想の長きにわたる洗練の過程のたまものと見なし、郊外開発の標準モ デルにしたいと考え、サヴォア邸と同じ形式の住宅を連なる計画を思い描いた4)。(図 4、 5) 図 5 サヴォア邸 図 6 サヴォア邸 管理人の家

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9 図 9 ジャウル邸 ・クルチェット邸 クルチェット邸では、1920 年代に示した近代建築の 5 原則に始まり、ピュリズムの原則、 ブリーズ・ソレイユ、ガラス壁面、建築的プロムナードといったコルビュジエの世界にお ける新旧のあらゆるテーマが、明晰で詩的な空間のなかに息づいている。勇壮なピュリス トの言語を用いた 1920 年代と教義性が少し弱まり、代わりに豊かな経験を増した 1930 年 代という、コルビュジエの活動における 2 つの時期が交差し、生み出されたのがクルチェ ット邸といえる。クルチェット邸に見出されるさまざまな性格のなかでも最も際立ち、ま た複雑に絡み合った 2 つの要素がある。自然の繋がりと、「建築的プロムナード」を通し て得られる空間の詩である。「建築的プロムナード」は建物内における人の動きを制御し、 外の緑へと視線を導く。公園の眺めはブリーズ・ソレイユのコンクリート枠によって注意 深く縁取られ、まるで家が公園と一体化しているようである。コルビュジエの建築を構成 する諸要素―ピロティ、ブリーズ・ソレイユ、スロープ、ガラス壁面、庇、ドア枠―は、 それぞれが相まって素晴らしい建築のシンフォニーを、「純粋なる創造」を奏でている。 ・ジャウル邸 全体は、四角形によって構成されている。これは機能 的な要因から導き出された形態であり、2 棟を結ぶ通路 を中心として狐を描くような配置になっている。さらに、 直交する縦軸と横軸の実で構成された各空間には、外部 から内部、玄関から居間、台所から中庭、といったよう にさまざまな動線が与えられている。この図面からは、 スロープ、2 棟の玄関に通じるテラス 3 つの中庭(B 等 の北側に1つ、南側に2つ)、東側のテラス、そして2 つの居住棟とそれぞれの台所を繋ぐ通路、という要素を 網目のように繋ぎ合わせようとしている意図が読み取 れる6)。(図 7) 図 7 クルチェット邸 図 8 クルチェット邸 内観

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10 図 10 ユニテ・ダビタシオン ・ユニテ・ダビタシオン コルビュジエは 20 数年、「住むための機械」のあら ゆる細部を研究してきた。こうして近代社会に相応し い、新たな都市および住居モデルを探し求め続けた彼 の活動であったが、このユニテ・ダビタシオンを機に、 長い間続けられた住宅と都市に関する理論の提示がや む。すなはち、探求は終わり、発明は成し遂げられた という証である。 さまざまな施設を内包する住居棟は、自然・都市の なかの都市ともいえる、ほとんど自給自足のコミュニ ティーに属している。自宅である住戸を出ると、そこ には生活に必要なあらゆる施設が揃っており、またこ れらの共用施設で隣人同士顔をあわせることで無関心 と匿名性に陥ることなくコミュニティーが活性化され る7)。(図 8) ・国立西洋美術館 東京の国立西洋美術館は、コルビュジエが二重シークエンスというコンセプトを基に設 計した作品である。コルビュジエは、1930 年パリの現代美術センターで原案となる「美術 館タイプ」を初めて具体的な設計案として提示した。それが 1950 年、ポルト・マイヨのパ ヴィリオン計画案へと継承され、最終的にインドのアーメダバードとチャンディガールで の二つの美術館建設に繋がっている。つまり東京のこの作品は遅ればせながらこの「美術 館タイプ」を発展させて展開させた作品といえよう。そしてこの作品はル・コルビュジエ の晩年の大型建築に認められる独特の性質が初めて現れた作品ともいえる8)。(図 9) ・フィリップス館 ベルギー・ブリュッセルで催された 1958 年万国博覧会のため、世界的なオランダ総合電 図 11 国立西洋美術館

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11 図 12 フィリップス館 機メーカー、フィリップス社の依頼でコル ビュジエが設計したフィリップス・パビリ オンは、誰の目にも、この万博の最も傑出 した出典館であった。この建築の未来的な 建築と造形フォルムの卓越したシルエッ トは大胆な展示コンセプトとともに訪観 者に衝撃を与え、想像力を掻き立てさせる ように計算されている9)。(図 10) ・ル・コルビュジエ・センター 1957 年にスイスのチューリッヒで開か れた、ル・コルビュジエの芸術作品を展示 する稀有な展覧会をとおして、ハイディ・ウェバーは、初めてコルビュジエの画家として の才能を発掘するまたとない機会を得た。ウェバーは、展覧会で発掘したものに感激し、 その時から先、コルビュジエが亡くなる 1965 年まで、ル・コルビュジエが最も信頼するパ トロンまた友となっただけでなく、コルビュジエの芸術作品や家具をヨーロッパで独占的 に扱うディーラーにもなったのである。ウェバーは、コルビュジエの芸術作品を公表して いくという大胆な決断を 1960 年に下し、コルビュジエの絵画、彫刻、タペストリー、また デッサン、スケッチ、図面などのドローイング類やエングレーヴィング(彫版)などの作品 群を集め次々と展示して、広く一般に披露する場所となるパヴィリオンの設計を建築家と してのコルビュジエに依頼した。 パヴィリオンの概念については『ル・コルビュジエ全作品集 1957 年-11965 年』のなか に、住居としての展示館というコンセプトが記されていて、コルビュジエ本人は、ハウス・ オヴ・マン(人間の家)という呼び方を好んでいた。 ・ロンシャンの礼拝堂 ロンシャンの礼拝堂に求められた計画内容は、通常は数百人を受け入れ、かつ祝祭日に 図 13 ル・コルビュジエ・センター

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12 は数千人の巡礼者を受け入れるというものであった。特に聖母の祝祭日には、巡礼者は当 時約 1 万人と推定される。 大勢の人々を迎え入れる礼拝堂の壁面は、カーブを描いて立ち上がる。その不規則な形 態の内部には、3 つの小さな空間が設けられている。これらは祭壇を備えた小さな礼拝堂で、 小規模の祭儀や同時進行でミサが行えるように依頼者が希望したものである。これらの小 空間は有機体のように自由な形態、すなわち曲面に包まれている。コルビュジエの建築に おいて、これまで曲面は内部に用いられてきた。しかしこのロンシャン礼拝堂は、曲面が 外部に表れているばかりか、高さにおいても各部位に自由が与えられている。また屋根は ひとまとまりのオブジェとして形をなし、かつ連続性のある仕掛けとして用いられている。 ‘コンクリート製の帆’と言われるこの屋根は、3つの小礼拝堂に特別な高さを与えずと もそれらの存在を際立たせることに成功している10)。(図 11、12) ・ラ・トゥーレット修道院 ラ・トゥーレット修道院は、四角形の篇を成す4翼が枠となり、そこにいくつかの造形 事象が配置されるという形である。平面を見ると、厳格な四角形に沿って、礼拝堂の曲壁 面‘櫛形’のピロティ、螺旋形の外部階段などが曲線をもたらしている。直線に対位する 曲線は、コルビュジエによれば、遠い昔フィディアスがパンテオンの柱頭に描いたカーブ のように自由を表現している。他に、祈祷室のピラミッド屋根、礼拝堂をテラス円錐状の ‘採光砲’、聖具納室をテラス角錐状の‘採光銃’、十字に交わる歩廊、聖具納室や鐘楼 の四角いヴォリューム、などもそれぞれ全体の構成にアクセントを与えている。 外観を見ると、入り口ゲート、中庭立面のコンクリートパネルやガラスパネル、バルコ ニーの手摺りなどといったさまざまな正方形の連なりに対し、ピロティの大きな柱やガラ ス壁面の方立が鉛直方向にリズムを刻んでいる。画家でもあり造形作家でもあるコルビュ ジエは、自身の芸術的手法を最大限に用いつつ、輝く都市の厳格さとロンシャンの自由な 表現をバランスよく両立させた作品をここに創り上げたのである11)。(図 13、14) 図 14 ロンシャン礼拝堂 図 15 ロンシャン礼拝堂 内観

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13 ・サン・ピエール教会 コルビュジエの友人であり、フランスの戦後における復興・都市計画相を務めたウジェ ーヌ・クロディウス=プティは、1953 年にフィルミニ―市長となる。彼はフェルミニー市 を現代的な都市計画の実験場にしようと考え、新たな開発地区の検討をアンドレ・シヴ、 マルセル・ルー、シャルル・デルファントに依頼する。1958 年 9 月 22 日にシヴは早世する が、教会建設の計画は 1960 年初めにコルビュジエに受け継がれる。コルビュジエはその当 時すでに 5 年来進めていたスタジアムと青年文化会館の計画に会うように、採石場跡の窪 地の端に教会を配置する。最初の計画では 600 席の教会堂 50 席の冬用礼拝室、洗礼室、葬 儀用礼拝室、守護聖人の礼拝室、400 席のホールが予定された。カトリック教会は簡素で飾 り気のないものを望んだため、平面は横に広がることなく、小さく凝縮されることになっ た12)。(図 15) 図 16 ラ・トゥーレット修道院 図 17 ラ・トゥーレット修道院 内観 図 18 サン・ピエール教会

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14 第 3 章

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15 3.スロープのある住宅作品の分析 研究対象の作品の解説をしていく。作品の概要は東京大学工学部建築学科 安藤忠雄研 究室編 『ル・コルビュジエの全住宅』(TOTO 出版 2001 年)を参考にした。 3-1.オートイユの住宅(1922 年 フランス) 後述するラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸と同じ地区の敷地であり、層構成は「シトロアン 型住宅」そのままである。平面は敷地に対応して長手方向に開き、直階段は螺旋階段とな って中央に移動している。ラ・ロッシュジャンヌレ邸と共通する所として、スロープの空 間に対する開かれ方がある。 1 階はホールになっており、正面の階段を上り 2 階に上がる。2 階のリビングは 3 階との 吹抜けになっている。2 階、3 階に吹抜けとスロープがあることで内部空間を部屋全体で体 験できるようになっている。4 階はテラスになっており、外に視線がいくようになっている 13)(図 16、17) 3-2.ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸(1923 年 フランス) 白の時代の始まりとも言える作品で、近代絵画のギャラリーにある独身者(ラウル・ラ・ ロッシュ)の住まいと子供のいる家庭(ロッティ・ラーフ、アルベール・ジャンヌレ)の 2戸の住宅である。機能を有機的に隣接させた総合的な構成をもつ。敷地はオートイユ地 区の袋小路で、突き当たりにピロティで宙に浮いたギャラリー、L 字形に折れて住宅部分が ある。2戸は外観では一体だが、内部では1枚の壁ではっきり分かれている注 2 ジャンヌレ邸の吹き抜けやラ・ロッシュ邸のアトリエのスロープは人間の動きに連続性 を生み出しやすくしている。これらの建築的要素の組立てが「建築的プロムナード」を形 成している14)。(図 18、19) 図 20 オートイユの住宅 1 階・2 階平面図 図 19 オートイユの住宅 外観図

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16 3-3.メイヤー邸(1925 年 フランス) メイヤー邸の第二案では「自由な平面」への到達を示すプロジェクトである。「自由な平 面」はドミノ型の自立した構造体の中に自由に要素を配置するもので、壁の中は柱を取り 込む必要が無くなり、柱や煙突や階段は部屋の真ん中に現れる。独立した構造体は建築全 体にリズムを与え、透明な空間感覚を作り出す。この単純な包皮の中に複雑な機構をもつ 建築を、コルビュジエは自動車のようだと考えた。正面左にはスロープのヴォリュームが 示される。断面はシトロアンの構成で外部の吹き抜けを含む直方体ヴォリュームと自由な 平面エントランス側の水平連続窓と庭側の吹き抜けの外部空間はスタイン-ド・モンヅィ 邸に共通する15)。メイヤー邸は、パリ郊外ヌィイー・シュル・セーヌに計画されたが、実 際には建設されなかった。施主に宛てた手紙に書かれた<メイヤー邸計画案>では、居住 空間のイメージが、建築の中の散策に沿った視点の連続的変化が生み出す場面(シーン) を描いた 7 枚の図面の連続(シークエンス)の中で表現されている。(図 20) 図 23 メイヤー邸 1 階・2 階平面図 図 22 ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸 2 階平面図 図 21 ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸 外観

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17 図 24 サヴォア邸 平面図 3-4.サヴォア邸(1928 年 フランス) 四方を森に囲まれた丘に計画された。「シトロアン型住宅」の住むための理念、「ドミノ 型住宅」の構造とシステム、近代建築5原則といったコルビュジエが 1920 年代までに試行、 獲得してきた成果の総合である。地上階からスロープや階段を使い 2 階に上り、2 階のテラ ス、庭園、ホール等を回遊していく、2 階からスロープを使い屋上のソラリウム(日光浴場) にたどり着き、視点を収束する壁の穴を通してセーヌ川流域を眺めるようになっていると いう経路は「建築的プロムナード」をそのまま体現している16)(図 21、22) 3-5.エラズリス邸(1930 年 チリ) 白の時代を終え、ヴァナキュラーな方向を打ち出した住宅である。バタフライ屋根は平 行するスロープに関係づけられている。自然の石を積み上げて水平な土台とし、壁と柱は 石積みの上に左官工事で白く平らに仕上げる。柱と架構に使われる木は複雑な加工をせず 丸太のまま使われる。階数は 1 階のみでスロープを登った先にロフトになっており寝室が ある注 17。オートイユの住宅と同様に、吹抜けとスロープがあることで内部空間を部屋全体 で体験できるようになっている。コルビュジエのこのエラズリス邸はアントニン・レーモ ンドが日本において「夏の家」として建設している17)(図 23、24、25) 図 25 サヴォア邸 外観図

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18 図 27 夏の家 3-6.ジャウル氏の週末住宅(1937 年) 田園に建つ週末住居である。杉丸太の構造にバタフライ屋根が架かる。ほぼ正方形の平 面でピロティがあり、中央にスロープ、螺旋階段がある構成はサヴォア邸と共通する。1 階 のピロティは家事用、2 階はスロープを中心に 2 つの部分に分かれており、それぞれ両親と 4 人の子供部屋である。入口は中央にとられ、スロープで登った先、2 階の正面の一間はテ ラスである。骨組みは間取りと独立していて、仕切り板は外面の規格に従ってモデュール に従う18)。(図 26、27) 図 28 エラズリス邸 透視図 図 26 エラズリス邸 平面図 図 29 ジャウル氏の週末住宅 1 階平面図 図 30 ジャウル氏の週末住宅 2 階平面図

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19 3-7.クラーク邸(1938 年) エラズリス邸の屋根に平行なスロープはこのクラーク邸では折り返して、螺旋状に部屋 が展開する。下からガレージ、玄関、台所、居間、テラス、屋上庭園、寝室と順にプライ バシーが高くなる。部屋の入口はスロープに面してとられ、通常の 1 階 2 階といった概念 はなくなっている19)(図 29、30、31) 3-8.クルチェット邸(1949 年 アルゼンチン) 鉄筋コンクリートの利用によって、ピロティを用い、建物の下をくぐれるようにするこ とで、住居部分と、診察受付室とのちょうどいい配置がえられた。鉄筋コンクリートでは、 おのずからガラス壁面が採用され、ブリーズ・ソレイユを備え、この地の緯度に、方位に 合致してつくられた。その平面と断面とからは本格的な建築的散歩が可能なように、興味 深くしかも面白い眺めがあちらこちらにみられるようスロープがつくられた。自由な平面 が各階に取り入れられ特に寝室の扱いは注目に値するものとなった。20)。(図 32、33) 図 34 クラーク邸 2 階・3 階平面図 図 33 クラーク邸 1 階平面図 図 31 ジャウル氏の週末住宅 外観図 図 32 クラーク邸 断面図

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20 3-9.チマンバイ邸(1951 年 インド) インドの気候に適応した住宅。陰をつくり風を通す、屋根付き屋上庭園とブリーズ・ソ レイユのあるコンクリートの打ち放しの建築である。住宅の中心にスロープがあり階段よ りもスロープで上下階を移動するようになっている。このチマンバイ邸と後述するハッス ィシング邸は実際には建てられていない21)。(図 34) 3-10.ハッスィシング邸(1951 年 インド) アーメダバードの均衡の空地、(木々のある草地)におけるハッスイシング邸である。「チ マンバイ邸」と同時期の同様の計画である。ここでもまた1階が応接のための場とし、そ の上に屋上庭園をつくり風通しの良い、コンクリート傘による日陰のできたところに繋が る独立したこしつを配すると言ったものである。各階がスロープによって結ばれている22) (図 35,36) 図 37 チマンバイ邸 1 階・2 階平面図 図 35 クルチェット邸 1 階・2 階平面図 図 36 クルチェット邸 外観図

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21 3-11.ショーダン邸(1956 年 インド) 後期コルビュジエの総合的住宅。この住宅は前述のハッスィシング邸とは施主が変わり ショーダン邸として実現した。この住宅は「ドミノ」のフレームと「シトロアン」の空間、 インドという国での気候への対処、「クルチェット邸」の複雑な断面構成の総合であり、 後期ル・コルビュジエの「サヴォア邸」ともいえる建築である。1階が特徴的な要素とし ては、中間階と上階へ導くスロープがある。上には屋上庭園があり数層に、3つのアパー トメントが独立していながら接した形で配されている23)。(図 37) 図 38 ハッスイシング邸 1 階平面図 図 39 ハッスイシング邸 2 階・3 階平面図 図 40 ショーダン邸 1 階平面図

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22 第4章

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23 4-1.スロープと空間構成についての考察 スロープを組み込んだ住宅で重要なのは、場面の連続性である。その基となるスロープ の使われ方として、階段的役割、上下の概念を無くす役割、内部空間を拡張させる役割、 外部環境と繋がる役割の4つに分けることができる。これら4つをそれぞれ上下方向、水 平方向、内部環境、外部環境と呼び、記述する。以下にあてはまる住宅とその空間構成に ついて説明する。 4-1-1.上下方向 スロープが上下方向、主に階段的役割をしているのはメイヤー邸、サヴォア邸、ジャウ ル氏の週末住宅、チマンバイ邸、ハッスィシング邸、ショーダン邸である。垂直方向にス ロープを使用する建築の場合、多くが 1 階を玄関ホール、使用人の部屋、駐車場など、2 階 以上が生活空間としていることが多い。2階に生活空間を置くことで下界から隔離され建 築の中で生きるということに集中できるためである。1階の玄関からスロープまでを結ぶ ことによって視線が遮られることなく場面の連続性が生まれる。 例としてメイヤー邸を元に説明する。3 章メイヤー邸計画案でも説明したように、動線と してスロープが多用されている。スロープを使うことにより階段よりも場面の連続性が生 まれやすくなり、廊下よりも立体的に動くことができる。(図 38)以上のことより上下方向 ではスロープを使うことで空間体験ができる。 4-1-2.水平方向 スロープが水平方向に構成されているものは、オートイユの住宅、ラ・ロッシュ=ジャ ンヌレ邸、サヴォア邸、エラズリス邸、クラーク邸、クルチェット邸である。サヴォア邸 は 2 階のテラスから 3 階を結び付け同じ階のような印象を受ける。さらにスロープの先に 水平連続窓を配置されることによって視線、空間、地平等が一体化している。エラズリス 邸は1階のホールからロフトに上がるためにスロープを用いる。2階の個室から空間を 広々と感じる空間構成になっている。クラーク邸ではエラズリス邸の屋根に平行なスロー プはこのクラーク邸では折り返して、螺旋状に部屋が展開する。下からガレージ、玄関、 台所、居間、テラス、屋上庭園、寝室と順にプライバシーが高くなる。このクラーク邸の 特徴はスロープが部屋と部屋をつなぐ役割をしていることであり、ほかの作品よりも顕著 に現れている。中心にスロープがありそこに横並びになるように空間が続いている。これ により通常の 1 階 2 階といった概念はなくなっている。(図 39)クルチェット邸では診療所 図 41 メイヤー邸 断面図

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24 と住宅を繋ぐようにスロープが配置されている。診療所と住宅をスロープで結ぶことによ りこの二つを近すぎず離れすぎない距離におくことが出来る。このようにスロープが水平 方向にあったとしても構成はどれも違うが、スロープが水平方向に廊下のような役割をす ることで意識しない空間体験になる。 4-1-3.内部環境 建築内部にスロープが配置されているものは、オートイユの住宅、ラ・ロッシュ=ジャ ンヌレ邸、サヴォア邸、エラズリス邸、チマンバイ邸、ハッスィシング邸、ショーダン邸 である。建物内部と分類したのは、内部空間を全体に渡って体験できることにある。オー トイユの住宅では2階のリビングで使用されており、リビングから3階の書斎等につなが っている。3階まで吹き抜けにすることにより、空間の連続性が生まれる。ラ・ロッシュ =ジャンヌレ邸ではギャラリー空間にスロープがカーブを描くように作られている。スロ ープを登ったさきにある書斎は天井の採光がトップライトの役割を果たしている。サヴォ ア邸では1,2,3階をスロープが突き抜けていて特に1階の玄関からスロープまでの動 線と2階に上がったときの解放感をスロープにより表現している。エラズリス邸はオート イユも住宅と特に似ていて、一階のホールと2階の寝室、それを結ぶスロープが空間の連 続性を生み出している(図 40)。以上のことより内部と分類した作品は、部屋単位の中にス ロープが組み込まれており、空間からスロープへ、スロープからまた次の空間へと移動す るときに連続性が感じられるようにするように造られている作品とした。 図 42 クラーク邸 1 階・2 階・3 階平面図

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25 4-1-4.外部環境 建物外部と関係を持つのは、ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸、メイヤー邸、サヴォア邸、 ジャウル氏の週末住宅、クラーク邸、クルチェット邸である。ラ・ロッシュ=ジャンヌレ 邸ではギャラリーのスロープと吹き抜け、天井からの採光などが外部との関係を持つよう に造られている。メイヤー邸では計画案の 3 階から 4 階に上がるためにスロープを使い、 屋上庭園にたどり着き、パリ郊外に視線がいくようになっている。サヴォア邸 2 階、3 階の 平面図で、建物内部、建物外部に対し交互の視線をおくるように構成し、外部との境界を 曖昧にし、建築と周辺環境の一体化に繋がる。そして視線の誘導を補助しているのが中央 にあるスロープであり連続的に視線が動くようにしている。ジャウル氏の週末住宅では 1 階から 2 階にスロープで上がり、その先にテラスがあり、外に視線がいくようになってい る。クラーク邸は2階部分にある屋上庭園へスロープを通して行くことができる(図 41)。 クルチェット邸では診療所と住宅をつないでいるスロープが中庭と接しており外の公園も 意識して造られているように思える。以上のことから外部とはスロープと外部空間が何ら かの繋がりをもつことで分類した。 4-2.場面の連続性について 4-1 での上下、水平、内部、外部はそれぞれ組み合わせて使われている。上下と内部で動 線の連続、上下と外部で視線の連続、水平と内部で上下階の連続、水平と外部で空間の連 図 44 サヴォア邸 2 階・3 階平面図 図 43 オートイユの住宅 2 階 リビングルーム

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26 続のように組み合わせられている(図 42)。 上下と内部で組み合わせて使われているのはチマンバイ邸、ハッスイシング邸、ショー ダン邸でありこれらは上下の階段的役割をもつものと内部の内部空間を全体に渡って体験 できることの組み合わせになっており、動線が連続していると考えることができる。 上下と外部で組み合わせて使われているのは主にメイヤー邸であり上下の階段的役割を もつものと外部との境界を曖昧にし、建築と周辺環境の一体化に繋がるものを組み合わせ て使っており、視線が連続していると考えることができる。 水平と内部で組み合わせて使われているのはオートイユの住宅、ラ・ロッシュ=ジャン ヌレ邸、エラズリス邸であり、水平方向に廊下のような役割をすること、内部空間を全体 に渡って体験できることの組み合わせになっており、上下階が連続していると考えること ができる。 水平と外部で組み合わせて使われているのはクラーク邸とクルチェット邸であり、水平 方向に廊下のような役割をすること、外部の外部との境界を曖昧にし、建築と周辺環境の 一体化に繋がるものを組み合わせて使っており、空間の連続として考えることができる。 (図 43) 図 45 場面の連続性 図 46 場面の連続性と各住宅の関係

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27 図 43 から分かることは、1920 年代の水平と内部を組み合わせたオートイユの住宅、ラ・ ロッシュ=ジャンヌレ邸、上下外部を組み合わせたメイヤー邸でスロープによる場面の連 続性を試みていて、その後、上下、水平、内部、外部の 4 つ全てを含ませたサヴォア邸を 造ったと考えられる。白の時代の後、エラズリス邸、クラーク邸、ジャウル氏の週末住宅 のような木造住宅でもスロープを使い空間構成を試みている。その後もクルチェット邸で 水平と外部を組み合わせた空間の連続、チマンバイ邸、ハッスィシング邸、ショーダン邸 などで動線の連続における空間体験の全体性を追求していったと考えられる。 4-3.メイヤー邸計画案について メイヤー邸は、パリ郊外ヌィイー・シュル・セーヌに計画されたが、実際には建設され なかった。施主に宛てた手紙に書かれた<メイヤー邸計画案>では、居住空間のイメージ が、建築の中の散策に沿った視点の連続的変化が生み出す場面(シーン)を描いた 7 枚の 図面の連続(シークエンス)の中で表現されている(図5)。これを『建築の「かたち」と 「デザイン」』(2009 年 鹿島出版)の 5 章建築的散策(富永譲)から引用し、図と照らし 合わせながら説明する。 「1 は地上階の玄関であり左にスロープが見える。(図 44、45) 2 はそのまま視点は垂直に、床を抜いて二階に移動し、広角で二階の広間の家具類と、右手 に実際には見えるはずもない食堂が描きとられている。食堂の奥からは光が人を誘う。こ の住宅を動きまわるときの生起する現象が図上に示唆されている。3 は正反対に回り、切り 返して今いた 2 の視点のほうを見返している。左側は庭に解放されたその上半分は壁にな っていって部屋としての落ち着きを醸し出し、三階の寝室のギャラリーが上部に跳ね出し ている。4 は 3 の視点から対角方向に歩みを進め、屋根が囲われた庭に出て、隣地への通路 のブリッジを見ている。(図 46,47) 図 47 メイヤー邸 1 階平面図 図 48 メイヤー邸計画案1

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28 5 は一転して三階の寝室が超広角で手前のスロープを壁の向こうを取り払って描かれてい る。(図 48、49) 6 は屋上に登り、手前に日除けテントが架かる向こうに外気が開けた庭園があり、7 はそこ で展開される静かな生活、軽快な椅子と果物やティーポットの置かれたガーデンテーブル の向こうに、枠取られた樹木に覆われたパリの風景が見晴らせる24)(図 50、51)とある。 図 53 メイヤー邸 4 階平面図 図 54 メイヤー邸計画案 6,7 図 49 メイヤー邸 2 階平面図 図 50 メイヤー邸計画案 2、3,4 図 51 メイヤー邸 3 階平面図 図 52 メイヤー邸計画案 5

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29 このようにコルビュジエは七枚の図と解説で建築の中を歩くイメージを造ろうとしていたこ とが分かる。コルビュジエは場面の連続性を表現する手段としてパースを多用している。ラ・ロ ッシュ=ジャンヌレ邸で初めて語られた「建築的プロムナード」をメイヤー邸でパース(場面) とプロムナード(連続)として表現したかったのではないかと考えられる。メイヤー邸のように わかり易く描かれているものは少ないが、他の作品にも平面図や、断面図から「建築的プロムナ ード」的観点で観ることができる。

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30 第 5 章

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31 図 55 メイヤー邸計画案 7 枚のパース 5-1.まとめ 「建築的プロムナード」はコルビュジエが空間の現象を運動と時間が形成するものとし て思考し始めたことから生まれた。つまり物(建築)に人が関わることで運動と時間が発 生し空間をつくるということである。本研究は、コルビュジエの言う運動とはコルビュジ エ住宅のスロープと深く関わっていると考えた所からなる。 第 1 章では研究対象のコルビュジエの住宅建築の中でも住宅の内部にスロープがある 11 作品を対象とし、この研究をするにあったての研究背景を述べた。そして既往研究との相 違点、本研究の意義を示した。 第 2 章ではコルビュジエの生涯、彼の代表作品の概説をした。 第 3 章では、建築内部にスロープがあるオートイユの住宅、ラ・ロッシュ=ジャンヌレ 邸、メイヤー邸、サヴォア邸、エラズリス邸、ジャウル氏の週末住宅、クラーク邸、クル チェット邸、チマンバイ邸、ハッスイシング邸、ショーダン邸を年代順に説明し、スロー プがそれぞれの建築において、どのように使われるか、東京大学工学部建築学科 安藤忠 雄研究室編 『ル・コルビュジエの全住宅』(TOTO 出版、2001 年)を参考にし、説明した。 第 4 章では 3 章での住宅のスロープの影響 する範囲は、上下方向、水平方向、建物内部、 建物外部の 4 つに分けることが出来ると考 えた。これら 4 つのなかに作品を分類し(複 数ある作品もある)さらに上下と内部で動線 の連続、上下と外部で視線の連続、水平と内 部で上下階の連続、水平と外部で空間の連続 のように組み合わせられていると考えた。こ れらも同じように分類し、各建築がどのよう に空間体験出来るのか、マトリクス的に図に 表し、以下のように考察した。 1920 年代のラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸、 やメイヤー邸などでスロープを住宅に組み 込みスロープによる場面の連続性を試みて いる。メイヤー邸においては 7 枚のパースで 「建築的プロムナード」を表現している。そ の後、上下水平内部外部の4つすべてを含ま せたサヴォア邸で建築的プロムナードの概 念が完成したと考えられる。白の時代の後、 木造住宅のエラズリス邸やクラーク邸やイ ンドのショーダン邸など様々な条件での空 間体験を追求していったと考えられる。 4 章ではさらに「建築的プロムナード」 のイメージ図であるメイヤー邸の計画案 の 7 枚のパース(図 52)を『建築の「かたち」と「デザイン」』(2009 年 鹿島出版)の 5 章 建築的散策(富永譲)から引用し説明した。このパースは 1 から 7 までの数字が降られた パースの順に平面図とともに追いかけていくと非常にスムーズに平面図上を歩くことがで きる。コルビュジエのイメージした「建築的プロムナード」を誰が見てもイメージできる ようになっていると感じた。 先に述べたように、スロープには場面という静と連続性という動が組み合わさる空間で あり、建築的プロムナードにおいての運動と時間の発生を容易にする。これらは階段や廊

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32 下などでも同じように起こりうるが、スロープの場合は場面の連続性がより起こりやすい と考える。階段との違いはスロープの方がより長く歩くことで連続的になりやすいこと、 階段とは違いいつも視線が変わることなどが挙げられる。廊下との違いは、スロープには 勾配があり、空間をより立体的に全体的にとらえることができるためと考えられる。 5-2.問題と展望 コルビュジエの建築的プロムナードについてスロープを中心に考察したが、スロープの ない住宅については考えることが出来なかった。スロープのない住宅に建築的プロムナー ドが無いというわけではないので次があれば今度は視野を広げて考察してみたい。 本研究では建築物として実現していないものも図面があれば分析しており、特に『Le Corbusier : Complete Works』にはまだまだコルビュジエの実現されていない作品はある ので、それらを分析するのは興味深い。

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33 【注】

1)坂倉準三・磯崎新 『現代建築家シリーズ―ル・コルビュジエ』美術出版社、1967 年、 11-15頁。

2)Echolle-1・Fondation Le Corbusier 『LE CORBUSIER PLANS IMPRESSIONS vol.1 villa 1』建築資料研究社、2011 年、10-11頁。

3)スティーヴン・パーク 『ル・コルビュジエの住宅 3d パース全集』エクスナレッジ、 2013 年、16頁。

4)同上、142頁。 5)同上、74頁。

6)Echolle-1・Fondation Le Corbusier 『LE CORBUSIER PLANS IMPRESSIONS vol.2 villa 2』建築資料研究社、2011 年、77頁。

7)Echolle-1・Fondation Le Corbusier 『LE CORBUSIER PLANS IMPRESSIONS vol.4 Unite d’Habitation』建築資料研究社、2011 年、15頁。

8)Echolle-1・Fondation Le Corbusier 『LE CORBUSIER PLANS IMPRESSIONS vol.6 espace』 建築資料研究社、2012 年、72 貢。

9)同上 88 貢。

10)Echolle-1・Fondation Le Corbusier 『LE CORBUSIER PLANS IMPRESSIONS vol.7 prieres』 建築資料研究社、2012 年、33頁。 11)同上 64頁-65頁。 12)同上 90頁。 13)東京大学工学部建築学科 安藤忠雄研究室編 『ル・コルビュジエの全住宅』TOTO 出 版、2001 年、81頁。 14)同上、97頁。 15)同上、145頁。 16)同上、199頁。 17)同上、227頁。 18)同上、255頁。 19)同上、257頁。 20)同上、279頁。 21)同上、339頁。 22)同上、349頁。 23)同上、351頁。 24)岸田省吾編 『建築の「かたち」と「デザイン」』 鹿島出版会 2009 年、66頁-67頁。 【図版出典】 1)新見隆編 『ル・コルビュジエ展カタログ』毎日新聞社 1996 年、3 頁。

(37)

34

1』建築資料研究社、2011 年、17頁。

3)Echolle-1・Fondation Le Corbusier 『LE CORBUSIER PLANS IMPRESSIONS vol.2 villa 2』建築資料研究社、2011 年、17頁。

4)『Le Corbusier : Complete Works (Oeuvre Complete)』[volume6] Birkhauser、1995年、 137 頁。

5)、6)Echolle-1・Fondation Le Corbusier 『LE CORBUSIER PLANS IMPRESSIONS vol.5 interieur –addenda-』建築資料研究社、2011 年、35頁。

7)、8)Echolle-1・Fondation Le Corbusier 『LE CORBUSIER PLANS IMPRESSIONS vol.2 villa 2』建築資料研究社、2011 年、59 頁。

9) Echolle-1・Fondation Le Corbusier 『LE CORBUSIER PLANS IMPRESSIONS vol.5 interieur –addenda-』建築資料研究社、2011 年、83頁。

10) Echolle-1・Fondation Le Corbusier 『LE CORBUSIER PLANS IMPRESSIONS vol.4 Unite d’Habitation』建築資料研究社、2011 年、37頁。

11)Echolle-1・Fondation Le Corbusier 『LE CORBUSIER PLANS IMPRESSIONS vol.6 espace』 建築資料研究社、2012 年、72頁。

12)同上、91 頁。 13)同上、98 頁。

14)Echolle-1・Fondation Le Corbusier 『LE CORBUSIER PLANS IMPRESSIONS vol.7 prieres』 建築資料研究社、2012 年、37頁。

15)同上、55頁。

16)、17)Echolle-1・Fondation Le Corbusier 『LE CORBUSIER PLANS IMPRESSIONS vol.7 prieres』建築資料研究社、2012 年、66頁。

18)同上、48頁。

19)、20)『Le Corbusier : Complete Works (Oeuvre Complete)』[volume1] Birkhauser、 1995年、58頁。

21)同上、63頁。

22)同上、64 頁。 23)同上、91 頁。

24)『Le Corbusier : Complete Works (Oeuvre Complete)』[volume2] Birkhauser、1995

年、23頁。

25)同上、24 頁。 26)同上、49 頁。 27)同上、52 頁。 28)同上、49 頁。

29)、30)、31)『Le Corbusier : Complete Works (Oeuvre Complete)』[volume4] Birkhauser、 1995年、12頁。

32)、33)、34)同上 26 頁。

35)『Le Corbusier : Complete Works (Oeuvre Complete)』[volume5] Birkhauser、1995

(38)

35 36)同上、47 頁。

37)同上、163 頁。 38)、39)同上、164 頁。

40)『Le Corbusier : Complete Works (Oeuvre Complete)』[volume6] Birkhauser、1995

年、139頁。

41)『Le Corbusier : Complete Works (Oeuvre Complete)』[volume1] Birkhauser、1995

年、90頁。

42)『Le Corbusier : Complete Works (Oeuvre Complete)』[volume4] Birkhauser、1995

年、26頁。

43)『Le Corbusier : Complete Works (Oeuvre Complete)』[volume1] Birkhauser、1995

年、58頁。

44)『Le Corbusier : Complete Works (Oeuvre Complete)』[volume2] Birkhauser、1995

年、25頁。

45)筆者作成。 46)筆者作成。

47)、49)、51)、53)、55)『Le Corbusier : Complete Works (Oeuvre Complete)』[volume1] Birkhauser、1995年、90 頁。

(39)

36 謝辞 本研究を進めるにあたり、ご指導を頂いた卒業論文指導教員の河田智成教授に感謝致し ます。また、河田研究室の皆には互いに話し合い、相談に乗ってもらい研究のための知識 や示唆を頂いたと感謝します。最後に勉学の機会をもらいました両親には感謝を申し上げ ます。

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