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二重管構造を考慮したライニング管路の耐震性評価に関する研究

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Academic year: 2022

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キーワード 通信管路,ライニング,地震応答解析

連絡先 〒305-0805 茨城県つくば市花畑

1-7-1 NTT

アクセスサービスシステム研究所

TEL029-868-6220

二重管構造を考慮したライニング管路の耐震性評価に関する研究

NTT

アクセスサービスシステム研究所 正会員 ○奥津 大

〃 正会員 山崎 泰司 正会員 瀬川 信博

NTT

インフラネット 正会員 田中 宏司 摂南大学 理工学部 正会員 片桐 信 東洋大学 理工学部 正会員 鈴木 崇伸

1.はじめに

NTT

の管路設備は,

70

年代に集中的に建設されたため 全体の約

2/3

30

年以上経過した設備となっており,金属 管では錆・腐食により有効活用できない場合が多くなって いる.そこで,

NTT

アクセスサービスシステム研究所ではこ のようなケーブル収容管をライニング補修する技術の開発 を進めている.開発中のライニング管には「空間確保タイ プ」と「3000 心タイプ」があり,ともに樹脂製で自立強度を有

する(図

1).空間確保タイプは,シート状ライニング材両端

をファスナで接続して円筒を形成しつつ管内に引き込んだ 後,水圧と温水で拡張・硬化させる方式である.3000心タイ プは,工場成型されたライニング部材で既設ケーブルを包 み込み,次の部材を継手で接続した後,管内に押し込む 方式である.

本研究の目的は鋼管及びライニング管の耐震性を実験 的・解析的に評価し,ケーブル保護効果を確認することで ある.本稿では解析について報告する.

図 1 ライニング管(左:空間確保,右:3000 心)

2.解析モデル

鋼管内部にライニングした場合,鋼管とライニング管は別

の挙動をすると考えられる.すなわち鋼管が弱点部で損傷 し,その後ライニング管が変形し始める

2

段階のプロセスが 想定される.そこで鋼管は地盤ばねを介して地震外力が作 用する一般的なモデルで解析し,ライニング管は鋼管とライ ニング管との間の拘束力をばねにして,前記方法で求めた 鋼管の管体変位を外力として作用させて解析を行った(図

2

).解析には「

ERAUL2007

」を使用した.

3.解析条件

解析に先立って

2007

年新潟県中越沖地震における管 路の被災を調査・分析した.その結果,被災鋼管の平均ス

パン長は

149.1m(標準偏差 52.0m)で,被災箇所はマ

ンホール際での継手押し込み・離脱が多く,次いでス パン中央付近の継手損傷であることがわかった.そこで,ス パン長を

100

150

200m

,波長を

100m

,地盤変位分布は 位相を

1/4

波長ずつ移動させた

4

パターンとし,合計

12

の 組み合わせについて解析した.変位振幅は限界値を把握 するため,地盤ひずみ

2%

まで段階的に作用させた.

管体特性,地盤(拘束力)ばね特性等を表

1

に示す.

3000

心タイプは断面が円環ではないため,円環に換算し て肉厚を設定した.鋼管とライニング管との拘束力は引き抜 き実験により求めた.鋼管と

3000

心タイプの継手配置を図

3

に示す.空間確保タイプに継手は無い.

表 1 管体特性等

項目 単位 空間確保 3000 心

弾性係数 E (N/mm2) 205,940 6,385 3,295 塑性域の弾性係数 (N/mm2) 205,940 64 33 塑性開始ひずみ (%) 0.17 1.25 1.50 標準管長 (mm) 5,500 5,500 1,100

外径 D (mm) 89.1 80.7 77.7

肉厚 t (mm) 4.2 3.0 3.3

地盤ばね係数 K ×10-5 582 84.8 3.84 地盤ばね係数 K’ (N/mm3) 50.4 84.8 3.84

100,150,200m 5.5m

ダクトソケット

伸縮 ねじ

100,150,200m 継手 1.1m ピッチ

図 3 継手配置(上:鋼,下:3000 心)

地盤

鋼管 ライニング管

地盤ばね 鋼管とライニング管 との拘束力ばね

地盤変位 鋼管応答 ライニング管応答

実設備解析モ

図 2 解析イメージ

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑801‑

Ⅰ‑401

(2)

鋼管解析では,両端マンホールは地盤と同じ動きをする設 定にした.ライニング管の場合は,鋼管を地盤に見立てて 解析を行うので,両端での鋼管とライニング管の固定状況 をモデル化する必要がある.実態は両端とも「自由」である が,解析が不安定となるため左端「自由」,右端「地盤と同 じ(鋼管に固定)」という条件で解析した.

4.鋼管解析結果

解析結果の一例を図

4

に示す.縦軸は各継手の伸縮性 能比(限界値に対する伸縮量の比)である.伸縮性能比

1

以上は継手損傷を表す.ねじ継手は左端からスパン

1/4

点 及び

3/4

点の結果を示した.図

4

の場合,地盤ひずみ

0.3%

で右ダクトソケットが,

0.6%

で左伸縮がそれぞれ損傷する.

レベル

2

地震動による地盤ひずみを,高圧ガス導管耐震 設計指針,水道施設耐震工法指針ではそれぞれ最大

0.4%,0.5%と想定しており,それらを基準に考えると鋼管の

耐震性能は被害が発生するかしないかの境界レベルであ ることがわかった.そこで,地盤ひずみ

1%という埋設管

路には厳しい条件でライニング管の解析を実施し,

ケーブル防護機能を確認することとした.

-1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0

伸縮性能比

地盤ひずみ(%)

左ダクトソケット 左伸縮 ねじ1/4

右ダクトソケット 右伸縮 ねじ3/4

図 4 地盤ひずみと継手伸縮性能比の関係

(スパン長 100m,パターン 2)

5.ライニング管解析結果

地盤ひずみ

1%

の時の鋼管の管体変位をライニング管へ の強制変位として入力し,応答を求めた.ライニング管解析 結果の一例としてひずみ分布,継手伸縮量を図

5,6

にそ れぞれ示す.ダクトソケットまたは伸縮継手の伸縮量が大き い箇所で空間確保タイプはひずみが,3000 心タイプは継 手伸縮量がそれぞれ大きくなっている.

解析の結果得られた最大応答値を表

2

に示す.いくつか のケースで管体ひずみが目安値である塑性開始ひずみを 上回ったが,いずれも括弧内の破断ひずみには達してい ない.また,継手伸縮量も限界値までは達しなかった.

ライニング管解析では「左端:自由」「右端:鋼管に固定」

という条件にしているため,発生ひずみは左側で小さく,右 側で大きくなっている.実際は両端とも緩い拘束または自 由であり発生ひずみはより小さくなると考えられる.

6.まとめと今後の課題

鋼管とライニング管を連成させて地震応答を計算し,被害 メカニズムと弱点となる個所を特定する解析を行った結果,

以下の知見が得られた.

1)

鋼管継手が破損しない区間では,ライニング管にひず みはほとんど発生しない.

2)

鋼管継手が破損すると,ライニング管の剛性が低いため に破損箇所に変形が集中する.

3)

ケーススタディを行った結果,条件によっては材料の降 伏ひずみを上回るものの破断はしないことが判明した.

ライニング技術は事業導入を目指して開発中であり,仕 様が確定した段階でそれに合わせて再度解析する必要が ある.解析に先立って,暫定的に用いている係数,限界値 等を実験により確定し,鋼管の経年的な特性変化等を考慮 した検討にも取り組んでいく予定である.

-2.0 -1.5 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0

0 11 22 33 44 55 66 77 88 99

位置(m)

(%)

地盤 SA 3000心 空間確保

図 5 ひずみ分布(スパン長 100m,パターン 2,地盤ひずみ 1%)

-120 -80 -40 0 40 80 120 160

0 11 22 33 44 55 66 77 88 99

位置(m)

継手伸縮量(mm

SA 3000心

図 6 継手伸縮量(スパン長 100m,パターン 2,地盤ひずみ 1%)

表 2 ライニング管の最大応答値

項目 管種 最大値 目安値

管体 空間確保 圧 1.66% 1.25%(数%)

ひずみ 3000 心 引 0.09% 1.50%(40%以上)

継手 伸縮量

3000 心 引 53mm 圧 15mm

引 93.6mm 圧 22.6mm

※括弧内は一般的な破断ひずみ

参考文献

1)

秋山武志,山崎泰司,是國亨,谷島章彦,阿部智徳,保坂 陽:ケーブル収容管路再生技術の開発,土木学会第

64回年

次学術講演会,pp.797-798,2009

伸縮継手離脱

ダクトソケット突き出し

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑802‑

Ⅰ‑401

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