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米国国家環境政策法(NEPA)における簡易アセスメン ト : 「Mitigated FONSI」をめぐる議論

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米国国家環境政策法(NEPA)における簡易アセスメン ト : 「Mitigated FONSI」をめぐる議論

著者 森田 崇雄

雑誌名 同志社法學

巻 66

号 3

ページ 765‑814

発行年 2014‑09‑30

権利 同志社法學會

URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000014666

(2)

   )に同志社法学 六六巻三号一八九七六五

︱︱﹁

M iti ga te d F O N SI

﹂をめぐる議論︱︱

           

 Mitigated FONSI    Mitigated FONSI      Mitigated FONSI         Mitigated FONSI    Mitigated FONSI   Mitigated FONSI

(3)

   同志社法学 六六巻三号一九〇)に七六六      

      

はじめに

  わが国の環境アセスメント(以下﹁アセス﹂とする)手続を規定する環境影響評価法 1

は、﹁規模が大きく環境影響の程度が著しいものとなるおそれがある事業﹂(第一条)をアセス手続の対象としている。具体的には、道路、ダム、鉄道、飛行場、発電所、埋立・干拓、廃棄物最終処分場、土地区画整理事業などの一三種類の開発事業および港湾計画のうち、一定規模以上のものが同法に基づくアセスの対象となるが 2

、現在は極めて規模の大きな事業に限定されており、その結果として、同法に基づくアセスの実施件数は年間一〇数件と非常に少ない数にとどまっている 3

。わが国では、地方自治体も、すべての都道府県と大多数の政令指定都市が条例によりアセス制度を定めており、各地域の状況に応じて法対象事業以外の小規模事業をも条例アセスの対象としているが、この条例アセスが実施されるのは全国で年間五十件程度である 4

。事業規模の大きさと環境影響の大きさは必ずしも比例関係にあるわけではないため、大規模事業のみを対象とする現在の同法の枠組みでは、中小規模の事業について十分な環境配慮がなされることなく、事業が実施される可能性がある 5

  このように法アセスの実施件数が少ない現状に鑑み、二〇一一年の環境影響評価法の改正に際して、対象事業の拡大

(4)

   )に同志社法学 六六巻三号一九一七六七 に加え 6

、規模要件を撤廃して、﹁簡易アセス﹂を導入することにより、その結果を踏まえて詳細なアセスを実施するかどうかを判断する仕組みにすべきではないかとの議論がされたが 7

、わが国においては環境影響評価法と各自治体の制定するアセス条例とが一体となって十分な環境保全が図られているとの認識により、法と条例の役割分担を尊重し、その導入は見送られている 8

。しかし、法や条例の対象とならない中小規模の事業を対象とするアセスの意義や取組みについて議論が進められており 9

、実際、それらの事業について事業者による簡略化された自主的なアセスメントの実施をサポートする制度の構築もみられている ₁₀

  他方で、アメリカでは、国家環境政策法(

N at io na l E nv iro nm en ta l P oli cy A ct

、以下﹁NEPA﹂とする) ₁₁

に基づくアセス制度において、対象となる事業種および規模は特定されておらず、中小規模の事業についてもまず﹁簡易アセス﹂が実施され、詳細なアセスを実施する必要があるかどうかが判断されることになっている ₁₂

。その結果、アメリカでは年間三~五万件ものアセスが実施されており、詳細なアセスの実施件数は年間二〇〇~二五〇件程度であり、全体の約〇・五%にすぎない。すなわち、アメリカでは少しでも環境影響が生じるおそれがあると考えられる場合には、まず簡易アセスによってチェックしてみるといった考え方がとられている。今後、わが国でも簡易アセス制度の導入が本格的に検討されることも考えられ、簡易アセスの運用実績が豊富なアメリカのアセス制度について検討することは有益であるといえよう。

  近年、アメリカにおいても詳細なアセスの実施件数が減少傾向にあり、その一因として、簡易アセス段階においていわゆる﹁

M iti ga te d F O N SI

﹂と呼ばれるものが広く認められていることが挙げられる。﹁

M iti ga te d F O N SI

﹂とは、簡易アセスの段階で事業による重大な環境影響が予測されるにもかかわらず、ミティゲーション措置の実施を条件に詳細なアセスを実施することなくアセス手続を終結させるという手続である。このような手続の是非は、簡易アセスの運用に

(5)

   同志社法学 六六巻三号一九二)に七六八

おける一つの大きな論点となっている ₁₃

。NEPAの施行規則を定める環境質諮問委員会(

C ou nc il of E nv iro nm en ta l

Q ua lit y

、以下﹁CEQ﹂とする)は、当初一九八一年のガイダンスにおいて、この手続の利用が認められない旨を示していたが ₁₄

、裁判例等の動向を踏まえて、二〇一一年にCEQは一定の条件の下で

M iti ga te d F O N SI

の利用を認める旨のガイダンスを新たに公表した ₁₅

  そこで本稿では、アメリカにおける簡易アセス制度について、とくに重要な論点となっている﹁

M iti ga te d F O N SI

﹂に焦点を当てて考察し、この

M iti ga te d F O N SI

をめぐる議論についてその問題の本質を明らかにすることを試みたい。以下では、第一章において、アメリカの簡易アセス手続、

M iti ga te d F O N SI

およびCEQの一九八一年ガイダンスについて概説する。第二章では、

M iti ga te d F O N SI

をめぐる裁判例について検討し、裁判例が

M iti ga te d F O N SI

の利用を広く認めてきた理由について考察する。第三章では、

M iti ga te d F O N SI

をめぐる見解の相違について検討する。そして、第四章では、それら裁判例や見解の動向を踏まえて修正されたCEQの二〇一一年ガイダンスを概説し、最後に

M iti ga te d F O N SI

をめぐる問題の本質とは何かについて検討したい。

第一章 

M iti ga te d F O N SI

の概要と一九八一年のCEQガイダンス 第一節 

Mitigated FONSI

の概要

1   ア セ ス 手 続 の 概 要

  環境アセスメント手続に関して、NEPA第一〇二条⑵

てなの関機政行邦連要為主の他のそ、案行にのたいつに﹂告報はま係告勧のてべする提法の立すぼ及を響影な大重に質

C

、すべての連に邦行政機関は対して﹁人間取り巻く環境を

(6)

   )に同志社法学 六六巻三号一九三七六九 環境影響評価書(

E nv iro nm en ta l I m pa ct S ta te m en t

、以下﹁EIS﹂とする)を作成することを要求する ₁₆

。このアセス手続の詳細については、NEPAの規定自体は非常に概括的であることから、大統領府内の諮問機関であるCEQが作成したCEQ規則 ₁₇

において以下のように規定されている。

  NEPAの定めるアセス手続は、①簡易アセス手続と②詳細なアセス手続の大きく二つの段階に分けられる ₁₈

。簡易アセス手続に関して、CEQ規則は、提案行為が及ぼす環境影響が﹁重大﹂であるかどうかが明らかでない場合、連邦行政機関は簡易アセス書(

E nv iro nm en ta l A ss es sm en t

、以下﹁EA﹂とする)を作成しなければならないと規定している ₁₉

。EAはEISの作成が必要であるかを判断するために作成される簡潔な公式文書(

co nc ise p ub lic d oc um en t

)であり、このEAには、提案行為の必要性、代替案 ₂₀

、提案行為と代替案の環境影響に関する検討が簡潔に記載される ₂₁

。EAを作成した結果、提案行為が環境に重大な影響を及ぼさないと判断した場合には、当該機関は重大な環境影響を及ぼさない旨の認定書(

F in din g of N o Sig nif ic an t I m pa ct

、以下﹁FONSI﹂とする)を作成し、EISを作成することなく提案行為を進めることができる ₂₂

。簡易アセスの結果、EISを作成しない場合は、その理由を公表し、最低三〇日間縦覧に供しなければならない ₂₃

  簡易アセス手続(EAの作成)の結果、提案行為が重大な環境影響を及ぼすと連邦行政機関が判断した場合、詳細なアセス手続(EISの作成)が履践されることになる。その際、連邦行政機関は、連邦広報(

F ed er al R eg ist er

)における告示 ₂₄

およびスコーピング ₂₅

の実施後、環境影響評価書案(

D ra ft E nv iro nm en ta l I m pa ct S ta te m en t

、以下﹁DEIS﹂とする)を作成する ₂₆

。DEISには、提案行為の環境影響(これには直接的影響、間接的影響、累積的影響が含まれる) ₂₇

や、代替案(これにはノー・アクション代替案、他の合理的な代替案、ミティゲーション措置が含まれる) ₂₈

等が記載される。DEISは公衆に対して縦覧され、最低四五日間の意見書の提出 ₂₉

、公聴会・説明会の開催 ₃₀

、環境保護庁

(7)

   同志社法学 六六巻三号一九四)に七七〇

E nv iro nm en ta l P ro te ct io n A ge nc y

)等の関係行政機関への送付 ₃₁

といった手続がとられる。連邦行政機関は、DEISについての公衆や関係行政機関からの意見提出を受けた後、最終環境影響評価書(

F in al E nv iro nm en ta l I m pa ct St at em en t

、以下﹁FEIS﹂とする)を作成する。FEISにはDEISに対して寄せられた意見に対する回答が記載される ₃₂

。FEISも公衆に対して縦覧され、最低三〇日間、意見が求められる ₃₃

。連邦行政機関は、他の関連資料と共にFEISを利用して提案行為に係る最終決定を行い、その後、決定内容、検討された代替案、およびミティゲーション措置等の説明を記載した決定記録を作成する ₃₄

  以上が一般的なNEPA手続であるが、前述のように、詳細なアセス手続(EISの作成)の要否を決するのは、簡易アセス手続(EAの作成)の結果として、提案行為が﹁重大な﹂環境影響を及ぼすと判定されるかどうかである。この﹁重大性﹂の判定基準は、行為の背景(

co nt ex t

)と行為が及ぼす環境影響の度合い(

in te ns ity

)である ₃₅

。前者は、その地域や社会の特殊性に応じて判断される。後者は、単に提案行為が環境に及ぼす影響のほか、行為の有益性、市民の健康および安全性、地域の特殊性、住民反対運動の度合い、不確実な環境影響、当該行為から派生する将来の事業からの影響、地域の複合影響、文化的・歴史的遺産、貴重な動植物への影響、その他の法規制への適合性などを含めて判断される ₃₆

2   簡 易 ア セ ス 手 続 に お け る 「 Mitigated FONSI 」

  連邦行政機関は、提案行為が重大な環境影響を有しうる場合、その影響を大幅に低減し、または完全に除去するミティゲーション措置を採用することが可能である。ミティゲーション措置に関して、CEQ規則は、EISにおいて当該措置が記載されるべきことを規定している ₃₇

。しかし、同規則は、連邦行政機関がEISの作成が必要でないと判断した

(8)

   )に同志社法学 六六巻三号一九五七七一 場合のミティゲーション措置の取扱いについて何ら規定しておらず、EA作成プロセスにおいてミティゲーション措置をどのような形で用いることが可能であるかについては、NEPAおよびCEQ規則からは明らかでない。そこで、行政機関が﹁

M iti ga te d F O N SI

﹂と呼ばれるものを採用しうるか否かということが問題となる。

プ結PAてロセスを終さNせることを指すっE ₃₈ 機Eてっもをとこのそが関と政行、に合場るれらえ考SIは作、よにとこるす成作をIS成OFNし断判といなの要必

sig nif ic an t

いるれさ減低でま度程大なさテミ、がるれ測ゲ予とるあで)﹂ィー大影﹂で重﹁が響のシそてっよにンョ(   ﹁

iti ga te d F M O N SI

重述す衍、敷がたしつ前はていばに﹂れ、E﹁果が響影境の為行案、提結Aの)スセア易簡(成作環

  前述したように、本来、NEPAプロセスにおける第一のステップはEAの作成であり、EAは完全な環境アセスメントが要求される重大な影響が存在しうるかどうかを判断するために用いられる、短く簡潔な文書である。しかしながら、今日では、EA作成プロセスでアセス手続を終結させることによって、EIS作成プロセスが回避されることが非常に多く、行政機関が完全なEISを追求する代わりに

M iti ga te d F O N SI

を伴う﹁長文のEA﹂ ₃₉

を作成するということが常態化されつつある ₄₀

M iti ga te d F O N SI

の利用によるEIS作成プロセスの回避を容易に認めてしまうことは、NEPAの定めるEIS手続の形骸化につながる可能性があり、この手続の是非については議論がある。

第二節  一九八一年のCEQガイダンス   CEQは当初、

M iti ga te d F O N SI

の利用を認めていなかったが ₄₁

、NEPAタスクフォースがそのような見解は時代遅れであるという調査報告を示したことを受け ₄₂

、CEQは二〇一一年、

M iti ga te d F O N SI

を広く認める方向に自己の見解を変更する旨を示した ₄₃

(9)

   同志社法学 六六巻三号一九六)に七七二

  本節では、まず

M iti ga te d F O N SI

に関するCEQの当初の認識について概説する。CEQは、一九八一年にガイダンスを公表し、

M iti ga te d F O N SI

に関する見解を示した ₄₄

。CEQ規則において

M iti ga te d F O N SI

に関する規定は存在しないが、CEQは、当該ガイダンスにおいて、連邦行政機関は簡易アセス手続の結果として提案行為の環境影響が重大ではないと結論づける場合であっても、EAおよびFONSIにおいてミティゲーション措置を含めることが可能であることを示した ₄₅

。同ガイダンスによれば、FONSIを作成する行政機関は、EIS作成プロセスにおける場合と同様に、許可の条件として、または行政機関自身の行為の一部として、ミティゲーション措置を採用することができる ₄₆

。ただし、同ガイダンスは、EAおよびFONSIに含めうるミティゲーション措置について以下のように限定を付していた。

ィのーションの存在はEIS必テ要性を取り除かない。﹂ミゲ ₄₇ はまグンピーコスが置措ンショーィテミの定特つか、れたゲE、Aうれさ施実なうよのそる合に場段の間階策定される 能はできべす拠な依に性ー可のンョシゲィテミてし旨とい⋮をならえ考とるす有規響影悪を大る重してい定。⋮提案が を実口のめたるす避回件大重際るにから明を性は広関機政行、は則要にす範るSIE、りあなきべで用をチーロプいア Sの場合にNみ、OしたF示提てしと部一の案提のをI筆行て規︺注者当︱QEC、︹しうと則原。るうし拠依に際初   ﹁がそはくしも法定制がられ、則は置措ンョシーゲィテ規に関は機政行はくしも者請申たよま、合場たれさ課てっミ

  このように、CEQは一九八一年のガイダンスを公表した時点においては、ミティゲーション措置のEA段階での追加によってEIS作成プロセスは回避しえず、

M iti ga te d F O N SI

は認められないものと解していた。しかしながら、後述するように、多くの裁判所は、このガイダンスに従わず、またCEQも次第に

M iti ga te d F O N SI

に関するこのアプローチは時代遅れであるとの認識をもつようになり ₄₈

、近時、修正したガイダンスが公表された ₄₉

(10)

   )に同志社法学 六六巻三号一九七七七三 第二章 

M iti ga te d F O N SI

をめぐる裁判例   前述のように、一九八一年にCEQはガイダンスにおいて、﹁ミティゲーション措置は、それらが制定法もしくは規則によって課せられた場合、または申請者もしくは行政機関が当初の提案の一部として提示した場合にのみ、FONSIを行う際に依拠しうる﹂として、

M iti ga te d F O N SI

の利用を認めていなかった ₅₀

。しかしながら、一部の裁判例 ₅₁

を除き、多くの連邦の裁判例は、当該ガイダンスは裁判所を拘束するものではないと判示し ₅₂

M iti ga te d F O N SI

を是認する法律および規則が何ら存在しないにもかかわらず、これを認めてきた ₅₃

。しかし、それらの裁判例においても、

M iti ga te d

F O N SI

は無条件に認められていたわけではなく、FONSIを正当化するミティゲーション措置の有効性の確保が図られていた ₅₄

。以下では、第一節において

M iti ga te d F O N SI

を認める代表的な裁判例を取り上げ、そして第二節では、それらの裁判例においてミティゲーション措置の有効性の確保がどのようにして図られているかを検討する。

第一節  裁判例の紹介

1   Cabinet Mountains Wilderness v. Peterson, 685 F.2d 678 ( D.C. Cir. 1982 )

  本件において、連邦森林局(

U nit ed S ta te s F or es t S er vic e

)は、NEPAに基づきEAを作成した後、自然保護区域における鉱物の試掘に関する計画を認可した。当該区域には絶滅危惧種保護法(

E nd an ge re d S pe cie s A ct

)上の希少種であるハイイログマが生息しており、EAにはハイイログマの個体数に対する影響を緩和するために米国魚類野生生物局(

U nit ed S ta te s F ish a nd W ild lif e S er vic es

)によって策定された数多くのミティゲーション措置(宿泊キャンプの禁止やヘリコプターの航行の制限等)が組み込まれた ₅₅

。森林局は、これらのミティゲーション措置が事業の環境影響を重

(11)

   同志社法学 六六巻三号一九八)に七七四

大でない程度に低減するであろうと結論づけ、EISの作成は不要であると判断した ₅₆

。そこで、野生生物保護団体がNEPA違反を主張して出訴した。

  コロンビア特別区連邦控訴裁判所は、EISの作成は不要であるという行政機関の決定が﹁恣意的、専断的、または裁量権の濫用﹂でない限り、その決定が支持される ₅₇

とした上で、EISの作成が必要であるかどうかを決定する際にミティゲーション措置の効果を考慮することが可能かどうかについて、以下のように判示した。

す益供提を析分境環な有るるす関に為行邦連なすこ主すぼ﹂うろあで﹄る殺と減を性用有るけおに要 ₅₈ をPEN、はとこるす求要SをIEていおに況状なうよAし取真る及を響影てし対境環にに﹃もにたらない足の、まと はれさた充の件要上法定、ずのEISは要求されない。そる制す提る案が実施前に関正され修場、重大な環境影響に合 悪境へのに影響を完全環るじ生らか案提の初当、ら償代ンす置、てっよにとこるえ加を措るなョシーゲィテミの定特が   ﹁しなあでるじ生が響影境環大う重てしと果結の為行案ろ場かれし。いならなばれけなさ合成作はSIE、みのに提

  また、原告は、本件で提案されたミティゲーション措置は当初の提案の一部ではないため、CEQガイダンスの下で容認できないと主張した。しかし、本判決は以下のように述べて、この原告の主張を退けた。

連な邦行政機関に対して強制的義の務を課すものではない﹂べて ₅₉ はこ⋮⋮。いなえ考はとるにな源法るあの力得説をれこれて告れすたま、くなはで知もたのさト・成メンコ手続を経作 書は所判裁当、りあで明スのンダイガQEC年︱一八九一︹書文う声筆とくの式公非るな単、な者はで則規、は︺注い   ﹁

F or ty Q ue st io ns

Nす、は則規APEたEべさ付発てっよにQれのて。﹂、﹁らがなしかしる連す束拘を関機政行邦C

  そして、本判決は、連邦森林局はミティゲーション措置が提案行為の環境影響を重大に満たない程度に低減することについて立証責任を果たしたと判示し、EISの作成が不要であるという連邦森林局の決定が恣意的または専断的では

(12)

   )に同志社法学 六六巻三号一九九七七五 ないと結論づけた ₆₀

2   Preservation Coalition, Inc. v. Pierce, 667 F.2d 851 ( 9th Cir. 1982 )

  本件において、住宅都市開発省(

D ep ar tm en t o f H ou sin g a nd U rb an D ev elo pm en t

)は、ボイシ市再開発機関(

B ois e R ed ev elo pm en t A ge nc y

)による商業地区の都市再生事業に資金を拠出した。ボイシ市再開発機関はEAを作成した結果、当該事業に伴う自動車の交通量の増加によって生じる大気質への影響を緩和するミティゲーション措置が環境影響を重大に満たない程度に低減すると判断し、EISの作成は不要であるという決定を下した ₆₁

。そこで、歴史保全団体がNEPA違反を主張して出訴した。

  第九巡回区連邦控訴裁判所は、行政機関の行為が合理的でない場合にのみ、EISを作成しないという行政機関の決定が覆されるとした上で ₆₂

、ボイシ市再開発機関の決定は合理的であると結論づけた ₆₃

。本判決は、FONSIを正当化するためのミティゲーション措置が十分に事業に関連したものでなければならないことを強調し、ミティゲーション措置が第三者(連邦行政機関や事業申請者以外の者)によって実施されるならば、それらが単なる﹁実施される可能性のあるにすぎない行為﹂である場合、または事業がなくとも実施される予定である場合には、当該ミティゲーション措置は十分に事業に関連したものであるとはいえないとした ₆₄

。さらに、本判決は以下のように判示した。

上け以ののものでなれ言ばならない﹂意明 ₆₅ 予に者三第、合場るあで定三るれさ施実てっよに者る第よ契誓は善な昧曖るな約、がいな単要の必は、上約ものである る可能性があが。代償的行為する和計る気大、は正修すに対に緩設の初当質対含りはたま、き除取すを響影の業事るむ   ﹁初影テミ、合場す示を響悪ののへ境環がゲ画計業事ィ当ー第を約誓な確明よに者三うシいとるす施実を置措ンョる

(13)

   同志社法学 六六巻三号二〇〇)に七七六

  この基準の下で、本判決は、ボイシ市再開発機関によって提案された大気質ミティゲーション措置の一部は十分に事業に関連したものではないと判示した。例えば本判決は、自動車排出ガスに係る規制基準の遵守が義務付けられており、かつ当該基準が次第に厳格化される予定となっていることは、事業に関連したミティゲーション措置ではないとし、当該基準は大気質への影響を実質的に緩和するとしても、本件事業を実施することなく当該基準の遵守を義務付ければ大気質はさらに改善されるであろうと判示した ₆₆

  他方で、本判決は、その他の数多くの大気質、騒音、および交通渋滞に関するミティゲーション措置については、ボイシ市再開発機関やボイシ市によって綿密に計画かつ実施され、またはディベロッパーによって契約上実施されることが誓約されていることを理由として、十分に事業との関連性を有するものであるとして承認した ₆₇

3   National Audubon Society v. Hoffman, 132 F.3d 7 ( 2d Cir. 1997 )

  本件において、森林局はグリーンマウンテン国有林における森林伐採行為に関してEAを作成した結果、当該行為の環境影響はミティゲーション措置によって環境影響が重大でないほどに低減されるとしてEISの作成は不要であると決定した。森林局は、木材運搬トラックの通行のための一時的な林道の拡張を計画しているが、グリーンマウンテン国有林にはクロクマが生息しているため、森林局は、クロクマの生息地に及ぶ林道の拡張部分の不許可通行を防止するために本来の林道の端において路肩または土の小山を建設するというミティゲーション措置を計画した ₆₈

。しかし、環境保護団体はEISを作成しないという森林局の決定がNEPAに違反するとして出訴した。

  第二巡回区連邦控訴裁判所は、FONSIを正当化するために提案されたミティゲーション措置に関して、以下のように判示した。

(14)

   )に同志社法学 六六巻三号二〇一七七七

支認には持されると定十されてきた﹂置分 ₆₉ 査そはたま、合場くづ基に関調たれさ施実てっよにら機れ規が場措ンョシーゲ適テミ、合ィいれ高切にさ制る可能性が るを実施しう政。実際に、行措置のあ大下以ルベレな重低うろらでるすとに減必ムれそ、てしとズすニカメのめたる要   ﹁案措的質実が性切適の置ンさョシーゲィ拠テミたれ証提に機をSIEを響境環は関政よ行、合場るれさ持支てっ影

  また本判決は、ミティゲーション措置が許可における義務的条件となっている場合や、ミティゲーション措置のモニタリングに関する詳細な計画が策定されている事案においては、ミティゲーション措置が支持されるとした上で ₇₀

、以下のように判示した。

代るけ﹂たっかなし討検を案替 ₇₁ 有めたす断判をかるあで効シけだれどがンョモーゲィテのるニKタに合場たし敗失が置措おて提しングをリ案ず、そせ 。しない局森林は、保K証︺を性効有の注者筆︱称名置措をの施期ミたれ案提たま、ずせさ実果され待効るに係る調査 置措K、は所判裁当件、ていおにな本。い本︹ィ件ゲでの置措ンョシーテにミたれさ用採ていおはきす拠依に置措ンべ はで義すべたあり、まに定性範広を﹄I大重﹃関機政行EきS提ョシのゲィテミたれさ案ーて作し成回避をする口実と 拠シ証的質実が置措ンョ、ーゲィテミにめたるす避よにさっをを、ちわなす。るす視重件て要ういと、とこるれ持支回   ﹁のI方るす避回を成作のSEとが関機政行、は所判裁法しすに出み生を惑誘るす拠依案て提のンョシーゲィテミ当

緩るてし在存が拠証的質実すた持支をれそ、はに合場いいたでのをつ一の響影たさ測予れ業案ろ事う。提あされた伐採 置ニモを性効有のそがタ件措K、ばえ例、ていおにンリるグの。でん含をムラグロプめしたす保確を性効有つか、本る るすが関機政行、に合場る断I判が関機政行とうろあでESすとてれさ図意にうよるす能の可をとこるす略省を成作い   ﹁限析ーゲィテミ、は法方の分ョたれらい用ていおに件シン制定に分十を響影境環な的否措の業事たれさ案提が置本

(15)

   同志社法学 六六巻三号二〇二)に七七八

和する森林局の取組みが実質的証拠によって支持されないという当裁判所の判示によって、NEPA訴訟においてそのような行政機関がミティゲーション措置の有効性に対する調査および/またはその有効性をモニタリングする手続によって支持されるミティゲーション措置を提案することが確保されることを、当裁判所は期待している﹂ ₇₂

  以上のように述べ、本判決は、森林局がEISの作成が不要であると決定するに際して、すべての関連する環境要素を適切に検討しなかったことによってNEPAに違反したと結論づけた。

4   National Parks & Conservation Association v. Babbitt, 241 F.3d 722 ( 9th Cir. 2001 )

  本件において、国立公園局(

N at io na l P ar ks S er vic e

)は、グレイシャー・ベイ国立公園を航行するクルーズ船の数を増加させる船舶管理計画を策定するに際してEAを作成した。EAにおいて、公園局は、同計画によって公園の野生生物が様々な船舶との遭遇の増加、騒音、大気汚染、および船舶との衝突と石油流出のリスクの増加にさらされることを認識し、またこれらの環境に対する危険がどのくらい深刻であるのかは不明であり、かつその他の危険が存在するのかも不明であることを認識していた。しかしながら、公園局は、ミティゲーション措置によって環境影響が重大でない程度に低減されるとしてEISの作成は不要であると決定した。これに対して、EISを作成しないという公園局の決定がNEPAに違反するとして環境保護団体が出訴した。

  第九巡回区連邦控訴裁判所は、以下の二つの理由から、NEPA違反を認定した。第一の根拠は、船舶交通の増加によって生じる環境影響を緩和するために提案されたミティゲーション措置の効果における不確実性である。まず本判決は、

M iti ga te d F O N SI

について、一般的に以下のように述べる。

  ﹁注ティゲーション︱筆者︺︹措置の導入により、状ミなEうISを作成しないとい行う政機関の決定は、そのよ況

(16)

   )に同志社法学 六六巻三号二〇三七七九 によっては正当化されうる。﹃重大な措置が事業の影響を緩和するために実施される場合、それらは環境への悪影響を完全に代償する必要はない。﹄行政機関は﹃ミティゲーション措置の明確な性質﹄を詳述する完全なミティゲーション計画の作成を要求されない一方で、提案されたミティゲーション措置は﹃合理的な程度で策定され﹄なければならない。﹃いい加減な説明﹄または﹃添付された分析的データの無いミティゲーション措置の単なる羅列﹄は、FONSIを支持するには不十分である。ミティゲーション措置の十分性を評価する際、当裁判所は、それらが授権された活動から生じうる否定的影響に対する適切なバッファーを構成するかどうかを検討する。とくに当裁判所は、ミティゲーション措置がEISを必要としないほどに影響を低減するかどうかを検討する﹂ ₇₃

  その上で本判決は、公園局はミティゲーション措置の効果に関して調査を実施しておらず、またその効果に関するモニタリングや、ミティゲーション措置が失敗した場合の是正措置を検討していないため、本件において公園局の決定を支持する﹁分析的データ﹂が欠如していることを指摘する ₇₄

。そして本判決は、続けて、EAにおいてミティゲーション措置がどのように本件計画の実施に起因する環境影響を低減するかが明確に示されていないことを指摘し、﹁EAの憶測的かつ推論による言明は、ミティゲーション措置がEISを必要としないほどに環境影響を低減するであろうということを立証するのに不十分である﹂と判示した ₇₅

  さらに本判決は、本件において、公園局やツアーボート操縦者に対してミティゲーション措置の実施を許可の条件として賦課する等、ミティゲーション措置が環境影響を適切に低減する方法で実施されることの確保が図られていないことにも言及し、本件のミティゲーション措置が環境影響に対する適切なバッファーを提供するかどうかに関して﹁重大な不確実性﹂が存在するため、FONSIを正当化する根拠とはなりえないと判示した ₇₆

  次に本判決は、NEPA違反を認定する第二の根拠として、パブリック・コメントによって明らかとなった本件計画

(17)

   同志社法学 六六巻三号二〇四)に七八〇

の実施に起因する環境影響に関する﹁論争(

co nt ro ve rs y

)﹂の存在を挙げる ₇₇

。本判決はまず、一般的に以下のように述べている。

行を任﹂るいてし課に関機政 ₇₈ く十不はういと﹄争論の公なづ基に響影境環で的在潜﹃分にあたるう行に的極積を﹄明説責しすと由を示理﹃路整然理 Nゆえ、AEPは、そEれが。るす在存争論な的質実のAの結衆論が答応注者筆︱のらか︺公唱︹異議にをえるそれら 関機政、行のが拠証た前れさ示提に成作の論I結をの問N、合場るけかげ投疑合な刻深てし関に性理SOはたまSIEF 為関は影響的して実質しく、も、質性論模規の行邦連ななに争を。いがらなばれけなし成作なS存I在る場す合には、E か大るせさじ生を化劣な要重る係に素の境環間人のうどてかれら要主はたま、合場﹄たさに起提が問疑な的質実し関か   ﹁

rs ro nt ia l co ve

連が政機関は(るあ地邦余の論、﹃が為行議何⋮、⋮が業事、﹃ちわなすに)﹄常は合場るあでのも行

  そして、本判決は、公園局がEA案の公表後、最終的なEAおよびFONSIが公表されるまでの間に、本件計画に関して四五〇のコメントを受け取っており、そのうち約八五%が公園局が採用する予定であることを示した計画案に反対し、かつ他の特定の計画案を支持するものであったことについて、この否定的なコメントの量はEISの作成を必要とする﹁公衆の異議の流露(

ou t-p ou rin g o f p ub lic p ro te st

)﹂を充たすのに十分すぎるほどであると指摘する ₇₉

。続けて、本判決は以下のように判示した。

せすし識認をとこうろあでぼい及を響影に境環が加増通てのたは明証をさき大の影境環響タがしーかしな。ら、そのデ たしむ、くなはでのもろ的れらせ達てっよに定推なのそでデた合交舶船、は局園公。っーあのもな分十不に単はタ理く 法実けかげ投を問疑な的質ていし関に性当妥のターデとてる手関基にターデ、は論結の機。政行、ていおに件本⋮⋮づ   ﹁の析つか、りあで分十不が分テのAE、はトンメコのミィ局と園公、で囲範るす張主るゲあで実確不がンョシーそ

(18)

   )に同志社法学 六六巻三号二〇五七八一 ず、またその定量化できない影響を相殺することを意図するミティゲーション措置の有効性も証明しなかった。国立公園保全協会︹本件原告︱筆者注︺は、環境に対して大きな影響を及ぼす可能性が高いと主張した。公園局は、影響の程度が未知であると応答した。そこに論争が存在した。⋮⋮現在利用可能な情報が欠如していたとしても、︹EISの︱筆者注︺作成プロセスに際してそのような情報を得ることができるという合理的な可能性が存在する場合、公園局はEISの作成を免除されない。したがって、行政機関の応答は、その論争を解決するのに不十分である。⋮⋮本件においては、﹃不確実性﹄だけでなく﹃論争﹄によってもEISの作成が命じられる﹂ ₈₀

5   Ohio Valley Environmental Coalition v. Aracoma Coal Co., 556 F. 3d 177 ( 4th Cir. 2009 ) 

  陸軍工兵隊(

U nit ed S ta te s A rm y C or ps o f E ng in ee rs

)は、民間事業者が露天掘採炭作業に伴い河川を埋め立てることを許容する水質清浄法(

C le an W at er A ct

)第四〇四条に基づく許可を付与するに際して、EAを作成した結果、本件事業に伴う環境影響がミティゲーション措置によって重大に満たない程度に低減されると判断し、EISの作成は不要であると決定した。そこで、環境保護団体が陸軍工兵隊の当該決定がNEPAに違反するとして出訴したのが本件である。

  第四巡回区連邦控訴裁判所は、﹁提案行為が重大な環境影響を有するとEAにおいて判断された場合でさえ、行政機関は、当該事業の環境影響を重大でないレベルまで低減するためにミティゲーション措置を実施しうると認定した場合には、EISの発付を回避することができる。これらの状況において、行政機関は﹃いわゆる

M iti ga te d F O N SI

﹄を発付しうる﹂として明示的に

M iti ga te d F O N SI

の利用を承認するものの ₈₁

、﹁提案されたミティゲーション措置は最大まで詳細に説明される必要はないが、それらは単なるいい加減なもの、または推論によるものであってはならない﹂と判示

(19)

   同志社法学 六六巻三号二〇六)に七八二

した ₈₂

  しかし、本件許可決定文書に含まれるミティゲーション計画が不十分であるという原告の主張に対して、本判決は、本件において陸軍工兵隊はミティゲーション措置が埋立ての影響をどのように代償するかを具体的に説明しており、陸軍工兵隊が提案したミティゲーション計画は

M iti ga te d F O N SI

の発付を十分に正当化するものであると述べた ₈₃

。陸軍工兵隊は当該決定文書において、大要以下のように説明している。

  許可申請者のミティゲーション計画は、本件事業によって生じる水生生物の生育・生息環境としての小川の機能の低下および喪失を代償することが見込まれる。本件事業によって影響を受ける小川については、詳細なロスゲン型の形態学的パラメーターや、水資源、生息地、底質、および水辺に関するパラメーターが測定されており、代償ミティゲーション計画においては、小川の機能を代償することができるように、とくにコリドーとしての機能の代償に焦点を当て、生態系を回復するためのアプローチが用いられている。また、小川の機能は、底生調査、水のサンプリング、生息地アセスメント等によって定量化されており、それが事業申請者の代償ミティゲーション計画で用いられている。さらに、代償ミティゲーション計画には、侵入生物の根絶、侵食され崩壊した川岸の安定化、適切な道路横断施設の設置、岩石の設置または再配置、および原生水辺植生の復元等による水生生息地としての小川の機能の改善が含まれる ₈₄

  以上の決定文書における陸軍工兵隊のミティゲーション措置の説明を踏まえ、本判決は、陸軍工兵隊は﹁自己の行為に関する満足のいく説明を明確に述べる﹂ことが可能であるため、本件許可に関する決定文書に含まれる代償ミティゲーション計画は、NEPAの下で

M iti ga te d F O N SI

の発付を十分に正当化できると結論づけた ₈₅

(20)

   )に同志社法学 六六巻三号二〇七七八三 第二節  裁判例の検討   前述したように、

M iti ga te d F O N SI

を用いられた事例に関する裁判例の多くは、行政機関が事業実施前に当該事業の環境影響を重大に満たないレベルまで低減することが可能なミティゲーション措置を策定した場合には、当該行政機関はEISを作成する必要がないと判示している。一九八一年のCEQガイダンスは、このような

M iti ga te d F O N SI

の利用を認めていなかった。しかしながら、多くの裁判例はこのCEQガイダンスは連邦行政機関に対して拘束力を有するものではないとの判断を示し、

M iti ga te d F O N SI

の利用を認めた ₈₆

  当該ガイダンスの拘束力を否定した代表的な裁判例である

C ab in et M ou nt ain s W ild er ne ss

判決は、

M iti ga te d F O N SI

の利用を認める根拠として、ミティゲーション措置によって環境影響が重大に満たない程度まで低減される場合においてEISの作成を要求することは、真に重大な環境影響を伴う主要な連邦行為に関して環境配慮を組み込むことを意図するNEPAの有用性をかえって減殺することを指摘している ₈₇

  しかしながら、

M iti ga te d F O N SI

を広く認める裁判例においても、

M iti ga te d F O N SI

は無条件に認められていたわけではなく、FONSIを正当化するミティゲーション措置の有効性を確保するためいくつかの﹁司法上のセーフガード﹂ ₈₈

が組み込まれていた。すなわち、①ミティゲーション措置の有効性に係る高度の立証責任、②事業とミティゲーション措置との関連性の要求、③公衆の審査の重視、である。以下では、これらの﹁司法上のセーフガード﹂についてそれぞれ検討する。

1   ミ テ ィ ゲ ー シ ョ ン 措 置 の 有 効 性 に 係 る 高 度 の 立 証 責 任

 

M iti ga te d F O N SI

が用いられた事案において、裁判所は、ミティゲーション措置の適切性、すなわち、ミティゲーシ

(21)

   同志社法学 六六巻三号二〇八)に七八四

ョン措置がEISの作成が要求されない程度まで事業の環境影響を低減するかどうかを判断しなければならない ₈₉

。この判断に際して、裁判所は、ミティゲーション措置が環境影響を重大に満たない程度まで低減することに関する高度の立証責任を行政機関に課している ₉₀

  その際、行政機関に対して要求される立証は、①ミティゲーション措置の有効性と②ミティゲーション措置の実施の確保についてである。すなわち、①について

N at io na l P ar ks

判決は、行政機関はミティゲーション措置の効果について調査を実施した結果として得られる﹁分析的データ﹂に基づき如何にして当該ミティゲーション措置が環境影響を重大に満たない程度まで低減しうるかを詳細に説明しなければならないと判示した。また、

O hio V all ey E nv iro nm en ta l C oa lit io n

判決では、詳細なミティゲーション計画が策定されており、同計画によってミティゲーション措置の有効性が詳述されていることが重視され、

M iti ga te d F O N SI

の利用が認められている。次に、②について連邦裁判所の裁判例は、ミティゲーション措置が実施されることが適切に確保されているか否かに着目している ₉₁

N at io na l A ud ub on So cie ty

判決は、

M iti ga te d F O N SI

の利用が肯定されるためには、ミティゲーション措置が事業許可における義務的条件となっていることや、ミティゲーション措置のモニタリングに関する詳細な計画が策定されていることが必要であると判示した。

2   事 業 と ミ テ ィ ゲ ー シ ョ ン 措 置 と の 関 連 性 の 要 求

 

M iti ga te d F O N SI

を認める裁判例において、ミティゲーション措置がFONSIを正当化することの条件として、事業とミティゲーション措置との関連性を要求するものがある。例えば、

P re se rv at io n C oa lit io n

判決は、①ミティゲーション措置が単に実施される可能性があるにすぎない行為である場合や、②提案事業がなくとも実施されることが予定

(22)

   )に同志社法学 六六巻三号二〇九七八五 されている場合には、その関連性は認められないと判示した。

  ①については、ミティゲーション措置が連邦行政機関以外の第三者によって実施される予定である場合には、その第三者による﹁明確な誓約﹂の存在が必要となる。この﹁明確な誓約﹂に関して、同判決は、本件においてミティゲーション措置の実施がディベロッパーによって契約上誓約されていることを理由として、

M iti ga te d F O N SI

の利用を認めた ₉₂

。②について、同判決は、環境規制の強化等、環境影響を緩和する措置であったとしても、提案事業と無関係に実施されるものについては

M iti ga te d F O N SI

の根拠となるミティゲーション措置として考慮してはならないと判示した。

3   公 衆 の 審 査 の 重 視

  EA作成プロセスにおいても、公衆参加の機会は全く存在しないわけではない。CEQ規則は、行政機関に対して、実行可能な範囲でEA作成プロセスにおいて公衆参加の機会を設けることを要求している ₉₃

。また、行政機関がEA作成の結果としてFONSIを作成するときは、提案行為が﹁通常、EISの作成が要求されるか、もしくは通常要求される行為に類似するものである場合﹂または﹁前例のない行為である場合﹂には、FONSIは三〇日間パブリック・コメントのために公衆の縦覧に供さなければならず、行政機関はこの期間が終わるまで提案行為を実施してはならないとされている ₉₄

 

N at io na l P ar ks

判決は、ミティゲーション措置の効果に関するパブリック・コメントの結果を重視し、EAおよびFONSIに係るパブリック・コメントにおいて、提案されたミティゲーション措置の有効性について﹁実質的な疑問﹂が提起された場合にはEISの作成が要求されるとした上で、本件において公衆から提出された四五〇のコメントのうち約八五%が提案されたミティゲーション措置を批判していることを理由に、

M iti ga te d F O N SI

の利用を認めなかった。

(23)

   同志社法学 六六巻三号二一〇)に七八六

  したがって、

M iti ga te d F O N SI

の利用を認める裁判例においても、ミティゲーション措置によってFONSIを正当化することが認められるためには、行政機関はミティゲーション措置の有効性に関して公衆から﹁実質的な疑問﹂が提起されることのないほどに十分詳細な説明を行うことが求められている ₉₅

第三章 

M iti ga te d F O N SI

をめぐる見解の対立  

M iti ga te d F O N SI

の利用については、これを否定的に捉える見解と肯定的に捉える見解の間で対立がある。本章では、双方の見解の根拠について検討する。

第一節 

Mitigated FONSI

の利用を否定する根拠

1   代 替 案 ・ ミ テ ィ ゲ ー シ ョ ン 措 置 に 関 す る 不 十 分 な 検 討

  NEPAは本来、EISの作成によって代替案およびミティゲーション措置の選択に際して﹁十分な情報に基づく意思決定﹂を確保することを目的としている ₉₆

。EAには、提案行為の必要性、代替案、および提案行為と代替案の環境影響に関する検討が簡潔に記載されることとされているが ₉₇

、EIS作成プロセスにおいて期待される網羅的な現地調査や詳細な代替案の比較検討は行われない ₉₈

。それゆえ、

M iti ga te d F O N SI

が利用される場合、本来EISの作成によって明らかになるすべての環境影響の考慮、および十分な範囲の代替案の検討が行われず、NEPAが予定する﹁十分な情報に基づく意思決定﹂が確保されないとの指摘がある ₉₉

。したがって、

M iti ga te d F O N SI

の利用に否定的な論者は、

M iti ga te d F O N SI

がそのような﹁十分な情報に基づく意思決定﹂を意図的に回避するものであると考えている 100

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