筋系各論 1
-筋
筋
筋
筋
系
系
系
系
各
各
各
各
論
論
論
論
***
運動に関しては各自まとめること
***
背部の筋
dorsal muscles
1.浅背筋 superficial dorsal muscles : 上肢の運動に関与
(1)第1層 : 僧帽筋と広背筋 ①僧帽筋 trapezius m : 後頭骨・頚椎~胸椎の棘突起 → 肩甲骨の肩甲棘・肩峰・鎖骨 支配神経 : 副神経と頚神経叢 ②広背筋 latissimus dorsi m : 第6~12胸椎・腰椎の棘突起・仙骨・腸骨稜・肋骨・肩甲骨 → 上腕骨の小結節稜 支配神経 : 胸背神経 (2)第2層 : 菱形筋と肩甲挙筋 : 神経支配は 肩甲背神経 ①菱形筋 rhomboid m : 大菱形筋と小菱形筋。 第6-7頚椎の棘突起(小菱形筋)・第1-4胸椎の棘突起(大菱形筋) → 肩甲骨の内側縁 ②肩甲挙筋 levator scapulae m : 第1-4頚椎横突起 → 肩甲骨の上角 2. 深背筋 : 上肢とは関係がない (1)第1層 : 上・下後鋸挙筋 : 肋骨を補助的に動かす : 支配神経は 肋間神経
①上後鋸筋 serratus posterior superior m : 第5頚椎~第1 胸椎の棘突起 → 第2-5肋骨 ②下後鋸筋 serratus posteiror inferior m : 第11胸椎~第2腰椎の棘突起 → 第9-11肋骨
(2)第2層 : 固有背筋 : 背筋、本来の背側にある筋 : 主に支配神経は 脊髄神経後枝 ①板状筋 splenius m : 頭蓋骨に停止する 頭板状筋 と 頚椎横突起に停止する 頚板状筋 ②脊柱起立筋 erector muscle of spine, erector spinae : 起始停止をまとめること
1. 腸肋筋 iliocostalis m 2. 最長筋 longissimus m 3. 棘筋 spinalis m ③横突棘筋 transversospinalis m : 横突起 → 棘突起 起始停止をまとめること 1. 頭半棘筋 semispinalis capitis m 2. 頚半棘筋 semispinalis cervicis m 3. 胸半棘筋 semispinalis thoracis m 4. 多裂筋 multifidus m 5. 回旋筋 rotator m ④棘間筋 interspinale m : 二つの(主に隣り合う)棘突起の間にある筋 ⑤横突間筋 intertransversarii m : 横突起の間に張る筋 ⑥後頭下筋 suboccipital m : 後頭部の最深層にある筋。 第1-2頚椎 → 後頭骨・第1頚椎。 支配神経:後頭下神経 1. 大後頭直筋 rectus capitis posterior major m
2. 小後頭直筋 rectus capitis posterior minor m 3. 上頭斜筋 obliquus capitis superior m 4. 下頭斜筋 obliquus capitis inferior m
筋系各論 2
-頭部の筋
1.表情筋 (顔面筋) muscles of expression, facial muscles : 支配神経は 顔面神経
顔面皮下に広がる横紋筋で、骨から起こり皮膚に停止する皮筋。 顔の何処にあるか? 1.後頭前頭筋 occipitofrontalis m 2.眼輪筋 orbicularis oculi m 3.口輪筋 orbicularis oris m 4.頬筋 buccinator m 2. 咀嚼筋 masticatory muscles : 支配神経は 三叉神経第3枝(下顎神経) 頭蓋骨から起こり下顎骨に停止し、下顎を挙げて口を閉じ歯をかみしめる、下顎を横や後に滑らす、など下顎の運動(咀嚼)に 作用する。 ①咬筋 masseter m : 頬骨弓 → 下顎角の外面 ②側頭筋 temporalis m : 側頭骨 → 下顎骨の筋突起 ③外側翼突筋 lateral pterygoid m : 蝶形骨・翼状突起外側板 → 下顎骨の翼突筋窩 ④内側翼突筋 medial pterygoid m : 蝶形骨・翼状突起外側板 → 下顎角の翼突筋粗面
筋系各論 3
-頚部の筋
1.広頚筋 platysma : 神経支配は 顔面神経頚枝 下顎骨の下縁 → 第2,3肋間の高さの皮膚 2.胸鎖乳突筋 sternocleidomastoid m : 神経支配は 副神経と頚神経叢 胸骨柄・鎖骨 → 側頭骨の乳様突起 3. 舌骨上筋 suprahyoid muscles : 下顎の下制や舌骨の挙上 ①顎二腹筋 digastric m : 中間腱(舌骨)を挟んで後腹と前腹を持つ二腹筋。 前腹は下顎体、後腹は乳様突起に着く。 神経支配 : 顔面神経(顎二腹筋枝) と 下顎神経(顎舌骨筋神経) ②茎突舌骨筋 stylohyoid m : 茎状突起 → 舌骨 神経支配 : 顔面神経(茎突舌骨筋枝) ③ 顎舌骨筋 mylohyoid m : 下顎骨の顎舌骨筋線 → 舌骨と正中の縫線 神経支配 : 下顎神経(顎舌骨筋神経) ④オトガイ舌骨筋 geniohyoid m : 下顎骨オトガイ棘 → 舌骨 神経支配 : 舌下神経(オトガイ舌骨筋枝) 4. 舌骨下筋 infrahyoid muscles : 舌骨の引き下げ : 神経支配は 頚神経ワナ ①胸骨舌骨筋 sternohyoid m : 胸骨柄 → 舌骨 ②肩甲舌骨筋 omohyoid m : 下腹は肩甲骨より起こり、中間腱を経て上腹が舌骨に停止 ③胸骨甲状筋 sternothyroid m : 胸骨柄 → 甲状軟骨 ④甲状舌骨筋 thyrohyoid m : 甲状軟骨 → 舌骨5. 椎前筋 anterior vertebral muscles : 首の前屈
頚椎・胸椎の前方にある筋群。 椎骨から起こり頚椎・後頭骨に停止 神経支配:頚神経前枝 ①頚長筋 longus colli m
②頭長筋 longus capitis m
③前頭直筋 rectus capitis anterior m ④外側頭直筋 rectus capitis lateralis m
6. 斜角筋 scaleni muscles 頚椎の横突起より起こり、外下方に向かい第1第2肋骨に停止する筋群。 神経支配:頚神経前枝 ①前斜角筋 scalenus anterior m : 第3~6頚椎の横突起 → 第1肋骨の前斜角筋結節 ②中斜角筋 scalenus medius m : 第2~7頚椎の横突起 → 第1肋骨の鎖骨下動脈溝の後方 ③後斜角筋 scalenus posterior m : 第4~6頚椎の横突起 → 第2肋骨 *斜角筋隙
筋系各論 4
-胸部の筋
muscles of thorax
1.浅胸筋 superficial muscles of thorax : 胸部に位置する上肢筋
胸郭より起こり上肢帯と上腕骨に停止する。 腕神経叢の神経支配 ①大胸筋 pectoralis major m : 鎖骨(鎖骨部)、胸骨と肋骨・肋軟骨(胸肋部)、腹直筋鞘前葉(腹部) → 上腕骨の大結節稜 神経支配:内側・外側胸筋神経 ②小胸筋 pectoralis minor m : 第3~5肋骨 → 肩甲骨の烏口突起 神経支配:内側・外側胸筋神経 ③前鋸筋 serratus anterior m : 第1~8肋骨 → 肩甲骨の内側縁 神経支配:長胸神経 ④鎖骨下筋 subclavius m : 第1肋骨 → 鎖骨 神経支配:鎖骨下筋神経
2.深胸筋 deep muscles of thorax : 固有胸筋 : 神経支配は 肋間神経
①外肋間筋 external intercostal m : 肋間隙に存在。 前部では外上方より内下方に至る。 ②内肋間筋 internal intercostal m : 肋間隙に存在。 前部では内上方より外下方に至る。 ③最内肋間筋 innermost intercostal m : 肋間隙に存在。 内肋間筋と同じ走行。 ④肋下筋 subcostales m : 最内肋間筋の後部の筋束が1つおいて下位の肋骨に停止 ⑤胸横筋 transversus thoracis m : 前胸壁の内面にある筋 ⑥肋骨挙筋 levatores costarum m : 胸椎横突起 → 肋骨。 神経支配は脊髄神経後枝 3.横隔膜 diaphragma : 神経支配は 横隔神経 腹腔と胸腔の境界にある半球ドーム状をした横紋筋の膜 起始は腰椎、肋骨、胸骨、 停止は腱中心 central tendon。 大静脈孔、大動脈裂孔、食道裂孔 ①腰椎部 lumbar part 1) 内側脚 medial crus : 右脚(第1~4腰椎椎体) と 左脚(第1~3腰椎椎体)
2) 外側脚 lateral crus : 内側弓状靭帯 medial arcuate ligament と 外側弓状靭帯 lateral arcuate ligament ②肋骨部 costal part : 肋骨弓より
③胸骨部 sternal part : 胸骨剣状突起より ④腱中心 : 三つ葉型をした腱膜
筋系各論 5
-腹部の筋 muscles of abdomen
1. 前腹筋 : 前腹壁の正中線両側にある : 神経支配は 肋間神経と腸骨下腹神経 ①腹直筋 rectus abdominis m : 恥骨 → 第5-7肋軟骨と剣状突起。 3~4個の腱画を含む。 ②錐体筋 pyramidalis m : 恥骨 → 白線の下部 2.側腹筋 : 腹壁の大部分を占める ①外腹斜筋 external oblique m : 第5-12肋骨の外面 → 腸骨稜、また腱膜として鼡径靱帯、腹直筋鞘の前葉・白線に停止 神経支配:肋間神経、腸骨下腹神経 ②内腹斜筋 internal oblique m : 腸骨稜・ 胸腰筋膜・鼡径靱帯 → 第10 -12肋骨、腱膜として腹直筋鞘の前葉と後葉に入り白線に停止 神経支配:肋間神経、腸骨下腹神経、腸骨鼡径神経 ③精巣挙筋 cremaster m : 内腹斜筋の最下部の筋束が分かれ、鼡径管を通り、精索を包む 神経支配:陰部大腿神経 ④腹横筋 transversus abdominis m : 第7-12肋軟骨・腰筋膜・腸骨稜・鼡径靱帯 → 腱膜として弓状線より上方では腹直 筋鞘の後葉、弓状線より下方では腹直筋鞘の前葉に入り、白線に終わる。 神経支配:肋間神経、腸骨下腹神経、腸骨鼡径神経 *鼡径靱帯、浅・深鼡径輪、鼡径管 3.後腹筋 : 腰椎の両側にある 腰方形筋 quadratus lumborum m : 腸骨稜 → 第12肋骨。 神経支配:腰神経叢筋系各論 6
-上肢の筋 muscles of upper limb
1. 上肢帯の筋 muscles of shoulder girdle
鎖骨・肩甲骨より起こり上腕骨に着く。 神経支配 : 腕神経叢の枝 ①三角筋 deltoid m : 肩甲骨の肩甲棘と肩峰・鎖骨外側 → 上腕骨の三角筋粗面 神経支配:腋窩神経 ②棘上筋 supraspinatus m : 肩甲骨の棘上窩 → 上腕骨の大結節 神経支配:肩甲上神経 ③棘下筋 infraspinatus m : 肩甲骨の棘下窩 → 上腕骨の大結節 神経支配:肩甲上神経 ④小円筋 teres minor m : 肩甲骨の外側縁 → 上腕骨の大結節 神経支配:腋窩神経 ⑤大円筋 teres major m : 肩甲骨の下角 → 上腕骨の小結節稜 神経支配:肩甲下神経 ⑥肩甲下筋 subscapularis m : 肩甲骨肋骨面 → 上腕骨の小結節 神経支配:肩甲下神経
2.上腕の筋 muscles of upper arm 内側・外側上腕筋間中隔により屈筋群と伸筋群に分かれる
(1) 上腕の屈筋群 : 主に上腕前面にある。 神経支配 : 筋皮神経 ①上腕二頭筋 biceps brachii m : 長頭は肩甲骨の関節上結節、短頭は烏口突起 → 橈骨の橈骨粗面 ②烏口腕筋 coracobrachialis m : 烏口突起 → 上腕骨の内側前面 ③上腕筋 brachialis m : 上腕骨前面の下半 → 尺骨の尺骨粗面 (2) 上腕の伸筋群 : 主に後面にある。 神経支配 : 橈骨神経 ①上腕三頭筋 triceps brachii m : 上腕骨後面(内側頭)、上腕骨の橈骨神経溝の上方(外側頭)、肩甲骨の関節下結節(長頭) → 尺骨の肘頭 ②肘筋 anconeus m : 上腕骨の外側上顆 → 尺骨後面 3.前腕の筋 muscles of forearm A. 前腕の屈筋群 : 神経支配は主に正中神経 (1) 浅層群 ①円回内筋 pronator teres m : 上腕骨内側上顆(上腕頭) 、尺骨鈎状突起(尺骨頭) → 橈骨中央 ②橈側手根屈筋 flexor carpi radialis m : 上腕骨の内側上顆 → 第2(3)中手骨底
③長掌筋 palmaris longus m : 上腕骨の内側上顆 → 腱膜状に広がり手掌腱膜に移行 ④尺側手根屈筋 flexor carpi ulnaris m :
上腕骨の内側上顆(上腕頭) 、尺骨上方の後縁(尺骨頭) → 停止腱は豆状骨に付着後、有鈎骨と第5中手骨底 *神経支配:尺骨神経
⑤浅指屈筋 flexor digitorum superficialis m :
上腕骨の内側上顆と尺骨の尺骨粗面(上腕尺骨頭)、橈骨の上部(橈骨頭) → 4筋腹
→ 4腱になり、第2-5指の基節骨底で2分し、裂孔(間に深指屈筋の腱が入る)を作り、再び合流し中節骨底に停止
(2) 深層群 : 神経支配は 正中神経
①深指屈筋 flexor digitorum profundus m :
尺骨と前腕骨間膜 → 4筋腹、4腱、浅指屈筋腱の裂孔を通過して、第2-5指の末節骨底に停止 *神経支配 : 橈側の2筋腹は正中神経、尺側の2筋腹は 尺骨神経
筋系各論 7
-②長母指屈筋 flexor pollicis longus m : 橈骨と前腕骨間膜 → 母指末節骨 ③方形回内筋 pronator quadratus m : 尺骨下部 → 橈骨下部
B. 前腕の伸筋群 : 神経支配はすべて橈骨神経
(1) 橈側群 : すべて上腕骨より起こる : 橈骨神経支配
①腕橈骨筋 brachioradialis m : 上腕骨の外側縁 → 橈骨下端
②長橈側手根伸筋 extensor carpi radialis longus m : 上腕骨の外側縁と外側上顆 → 第2中手骨底 ③短橈側手根伸筋 extensor carpi radialis brevis m : 上腕骨の外側上顆 → 第3中手骨底
(2) 浅層群 : 主として上腕骨の外側上顆より起こる : 橈骨神経支配 ①(総)指伸筋 extensor digitorum m : 外側上顆 →
4筋腹、4腱に移行、第2-5指の背側で指背腱膜となり、3分して中央は中節骨底に、両側は末節骨底 ②小指伸筋 extensor digiti minimi m : 指伸筋から分かれた筋で、指伸筋の第4腱とともに指背腱膜を形成
③尺側手根伸筋 extensor carpi ulnaris m : 上腕骨の外側上顆と尺骨 → 第5中手骨底
(3) 深層群 : 橈骨神経支配
①回外筋 supinator m : 上腕骨の外側上顆と尺骨の回外筋稜 → 橈骨の上部
②長母指外転筋 abductor pollicis longus m : 尺骨と橈骨の後面および前腕骨間膜 → 第1中手骨底 ③短母指伸筋 extensor pollicis brevis m : 橈骨の後面と前腕骨間膜 → 母指基節骨底
④長母指伸筋 extensor pollicis longus m : 尺骨体と前腕骨間膜 → 指背腱膜を作り、母指末節骨底 ⑤示指伸筋 extensor indicis m : 尺骨下部と前腕骨間膜 → 総指伸筋の第2指腱の指背腱膜
4.手の筋 muscles of hand : 働きは全て屈筋 : 神経支配は多くが尺骨神経
(1) 母指球筋 thenar muscles
①短母指外転筋 abductor pollicis brevis m : 母指基節骨底に着く : *神経支配:正中神経 ②短母指屈筋 flexor pollicis brevis m : 2頭(浅頭と深頭) を持ち、母指基節骨底に着く
*神経支配:浅頭は正中神経、深頭は尺骨神経
③母指対立筋 opponens pollicis m : 第1中手骨に着く。 正中神経
④母指内転筋 adductor pollicis m : 横頭と斜頭があり、母指基節骨底に着く
(2) 小指球筋 hypothenar muscles : 全て尺骨神経の支配
①短掌筋 palmaris brevis m : 手掌腱膜より起こり小指球の皮膚に終わる皮筋 ②小指外転筋 abductor digiti minimi m : 小指基節骨底に着く
③短小指屈筋 flexor digiti minimi brevis m : 小指基節骨底に着く ④小指対立筋 opponens digiti minimi m:作用 : 第5中手骨に着く
(3) 中手筋 ①虫様筋 lumbrical ms : 深指屈筋の4腱から起こる4個の筋 第1と第2虫様筋は第2指と第3指の深指屈筋腱、第3と第4虫様筋は第3・4指、第4・5指の腱(2頭) → 基節骨の橈側から指背腱膜に繋がる *神経支配:第1、2虫様筋は正中神経、第3、4虫様筋は尺骨神経 ②掌側骨間筋 palmer interossei ms : 3個あり、第2中手骨の尺側、第4・5中手骨の橈側 → 第2指では基節骨の尺側から、第4,5指では基節骨の橈側から指背腱膜に繋がる ③背側骨間筋 dorsal interossei ms : 4個あり、2頭を持ち第1-5中手骨 → 第2指橈側、第3指橈側、第3指尺側、第4指尺側で基節骨底につき、さらに指背腱膜に繋がる
筋系各論 8
-下肢の筋 muscles of lower limb
1.下肢帯の筋 muscles of pelvic girdle
(1)内寛骨筋 : 骨盤の中にある筋 : 腸腰筋 iliopsoas m : 神経支配:腰神経叢と大腿神経 ①腸骨筋 iliacus m : 腸骨窩 → 大腿骨小転子 ②大腰筋 psoas major m : 第12胸椎-第4腰椎(浅頭)、全腰椎の肋骨突起(深頭) → 大腿骨小転子 ③小腰筋 psoas minor m : 大腰筋の前にある薄い筋。しばしば欠如。 (2) 外寛骨筋 : 骨盤の外にある筋 : 殿筋群 ①大殿筋 gluteus maximus m : 腸骨翼・仙骨と尾骨の外側縁 → 大腿骨の殿筋粗面、腸脛靱帯 神経支配:下殿神経 ②中殿筋 gluteus medius m : 腸骨翼 → 大腿骨大転子 神経支配:上殿神経 ③小殿筋 gluteus minimus m : 腸骨翼 → 大腿骨大転子 神経支配:上殿神経
④大腿筋膜張筋 tensor fasciae latae m : 上前腸骨棘・大腿筋膜の内面 → 腸脛靱帯を経て脛骨外側顆 神経支配:上殿神経 (3)回旋筋群 : 大腿を外旋する。 神経支配は 仙骨神経叢の枝 ①梨状筋 piriformis m : 仙骨の前面 → 大坐骨孔を通過 → 大転子 ②内閉鎖筋 obturatorius internus m : 骨盤内面の閉鎖膜 → 小坐骨切痕を通過 → 大腿骨の転子窩 ③上双子筋 gemellus superior m : 坐骨棘 → 大腿骨の転子窩 ④下双子筋 gemellus inferior m : 坐骨結節 → 大腿骨の転子窩 ⑤大腿方形筋 quadratus femoris m : 坐骨結節 → 大転子・転子間稜 2.大腿の筋 (1) 屈筋群 : 大腿の後面にある筋群、下腿の屈曲。 神経支配は 脛骨神経 ①大腿二頭筋 biceps femoris m : 大腿骨粗線の外側唇( 短頭)、坐骨結節(長頭) → 腓骨頭 ②半腱様筋 semitendinosus m : 坐骨結節 → 脛骨粗面 ③半膜様筋 semimembranosus m : 坐骨結節 → 脛骨内側顆 (2) 伸筋群 : 大腿の前面にある筋群、下腿を伸展。 神経支配は 大腿神経 ①縫工筋 sartorius m : 上前腸骨棘 → 脛骨粗面 ②大腿四頭筋 quadriceps femoris m : 大腿直筋、外側広筋、中間広筋、内側広筋 大腿直筋は下前腸骨棘、 外側広筋は大腿骨粗線の外側唇、 中間広筋は大腿骨の前面と側面、 内側広筋は大腿骨粗線の内側唇より起こる。 4筋は一つの腱として、膝蓋骨に付き、さらに膝蓋靱帯となり脛骨粗面に停止する。 *大腿輪、大腿管、筋裂孔、血管裂孔、腸恥筋膜弓 *大腿三角・スカルパ三角
筋系各論 9 -(3) 内転筋群 : 大腿の内側面にある筋群、大腿を内転。 神経支配は主に閉鎖神経 ①恥骨筋 pectineus m : 恥骨櫛 → 大腿骨の恥骨筋線 *神経支配:大腿神経 ②薄筋 gracilis m : 恥骨結合 → 脛骨の内側面 ③長内転筋 adductor longus m : 恥骨結節 → 大腿骨粗線の内側唇 ④短内転筋 adductor brevis m : 恥骨下枝 → 大腿骨粗線の内側唇 ⑤大内転筋 adductor magnus m : 恥骨下枝・坐骨枝・坐骨結節 → 大腿骨粗線の内側唇、内側上顆 ⑥外閉鎖筋 obturatorius externus m : 閉鎖膜の外面 → 大腿骨の転子窩 (外旋) 3.下腿の筋 (1) 伸筋群 : 足に至り、足と指の背屈(伸展)を行う。 神経支配:深腓骨神経 ①前脛骨筋 tibialis anterior m : 脛骨と下腿骨間膜 → 足底で内側楔状骨と第1中足骨
②長母指伸筋 extensor hallucis longus m : 下腿骨間膜と腓骨間縁 → 母指の指背腱膜を経て母指末節骨 ③長指伸筋 extensor digitorum longus m : 腓骨・前下腿筋間中隔 →
4腱として、第2-5指の指背腱膜に移行し、中節骨と末節骨 ④第3腓骨筋 peroneus tertius m : 長指伸筋の一部が分かれた筋で、第5中足骨底の背側に停止
(2) 腓骨筋群 : 腓骨外側にあり、足の外側縁に至り、外反と底屈を行う。 神経支配:浅腓骨神経 ①長腓骨筋 peroneus (fibularis) longus m : 腓骨頭 → 足底で第1・2中足骨底と内側楔状骨 ②短腓骨筋 peroneus (fibularis) brevis m : 腓骨と前下腿筋間中隔 → 第5中足骨粗面
(3) 屈筋群 : 足の底屈と指の底屈を行う。 神経支配は全て脛骨神経 (3-1)浅層の筋 ①下腿三頭筋 triceps surae m : 2頭の腓腹筋とヒラメ筋 1. 腓腹筋 gastrocnemius m : 大腿骨の内側上顆(内側頭)、大腿骨の外側上顆(外側頭) → 2. ヒラメ筋 soleus m : 腓骨頭・脛骨のヒラメ筋線 → 両者の腱が癒合して踵骨腱(アキレス腱 Achilles tendon)となり、踵骨隆起に停止 ②足底筋 plantaris m : 大腿骨の外側上顆 → ヒラメ筋と腓腹筋の間を下行して、踵骨腱に加わる。 ③膝窩筋 popliteus m : 大腿骨の外側上顆 → 脛骨の上部 (3-2)深層の筋 ①後脛骨筋 tibialis posterior m : 下腿骨間膜・脛骨・腓骨の後面上方 → 足の内側縁から足底の舟状骨、内側・中間・外側楔状骨、立方骨、第2-4中足骨に至る ②長指屈筋 flexor digitorum longus m : 脛骨の後面 → 短指屈筋の腱裂孔を通過し、第2-5指の末節骨
筋系各論 10 -4.足の筋
(1)足背の筋 : 神経支配は 深腓骨神経
①短母指伸筋 extensor hallucis brevis m : 母指基節骨底に着く
②短指伸筋 extensor digitorum brevis m : 3腱に分かれて、第2-4指の長指伸筋の腱の外側から合して、指背腱膜に 加わり、中節骨と末節骨に停止する。
(2)母指球筋
①母指外転筋 abductor hallucis m : 母指基節骨に着く。 神経支配:内側足底神経 ②短母指屈筋 flexor hallucis brevis m : 母指基節骨に着く。 神経支配:内側足底神経
③母指内転筋 adductor hallucis m : 斜頭と横頭からなり、母指基節骨に着く。 神経支配:外側足底神経
(3)小指球筋 : 神経支配は 外側足底神経
①小指外転筋 abductor digiti minimi m : 小指基節骨底に着く ②短小指屈筋 flexor digiti minimi brevis m : 小指基節骨底に着く
(4) 中足筋
①短指屈筋 flexor digitorum brevis m : 踵骨隆起 → 第2-5指の中節骨 神経支配:内側足底神経 ②足底方形筋 quadratus plantae m : 踵骨隆起 → 長指屈筋の腱の背面 神経支配:外側足底神経 ③虫様筋 lumbrical m : 4個ある。長指屈筋腱から起こり、第1虫様筋は第2指腱の母指側、第2-4虫様筋は第2-5指腱 の相対する面より起こり、第2-5指の基節骨の母指側をまわり、第2-5指の指背腱膜や基節骨に停止する。 神経支配:第 1虫様筋は内側足底神経、その他は外側足底神経。 ④底側骨間筋 plantar interossei ms : 3個あり、第3-5中足骨の内側面 → 第3-5指の内側から基節骨底 神経支配:外側足底神経 ⑤背側骨間筋 dorsal interossei ms : 4個ある。 第1-5中足骨の相対する面から2頭で起こり、第1背側骨間筋は第2指の内側、第2-4背側骨間筋は第 2-4指の外側で基節骨底に停止。 神経支配:外側足底神経
筋系各論 11
-骨盤底の筋 muscles of pelvic floor
1. 骨盤隔膜 仙骨神経叢支配 ①肛門挙筋 levator ani 恥骨尾骨筋 : 恥骨内面 → 尾骨 腸骨尾骨筋 : 腸骨内面 → 尾骨 ②尾骨筋 coccygeus : 坐骨棘 → 尾骨 仙棘靭帯の裏 2. 会陰 陰部神経支配 ①浅会陰横筋 恥骨下枝 → 会陰腱中心 ②深会陰横筋 坐骨枝 → 会陰腱中心 ③尿道括約筋 恥骨下枝 → 尿道を囲む 3. 生殖器 ①坐骨海綿体筋 坐骨結節 → 尿道海綿体陰茎海綿体 / 坐骨結節恥骨下枝 → 陰核 ②球海綿体筋 会陰腱中心・ 尿道球 → 陰茎海綿体 / 前庭球→陰核海綿体
末梢神経系各論 1
-末梢神経系 各論
脊髄神経系 各論
1.頚神経 cervical nerves
1-1.後枝 ①後頭下神経 suboccipital n. : C1後枝であり、筋枝(後頭下筋)のみ。 ②大後頭神経 greater occipital n. : C2後枝。後頭部の知覚。 ③第3後頭神経 3rd occipital n. : C3後枝。項の知覚。 1-2.前枝 C1-C4は頚神経叢、C5-C8は腕神経叢を作る。 1-3. 頚神経叢 cervical plexus:C1, C2, C3, C4前枝で構成 皮枝 ①小後頭神経 lesser occipital n. : C2-3 後頭部 ②大耳介神経 greater auricular n. : C2-3 耳介周辺③頚横神経 transverse cutaneous nerve of neck : C2-3 頚部 ④鎖骨上神経 supraclavicular n. : C3-4 鎖骨周囲 筋枝 ①頚神経ワナ Ansa cervicalis : 上根 (C1, C2) と下根 (C2, C3) が合流しループが形成される。舌骨下筋群。 ②横隔神経 phrenic n. : C4(C3-C5)。前斜角筋の前面を下行し、鎖骨下動静脈の間を通って胸腔に入り、肺根 の前を通って横隔膜に分布する。 ③椎前筋や斜角筋への枝 1-4. 腕神経叢 brachial plexus : C5,C6,C7,C8,T1前枝 A. 神経幹 ①上神経幹 superior trunk : C5C6が合してできる。 ②中神経幹 middle trunk : C7単独でできる。 ③下神経幹 inferior trunk : C8とT1が合してできる。 B. 神経束 : 3神経幹はそれぞれ前後に分かれ、3つの神経束を作る。 ①後神経束 posterior cord : 3本の神経幹後部が合してできる。 ②外側神経束 lateral cord :上神経幹の前部と中神経幹の前部が合してできる。 ③内側神経束 medial cord :下神経幹の前部でできる。
末梢神経系各論 2 -C. 主要5神経 後神経束は 橈骨神経 と 腋窩神経 になる。外側神経束と内側神経束はそれぞれ内側枝と外側枝の2枝に分かれ、そ れぞれの1本が合して 正中神経 となる。残った外側神経束の外側枝は 筋皮神経 となり、内側神経束の内側枝は 尺骨神経 になる。 D. 腕神経叢の枝 鎖骨上部で分枝する神経 ①肩甲背神経 dorsal scapular n. : C5 菱形筋と肩甲挙筋を支配。 ②長胸神経 long thoracic n. : C5-7 前鋸筋を支配。 ③鎖骨下筋神経 subclavian n. : C5-6 上神経幹から分枝。 鎖骨下筋を支配。 ④肩甲上神経 suprascapular n. : C5-6 上神経幹から分枝。 棘上筋と棘下筋 鎖骨下部で分枝する神経 1. 外側神経束 ①外側胸筋神経 lateral pectral n. : C5-7 小胸筋と大胸筋を支配。 ②筋皮神経 musculocutaneous n. : C5-6 烏口腕筋を貫いて、上腕の屈筋群を支配し、外側前腕皮神経となる。 ③正中神経の外側根 C5-7 2. 内側神経束 ①内側胸筋神経 medial pectral n. : C8-T1 小胸筋と大胸筋を支配。
②内側上腕皮神経 medial cutaneous n. of arm : 第2肋間神経外側皮枝が合わさって肋間上腕神経となる。 ③内側前腕皮神経 medial cutaneous n. of forearm
④尺骨神経 C8-T1 ⑤正中神経の内側根 C8-T1 3. 後神経束 ①肩甲下神経 subscapular n. : C5-6 大円筋、肩甲下筋を支配。 ②胸背神経 thoracodorsal n. : C6-8 広背筋を支配。 ③腋窩神経 axillary n. : C5-6 後上腕回旋動脈とともに外側腋窩隙を通る。三角筋と小円筋に筋枝を与えたのち、 上外側上腕皮神経と なる。 ④橈骨神経 C5-T1 4.正中神経 median n. C5-T1 外側神経束と内側神経束からの枝が合わさり正中神経となる。 ①筋枝 : 円回内筋、橈側手根屈筋、長掌筋、浅指屈筋などを支配。 ②前骨間神経 anterior interosseous n. : 深指屈筋の橈側2筋腹、長母指屈筋、方形回内筋を支配。 ③掌枝 : 手関節あたりの母指側の皮膚。
④総掌側指神経 common palmar digital n. : 母指球の筋(短母指外転筋、短母指屈筋、母指対立筋)と第1・2虫様筋 に筋枝を与えたのち、固有掌側指神経となり、薬指の中央より橈側の手掌と掌側指縁の皮膚の知覚を支配する。
末梢神経系各論 3 -5.尺骨神経 ulnar n. C8T1 内側神経束より起こり、内側上腕筋間中隔を貫き、上腕の背側に出る。尺骨神経溝、尺側手根屈筋の両頭間を通り、前 腕の屈側に至る。 ①筋枝 : 尺側手根屈筋、深指屈筋の尺側2筋腹を支配する。 ②掌皮枝 : 手掌の尺側の皮膚の知覚。 ③背側指神経 : 中指の中央より背側指縁の知覚を支配する。 ④掌枝 : さらに深枝と浅枝 に分かれる。深枝は小指球の筋(小指外転筋、短小指屈筋、小指対立筋)、第3・4虫様 筋、掌側・背側骨間筋、母指内転筋に筋枝を出す。浅枝は総掌側指神経さらに固有掌側指神経となり、薬指の中央よ り尺側の掌側指縁の知覚を支配する。 6.橈骨神経 radial n. C5-T1 上腕深動脈とともに上腕骨後面(橈骨神経溝)を下外側に走り、腕橈骨筋の起始部の下を通って肘窩の外側に現れる。 ①後上腕皮神経 posterior cutaneous n. of arm
②下外側上腕皮神経 lower lateral cutaneous n. of arm ③筋枝 : 上腕三頭筋と肘筋を支配。
④後前腕皮神経 posterior cutaneous n. of forearm
⑤浅枝 : 背側指神経 となる。中指の中央より橈側の背側指縁を支配する。 ⑥深枝 : 回外筋を貫いて前腕の背側に出て、前腕の全ての伸筋群に筋枝を与えたのち、後骨間神経となり、手根関 節の知覚を支配する。
2.胸神経 thoracic nerves
2-1.後枝 背部の皮膚と固有背筋に分節状に分布する。 内側枝と外側枝がある。 2-2.前枝 : 肋間神経 intercostal n. T1~T12 胸神経の前枝を肋間神経といい、12対ある(T12は 肋下神経 subcostal n. と呼ばれる)。 肋間動・静脈とともに肋間隙 の上縁で肋骨の下縁に沿い、最内肋間筋と内肋間筋の間を走る。 ①筋枝 : 肋間筋、上・下後鋸筋、側腹筋群、前腹筋群を支配する。 ②外側皮枝 lateral cutaneous n. : 特に第2肋間神経の外側皮枝は内側上腕皮神経と合して 肋間上腕神経 とな る。 ③前皮枝 anterior cutaneous n.3.腰神経 lumbar nerves
3-1.後枝 内側枝・外側枝として腰背部の筋と皮膚に分布。 上殿皮神経 superior cluneal n. : L1-3後枝の外側枝。殿部上方の知覚。 3-2. 腰神経叢 lumbar plexus : T12, L1, L2, L3, L4 前枝。 ①腸骨下腹神経 iliohypogastric n. : T12-L1 筋枝を側腹筋群に、皮枝を殿部側面(外側皮枝)と下腹部(前皮枝)。末梢神経系各論 4
-②腸骨鼡径神経 ilioinguinal n. : L1 筋枝を側腹筋群に出し、鼡径管を通って浅鼡径輪を出て、陰嚢/陰唇に分布 する。
③陰部大腿神経 genitofemoral n. : L1-2 大腿枝と陰部枝。前者は大腿前面の皮膚知覚を、後者は男性では精索 に伴い陰嚢に至り精巣挙筋と精巣白膜を、女性では子宮円索に伴い陰唇を支配する。
④外側大腿皮神経 lateral femoral cutaneous n. : L2-3 筋裂孔を通って大腿外側面の皮膚へ。
⑤閉鎖神経 obutrator n. : L2-4 閉鎖動脈とともに閉鎖管を貫き、筋枝を内転筋群に、皮枝を大腿内側面に出す。 ⑥大腿神経 femoral n. : L1-4 筋裂孔を通って大腿動脈に沿って腸恥窩へ。 1) 筋枝 : 腸腰筋、恥骨筋、大腿四頭筋、縫工筋。 2) 前皮枝 : 大腿前面、前内側面 3) 伏在神経 saphenous n. : L3-4 内転筋管を通り大伏在静脈に伴い、下腿内側より足背内側縁の皮膚
4.仙骨神経 sacral nerves
4-1.後枝 中殿皮神経 middle cluneal n. : S1-S3の後枝。殿部の知覚。 4-2. 仙骨神経叢 sacral plexus : L4, L5, S1, S2, S3 前枝。 腰仙骨神経幹により腰神経叢と交通。 ①上殿神経 superior gluteal n. : L4-S1 梨状筋上孔より骨盤外に至り、中殿筋、小殿筋、大腿筋膜張筋を支配。 ②下殿神経 inferior gluteal n. : L5-S2 梨状筋下孔より骨盤外に至り、大殿筋を支配。③後大腿皮神経 posterior cutaneous n. of thigh : S1-3 梨状筋下孔より骨盤外に出て、大腿後面と膝窩の皮膚に分 布する。 途中、下殿皮神経と会陰枝が分かれる。
④坐骨神経 sciatic n. : L4-S3 梨状筋下孔より骨盤外に出て、大腿後側を下り、膝窩上方で2枝(総腓骨神経と脛骨 神経)に分かれる。 大腿の屈筋群と大内転筋に筋枝を出す。
1) 総腓骨神経 common peroneal n. : 腓骨頭を回り、下腿の前面に出る。 ・外側腓腹皮神経 lateral sural cutaneous n. : 下腿外側の皮膚。
・浅腓骨神経 superficial peroneal n. : 腓骨筋群(長・短腓骨筋)に筋枝を出し、内側足背皮神経と中間足背皮神 経になる。 ・深腓骨神経 deep peroneal n. : 下腿の伸筋群に筋枝を出し、母指外側と第2指内側の背側指神経になる。 2) 脛骨神経 tibial n. : 下腿の後側を内果に向い、内果の後側で内側および外側足底神経に分かれる。 ・筋枝 : 下腿の全屈筋群を支配。 ・内側腓腹皮神経 : 外側腓腹皮神経との交通枝と吻合し、腓腹神経 sural n. となり、外側足背皮神経などを出 す。 ・内側足底神経 : 母指外転筋、短母指屈筋、短指屈筋の一部、内側の虫様筋を支配したのち、総底側指神経、 固有底側指神経となる。 ・外側足底神経 : 足底方形筋と小指外転筋に筋枝を出したのち、短小指屈筋、骨間筋、外側の虫様筋、母指内 転筋を支配する。また総底側指経と固有底側指神経を出す。 4-3. 陰部神経叢 pudendal plexus : S2-4前枝 陰部神経 pudendal n. : 梨状筋下孔を出たのち、小坐骨孔を経て坐骨直腸窩に達する。 1) 下直腸神経 inferior rectal n. : 外肛門括約筋と肛門周囲の皮膚 2) 会陰神経 perineal n. : 後陰嚢神経/後陰唇神経を出す。 3) 陰茎背神経/陰核背神経
末梢神経系各論 5
-脳神経
各論
脳から出入りする末梢神経 (頭蓋を貫く神経) 12対 (今の段階では脳内の核は必要ない)
機能的分類
1). 感覚性神経 sensory n. / 求心性神経 afferent n.
① 一般体性求心性 general somatic afferent (GSA) : 体性感覚(痛覚、温度覚、触覚、深部覚など)。 ② 一般臓性求心性 general visceral afferent (GVA) : 内臓の感覚。
③ 特殊体性求心性 special somatic afferent (SSA) : 視覚、聴覚、平衡覚。 ④ 特殊臓性求心性 special visceral afferent (SVA) : 味覚、嗅覚。
2). 運動性神経 motor n. / 遠心性神経 efferent n.
① 体性遠心性 general somatic efferent (SE) : 体節に由来する横紋筋を支配。 ② 特殊臓性遠心性 special visceral efferent (SVE) : 鰓弓に由来する横紋筋を支配。 ③ 一般臓性遠心性 general visceral efferent (GVE) : 内臓の平滑筋、心筋、腺を支配。
1.嗅神経 olfactory n.
嗅覚 を司る純感覚性神経。 SVA
鼻粘膜嗅部の嗅細胞の軸索 → 嗅糸(20本くらい)(まとめて 嗅神経) → 篩骨篩板 → 嗅球
2.視神経 optic n.
視覚 を司る純感覚性神経。 SSA
視細胞 → 視神経節細胞 → 視神経円板 optic disk (視神経乳頭 optic papilla)で眼球を出る → 視神経 → 視神経管を通過 → 視神経交叉溝上で視交叉(視神経交叉) optic chiasma を形成 → 視索 → 外側膝状体
3.動眼神経 oculomotor n.
外眼筋の運動と内眼筋の副交感 を司る混合性神経。 ① SE 中脳・動眼神経核 → 動眼神経 → 海綿静脈洞 → 上眼窩裂 → 上枝 : 上眼瞼挙筋と上直筋、 下枝 : 内側直筋、下直筋、下斜筋 ② GVE 中脳・動眼神経副核(E-W核) → 動眼神経 → 下枝 → 毛様体神経節 → 瞳孔括約筋と毛様体筋末梢神経系各論 6 -毛様体神経節 ciliary ganglion 副交感神経節。 瞳孔括約筋と毛様体筋の支配を行う。眼神経に付属する。 ① 副交感性 : 動眼神経からの枝(節前) → 毛様体神経節で節後線維 → 短毛様体神経(節後) → 瞳孔括約筋と毛様体筋 ② 交感性 : 上頚神経節(節後) → 内頚動脈神経 → 毛様体神経節(通過) → 短毛様体神経 → 瞳孔散大筋 ③ 感覚性 : 三叉神経節 → 鼻毛様体神経からの枝 → 毛様体神経節(通過) → 短毛様体神経 → 眼球感覚
4.滑車神経 trochlear n.
上斜筋 を支配する純運動性神経。 SE 中脳・滑車神経核 → 滑車神経 → 海綿静脈洞 → 上眼窩裂 → 上斜筋5.三叉神経 trigeminal n.
顔面の体性感覚、眼筋・咀嚼筋の深部感覚(固有感覚)、咀嚼筋の運動 を支配する混合性神経。 ① GSA 顔面皮膚 → 三叉神経 → 三叉神経節 → 三叉神経脊髄路核と三叉神経主知覚核 ② GSA 眼筋、咀嚼筋、歯根膜 → 三叉神経 → 三叉神経中脳路核 ③ SVE 橋・三叉神経運動核 → 三叉神経運動根 → 咀嚼筋 感覚性成分と運動性成分はそれぞれ集まって感覚根と運動根を作り、感覚根は 三叉神経節 (半月神経節) trigeminal ganglion, semilunar ganglion を作り、さらに眼神経、上顎神経、下顎神経の3枝に分かれる。 運動根は下顎神経に合流する。 (副交感神経節として 眼神経に毛様体神経節、 上顎神経に翼口蓋神経節、 下顎神経に耳神経節と顎下神経節が 付属する。)5-1. 眼神経 ophthalmic n.
(三叉神経第1枝, V1)
上眼窩裂を通って眼窩に入る。 小脳テント、前頭部・上眼瞼・眉間・鼻根・鼻尖の皮膚感覚、眼球感覚を司る。 (翼口蓋神経節と毛様体神経節から副交感性節後線維を受け、涙腺と瞳孔括約筋・毛様体筋の支配も行う。) ① (テント枝 : 上眼窩裂を通らず頭蓋内を通って小脳テントに分布。) ② 涙腺神経 lacrimal n. : 上眼瞼の外側部の皮膚感覚を支配する。 (頬骨神経との交通枝を介して翼口蓋神経節に由来する副交感と交感を含み涙腺に分布) ③ 前頭神経 frontal n. : 眼窩上壁の骨膜と上眼瞼挙筋の間を進み、眼窩上神経 と 滑車上神経 に分かれる。 ・眼窩上神経 は外側枝が眼窩上切痕(孔)を、内側枝が前頭切痕(孔)を通って、前頭部~頭頂部の皮膚に至る。 ・滑車上神経 は滑車の上方を通って 上眼瞼内側部、結膜、鼻根に至る。 ④ 鼻毛様体神経 nasociliary n. : 眼球、涙嚢、鼻粘膜(一部)、鼻根の感覚 ・(滑車下神経 : 滑車の下方を通って、上眼瞼や内眼角の皮膚に至る。) ・前篩骨神経 : 前篩骨孔を通過して再び頭蓋内に入り、篩骨篩板の上を前走し、篩板を貫いて鼻腔に入り、鼻粘 膜の感覚と鼻背と鼻尖の感覚を司る。末梢神経系各論 7 -・後篩骨神経 : 後篩骨孔を通過して篩骨洞や蝶形骨洞の感覚を司る。 ・長毛様体神経 : 2~3本、眼球の後極から強膜と脈絡膜の間に至る。眼球の感覚。 ・毛様体神経節との交通枝 : 毛様体神経節に感覚性成分を送る。
5-2. 上顎神経 maxillary n. (三叉神経第2枝, V2)
正円孔を通って翼口蓋窩に入る。 脳硬膜、下眼瞼・頬部・鼻翼・上唇の皮膚感覚、上顎の歯と歯肉の感覚を司る。 (翼口蓋神経節より副交感性節後線維を受けて鼻腺・口蓋腺の副交感性支配も行う。) ① (硬膜枝 : 脳硬膜に分布する感覚神経。) ② 眼窩下神経 infraorbital n. : 翼口蓋窩から下眼窩裂を通って眼窩に至り、眼窩下溝→眼窩下管→眼窩下孔 よ り顔面に出る。 下眼瞼枝、外鼻枝、内鼻枝、上唇枝、前上歯槽枝、中上歯槽枝。 ③ 翼口蓋神経 pterygopalatine n. : 上顎神経と翼口蓋神経節を結合する2~3本の小枝で、翼口蓋神経節を通過 する感覚性線維の他に、翼口蓋神経節からの副交感性節後線維が通り頬骨神経を経て涙腺に至る。 ④ 頬骨神経 zygomatic n. : 翼口蓋窩から下眼窩裂を通って眼窩に至り、頬骨眼窩孔より頬骨に入る。頬骨内で頬 骨顔面枝 と頬骨側頭枝に分かれ皮下に出る。 頬骨神経は交感・副交感が通り涙腺神経に進む。⑤ 後上歯槽枝 posterior superior alveolar branch : 上顎骨内を通り、歯と歯肉の感覚を司る。
後上歯槽枝と眼窩下神経の前・中上歯槽枝は 上歯槽神経 superior alveolar n. として、歯や歯槽に神経 (上歯神 経叢 superior dental plexus) を伸ばす。
5-3. 下顎神経
mandibular n. (三叉神経第3枝, V3)
感覚と運動性成分を含む混合性神経。 卵円孔を通って側頭下窩に入る。 硬膜の知覚、側頭部・耳介前部・オトガイ 部の皮膚知覚、下顎の歯と歯肉の知覚、下唇、舌前2/3 の味覚を除く知覚と、咀嚼筋を支配する。 ① (硬膜枝 : 硬膜感覚。) ② 咬筋神経 : 咬筋支配。 ③ 深側頭神経 : 側頭筋支配。 ④ 外側翼突筋神経 : 外側翼突筋支配。 ⑤ 内側翼突筋神経 : 内側翼突筋支配。 ⑥ 頬神経 buccal n.: 頬粘膜の感覚。 ⑦ 耳介側頭神経 auriculotemporal n. : 中硬膜動脈を間に挟む2根として始まる。 耳介前面、外耳道、側頭部の感 覚を支配する。耳神経節からの副交感性節後線維が通り、耳下腺に分布する。⑧ 舌神経 lingual n. : 舌前2/3 の感覚(味覚以外)を支配する。 鼓索神経 chorda tympani (顔面神経の枝)と合流 して、味覚線維と副交感性節前線維が入り、舌前2/3の味覚と顎下腺と舌下腺の分泌を支配する。
⑨ 下歯槽神経 inferior alveolar n. : 下顎孔より下顎管に入り 下歯神経叢 inferior dental plexus となり下顎の歯と 歯肉に分布。本幹は更にオトガイ孔より出て オトガイ神経 mental n. として、オトガイ部と下唇皮膚感覚を司る。下顎 孔に入る直前に分かれる 顎舌骨筋神経 は、顎舌骨筋と顎二腹筋前腹を支配する。
6.外転神経 abducent n.
外側直筋を支配する運動性神経。 SE
末梢神経系各論 8
-7.顔面神経 facial n.
表情筋の運動、涙腺・鼻腺・小口蓋腺・顎下腺・舌下腺の支配、舌前2/3の味覚 を支配する混合性神経。 狭義の顔面神経 ① SVE 橋・顔面神経核 → 顔面神経 → 表情筋 中間神経 ② GVE 延髄・上唾液核 → 中間神経 → 翼口蓋神経節 → 涙腺・鼻腺・小口蓋腺 延髄・上唾液核 → 中間神経 → 顎下神経節 → 顎下腺、舌下腺 ③ SVA 舌前3分の2の味蕾 → 膝神経節 → 孤束核・延髄 橋と延髄の境界より起こり、内耳神経とともに内耳道に入り(中間神経は内耳神経と顔面神経の間に位置する)、内耳道 底で内耳神経と別れる。側頭骨内の顔面神経管に入り、膝神経節 を作り直角に曲がって下方に走り茎乳突孔より頭 蓋の外に出る。 1) 顔面神経管で出る枝 ① 大錐体神経 greater petrosal n. : 上唾液核に由来する副交感性節前線維で、膝神経節のところで大錐体神経と して別れ、大錐体神経管と大錐体神経管裂孔を通り側頭骨の錐体前面に出る。大錐体神経溝から破裂孔より頭蓋外 に出る。 交感性節後線維の深錐体神経と合して翼突管神経となり、翼突管を通り翼口蓋窩で翼口蓋神経節に至る。 節後線維は涙腺、鼻腺、小唾液腺を支配する。 ② アブミ骨筋神経 : アブミ骨筋を支配する。 ③ 鼓索神経 chorda tympani : 顔面神経が茎乳突孔より頭蓋外に出る直前に出す枝で、鼓索小管を通って鼓室に 入り、キヌタ骨とツチ骨の間を通って、錐体鼓室裂より頭蓋外に出て、舌神経に合流する。 上唾液核からの副交感性 節前線維と膝神経節からの味覚性線維からなる。 2) 茎乳突孔を出た後の枝 ① 後耳介神経 : 後頭筋、側頭頭頂筋、後耳介筋、顎二腹筋の後腹、茎突舌骨筋 ② 耳下腺神経叢 : 表情筋に分布 翼口蓋神経節 pterygopalatine ganglion 副交感神経節で、翼口蓋窩にある。 涙腺、鼻腺、口蓋腺を支配する。上顎神経に付属する。 → 神経節に入る ① 感覚性 : 翼口蓋神経(上顎神経) → 翼口蓋神経節(通過) ② 副交感性 : 中間神経(顔面神経) → 大錐体神経 → 翼突管神経 → 翼口蓋神経節 ③ 交感性 : 上頚神経節(節後) → 内頚動脈神経 → 深錐体神経 → 翼突管神経 → 翼口蓋神経節(通過) 神経節から出る(混合性) → ① 後鼻枝 : 蝶口蓋孔 → 鼻粘膜 鼻口蓋神経 → 切歯管 → 口蓋粘膜 ② 口蓋神経 : 大口蓋管 → 大口蓋神経・小口蓋神経 → 大口蓋孔・小口蓋孔 → 口蓋、口蓋扁桃 ③ 涙腺神経 : 翼口蓋神経 → 頬骨神経(上顎神経の枝) → 涙腺神経 → 涙腺末梢神経系各論 9 -顎下神経節 submandibular ganglion 副交感神経節で、顎下腺と舌下腺を支配する。下顎神経に付属する。 ①副交感性 : 中間神経(顔面神経) → 鼓索神経 → 舌神経 → 顎下神経節(節後線維となる) → 顎下腺と舌下腺 ②交感性 : 上頚神経節(節後) → 外頚動脈神経 → 顔面動脈神経叢 → 顎下神経節(通過) → 顎下腺と舌下腺
8.内耳神経 vestibulocochlear n.
平衡感覚(前庭神経)と聴覚(蝸牛神経)を支配する感覚性神経。 SSA 前庭神経 (平行斑と膨大部菱 → 前庭神経節) と 蝸牛神経 (ラセン器 → ラセン神経節) → 内耳道底 → 内耳道 → 内耳神経 → 橋と延髄の境界9.舌咽神経 glossopharyngeal n.
茎突咽頭筋や上部咽頭筋の運動、耳下腺分泌、鼓室・耳管・咽頭・舌の後方1/3の臓性感覚、舌後方1/3の味覚、耳介 後方の小領域の体性感覚 を支配する混合性神経。 ① SVE 延髄・疑核 → 茎突咽頭筋や上部咽頭筋 ② GVE 延髄・下唾液核 → 耳神経節 → 耳下腺 ③ GSA 耳介後方の一般体性感覚 → 上神経節 → 三叉神経脊髄路核 ④ SVA 舌後方1/3 の味覚 → 下神経節 → 孤束核 ⑤ GVA 鼓室・耳管・咽頭・舌後方1/3の一般臓性感覚 → 下神経節 → 孤束核 延髄より起こり、頚静脈孔より頭蓋外に出る。頚静脈孔の入り口で 上神経節と下神経節 を形成する。 ① 鼓室神経 tympanic n. : 下唾液核より起こる副交感性節前線維と下神経節より起こる感覚性線維からなる。下神 経節で分かれ、鼓室小管を通り、鼓室で鼓室神経叢を形成し、鼓室と耳管の感覚を支配する。 副交感性の小錐体神 経を出す。 (小錐体神経は小錐体神経管を通って、小錐体神経裂孔より錐体前面に出る。小錐体神経溝を経て破裂孔より頭蓋外 に出て、耳神経節を経て耳介側頭神経を通って耳下腺に分布。) ② 頚動脈洞枝 ③ 咽頭枝 : 咽頭の外側を下降し、迷走神経咽頭枝と共に咽頭神経叢を形成し、咽頭の感覚と上部咽頭筋を支配。 ④ 扁桃枝 : 口蓋扁桃、口峡、軟口蓋の感覚。 ⑤ 舌枝 : 舌の後1/3(舌根)の味覚と感覚 ⑥ 茎突咽頭筋枝 : 茎突咽頭筋の運動。 耳神経節 otic ganglion 副交感神経節で、側頭下窩にある。 耳下腺を支配する。下顎神経に付属する。 ①副交感性 : 舌咽神経 → 鼓室神経 → 小錐体神経 → 耳神経節(副節後) → 耳介側頭神経 → 耳下腺 ②交感性 : 上頚神経節(節後) → 外頚動脈神経 → 耳神経節(通過) → 耳介側頭神経 → 耳下腺 ③運動性 : 三叉神経運動根 → 下顎神経 → 耳神経節(通過) → 口蓋帆張筋と鼓膜張筋末梢神経系各論 10
-10.迷走神経 vagus n.
喉頭と咽頭の筋、胸・腹部臓器の副交感性支配と臓性感覚、耳介後方と外耳道後壁の体性感覚 を司る混合性神経。 ① SVE 疑核 → 喉頭と咽頭の筋 ② GVE 迷走神経背側運動核 → 腹部の副交感性自律神経節 → 腹部臓器の平滑筋や腺 ③ GVA 喉頭蓋、喉頭、咽頭、胸・腹部臓器の一般臓性感覚 →下神経節 → 孤束核 ④ GSA 耳介後方と外耳道後壁(体性感覚) → 上神経節 → 三叉神経脊髄路核 延髄より起こり、舌咽神経や副神経と共に頚静脈孔を通って頭蓋外に出る。 頚静脈孔の中で 上神経節 (頚静脈神経 節)、出て 下神経節 (節状神経節) を作る。 頚動脈鞘の中を内頚動脈・総頚動脈と内頚静脈とともに下行し、右の迷 走神経は鎖骨下動脈の前を、左の迷走神経は大動脈弓の前を通って、胸腔に入る。 はじめ左右の迷走神経は食道 の両側にあるが、下方に行くにつれ右迷走神経は食道の後方へ移動して後迷走神経幹に、左の迷走神経は食道の前 方に移動して前迷走神経幹になる。横隔膜の食道裂孔を貫いて、腹腔に至る。 ① (硬膜枝 : 上神経節の枝で頭蓋外に出ずに脳硬膜の感覚を司る。) ② (耳介枝 : 上神経節の枝で耳介後部の皮膚感覚を司る。) ③ 咽頭枝 : 下神経節から出て舌咽神経の咽頭枝とともに 咽頭神経叢 を形成する。 ④ 上喉頭神経 superior laryngeal n. : 下神経節から出て内枝と外枝に分かれる。 内枝 は臓性感覚で甲状舌骨膜 を貫いて喉頭感覚を支配する。 外枝 は、下咽頭収縮筋、輪状甲状筋を支配する。 ⑤ 反回神経 recurrent laryngeal n. : 右は鎖骨下動脈、左は大動脈弓(動脈管索の外側)を前から下を通って後へ 回り上行し、下喉頭神経 となる。喉頭下半の感覚と、輪状甲状筋を除く喉頭筋の支配。 ⑥ 上頚心臓枝、下頚心臓枝、胸心臓枝 : 副交感性節前線維。心臓神経叢を作り、心臓に分布する。 ⑦ 食道枝 : 頚部では反回神経、胸部では本幹からの枝。 ⑧ 気管支枝 : 肺神経叢を作り、気管・気管支の平滑筋、気管支腺に分布。 ⑨ 終枝 : 横隔膜を貫いて腹腔内に入った枝。胃枝、肝枝、腹腔枝など。 食道~横行結腸中央までの消化管の副 交感性支配と臓性感覚。11.副神経 accessory n.
僧帽筋と胸鎖乳突筋 を支配する運動性神経。 SE/SVE 延髄根は疑核下部に由来し、延髄から出る。 脊髄根は頚髄(C1-C5)の前角にある副神経脊髄核より起こり、頚神経の 前根と後根の間から出て上行し、大孔より頭蓋内に入る。 延髄根と脊髄根は副神経を形成し、頚静脈孔を貫いて頭 蓋外に出て、ただちに内枝(延髄根の延長)と外枝(脊髄根の延長)に分かれる。 ・内枝は迷走神経の反回神経などを通して咽頭喉頭に分布。 ・外枝は胸鎖乳突筋と僧帽筋を支配する。12.舌下神経 hypoglossal n.
舌筋 を支配する運動性神経。 SE 脊髄神経(頚神経)の頭側への続き 延髄・舌下神経核 → 10~15本が延髄より出る → 2本の束として硬膜を貫く → 舌下神経管 → 舌筋末梢神経系各論 11
-自
律
神
経
系
自
律
神
経
系
自
律
神
経
系
自
律
神
経
系
各
各
各
各
論
論
論
論
交
交
交
交
感
感
感
感
神
神
神
神
経
経
経
経
系
系
系
系
各
各
各
各
論
論
論
論
1.
頭部交感神経
節前線維は上位胸髄に由来し、上頚神経節において節後線維に変わり、内頚動脈神経と 外頚動脈神経となる。 ①内頚動脈神経(交感神経幹の続きのように見える)は、頚動脈管に入り 内頚動脈神経叢 を作り以下の枝を出し、内頚動 脈とその枝に分布する。 (→ 頚鼓神経 は頚鼓小管を通り鼓室に入り、舌咽神経と共に鼓室神経叢を作り鼓室に分布する。) → 深錐体神経 が頚動脈管を出る付近で分かれ、(顔面神経由来の大錐体神経と共に)翼突管神経となり、翼口蓋神 経節を通過して、涙腺・口蓋腺・鼻腺に分布する。 → 海綿静脈洞付近で眼動脈から分かれ、上眼窩裂を通って眼窩に入り、毛様体神経節を通過し 短毛様体神経 とし て眼球内の血管・瞳孔散大筋に分布する。 ②外頚動脈神経は、外頚動脈神経叢 を作り、頭部の皮膚や血管に分布する。他に → 顎動脈と中硬膜動脈を経て耳神経節を通過し、耳下腺に分布する。 → 顔面動脈を経て顎下神経節を通過し、顎下腺と舌下腺に分布する。2.
頚部交感神経
節前線維は上位胸髄に由来し、上頚神経節 superior cervical ganglion、中頚神経節 middle cervical ggl 、下頚神経節 inferior cervical ggl の幹神経節に入り、節後線維を作る。約半数の下頚神経節は第一胸神経節と融合して 頚胸神経節 cervicothoracic ggl (星状神経節 stellate ggl) となる。 これら神経節は8本すべての頚神経C1-C8に節後線維を与える。
①上頚神経節からは 、喉頭咽頭枝 が出て頚動脈小体に分布し、さらに 咽頭神経叢 を作り咽頭喉頭に分布する。 上頚心臓神経 superior cervical cardiac n. は大動脈弓の前や後を通って心臓神経叢に至る。
C1-C3と交通し、その脊髄神経分布域に節後線維を送る。
②中頚神経節は欠如したり分散したりすることもある。(甲状腺枝は下甲状腺動脈に沿って甲状腺に至る。) 中頚心臓神経 middle cervical cardiac n. は大動脈弓の後ろを経て心臓神経叢に至る。
C4-C6と交通し、その脊髄神経分布域に節後線維を送る。
③頚胸神経節からは 、下頚心臓神経 inferior cervical cardiac n. が出て動脈弓の後ろから心臓神経叢に至る。 椎骨動脈神経 は椎骨動脈に分布しながら頭蓋内に入り後大脳動脈まで達する。 C7-C8と交通し、腕神経叢に入り上肢に分布する。
3.
胸部交感神経
胸部交感神経幹には約11個の胸神経節 thoracic ggl があり、同じ高さの胸神経T1-T12に節後線維を送り、筋や皮膚に分布 する。 他には以下の枝が出る。 上位胸神経節からは節後線維として、胸心臓神経 thoracic cardiac n. や肺枝が出る。 下位胸神経節からは主として節前線維と感覚線維から構成される 胸内臓神経(以下の3つに分類される)が出る。 ①大内臓神経 greater splanchnic n. は第5-9胸神経節を通過する神経(節前線維)であり、大部分は 腹腔神経節 に終 わり、一部は大動脈腎動脈神経節に終わる。 ②小内臓神経 lesser splanchnic n. は第9-10胸神経節を通過する神経(節前線維)で、大動脈腎動脈神経節に終わる。 ( ③最下(小)内臓神経は不定で、腎神経叢に終わる。)末梢神経系各論 12
-4.
腰部交感神経
通常4つの 腰神経節 lumbar ggl があり、節後神経は腰神経L1-L5や腰神経叢を経て体幹下部から下肢に分布する。 腰神経節を通過する節前線維は 腰内臓神経 lumbar splanchinic n. を経て上下腹神経叢に加わり、神経叢内の神経節に達 する。5.
骨盤部交感神経
4-5個の 仙骨神経節 sacral ggl からなり、仙骨神経S1-S5や仙骨神経叢を経て下肢に向かう節後線維が出る。下方では 左右 の神経幹が尾骨の前で癒合し 不対神経節 を作る。 仙骨神経節を通過する節前線維である 仙骨内臓神経 sacral splanchnic n. は下腹神経または下下腹神経叢に加わる。副
副
副
副
交
交
交
交
感
感
感
感
神
神
神
神
経
経
経
経
系
系
系
系
各
各
各
各
論
論
論
論
1.
動眼神経
節前線維は 中脳の動眼神経副核(Edinger-Westphal核) に始まり、動眼神経とともに走り、毛様体神経節 ciliary ggl に達す る。節後線維は 短毛様体神経を経て眼球内に入り、毛様体筋と瞳孔括約筋に分布する。2.
顔面神経
延髄の上唾液核に始まり 中間神経 を経て顔面神経と合流する。 →膝神経節 の位置で顔面神経から分かれ、大錐体神経 やがて 翼突管神経(交感性の深錐体神経と合流) を経て 翼 口蓋神経節 pterygopalatine ggl に入り、節後線維として鼻腺や口蓋腺に達する。 また翼口蓋神経節から上顎神経・頬骨神経を経て 涙腺神経 を通り、涙腺に至る。 →鼓索神経・舌神経 を経由して 顎下神経節 submandibular ggl に至り、節後線維が顎下腺・舌下腺に至る。3.
舌咽神経
延髄の下唾液核から起こって 舌咽神経 を通り、ついで 鼓室神経 を通り、小錐体神経 となり 耳神経節 otic ggl に入る。 節後線維は 耳介側頭神経 を通って耳下腺に達する。 舌咽神経の途中にある 上・下神経節 には一般内臓性感覚神経の細胞体があり、感覚線維は舌後部・扁桃・咽頭・頚動脈 洞・頚動脈小体に分布する。4.
迷走神経
延髄の 迷走神経背側核 からの節前線維は気管・消化管に達し、疑核 から起こった節前線維は心臓に達する。 気管支枝は、気管枝後面で 肺神経叢 を形成し、肺門近傍にある神経節を経て節後線維は気管枝や気管細枝に分布する。 消化管に分布するものは消化管壁内の神経節に達し節後線維を形成する。 複数の(上頚・下頚・胸)心臓枝は総頚動脈や腕頭動脈に沿って大動脈弓に至り、心臓神経叢 に達し、心臓神経節(副交感 神経節) を経て節後線維として心臓に達する。 迷走神経中にある 上・下神経節 には一般内臓性感覚神経の細胞体があり、感覚線維は咽頭・食道・心臓・気管気管支・胃・ 小腸・腎臓などに分布する。5.
仙骨神経
第2-4仙骨神経の前枝から出る節前線維からなる 骨盤内臓神経 pelvic splanchnic n. は、下下腹神経叢 (骨盤神経叢) を 作り、神経叢内 (骨盤神経節 pelvic ggl) または臓器の壁中にある神経節で節後線維となり、骨盤内の臓器に分布する。 仙骨神経の脊髄神経節には一般臓性求心性神経の細胞体が含まれ、結腸や骨盤内臓に分布する。末梢神経系各論 13
自
自
自
自
律
律
律
律
神
神
神
神
経
経
経
経
叢
叢
叢
叢
autonomic plexus
胸腹部、骨盤部に分布する自律神経は直接臓器に分布するのではなく、いったん神経叢(自律神経叢)の形を取り、交感神 経と副交感神経が混合した神経線維の網目構造を作り、後に臓器に分布する。1.
胸部の神経叢
①心臓神経叢 cardiac plexus 上中下頚心臓神経(交感) からの節後線維と 迷走神経・心臓枝(副交感)からの節前線維、心臓神経節 cardiac ggl (迷走神 経由来、副交感)とそこからの節後線維で形成される。浅部(腹側)は大動脈弓の下で右肺動脈の前に位置し、左の上頚心 臓神経(交感)と左の下頚心臓枝(迷走)が入り、右冠状動脈から右房・右室に分布する。 深部(背側)は大動脈弓の後ろで気管分岐部の前にあり右の上中下頚心臓神経と左の中下頚心臓神経(交感)と、右の上 頚・下頚心臓枝と左の上頚心臓枝・左右の胸心臓枝(迷走) が入る。左冠状動脈から左房・ 左室に入る。 更に胸神経節由 来の交感神経も心臓神経として加わる。 ②肺神経叢 pulmonary plexus 主気管支の前後に形成される。肺門の 近傍に小さな神経節(副交感性)があ る。 前の神経叢は心臓神経と心臓枝の他 に上位胸神経節からの肺枝や反回神 経からの枝により出来る。 後の神経叢は迷走神経からの気管支 枝を主体とし上位胸神経節からの肺枝 が加わって出来る。末梢神経系各論 14
-2. 腹部の神経叢
①腹腔神経叢 celiac plexus, coeliac plexus
腹大動脈の前面に、大・小内臓神経(交感・節前) と 迷走神経(副交感・節前) が絡み合って神経叢を作り、腹腔動脈の左 右に大きな 腹腔神経節 celiac ganglion と 大動脈腎動脈神経節 (腹腔神経節の下部が離れている場合) (共に交感)が 位置する。 さらに二次神経叢(交感節後、副交感節前)が広がる。 肝神経叢 … 肝動脈と門脈に沿う。 胃神経叢 … 左に分布する部分(前後の神経叢は主に迷走神経による) 脾神経叢 … 脾動脈沿う。 腎神経叢 … 腎動脈周囲にあり腎神経節を含む。 尿管神経叢 … 尿管周囲に出来る。 精巣動脈神経叢 … 精巣 動脈に沿って出来る。 卵巣動脈神経叢 … 卵巣 動脈に沿って出来る。 ②上腸間膜動脈神経叢 superior mesenteric plexus
腹腔神経叢の続きとして見ら れ、上腸間膜動脈神経節(交 感) を含み、上腸間膜動脈 に沿い膵臓や小腸結腸に分 布する。 ③下腸間膜動脈神経叢 inferior mesenteric plexus
下腸間膜動脈神経節(交感) を含む。下腸間膜動脈に沿っ て分布し、結腸に分布する。
末梢神経系各論 15
-3.
骨盤部の神経叢
①上下腹神経叢 superior hypogastric plexus
大動脈分岐部から岬角付近に広がり、腹部の神経叢の続きと腰内臓神経から出来る。 下腹神経 が下下腹神経叢との間をつなぐ。
主に交感性の神経叢であり、小さな交感神経節を含む。 副交感神経成分は下下腹神経叢から下腹神経を経由する。 尿管神経叢、精巣動脈神経叢、卵巣動脈神経叢などに枝を送る。
②下下腹神経叢 inferior hypogastric plexus (骨盤神経叢 pelvic plexus) 小骨盤壁と内臓の間で、腹膜外の結合組織中にある。 多数の小さな 骨盤神経節 を含み、交感神経と副交感神経の神経節として働く。 交感神経節前線維は 、腰神経由来の 下腹神経 hypogastric n. と、骨盤部の交感神経幹( 仙骨神経節、S4が主体)に由来 する 仙骨内臓神経 sacral splanchnic n. よりなり、骨盤神経節で節後線維となる。 副交感神経節前線維は、骨盤内臓神経(pelvic splanchnic n. 勃起神経、仙髄由来の副交感神経S2~S4) を通り、骨盤 神経節や臓器中の神経節に達し節後線維を作る。 さらに二次神経叢を形成する。 中直腸動脈神経叢 … 中直腸動脈に沿って直腸に分布。 膀胱神経叢 … 膀胱動脈に沿い、膀胱や精管に分布する。 前立腺神経叢 … 前立腺などの 精路付属線、海綿体などに分布。 子宮膣神経叢 … 子宮広間膜中に分布し、副交感性の神経節を含む。 子宮、膣、卵管、卵巣に分布。
脈管系各論 1
脈
脈
脈
脈
管
管
管
管
系
系
系
系
各
各
各
各
論
論
論
論
動
動
動
動
脈
脈
脈
脈
系
系
系
系
各
各
各
各
論
論
論
論
***皮膚の上から触診できる動脈の部位は何処か? 各自調べること*** 1.大動脈 aorta 大動脈は左心室より上行し ( 上行大動脈)、左後方に曲がって (大動脈弓) 脊柱の左側に至る。次に脊柱の前左側に沿っ て下がり (下行大動脈)、横隔膜の大動脈裂孔を貫いて腹腔に入り、第4腰椎の高さで総腸骨動脈に分かれる。下行大動脈 は横隔膜をはさんで 胸大動脈 と 腹大動脈 に分けられる。 2.上行大動脈 ascending aorta 左心室の大動脈口より始まり、腕頭動脈が分かれるところまで心膜に覆われる。 径は3㎝ほど。 上行大動脈の起始部は3つに膨隆し (大動脈球)、一方、内腔は陥凹する (大動脈洞・バルサルバ洞)。
大動脈洞より右冠状動脈と左冠状動脈 right and left coronary a が大動脈弁の右および左半月弁の直上から出る。
3.大動脈弓 aortic arch
右第2胸肋関節の高さで上行大動脈に続き、第4胸椎の高さで下行大動脈に接続する。 以下の動脈が順に分枝する。 ①腕頭動脈 brachiocephalic trunk
②左総頚動脈 left common carotid a ③左鎖骨下動脈 left subclavian a
動脈管索 arterial ligament : 大動脈弓と肺動脈分岐部とを結ぶ。胎児期の動脈管が生後変化した索状組織。
4.総頚動脈 common carotid artery
右総頚動脈は腕頭動脈より(右胸鎖関節の高さ)、左総頚動脈は大動脈弓より(第2胸椎の高さ)出る。
頚動脈三角で(甲状軟骨上縁の高さ)ほぼ同じ太さの外頚動脈と内頚動脈に分かれる。 総頚動脈は枝を出さない。 総頚動脈には呼吸に関する反射や循環反射に関与する受容器がある : ①頚動脈小体 ②頚動脈洞
5.外頚動脈 external carotid artery
総頚動脈より分かれて、内頚動脈の前内側を上行し、下顎頚 の高さで顎動脈と浅側頭動脈に分かれる。 顔面、前頚部、頭蓋壁に分布する。 ①上甲状腺動脈 superior thyroid a : 甲状腺に分布し、 下甲状腺動脈と吻合する。 ②舌動脈 lingual a : 舌骨舌筋の内側を前走し、舌に分 布する。 ③顔面動脈 facial a : 下顎骨の下縁を通って顔面に分 布し、口角の外側より内眼角に向かう(眼角動脈)。 ④上行咽頭動脈 ascending pharyngeal a : 咽頭の後壁 を上行する。 ⑤後頭動脈 occipital a : 後頭部頭頂部に分布する。
脈管系各論 2
-⑥浅側頭動脈 superficial temporal a : 耳介前方を上行し側頭筋膜の外側で前頭頭頂に分布する。
⑦顎動脈 maxillary a : 下顎頚の後下部より始まり、下顎枝の内側を前進し、外側翼突筋の間を通り、翼口蓋窩に至る。 1)中硬膜動脈 2)下歯槽動脈 3) 後上歯槽動脈 4)眼窩下動脈
5)下行口蓋動脈 6)蝶口蓋動脈
6.内頚動脈 internal carotid artery
総頚動脈より分かれて上行し、頭蓋底の頚動脈管を通って頭蓋腔内に入り、視神経管の後で眼動脈を出し、大脳動脈として 脳に分布する。(脳の動脈は神経解剖学で学ぶ) 7.鎖骨下動脈 subclavian artery 右は腕頭動脈、左は大動脈弓から分かれる。 前斜角筋と中斜角筋との間を通って腋窩に至り、第1肋骨外側縁で腋窩動脈となる。 前方には鎖骨下静脈、後には 腕神経叢がある。 ①椎骨動脈 vertebral a : 第6頚椎横突孔に入り、頚椎横突孔を上行し、環椎の横突孔を貫いたのち、大後頭孔より頭蓋 内に至る。頭蓋腔で左右の椎骨動脈は合して脳底動脈 basilar a になり、脳に分布する。 ②内胸動脈 internal thoracic a : 前胸壁の後面を下行し、筋横隔動脈 musculophrenic a と 上腹壁動脈 superior
epigastric a となる。 縦隔、胸腺、気管支、肋間などに分布。 ③甲状頚動脈 thyreocervical trunk
1) 下甲状腺動脈 2) 上行頚動脈 3) 頚横動脈 4) 肩甲上動脈
④肋頚動脈 costocervical trunk : 深頚動脈 deep cervical a と 最上肋間動脈 supreme intercostal a (分かれて第1第2 肋間動脈になる)に分かれる。
8. 腋窩動脈 axillary artery
鎖骨下動脈の続きで、腋窩を通り、大胸筋の下縁(大円筋の下縁)で上腕動脈となる。 大胸筋・小胸筋に覆われる。 ①胸肩峰動脈 thoracoacromial a : 鎖骨、胸筋、三角筋、肩峰に分布。
②外側胸動脈 lateral thoracic a : 前鋸筋の表面を下行する。
③肩甲下動脈 subscapular a : 肩甲骨外側縁を走り、肩甲回旋動脈 circumflex scapular a (内側腋窩隙を通り棘下筋と 周辺の筋に分布) と胸背動脈 thoracodorsal a (広背筋と前鋸筋)に分かれる。 ④前上腕回旋動脈 anterior circumflex humeral a : 上腕骨外科頚の前を外方に走り、後上腕回旋動脈と吻合する。 ⑤後上腕回旋動脈 posterior circumflex humeral a : 外側腋窩隙を腋窩神経と共に通り上腕骨外科頚の後を走る。
9.上腕動脈 brachial artery 腋窩動脈の続きで、大胸筋下縁から肘関節まで、肘窩で橈骨動脈と尺骨動脈に分かれる。 ①上腕深動脈 deep brachial a : 上腕骨の後方に向かい、橈骨神経とともに橈骨神経溝を外下方に走る。 10.橈骨動脈 radial artery 肘関節屈側で上腕動脈より分かれる。 ①母指主動脈