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大阪府立産業技術総合研究所 No.

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ジオテキスタイル、開孔径、水理特性、ろ過機能、不織布 概要

概要概要 概要 概要

土木建設用途に用いられる不織布や織物等の 繊維資材(ジオテキスタイル)は、土構造物の 安定を図ることを目的として、多様な工種、工 法に適用されています。

土構造物の安定化には、降雨、湧水等を適切 に排水することや、水の流れによる土粒子の移 動を防ぐことが重要です。例えば、排水暗渠に 外周被覆材としてジオテキスタイル(不織布)

を巻き、排水設備内への土砂の入り込みを防ぐ 場合、外周被覆材の機能を有効に作用させるた めには、土粒子を通過させることなく十分な透 水性を有し、かつ目詰まり等の状態が生じない ジオテキスタイルを選定する必要があります。

開孔径試験は、このようなジオテキスタイル の水理機能を評価する上で最も重要な試験のひ とつです。ここでは、一般的なジオテキスタイ ル開孔径評価方法について解説します。

乾式法開孔径試験 乾式法開孔径試験 乾式法開孔径試験 乾式法開孔径試験 乾式法開孔径試験

代表的なジオテキスタイルである不織布や織 物等の繊維集合体は多孔性材料であり、繊維間 の空隙によって材料内に様々な大きさの開孔が 形成されています。開孔径試験は、ジオテキス タイル中の開孔径分布を評価するもので、フィ ルター材として土粒子の通り抜けがないかを判 断することを目的として行われます。最も代表 的な試験方法は、標準粒径のガラスビーズを用 いる乾式法開孔径試験(乾式 AOS 法)です。乾 式 AOS 法は主にイギリス、アメリカ等で採用さ れているもので、開孔径試験に関する JIS が定 められていない我が国において、最も一般的に 行われる方法です。

その手順は、図1に示す開孔径試験機にジオ テキスタイルを取り付け、所定質量の標準粒径 ガラスビーズ(粒径既知)をジオテキスタイル 上に置き、装置全体を10 分間振動させてふるい 分けします。この間にジオテキスタイルを通過

したガラスビーズの質量を測定し、通過質量百 分率を算出します。この作業を、粒径の異なる 数種の標準粒径ガラスビーズを用いて順次繰り 返すことによって、図2に示す曲線が得られま す。図2の曲線から、ガラスビーズの通過質量 百分率が 5%となるときの粒径を算出し、この 値を試料の見掛けの開孔径AOS(Apparent Open‑

ing Size)と称し、AOS = O95(開孔径分布の 95 図1 開孔径試験機

図1 開孔径試験機図1 開孔径試験機 図1 開孔径試験機

図1 開孔径試験機(((((乾乾乾乾式乾式式式式法法法法法)))))

図2 開孔径試験測定結果の一例 図2 開孔径試験測定結果の一例 図2 開孔径試験測定結果の一例 図2 開孔径試験測定結果の一例 図2 開孔径試験測定結果の一例

ジオテキスタイルの開孔径評価方法

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%径)と定義してジオテキスタイルの開孔径を 代表する指標としています。したがって、概念 的には AOS はジオテキスタイル中に存在してい る多数の開孔の内、概ね最大径のものの大きさ を表していると言えます。この方法は ASTMで規 定されているものの、厚みのあるニードルパン チ不織布に適用した場合には、ガラスビーズが ジオテキスタイルを通過せず、空隙の中に入り 込み捕集される結果となります。したがって、

厚さの薄い(1mm 以下)熱融着不織布や織物に 適した方法であると考えられます。最近、厚み のあるニードルパンチ不織布に対する試験方法 として、次に述べる湿式法開孔径試験(湿式AOS 法)が話題に上る機会が多くなってきました。

湿式法開孔径試験 湿式法開孔径試験湿式法開孔径試験 湿式法開孔径試験 湿式法開孔径試験

湿式 AOS 法は、主にヨーロッパで採用されて いるもので、元来概略的にはジオテキスタイル 上に粒度分布既知の土を置き、水をスプレーし ながら装置を振動させる方法です。しかし我が 国では、例えば河川護岸用吸い出し防止シート

の建設省技術評価において、図3のように水を スプレーしながら前述の標準粒径ガラスビーズ を用い、乾式法と同様の試験を行う方法が取り 入れられています。この方法は1種類の標準粒

径ガラスビーズに対するふるい分け時間が24時 間と設定されているため、その評価に極めて長 時間を必要とします。図4は乾式法と湿式法に よる熱融着不織布の試験結果を比較したもので す。熱融着不織布は厚みが薄いので、試験方法 の違いによる影響は比較的小さいと考えられる のですが、試験結果に差が認められます。

当所では乾式法、湿式法のどちらの試験も対 応できますが、我が国の開孔径試験方法の確立 という点では、図4の結果を見る限り今少し検 討の必要があると考えられます。

試験結果の設計への利用 試験結果の設計への利用試験結果の設計への利用 試験結果の設計への利用試験結果の設計への利用

得られた試験結果は、フィルター機能を設計 する際に用いられます。すなわち、ジオテキス タイルの土粒子保持基準として、例えば次式が 示されており、使用する土の粒径に対してこれ を満足するジオテキスタイルを選定する必要が あります。

       O95<λ・d85    O95:AOS 値

  λ:安全率(通常は 1.0)

  d85:周辺土の粒径加積曲線の重量百分率      85%に相当する土粒子径

文献

1)土質工学会編、ジオテキスタイル(1995) 2)土木研究センター、ジオテキスタイルを用 いた補強土の設計・施工マニュアル(1993) 図3 開孔径試験機

図3 開孔径試験機 図3 開孔径試験機 図3 開孔径試験機

図3 開孔径試験機(((((湿湿湿湿湿式式式式法式法法法法)))))

作成者 評価技術部 産業用繊維グループ 赤井智幸 Phone:0725‑51‑2734 発行日 1999 年 10 月 15 日

図4乾式法と湿式法の比較 図4乾式法と湿式法の比較図4乾式法と湿式法の比較 図4乾式法と湿式法の比較図4乾式法と湿式法の比較       

             

      ((((熱(熱熱熱熱融融融融融着着着着着不不不不不織織織織織布布布布)布))))

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