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教職実践のための情報学

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Academic year: 2021

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1.はじめに 私たちを取り巻く社会は,情報化がますます進展し 複雑化している。生活環境は大きく変化しているにも かかわらず,その状況を正確に認識できなかったり, 或いは認識しようとしなかったりしている。そのため 今までにない限界が生じるという事態に対して効果的 な手立てを打てないという現実に直面している。 筆者はこのような状況を踏まえ,単なるコンピュー タ等の操作に重点をおく教育ではなく,情報やメディ アの本質を理解し,情報安全や情報人権などに関して 正確な知識や態度を育成することが重要であると考 え,情報学教育研究会(SIG_ISE)を組織して研究を 進めてきた。情報学教育に関わる一連の研究は,内容 論,方法論,カリキュラム論,教材開発,情報環境開 発,…,など多岐にわたるものである。 この研究活動を進める中で,その一部において「地 域教育支援をねらいとした共同研究」に申請し採択さ れた。 この度は3年間採択された研究活動に際して「パイ デイア」に投稿することとなったものである。そこで, 情報学教育に関係する一連の研究をわかりやすく記述 するため,採択された研究活動のみに限定するのでは なく,総合的な視点で全体の概要について述べる。 2.情報学教育と教育情報化 2.1 情報学教育 ところで,情報学とは何でしょうか? もし,この ような問いかけをすれば,最先端の情報学者のみなら ず,各分野の学者・研究者・教育者を始め,産業界や 行政などのあらゆる分野の賢者諸氏から,多様なご意 見を頂戴することになるだろう。 しかし,ここでの情報学とは,単に研究分野として の情報学でもなければ,学問体系としての情報学でも ない。ここで取り扱う情報学とは,国語,数学,…の ように,学校教育における「学習内容のまとまり」を 示すものである。したがって,情報学教育研究の中心 は,学習内容の枠組化を視野に入れることであり,そ の意味では教科教育学の内容論といえる。また,これ を教育課程として捉えれば,カリキュラム論として位 置付けられるものである(1) すなわち,情報学教育の展開は,情報社会における 種々の問題を解決するための基礎的・基本的な資質や 能力を培うため,情報工学などの理工系の「自然科学 系の情報学」のみならず,「人文社会系の情報学」に も視野を広げ,文理融合の総合的な観点から着手する 必要がある。このように,文系と理系の情報学を融合 させた総合的な情報学を学習項目に設定することを唱 え,「文理融合の情報学」の教育(単に情報学教育と 表現する)を提案している(2) 。 当初は時期尚早でその機運は高まるどころか,情報 学教育の内容研究に関心が見られなかったが,最近に なって幾分か関心が高まってきている。その要因は, 種々考えられるが,大きく影響を与えたのは,日本学 術会議における「情報学分野の参照規準」の策定が進 められていることである(3) 。研究分野としての情報学 が整理され参照規準として策定されることは,小中高 の段階おける親学問としての定着が必須であることは 言うまでもない。 筆者は,このような状況を踏まえ,特に「人文社会 系(文系)の情報学」に焦点をあて,情報安全と情報 人権をテーマに構成し,情報倫理とモラル,情報人権 とイクイティ,情報社会とコミュニティ,情報経済と ビジネス,情報法規とコンプライアンス,情報健康と ダイナミズム,情報公開とデモクラシー,などを取り あげている(4) 。 2.2 教育情報化 文部科学省における「教育情報化(5) 」とは,図1の ように,①情報教育,②教科指導における情報通信技 術の活用,及び,③校務の情報化,の3つの分野に渡 るものであり,情報教育(情報学教育を含む)だけで なく,いわゆるICT活用等を含む広い概念として取り

Information Studies for Practical School Teaching

松原 伸一

Shinichi MATSUBARA

滋賀大学教育学部

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扱われている。 しかしながら,従来から学会等で進められてきた研 究経緯を踏まえれば,情報教育と教育情報化とは区別 して対比的に取り扱われているのが現状である。 ①情報教育:子どもたちの情報活用能力の育成 ② 教科指導における情報通信技術の活用:情報通 信技術(ICT)を効果的に活用したわかりやす く深まる授業の実現 ③ 校務の情報化:情報通信技術(ICT)を活用し た情報共有によるきめ細かな指導。教員の校務 の負担軽減。 図1 教育の情報化(文部科学省) このように,教育情報化の概念には幅があり,その ため,時には混乱を生じる原因になっている。この問 題を避けるため,前者を「広義の教育情報化」,後者 を「狭義の教育情報化」と区別して表現するのが望ま しい。また,単に教育情報化と表現する場合は,前後 の文脈にもよるが文部科学省の定義に従うことで混乱 を避けることができるだろう。 一方,情報教育においても,情報科教育(情報活用 能力の育成,情報学教育を含む)だけでなく,一般に は,教科指導における情報通信技術の活用(情報科以 外の教科でコンピュータ等を活用した教育)を含めて 広く解釈されることが多い。これは「広義の情報教育」 と表現し,区別して考えると分かりやすい。 3.情報学教育研究会(SIG_ISE)の活動 3.1 情報学教育研究会の発足と運営 情報学教育研究会の前身は,2002年3月16日に発足 した「情報科教育法研究会(以降JK研と呼ぶ)」(代表: 松原伸一)である。JK研は情報科教育の発展に向け て活動を続け,このメンバーが中心になり,多くの協 力者を得ることにより,『教科「情報」の実習事例』(開 隆堂出版)を2003年9月3日に発行している。 情報科教育は2003年度より年次進行で実施された が,2年を経過した時点で教育課程改訂の時期を迎え ることになった。代表の松原は,2005年8月8日に文 部科学大臣より中央教育審議会専門委員の任命を受 け,教育課程の改訂に関わることになる。 当時は各教科を専門とする教科教育系の学会が多く の教科で設置されていたにもかかわらず,情報科の場 合はそれがなかったのである。したがって,情報科教 育に関して一定の見解を集約したり学術的な支援を 行ったりすることが困難とみられる状況であった。 この問題を解決するため,JK研は教科「情報」を 専門とする教科教育の学会の発足(2007年12月23日 設立)に加わることとし,事実上その活動を休止した。 その後,情報科教育は情報学教育としての機運を生じ, 高等学校の新しい学習指導要領が2009年3月に告示さ れるとともに,教科「情報」の学習指導要領解説は, 2010年1月29日に文科省のWebページにおいて公表 された。 そこで,本研究会は2009年11月11日に「文理融合 の情報学教育」をコンセプトに再発足し,その名称を 「情報学教育研究会(SIG_ISE,ISE研)」に変更して, 会誌「情報学教育研究」を毎年発行している。 3.2 情報学教育関連学会等協議会の設立と運営 情報学教育に関する連合体の構想と企画を積極的に 行い,2011年12月23日には,情報学教育関連学会等 協議会の設立に協力し,関係学会(情報処理学会,日 本教育工学会,教育システム情報学会,情報科教育 学会)とともに本研究会が連携して情報学教育の推進 を目指して協議する場が成立したのである。その後, 2012年12月22日, 及 び, 翌 年2013年12月22日 に 協 議会がそれぞれ開催され,2014年12月20日には,同 協議会の主催により「第2回情報学教育推進コンファ レンス」が開催されている(表1)。 表1 協議会主催の催事一覧 回 開催年月日 事  項 1 2011年12月23日 第1回情報学教育推進コンファレンス 2 2012年12月22日 関係学会と共催でフォーラムを共催 3 2013年12月22日 関係学会と共催でフォーラムを共催 4 2014年12月20日 第2回情報学教育推進コンファレンス 3.3 情報学教育フォーラムの開催 情報学教育フォーラムは,情報学教育の充実を目 指して教育関係者が個人の資格で自由に参加して懇 談を行うことで,必要な知見を創成するための契機と するため,新しいスタイルの枠組みを指向している。 2015年度において既に2回開催している。詳細につ いては次章で述べる。 4.情報学教育の第1ステージ 4.1 日本学術会議における情報学 日本学術会議では,大学における教育課程の編成上 の参照規準の策定が進められている。 その中間的な報告としては,萩谷昌己氏(東京大学) により,情報処理学会(3),情報学教育関連学会等協議 会(6) などにおける解説記事・原稿などで次のように紹 介されている。 情報学に特有の知識の体系としては, ア 情報一般の原理 イ コンピュータで処理された機械情報の原理 ウ 情報を扱う機械および機構を設計し実現するた めの技術 エ 情報を扱う人間と社会に関する理解 オ 社会において情報を扱うシステムを構築し運用

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情報学修 するための技術・制度・組織 の5つの分類が設けられている。 これらは,もともと大学教育としての学士課程にお ける教育課程編成に関わるものであり,初等中等教育 における情報教育・情報学教育の親学問として重要な 位置を占める。 4.2 学校教育における情報学 ここでの「情報学」とは,前述のように学校教育に おける文理融合の「学習内容のまとまり」を示し,筆 者は「情報学修」という表現を使用している。文理融 合とは,学習内容のまとまりが,自然科学のみならず 人文社会系などの広範な学問分野に依拠することを象 徴的に示すものであり,高校の理系コース生徒向き, 或いは,文系コースの生徒向きという考え方とは無関 係であることを特記しておきたい。 したがって,情報学教育とは自然科学系の内容だけ ではなく,人文社会系の内容をも積極的に取り入れ, いわゆる “文理融合でバランスのよい情報学” の教育 のことである。これは,従来の情報教育の概念を発展 させたもので,親学問との関連を考慮して,学習内容 を明確化(再構成)する点に特徴がある。初等中等教 育に一貫した情報学の教育は,教科教育としての位置 付けが求められている点である。つまり,小学校から 高等学校までの12年間における学習内容としてのま とまりを示すことが重要で,必ずしも研究分野の情報 学に一致するものではない。むしろ,私たち学校教育 に関わる(関心のある)者が皆で協力して学校教育に おける学習対象としての “情報学” を確立する必要が ある。 (1)教科等の中で行う情報教育 ソーシャルメディア社会(7) では,新しく出現する問 題を適切に解決するための資質・能力を育成するため に,新しい学習内容が求められる。その際に注目すべ きことは,従来の中心的な教科内容を確認し,各教科 の背景となる学問を配慮して情報学的な内容を抽出す ることである。 表2は,各教科の内容を考慮し,その範囲内で無理 なく情報の学習を行うことを前提にして抽出した項目 とその内容例を示すものである。 「新しい項目」とは,各教科において学習する際の 単元に相当するものである。その中には,既に内容と しておかれて実施されているものあるが,情報に関す る学習内容として,一定の時間を確保するための枠組 みとしての意味もあり,明示的に記載している。「内 容の一例」は,文字通り,想定される内容の一部をな すものであり,他にも各種の内容をあげることができ る。「その他」は,教科におさまらない各種の多様な 学習活動を指している。例えば,「総合的な学習の時間」 や,運動会(体育祭)の運営やその準備,修学旅行,ホー ムルームなど多様な学習活動の中で情報の活用を行う ことを意味している。 表2 教科等の中で行う情報教育の一例 教科 国語 算数・数学 理科 社会 音楽 図工・美術 保健体育 技術・家庭 英語, 外国語 道徳 その他 新しい項目 メディア研究 情報の表現 物質と情報 情報と社会 音楽の表現 美術の表現 運動の分析 情報に関する技術 多文化交流 情報倫理 情報の活用 内容の一例 メディアとコミュニケーション ディジタル表現と2進数,符号 化と暗号 アナログとディジタル,リアル とバーチャル 情報社会と私たちの生活 音楽データの表現・編集,MIDI 画像データの表現・編集, jpeg,mpegなど 運動の録画・編集・分析,選手 の行動分析 ※既に学習指導要領に記載され ているので省略 機械翻訳の世界,ICTと多文化 交流 情報モラル等(著作権,個人情 報,誹謗中傷等) 情報機器とネットワークの利用 ※「総合的な学習の時間」や「特 別活動」などで 表3 教科等の各側面からみた情報学修の一例 各側面 国語的側面 数学的側面 理科的側面 社会的側面 音楽的側面 美術的側面 運動的側面 健康的側面 技術的側面 生活的側面 国際的側面 安全的側面 人権的側面 内容や分野の例(簡単な説明) メディア論,メディア科学,メディア・リテラシー (情報を伝える媒体としてのメディアの特質) 情報理論,情報の数学的(定量的)な考察 (時系列データ,情報量,エントロピー,通信の 効率など) 自動計測とリモートセンシング,測距,シミュレー ション(物理量とディジタル量,G 空間,GPS の 利用) 社会情報学,応用倫理学,情報に関する法学など (社会の情報化,情報の社会化に伴う公民的考察) 音響工学,音源と電子音楽,電子的な作曲・編曲(シ ンセサイザー,多チャンネル音響空間,電子効果 音) 画像工学,視覚工学,情報デザイン,ユニバーサ ルデザイン(錯視,立体視,遠近法,Web デザ インと CG,混色技法) 運動工学,健康情報学,生体工学,医用工学 (ディジタル環境の健康への影響,運動の行動分 析) 情報通信技術(ハードウェア,ソフトウェア,イ ンターネット) 家庭情報処理(家庭における情報活用と分析,問 題解決) 国際交流と情報文化,異文化理解,多文化交流(情 報通信手段を活用した国際交流) 情報安全(情報の安全とモラル,情報社会・メディ アの影響) 情報人権(情報の人権,表現の自由,プライバシー)

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(2)教科の各側面からみた「情報学修」 学校教育の教育課程における一貫した情報学の学修 をここでは「情報学修」と呼ぶ。表3は,教科等の各 側面からみた情報学修の一例を示している。 各教科等の特質を基に,情報に関する諸学問の基礎 を展開するものである。ここでは,前項の流れを受け, 教科等の各側面から考察して抽出された内容や分野の 例を示し,簡単な説明を付記している。概ね下記の各 側面は各教科に対応しているが,特に,保健体育につ いては,運動的側面,及び,健康的側面とし,技術・ 家庭では,技術的側面,及び,生活的側面としている。 なお,安全的側面と人権的側面については,筆者の関 心により特に追加したものである。 (3)教科的側面から情報学的側面への転換 教科等の各側面からみた情報学修については,前項 の通りである。ここでは,教科的側面から情報学的側 面への転換に際して,内容と方法の両面から考察を施 すことにしたい(図2)。内容とは,教科内容を指す。 また,方法とは,その内容の学習に際して,効果的な 学習方法を模索するものである。したがって,情報教 育における内容的位置付けと方法的位置付けとは,情 報教育のターミノロジーに関係する。 図2 教科的側面から情報学的側面への転換 (4)情報学教育の体系 「コアとしての情報学修」は,「教科等の中で行う情 報教育」と連携して,「教科等の各側面からみた情報 学修」が再構成されることで成立する。そして,その 際の学習は,初等中等教育に一貫した情報学修の体系 として整理することで,K-12情報学修カリキュラム を形成することができるのである。この体系は多項目 でそれぞれが多次元に及ぶので,図示するのは困難で あるが,各部を単純化することで,立体図として表現 すれば,図3のようになる。 コアに情報学修を置き,その周辺部分に教科等を配 置しているので,筆者はこれを,情報学修の2重円筒 モデル(DCM:Double Cylindrical Model)と呼ん でいる。 図3 内容の体系図 (5)情報学教育のコア・フレームワーク 情報学は各研究機関によっても種々の定義が存在す るが,学問体系としては新しく確立されつつある研究・ 専門分野であり,部分的にはこれまでも言語,心理, 数学,情報工学で,さらには情報活動をしている各学 問分野内などで研究されており,応用としては,人文, 社会,自然の各科学の全てにかかわるものと考えたい。 それゆえに,情報学は,古くて新しい分野と言えるか も知れないが,メディア教育・情報安全教育を視野に 入れた情報教育を構想するには必須の考え方である。 情報教育のコアを情報学に求める時,次の3つの視点 を設けて展望したい。 第1の視点は,「情報を科学する」視点であり,情報 科学や情報論・メディア論などに対して理論的な側面 から見る視点である。 第2の視点は,「情報を活用する」視点であり,情報 活用・ICT活用に関係した実践的な視点である。 第3の視点は,「情報を吟味する」視点であり,情報 社会や情報安全に関係して,情報やメディアが与える 影響,情報セキュリティ,情報モラルなど社会との関 連を重視する視点である。情報教育における小中高の 円滑な接続を目指し,K-12情報学修カリキュラムを 策定する際の基本的な内容として,図4のようなコア・ 内  容 各教科における情報教育 (各教科の内容を考慮し, その範囲内で無理なく 情報の学習を行う) ↓ 教科の各側面からみた 情報学修 (各教科の特質を基に,情報 に関する諸学問の基礎を展開 する) ↓ 【再構成】 ↓ コアとしての情報学修 (情報学として整理された 学習内容を体系的に学ぶ) 情報学修における学習項目 (情報,メディア,情報技術, 情報社会,問題解決, ハードウェア,ソフトウェア, ネットワーク) 方  法 各教科におけるICT活用 (各教科の項目を学習する 際に,ICTを利用して 学習効果をあげる) ↓ 教科の各側面からみた 情報学修 (各教科の内容を考慮し, その範囲内で ICT を活用して 学習を行う) ↓ 【再構成】 ↓ コアとしての情報学修 (ICT を効果的に活用し, 一斉学習・個別学習・協働学 習を組合せて実施) 情報学修の3つの視点 (科学する・活用する・ 吟味する) 教科内 教科的側面 情報学的側面 情報学修のコア・フレームワーク 再編成後の図式 ©2014,2015滋賀大学教育学部松原研究室 協力:SUDA設計室(東京,赤坂)

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フレームワークが提案されている。これは,情報教育 の中でも,その中心的な位置を占めるコア教育(情報 コア教育)の内容構成に寄与することを前提にしてい る。これを平面とし,これに垂直な方向の軸を定義す ると,それが学齢(School Year)に該当する。これ は各学校段階の学年を意味し,図5のように3次元で 該当部に内容が明示されれば,K-12情報学修カリキュ ラムとなる。 図4 情報学教育のコア・フレームワーク 図5 K-12情報学修カリキュラム 5.情報学教育の第2ステージ 5.1 教育の新科学化 筆者は,新しい時代に対応した教育として「教育の 新科学化」を提案している(4) 。教育の新科学化につい て要約すれば,およそ下記の通りである。 教育の新科学化とは,「社会の情報化」にともない, 「情報の社会化」「メディアの社会化」が進展する中に あって,新しい社会に対応した(科学的な根拠に基づ く)教育が必要で,そのためには,(1)新しい教育手 段(ICT活用,e-Learningなど),(2)新しい教育方法(協 調学習,アクティブ・ラーニング,反転学習など),(3) 新しい教育内容(新しい社会に対応した学習内容)が 求められる(図6)。 図6 教育の新科学化 (1)新しい教育手段 新しい教育手段は,情報機器等の使用に限定するも のではなく,多様な手段が求められるべきである。 最近の話題としては,総じて,教育へのICT活用と 言えるものが主流となっている。これは,いわゆる, 我が国における教育情報化政策の一貫によるところが 大きい。その例をあげれば,電子黒板,タブレット型 情報端などであり,それにディジタルテキストなどの コンテンツが加わり,クラウドコンピューティングと いう新たな教育用情報通信環境(教育クラウド)の構 築,…と続いている。 このように教育情報化については,それに賛成/反 対のいずれの関係者においても関心が高いものとなっ ている。 新しい教育手段として,このような新しいICT機器 の利用は欠くことはできないが,効果的な利用を重視 する観点で考えれば,それらを如何にして「本格的な 教育用機器」へと調整・進展させることができるか否 かにかかっている。 教育クラウドやソーシャルメディアなどの活用は勿 論であるが,その醍醐味を児童・生徒に伝えるととも に,情報安全・情報人権などについても同時に視野に 入れて考えたい。そのためには,教師自らがICT機器 の利用における多種多様な醍醐味を享受することが先 決であり,教育環境へのスムーズな導入と,その利用 に対する十分な(研修・研究の)時間を確保すること 学習項目の例 情報 メディア 情報技術 情報社会 問題解決 ハード ウェア ソフト ウェア ネット ワーク 科学する (情報科学・情報 論・ 情報工学な ど) 情報の本質 情報の理論 メディアの本質 メディア論 情報技術の発達 情報社会の特徴 問題解決の本質 モデル化の本質 シミュレーション の本質 コンピュータの基 本構成 コンピュータの機能 ソフトウェアの特徴 ソフトウェアの機能 ネットワークの特徴 ネットワークの機能 活用する (情報活用・情報 処理・情報実践な ど) 情報が与える効果 情報の蓄積 メディアの活用 メディアの制作 情報技術の利用形 態 情報社会の生活 問題解決の実践 モデル化の活用 シミュレーション の活用 コンピュータの操作 コンピュータの活用 ソフトウェアの活用 ソフトウェアと情 報処理 ネットワークの活用 吟味する (情報モラル・情 報安全・情報人権, 効用など) 情報が与える影響 情報に関わる権利 と保護 メディアの影響 メディアの効用 情報技術の進展 情報技術の安全 情報社会の進展 情報社会の安全 問題解決の効用 モデル化の効用 シミュレーション の効用 コンピュータの管理 コンピュータのセ キュリティ ソフトウェアの管理 ソフトウェアのメ ンテナンス ネットワークのセ キュリティ 例示 3つの視点 情報学 [ α ] [ α ][ β ] 情報学 [ β ] ©2011,2012,2013,2014,2015 滋賀大学教育学部松原研究室 協力:SUDA設計室(東京,赤坂)

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が重要で,性急な導入は必ずしも継続的な利用や,効 果的な利用による成果を期待できない場合があること に留意する必要があるだろう。 (2)新しい教育方法 新しい教育手段を使用すれば,そのままで新しい教 育方法を生じる訳ではない。つまり,従来の教育手段 を単純に新しい教育手段に代替えするのではなく,教 育手段のメディアとしての機能を正確に把握し,教育 メディアとしての特徴を効果的に引き出すことが重要 である。単に旧メディアを新メディアに置き換えるの ではなく,新メディアの効果的な活用を目指して,そ のための新しい教育方法が求められている。分かりや すい表現をすれば,旧メディアではできなかったこと を,新メディアの機能を活用して実現することができ れば,その利用を促進させる上での説明において近道 となるだろう。このような背景から協働的な学習を支 援できる環境の整備が必要であり,そのためには,旧 来の方法では困難とされた「リアルタイムで行うこと ができる学習」の環境を支援する新しい教育方法の理 論や実践的な研究が求められている(図7)。 新しい教育方法 ・新しい教育手段を活用するための新しい視点 ・ 社会の情報化,情報の社会化に対応した教育メ ディアの使用 ・ 一斉学習,協働学習,個別学習などの多様な学 習形態の有機的な活用 図7 新しい教育方法 その際には,1人の学習者に着目すれば,一斉学習, 協働学習,及び,個別学習のそれぞれの場面において, 効果的に進められなければならない。多様な学習形態 は多様な教育方法を創出し,多数で多様な学習者に広 げることで,柔軟で有効な教育方法になることを期待 したい。 (3)新しい教育内容 社会の情報化,情報の社会化により,学んでほしい 内容は増大している。例えば,新しい変化に対応した 各種の知識技能,例えば,ハードウェア,ソフトウェア, ネットワーク,プログラミングなどの自然科学にベー スをおく内容だけでなく,情報モラル,情報安全,及び, 情報人権などのように,ソーシャルメディア社会にお いて出現する新たな問題を解決するための実践的な資 質・能力とそのスキルをあげることができるだろう。 これらのことを前提にして,もう少し新しい表現を すれば,情報の収集とともにそれらの的確な分析によ り,新たな知見を生み出して,企画や提案などができ る人(筆者はこれをinfo-curatorと呼んでいる)を目 指して,その基礎的な能力として,いわば,curation literacyのような新たな能力の育成が求められてい る。 (4)新旧のバランス ~「新」と「伝統」との融合~ 大事な考え方に「新しいことは,良さを生む条件と はならない」ということがある。新しくしたことによ り,前より悪くなる場合(前のようにできなくなる場 合)が少なくないからである。PCに新しいOSやアプ リケーションソフトをインストールして使用したが, 不具合が生じて,旧OSや前バージョンのソフトに戻 す場合もよくあることである。もちろん,新しくし た教育環境を前の状態に戻すことの困難さは尋常では ない。このような教訓を一般化すれば,「新」と「旧」 のバランスが重要である。筆者は,「旧」のもつ悪い イメージを払拭するために,敢えて,「伝統」という 表現に換えて,「新」と「伝統」との融合と表現して いる。 5.2 アクティブ・ラーニング アクティブ・ラーニング(Active Learning)とは, その名の通りActive(能動的)なLearning(学習) のことであるが,直訳をするだけではその本質に迫る のは困難である。 大学教育においては,我が国では,中央教育審議会 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向け て(答申)」(2012年8月28日)において示され,教員 による一方向的な講義形式の教育とは異なり,学修者 の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の 総称とされる。したがって,アクティブ・ラーニング は,個人が学習課題に積極的に関与する「主体的な学 習」とは必ずしも一致しないと考えられている。能動 的な学習には,書く・話す・発表するなどの活動への 関与と,そこで生じる認知プロセスの外化を伴うとさ れる(8,9) 。 一方,学校教育においては,2014年11月20日に文 部科学大臣より中央教育審議会へ「初等中等教育にお ける教育課程の基準等の在り方について」なる諮問が 行われたことにより,学校教育に関わる多くの関係者 に次期教育課程の改訂に向けて大きな方向性を示され たものと認識され,アクティブ・ラーニングの知名度 は一気に上昇し,多くの関係者の興味を引き流行語の ようになっている(10) 。 学校教育においても,大学教育と同様に,講義形式 ではなく,学習者の能動的な学習活動を誘起すること が必須であり,関係する学習活動としての協調(協働) 学習も反転学習も「思考の活性化を伴うことを条件に, 文部科学省では学校教育等において,ICTの効果的な 活用が同時に求められており,筆者の提案する「新し い教育内容」,「新しい教育方法」,及び,「新しい教育

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手段」に積極的に取り組み,教職実践において「新科 学化」が求められている。 5.3 教職実践のための情報学 教職実践は,学校教育に関わるものにとって共通の 関心事といえるだろう。中央教育審議会の「今後の教 員養成・免許制度の在り方について」(答申,2006年 7月11日)では,①教職課程の質的水準の向上,②「教 職大学院制度」の創設,などに加えて,その他関係す る広範で具体的な政策の提示が行われ,その後,関係 する法令(例えば,教育職員免許法施行規則の一部を 改正する省令など)が施行され現在に至っている。 (1)教職実践演習 上記の答申より引用すれば,これは,教職課程の他 の授業科目の履修や教職課程外での様々な活動を通じ て,学生が身に付けた資質能力が,教員として最小限 必要な資質能力として有機的に統合され,形成された かについて,課程認定大学が自らの養成する教員像や 到達目標等に照らして最終的に確認するものであり, いわば全学年を通じた「学びの軌跡の集大成」として 位置付けられる。本学教育学部でも,2010年度以降 に入学したものから,4年次における必修科目を設置 し,2013年度より実施している。 (2)教職実践における情報学 筆者は,初等中等教育における情報学教育をテーマ に,いわゆる「情報学教育としてのK-12カリキュラム」 の構築を進めてきた。現時点では,カリキュラム開発 研究として,コア・フレームワーク(学習の全体骨子), ストランド(学習項目)を分析整理して,情報安全, 情報倫理,情報人権,情報社会,情報経済,情報法規, 情報健康,情報公開,・・・などの各項目について具体 的な提案を行っている。この度はこれらの更なる発展 形として,K-12をK-16へ,さらには,K-18への展開 を念頭に情報学教育の充実を進めたい(図8)。 5.4 教職実践とフォーラム 教職実践の名の下に,今年度は現時点までに,2回 のフォーラムを開催している。 第1回情報学教育フォーラムは,筆者が代表を務め る情報学教育研究会の主催(運営)により,早稲田大 学(東京)にて開催した。 (1)第1回情報学教育フォーラム 第1回情報学教育フォーラムは,情報学教育の充実 を目指して,教職実践に関心を持つ個人が自由に参加 して懇談を行うための新しいスタイルの枠組みを提供 するものである。その概要は,図9の通りである。 日 時:2015年5月31日(日) 13:00 ~ 17:00 場 所:早稲田大学 西早稲田キャンパス 運 営:情報学教育研究会(SIG_ISE) 協 賛:一般社団法人 情報システム学会 (プログラム) 13:00 ~ 13:10 開会 (挨拶) 松原伸一(情報学教育研究会代表,滋賀大学教授) (来賓) 鹿野利春(文部科学省 教科調査官) 伊藤 守(社会情報学会会長,早稲田大学教授) 山西潤一(日本教育工学会会長,富山大学教授) 前迫孝憲( 教育システム情報学会会長,大阪大 学教授) (協賛) 高田信夫( 情報システム学会基礎情報学研究会 事務局長) 13:15 ~ 14:00 講 演 (講師) 西垣 通(東京経済大学教授,東京大学名誉教授) 筧 捷彦(早稲田大学教授) 天良和男(東京学芸大学特任教授) 14:10 ~ 17:00 懇談会 参加者(学校教員)と講師及び来賓者との懇談 会を開催 図9 第1回情報学教育フォーラム 日 時:2015年10月18日(日) 13:00 ~ 17:00 場 所:早稲田大学 西早稲田キャンパス 運 営:情報学教育研究会(SIG_ISE) 協 賛:一般社団法人 情報システム学会 (プログラム) 13:00 ~ 13:10 開会 (挨拶) 松原伸一(情報学教育研究会代表,滋賀大学教授) K-12からK-18へ K-12:幼及び小中高(12年間)が対象  いわゆる「学校教育」で,教育要領(幼稚園), 学習指導要領(小中高)が重要な意味を持つ。 K-16:上記に大学を加えた16年間が対象  K-12との接続を考慮して教養教育を対象とし, 教員養成,教員研修,地域貢献などを視野に入れる。 K-18: 上記に大学院(教職大学院)を加えた18年 間が対象  例えば,学校教育が直面する諸課題の構造的・総 合的な理解に立って幅広く指導性を発揮できる教員 (スクールリーダー)の養成を視野に入れた情報学 教育 図8 K-12,K-16,及び,K-18の概要

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(来賓) 高田信夫( 情報システム学会基礎情報学研究会 事務局長) 前迫孝憲( 教育システム情報学会会長,大阪大 学教授) 伊藤 守(社会情報学会会長,早稲田大学教授) (講演) 河添 健(慶應義塾大学総合政策学部学部長) 鹿野利春(文部科学省教科調査官) (懇談会) セッション1:キーノートスピーチ 西垣 通(東京経済大学教授 筧 捷彦(早稲田大学教授) セッション2:分科会 セッション3:まとめ 図10 第2回情報学教育フォーラム (2)第2回情報学教育フォーラム 第2回情報学教育フォーラムは,第1回の発展バー ジョンとして位置付けて開催された。まず,①教科教 育学としての情報学,及び,②情報学を学習すること の意義,を基本事項とし,重点項目として,情報学教 育における高大接続と連携などを取り上げ,教職実践 における情報学の展開について懇談を行った。そのプ ログラムの概要は,図10の通りである。 (3)教職実践における情報学の展開 教職実践における情報学を進めるには,まず,情報 学の内容,及び,情報学を学習する意義等について, 関係者の間で共通認識として整理される必要がある。 筆者はこれまで各著作物等において論述してきている が,この課題はいささか複雑である。つきつめれば, 陶冶(die Bildung)なる「人間形成」の在り方に関 係し,そこには,形式陶冶(formale Bildung)と実 質陶冶(materiale Bildung)をめぐる議論(11) が思い だされる。結論を言えば,筆者は両方の考え方を肯定 している。そして,特に,情報学教育に限定すれば, 「教育の新科学化」及び「教育の新情報化」に加え,「教 育の新国際化」という視点で,教職実践研究の立場で 論じたいと考えている(12) 。 小玉重夫氏(東京大学)によれば,「どのようにイ ノベーションを進めるか」において,「これまでの, カリキュラム・イノベーションを起点とした教科編成 のやり方を根本的に見直すことが必要になってくる」 としている。そして,「日本学術会議などでは,学問 領域ごとに部会が設定され,そこで新しい学習指導要 領の方向性を議論している。しかし,学者が最初に議 論し,それを下していくという方法をとる限りは,ど うしても既存の学問分野の枠を保守する方向にベクト ルが働くため,教科の統廃合を含むカリキュラム・イ ノベーションはなかなか進まない。アカデミズムは教 科編成のサポーターに徹するようなカリキュラム開発 の仕組みを考えていく必要がある。」という。筆者は 上記の小玉氏の言及は,極めて重要な示唆であると認 識し引用を行ったものである(13) 。 教職実践のための情報学に関する一連の研究活動 は,教育現場に携わる教員,教員養成に関わる者,専 門分野に精通した者などが一堂に会し懇談を行うこと で,初等中等教育に一貫した情報学教育の実現と,そ の円滑な実施・運営に際して,大学教育及び大学院教 育の有機的な連携が求められており,まさにそのよう な新しい枠組みのための試みといえるかもしれない。 アクティブ・ラーニングは,大学教育改革から高校 教育・義務教育改革へと視野の拡大を伴っている。今 後は効果的な評価・試験の在り方(14) についても検討し, 学びあい成長する子供たちの育成に向けて,カリキュ ラム・イノベーションが求められている。 6.おわりに 情報学の研究分野は広範におよび,それぞれが深遠 なる学問の歴史を有している。筆者はこのような背景 を尊重し,自然科学系のみならず,人文社会系や芸術 系などのあらゆる分野の専門家の皆様の知見を拝聴 し,濃厚な知識群の中で,教科教育の視点で,情報学 の考察を施すことが重要であると考えている。そのた めには,教科教育学の学問的な発展や充実が必須とな る。 謝辞 本研究を進めるに当たり,地域教育支援をねらいと した共同研究経費,及びJSPS科研費(代表者:松原 伸一,課題番号:25381187)の助成を受けたもので ある。 参考文献 (1) 松原伸一:教科教育学の構造 –情報科教育研究の パースペクティブ-,日本情報科教育学会誌,Vol. 1, No. 1, pp.41-42, 2008. (2) 松原伸一:情報学教育の新しいステージ~情報と メディアの教育論~,開隆堂,2011. (3) 萩谷昌己:情報学を定義する-情報学分野の参照 基準,情報処理,Vol.55, No.7,pp.734-743, 2014. (4) 松原伸一:ソーシャルメディア社会の教育~マル チコミュニティにおける情報教育の新科学化~, 開隆堂,2014. (5) 文部科学省:教育の情報化ビジョン(骨子)~ 21 世紀にふさわしい学びと学校の創造を目指して~ (平成22年8月26日),2010. (6) 萩谷昌己:「情報学分野の参照規準」概要,第2回 情報学教育推進コンファレンス資料,情報学教育 関連学会等協議会,2014. (7) 松原伸一:ソーシャルメディア社会における情報

(9)

学教育(指針),情報学教育論考第1号,pp.19-26, 2015. (8) 梶田叡一責任編集:教育フォーラム56,アクティブ・ ラーニングとは何か,溝上慎一:大学教育から初 等中等教育へと降りてきたアクティブ・ラーニン グ, pp.26-35. (9) 溝上慎一:アクティブラーニングと教授学習パラ ダイムの転換,東信堂,2014. (10) 小 林 昭 文, 成 田 秀 夫: ア ク テ ィ ブ ラ ー ニ ン グ, 2015. (11) 吉田成章:学校カリキュラム構成論としての「一 般 陶 冶(Allgemeinbildumg)」 論 ~ ノ イ ナ ー とクラフキーの比較を通して~ ,広島大学大学院 教育学研究科紀要,第3部,第60号,pp.37-46, 2011. (12) 松原伸一:第1回情報学教育フォーラム(総括), 情報学教育論考第1号,pp.11-18,2015. (13) 東京大学教育学部カリキュラム・イノベーション 研究会編:カリキュラム・イノベーション –新し い学びの創造へ向けて,東京大学出版会,2015. (14) 西川純:アクティブ・ラーニング入門,明治図書, 2015.

参照

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