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在宅移行ケアをスムーズにするために 〜多職種がどのように協働できるか、それぞれの役割を再認識する〜

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(1)公益社団法人 在宅医療助成. 勇美記念財団. 2015 年度(前期)指定公募② 「地域包括ケアを目的とした在宅医療推進のための多職種 研修会への助成」. 完了報告書. テーマ 在宅移行ケアをスムーズにするために ~多職種がどのように協働できるか、それぞれの 役割を再認識する~. 平成 28 年 3 月 19 日 渡邉 美也子.

(2) 研修会の目的 活動地域である江戸川区は、人口 68 万人、子育て中の若い年代が多いこともあり高齢 化率 20.2%(平成 26 年)と東京都の他区と比較すると低いです。しかし、高齢化率は年々 上昇し、平成 36 年には 22%を超えると見込まれています。団塊の世代が高齢者になる時 期、多死時代をどのように支援していくのか、江戸川区の介護保険事業計画でも課題とし てあげられています。 「すこやかに安心して暮らせ生涯活躍できるいきいきとしたまち」を 目標に、在宅サービスの強化もあげられています。 区内には 30~50 床の病院が多く、自宅での介護が困難になると入院することができる こともあり、家で最期まで介護をすることに対して積極的ではない地域と思えます。今ま では入院することができたかもしれませんが、治療法がないと診断された末期がん患者、 慢性疾患患者も、病院から退院された家で見なけれないけない状況があります。その受け 皿として、江戸川区は、療養型病院2か所以上あります。実際に退院をせまられ、家では 見切れずに入所される方、やはり病院を見学し、病院で最期を迎えることがかわいそうと 思い自宅で療養をきめる方もいます。しかし、在宅の退院支援がスムーズにいかず、不安 を抱えながら自宅での療養をしている方もいます。在宅医療が導入される時期が遅いと思 えるケースも多くあります。そのため、本人だけでなく家族が不安を抱えながら生活して いたり、当方がかかわってすぐに亡くなられたりなど、亡くなる最期の時をあわただしく 過ごすケースがあります。 そういう地域性で、当ステーションは、開設後 1 年で在宅看取り数 16 名(ターミナル ケア加算 16)の実績をあげてきました。平成 26 年 4 月に「機能強化型訪問看護管理療養 費」が改訂された。機能強化型訪問看護管理療養費 2 は、①常勤の保健師、助産師、看護 師又は准看護師の数が5以上であること(サテライトに配置している看護職員も含む)。当 該職員数については、常勤職員のみの数とすること。②24 時間対応体制加算を届け出てい ること。③訪問看護ターミナルケア療養費又はターミナルケア加算の算定件数が年に合計 15 件以上あること。④特掲診療料の施設基準等の別表第七に該当する利用者が月に7人以 上いることとされている。常勤4名で、機能強化型訪問看護管理療養費を算定できる条件 を満たしている。 この1年間の実践で、病院からの退院支援の難しさ、病診連携の難しさを感じており、 スムーズにそれぞれの役割を発揮し、連携できることを目指したい。利用者、家族が家に いたいという希望を支えるために家で看護師がケアをすること、主治医をはじめ、様々な 方々とにじの架け橋を創ることを理念にあげている。当ステーションの利用者、家族だけ でなく、江戸川区全体のサービスの向上、最期まで過ごせるような地域づくりに取り組み たいと考えている。それは、地域看護 CNS の役割の1つと考える。 江戸川区内の緩和ケアに従事している医師、看護師を中心に、研究の企画、実施を行い、 江戸川区民が安心して自宅で過ごし最期まで家で過ごすことができる活動につながればと 思う。.

(3) 研修会のねらい Ⅰ.地域包括ケアの目的を再認識し、病院、診療所、ステーション、居宅支援事業者の それぞれの役割を確認し、連携を深める。 Ⅱ.在宅療養を支えるため、最期まで家で過ごすことを支えるために、「在宅ケア移行」 におけるそれぞれの役割を再認識する。 研修の具体的目標 Ⅰ.早期からの意思決定支援とスムーズな退院支援に必要なポイントを知り、実践できる Ⅱ.緩和ケアにおける関係職種の役割を知り、実践できる(医師・病棟看護師・訪問看護 師・ケアマネジャー・退院支援部門等) 具体的目標 ① 在宅ケア移行のために、必要な支援、ポイント、意思決定支援の必要性を知ることが できる ② 在宅療養を支える往診医、訪問看護ステーション看護師、ケアマネジャー、薬剤師等 のそれぞれの役割を知り、連携のポイントを知ることができ、実践に生かせる 研修会の目的・内容・進め方のプロセス プロセス1 研修会の目的の検討 江戸川区内、在宅におけるがん緩和ケアを専門にしている医師、病院の緩和ケアチーム に従事しているがん看護専門看護師、地域でがんの緩和ケアに従事している地域看護専門 看護師が中心になり、研修会の目的、内容の検討を行った。 がん患者の早期からの緩和ケア、地域連携が十分に図れていない。病院の医師・看護師 も地域の現状を知らず、患者、家族が退院を希望しても退院支援が遅れ、病院で最期を迎 える現状もある。また、在宅での療養生活を安心して送れるように医師、看護師の調整を 行っても、症状悪化、急変で病院に戻るケースもある。このような地域の実情も勘案し、 がん患者の緩和ケアに関する地域連携を病院側と在宅側の両側面から考えることができる 地域連携を深める研修会を企画することにした。その際に、 「患者、家族の意思決定をどの ように支えるのか」という基本的なこと、重要なプロセスを見直すことを目的とした。 具体的な目標として、Ⅰ.早期からの意思決定支援とスムーズな退院支援に必要なポイ ントを知り、実践できる。Ⅱ.緩和ケアにおける関係職種の役割を知り、実践できる(医 師・病棟看護師・訪問看護師・ケアマネジャー・退院支援部門等)とした。 プロセス 2 研修会のプログラムの検討 一方的な講義だけでなく、検討しあう時間を設けた方がより研修会の効果はあると判断 し、講義と事例検討の 2 部構成とした。.

(4) Ⅰ ミニレクシャー Ⅱ ディスカッション、事例検討 Ⅰ ミニレクシャーの内容 ① 医師の立場として:緩和ケアに関わる医師の立場として、在宅移行期における意思決 定支援にどのように関わっているのか、そのポイントをレクシャー ② 緩和ケアチームの一員として:がん看護専門看護師の立場として、在宅移行期の意思 決定に看護師としてどのように関わっているか. 事例を用いてレクチャー. 日ごろ、. 緩和ケアチームの一員としてどのような役割を担っているのかについてもレクチャー ③ 病院から在宅に戻り、徐々に症状が変化していく中で、どのように患者、家族と関わ るのか、意思決定をどのように支えるのか. 意思を聴き、支えるためのポイントをレ. クチャー Ⅱ 事例検討の内容 病院から在宅に移行時期の意思決定 在宅療養生活をはじめ、徐々に症状が変化する中での意思決定を検討できるように事例 を作成(別紙参照) 事例のゴールも検討 下記のようにまとめた。 事例検討の目的:事例を通して、がん患者に関わる専門職種が、それぞれの立場におけ る退院支援・在宅療養支援に関する知識を深め、がん患者と家族の向上を目指した療養生 活を支援する能力を高める。 事例検討の方法 Part1 と Part2 に分けて検討する Part1 入院から退院までの時期 Part2 退院後、症状が変化する時期 事例検討の Goal Part1 入院から退院までの時期 →今後の療養場所選択における意思決定支援、療養場所の選択をどう支えるか ☆病状理解と情報提供~意思決定 本人、家族それぞれの病状理解の程度、正確な情報を知った上でどう決断するか 家族としての過ごし方、意思決定の仕方も考慮する ☆退院調整と支援:末期がんを診療できる医師と 24 時間対応できる訪問看護ステーショ ンの調整。生活支援はどの程度必要かの判断と調整 Part2 退院後、症状が変化する時期 →在宅での意思決定 症状が悪化していく中でどのように治療選択を支えるか、最期をど こで過ごすか 家族をどう支えるか ☆今後の病状変化の予測と意思決定支援 胸水貯留による低酸素、生活動作の制限あり、どう支えるか 病状予測をしながら、変 化に伴い、情報提供し、意思決定を促す.

(5) ☆療養場所の選択 自宅、主治医のいる一般病棟か PCU の情報提供 メリットデメリットも伝え、意思決定 を促す ☆家族ケア:家族の痛み、苦しみも理解し、傾聴する。ケアの方法を伝える。 プロセス 3 研修会の開催時期、対象者への告知等の検討 研修会の日程と場所を検討. 対象者は、地域連携のため、医師、病棟看護師、訪問看護. 師、ケアマネジャー、退院支援部門だけでなく、ヘルパー、地域包括支援センターへの告 知も行うこととした プロセス4 研修会の進行・事例検討会のファシリテータとの打ち合わせ 進行とファシリテータに協力してくれる 6 名に、事前に、研修会の目的、内容を説明、 事例検討の内容とゴールを提示した。ファシリテータ協力者は、緩和ケア認定看護師、が ん化学療法看護認定看護師を取得している人で、緩和ケアに関する知識に精通しており、 ファシリテートに関する知識と実践を習得している人であった。そのため、研修会の開催 の目的と事例のゴールだけ説明し、参加者の発言を引き出す、事例検討の修正が必要であ ればファシリしてもらうことに留意してもらいたいことだけ伝えた 研修会の内容 ミニレクチャー ① 病院の医師の立場から(江戸川病院 腫瘍血液内科医長 後藤宏顕先生) ② 病院看護師・緩和ケア医療チームの一員としての立場から(東京臨海病院. がん看護. CNS 一瀬直子さん) ③ 訪問看護師の立場から(船堀ホームナース にじ 渡邉美也子) ディスカッション 事例を通して、退院支援におけるそれぞれの役割を話し合う 詳細は、別紙参照 研修会の効果 アンケート結果 アンケート結果 参加者 医師 1 名 訪問看護師 20 名 病棟看護師. 6 名 ソーシャルワーカー 5 名. ケアマネジャー 15 名 ヘルパー1 名 ミニレクシャー 満足と回答 90% まあまあ満足 10% 事例検討 満足と回答 90% まあまあ満足 10% であった 今回の研修を知るきっかけは、ほぼ郵送によるパンフレットであった。1名だけ院内の 掲示をみて申し込みしていた。.

(6) 自由記載 SWから ・現場での声が聞けて、とても勉強になりました。今後もこのような会を開いて頂きたい です。 ・在宅支援をいつもしている方々と、お互いの意見をたくさん話し合うことができ、とて も有意義な時間を過ごせた。 ・"今のニーズであるテーマで、大変参考になりました。意志決定支援という看護の大切な 役割について、病院、在宅、どちらも課題としていることが分かりました。 ・"病院の NS さんとケアマネの方々とお話が出来て、充実した時間が過ごせた。 ・"在宅ケアに関わる方々の熱い思いに胸が打たれた。自己の課題が明確になった。 ・他職種、職場環境の壁を超えた意見交換が出来た。" 病棟ナースから ・"とても勉強になりました。色んな方の意見を聞けて、病棟看護に活かせそうです。 "思った以上の大収穫を得ました。参加出来て本当に良かったです。 ケアマネジャーから ・"大変楽しいためになる研修会でした。 ・介護事業でも、訪問看護師さんが多くご参加され、医療連携で勉強になりました。 ・"まだ私は経験が浅い為、経験豊富な方々の意見が聞けて、とても勉強になりました。 ・他職種の方とお話ができて良かったです。やはり「話すこと」が大事だと感じました。 ・"とても有意義でした。 ・積極的に自分達の仕事に進んでいくパワーをもらえた。現在の自分達の問題が少し見え た気がする。 ・様々な職種の方が、今の思いを語ってくれました。" ・事例検討はいろいろな人の話がきけて良かった 訪問看護師から ・他職種が集まり良かった。色々な立場での意見が聞けて勉強になりました。 ・"これからも継続をお願いします。(場所が便利で良い) 本音が聞けた。ミニレクチャーは、日々考えていた事が確認出来て良かった。 ・普段お話を伺う機会の少ない医療関係の方々の考えを聞くことが出来て、大変勉強にな りました。 ・"思い込みで仕事をしていないか?という事を改めて感じました。 ケースの中では限られた情報だけなので分からないですが、今回のケースでは、訪問看護 で良い時間が持てている…との事だが、何を持って良い時間が持てたのか…等考えさせら.

(7) れました。" ヘルパーから ・他事業所の各職種のスタッフと、各々の立場からの意見を聞けて、とても有意義でした。 しかし、グループワークよりも、レクチャーをもっと聞きたかった。GWの情報が抽象的 で検討しにくいという意見もあった。 また、一瀬さんと渡邉さんの報告は大変素晴らしいと感じましたが、まだまだここまでし か看護の在り方が進んでいないのも感じました。意志決定支援、在宅スキルの論理化が必 要だと思う。"という厳しい意見もあり。 【開催して欲しいテーマ】 ・ドクターが興味を抱きそうな内容でエサを巻き、地域のスタッフで囲むというのはどう でしょうか?" ・意思決定支援について更に深める会をお願いします ・病院看護師が、訪問看護の理解が深められる場作り" ・地域での看取り ・認知症 ・医療連携 ・癌だけでなく、今後訪問看護を通し、色々な情報を共有したいです。" アンケートの総括 実際の感想として、90%以上、満足いく内容と回答してくれた。退院支援は、病院の医 師、病棟看護師が重要な役割を担っている。今回、病院関係者の参加が少なかった。周知 方法の検討、企画内容の検討が必要と考える。 研修会の申請で、 「期待される効果・波及効果」として、下記の5つを挙げた。 ① 退院支援がスムーズになり、病院や施設から在宅での生活へ移行する際に、患者家族 が安心できる ② 江戸川区の地域住民が安心して家で過ごせることを知る ③ 病院の医師、看護師、地域との連携部門に携わっている看護師やソーシャルワーカー が退院支援、調整の重要性を再認識し、支援のポイントを知る ④ 上記の関係者が実際の支援場面でスムーズな移行ができる ⑤ それぞれの立場での困難さを知る 講義、事例検討を通じて、上記すべての目標が達成したわけではない。しかし、がん末.

(8) 期の患者、家族が退院し自宅で過ごす際に必要な意思決定支援、それぞれの職種の役割を 理解することができたと思う。理解したレベルで、実行でき利用者、家族へケアを提供で きるようになるには、今後も、研修会を継続していくことが必要と考える。アンケートで も、今後も継続してほしいという意見が多くある。講義形式ではなく、利用者、家族に実 践できるような内容を企画していきたい 事務局の磯崎 慶様に、大変お世話になりました。丁寧に対応していただき、心強かった です。安心して研修会の企画ができました。感謝申し上げます。. 「公益社団法人 在宅医療助成 勇美記念財団の助成による」.

(9) 平成. 28 年 2 月 27 日(土) 13:00~16:00. 緩和ケアにおける意思決定支援に必要なポイントを知り実践できる 緩和ケアにおける関係職種の役割を知り実践できる 医師・病棟看護師・訪問看護師・ケアマネージャー・退院支援部門. プログラム. 日時 平成. 28 年2 月27 日(土) 13:00~16:00 ※開場 12 時 30 分.  病院医師の立場から 江戸川病院 腫瘍血液内科医長 後藤宏顕先生.  病院看護師・緩和ケアチームの一員としての立場から. 定員. 70 名程度. 東京臨海病院 がん看護 CNS 一瀬直子さん.  訪問看護師の立場から 船堀ホームナースにじ 地域看護 CNS 渡邉美也子. 場所. タワーホール船堀. 休憩. 401 会議室 〒134-0091 東京都江戸川区船堀 4-1-1 TEL:03-5676-2211(代). 事例を通して緩和ケアにおけるそれぞれの役割を理解する. 問い合わせ先. 船堀ホームナースにじ. まとめ ※軽食を用意しています. Tel:03-5878-1035 Fax:03-5878-1036 [email protected]. 職種. 参加申込書. 氏名. 電話番号 FAX 番号. FAX 送信先. 研修修了証発行します この研修は、公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団の助成を受けています.

(10) 緩和ケアに関する地域連携を深める ミニレクチャー. 病院医師の立場から 江戸川病院 腫瘍血液内科 緩和ケアチーム 後藤 宏顕.

(11) 自宅に帰るためには?. 患者の 希望. 家族の 理解. 正しい 情報.

(12) 医学的な理由は? 酸素吸入している 鎮痛薬の持続投与をしている せん妄である 麻痺があり動けない 尿道・腎瘻カテーテル留置 気管切開後 など. 帰れない理由にはなりません!.

(13) では全員帰れるのか? 帰れなかった事例 介護者の負担(高齢や病気など) 介護者の過度な不安、精神状態 本人が希望しない 急速な悪化. 当科では在宅移行率30~40%.

(14) 家族の不安材料は? 「治療がない」から追い出されるのでは? 急に辛くなったらどうしよう・・・ 困ったらまた入院できるのかな・・・ 自分ひとりでできるかな・・・ 費用はどのくらいかかるのだろう・・・. 不安を前もって抽出し、解決するか.

(15) 在宅につなげる説明 1. 入院・在宅療養のメリット・デメリットを説明 入院では、すぐに対応してくれる安心感があ るかもしれないが、せん妄になりやすくなり、 結果として安楽に過ごせない。. 在宅では、住み慣れた場所で過ごせるため 最後までその方らしさが残る生活を送ること ができる。また24時間対応し、家族でも対応 できる方法を模索する。.

(16) 在宅につなげる説明 2. 行う医療はあまり変わらない 3. 必要であれば入院対応可能 「多くの方が不安で当初そのような希望をさ れますが、自宅でできることを実感され入院 しない方が多いですよ」とも伝える 4. 独居の方もいる. ずっと付き添う必要はなく、「自宅で過ごせた こと」を第一にすれば他は許容できる.

(17) 訪問診療の実力差 かなり差があると感じる 「訪問診療にお願いしてもすぐに戻ってきてし まう。意義を感じないから頼まない。」という病 院医師は多い. 一般病院以上の専門的な対応を行え、かつ 主治医とも密に連絡をとり、病院受診の必要 性をお互い理解していることが重要.

(18) まとめ 患者自身の率直な希望が第一 病状として在宅療養が困難な例は以外と少 ない 入院・在宅療養のメリット・デメリットを伝える 困ったら入院できることを約束する 信頼できる診療所に相談する.

(19) 2016年2月27日 タワーホール船堀. 緩和ケアに関する地域連携を深める ~. 病院看護師・緩和ケアチームの 一員としての立場から ~. 日本私立学校振興・共済事業団 東京臨海病院 看護 部 一瀬直子(がん看護専門看護師).

(20) 患者さんを地域につなぐための 緩和ケアチームの一員としての活動  疼痛など苦痛症状の緩和  精神的支援  意思決定支援  療養場所の調整  家族への支援  終末期における倫理的問題への対応. ・・・な. ど 主治医・病棟看護師と患者の関係性を崩さない 主治医・病棟・外来看護師が主体的に関われるようをサポート.

(21) 意思決定支援について.

(22) チーム医療 在宅・病院の医療チームで情報共有、目標共有 “家に帰ることが前提“ではなく、 “家に帰ることも選択肢の一つ“というスタンスを崩さずに、 意思決定支援・退院支援を継続.

(23) 悪い知らせを伝えること・伝え方の重要性  真実が曖昧に伝えられていたり、伝えられて いない情報があると、患者・家族は最善の決定が. できない. (近藤2008).  悪い結果を伝えられる際には、コミュニケーションの善し. 悪しが患者の不安レベルに影響を及ぼす. (Takayama T et al.,. 2001).  真実の伝え方や伝える内容、伝える環境に配慮が必要. 医療チームで意思決定を支える.

(24) 意思決定支援のプロセスにおけるスキル スキル. 具体的内容. 患者・家族の 心の安定を図る. 感情の表出、感情の受け止め、ねぎらい、…など. 問題の焦点化を図る. 患者・家族の価値の探究、潜在化している問題の顕在化、 できている事に対する積極的な肯定的フィードバック、…など. 意思決定に必要な 情報の整理・提供. 理解に応じた情報提供、医師の説明内容のサポート、 療養生活と医学的知識における認識の統合、…など. 心身の状況を把握し、 意思決定を阻害する身体、精神的要因のアセスメント、意思決定 意思決定能力を査定 における準備状況を把握、…など する ケアの継続を 保障する. 医療者間の連携強化、サポートの求め方の提示. 周囲のサポート力 を強化する. 患者・家族にとっての重要他者のサポート、 活用できるリソースの紹介、…など. 療養生活の再構築をサポートする.

(25) 退院支援について.

(26) 退院支援において問題が捉えにくい要因 現在の療養環境と退院後の療養環境が異なる 医療の場. 自宅. 目的. 治療. 生活営む. 役割. 患者・治療を受ける人. 社会的役割(夫、妻、父 親、母親など). 身体管理. 管理される人. 自分で管理. 生活リズム. 病院のルール. その人の価値やこれまで の生活が反映. 専門職として責任、先導 患者を病院に受け入れる. 専門職として責任、先導 訪問者として招かれる. 医療者の立場. 患者とその家族との直接的な関わりがなくなった 場所で起こる.

(27) 退院支援が必要となる可能性が高い患者 がん病変への治療が中止され、主として対症療法が 中心となる患者 退院後も高度で複雑な医療処置が予測される患者 入院前に比べ著しいADLの低下が予測される患者 退院後、必要な介護を受けられない可能性のある患者 ・・・・.

(28) 退院支援のアセスメントの視点 患者とその家族の生活ニーズについて情報収集し、分析 ①患者の病状と今後の見通し ②患者とその家族の病状理解と今後の療養に関する意向 ③医療上の問題 ④生活介護上の問題 ⑤経済的な問題 ⑥退院を可能にする社会資源 総合的にアセスメントし、退院支援計画を立案し実行 サポート体制・生活環境を整える。.

(29) 地域連携を深めるために 病院スタッフとして 地域へつなぐ際の意識変容が必要 本人・家族の思い、価値観を地域連携するスタッフと共有し、 共に意思決定支援を行う 病気を治療し病状管理する足し算医療・処置・ケアから 在宅ではよりシンプルにより自然な形に! 医療処置、セルフケア指導などで困難を感じたら 在宅サポートチームに相談を!.

(30) http://niji-grow.com. 緩和ケアに関する地域連携を深める ミニレクチャー ・緩和ケアにおける意思決定支援に必要なポイントを知り実践できる ・緩和ケアにおける関係職種の役割を知り、実践できる. 訪問看護師の立場から 平成27年2月27日 船堀ホームナース にじ 渡邉 美也子(地域看護専門看護師).

(31) http://niji-grow.com. 病院から在宅へ 主人は家に帰りたかった 先生から、いまだったら家に帰れる と言われた でも、私(妻)は病院にいてもらった 方が安心 本当は死の 不安を感じて いるケース. 家にずっといたいと思うが家族に 迷惑をかけるのが申し訳ない 早めに入院したい. 家族の不安 が強いケース. もう、入院はしたくない いつ死んでもいい わかっているから大丈夫. 家族の負担 を気にする ケース.

(32) http://niji-grow.com. 病院の方が安心という妻 ・いつ死んでも大丈夫という本人 ・家族に迷惑をかけるから 入院の方がいいと思う本人. 本人、家族の本当の意向なんでしょうか.

(33) http://niji-grow.com. 本人の意向ではなく周囲(家族やサー ビス提供者)の見解で対応策を 決めていませんか 本人の意思を確認していますか がん末期の方は決められない つらいことを聞けないと 思っていませんか 家族の意向を重視していませんか.

(34) http://niji-grow.com. 影響する要因に対して 訪問看護師は援助していく. 本人の意思、家族の意向 は絡み合い、影響する. 痛みの程度・ コントロール. 本人の意思 家族の意向 家族の 病状理解 家族との 関係性 家族間 のコミュ ニケー ション. 医療チーム 他職種連携. 本人の 病状認識. 経済面. 痛み以外 の症状コン トロール. 病状の 進行へ の 不安.

(35) http://niji-grow.com. 緩和ケア期における病状の経過. 退院. 疼痛 等の 増強 食事摂取 量の減少. 病状が変化すれば、入院した方がいいのか悩む 家族に迷惑をかけるので早めに入院した方がいいのでは 家族のために何もできない自分がつらい 正確な病状の説明と理解を促す 必要なケアを伝える 緩和ケアができる医師と連携 多職種連携. ADL の 低 下.

(36) http://niji-grow.com. 主要な身体症状の出現から生存期間. 恒藤暁(1999).最新緩和医療学 最新医学社.

(37) http://niji-grow.com. 疾患別の病状の経過. 悪性腫瘍のIllness Trajectory (病の軌跡). 慢性疾患のIllness Trajectory (病の軌跡). 認知症・老衰のIllness Trajectory.

(38) http://niji-grow.com. 意思決定のプロセスにかかわる ① 迷っていること、不安に思っていることを明確にする 根底にある感情や考え方を知る 悩んでいる、不安に思う感情を共有する ② 正確な情報を提供する 病状を正確に伝える 医師と連携する ③ 見守る 決定をまつ 相談できる相手になる ④ 決定したことを尊重する 看護師の意向に沿ったものでなくても認め肯定する ⑤ 決定しても再度迷うこともある プロセスに粘り強く支える.

(39) http://niji-grow.com. 訪問看護師にとって最も重要なスキル.

(40) http://niji-grow.com. コミュニケーションのプロセス ①話を聴く(患者から発せられる言葉や 表情などのサインをありのままに受け止 める) ②話す内容を理解する(患者の発する 言葉の内容を適切に理解する) ③対応する(患者の言っていることにつ いて十分に理解したことをもとに患者に 言葉をかける). 参考図書 日本がん看護学会 監修 患者の感情表出を促す NURSEを用いたコミュニケーションスキル 医学書院.

(41) http://niji-grow.com. 効果的に傾聴するスキル. ① 感情の表出を促し、その内容について 批判や解釈を与えることなく傾聴する ② 患者に話をさせる ③ アイコンタクト、目や顔を見る、目線は同 じ高さを保つ ④ 患者の言うことを自分の言葉で反復す る ⑤ 聞き手が話しすぎて、説得になっていな いか、ときどき振り返る.

(42) http://niji-grow.com. 訪問看護師に求められるスキル. 在宅緩和 ケアができ るチームを 創る.

(43) http://niji-grow.com. 救急車を呼んで入院してください 在宅ケアの限界です 入院をすすめました. ということを聞くことがあります. 本当に在宅ケアの限界なんでしょうか 在宅ケアのチーム力の限界 ではないでしょうか.

(44) 事例検討の目的 事例を通して、がん患者に関わる専門職種が、それぞれの立場における退院支援・在宅療 養支援に関する知識を深め、がん患者と家族の向上を目指した療養生活を支援する能力を 高める。 事例検討の方法 Part1 と Part2 に分けて検討する Part1 入院から退院までの時期 Part2 退院後、症状が変化する時期 事例紹介 仮名:鈴木花子 病名:乳がん ターミナル期 55 歳 女性 家族構成:5 人暮らし(夫、長男 28 歳、長女 25 歳、次女 20 歳と同居) 夫、長男、長女日中仕事をしている。次女は大学に通っている 【これまでの経過】 200X 年 右乳がんと診断(STAGEⅡb ER(-) PGR(-) HER2(+) )され、右乳房切除術 を施行。その後、術後補助化学療法を受けていた。4 年後に、腰部の疼痛を自覚し、MRI,CT の結果、骨転移、リンパ節転移、肺転移が認められ、再度化学療法を行うが、治療効果が得 られず、新たに肝転移も出現した。主治医は、がん病変に対する治療を中止し、症状緩和中 心の治療を行っていくことを花子さんと夫に伝えた。それでも、花子さんと夫は、治療が何 かできないかと温熱療法やビタミン療法などを、がんに効果があるといわれるものは試し たいと考えていた。今回、呼吸困難が増強し(CT で両側胸水貯留あり)入院となった。入 院後、胸水穿刺、胸膜癒着術を施行し、呼吸困難は改善した。今年にはいり、右鎖骨上窩リ ンパ節腫脹、右腕~手背にかけての浮腫みが強くなり始め、食事を摂ることや洋服の着脱に 支障を感じるようになってきていた。余命は月単位が予測された。 【療養への本人の意向】 家でできるだけ過ごしたい. 夫は仕事をしながら、家のこともやっている。子供たちに手伝. ってもらってもいいが、私の病気に関心がないのか聞こうとしない。家族に迷惑をかけるの で、やれるだけ自分でやりたい。やれなくなったら、入院も考えている 【家族の意向】 夫:できるだけ本人の希望に沿ってあげたいが、日中は妻が一人になるので病気が悪くなっ た時のことを考えると不安なので入院している方が安心。食事や着替えも上手くできなく.

(45) なってきている。その一方で、ここではもう治療ができないといわれたので、退院して温熱 療法やビタミン療法を受けさせたい。効果があるかもしれない治療はやりたい。子供たちに は迷惑をかけたくない。長男、長女、次女の意向は確認できていない。 【主治医の意向】 症状は安定しており、入院の継続が必要な状態ではない。がん病変に対する治療も全身状態 を考えると行える状態ではなく、今後はできるだけ家で安心して過ごせるように体制を組 む。症状が憎悪した際や最期を病院で過ごしたい希望があれば入院もできる。 【病棟看護師】 残された時間も少なく、花子さんは家に帰りたいと言っているので返してあげたい。.

(46) 退院後の自宅での様子 【退院から現在までの様子】 自宅に退院をし、右腕~手背にかけての浮腫みや軽度の呼吸苦はあるが、訪問看護師やヘル パーに手伝ってもらい、家でゆっくり過ごせている。体調をみながら温熱療法やビタミン療 養を受けていた。夫は仕事をしており、子供たちも家のことを少しずつ手伝ってくれている。 徐々に食事摂取量が減り、家族は食べられるようにと栄養補助食品などを進めるようにな った。また、がんに効果のあるサプリメントを勧めるようになった。ある日、訪問すると「食 事の時間が苦痛 食べなきゃおこられる」と、涙目で語り、 「いろいろ治療をしてきたけど、 それも効果がなくなってきたのかしら」ともらすようになった 「食べられないのは、食べる気がないからだ」 「点滴をしてもらった方がいいんじゃない か 看護師さんに相談してみてくれ」と夫が話していた。 【本人の意向】 自分としてはゆっくり自由に過ごせる家にいたい。でも、家族の世話ができないので、申し 訳なく思う。もっと手伝ってもらわなきゃいけなくなるときは、入院した方がいいかと思っ ている。 「もうビタミン療法に行くのも辛いが、夫や子供たちがやったほうがいいというの で続けている。頑張れというので、家族の前では嫌だと言えない。」 【家族の意向】 食べられれば、体力がついて動けるようになるんじゃないか、 浮腫みも食事を摂取すれ ば改善するのではないか 食べられなければ、サプリメント、栄養補助食品をとれば前のように改善するのではない か。 「本人も頑張ると言っているのでビタミン療法は続けたい。入院するとビタミン療法が できなくなるので、できれば入院はしたくない。 」 【主治医の意向】 右鎖骨上窩リンパ節腫脹もさらに増強している。レントゲンでは胸水も再び貯留し始め ている。必要以上の点滴は、浮腫み、胸水の増強につながり苦痛を増強させる可能性がある。 現在の病状を理解してもらい、今後の治療、療養場所も選択しなければならない。入院の希 望があれば、調整をする 【訪問看護師の意向】 本人は、体調が変化しビタミン療法など効果がないことも実感し始めている。家族とのい い時間を過ごせており、最期まで家で過ごしてもらいたい.

(47) 事例検討の Goal Part1 入院から退院までの時期 →今後の療養場所選択における意思決定支援、療養場所の選択をどう支えるか 病状理解と情報提供~意思決定 本人、家族それぞれの病状理解の程度、正確な情報を知った上でどう決断するか 家族としての過ごし方、意思決定の仕方も考慮する 退院調整と支援 末期がんを診療できる医師と 24 時間対応できる訪問看護ステーションの調整 生活支援はどの程度必要かの判断と調整. Part2 退院後、症状が変化する時期 →在宅での意思決定. 症状が悪化していく中でどのように治療選択を支えるか、最期をど. こで過ごすか 家族をどう支えるか 今後の病状変化の予測と意思決定支援 胸水貯留による低酸素、生活動作の制限あり、どう支えるか 病状予測をしながら、変化 に伴い、情報提供し、意思決定を促す 療養場所の選択 自宅、主治医のいる一般病棟か PCU の情報提供 メリットデメリットも伝え、意思決 定を促す 家族ケア ケアの方法を伝える.

(48) グループワークとディスカッション.

(49) グループワークの進め方 • 自己紹介をして、仲良くなってください • 進行、発表者を決定してください • PART1 PART2 にわけて話し合いをしてください • PART1,PART2の終了時間はこちらで声をかけます. • 全員が発言し、活発な討議をしましょう.

(50) グループワークのポイント PART 1. PART2. ☆病院から在宅へ. ☆退院後、病状が悪化. どのような支援が必要で しょうか. だれにどんな支援が必要 でしょうか.

(51) 退院から在宅への移行時 緩和ケアへの移行時 病状説明、病状理解が促されず 家族の不安が増し 本人が苦しんでしまった事例.

(52) 認識のずれ PART1. PART2. PART2. DR 「治療ができない」. DR「胸水あり 点滴の効果は ない」. DR「入院の希望があれば調 整する」. FA「食べられれば体力がつい て動けるのでは」. FA「ビタミン療法は続けたい ので入院はしたくない」. FA「効果があるかもしれない 治療はやりたい」. 本人「がんばれと言われるの で家族の前ではいやと言えな い」. 本人「もっと手伝ってほしい が必要になれば、入院した方 がいいかと思う」.

(53) グループワークのまとめ 病院側. 病状説明、正しい情報を伝える 今後起こり得ることを伝える 伝えるだけでなくそのことによっておこる不安を聴き解決する姿勢をもつ. 地域につなぐ在宅移行支援. 病状説明を受け、理解しているのか 本人、家族の不安はなにか→退院前カンファ 在宅側. レンスでの確認 カンファレンスに参加できなければ初回訪問で確認. 理解不十分であれば医師に相談し場を設けるなど対応する.

(54) 地域につなぐ移行支援 移行支援で重要な役割を担う 病院の連携室の退院調整ナース ソーシャルワーカーの方 ケアマネジャーの方々. 自分たちだけで迷うことはありませんか 安心してください. 医療のことは 聞いてください.

(55) アンケート 本日は、研修にご参加いただき、ありがとうございます。次回の参考にさせていただきたい ので、ご協力ください。 1. 性別. 1.. 2. 年齢. 1. 20 代 2. 30 代 3. 40 代 4. 50 代 5. 60 代. 3. 住まい. 男. 2. 女. □1.都内(. ※○で囲んでください. 区・市) □2.その他(. □1.医師(病院) □2.医師(クリニック・往診) 4. 職業. ) □3.看護職(病院). □4.看護職(訪問看護ステーション) □5.ケアマネジャー □6.ヘルパー □7.その他(. ). この研修会をどこでお知りになりましたか(複数回答可) 5. □1.パンフレット □2. ホームページ. □3.知人. □4.その他(. ). 研修会に参加した目的についてお答えください(複数回答可) 6. □1.ミニレクチャーを聴く. □2.事例検討に参加する. □5.その他(. 7. 8. ミニレクチャ ー 事例検討. ) □1.大変満足 □2.満足 □3.やや満足 □4.不満足 理由: □1.大変満足 □2.満足 □3.やや満足 □4.不満足 理由: この研修会に一言コメントをお願いします. 9. 次回開催してほしいテーマ等あれば、お聞かせください. 10. □3.交流を深める.

(56)

参照

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