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人権ポケットブックⅡシリーズ⑥パワー・ハラスメント

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Academic year: 2021

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財団法人 人権教育啓発推進センター

〒105-0012 東京都港区芝大門2-10-12 KDX芝大門ビル4F TEL:03-5777-1802(代表)/ FAX:03-5777-1803 http:///www.jinken.or.jp

人権ライブラリーのお知らせ

人権ライブラリーでは、さまざまな人権に関する資料の 貸し出しを行っています。 利用料は 無料です ☆書籍、ビデオ、DVD、パネルの貸し出し ☆多目的スペース 人権研修やボランティア活動の          打ち合わせなどにご利用いただけます。 郵送などによる貸し出しも行っておりますので、遠方の方もご利用いただけます。 詳細は当センターのホームページ又は下記にお問い合わせください。 2011(平成23)年9月発行

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<本冊子に関するお問い合わせ先>

人権ライブラリー

(公財)人権教育啓発推進センター

TEL

03-5777-1919

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なんのこと?

 パワー・ハラスメント(パワハラ)は、法令で明確に定義さ れているわけではありません。何がパワハラなのか、不明確 なことがたくさんあります。しかし、ひと言でいえば「地位や 権限を利用したいじめ」です。放っておけば、就労環境を悪 化させ、重苦しい職場にさせてしまうでしょう。 ●「ウワサ通りの役立たずだな!」  例えば、取引先へのアポイント時間を間違え遅刻したとし ます。同行した上司がつい「何やってんだ!」と怒鳴ったとし て、それだけでパワハラと言うことはできません。指導の範囲 内の叱責は、業務上認められているからです。しかし、この 言葉に加えて、「だから、お前とは仕事したくないんだ!」「ウ ワサ通りの役立たずだな!」「仕事しなくていいから、帰って 寝てろ!」などと言ったり、さらにそれをきっかけに、日常的に 繰り返されるとパワハラ行為となってきます。問題は、権限を ハラスメント(嫌がらせ)に利用することなのです。

業務指導は

叱責のみ

パワハラは

叱責

嫌がらせ

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〈パワハラの形態〉 ●職権等の権限を背景に  上司としての権限等を利用した「嫌がらせ」行為。多くが  そのパターンですが、パワハラは上下関係だけでなく、同  僚間や正社員と派遣社員等の間でも起こり得ます。 ●本来の業務範囲を超え  客観的に判断して、明らかに本来の業務範囲を超えてい  る行為。感情的、個人的理由で過度の業務を命令し、当  人が過労に陥ってしまうようなケース。 ●継続的に  1∼2回の言動でもパワハラに相当することもあり得ますが、  通常は執ように繰り返されることがパワハラとなります。 ●相手の人格と尊厳を侵害する言動  仕事上のミスについて指摘・指導するだけでなく、相手の  人格・尊厳を非難・中傷するなどして傷つける言動。 アカハラ アカデミックハラスメント(大学等の研究・教育の場における権力 を利用した嫌がらせ)のこと。嫌がらせを意図した場合はもちろん、 上位にある者が意図せずに行った発言・行動も含まれる。他にも、 KEY WORD 関連キーワード

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どうしておきるの?

〈今…〉 ●「ひどい嫌がらせ」は労災認定に  最近まで、パワハラのような言動と、継続的な心理的圧迫を 原因とするうつ病等の発症には、因果関係が認められないと する考えが通例でした。  しかし、平成19(2007)年、うつ病により自殺した従業員の遺 族がおこした裁判で、業務と精神疾患には因果関係があると いう判決が下されました。同じような例として、同年10月に労働 保険審査会裁決と名古屋高裁判決がありました。  厚生労働省も平成20(2008)年2月に各都道府県労働局に 対し、上司のいじめについて一定の考え方を示しました。さら に、平成21(2009)年4月には労災認定の基準を改定し、パワハ ラによる精神障害を想定して、新たに「ひどい嫌がらせ、いじ め、又は暴行」という表現が追加されました。 〈かつては…〉 ●当たり前だった?   「パワハラ」は人権を無視した行為です。しかし、職権を個人 が自由に行使できる権限と思い違いし、部下に対する威嚇的 な言動は、まだまだなくなりません。「そんなことしていると昇給 させないぞ!」「給料分ぐらい働け!」「休憩なんかしてないで、さ っさと仕事をしろ!」などの言動は、かつての職場では誰もとが められない雰囲気がありました。その意識が今も根を張ってい る側面があります。  でも、「仕事だから仕方ない」は、オールマイティではなくなっ ています。人権を尊ぶ意識の高まりは、理不尽な言動を放って おかなくなっています。発端は業務だったとしても、個人の尊厳 を不当に傷つけるような言動は、上司であっても人権侵害だと、 真剣に意識しなければなりません。

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どんな影響があるの?

●就労環境を悪化させる、あるいは雇用不安を与える  上司等の不適切な言動は、職場内に不必要な緊張感を 持たせたり、通常の職務の遂行を妨げることになります。 ●人材がいなくなる  パワハラが見過ごされるままの職場では、働く意欲が徐々 になくなってしまうでしょう。やがて、真剣に働こうという人の 定着率が低下します。そうなっては、大きな人的損失です。 ●仕事の効率が悪くなる  しかし、何かにつけ「この言い方はパワハラになるのではな いか?」との萎縮した考えや、適切な指導まで「パワハラだ!」 と思い違いをする開き直りがはびこったら収拾がつきません。  職場環境は悪化していき、モチベーションの低下による作 業効率の悪化やミスが増え、回り回って、製品の品質や顧 客へのサービス等にも影響を及ぼすことになります。まず は、パワハラに対する正確な認識を社内で共有しましょう。 2006年度 0 200 400 600 800 1000 1200 人 07 08 09 10 申 請 労災認定 うち自殺 自殺未遂 精神疾患の労災申請と認定状況

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防ぐには?

●経営トップの意識が肝心  あなたの会社では、経営トップが、パワハラについて知っ ていて、防止の徹底を日ごろ、意思表示していますか?パワ ハラの横行は企業の社会的責任としても大きなマイナス要 因です。これを断固防止するという姿勢を全従業員が意識 するかどうかは、トップの姿勢次第です。全社一丸となるよう な強い意思をトップが発しないことには、いい加減で終わっ てしまいかねません。 ●企業イメージのダウン  パワハラ行為で企業名がマスコミに登場するようなことに なれば、企業イメージは一挙に最悪になります。ひところと違 って、社会には、パワハラを人間の尊厳を無視する人権侵 害だと意識する文化が定着しているからです。そのことによ る間接的な経済的損失は計り知れなくなるでしょう。 ●直接的損失も出てきます  パワハラは時として損害賠償請求訴訟などにまで進むこ とがあります。使用者責任(民法715条)が問われ、事業主 が高額の損害賠償責任を負う場合もあります。費用や費や される時間等を考えると、パワハラが起きてしまう前に、いか に互いを人間として尊重するかという「社員同士の尊厳を 考慮する」取り組みが、どんなに重要か理解できます。

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●啓発活動  これまでの事例を見てみると、加害者が全く加害意識を 持っていなかったり、かなり低い意識しか持ち得なかったた めに起きたケースが多々あります。  パワハラは人権の視点を持った啓発活動で未然に防ぐ ことができるのです。上下関係に関係なく、職務は職務とし て、まず人間としての共通認識を持つことが大事です。とく に上司たるものは、指導の域を越えて「部下を叱ってもいい のだ」という発想を捨てましょう!  社内では、次のように、段階的に啓発していくことも大切 でしょう。 管理職に対する啓発 一般社員に対する啓発 ついつい家庭内にも力関係を持ちこんでいませんか? 相手を自分の所有物と錯覚し、 行動などを制限してしまうと DV(ドメスティック・バイオレンス)につながります。

ほほえましい亭主関白なら別ですが…

●人権尊重の企業風土ができていますか?  自分たちの企業に人権尊重の風土があるかチェックして みましょう。例えば、女性、高齢者、障がいのある人、子ども、 HIV・エイズ、外国人等に対する差別意識の排除など、ごく 当たり前の人間関係、社会関係が根付いているかどうかです。  基本中の基本の人権意識が欠如していては、パワハラ 防止を進めることなどできません。パワハラが起きてしまって からでは遅いのです。

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(4)迅速な対応   ●相談内容の記録   ●被害者、加害者双方から事実確認(証拠収集)    ●社内対応に関する委員会の設置    ●絶対に隠蔽しない など (5)再発防止の強化   相談したこと、事実関係の確認に協力したこと等を理   由として、不利益な取扱いをしないことを全社員に周知   徹底しなければなりません。   ●プライバシー保護のために必要な措置を講じ、周知すること   ●相談者は不利益を受けないことの周知・啓発 など ●組織で防止に取り組みましょう  全社的な取り組み体制をきちんと作ることがスタートで す。でも、作っただけではダメです。それを広く社員に告知 し、随時、定期的に研修などで社員一人ひとりに身体で覚え てもらわなければ、防止体制は機能しません。あとで、「そん なつもりはなかった」というのではなく、常に、意識が働くよう に慣れることです。 (1)トップの意思表明 (2)啓発   ●社内報等による周知徹底    ●研修会、講習会等の開催    ●就業規則の制定 など (3)万一の場合の相談窓口の設置   ●相談担当者の選任    ●外部機関との連携    ●人事担当者との連携    ●相談担当者に対する研修 など

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