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血管周囲に細胞浸潤と肉芽腫形成を認めた Figure した ステロイドを漸減し 9月29日プレドニゾロ 3 ン25 mg/dayで退院となった 退院時の下腿筋MRI 入院後経過 Figure 4 検査でも改善を認めた Figure 2b 以後ステロイド サルコイドーシスと診断 プレドニゾロン60 m

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Academic year: 2021

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1)横浜船員保険病院内科 2)かとう内科クリニック 著者連絡先:川井孝子(かわい たかこ)〒240-8585 神奈川県横浜市保土ヶ谷区 釜台町43-1 横浜船員保険病院内科

不明熱で発症した急性筋炎型サルコイドーシスの1例

川井孝子

1)

,加藤 清

1, 2)

【要旨】

 34歳女性.2006年6月初旬より咽頭痛,38−39 ℃の発熱出現.近医より経口抗生物質を処方されるも解熱せ ず.7月8日から両下腿の筋肉痛が出現,7月中旬から筋肉痛は四肢に拡がり7月24日精査加療目的で紹介入院と なる.入院時検査で白血球増多とCRPの上昇を認めたがCPKは正常値であった.胸部X線写真は異常なし.下腿 筋のMRI検査でT2強調画像にびまん性の濃度上昇を認めた.筋生検を行ったところ血管壁の肥厚および血管周囲 に細胞浸潤と類上皮細胞肉芽腫形成を認めた.前部ぶどう膜炎もありサルコイドーシスと診断した.プレドニゾ ロン60 mgで治療を開始したところ数日で解熱し,筋肉痛は消失した.ステロイド剤を漸減し退院,以後再燃を 認めていない.急性の経過で発症する筋サルコイドーシスはまれであり,今後も長期に経過を観察する必要があ ると考える. [日サ会誌 2009; 29: 29-33] キーワード:発熱,筋サルコイドーシス,MRI,急性筋炎

はじめに

 サルコイドーシスは,類上皮細胞肉芽腫形成を特徴 とする全身性炎症性疾患で,無症状で経過するものか ら多彩な症状を呈するものまでその臨床像はさまざま である.発症時に発熱を伴うことがあるが,本邦で はLöfgren症候群に代表される急性発症型はまれであ る1, 2).今回我々は,不明熱で発症した急性サルコイ ドーシスの1例を経験したので報告する.

症例呈示

●患者:34歳,女性. ●主訴:発熱,筋肉痛. ●家族歴・既往歴:特記すべきことなし. ●現病歴:生来健康であった.2006年6月初旬より 咽頭痛出現,38−39 ℃の発熱があり近医よりセフカ ペンピボキシルを処方されたが解熱せず.他の内科, 耳鼻咽喉科を受診し検査を受けるも原因不明であり, クラリスロマイシン,トスフロキサシン,ミノサイ クリン内服にも反応しなかった.7月8日から両下腿 の筋肉痛が出現,7月中旬から筋肉痛は四肢に拡がっ た.7月24日精査加療目的で紹介され入院となる. ●入院時現症: 身長157.0 cm,体重57.0 kg,意識清明,体温39.9 ℃, 血圧126/82 mmHg,脈拍116/分,整.頸部に米粒大 から小豆大のリンパ触知を数個触知.甲状腺の腫大な し.咽頭発赤なし.呼吸音清,心音純.腹部平坦軟, 肝脾腎触知せず,圧痛なし.腹水なし.下腿浮腫なし. 皮疹なし.四肢の筋肉に自発痛,把握痛を認めた. 関節腫脹なし,関節痛なし,腱反射異常なし.徒手筋 力テストは上腕二頭筋;右4+左4+,上腕三頭筋; 右5左5,腸腰筋;右4+左4+,大腿四頭筋;右5 左5,前脛骨筋;右5左5,腓腹筋;右5左5であっ た. ●入院時検査所見(Table 1): 白血球数は12,400/μLと上昇,血液生化学ではASTの 軽度上昇を認めたが,筋原性酵素の上昇は認めなかっ た.CRPは9.9 mg/dL,γグロブリンは25.4 %と上昇 していた.ツベルクリン反応は陰性,抗核抗体は40 倍,抗Jo-1抗体は陰性であった.フェリチン,可溶 性IL-2受容体の軽度上昇を認めた.胸部X線写真では 肺門リンパ節腫脹および肺野の異常を認めなかった (Figure 1).心エコーは異常なし,腹部エコーでは軽 度の脾腫を認めた.前部ぶどう膜炎も認めた.最も 痛みの強かった下腿のMRI検査を行ったところ,T2 強調画像で筋のびまん性濃度上昇を認めた(Figure 2a).左腓腹筋より生検を行い,血管壁の肥厚および

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血管周囲に細胞浸潤と肉芽腫形成を認めた(Figure 3). ●入院後経過(Figure 4): サルコイドーシスと診断,プレドニゾロン60 mg/day で治療を開始したところ数日で解熱し,筋肉痛も消失 した.ステロイドを漸減し,9月29日プレドニゾロ ン25 mg/dayで退院となった.退院時の下腿筋MRI 検査でも改善を認めた(Figure 2b).以後ステロイド を漸減し経過観察中であるが,発熱,リンパ節腫脹, 筋肉痛などの症状は認めていない.

Figure 1. Chest X-ray on admission, showing no abnormality.

Blood cell count

WBC 12,400 /μL Stab 4.5 % Seg 82 % Lym 9 % Eo 0 % RBC 441×104/μL Hb 13.4 g/dL Ht 39 % Plt 50.5×104/μL Urinalysis Protein (−) Glucose (−) OB (−) Blood chemistry TP 7.7 g/dL Alb 44.8 % α1-gl 5.7 % α2-gl 13.1 % β-gl 11 % γ-gl 25.4 % AST 38 IU/L ALT 90 IU/L LDH 202 IU/L ALP 434 IU/L Tcho 183 mg/dL TG 128 mg/dL BUN 9 mg/dL Cr 0.4 mg/dL CPK 13 IU/L Aldolase 3.8 IU/L UA 3.3 mg/dL Ca 9.8 mg/dL AMY 49 IU/L CRP 9.9 mg/dL ACE 8.6 IU/L Lysozyme 8.3 μg/dL Ferritin 228 ng/mL Virological findings HBsAg (−) HCV (−) anti-HTLV-1 (−) anti-Parvo B19 IgM (−) anti-VCA IgG (+) anti-VCA IgM (−) anti-EBNA (+) Immunological findings ANA 1:40 anti-dsDNA ≦2.0 IU/mL Immue complex(C1q) 2.9 mg/mL C3 233 mg/dL C4 31 mg/dL CH50 74 U/mL anti-Jo1 (−) PR3-ANCA <10 EU MPO-ANCA 13 EU RAPA <40 sIL-2R 678 U/mL

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Figure 2a. T2 weighted image of MRI on admission, showing diffuse hyperintensity in calf muscles.

Figure 2b. T2 weighted image of MRI after corticosteroid therapy, showing reduced intensity in calf muscles.

Figure 3. Microscopic photograph of muscle specimen, showing noncaseating epithelioid cell granuloma around vessels(he-matoxylin and eosin; original magnification ×200).

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Figure 4. Clinical course.

考察

 発熱を伴う急性サルコイドーシスは,関節痛,結 節性紅斑,両側肺門リンパ節腫大(BHL)を3主徴 とするLöfgren症候群が知られているが,本邦ではま れである1, 2).サルコイドーシスの初発症状としての 発熱は,Johnsらによれば31 %に見られたとされる3) が,本邦では5.1−6.1 %4−6)と欧米に比較して低頻度 であり,本例のように高熱で発症する例はさらにまれ と考えられる7)  本例は発熱を伴い急性に発症し,四肢の筋肉痛が著 明であった.関節痛および関節炎は認めなかった.咽 頭痛と発熱で発症し,白血球数が増加していたことか ら成人スティル病が鑑別に挙げられたが,経過中皮疹 の出現はなく,血清フェリチン値の上昇は軽度であっ た.臨床症状から多発性筋炎も疑われたが,筋原性酵 素の逸脱がないこと,筋力低下が軽微であること,遠 位筋の痛みで発症していることなどは多発性筋炎とも 異なる病態を示唆するものと考えられた.筋電図検査 は行えなかったが,筋生検で血管周囲に類上皮細胞肉 芽腫が認められ,ぶどう膜炎を合併していたことより サルコイドーシスと診断した.筋サルコイドーシスの なかでも急性筋炎型と考えられた.  骨格筋はサルコイドーシスによる類上皮細胞肉芽 腫の好発部位であり,そのほとんどは無症候性で頻度 は20−80 %とされる8, 9).症候性は少なく,その多く は腫瘤型で,発熱などの全身症状に乏しく体表から腫 Gaシンチグラフィーにより筋サルコイドーシスを疑 われるほか,MRIによる画像解析で内部がlow inten-sityで辺縁がhigh intensityの特徴ある星状腫瘤影を 示せば診断は比較的容易である8−11).慢性の経過で四 肢広範に多発性の腫瘤を認めた筋サルコイドーシスの ほか10),発熱を伴う筋腫瘤型サルコイドーシスの報告 もある11)が,一般的には全身症状を伴う腫瘤型筋サ ルコイドーシスはまれである9, 10, 12).筋サルコイドー シスは,腫瘤型の他,急性筋炎型,慢性ミオパチー型 があり,急性筋炎型は極めてまれで,筋肉痛のほか発 熱,関節症状など全身症状を伴うとされる9).本症例 は,Gaシンチグラフィーは行えなかったが,MRI検 査でびまん性の濃度上昇を認めた.  本邦では,高熱を呈するサルコイドーシスの報告 は,肺病変を伴う例,中枢神経症状を伴う例に散見 される7, 13) が,本例はそのどちらの病変も認めなかっ た.また,これまでの報告では急性筋炎型サルコイ ドーシスは必ずしも発熱を伴わない14).本例は発熱 が先行し,その後に筋症状を呈した急性筋炎型サルコ イドーシスであった.筋原性酵素の逸脱は認められな かったが,軽度の筋力低下が認められた.筋肉の痛み が発現してから当院に紹介入院となるまで数週間が経 過しており,発熱と筋肉の強い痛みのために日常生活 動作が低下していたことが,筋力低下の原因ではない かと考えられた.入院時検査でBHLはなく,ACE活 性も正常であったため当初サルコイドーシスを疑わ

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に関連した細菌学的検査は行わなかったが,本例のよ うな高熱を伴う急性発症のサルコイドーシスでは, が何らかの特別な関与をしているのか,宿主側 の要因であるのかなども今後に残された課題である.

結論

 不明熱で発症し,急性の経過をとった筋サルコイ ドーシスを経験した.発熱や痛みを伴う急性筋炎型サ ルコイドーシスはまれであるが,原因不明の筋症状を 呈する例では,サルコイドーシスを念頭におく必要が ある.

引用文献

1) Mañá J, Gómez-Vaquero C, Montero A, et al: Löfgren's syndrome revisited: A study of 186 patients. Am J Med 1999; 107: 240-245.

2) 出雲真由,関谷潔史,酒井俊彦,他:多彩な症状を呈した サルコイドーシス(Löfgren症候群)の1男性例.日呼吸 会誌 2005; 43: 761-765.

3) Johns CJ, Michele TM: The clinical management of sar-coidosis. A 50-year experience at the Johns Hopkins Hos-pital.: Medicine 1999; 78; 65-111. 4) 泉孝英:サルコイドーシス554例(1963∼1986)の臨床像 と予後.日胸疾会誌 1987; 25; 998-1004. 5) 立花暉夫:サルコイドーシスの全国臨床統計.日本臨牀  1994; 52: 1508-1515. 6) 森本泰介,吾妻安良太,阿倍信二,他:2004年サルコイ ドーシス疫学調査.日サ会誌 2007; 27; 103-108. 7) 岡宏充,寺田正樹,佐藤牧,他:高熱と背部痛を呈したサ ルコイドーシスの一例.日サ会誌 2004; 24: 59-64. 8) Zisman DA, Biermann JS, Martinez FJ, et al: Sarcoidosis

presenting as a tumorlike muscular lesion. Case report and review of the literature. Medicine 1999; 78: 112-122. 9) 熊本俊秀:筋肉サルコイドーシスの臨床と筋の崩壊機序.

日サ会誌 2008; 28: 25-31.

10) 西武孝浩,宮崎英士,安東優,他:四肢筋に広範に進展し た腫瘤型筋サルコイドーシス.日サ会誌 2006; 26: 51-56. 11) Patel N, Krasnow A, Sebastian JL, et al: Isolated

muscu-lar sarcoidosis causing fever of unknown origin. The val-ue of Gallium-67 Imaging. J Nucl Med 1991; 32: 319-321. 12) Fayad F, Lioté F, Berenbaum F, et al: Muscle

involve-ment in sarcoidosis: a retrospective and followup studies. J Rheumatol 2006; 33: 98-103.

13) 山本さつき,四十坊典春,伊藤峰幸,他:発熱,耳下腺腫 脹,肝機能異常,ブドウ膜炎で発症した急性サルコイドー

シスの1例.日サ会誌 2001;21:31-34.

14) Jamal MM, Cilursu AM, Hoffman EL: Sarcoidosis pre-senting as acute myositis. Report and review of the lit-erature. J Rheumatol 1988; 15: 1868-1871.

Table 1.    Laboratory findings on admission
Figure 2a.   T2 weighted image of MRI on admission, showing diffuse hyperintensity in calf muscles.
Figure 4.   Clinical course. 考察  発熱を伴う急性サルコイドーシスは,関節痛,結 節性紅斑,両側肺門リンパ節腫大(BHL)を3主徴 とするLöfgren症候群が知られているが,本邦ではま れである 1, 2) .サルコイドーシスの初発症状としての 発熱は,Johnsらによれば31 %に見られたとされる 3) が,本邦では5.1−6.1 % 4−6) と欧米に比較して低頻度 であり,本例のように高熱で発症する例はさらにまれ と考えられる 7) .  本例は発熱を伴い急性に発症し,

参照

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