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フロン分野における
地球温暖化対策関連技術開発の取り組み
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構
(NEDO)
環境部事業成果報告会 2015年7月15日環境部 阿部 正道
CFC 洗浄剤・冷媒などに使用 オゾン層破壊効果 大 地球温暖化係数(GWP) 3,800~14,000 HCFC 冷媒・断熱材などに使用 オゾン層破壊効果 小 地球温暖化係数(GWP) 90~2,300 ウィーン条約・モントリオール議定書 HFC 冷媒・断熱材などに使用 オゾン層破壊効果 0 地球温暖化係数(GWP) 140~11,700 2020年 に向けて 排出量 増加の 見込み 1985年 ウィーン条約 採択 1987年 モントリオール 議定書採択 段階的に 生産量・消費量 を規制 オゾン層破壊 メカニズムの 発見 【排出削減目標】 52百万CO2t(1995) ↓ 31百万CO2tに削減 (目達計画・3ガス) オ ゾ ン 層 保 護 地 球 温 暖 化 防 止 新 た な 対 策 が 必 要 【CFC】 ・先進国ではほぼ全廃 ・途上国では2009 年末で全廃 【HCFC】 ・先進国では2020 年原則全廃予定 ・途上国では2030 年原則全廃 1992年 気候変動枠組条約 採択 1997年 京都議定書採択 排出量の削減 を義務付け 気候変動枠組条約・京都議定書 70年代 80年代 90年代 2000年代 2010年代 2020年代 CFC-12 ・0DP=1.0 ・GWP=10,900 F C Cl F Cl HCFC-22 ・0DP=0.055 ・GWP=1,810 F C F Cl H F F C F C H H F HFC-134a ・0DP=0 ・GWP=1,300 代替 代替
フロン類を巡る規制と対策の流れ
北米3か国による HFC生産・消費規 制提案1.背景
3 ※1 GWP : 地球温暖化係数・・・CO2の何倍の温室効果を有するかを表す値 ※2 主な冷媒種としての値 ●冷凍空調機器の冷媒等に使用されてきたオゾン層破壊物質(CFC、HCFC:京都議定書 対象外)は、モントリオール議定書による生産、輸入規制の対象。このため、近年代替フ ロン(HFC:京都議定書対象)への転換が進行。
特定フロンと代替フロン等3ガスについて
●京都議定書目標達成計画における削減目標(▲6%)のうち、代替フロン等3ガス分野で ▲1.6%を担っており、本分野における排出削減が我が国の目標達成に大きく貢献。 (2008:目達計画(改定)) 「京都議定書」目標達成計画(1990年比で6%削減)の内訳
我が国の「京都議定書」による温室効果ガス削減目標
基準年 百万t-CO2 2010年 百万t-CO2 増減比 エネルギー起源 CO2 1059 1089 +2.3% 非エネルギー起源CO2、 CH4、N2O 151 132 ▲1.5% 代替フロン等3ガス HFC、PFC、SF6 ※ 51 31 ▲1.6% 森林吸収・CDM等 - (▲68) 吸収源:▲3.8% CDM等:▲1.6% 温室効果ガス排出量 1261 1186 ▲6.0%5 2013年 [百万t-CO2] 2030年 [百万t-CO2] 削減比 (%) エネルギー起源 CO2 1235 927 ▲21.9 非エネルギー起源CO2、 CH4、N2O 134 124 ▲0.8 代替フロン等4ガス (HFC、PFC、SF6、NF3) 39 29 ▲0.7 森林吸収等 - (▲37) ▲2.6 合計 1408 1042 ▲26.0
2020年以降の温室効果ガス削減に向けた
我が国の約束草案
約束草案削減目標の内訳冷凍空調分野における代替フロン等3ガス排出量推移
●冷凍空調分野からの代替フロン等3ガスの排出量は、オゾン層破壊物質から代替フロン (HFC)へ転換により、今後大幅な増加が見込まれる。 ⇒代替フロン等3ガスの排出を抑制するためには、冷凍空調分野からの排出抑制が重要。 0 10 20 30 40 50 60 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2020 冷凍空調分野以外 冷凍空調機器に係る事項 冷凍空調分野以外 冷凍空調分野 京都議定書目標達成計画(31百万t-CO2) (百万t-CO2) 代替フ ロ ン 等 3 ガ ス の排出量 ( CO 2 換算)7 (百万t-CO2) 50 40 30 20 10 0 5 10 15 20 25 漏洩量 小型冷凍冷蔵機器 大型冷凍機 その他中型冷凍冷蔵機器 ビル用PAC その他業務用 家庭用エアコン 別置型ショーケース
代替フロン等3ガス(京都議定書対象)の
2020年排出予測(BAU)と機器使用時漏洩源の内訳
出典:経済産業省資料1995 2000 2010 2020 地球温暖化 対策推進大綱 京都議定書 目標達成計画 フロン回収・破壊法 2002年制定 2007年改正法施行 1997 京都議定書採択 1992 気候変動枠組 条約採択
フロン対策分野における地球温暖化対策の流れ
フロン排出抑制法 2015年施行 回収・破壊技術の 開発 新規代替物質の開発 ノンフロン化技術の開発 (低GWP化) 規 制 等 動 向 NEDO フ ロ ン 対 策 プ ロ ジ ェ ク ト 京都議定書 第一約束期間 (2008~2012)2.NEDOのフロン対策プロジェクト
9 ’97(H9) ’98 ’99 ’00 ’01 ’02 ’03 ’04 ’05 ’06 ’07 ’08 ’09 ’10 ’11 ’12 ’13 ’14(H26) 省エネルギーフロン代替物質 合成技術開発 SF6等に代替するガスを利用した 電子デバイス製造クリーニング システムの研究開発
新規代替物質
の開発
エネルギー使用合理化新規冷媒等 研究開発 塩素系 化合物 代替物質 開発 ノンフロン型省エネ冷凍空調システム開発 高効率ノンフロン型空調機器 技術の開発回収・破壊
技術の開発
SF6フリー高機能 発現Mg合金組織 制御技術開発 革新的ノンフロン系断熱材技術開発 電子デバイス製造プロセスで使用 するエッチングガスの代替ガスシス テム及び代替プロセスの研究開発 代替フロン候補の実用性の 評価・検討 フロン類破壊設備、CDM事業への適用ノンフロン化(低GWP化)
技術の開発
地球環境産業技術に係わる先導研究 分解処理・破壊技術開発 断熱材の回収・ リサイクル技術開発 代替フロン等3ガスの排出削減 設備の開発・実用化支援事業実用化支援
技術の開発
NEDOのフロン対策プロジェクト
事例紹介 (a)回収・破壊技術の開発 地球温暖化防止関連技術開発「HFC-23破壊技術の開発」 事業者:月島環境エンジニアリング(株)、旭硝子(株)、ダイキン工業(株) ・燃焼空気を旋回させる「ボルテックスバーナー」により、フッ素含有廃ガスを1,200℃以上で 高温燃焼し、フロン類を完全分解 ・「液中燃焼法」により、燃焼排ガスを水冷してフッ化水素、塩化水素を水に吸収、中和処理を 行い無害化 ・国内外のフロン製造プラントに附属するフロン破壊装置として約30基適用。CDM事業として 海外の温室効果ガス削減にも貢献
11 事例紹介 (b)新規代替物質の開発 「省エネルギーフロン代替物質合成技術開発」プロジェクト 「エッチング用代替物質(ヨウ化トリフルオロメタン)合成技術の開発」 事業者:東ソー・エフテック(株) ・ オゾン破壊係数(ODP)、地球温暖化係数(GWP)が非常に小さく地球環境にやさしい CF3I(ヨウ化トリフルオロメタン)の連続合成技術を確立 ・CF3Iの適用分野を種々検討 (消火剤、半導体エッチング、マグネシウムカバーガス、電気絶縁ガス等) CF3I製造装置外観 不活性ガス 消火剤 ハロゲン系ガス 消火剤 N2 CO2 CF3Br CF3I 消炎濃度 (vol%) 33.6 22.0 2.9 3.0 ODP 0 0 10 0.0001 GWP - 1 7,140 0.4 大気寿命(年) - - 65 0.005 モントリオール議定書で生産中止 となるCF3Br(ハロン1301)を代替 CF3I 噴出ノズル 石油タンク消火設備 消火剤 半導体エッチング 【適用分野】 従来のCF4(GWP:6500)、 C4F6(GWP:290)よりも良好な エッチング性能を確認 断面 上面 エッチングの比較 【連続合成技術の確立】 従来法 新合成法
CF3CO2Na +I2 → CF3I+CO2+NaI
3CHF3+I2+O2 → 2CF3I+CO2+3HF 触媒
・バッチ反応
・高価な原料を使用
・気相触媒連続合成法 ・安価な原料を使用
事例紹介 (c)ノンフロン化(低GWP化)技術の開発 「ノンフロン型省エネ冷凍空調システム開発」プロジェクト 「CO2冷凍サイクルの高効率化技術の開発」 事業者:パナソニック(株) ・従来のHFC冷媒をCO2に転換した省エネ型冷凍冷蔵ショーケースを開発 ・CO2を冷媒とした場合、HFC冷媒と比較して作動圧力が高い、効率が低いという課題に対して、 ロータリー2段圧縮コンプレッサー、冷凍用CO2冷媒回路を開発し、低消費電力(ー23%)を実現 ・冷媒転換、省エネ効果により、システム全体で約60%のCO2排出量を削減 【直接影響:冷媒転換】 機器からの冷媒漏洩 【間接影響:省エネ効果】 冷凍システム運転時の 消費エネルギー (エネルギー起源CO2換 算) 27 24 35 0 0 10 20 30 40 50 60 70 C O 2 排 出 量( ト ン /年 ) 直接影響 間接影響 61%削減
13 高効率ノンフロン型空調機器技術の開発 ~業務用空調機器分野への低温室効果冷媒適用技術の開発による代替フロン排出の削減~ プロジェクトの概要 事業計画 既存プロジェクトとの関係 想定する実用化イメージ等 研究開発機関 : 平成23年度~平成27年度(5年間) <研究開発スケジュール> アウトプット目標 平成27年度までに、低温室効果冷媒を用いつつ現状市販 フロン品と同等以上の性能を実現する基盤技術を確立する。 アウトカム目標 代替フロン排出削減効果として、2030年で数百万t-CO2、 2050年で1千万t-CO2以上の効果を見込む。 低温室効果冷媒及びこれを適用するシステムの性能・安全 性評価を通じて、低温室効果冷媒に係る国際規格策定の議 論をリードすることで、海外市場における競争基盤を獲得する。 実用化見込み 基盤技術が確立されることにより、環境面ニーズの高さから、 事業化展開の促進が期待できる。 海外市場(特にポテンシャルの高いアジア市場)獲得のため の、優れた技術の海外展開、普及の推進に貢献することが期 待できる。 ●高効率ノンフロン型空調機器技術の開発(H23~H27) ・機器規模の大きな業務用空調機器分野 を対象とした 機器システムおよび新冷媒の開発 ●ノンフロン型省エネ冷凍空調システム開発(H17~H22) ・冷却のみを行う業務用冷凍冷蔵機器分野 ・機器規模が小さい家庭用エアコン分野等 を対象とした 機器システム開発 現行の代替フロン冷媒に比べ大幅に温室効果を下 げた低温室効果冷媒の適用と高効率化を両立する 業務用空調機器(ビル用PAC等)を実現するため、機 器システム、冷媒の両面から以下の技術開発を行う。 ①低温室効果の冷媒で高効率を達成する主要機器 (圧縮機、熱交換器等)の開発 ②高効率かつ低温室効果の新冷媒の開発 ③冷媒の性能、安全性評価(可燃性、毒性等) H28 ~ H24(2012) H23(2011) ①低温室効果の冷媒で高効率を達成する主要機器の開発 ②高効率かつ低温室効果の新冷媒の開発 システム、 モジュール の実用化 H25(2013) H26(2014) H27(2015) ③冷媒の性能、安全性評価 冷媒の性能、安全性評価 新規開発冷媒の性能評価 低温室効果冷媒適用技術の開発 実施中プロジェクト (c)ノンフロン化(低GWP化)技術の開発
国内外の規制動向との連携
●国内の規制動向 ・高圧ガス保安法 微燃性冷媒実用化に資する法整備への寄与 ・フロン回収・破壊法の改正⇒「フロン排出抑制法」 ・・・製品の低GWP化促進を謳うもの 低GWP冷媒適用技術開発の促進 ●国外の規制動向 ・欧州 Fガス規制の強化案 ・モントリオール議定書への北米3カ国提案 輸出、海外技術移転等を視野に入れた技術開発 ・・・HFCのフェーズ ダウンを図るもの3.規制動向
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フロン排出抑制法による対策強化
フロン排出抑制法における指定製品の区分
17 現行冷媒(不活性ガス)は このグループに属する 「微燃性」冷媒は「不活性 以外のガス」扱いとなり、 このグループに属する可 能性あり (注)第1種製造者:都道府県知事への認可が必要 第2種製造者:都道府県知事への届出が必要 その他製造者:届出は不要であるが、技術基準を遵守 適用除外:高圧ガス保安法の適用を受けない 〔出典:産構審地球温暖化防止対策小委員会・中環審フロン類等対策小委員会第3回合同会議参考資料(2012/8)に基づきNEDO作成〕 対象機器のボリュームゾーンに 対する規制の影響が大きい 規 制 緩 和 フルオロカーボン (不活性以外 のガス) ※掲名による規定 フルオロカーボン (不活性ガス)
高圧ガス保安法冷凍保安規則の規制体系の概要
●低温室効果冷媒(微燃性冷媒)が 第2グループに属すると、様々な制 約(技術基準適用による機器コス トアップ等)により普及が困難。 ●冷媒転換を促進するためには、従 来冷媒が属する第1グループ並み の規制とすることが重要。高効率ノンフロン型空調機器技術の開発
成果報告会
平成27年7月15日(水)
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 環境部 地球温暖化対策グループ 寳山 登目 次
1.本事業の概要
2.プロジェクトのターゲット
3.研究開発実施体制
4.研究開発テーマ
5.実施中のプロジェクト
6.微燃性冷媒リスク評価研究会
7.まとめ
1 ②高効率かつ低温室効果の新 冷媒の開発 ●研究開発期間:平成23年度~平成27年度(5年間) (2011年度~2015年度) ●現行の代替フロン冷媒に比べ大幅に温室効果を低下した低GWP冷媒を用 い、かつ高効率を実現する業務用空調機器の実用化に向け、次の3つの研 究開発を実施中 ①低温室効果の冷媒で高効率 を達成する主要機器(圧縮 機、熱交換器等)の開発 ③冷媒の性能・安全性評価 (可燃性、毒性等)
1.本事業の概要
(実績値は政府発表値。BAU推計値は経済産業省試算値。) 0 10 20 30 40 50 60 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2020 冷凍空調分野以外 冷凍空調機器に係る事項 ※:Business As Usual (基準年) 冷凍空調分野以外 冷凍空調分野 京都議定書目標達成計画(31百万t-CO2) (百万t-CO2) 代替フロン等 3 ガス の 排出量 ( CO 2 換 算) 代替フロン等3ガスの排出量推移 (BAU※) 【研究開発項目】●中間的温度帯(空調)では、代替フロンと同程度の熱力学特性、不燃性を持つ冷媒が見つ かっていない。 ●システム面では、省エネ性、安全性の両面から技術的ハードルが高い。中でも業務用空 調については、規模(冷媒量・配管長等)が大きいこと等から特に技術的ハードルが高い。
2.プロジェクトのターゲット
アンモニア 二酸化炭素 空気 大型冷凍倉庫・超低温冷凍 アンモニア 二酸化炭素 中型業務用冷凍 冷蔵 二酸化炭素 カーエアコン 新冷媒 二酸化炭素 業務用空調 新冷媒 二酸化炭素 ルームエアコン 製品化していない領域 イソブタン 自動販売機 (加温) 製品化したが十分に普及していない領域 イソブタン 二酸化炭素 普及難 普及している領域 現場設置型 ・冷媒充填量大 ・メンテナンス必要頻度大 工場出荷型 ・冷媒充填量小 ・メンテナンス必要頻度小 自動販売機 (冷却) 新冷媒 二酸化炭素 イソブタン 有力な代替冷媒を検討中 二酸化炭素 「ノンフロン型省エネ 冷凍空調システム 開発」(H17~H22) ターゲット3.研究開発実施体制
助成 NEDO環境部を主体とする成果評価確認のための技術委員会 (メンバーは大学、研究機関、団体などからの有識者が参画) ③冷媒性能・安全性評価 PJリーダー: 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 教授 飛原 英治 サブPJリーダー(※): (一社)日本冷凍空調工業会 微燃性冷媒安全性検討WG 主査 藤本 悟 パ ナ ソ ニ ッ ク ②冷媒開発 ①機器開発 委託 佐 賀 大 学 九 州 大 学 東 京 大 学 産 総 研 産 総 研 旭 硝 子 NEDO ※主として冷媒性能・ 安全性評価を監督 九 州 産 業 大 学 東 京 理 科 大 学 三 菱 電 機 サ ン デ ン 三 菱 重 工 ダ イ キ ン 工 業 東 京 大 学 い わ き 明 星 大 学 助成 産 総 研 3研 究 開 発 項 目 N o . 研 究 テ ー マ 助 成 先 / 委 託 先 期 間 対 象 技 術 等 対 象 冷 媒 1 CO2を 冷媒とした業務用空調機器向け高効 率冷凍サイ クルの開発 サン デン (株) CO2 2 CO2-HFO系混合冷媒を 用いた高効率業務 用空調機器技術の開発 パナソニック(株) HFO系混合冷媒 (HFO系+CO2 +R32混合等) 3 扁平管熱交換器を 適用した業務用空調機 の研究 三菱電機(株) 低GWP冷媒 (R1234yf等) 4 低GWP冷媒の高温域での適用調査研究 三菱重工業(株) 2011 ターボ式機器 超大型:ビ ル、工場全体のセン トラ ル 冷暖房、地域冷暖房等に使用 低GWP冷媒 (R1234ze(E)) 5 高効率ノン フロ ン 型ビ ル用マルチ空調機 器の研究開発 ダイ キン 工業(株) 2011 ~ 2015 ビ ル用マルチエアコン 大型:中~大規模ビ ル冷暖房用 CO2 ② 冷媒開発 6 高効率かつ低温室効果の新冷媒の開発 旭硝子(株) 2011 ~ 2015 低GWP冷媒開発 新規低GWP冷媒 7 業務用空調機器に適した低GWP冷媒の探 求とその安全性、物性およ び性能評価 九州大学 ・R1234ze(Z) ・R1234ze(E)+R32+CO2の 三元系混合冷媒 ・新規低GWP冷媒 等 8 微燃性冷媒の燃焼・爆発性評価と空調機器 使用時のリスクアセスメン ト 諏訪東京理科大学 ・R1234yf ・R1234ze(E) ・R32 2011 ~ 2013 パッケージエアコン (PAC) 中型:小規模店舗、事務所等の 冷暖房用 ③ 冷媒の 性能・ 安全性 評価 2011 ~ 2015 低GWP冷媒評価(性能・安全性※) ※微燃性冷媒(A2L冷媒)の安全性 評価に関しては、「微燃性冷媒 リスク評価研究会」の下、産業界 と連携 ① 機器開発
4.研究開発テーマ
5.実施中のプロジェクト(1)
「高効率ノンフロン型ビル用マルチ空調機器の研究開発」:ダイキン工業株式会社 環境技術研究所 ①低温室効果の冷媒で高効率を達成する主要機器(圧縮機、熱交換器等)の開発 新機構多段圧縮機(性能評価用試作機) ピストン クランク軸 ブレード シリンダ 圧縮機メカ部 【目標】空調機器へのCO2冷媒適用において、従来のHFC冷媒と同等レベルの性能を達成するため、多 段圧縮機を用いた圧縮動力低減及び膨張機を用いた膨張損失低減により空調機システムの高効 率化を図る 【成果】新機構多段圧縮機、空気熱交換器、流路切換弁などの要素技術の開発を行い、これらの要素技 術を搭載したシステム評価を実施 【今後】実証試験装置を用いた評価試験によりシステム性能を確認 本研究開発のノンフロン型 高効率ビル用マルチ空調機イメージ 室外機 室内機2 室内機1 55.実施中のプロジェクト(2)
「高効率かつ低温室効果の新冷媒の開発」:旭硝子株式会社 空調機器用新冷媒の性能比較 冷媒 項目 従来冷媒 (HFC※1-410A) 新冷媒 (主成分:HFO※2-1123) 代替冷媒の一つ (HFC-32) オゾン層への影響 なし なし なし GWP比※3 1 約1/6 約1/3 ②高効率かつ低温室効果の新冷媒の開発 【目標】従来冷媒(HFC-410A)よりGWPが低く、不燃性~微燃性、低毒性、従来冷媒と同等のCOP及び冷凍 能力を備えた、業務用空調機器に適した冷媒の開発 【成果】従来冷媒と比べてGWPを約1/6に抑えたHFOを主成分とする新冷媒を開発 【今後】冷媒の性能・安全性評価を実施し、新冷媒実用化の取り組みを加速 ・冷媒選定 ・基礎評価 -冷凍機油選定 -ドロップイン評価 ・量産プロセス検討 ・最適化検討 -機器の最適化 -長期信頼性評価 ・リスクアセスメント FY H26-27 FY H23-25 FY H25-26 【適用例】 ・家庭用空調機 (ルームエアコン) ・業務用空調機 (パッケージエアコン、 ターボ冷凍機) ・冷凍冷蔵機器 (冷凍・冷蔵ショーケース)5.実施中のプロジェクト(3)
【目標】微燃性物質を冷凍空調機器用冷媒として使用するときの性能・安全性評価に必要な基礎的データの取得 【成果例】 1.測定した微燃性冷媒の伝熱特性データ等からGWP=300以下の低GWP冷媒として有望なR1234ze(E) /R32/CO2系混合冷媒組成比を選定 2.微燃性冷媒の燃焼性に関する基礎データ取得。暖房機器、ライターに対して想定事故シナリオに基づきフィ ジカルハザード評価を実施 3.室内への冷媒リーク時の安全性に関する研究、冷媒の燃焼性評価など実施。得た結果を微燃性冷媒リスク 評価研究会へ提供 【今後】国内外の法規制動向を注視しつつ、冷媒の性能、安全性評価に資する研究を継続 ③冷媒の性能、安全性評価 No . 研究テ ーマ 委託先/ 再委託先 1 業務用空調機器に適した低GWP冷 媒の探求とその安全性、物性および 性能評価 九州大学/いわき明星 大学、佐賀大学、九州 産業大学 2 微燃性冷媒の燃焼・爆発性評価と空 調機器使用時のリスクアセスメント 諏訪東京理科大学/ 産総研 3 エアコン用低GWP冷媒の性能および 安全性評価 東京大学/産総研 7 ASHRAE法による燃焼性評価例研究会の目的 1.「③冷媒の性能、安全性評価」研究で得られた基礎データ(燃焼性、着火性、被害程度)を基に微 燃性冷媒のリスク評価を推進 2.工業会リスク評価結果の第三者レビュー。 → 産業界のニーズを本プロジェクト研究内容(性能・安全性評価、機器開発)にフィードバック (公社)日本冷凍空調学会(JSRAE) オブザーバ 主 査:東京大学大学院 教授 飛原 英治(PL) 副主査:(一社)日本冷凍空調工業会 藤本 悟(SPL) ・東京大学 ・諏訪東京理科大学 ・九州大学 ・(一社)日本冷凍空調工業会 (JRAIA) ・JSRAE保安委員会 ・(一社)日本自動車工業会 (JAMA) ・産業技術総合研究所 ・JRAIA: ・環境化学技術研究部門 リスク評価 安全性研究 NEDOプロジェクト METI、NEDO等 事務局