1)R32
冷媒を上回る低GWP
冷媒を使用する家庭用エアコン ディショナの研究開発R32
を上回る低GWP
性能を実現するために、冷媒使用量を極限まで低減した 家庭用エアコンディショナの開発、並びにHC
系の自然冷媒を使用しつつ、燃焼性・安全性にも対応した家庭用エアコンディショナを開発する。
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テーマ
R32
冷媒を上回る低GWP
冷媒を使用する家庭用エアコンディショ ナの開発背景
HC
系冷媒は強い燃焼性を有しているため、従来冷凍空調機器の冷 媒として使用されることが少なかった。しかし例えばR290
はGWP
=3と低く、またCOP
等の性能面でも現在の主冷媒R410A
と同等の性能が期待できる。一方で
R32
等のフロン系冷媒、混合冷媒等を使用しつつ冷媒使用 量を極限まで低減できる技術により低GWP
性は確保でき、HC
系 冷媒の使用実現にも冷媒少量化は必要な技術である。2029
年以降のモントリオール議定書北米3か国提案への対応を考 えると、冷媒使用量を圧倒的に少量化する技術、HC
系冷媒を安全 に利用可能とする技術が必要である。提言 2: 冷凍空調機器開発
1)R32
冷媒を上回る低GWP
冷媒を使用する家庭用エアコン ディショナの研究開発19
開発課題
HC
系の自然冷媒使用や、その冷媒充填量の極少化によって、低GWP
性を確保できる家庭用エアコンディショナを実現するには、下記の3項目が課題である。
冷媒使用量を極限まで少量化できる技術 HC
冷媒等の低GWP
冷媒を使用する技術
「冷媒リスクアセスメント」による燃焼性・安全性の評価 日本独自のきめ細かな技術と気配りを駆使して、ライフサイクル 全体での安全性を製品・制度・インフラのすべてにわたって確立 し、それを世界に広めていくことが期待される。一方そのためにはリスクアセスメントは極めて重要であり、製品 開発とリスクアセスメントの両輪で、制度・インフラ・法規の構 築・変更(冷媒許容量基準値の規定を含む)を含めた活動として いくことが重要である。
提言 2: 冷凍空調機器開発
1)R32
冷媒を上回る低GWP
冷媒を使用する家庭用エアコン ディショナの研究開発20
開発体制 冷凍空調機器メーカをリーダとした共同プロジェクト体制
HC
系冷媒を用いた家庭用エアコンディショナ開発は、冷凍空調機 器メーカ単体では開発リスクが高く実施できないと思われる。冷 凍空調機器団体が組合をつくり実施することも考えられる。開発
メンバー
リーダ)冷凍空調機器メーカ、評価機関、ユーザ
提言 2: 冷凍空調機器開発
2
)HCFO-1233zd
冷媒を利用できる冷凍空調機器の研究開発HCFO-1233zd
冷媒は、ODP=0
、GWP
が小さく、毒性・燃焼性が無い冷媒 であるが、冷凍空調分野では大容量ターボ冷凍機のみで使用されている。そ こで、HCFO-1233zd
を中小容量の冷凍空調機器でも使用出来るようにする 冷凍空調機器開発を提案する。21
テーマ
HCFO-1233zd
を利用できる中小容量の冷凍空調機器の開発背景
HCFO-1233zd
冷媒は、ODP
が0(塩素分子を有するが、大気中寿命が短いので実質0と評価されている)で
GWP
も小さく、毒性 と燃焼性が無く、COP
もR123
とほぼ同等の性能が期待できる、現 在では最も環境的にも性能的にも優れている冷媒の一つと考えら れる。しかしその用途は、600USRt
以上の大容量ターボ冷凍機用 に限られており、中小容量の冷凍空調機器では利用できていない。開発課題
HCFO-1233zd
冷媒を使用出来る中小容量の冷凍空調機器の開発開発体制 機器メーカをリーダとし、ユーザも含めた共同プロジェクト体制