JAIST Repository: シンジオタクチックポリスチレンの等温結晶化過程における力学的挙動に関する研究
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(2) シンジオタクチックポリスチレンの 等温結晶化過程における力学的挙動に関する研究 山田 洋文. (新田研究室). 1. 緒言 シンジオタクチックポリスチレン( SPS )は、高いガラス転移温度(約 373K )および 高い融点(約 543K )を示す結晶性高分子である。ガラス転移温度が室温よりも極めて高 く、他の結晶性高分子と比較して結晶化速度が著しく遅いために、融解状態から急冷する ことによって、容易にアモルファス状態を保持したフィルムを調製することができる。そ こで、等温結晶化過程中における分子の凝集状態に関する情報を得る目的で、SPS の急 冷フィルムをガラス転移以上の温度で等温結晶化させ、その等温結晶化過程中で動力学的 測定ならびに静力学的測定を行なった。 2. 実験 本研究に用いた SPS は、メタロセン触媒(ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニ ウムトリクロリド‐メチルアルミノキサン;Cp3 TiCl3 /MAO )を用いて、30 ℃、48 時間 の重合条件で合成された。 測定に用いたアモルファス SPS フィルムは、10MPa の圧力で 568K で溶融プレスした 。 後、氷水中に急冷して調製した(以下、SPS(Q) と記す) 動的粘弾性は、レオロジ社製 DVE-V4 を用いて、動的弾性率の温度依存性を 2K/min の昇温速度で、123-543K の温度範囲内で測定した。また、388-458K の範囲のある温度に 設定して、等温結晶化過程での動的弾性率を時間の関数として解析した。さらに、静力学. 図 1: SPS(Q) の貯蔵および損失弾 性率の温度依存性 keywords. 的測定(応力−ひずみおよび応力緩和測定) を 393K の等温結晶化過程中で行ない、応力 を時間およびひずみの関数として解析した。 3. 結果と考察 図1に SPS(Q) の動的粘弾性測定の結果を 示す。ガラス転移を越えた 400-412K の温度 域において、動的弾性率の急激な回復が観測 された。回復後、結晶部に基づく緩和が観測 された。この回復挙動を FT-IR を用いて調べ たところ、動的弾性率の回復終了後に結晶化 が始まっていることが確認された。さらに、 異なる周波数における tan δの時間依存性 ならびに等温結晶化過程中での応力−ひずみ 特性を測定したところ、この回復には、非晶 状態から結晶化していく過程に生じるゲル化 に類似した機構が関与していることが示唆さ れた。. シンジオタクチックポリスチレン, 等温結晶化, ゲル化. Copyright c 1997 by Hirofumi Yamada.
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