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体育授業におけるスポーツミラーを用いた身体運動画像の即時フィードバックの効果

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Academic year: 2021

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(1)Title. 体育授業におけるスポーツミラーを用いた身体運動画像の即時フィード バックの効果. Author(s). 佐藤, 毅; 林, 政孝; 西嶋, 尚彦; 小澤, 治夫. Citation. 釧路論集 : 北海道教育大学釧路校研究紀要, 第38号: 125-131. Issue Date. 2006-11. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/1396. Rights. 本文ファイルはNIIから提供されたものである。. Hokkaido University of Education.

(2) 釧路論集一北海道教育大学釧路校研究紀要一第38号(平成18年) KushiroRonshu,−JournalofHokkaidoUniversityofEducationat Kushiro−No.38(2006):125−131.. 体育授業におけるスポーツミラーを用いた身体運動画像の 即時フィードバックの効果 佐 藤 毅1・林 政 孝1・西 嶋 尚 彦2・小 滞 治 夫3 1北海道教育大学釧路校大学院. 2筑 波 大 学 3北海道教育大学釧路校. Effect of realtime feedback on body movementimage using Sports Mirror systemin physicaleducation class TakeshiSATOHl,MasatakaHAYASIl,Takahiko NISHIJIMA2,Haruo OzAWA3. 1Hokkaido University ofEducation at Kushiro 2university ofTsukuba 3Hokkaido University ofEducation Kushiro Campus. 要 旨. 体育授業や部活動の指導において、スポーツ用の鏡やビデオカメラを活用し、生徒にフィードバックさせ ることが効果的であることは経験的に認識している。しかし、その場合、運動の範囲に制限が生じたり、巻 き戻しをする必要が生じたりして、活用する場面が限られる。そこで、ビデオカメラとモニターの間に、意 図的に時間の遅れを作るインターフェイスを用いることによって、数秒後に自分の動きを観察できる装置(ス ポーツミラーシステム)を中学生対象の授業で用い、その効果について検討した。対象運動は陸上競技のハー ドル走とした。 スポーツミラーを採用した実験群と採用しなかった統制群で比較検討した結果、実験群では生徒自身によ る自己評価と教師の評価との差が小さく、自己評価能力が高い傾向が見られた。また、自分のフォームを繰 り返し見る機会が増えることで、正確に自身のフォームを認識できるようになったことが推測された。さら に、運動技術を追究することが楽しいと感じる生徒が増えた。 以上より、ハードル走における体育授業ではスポーツミラーシステムを用いた指導が有効であると考えら れた。. 育授業ではこの方法は困難である。. 目 的. そこで我々はビデオカメラとモニターの間に、意図的に 時間遅延を作るインターフェイスを用いることによって、. 体育教師は運動技能習得に即時的なフィードバックが有. 効であることは経験的に認識している。特にフォームチェッ クを行う場合、スポーツ用の鏡を設置し活用させたり、ビ デオカメラで撮影し、再生し確認させるなどの方法を場に. 生徒が数秒後には自分の動きを観察する方法を授業で試み. 応じて活用している。. 度や思考・判断、運動技能の3つの観点において有効か否. しかし、スポーツ用の鏡を活用できる場面は、移動距離 の少ない運動に限られる。また、現在数多く使われている ビデオカメラは、液晶のモニターがついており、手軽にそ のまま再生しすぐに見ることができるが、巻き戻しをしな ければならず、運動直後に見ることは多人数を指導する体. かを検証することを目的とした。なお、この装置を用いた. た。 本研究では、体育実技の授業において、関心・意欲・態. システムと方法を、自分の動きやフォームを鏡のようにす ぐに見ることができることから、「スポーツミラー」と呼ぶ こととした。. −125−.

(3) 佐藤 毅 他. 2 関心・意欲・態度. 方 法. 「ハードル走は楽しい」、「技術追究の過程が面白い」と. 1 対 象 対象は中学3年生男女生徒120名であり、スポーツミラー を採用した群(実験群:男子19名、女子21名)と採用しな かった群(統制群:男子40名、女子40名)との間で比較検 討した。対象運動は陸上競技のハードル走で10時間の単元、. いう興味を引き出せるかどうかが情意面において重要であ. る。学習前後におけるハードル走に対する興味をアンケー トにより調査、分析した。また、金時間における学習意欲 を自己評価し学習ノートに記入させ、その変容を分析した。 さらに、実験群においては、スポーツミラーを使った回数 や使った感想をアンケートにより調査した。. 授業回数5回の学習であった。 ビデオカメラからの信号をいったん入力して時間の遅延. を作るインターフェイス(品名スボレコ、フォトロン社製) は(図1)、3∼14秒の間で1秒単位の設定で遅延時間を変 えられる仕様になっているが、今回のハードル走の授業で は10秒後に見られるように設定して授業を進めた。. 3 思考・判断. ハードル走において記録を短縮するためには、「距離のロ ス」と「スピードのロス」を少なくすることが大切になる。 この物理的な課題を解決するためのポイントを理解できる. かどうかを学習ノートの記述から分析した。また、自分の 技術を映像で見て評価(自己評価)させたものと教師の評. 価との差を比較し、生徒の自己評価能力の変容を調べた。 4 運動技能 学習前後における50mハードル走の記録の変化とハードリ. ングタイム(50mハードル走の記録と50mフラット走の記 録の差)の変化によって比較した。 図1 スポーツミラーで用いたインターフェイスとシステム全体. 結果と考察. 2 学習の進め方. 1 ハードル走に対する意識の変容(関心・意欲・態度). 実験群と統制群において指導上の差が出ないように、1・. 学習前の意識と、学習後にハードル走に対する好嫌度を. 2時間目にハードル走の技術的なポイントを①ハードリン. グ技術、(ヨインターバルでの走り方の技術、③1台目まで. 5段階評価で行った。. のアプローチの技術であることを説明し、示範のビデオを. 【学習前】 「ハードル走に興味がありますか。」. 見せてイメージをつかませた。. 【学習後】 「ハードル走は好きですか。」. その後、教師からのアドバイスを行わず、生徒はペア学. 興味がある 5 4 3 2 1 な い. 習での教え合いとスポーツミラーによるフィードバックを. 好. 進めるなかで運動技能の習得を目指した。. 表2 学習前後のハードル走に対する意識調査の結果. 表1 学習の流れ 学習過程. 実験群. 嫌 い. き. 統制群. ・オリエンテーション 学習1. ・技能の説明. ・記鉄則走(50mフラット走 50mハードル走) 学習2. ・スポーツミラーを括 学習3. 実験群. 3.3. 2.4. 2.8. 4.3. 4.1. 4.2. 統制群. 3.1. 2.8. 2.8. 4.3. 4.3. 4.3. ・ペア学習. 用したペア学習. ハードル走の学習は経験したことがない生徒がほとんど. 学習4. で(経験者は全体で3名)、イメージで興味の有無を答えさ せたところ、実験群の女子で2.4と興味・関JL、はかなり低か った(表2)。また、男子においても平均すると3.2と、球. ・記録会. 学習5 ・学習のまとめ. 技など人気の高い単元と比較すると興味・関心は低い数値. を示した。その理由については、「高くて怖い」「跳べるか どうか不安」「けがをしそう」といったものが多かった。他. ー126−.

(4) 体育授業におけるスポーツミラーを用いた身体運動画像の即時フィードバックの効果. の単元では、技能面の上位層の生徒には「おもしろそう」 という声が多く見られるのだが、ハードル走においてはそ の意識も低いように感じられた。. れはスポーツミラーを活用したハードリング技術の定着を. 重点に行った学習において、技能の伸びが自覚できた生徒 が多かったからではないかと考えられる。 統制群においては、動因効果と楽しかった学習の両方で. ドルに対する今の意識は?」という調査. 学習後に「ハー. を行った結果、実験群、統制群ともに大きく向上した。し かも、技能レベルの高低に関係なく全ての層に関して意識 は高まり、特に、女子における向上が大きかった。 実験群と統制群で差が見られなかったことで、スポーツ. 学習4が最高値を示している(図2)。学習4が最高値を示. ミラーを活用して学習したことが盾接の原因で意識の向上. 意識し、その結果、インターバルを3歩で走ることができ る生徒が大幅に増えたことが影響していると考えられる。. した背景には、ある生徒の「上手くリズムに乗れない」と いう発言から、教師が「インターバルを3、歩で走るための リズム」について説明した。そのことにより「リズム」を. につながったとはいえない。. 動因効果や楽しかったという意識が最も高くなると予想. より動因効果を調査し、その分析を行った。また、単元終. された学習5(記録会)では、実験群、統制群ともに最高 値を示さなかった。生徒個々で見ると、記録会において満 足のいくレースができ、記録を大幅に向上した生徒は動因. 了後に「最も楽しかった学習を一つ選んで下さい」という. 効果が高く、学習5が最も楽しかったと回答した。. 項目で調査を行った結果を表4に示した。. しかし、自分の目標タイムをクリアしたいという強い願 いが緊張感となり、練習どおりの動きができず、目標タイ. 2 学習意欲の変化 学習1から学習5において、Q一分類簡便法(表3)に. ムをクリアできなかった生徒にとっては不満が残る学習と. 表3 Q一分類簡便法 授業に関するアンケート. なったことが原因であると考えられる。. 組 氏名. 授業を受けて自分の気持ちに似ているものを5つ選びなさい。 1. 2 生徒の自己評価能力(思考・判断). 2 3. あまりよくわからなかった。. 算出法. 4. 2.4.6.8.14につけた○の数. よく考えることができた. 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5. ますます勉強がいやになった。 新しいことがわかってうれしかった。 やさしすぎてはりあいがなかった。 もっとこの授業が続けばよかった。 これという感じは残っていない。 とても楽しかった。. ×20=A. 3.9.11.13.15につけた○の 数×(−20)=B. A+B=得点 満 点 +100 最低点 −100. 家で勉強した方がよくわかった。 1 1 1 1 1 1. つらかったが、ためになったような気がする。 とても時間が長く感じられた。 思うように考えたり活動したりすることができなかった。 おさえつけられているような気持ちだった。 勉強のしがいがあるように思われた。 だらけた気持ちですごした。. 表4 単位時間における学習意欲 対象. 調査項目. 学習 ロ. 学習 ㌢. 5. 動因効果 78.6 82.7 91.9 89.1 90.5 実験群 楽しかった 0. 7.7 48.7 17.9 25.6. (%). 図2 動因効果の変容. 動因効果 78.4 84.2 88.4 90.7 90.6 統制群 楽しかった. 2.6. 14.1. 26.9. 33.3. 23.1. (%). この表から分かるように、実験群における動因効果は学. 習3で最も高く、最も楽しかった学習と一致している。こ. −127−. 記録会で撮影した自分の走りの映像から、①振り上げ足 ②抜き足の2つの観点について5段階で自己評価させた。 そして、その結果と教師の評価とを比較し、同じ評価値を 示したものを「一致した数」、2段階以上ずれがあったもの を「不一致の数」としてまとめた(表5)。.

(5) 佐藤 毅 他. 段階でフラット走やハードル走のタイム差があることから、 精緻な検証には至らなかった。また、統制群のタイムが遅 く、伸び幅が大きかったことも考えられる。 この結果から、本単元においてはスポーツミラーが直接 記録の伸びに関係はしていないといえる。. 実験群と統制群で比較すると(彰、②にともに実験群の方 が「一致した数」が多く、また、「不一致の数」は少なかっ た(図2)。 スポーツミラーを活用し、自分の走る姿を客観的に見る 機会を多く経験した実験群の生徒は、練習段階の自分の技 能についてその都度評価を行っており、自分の姿をイメー ジできている。また、観点である振り上げ足、抜き足につ. 表6 ハードル走及びハードリングタイムの変化. いて瞬時に評価できる能力が高まっていると考えられる。. 50m 学習前 学習後 伸び率. 学習前 学習後. 組 対象. 走 ル走 ル走. 表5 生徒の自己評価と教師の評価 学級 振り上げ足. 平均. 抜き足 不. %. 対 象 致 数 致 数. 5 12.8 21. 2.7. 2.1. 数. 学級 平均. 53.8. 6. 47.4. 17. 統. 15.3. 制群. 8.4. 11.2. 10.3. 8.0. 3.0. 2.2. 男子 平均 7.7 10.2 9.3 8.8 2.5 1.8 28.0. 女子 平均 8.9 12.3 11.2 8.9 3.5 2.3 34.2. 続. 21.1. 群 直接確率計算により. P=0.42 有意でない. 22.2. 女子 8.6 11.7 11.0 6.0 3.2 2.5 21.9 平均. % 致. 群. 制. 4.8. 群. 実 験. 10.0. 験. % 数. 10.5. %. 実 不. % 致. 8.0. 伸び率. リング タイム タイム. %. 直接確率計算により. P=0.44 有意でない. 図3、4、5は、実験群における技能の変化が顕著であっ た生徒を技能のレベル各層で抽出して示したものである。 50mハードル走の記録、ハードリングタイムともに大きく 向上しており、3名の生徒は伸びの自覚のアンケートにお いて「5」(強く自覚している)を選んだ。 なお、便宜上、技能のレベルをH(上位)、M(中位)、 L(下位)の3層に分けた。この分類は、表7にあるよう に男女それぞれの「ハードリングタイムの数値に基づいて 行った。. 表7 技能レベル3層の分類 図2 自己評価の一致、不一致の割合. 技能. 男子ハード. 女子ハード. レベル. リングハイム. リングタイム. H(上位). 1.5秒以下. 2.0秒以下. M(中位). 1.6秒以上 2.5秒未満. 2.1秒以上 3.0秒未満. L(下位). 2.5秒以上. 3.1秒以上. 3 タイムの伸び(運動技能) 学習前後に50mハードル走の記録を計測し、その伸びを比 較した。また、記録会の記録におけるハードリングタイム. (50mフラット走の記録−50mハードル走の記録)について 比較した(表6)。. 学習前に計測した50mフラット走の記録は男女ともに実験 群が早かった。また、50mハードル走でもフラット走の速い 実験群が男女ともに統制群を上回った。. 学習後の50mハードル走においては、男女ともに実験群が 速い値を示したが、伸び率(学習後の記録一学習前の記録÷. 学習前の記録×100)を計算すると、統制群の方が大きいこ とが明らかになった。また、ハードリングタイムについて も同様に統制群の伸び率が大きかった。しかし、学習前の. −128−. 26.7.

(6) 体育授業におけるスポーツミラーを用いた身体運動画像の即時フィードバックの効果. ビフォー 女子 50mH:11”00 ハードリング:g,8 技能:M 踏切が近く、振り上げ足を外側 から回して上げている。. アフター 写真右女子. アフター 写真右 50mH:7’9. 50mH:10”3 ハードリング:2”1. ハードリング:1”3. 技能:M. 技能:H. 振り上げ足がまっすぐに伸び. 抜き足が横にしっかり開かれ. た。. ている。. 伸びの自覚 5. 伸びの自覚 5. 図3 H男子の学習前後. 図4 M女子の学習前後. 図5 L男子の学習前後. 4 生徒の技能の伸びと学習後の感想. 多く、「他の人と比較するのではなく、自分の目標達成のた. 単元終了後に書かせた生徒の感想を、男女各3名(各技 能レベル)から抽出し、実験群と統制群に分けてまとめた. めに工夫しよう。」という教師の意図が伝わったと感じてい る。. (表8)。. 残念なことに、真剣に技術を追究するあまりに、考えす. その感想文の中で、ハードル走に関わる技術的な用語を. ぎ、「ハードルが以前より嫌いになった」と感じた生徒が一. 使って記している生徒が48名(全体の41%)いた。. 人出てしまった。この生徒は以前に在籍した学校でハード ル走を学習していた。しかし、今回の学習でインターバル. 他の単元での感想文と比較するとこの割合は多いといえ. るが、検証には至っていない。また、内訳は実験群が18名 (46.2%)、統制群が30名(38.5%)名であった。この差は 大きいものではなく、研究の手立てによるものとは考えら れない。しかし、技能レベルの高低に関わらず、下線(∋「低. の歩数を3歩にしようと努力したがなかなかできずに興味が. 減退してしまったと考えられる。1名ではあったが、タイミ ングよく、的確で直接的な指導を行えなかったことに問題 が残った。. く跳び越す工夫するのもおもしろかった」というように技. 術を追究する過程が楽しかったと感じている生徒が多かっ. た。また、下線②のように「タイムは伸びていないが技術 が高まってしてうれしかった。」という感想を持った生徒が. 一129−.

(7) 佐藤 毅 他. 表8 学 習 後 の 感 想. 男 L 2 4. 走る前や練習しているときは嫌だと思ったが、今日の記録会で思ったより早かったので興味をもってきた。この単元は終わりな. ので少し残念だ。. 男 M 2 4 最後の最後でタイムが落ちてしまった。低く跳び越す工夫をするのもおもしろかった. し. 、50m走より考えることがたくさんあっておもしろかった。. (∋. 実 験. 難しくて大変でした。やっぱり足が遅いので陸上は苦手です。ハードルは怖くて立ち止まってしまうこともありました。でも、 群. 女 M 2 4. 今回の単元は身になった学習だったと思います。ビデオを見るとかなりフォームが良くなり、ハードルの前で立ち止まることも なくなりました。グループ練習では跳べない仲間に見本を見せてアドバイスし、その人が跳べるようになりました。私のビフオ ーアフターも叶い、協力もできて体育を感じることができるようになりました。. 女 H 4 5. までのアブロ⊥チが大切だと思いました。. タイムが縮まってとてもうれしかった。ただ、インターノヤルを3歩でクリアできず、左右交互に跳んでしまった。やはり1台目. 男 L 田 4 足がまっすぐに伸びず、ハードルに引っかかりだめだった。振り上げ足ももっと高く抜き足もしっかり前に出せなかった。. 統. 最初のタイムよりもかなり早くなりとてもうれしい。ほとんどは上手になったが、抜き足だけはうまくならなかった。最初は高. 男 M 2 5. いと感じたが最後は楽に跳び越せて楽しかった。. 男 H 2 4. し練習したかった。. 女L24. も面白かったです。改めて基礎が大切な競技だと思いました。. 他の人よりもタイムは遅いが、技術が上がっているし、特にハードリングタイムは思った以上に短くできて良かった。もう少. 制 群. ②. ハードルは技術が必要な難しい競技だと思いました。でも、上手に跳べるとタイムは上がり、分かりやすい競技だったのでとて. 初めてやったけれど、ハードルの抜き足や振り上げ足について詳しく学習することができてよかった。自分の課題や他人から見. 女 M ロ 田. 女 H 田 田. るとどうなのかなど、分析することが体育では大事なんだなと思った。最初よりもハードルに対する考え方も変わり、楽しいと 思えるようになりよかった。 タイムがどんどん上がっていき驚きました。でも、やればやるほどこだわりが出てきて悶々としました。1台目までのアブロー チは最終的にはうまくできた。インターバルは4歩で合うようになったが、スピードにのると3歩になった。振り上げ足は意識 して伸びるようになったが、早く走ろうとすると抜き足が立ってしまった。. 表9 スポーツミラーの使用回数. 5 スポーツミラーの使用回数. 技能. 単位時間中にスポーツミラーを使った回数を生徒の自己. 性別. 申告によって調べてみたところ、どの技能レベルにおいて も男子が女子を大きく上回り、より積極的に活用していた. レベル H層. 6.5. M層. 5.9. L層. 6.7. H層. 4.9. M層. 4.2. L層. 3.8. ことが明らかになった(表9)。. 男子. また、スポーツミラーを活用した感想を各技能レベルか. ら抽出しまとめた(表10)。回数を多く活用したH層の男子 には技能の伸びに効果があったと感じているものもいた。 しかし、その他の生徒に関しては、自分の姿を客観的に捉 え分析することはできたが、技能の伸びにまでつながらな. 女子. 回数. かったと感じている生徒が多かった。. −130−. 平均回数. 6.4. 4.3.

(8) 体育授業におけるスポーツミラーを用いた身体運動画像の即時フィードバックの効果. 表10 スポーツミラーを使用した回数と感想 文 献. 1)学習指導要領(平成10年12月)解説一保健体育編− 1999 文部科学省 2)ダリル・シーデントップ『新しい体育授業の創造−ス. 自分の走りでなんか変だなと思ったらす. ポーツ教育の実践モデル』(大修館書店 高橋健夫監訳). ぐにスボレコで確認でき理解できたので. 3)杉山重利・高橋健夫・園山和夫・細江文利・木村清人. H層男子 0. .9秒. にもうちょっと余裕をもって見られると. 編集『中学校体育の授業 上巻』(大修館書店). 助かる。. 4)体育科教育 2004.1∼9. 5)小洋治夫(2003)鉄棒単元におけるスポーツミラーに. M層男子 3.0回 走ったとすぐに自分の走りを見ることが 2.0秒 できたので有効に使えた。. よる運動画像の即時フィードバックの効果,釧路論集 35pト6. 自分の走っている姿がじっくり見られて. L層女子 4.2回 3.7秒. 6)北海道教育大学附属釧路中学校研究紀要(1974). 良かった。見るときは恥ずかしかったけれ ど、やっぱり見ると意識が変わるのであっ てよかったと思う。. M層女子 2. .9秒. 自分の動きやみんなの動きを自分なりに M層女子 2. .4秒. の理解はつながることはなかった。. あまり見ることはできなかったが、自分の H層女子 1. .9秒. 使ってみたい。. 結 論 小樽らは鉄棒単元においてスポーツミラーを活用するこ とで、技能の習得率は高く、自身のフォームの認識がしっ. かりとでき、上達のスピードを上げるのに効果的な方法で あるとしている。本研究においては、スポーツミラーを活 用することで、「上手にできる」「できない」にかかわらず 生徒は技術の向上を追究する学習そのものが楽しいと感じ、 さらに自分の運動を客観的に分析する自己評価能力が高ま ることが検証できた。しかし、ハードル走に対する意識や. 単元を通しての学習意欲、技能の伸びに関しては有意な差 は認められなかった。 活用方法に関しては屋外で使用する際にモニターが光っ. て見えにくいという課題も明らかになった。また、遅延時 間の設定を適切に行うことなども課題として残った。 今後は「スポーツミラーを他の単元でも活用したい」と生 徒の■感想にもあったように、いろいろな単元で活用し、そ の効果を検証していくべきであろう。. ー131−.

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