胆汁うっ滞時の胆管上皮細胞の再生についての動物
モデルを用いた検討
著者
守時 由起
号
2361
発行年
2006
URL
http://hdl.handle.net/10097/22977
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氏名(本籍)
学位の種類
学位記番号
学位授与年月日
学位授与の条件
研究科専攻
学位論文題目
論文審査委員
もりときゅうき守時由起(秋田県)
博士(医学)
医博第2361号
平成18年3月24日
学位規則第4条第1項該当
東北大学大学院医学系研究科
(博士課程)医科学専攻
胆汁うっ潜時の胆管上皮細胞の再生についての動
物モデルを用いた検討
(主査)
教授下瀬川
教授林
徹官田
教授海野倫明
論文内容要旨
ゴ巴里 目笊 肝内胆管消失は原発性胆汁性肝硬変のような難治性胆汁うっ滞性疾患において観察される。胆 管細胞の低増殖性がその一因をなすと考えているが,その詳細は不明である。近年提唱されつつ ある幹細胞は魅力ある治療概念であるが,骨髄細胞(bonemarrowceHs,BMCs)が胆汁うっ 滞マウスモデルにおいて胆管細胞に分化しうるかは不明である。そのため,(研究1)として BMCsの胆管細胞への分化能を検討した。また,上皮細胞まで分化しながら未分化状態を保持 している羊膜細胞は骨髄細胞よりも胆管上皮細胞への分化が容易である可能性を考え,(研究2) として羊膜細胞の胆管上皮細胞への分化を検討した。方法
EGFP(Enhancedgreenfluorescentprotein)一トランスゲニックC57BL/6NJciマウス (EGFPマウス)を細胞源として用いた。(研究1)正常C57BL/6NJc1マウスに致死的放射線照 射(800rad)を施し,自身の骨髄増殖能を抑制した。このマウスにEGFPマウスから採取した BMCsを注入した。0.1%ANIT(α一naphtylisothiocyanate)餌を与えることにより,胆汁うっ 滞及び胆管増殖を起こした。胆管細胞およびovalcellsについて,形態学的および組織免疫染色 (CK-7,A6)により検討した。EGFPマウス由来のBMCsについて共焦点レーザー顕微鏡で観 察した。細胞増殖(PCNA蛋白),HGFレセプター発現(c-Met),ならびに幹細胞レセプター 発現(c-kit)についても評価した。また,胎生期胆管の分化に関与するNotch2とHeslについ ても観察した。(研究2)EGFP妊娠マウスより羊膜を得た。EGFP羊膜由来の単離細胞を注入 し,(研究1)同様にレシピエントに胆汁うっ滞を起こし,経時的に胆管細胞への分化能および 周辺蛋白の発現を検討した。結果
(研究1)EGFPマウス由来のBMCs注入3週後には末梢血および骨髄に注入細胞の生着をみ た。定量的PCNA染色により,ANIT餌マウスでは著明な胆管増殖を認めた(2.0-4.2倍vs.コ ントロール)。この胆管増殖自体は照射の影響を受けなかった。しかし,注入後1-5週後までの 観察期間でEGFPとCK7両者共陽性の細胞は確認できなかった。さらにEGFPの免疫染色に ても確認したが,陽性細胞は存在しなかった。肝実質には散在性にEGFP陽性細胞を認めたが, いずれの細胞もCK-7もしくは。-Metとの共陽性を示さなかった。AMT餌中止後増殖胆管は経 時的に消失した。一連の経過観察期間中Notch2もしくはHes1蛋白発現は増殖胆管で認めなかっ 一414一た。(研究2)注入した羊膜細胞は免疫染色にてCK-7陰性,CD45(LuekocyteCommon Antige11)陰性であった。羊膜細胞注入2週,4週後の肝組織にてコントロール群であるANIT 非投与群ではCK-7免疫染色にて有意な胆管増殖を認めず,PCNA染色でも胆管上皮細胞のごく 一部のみ陽性であった。一方ANIT投与群(胆汁うっ滞群)ではCK-7免疫染色にて胆管増殖を 認め,さらにPCNA染色にて胆管上皮細胞の約30%において陽性であった。一部のマウスでは 管腔構造を形成する胆管細胞の一部にEGFP,CK-7二重染色共陽性細胞を認めた。